JP2014037573A - 溶銑の脱硫処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インペラを用いた機械撹拌型脱硫設備を用いて溶銑を脱硫処理する際に、複雑な設備改造無しに、効率良く脱硫処理を行う。
【解決手段】インペラを備えた機械撹拌型脱硫設備を用いて、銑鍋に収容した溶銑を脱硫処理する。脱硫剤として最大粒径5mm以下に調整した細粒状CaO含有物質を用い、脱硫剤を収容したホッパーから溶銑上へと脱硫剤を落下させて添加するパイプ、または脱硫剤を収容したタンクから溶銑上へと脱硫剤を移送して添加するノズルを通じて、インペラを回転させて溶銑を旋回撹拌している間に、脱硫剤を、(1)式:U=W/t/Sにより規定される脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量Uを20kg/分/cm以下に制御して、溶銑上へ添加する。U:脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量[kg/min/cm],W:脱硫剤の添加量[kg],t:脱硫剤の添加時間[min],S:脱硫剤の添加面積(脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの、溶銑上の出口孔の面積の総和)[cm]である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インペラを用いた機械撹拌型の脱硫設備による脱硫処理方法において、脱硫効率を向上させる方法に関するものである。
従来、少量の脱硫剤で高い脱硫効率を得るためにインペラを用いた機械撹拌型の脱硫設備(KR)が広く普及している。この脱硫処理は溶銑にCaOを主成分とした脱硫剤を上方添加し、インペラによる機械撹拌によって脱硫剤と溶銑を反応させ脱硫を促進させる処理である。
この処理において、効率的な脱硫反応を行うためには、脱硫剤と溶銑の反応を効率良く促進することが重要である。そのためには以下の3条件が挙げられる。
(A)細粒脱硫剤を用いる。(反応界面積拡大)
(B)飛散ロス無く脱硫剤を溶銑に着地させる。(有効利用率向上)
(C)溶銑内に効率良く脱硫剤を巻き込む。(接触率向上)
上記の条件の内、(A)と(B)を解決する方法として、特許文献1には、上方からノズルを通じて不活性ガスと細粒の脱硫剤(粉体)を溶銑に吹き付けて脱硫する方法(粉体吹き付け脱硫)が開示されている。
粉体吹き付け脱硫によれば、細粒の脱硫剤を飛散ロス無く、溶銑に着地させることにより反応界面積と脱硫剤の有効利用率をともに増大させて脱硫効率を向上させることができる。
しかし、粉体吹き付け脱硫には、溶銑内に効率良く脱硫剤を巻き込むという視点はなく、例えば処理時間の短縮のために脱硫剤の添加速度を上昇すると、単位時間内に粉体脱硫剤が溶銑に入る量が増大することにより脱硫剤の巻き込み不良が発生し、上記の条件(C)が満たされなくなり脱硫能が低下してしまうという問題があった。
(C)の条件を解決する方法として、特許文献2には、溶銑を保持している容器壁に整流体を設け、回転撹拌した溶銑を上記整流体に衝突させ下降流を生成させ、この下降流により脱硫剤を巻き込ませる方法が開示されている。
しかし、この方法には、インペラによる回転撹拌力が非常に強いために整流体の損耗が早く、メンテナンスに多くの労力,費用を要するという問題があった。
特許第4845078号明細書 特開昭51−112416号公報
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、インペラを用いた機械撹拌型脱硫設備を用いて溶銑を脱硫処理する際に、複雑な設備改造無しに、上記(A)、(B)及び(C)の条件を同時に満足し、効率良く脱硫処理を行う方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に列記の通りである。
(1)インペラを備えた機械撹拌型脱硫設備を用いて、溶銑鍋に収容した溶銑を脱硫処理する方法であって、脱硫剤として最大粒径5mm以下に調整した細粒状CaO含有物質を用い、該脱硫剤を収容したホッパーから溶銑上へと該脱硫剤を落下させて添加するパイプ、または該脱硫剤を収容したタンクから溶銑上へと該脱硫剤を移送して添加するノズルを通じて、
前記インペラを回転させて溶銑を旋回撹拌している間に、
脱硫剤を、下記(1)式により規定される前記脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量を20kg/分/cm以下に制御して、溶銑上へ添加することを特徴とする溶銑の脱硫処理方法。
U=W/t/S ・・・・・・・(1)
(1)式において、
U:前記脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量[kg/min/cm
W:前記脱硫剤の添加量[kg]
t:前記脱硫剤の添加時間[min]
S:前記脱硫剤の添加面積(脱硫剤を添加する前記パイプまたは前記ノズルの、溶銑上の出口孔の面積の総和)[cm
である。
(2)前記パイプまたは前記ノズルの溶銑上の出口直下に、前記脱硫剤の前記溶銑上への落下面積を前記出口孔の面積よりも拡張する脱硫剤添加方向拡大部材を配置し、
前記(1)式における前記脱硫剤の添加面積Sを、該脱硫剤添加方向拡大部材の外壁最下部の横断面積の総和に代えることを特徴とする(1)項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
(3)前記脱硫剤添加方向拡大部材は、該拡大部材の外壁最下部の横断面積が前記出口孔の面積よりも大きい下部拡大形状を有していて、前記脱硫剤を、該外壁の表面を滑らせることによって溶銑上へ落下させることを特徴とする(2)項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
(4)前記脱硫剤添加方向拡大部材は、脱硫剤入口開口を最上部に有するとともに脱硫剤出口開口を最下部に有し、該脱硫剤入口開口の面積は前記出口孔の面積よりも小さく、かつ、該脱硫剤出口開口の面積は該脱硫剤入口開口の面積よりも大きいことを特徴とする(3)項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
(5)前記脱硫剤添加方向拡大部材を上下方向に複数直列に備え、各脱硫剤添加方向拡大部材における前記脱硫剤入口開口および前記脱硫剤出口開口の面積が下段側に位置する脱硫剤添加方向拡大部材ほど小さいことを特徴とする(4)項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
本発明により、インペラを用いた機械撹拌型脱硫設備を用いて溶銑を脱硫処理する際に、複雑な設備改造無しに、上記(A)、(B)及び(C)の条件を同時に満足でき、効率良く脱硫処理を行うことが可能となった。
図1は、単位面積時間あたりの脱硫剤添加量[kg/min/cm]と、脱硫率(%)との関係の一例を示すグラフである。 図2は、脱硫剤を移送して添加するノズルを2本設けた状況を模式的に示す説明図である。 図3(a)および図3(b)は、いずれも、脱硫剤添加方向拡大部材3の一例の設置状況を示す説明図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
脱硫剤として一般的に用いられているCaOを主成分としたフラックス(代表的には生石灰)と溶銑との界面張力は、1.75N/m以上であり、濡れ性は良くない。このため、溶銑に添加された脱硫剤は細粒化して添加されたとしても互いに凝集してしまい、凝集内部の脱硫剤は未反応のまま残るために反応効率が低下する。
したがって、溶銑の脱硫反応を促進させるためには、脱硫剤を細粒化して反応界面積を増やした上で、添加する細粒脱硫剤を効率良く溶銑内へ侵入させ、溶銑浴内での分散を促進することが有効である。
そこで、脱硫剤として最大粒径5mm以下に調整した細粒状生石灰を用い、その脱硫剤の飛散を防止しながら脱硫剤の巻き込み効率を向上させるという点に着目して鋭意調査した結果、脱硫剤を収容したホッパーから溶銑上へと脱硫剤を落下させて添加するパイプ、または脱硫剤を収容したタンクから溶銑上へと脱硫剤を移送して添加するノズルを通じて、
インペラを回転させて溶銑を旋回撹拌している間に、
脱硫剤を、単位面積時間あたりの添加量を20kg/分/cm以下に制御して溶銑上へ添加することが効果的であることが判明した。
ここで、単位面積時間あたりの脱硫剤添加量は(1)式で定義する。
U=W/t/S ・・・・・・・(1)
(1)式において、Uは脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量[kg/min/cm]であり、Wは脱硫剤の添加量[kg]であり、tは脱硫剤の添加時間[min]であり、Sは脱硫剤の添加面積(脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの、溶銑上の出口孔面積の総和)[cm]である。
図1は、単位面積時間あたりの脱硫剤添加量[kg/min/cm]と、脱硫率(%)との関係の一例を示すグラフである。
図1のグラフに示すように、脱硫処理中に単位面積時間あたりの脱硫剤添加量を20kg/分/cm超にして脱硫剤を添加すると、同一条件でも脱硫能が低下してしまう。この理由については、単位時間あたりに溶銑浴面の単位面積あたりの脱硫剤の添加量がある一定量を越えると、脱硫剤の巻き込み効率が著しく低下するからであると考えられる。
ここで、溶銑浴面での脱硫剤が添加された面積は簡単には測定できないので、脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの出口孔の面積が関係あるとして調査した結果、脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの出口孔の面積は、脱硫剤が添加された溶銑浴面の面積を代用する指標として、問題ないことが判明した。
この結果は、脱硫剤として最大粒径5mm以下に調整した細粒状生石灰を用いた場合に限られず、最大粒径100mesh以下に調整した粉状生石灰を用いた場合でも同様であった。
脱硫剤が添加される溶銑浴面の面積は、脱硫剤を添加されるパイプまたはノズルの、溶銑上での出口孔の面積と比例すると理解することができる。
このため、脱硫剤の添加速度を高めても脱硫剤の巻き込み効率を低下させないためには、脱硫剤が添加される溶銑浴面の面積を拡大することが効果的であると考えられる。
そのための具体的な工夫としては、パイプまたはノズルの出口の直下に、脱硫剤が溶銑に添加される方向を分散・拡大することができる脱硫剤添加方向拡大部材を配置しておき、脱硫剤が溶銑に添加される方向を分散・拡大することによって、脱硫剤が添加される溶銑浴面の面積を拡大することが考えられる。この場合、脱硫剤が添加された溶銑浴面の面積を代用する指標としての、脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの出口孔の面積は、脱硫剤添加方向拡大部材の外壁の最下部の横断面積が相当すると考えることができる。
脱硫剤添加方向拡大部材を配置することにより、脱硫剤の添加速度を高めても、脱硫剤の巻き込み効率が低下することを防止でき、短い処理時間で脱硫効率を向上できる。
脱硫剤が添加される溶銑浴面の面積を拡げるためには、例えば次の方法が考えられる。
(1)脱硫剤を添加するパイプまたはノズルの、少なくとも出口孔の近辺部分の横断面積を拡張する。
出口孔の近辺部分の横断面積を拡張するだけでは、脱硫剤がパイプまたはノズルの横断面内で偏在して落下する可能性があるため、拡張効果には限界がある。しかし、限界があるとはいえ、少なくとも出口孔の近辺部分の横断面積を拡張することによって、溶銑浴面上における脱硫剤の分散度は高められる。
(2)上記出口孔の近辺部分の横断面積の拡張部分に蓮根状等の多孔板を配置して、脱硫剤の分散度を高める。
この場合には、多孔板に開ける孔を小さくし、孔密度を高めることで、脱硫剤の分散度を確実に高めることができる。
(3)図2は、脱硫剤を移送して添加するノズルを2本設けた状況を模式的に示す説明図である。
図2に例示するように、脱硫剤を移送して溶銑に添加するためのノズル1の出口1a,1bを複数(図1は出口を二つ設けた場合を示す)にする。
特に、脱硫剤に最大粒径5mm以下に調整した細粒状生石灰を用い、収容タンクから溶銑上まで気送する場合、図2に例示するように、気送経路2の途中で複数に分岐させることで脱硫剤の分散度が高まり、ノズル1a,1bの出口の横断面全体に分散した状態で溶銑面へ脱硫剤を落下させることができる。
なお、この方法では、分散された状態で脱硫剤を溶銑上に添加することが目的であるから、脱硫剤を溶銑上に吹き付けることは無用である。拡張されたノズル1の出口孔9から脱硫剤を吹き付けるためには多量の搬送ガスを必要とするため、ガスコストが嵩むばかりか、脱硫剤を逸散させてしまうことになって、却って非効率になる。
(4)脱硫剤を添加するノズル1aの出口直下に、脱硫剤の溶銑上への落下面積を、このノズル1aの出口孔9の面積よりも拡張する脱硫剤添加方向拡大部材3aを、配置する。
図3(a)および図3(b)は、いずれも、脱硫剤添加方向拡大部材3a,3bの一例の設置状況を示す説明図であり、図3(a)および図3(b)には、脱硫剤の溶銑上への落下面積の拡張の程度が異なる2種の脱硫剤添加方向拡大部材3a,3bを示す。2種の脱硫剤添加方向拡大部材3a,3bの構造は、基本的に同じであるので、以降の説明は、図3(a)に示される脱硫剤添加方向拡大部材3aを参照しながら行う。
脱硫剤添加方向拡大部材3aは本体4を有する。本体4は外壁5を有する。外壁5は、円錐台の外形を有する中空体である。このように、本体4は陣笠状の外形を有する。
さらに、本体4は、脱硫剤添加方向拡大部材3aの外壁5の最下部の横面積が、脱硫剤を添加するノズル1aの出口孔9の面積よりも大きい下部拡大形状を有する。そして、本体4は、脱硫剤を外壁5の外面に沿って流通させる。
このように、外壁5を有する本体4を備える脱硫剤添加方向拡大部材3aは、落下する脱硫剤の障害物として機能する。この方法によれば、脱硫剤を添加するノズル1aの出口孔9の面積よりも脱硫剤の落下面積を拡張することができるため、単位面積時間あたりの脱硫剤添加量[kg/min/cm]を大幅に低下させて、脱硫効率を高めることができる。
脱硫剤添加方向拡大部材3aの本体4の最上部には脱硫剤を添加するノズル1aの出口孔9の面積よりも小さな面積を有する脱硫剤入口開口7が設けられるとともに、脱硫剤添加方向拡大部材3aの本体4の最下部には脱硫剤出口開口8が設けられることが好ましい。これにより、脱硫剤添加方向拡大部材3aの直下に位置する溶銑浴面にも脱硫剤を添加することができ、脱硫剤をより均一に溶銑浴面に供給できる。
以上の説明では、ノズル1aの下方に脱硫剤添加方向拡大部材3aを一つ配置した場合を例にとったが、これとは異なり、脱硫剤添加方向拡大部材を上下方向に複数(例えば2つまたは3つ以上)直列に配置してもよい。
この場合、本体4は、外壁5とともに内壁6を有することになる。内壁6は、外壁5同様に円錐台の外形を有する中空体である。内壁6は、外壁5の内部に外壁5から離れて適宜手段(例えば、外壁5の内面5aと内壁6の外面6aとを接続するブラケットによって内壁6は外壁5に支持される)によって固定して配置されることが好ましい。
この場合、上下方向に連続して配置された複数の脱硫剤添加方向拡大部材3aのうち、各脱硫剤添加方向拡大部材3aにおける脱硫剤入口開口7および脱硫剤出口開口8の面積が下段側に位置する脱硫剤添加方向拡大部材3aほど小さいことが、溶銑浴面に添加される脱硫剤の分散度を一層高めることができるので、好ましい。
脱硫剤添加方向拡大部材3aをノズル1aの出口孔9の直下に配置する目的は、脱硫剤を外壁5の外面上(内壁6を有する場合には、外壁5および内壁6の外面上)を滑落させることにより、脱硫剤の溶銑上への落下面積を拡張することである。したがって、脱硫剤添加方向拡大部材3aの形状や設置段数は、図3(a)および図3(b)に例示される形態に限定されるものではなく、上記の目的が達成されるように、適宜決定すればよい。
例えば、脱硫剤添加方向拡大部材3aの形状は、円錐台形状であることが好ましいが、円錐台形状に限定されるものではなく、多角錐台形状でもよいし、その上、表面は曲面状に形成されていてもよい。
高炉から出銑された溶銑を溶銑鍋に装入した。インペラを用いた機械撹拌型脱硫設備にて脱硫処理を行った。
脱硫処理時間(インペラを回転させて溶銑を旋回撹拌した時間)を共通して12分間とし、脱硫剤も共通して最大粒径5mm以下の細粒状生石灰を用い、他に脱硫剤は用いずに、脱硫剤添加速度と脱硫剤添加面積を変化させて、脱硫能の比較を行った。
表1に試験条件および試験結果をまとめて示す。
Figure 2014037573
表1における試験No.1は、脱硫剤収容タンクから脱硫剤を1本のパイプで気送し、溶銑上で3本のストレート型ノズルに分配して溶銑上へ落下させることにより、添加した本発明例である。その3本のノズルの出口面積の合計は、60cmとした。脱硫剤の添加速度(脱硫剤収容タンクからの切出し速度)を500kg/minに制御した結果、脱硫率は91%と良好であった。
試験No.2は、脱硫剤収容タンクから脱硫剤を1本のパイプで気送し、そのまま1本のストレート型ノズルを通じて溶銑上へ落下させることにより、添加した本発明例である。その1本のノズルの出口面積は、20cmのものを用いた。脱硫剤の添加速度(脱硫剤収容タンクからの切出し速度)を300kg/minと試験No.1に比べて遅くなるよう制御した結果、脱硫率は89%とやや低くなったが満足できる数値であった。
試験No.3と4とは、脱硫剤を添加するノズルの出口直下に図3(a)に示すように脱硫剤添加方向拡大部材3aを設置した例である。脱硫剤添加方向拡大部材3aの形状は、円錐台形状とし、上部にパイプ1aの出口孔の面積よりも小さな面積の開口10を設けたものを上下方向に2段設置し、各脱硫剤添加方向拡大部材3aの脱硫剤入口開口7および脱硫剤出口開口8の面積が上段側に位置する脱硫剤添加方向拡大部材3aほど小さく設定した。
試験No.3では、脱硫剤を添加するノズル1aの出口孔9の面積を20cmとし、その直下における上部開口7の面積をその0.5倍とするとともに外壁5の最下部の面積をその2.0倍とし、その円錐台表面が鉛直線となす角度θを20°とした。
さらに、その直下に内壁6を設け、その上部開口10の面積をノズル1aの出口孔9の面積の0.2倍とするとともにその内壁6の最下部の面積をその0.5倍とし、その円錐台表面が鉛直線となす角度θを20°にした、小型の脱硫剤添加方向拡大部材3aを設置した(図3(a)参照)。
試験No.4では、ノズル1aの出口孔9の面積を20cmとし、その直下に上部開口7の面積をその0.6倍、下部開口8の面積をその3.2倍とし、その円錐台表面が鉛直線となす角度θを30°にした。
さらに、その直下に内壁6を設け、その上部開口面積をノズル1aの出口孔9の面積の0.2倍とし、下部開口8の面積をノズル1aの出口孔9の面積の0.5倍とし、その円錐台表面が鉛直線となす角度θを25°にした、小型の脱硫剤添加方向拡大部材3aを設置した。(図3(b)参照)
一方、試験No.5は、試験No.2に同じく、脱硫剤収容タンクから脱硫剤を1本のパイプで気送し、そのまま1本のストレート型ノズルを通じて溶銑上へ落下させることにより添加した比較例である。その1本のノズルの出口面積を20cmとして、その脱硫剤の添加速度を500kg/minと試験No.2に比べて速くした結果、脱硫率は76%と低下してしまった。
また、脱硫剤の添加速度を同じ500kg/minとした試験No.3,4と試験No.5とを比べると、試験No.3,4ではノズル1aの直下に脱硫剤添加方向拡大部材3aを配置した結果、脱硫剤添加速度(単位面積時間当たりの脱硫剤添加量)がそれぞれ試験No.5の約1/2と約1/3.2に低下している。その結果、脱硫剤の添加速度を同じ500kg/minに制御しても、試験No.3では脱硫率が92%、試験No.4では脱硫率が96%と試験No.5より高く、脱硫剤添加速度が近い試験No.1と比べても一層良好な成績を得ることができた。
また、試験No.6〜8は、脱硫剤収容ホッパーから溶銑上へと、パイプを通じて脱硫剤を一括的に投入した例である。その結果、脱硫率は82〜83%となった。
本発明実施例である試験No.1〜4のように、単位面積時間あたりの脱硫剤添加量[kg/min/cm]を20kg/min/cm以下に制御した条件下においては、試験No.5〜8のように、それが20kg/min/cmを超える条件と比べて、脱硫率を高くできることが確認された。

Claims (5)

  1. インペラを備えた機械撹拌型脱硫設備を用いて、溶銑鍋に収容した溶銑を脱硫処理する方法であって、脱硫剤として最大粒径5mm以下に調整した細粒状CaO含有物質を用い、
    該脱硫剤を収容したホッパーから溶銑上へと該脱硫剤を落下させて添加するパイプ、または該脱硫剤を収容したタンクから溶銑上へと該脱硫剤を移送して添加するノズルを通じて、
    前記インペラを回転させて溶銑を旋回撹拌している間に、
    脱硫剤を、下記(1)式により規定される前記脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量を20kg/分/cm以下に制御して、溶銑上へ添加することを特徴とする溶銑の脱硫処理方法。
    U=W/t/S ・・・・・・・(1)
    (1)式において、
    U:前記脱硫剤の単位面積時間あたりの添加量[kg/min/cm
    W:前記脱硫剤の添加量[kg]
    t:前記脱硫剤の添加時間[min]
    S:前記脱硫剤の添加面積(脱硫剤を添加する前記パイプまたは前記ノズルの、溶銑上の出口孔の面積の総和)[cm
    である。
  2. 前記パイプまたは前記ノズルの溶銑上の出口直下に、前記脱硫剤の前記溶銑上への落下面積を前記出口孔の面積よりも拡張する脱硫剤添加方向拡大部材を配置し、
    前記(1)式における前記脱硫剤の添加面積Sを、該脱硫剤添加方向拡大部材の外壁最下部の横断面積の総和に代えることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫処理方法。
  3. 前記脱硫剤添加方向拡大部材は、該拡大部材の外壁最下部の横断面積が前記出口孔の面積よりも大きい下部拡大形状を有していて、前記脱硫剤を、該外壁の表面を滑らせることによって溶銑上へ落下させることを特徴とする請求項2に記載の溶銑の脱硫処理方法。
  4. 前記脱硫剤添加方向拡大部材は、脱硫剤入口開口を最上部に有するとともに脱硫剤出口開口を最下部に有し、該脱硫剤入口開口の面積は前記出口孔の面積よりも小さく、かつ、該脱硫剤出口開口の面積は該脱硫剤入口開口の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の溶銑の脱硫処理方法。
  5. 前記脱硫剤添加方向拡大部材を上下方向に複数直列に備え、各脱硫剤添加方向拡大部材における前記脱硫剤入口開口および前記脱硫剤出口開口の面積が下段側に位置する脱硫剤添加方向拡大部材ほど小さいことを特徴とする請求項4に記載の溶銑の脱硫処理方法。
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