JP2023114292A - Rfタグシステム - Google Patents

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純司 黒田
Junji Kuroda
博長 清水
Hironaga Shimizu
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Abstract

【課題】複雑な構成・構造等を必要とすることなく、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのまま使用可能で、かつ、必要な複数のRFタグの中から目標となる対象のRFタグのみと誤りなく確実に交信する。【解決手段】送受信アンテナ11とRFタグ20と中継装置30とを備えたRFタグシステム1であって、中継装置30は、導体31と、導体31を支持する支持体32とを備え、送受信アンテナ11とRFタグ20の中間に設置され、導体31は、送受信アンテナ11又はRFタグ20から受けた電波を再放射する構成としてある。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば物流ラインを流れる製品や、フォークリフトで搬送される搬送物などの、管理対象となる物品・対象物に取り付けられたRFタグを読み取って、製品管理や物流管理を行うためのRFタグシステムに関する。
一般に、任意の物品や対象物に対して、当該物品や対象物に関する所定情報を読み書き可能なICチップを内蔵した所謂RFタグが広く使用されている。RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ,ICタグ,非接触タグ等とも呼ばれ、ICチップと無線アンテナを備えた電子回路が樹脂フィルム等の基材によって封止・コーティングされた所謂インレイ(インレット)が、タグ(荷札)状に形成されてなる超小型の通信端末であり、読取・書込装置(リーダ・ライタ)によってタグ内のICチップに所定の情報が無線で読み取りや書き込み,読み書き(リードオンリー,ライトワンス,リード・ライト)が行えるようになっている。
そして、このようなRFタグに所定の情報を書き込んで任意の物品,対象物等に取り付けることにより、RFタグに記録された情報がリーダ・ライタによりピックアップされ、タグに記録された情報を当該物品に関する所定情報として認識,出力,表示,更新等させることができる。
このようなRFタグは、ICチップのメモリに数百ビット~数キロビットのデータが記録可能であり、物品等に関する情報としては十分な情報量を記録でき、また、読取・書込装置側とは非接触で通信が行えるため接点の磨耗や傷、汚れ等の心配もなく、さらに、タグ自体は無電源にすることができるため対象物に合わせた加工や小型化・薄型化が可能となる。
このようなRFタグを用いることで、タグを取り付ける物品に関する種々の情報、例えば当該物品の名称や識別記号,内容物,成分,管理者,使用者,使用状態,使用状況などの種々の情報が記録可能となり、ラベル表面に印刷表示される文字やバーコード等では不可能であった多種多様な情報を、小型化・薄型化されたタグを物品に装着するだけで正確に読み書きすることが可能となる。
このため、RFタグは、例えば産業界において大量の製品を取り扱う物流管理や製品管理のための手段として広く活用されている。
ここで、物流システム等において複数の対象物に取り付けられたRFタグを読み取るためには、特に物流ラインを流れる製品やフォークリフト等で搬送される物品などの個々の対象物のRFタグを、一つ一つ正しく識別して読み取るためのシステム、RFタグシステムが必要となる。
例えば、顧客向けの製品等を取り扱う産業界では、製品管理等に誤りがあってはならず、RFタグシステムは、対象物に取り付けられたRFタグと100%(確実に)交信することが求められる。
このような目標を達成するための一般的な手段としては、対象物に貼付されたRFタグと余裕を持って交信可能となるように、RFタグを読み取るリーダ・ライタの出力を調整することがある。
一方、実際の物流の現場では、目標となる対象物以外にもRFタグが貼付された周辺物品が存在しており、周辺物品に貼付されたRFタグと交信してしまう誤読の問題がある。
さらに、RFタグを貼付する物品の状態や、RFタグの個体差によっては、遠方に存在するRFタグ(周辺物品)の感度が相対的に高まり誤読の原因となることもある。
このようなRFタグの誤読に対する一般的な対策としては、電波吸収シートや電波暗箱(ゲート)の設置や、(不要RFタグが貼付された)周辺物品の通行禁止エリアの設定などがあるが、電波吸収シートが高価であったり、通行禁止エリアにより利便性が低下したりする、といった新たな問題が発生した。
ここで、以上のようなRFタグの読取・交信を正しく行うためのRFタグシステムに関する技術としては、例えば特許文献1-3に提案されているものがある。
特許文献1には、RFタグの通信距離を延長させることを目的として、RFタグとブースタアンテナを離間させて設置し、ブースタアンテナを別平面に設置することで、寸法上の問題を回避しながらタグの性能を向上させるとする「RFIDタグ用ブースタアンテナ」が提案されている。
また、特許文献2には、必要なRFタグのみと交信可能とすることを目的として、認識対象の移動体が進行する経路を挟むようにアンテナとRFタグ(固定タグ)を対向して設置し、認識対象の移動体が存在しない時は固定タグを読み、認識対象の移動体が存在するときは、固定タグの信号が埋もれることで移動体を読むようにした「RFIDシステム」が提案されている。
さらに、特許文献3には、交信環境の改善を目的として、電波吸収体の一部に透過可能な透孔部があって、スロットアンテナとして作用させて、アンテナの指向性を制御しようとする「通信改善装置、通信システムおよび物品情報取扱設備」が提案されている。
特開2010-263404号公報 特開2012-098863号公報 特開2008-099266号公報
しかしながら、特許文献1-3に提案されている技術は、ブースタアンテナ等を備えた専用のRFタグ構造や、複雑なリーダ・ライタの装置構成、高価な電波吸収体の設置などが必要となり、RFタグシステムやRFタグ自体の構成も複雑化・大型化してしまい、小型化や低コスト化が困難となるという問題があった。
また、通常のRFタグ(インレイ)やリーダ・ライタとは異なる複雑な構成・構造を必要とする専用システムでは、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのままの形で使用することはできず、専用のタグやアンテナ構造等を用意しなければならず、タグの汎用性や拡張性の点でも問題があった。
さらに、そのような複雑な専用のタグ構造は、生産コストがかかる上に、タグ全体も大型化、大重量化してしまい、小型・薄型で軽量で取扱い性にも優れるというRFタグの最大の利点が損なわれるという問題があった。
RFタグは、安価で大量生産される汎用タグ(インレイ)を活用することにより、低コストで小型軽量かつ大記憶容量の無線通信手段として使用できるという特徴を生かすことができるものであるが、複雑な構成を必要とする専用のタグ(インレイ)構造では、RFタグとしてのメリット・特徴を低下させるおそれがあった。
一方で、複数の対象物に取り付けられたRFタグを確実に読み取り、100%正しく識別することは、特に産業界の物流システム等においては必須の要請である。
このため、RFタグの汎用性や小型軽量化が損なわれることなく、また、システムの複雑化等も回避でき、かつ、複数のRFタグを、誤りなく正しく確実に識別できるRFタグシステムの開発が、特に産業界では強く求められているが、そのような2つの課題を同時に達成しつつ、確実かつ低コストに、複数の対象物のRFタグと確実に交信できるRFタグシステムは、これまで提案されていなかった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、複雑な構成・構造等を必要とすることなく、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのまま使用可能であり、かつ、必要な複数のRFタグの中から目標となる対象のRFタグのみと誤りなく確実に交信することができる、特に大量の製品等を取り扱う物流管理や製品管理に好適なRFタグシステムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、送受信アンテナとRFタグと中継装置とを備えたRFタグシステムであって、前記中継装置は、導体と、前記導体を支持する支持体とを備え、前記送受信アンテナと前記RFタグの中間に設置され、前記導体は、前記送受信アンテナ又は前記RFタグから受けた電波を再放射する構成としてある。
本発明によれば、複雑な構成・構造等を必要とすることなく、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのまま使用可能であり、かつ、必要な複数のRFタグの中から目標となる対象のRFタグのみと誤りなく確実に交信することが可能となる。
これによって、大量の製品等を取り扱う物流管理や製品管理に好適なRFタグシステムを提供することができるようになる。
本発明の一実施形態に係るRFタグシステムの構成を模式的に示す説明図であり、(a)は従来のシステム、(b)は本発明のシステムである。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムにおける偏波変換の原理を示す説明図であり、(a)は中継装置を備えていない場合、(b)は中継装置を備えた場合である。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムにおける、ねじれ角Φと受信電力を説明するための説明図であり、(a)は解析環境を模式的に示したもので、(b)は解析結果とねじれ角Φの影響を比較するための表である。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムにおける、ねじれ角がΦ=90°のときの、傾斜θ1又はθ2と受信電力を説明するための説明図であり、(a)は解析環境を模式的に示したもので、(b)は解析結果と傾斜θ1又はθ2の影響を比較するための表である。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムの中継装置における電波の再放射を説明するための説明図であり、(a)は中継装置(導体)で電波を受信する前の状態、(b)は中継装置(導体)で電波を受信した状態、(c)は中継装置(導体)が受信した電波を放射(再放射)した状態を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムの配置構成を模式的に示す説明図であり、(a)は従来のシステム、(b)は本発明のシステムである。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムにおける電波の合成を説明するための説明図であり、(a)は同位相の電波の合成、(b)は逆位相の電波の合成を示している。 本発明の一実施形態に係るRFタグシステムの中継装置が配置される半値角の範囲を説明するための説明図である。 (a)~(d)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るRFタグシステムが備える中継装置の構成を模式的に示す説明図である。 本発明のRFタグシステムの一実施例を説明するための説明図であり、(a)は比較例となる従来のシステム、(b)は実施例となる本発明のシステムを示している。 図10に示す実施例・比較例における不要タグの設置位置の詳細を説明するための説明図である。 図10に示す実施例の中継装置の設置位置の詳細を説明するための説明図である。 図10に示す実施例の中継装置の詳細を説明するための説明図である。 図10に示す実施例・比較例におけるRFタグの通信特性を示す、周波数とタグの起電力の関係を示す折れ線グラフである。 図10に示す実施例・比較例の結果の詳細を説明するための説明図である。
以下、本発明に係るRFタグシステムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るRFタグシステム1(本システム1)の構成を模式的に示す説明図であり、(a)は従来のシステム、(b)は本システム1である。
同図に示すように、本システム1(及び従来システム)は、送受信アンテナ11を備えたリーダ・ライタ10によって対象物100に取り付けられたRFタグ20と交信してタグ情報を読み出すことができるRFタグシステムである。
[本システム/従来システム]
具体的には、本システム1(及び従来システム)は、管理・監視の対象となる対象物100/周辺物品200が移動・搬送される物流ラインに対して、対象物100に備えらえたRFタグ20と交信可能な所定位置にリーダ・ライタ10が備えられ、リーダ・ライタ10に接続された送受信アンテナ11から電波が放射されることで、対象物100のRFタグ20との交信が行われ所定のタグ情報が読み出されるようになっている。
そして、本システム1では、従来システムとは異なり、リーダ・ライタ10に接続された送受信アンテナ11と、物流ラインを移動するRFタグ20の中間に設置される中継装置30が備えられている。
このような中継装置30を備えることにより、本システム1では、中継装置30の導体31によって、送受信アンテナ11又はRFタグ20から受けた電波を再放射することができ、これによって、複数のRFタグ20の中から目標となる対象のRFタグ20のみと交信が行えるようになっている。
より具体的には、図1に示す例では、例えば前後2列の物流ライン(コンベア等)を備える現場において、前方の物流ラインを流れる対象物100のみがリーダ・ライタ10による読み取り対象となっており、後方の物流ラインを流れる周辺物品200は読み取り対象となっていない。
この場合に、図1(a)に示す、中継装置30を備えない従来システムでは、目標となる前方ライン上の対象物100以外にも、後方ライン上を流れる周辺物品200が存在しており、送受信アンテナ11から放射された電波は、対象物100のRFタグ20だけでなく、周辺物品200に貼付されたRFタグ20とも交信してしまう誤読の問題が発生する。
また、RFタグ20を貼付する物品(対象物100/周辺物品200)の状態や、RFタグ20の個体差などによっては、より後方に存在する周辺物品200のRFタグ20の感度が相対的に高まり誤読が発生することもある。
これに対して、図1(b)に示す、中継装置30を備えた本システム1では、送受信アンテナ11から放射された電波が、中継装置30の導体31を経由することにより、後述する直線偏波の変換・再放射(図2,5参照)と、電波合成による干渉効果(図7参照)によって、交信不可領域/電力増幅領域/電力打消領域を作り出すことができ、RFタグ20が貼付された複数の物品(対象物100/周辺物品200)のうち、目標となる対象物100のRFタグ20とのみ交信が可能となり、それ以外の周辺物品200のRFタグ20との交信は行えないようになる。
このようにして、本システム1では、送受信アンテナ11からの直接波はいずれのRFタグ20との交信にも影響を与えず、中継装置30から再放射される電波の干渉効果によって、電波強度が強いエリア・弱いエリアを自由に構築することができ、中継装置30を経由した電波で交信環境を再構築することが可能となり、電波を任意の地点で増幅させて、目標となるRFタグ20についてだけ交信・送受信が行われるようにすることができる。
これによって、本システム1では、例えば高価な電波吸収体などを必要とすることなく、従来システムにおける不要な周辺物品200のRFタグ20との交信による誤読の問題を容易かつ確実に解消できるようになる。
なお、本システム1では、リーダ・ライタ10,送受信アンテナ11,RFタグ20で構成される従来のRFタグシステムに対して、更に中継装置30を備えることを特徴とするものであり、中継装置30以外のリーダ・ライタ10,送受信アンテナ11,RFタグ20については、従来システムと同様の構成・構造のものを採用することができる。
すなわち、本システム1は、従来システムに対して、例えば上述した特許文献1-3で提案されているような、ブースタアンテナ等を備えた専用のRFタグ構造、複雑なリーダ・ライタの装置構成、高価な電波吸収体の設置などを必要とすることなく、簡易な構成からなる中継装置30を備えるだけで実現することができる。
したがって、本システム1では、RFタグシステムやRFタグの構成が複雑化・大型化することなく、システムの小型化・低コスト化などが図れるようになっている。
また、従来システムにおける通常のRFタグ(インレイ)やリーダ・ライタを使用できることから、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのままの形で使用することが可能となり、タグやリーダ・ライタの汎用性や拡張性が損なわれることなく、本システム1を実現することができる。
これによって、例えば汎用インレイが有する小型・薄型で軽量で取扱い性にも優れるといったRFタグの最大の利点が損なわれることもなくなる。
[リーダ・ライタ/RFタグ]
ここで、本システム1においてRFタグ20として使用される汎用のインレイは、一般的なリーダ・ライタ(読取・書込装置)10との間で無線による所定の情報の読み取りや書き込みが行われるRFタグを構成しており、例えばリードオンリー型,ライトワンス型,リード・ライト型等の種類がある。
この種のインレイは、所定の情報を記憶するICチップと、ICチップに電気的に導通・接続された導電材料からなるアンテナとを有し、これらICチップ及びアンテナが、支持体となる例えばPET樹脂等で形成された1枚の封止フィルムからなるインレイ基材の表面に搭載,積層されるようになっている。
インレイ基材に搭載されるICチップ及びアンテナは、例えば2つ折りにされた1枚の封止フィルムの間に、あるいは、2枚の封止フィルムを重ね合わせることで、インレイ基材を構成する封止フィルムによって挟持された状態で封止・保護することができる。
本実施形態では、ICチップとICチップの両側に伸びるアンテナを長方形状のインレイ基材で挟持・封止した矩形状・帯状のインレイをRFタグ20として用いている。
RFタグ20のICチップには、チップ周囲を囲むようにループ状の回路導体が接続されてループ回路が形成されており、このループ回路を経由して、ICチップの左右両側にアンテナが接続されている。
そして、このアンテナを介して、リーダ・ライタ10(送受信アンテナ11)との間で無線通信による読み書き(データ呼び出し・登録・削除・更新など)が行われ、ICチップに記録されたデータが認識されるようになっている。
このようなRFタグ(インレイ)20は、実装されるメモリ等のICチップ(半導体チップ)が、例えば数百ビット~数キロビットのデータが記録可能となっている。
ICチップに記録されるデータとしては、例えば、商品の識別コード、名称、重量、内容量、製造・販売者名、製造場所、製造年月日、使用期限等、任意のデータが記録可能であり、また、書換も可能である。
リーダ・ライタ10とRFタグ20の交信で使用される通信周波数帯としては、例えば所謂UHF帯に属する860MHz~960MHz帯を対象とすることができる。
一般にRFタグで使用される周波数帯としては、例えば、135kHz以下の帯域、13.56MHz帯、UHF帯に属する860MHz~960MHz帯、2.45GHz帯等の数種類の周波数帯がある。そして、使用される周波数帯によって無線通信が可能な通信距離が異なるとともに、周波数帯によって最適なアンテナ長などや配線パターンが異なってくる。
一般に、RFタグ20に備えられるアンテナは、ICチップの両側(左右)に直線状やメアンダ状に伸びる導体からなるダイポールアンテナ等によって構成され、アンテナを構成する導体が、例えばICチップの通信周波数の1/2波長の長さとなるようにICチップの両側に左右対称に直線状に伸びて構成されている。
リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11については、一般的に方形のアンテナとなっているが、向かい合う一組の一辺が通信周波数の1/2波長の長さとなるように構成されることが多い。
このようなRFタグ20のアンテナやリーダ・ライタ10の送受信アンテナ11では、通信周波数の1/2波長に伸びるアンテナの伸長方向に沿って電界が振動する直線偏波(垂直偏波/水平偏波)となって交信・送受信が行わられることとなる。
[直線偏波(垂直偏波/水平偏波)]
図2は、本システム1における偏波変換の原理を示す説明図であり、(a)は中継装置30を備えていない場合、(b)は中継装置30を備えた場合である。
上述のとおり、本システム1では、RFタグ20のアンテナ、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11から放射される電波は、直線偏波(垂直偏波/水平偏波)となって交信・送受信が行わられる。
電波(電磁波)は、電界と磁界の相互作用により進行し、電波が空間を進行・伝搬する場合の電界の振動する方向を偏波と言い、この振動方向が常に同一方向を向いて一定の波を直線偏波という。
電波の受信・反射には、この偏波の方向が重要であり、RFタグの交信では、一般的に直線偏波が利用される。
一般的に偏波の方向が地面と平行である場合を水平偏波、地面と垂直である場合を垂直偏波と呼ぶ。
なお、本明細書の図面(図2,6,10-12)においては、偏波方向がx軸方向と平行の場合を水平偏波、偏波方向がy軸方向と平行の場合を垂直偏波としている。
このような直線偏波は、電界の振動方向(偏波方向)が、電波の送信側と受信側で一致乃至近似している必要があり、例えば図2(a)に示すように、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11の送信波の偏波方向が垂直(垂直偏波)の場合に、受信側のRFタグ20のアンテナの偏波方向が水平(水平偏波)の場合には、RFタグ20での電波の受信・交信は行えなくなる。
本システム1では、このような直線偏波(垂直偏波/水平偏波)の特性を利用して、まず、送信側となるリーダ・ライタ10の送受信アンテナ11の偏波方向(例えば垂直方向)と、受信側となるRFタグ20のアンテナの偏波方向(例えば水平方向)とを異ならせるようにしている。
すなわち、本システム1では、送受信アンテナ11とRFタグ20とで放射される電波がともに直線偏波であり、かつ、送受信アンテナ11とRFタグ20の偏波方向が、所定角度Φだけねじれるように、送受信アンテナ11とRFタグ20の設置位置を設定するようにしている。
これによって、送受信アンテナ11から放射された電波は、対象物100/周辺物品200を問わず、RFタグ20では受信・交信されないようになり、不要な周辺物品200について送受信アンテナ11から放射された電波が直接受信されることが防止されるようになっている。
ここで、以上のような送受信アンテナ11とRFタグ20の偏波方向がねじれる所定角度Φとしては、好ましくは双方の偏波方向が直交する90°とすることが望ましい。
偏波方向が90°ねじれる場合には、送受信アンテナ11とRFタグ20とで電波の送受信・交信が行われることを確実に排除することが可能となる。
但し、この所定角度Φは、90°の場合だけに限られず、90°以下の任意の角度、例えば約72~90°の範囲に設定することができる。
この範囲であれば、送受信アンテナ11からRFタグ20に伝達される電力は、最大効率の1割以下に抑制することが可能となり、送受信アンテナ11からの直接波は、いずれのRFタグ20との交信にも影響を与えず、中継装置30を経由した電波で交信環境を再構築する、という目標を達成することが可能となる。
ここで、RFタグ20に伝達される電力の最大効率とは、ねじれ角Φが0°のとき、言い換えると、送受信アンテナ11とRFタグ20の偏波方向が平行のときに伝達される電力に対する効率である。
ねじれ角が0°のときの受信電力をWmax、ねじれ角がΦのときの受信電力をWΦとすると、WmaxとWΦの関係はおおよそ以下で表せる。
WΦ=Wmax×(cosΦ)^2
ねじれ角Φが例えば72°である場合には、
WΦ=0.095Wmax<0.1Wmax
となり、送受信アンテナ11からRFタグ20に伝達される電力が最大効率の1割以下に抑制することができる。
図3は、ねじれ角Φと受信電力を説明するための説明図であり、(a)は解析環境を模式的に示したもので、(b)は解析結果とねじれ角Φの影響を比較するための表である。
図3(b)に示すように、送受信アンテナ11からRFタグ20に伝達される最大効率に対する電力は、ねじれ角Φから計算可能であることが分かる。
なお、ここで解析装置はエーイーティー社製:品名CST Studio Suiteを使用した。解析周波数は920[MHz]とし、送信portと受信portは920[MHz]で共振する同形状のアンテナを設置した。また、送信portと受信portは600[mm]の間隔をあけており、送信portの出力は1000[mW]としている。
次に、以上のように所定角度Φだけねじれるように設定されて放射された直線偏波は、送信側と受信側において、偏波方向が一定程度まで接近乃至近似すると、受信・交信が可能となる。
例えば図2(b)に示すように、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11から送信された電波と受信側であるRFタグ20の偏波方向のねじれが45°程度の場合には、送信電波は受信側のRFタグ20で受信・交信は可能となる。
本システム1では、このような偏波方向のねじれによる交信可能範囲の特性を利用して、送信側となるリーダ・ライタ10の送受信アンテナ11から放射された電波の偏波方向を、受信側となるRFタグ20のアンテナの偏波方向で受信・交信可能となるように変換(傾斜)させるようにしている。
すなわち、本システム1では、送受信アンテナ11とRFタグ20との間に中継装置30を設置することにより、上述のように予め所定角度Φだけねじれるように設定された送受信アンテナ11とRFタグ20の偏波方向を、中継装置30を経由して再放射させることで、偏波方向のねじれを変換・補正し、送受信アンテナ11(又はRFタグ20)から受けた電波の偏波方向を、RFタグ20(又は送受信アンテナ11)の偏波方向に対して所定角度θだけ傾斜させて伝搬・受信させるようにしている。
具体的には、中継装置30で受信された電波は、導体31の方向に沿って電子が振動し、導体31が電波を再放射して、再放射された電磁波の偏波方向は導体31の方向となる(図5参照)。その結果、中継装置30の導体31を、受信する電波の偏波方向に対して傾斜させて配置することで、受信した電波の偏波の向きを導体31に沿った方向に変換して再放射することができる。
これによって、送受信アンテナ11から放射された電波は、中継装置30を経由して再放射されて偏波方向が変換・補正された場合にだけ、特定のRFタグ20(対象物100)において受信・交信されるようになり、不要な周辺物品200についての交信・誤読を防止しつつ、目標となる対象物100のRFタグ20とだけ交信が行われるようにすることができる。
ここで、以上のような中継装置30において補正・傾斜させる11とRFタグ20の偏波方向を補正・傾斜させる所定角度θ1,θ2としては、好ましくはθ1=θ2=Φ/2°とすることが望ましい。
送受信アンテナ11とRFタグ20のねじれ角がΦである電波を、中継装置30によってΦ/2だけ傾斜させることによって、両者の間で電波の送受信・交信が行われるようにすることが可能となる。
但し、この所定角度θ1,θ2は、Φ/2°の場合だけに限られず、例えば傾斜θ1,θ2は約(Φ/2-9)°~(Φ/2+9)°の範囲に設定することができる。
この範囲であれば、送受信アンテナ11から、中継装置30を経由して、RFタグ20に伝達される電力は、最大効率の9割以上にすることが可能となり、中継装置30を経由した電波で交信環境を再構築する、という目標の達成を可能となる。
ここで、中継装置30を経由してRFタグ20に伝達される電力の最大効率とは傾斜θ1,θ2がΦ/2のときに伝達される電力に対する効率である。
例えば、ねじれ角が90°で、傾斜がθ1=θ2=Φ/2°のときの受信電力をWmax、傾斜がθi(i=1、2)のときの受信電力をWθiとすると、WmaxとWθiの関係はおおよそ以下で表せる。
Wθi=Wmax×(cosθ1)^2×(cosθ2)^2
ねじれ角Φが90°であり、傾斜がθ1=54°、θ2=36°である場合には、
Wθi=0.905Wmax>0.9Wmax
となり、送受信アンテナ11からRFタグ20に伝達される電力が最大効率の9割以上の維持が可能となる。
図4は、ねじれ角がΦ=90°のときの、傾斜θ1又はθ2と受信電力を説明するための説明図であり、(a)は解析環境を模式的に示したもので、(b)は解析結果と傾斜θ1又はθ2の影響を比較するための表である。
図4の(b)に示すように、送受信アンテナからRFタグ20に伝達する最大効率に対する電力は、傾斜θ1又はθ2から計算可能であることが分かる。
なお、送信portと中継装置、又は中継装置と受信portは、それぞれ300[mm]の間隔を開けてしており、中継装置は方形の導体、送信portの出力は1000[mW]としている。
[中継装置による再放射]
ここで、偏波方向を補正・傾斜させる中継装置30による再放射について説明する。
図5は、本システム1の中継装置30(導体31)における電波の再放射を説明するための説明図であり、(a)は導体31で電波を受信する前の状態、(b)は導体31で電波を受信した状態、(c)は導体31が受信した電波を放射(再放射)した状態を示している。
本システム1において、電波の再放射とは、中継装置30の導体31がアンテナとして作用することで、電波を中継することを意味している。
本システム1の中継装置30は、例えばPETフィルム等の誘電体で構成された支持体32の表面に、導電性インクや導電性を有するアルミ蒸着膜等の金属薄膜をエッチング加工等により形成された一又は二以上の導体31が、所定の位置に所定の形状・大きさ(長さ,面積)・角度で貼付・積層されて構成されるようになっている(図1,図9参照)。
また、導体31を支持する支持体32を構成する材料としては、導体31による再放射の妨げとならない誘電体材料が好ましく、例えば、ポリカーボネート樹脂,アクリロニトリル-エチレン-スチレン共重合体(AES)樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリフェレニンサルファイド樹脂,アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリウレタン樹脂,フッ素樹脂,シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー等の樹脂材料がある。
そして、以上のような中継装置30の導体31において、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11やRFタグ20から送信された電波を受けて、その電波の偏波方向を所定角度θだけ変換・傾斜させつつ、電波の進行方向に向かって再放射させるようになっている。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、中継装置30の導体31が、送受信アンテナ11又はRFタグ20から送信された電波を受信する。電波を受信した導体31は、図5(b)に示すように、電波の影響で導体31中の電子が振動する。そして、導体31中で電子が振動した結果、図5(c)に示すように、導体31がアンテナとして作用して、導体31の向き・長さ・形状に依存した電波が放射されることになる。
このような中継装置30で受信された電波が、導体31をアンテナとして放射されることを、本システム1においては「再放射」としている。
そして、中継装置30で受信された電波は、導体31の方向に沿って電子が振動し、導体31は電波を反射(再放射)し、反射(再放射)された電磁波の偏波方向は、導体31の方向となる。
このようにして、中継装置30の導体31を、受信する電波の偏波方向に対して所定角度θ(例えば45°)斜め方向に傾斜させて配置することで、送信波のエネルギーの一部を受け取って偏波の向きを変えて、電波を反射(再放射)させることが可能となる。
[中継装置の配置]
次に、以上のような電波の再放射を行う中継装置30の配置構成と、それに基づく電波合成について説明する。
図6は、本システム1の配置構成を模式的に示す説明図であり、(a)は従来のシステム、(b)は本システム1である。
同図に示すように、本システム1においては、電波の偏波方向の変換と再放射を行う中継装置30を、送受信アンテナ11とRFタグ20の中間において、所定の位置に一又は二以上設置させるようになっている。
また、中継装置30には、支持体32の表面において、一又は二以上の導体31を配置・積層させることができるようになっている(図1,図9参照)。
複数の中継装置30を設置することにより、また、中継装置30に複数の導体31を備えることにより、複数の中継装置30や複数の導体31が再放射する電波の干渉効果によって、特定地点での電波強度を高く(強く)し、他の特定地点での電波強度を低く(弱く)することが可能となる。
これによって、電波強度が高くなる(高くなった)特定地点を移動する対象物100に備えられたRFタグ20と確実な交信を行わせることができる。
また、電波強度が高くなる(高くなった)他の特定地点を移動しない周辺物品200に備えられたRFタグ20とは交信を行わせないようにすることが可能となる。
[中継装置による電波合成]
このような複数の中継装置30/導体31による再放射される電波強度の制御は、電波の干渉効果によって実現することができる。
図7は、本システム1における電波の干渉効果を説明するための説明図であり、(a)は同位相の電波の合成、(b)は逆位相の電波の合成を示している。
電波の干渉効果は、電波が所定の地点に到達するまでの経路差によって生じる位相差で説明することが出来る。電波が同位相の場合、例えば複数のいずれの波も同じ経路長で進行する場合には、図7(a)に示すように、位相も等しいため波は増幅され、合成された電波の強度は強くなる。
一方、電波が逆位相の場合、例えば複数の電波の経路差が1/2λで、どちらかの波が1/2波長長く(短く)進行する場合には、図7(b)に示すように、位相も1/2λずれるため波は打ち消し合い、合成された電波の強度は弱くなる。
このような電波の合成による電波強度は、電波が送受信されるリーダ・ライタ10の送受信アンテナ11とRFタグ20との間において、一又は二以上の中継装置30/導体31を、どの位置にどのように設置するかによって、複数の電波の経路差を調整することで、電波強度を設定・制御することが可能となる。
したがって、一又は二以上の中継装置30/導体31の設置態様に応じて、送受信アンテナ11から送信される電波が低い電力であっても、特定地点における電波強度を強くし、他の特定地点における電波強度を弱くして、その結果、目標となる対象物100のRFタグ20とだけリーダ・ライタ10との交信を行わせ、かつ、他の不要な周辺物品200のRFタグ20との交信は行わせないようにすることができるようになる。
[アンテナの半値角]
また、電波合成を行うための中継装置30の設置位置としては、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11の半値角の範囲内に設置させることが望ましい。
図8は、本システム1の中継装置30が配置される半値角の範囲を説明するための説明図である。
半値角とは、アンテナから放射される電磁波の放射強度が最大となる方向から3dB低くなる点の間の角度であり、3dBビーム幅,ビーム幅等とも言う。
中継装置30を、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11の半値角の範囲に設置することにより、中継装置30で受信され再放射される電波の強度を強く維持することができ、目標となる対象物100のRFタグ20との交信を、より確実に行わせることができるようになる。
[中継装置の構成例]
次に、以上のような本システム1の中継装置30について、具体的な構成例について説明する。
上述のとおり、中継装置30は、金属薄膜等からなる導体31が、誘電体等からなる支持体32に支持・保持されて構成されるようになっており、その構成としては、例えば図9に示すようなものがある。
図9(a)~(d)は、それぞれ、本システム1が備える中継装置30の構成を模式的に示す説明図である。
図9(a)の中継装置30は、例えば矩形に構成された誘電体からなる支持体32の表面に、複数(2つ)の導体31を配置させた場合であり、この中継装置30を任意の方法により所定位置に配置させることができる。
図9(b)は、図9(a)に示した中継装置30を、複数(2つ)備える場合である。
図9(c)は、パラボラアンテナ形状の支持体32の表面に、複数(2つ)の導体31を配置させた場合である。
図9(d)は、支持体32をポール状の設置型スタンドとして構成し、その先端部(上端部)に導体31を取り付けた中継装置30を、複数(2つ)備える場合である。
なお、以上のような図9(a)~(d)に示した構成は、あくまでも一例であり、中継装置30の構成・構造は、特に図9に示す例に限定されるものではない。
すなわち、本システム1の中継装置30は、リーダ・ライタ10の送受信アンテナ11とRFタグ20との間において送受信される電波を中継し、偏波方向を変換・補正して再放射する導体31を所定位置において設置・支持可能であれば、どのような構成・構造であっても構わず、物理的な構成自体は特に限定されないものである。
以下、本実施形態に係るRFタグシステム1についての具体的な実施例を説明する。
なお、以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例により何らかの制限を受けるものではない。
図10は、本システム1の一実施例を説明するための説明図であり、(a)は比較例となる従来のシステム、(b)は実施例となる本システム1を示している。
同図に示すように、複数のRFタグ20の読み取り試験として、“対象タグ”と、その周囲に相対的に性能が良い“不要タグ”が存在する環境を想定し、“対象タグ”となる「タグ1」と、その後方(背後)に“不要タグ”となる「タグ2」を配置している。
実施例では、送受信アンテナの偏波方向を「垂直」(Y軸方向)、RFタグ(タグ1・タグ2)の偏波方向を「水平」(X軸方向)とし、送受信アンテナとRFタグ(タグ1)との間に、2つの中継装置1・中継装置2を設置している。
比較例では、送受信アンテナ・RFタグとも偏波方向を「水平」(X軸方向)とし、中継装置を設置していない。
具体的には、対象タグ(タグ1)に対して、不要タグ(タグ2)が以下の位置に設置・通過する可能性のある環境を想定している。
タグ1(対象タグ)は、送受信アンテナ11を原点として、位置1:(x,y,z)=(0,0,50)cmに配置した。
タグ2(不要タグ)は、タグ1後方の位置2-1~位置2-6において、タグ2を、位置を異ならせて(位置2-1,位置2-2,位置2-3,位置2-4,位置2-5,位置2-6)配置した。
図11は、図10に示す実施例・比較例における不要タグの設置位置の詳細を説明するための説明図である。
同図に示すように、位置2-1:(x,y,z)=(0,0,80)cm,位置2-2:(x,y,z)=(0,0,110)cm,位置2-3:(x,y,z)=(0,0,140)cm,位置2-4:(x,y,z)=(30,0,80)cm,位置2-5:(x,y,z)=(30,0,110)cm,位置2-6:(x,y,z)=(30,0,140)cmの各位置に配置した。
中継装置は、支持体:PETフィルム、導体:アルミシートで構成された中継装置1・中継装置2を用意した。
図12及び図13は、図10に示す実施例の中継装置の詳細を説明するための説明図である。
同図に示すように、中継装置1は、正方形状の支持体の中心位置(x,y)=(±5.0,±5.0)cmに、長さ11cm・幅1cmの導体を一つずつ45°傾斜させて平行に対向させたものを、送受信アンテナを原点とした位置:(x,y,z)=(0,0,20)cmに配置した。
中継装置2は、正方形状の支持体の中心位置(x,y)=(±2.5,±2.5)cmに、長さ17cm・幅1cmの導体を一つずつ45°傾斜させて平行に対向させたものを、中継装置1の後方20cm、送受信アンテナを原点とした位置:(x,y,z)=(0,0,40)cmに配置した。
以上のような環境設定において、実施例・比較例とも、送受信アンテナ(リーダ・ライタ)から周波数920MHzの電波を送信し、対象タグ(タグ1)と不要タグ(タグ2)が起動するときのリーダ・ライタの出力の差を“出力余裕”として測定(測定1:比較例・測定2:実施例)を行い、本発明の環境(実施例)と通常環境(比較例)との“出力余裕”の差で評価を行った。
図14は、比較例・実施例で使用したRFタグの周波数特性を示すグラフであり、タグ2(不要タグ)は、タグ1(対象タグ)より約3.0[db]低い電力で起動するRFタグを使用した。
なお、実施例・比較例とも、リーダ・ライタはVoyantic社製:品名Tagformance、送受信アンテナはVoyantic社製:品名Standard Patch Antennaを使用した。
同図に示すように、図15に、実施例・比較例の結果の詳細を示す。
比較例(測定1:図11参照)では、不要タグが位置2-1に設置・通過する場合に、対象タグ(位置1)との起動電力の差(出力余裕)が「0.0dB」となり、誤読の回避が不可能であることが分かった。
一方、実施例(測定2:図11参照)では、不要タグが位置2の範囲内のどこを通過しても、対象タグと不要タグとでは、交信可能な起動電力が少なくとも約6.5[dB]の差が生じており、リーダ・ライタの出力を例えば13.0[dB]に設定することで、誤読の回避が可能であることが分かった。
また、比較例と実施例の各位置(位置2-1~2-6)の出力余裕を比較すると、全ての位置において、実施例の出力余裕が大きいことから、目的に沿って交信環境を改善出来ていることが分かった。
なお、図15中の実施例の不要タグのタグ起動リーダ・ライタ出力[dB]において、「-」となっている項目がある。これは今回使用したリーダ・ライタの最高出力である27.0[dB]を出力してもタグが起動しなかったことを示している。そのため出力余裕も14.0以上としている。
この結果、比較例では、例えば位置2-1においては、タグ1とタグ2が応答可能なリーダ・ライタの出力は同じ(4.5[dB])となり、タグ1とだけ交信する出力設定が不可能となるのに対して、実施例では、応答可能なリーダ・ライタの出力を、タグ1(13.0[dB])とタグ2(19.5[dB])で異ならせることができ、タグ1とだけ交信する出力を、余裕をもって設定することが可能となる(図10参照)。
したがって、本システム1においては、中継装置30による干渉効果により、任意の所定箇所におけるRFタグ20の起動電力を高めることで、対象となるRFタグ20のみが交信可能となる環境を構築できることが分かった。
なお、以上の実施例・比較例においては、説明の便宜上、リーダ・ライタの送受信アンテナを原点として、タグ1と中継装置の位置を固定とし、タグ2の位置を複数異ならせて測定を行った。
但し、本システム1では、RFタグ20と中継装置30の相対的な位置について、対象となるRFタグ20とのみ交信可能な位置を特定・設定できれば、リーダ・ライタ10・送受信アンテナ11・RFタグ20・中継装置30について、いずれの位置を固定とし、いずれの位置を移動・変更させても良い。
例えば、上記の実施例において、タグ2の位置を固定とし、タグ1及び/又は中継装置の位置を複数異ならせることで、タグ1とのみ交信可能な位置・領域を特定することも勿論可能である。
以上説明したように、本実施形態のRFタグシステム1によれば、従来のRFタグのように特定の専用的な構造や構成を必要とすることなく、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのまま使用しつつ、目標となる対象物100のRFタグ20のみと交信し、不要な周辺物品200のRFタグ20との交信が行われないようにすることが可能となる。
したがって、本実施形態のRFタグシステム1によれば、対象物100や周辺物品200の流路や搬送経路などに限定されず、様々な対象物100・周辺物品200が取り扱われる物流現場や流通現場などに適用可能なRFタグシステムを提供することができ、既存のリーダ・ライタ10や汎用インレイをそのまま使用することができ、システム全体を安価かつシンプルに構成することができ、汎用性・拡張性等にも優れ、誤読等を確実に排除できる信頼性の高いRFタグシステムを実現することができる。
このように、本発明によれば、複雑な構成・構造等を必要とすることなく、汎用のインレイやリーダ・ライタをそのまま使用可能であり、かつ、必要な複数のRFタグの中から目標となる対象のRFタグのみと誤りなく確実に交信することが可能となる。
これによって、大量の製品等を取り扱う物流管理や製品管理に好適なRFタグシステムを提供することができるようになる。
以上、本発明のRFタグシステムについて、好ましい実施形態・実施例を示して説明したが、本発明に係るRFタグシステムは、上述した実施形態・実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
上述した実施形態では、本発明に係るRFタグシステムが、物流ライン上を移動する大量の製品を管理・監視等の対象とする物流システムに使用される場合を例にとって説明したが、本発明のRFタグシステムは物流システムにおける製品管理以外にも適用できることは言うまでもない。
例えば、製品等をフォークリフトによって運搬・搬送する倉庫や工場,港湾設備など、RFタグシステムを用いて対象物の管理・監視を行う必要がある場合であれば、どのような場面や環境であっても、本発明を適用することができる
また、上述した実施形態では、本発明に係るRFタグシステムの対象となる対象物として、物流業者等で大量に取り扱われる製品を例にとって説明したが、本発明のRFタグシステムの管理対象となる物品,対象物についても、特に限定されるものではない。
すなわち、RFタグが使用され、リーダ・ライタを介して所定の情報・データが読み書きされる物品,対象物であれば、どのような物品・対象物であっても本発明に係るRFタグシステムを適用することができ、物流業者等が取り扱う製品以外の物品や対象物に用いることも勿論可能である。
本発明は、例えば例えば物流ラインを流れる製品や、フォークリフトで搬送される搬送物など、管理対象となる物品・対象物に取り付けられたRFタグを読み取って製品管理や物流管理を行うためのRFタグシステムとして好適に利用することができる。
1 RFタグシステム
10 リーダ・ライタ
11 送受信アンテナ
20 RFタグ
30 中継装置
31 導体
32 支持体
100 対象物
200 周辺物品

Claims (9)

  1. 送受信アンテナとRFタグと中継装置とを備えたRFタグシステムであって、
    前記中継装置は、
    導体と、前記導体を支持する支持体とを備え、
    前記送受信アンテナと前記RFタグの中間に設置され、
    前記導体は、前記送受信アンテナ又は前記RFタグから受けた電波を再放射する
    ことを特徴とするRFタグシステム。
  2. 前記送受信アンテナ及び前記RFタグは、
    放射される電波がともに直線偏波であり、かつ、前記送受信アンテナと前記RFタグの偏波方向が、所定角度Φだけねじれるように設置され、
    前記導体は、
    前記送受信アンテナから受けた電波の偏波方向を、所定角度θ1だけ傾斜させて再放射し、
    前記RFタグから受けた電波の偏波方向を、所定角度θ2だけ傾斜させて再放射する
    ことを特徴とする請求項1に記載のRFタグシステム。
  3. 前記所定角度Φは、90°以下の任意の角度であり、
    前記所定角度θ1は、0<θ1<Φであり、
    前記所定角度θ2は、0<θ2<Φである
    ことを特徴とする請求項2に記載のRFタグシステム。
  4. 前記中継装置は、少なくとも二以上の導体で構成される
    ことを特徴とする請求項1~3に記載のRFタグシステム。
  5. 前記支持体は、誘電体で構成される
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のRFタグシステム。
  6. 前記支持体は、
    一又は二以上の前記導体を支持する
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のRFタグシステム。
  7. 前記中継装置は、
    前記送受信アンテナと前記RFタグの中間に、一又は二以上設置される
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のRFタグシステム。
  8. 複数の前記導体が再放射する電波の干渉効果により、特定地点で電波強度を高くすることが可能な
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のRFタグシステム。
  9. 前記中継装置は、
    前記送受信アンテナの半値角の範囲内に設置される
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のRFタグシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023105105A (ja) * 2020-05-29 2023-07-28 株式会社三洋物産 遊技機

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