JP2014037217A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気入りタイヤは、一対のビード部同士の間に設けられるカーカス層4と、トレッド部3におけるカーカス層4のタイヤ径方向外側RD1に設けられる第一ベルト層5a及び第二ベルト層5bと、第一ベルト層5a及び第二ベルト層5bの端部5at・5btを覆う位置に配置されるベルト補強層6とを有する。第一ベルト層5aとカーカス層4との間であってタイヤ径方向RDから見て第一ベルト層5aの端部5atと重なる位置に、タイヤ周方向CDに対して傾斜する有機繊維コードCを有する繊維補強層8が設けられている。繊維補強層8は、ベルト補強層6の端部6aよりもタイヤ幅方向内側WD1に配置されている。
【選択図】図2
Description
仮に、繊維補強層がベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向外側にあると、繊維補強層が接地端から外れてワイピング変形を抑制できない場合があると共に、撓みの大きい幅方向最大部位に近づき、部材のセパレーションを招来し得る。しかし、本発明では、繊維補強層がベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向内側にあるので、一般的なタイヤにおいて繊維補強層が接地面に掛かり、ワイピング変形を適切に抑制できると共に、ベルト補強層で繊維補強層が覆われるので、部材のセパレーションを抑制することが可能となる。それでいて、繊維補強層の無い場合に比してショルダー部の剛性が増大するので、ドライ路面での操縦安定性能も向上させることが可能となる。
したがって、部材のセパレーションを抑制すると共に、ドライ路面での操縦安定性能及びアイス路面での制動性能を向上させることが可能となる。
第一ベルト層5aとカーカス層4との間であってタイヤ径方向RDから見て第一ベルト層5aの端部5atと重なる位置に、タイヤ周方向CDに対して傾斜する有機繊維コードCを有する繊維補強層8が設けられ、繊維補強層8は、ベルト補強層6の端部6aよりもタイヤ幅方向内側WD1に配置されている。
仮に、繊維補強層8がベルト補強層6の端部6aよりもタイヤ幅方向外側にあると、繊維補強層が接地端から外れてワイピング変形を抑制できない場合があると共に、撓みの大きい幅方向最大部位に近づき、部材のセパレーションを招来し得る。しかし、本実施形態では、繊維補強層8がベルト補強層6の端部6aよりもタイヤ幅方向内側WD1にあるので、一般的なタイヤにおいて繊維補強層8が接地面に掛かり、ワイピング変形を適切に抑制できると共に、ベルト補強層6で繊維補強層8が覆われるので、部材のセパレーションを抑制することが可能となる。それでいて、繊維補強層8のない場合に比してショルダー部の剛性が増大するので、ドライ路面での操縦安定性能も向上させることが可能となる。
したがって、部材のセパレーションを抑制すると共に、ドライ路面での操縦安定性能及びアイス路面での制動性能を向上させることが可能となる。
[他の実施形態]
(1)本実施形態では、タイヤ幅方向両側に配置される対をなす繊維補強層8の有機繊維コードCは、互いにタイヤ周方向CDに対して対称となる向きで配置されているが、対称となる向きでない実施形態も本発明に含まれる。有機繊維コードCの傾斜向きはどちらに傾斜していてもよい。
(2)本実施形態では、ゴムパッド9を設けているが、ゴムパッド9を設けない実施形態も本発明に含まれる。
(3)また、図4に示すように、上記繊維補強層8を第一の繊維補強層とした場合に、第二ベルト層5bの端部5btの内方域に第二の繊維補強層8’を配置してもよい。第一の繊維補強層8は、ゴムパッド9のタイヤ径方向外側RD1にあり、第二の繊維補強層8’は、ゴムパッドのタイヤ径方向内側にあり、第一及び第二の繊維補強層8・8’でゴムパッドを挟み込む構造にしている。第一の繊維補強層8の有機繊維コードCは、ナイロン製で、タイヤ周方向に対し35°傾斜している。第二の繊維補強層8’の有機繊維コードCは、ナイロン製で、タイヤ周方向に対し25°傾斜している。
タイヤを実車(国産2000ccクラスFF車)に装着し、1名乗車の加重条件にてアイス路面を走行させ、速度40km/hで制動力をかけてABSを作動させた際の制動距離を指数で評価した。数値が大きいほどアイス路面での制動性能が良好であることを示す。
タイヤを実車(国産2000ccクラスFF車)に装着し、ドライ路面を走行して官能評価により評価した。比較例1の結果を100として指数で示し、数値が大きいほどドライ路面での操縦安定性能が良好であることを示す。
ドラム走行し、セパレーション等の故障が発生するまでの走行距離を評価した。比較例1の結果を100として指数で示し、数値が大きいほどセパレーションが抑制されていることを示す。
トレッド部に第一ベルト層及び第二ベルト層を有し、第一ベルト層及び第二ベルト層の端部を覆う位置にベルト補強層を配置した、サイズ195/65R15のタイヤを作製した。
比較例1のタイヤに対し、第一ベルト層の端部の内方域に有機繊維コードを有する繊維補強層を設けた。有機繊維コードは、ナイロン製で、タイヤ周方向に沿って配置されている。繊維補強層は、ベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向内側に配置している。繊維補強層とカーカス層との間にゴムパッドを配置し、ゴムパッドと繊維補強層とを合わせた最大厚みを4.5mmとした。それ以外は、比較例1のタイヤと同じとした。
比較例2のタイヤに対し、繊維補強層の有機繊維コードをタイヤ周方向に対して30°傾斜させた。繊維補強層を、ベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向外側に配置した。それ以外は、比較例2と同じとした。
比較例2のタイヤに対し、繊維補強層の有機繊維コードをタイヤ周方向に対して30°傾斜させた。繊維補強層のナイロンコードを有機繊維コードではないスチールに変えた。それ以外は、比較例2のタイヤと同じとした。
比較例2のタイヤに対し、繊維補強層の有機繊維コードをタイヤ周方向に対して30°傾斜させた。ゴムパッドと繊維補強層とを合わせた最大厚みを5mmとした。それ以外は、比較例2と同じとした。
比較例5のタイヤに対し、ゴムパッドと繊維補強層とを合わせた最大厚みを4.5mmとした。それ以外は、比較例5と同じとした。
図4に示すように、第一ベルト層5aの端部5atの内方域に第一の繊維補強層8を配置し、第二ベルト層5bの端部5btの内方位置に第二の繊維補強層8’を配置した。第一の繊維補強層8は、ゴムパッド9のタイヤ径方向外側RD1にあり、第二の繊維補強層8’は、ゴムパッド9のタイヤ径方向内側になり、第一及び第二の繊維補強層でゴムパッドを挟み込む構造にした。第一の繊維補強層の有機繊維コードは、ナイロン製で、タイヤ周方向に対し35°傾斜している。第二の繊維補強層の有機繊維コードは、ナイロン製で、タイヤ周方向に対し25°傾斜している。ゴムパッドと繊維補強層とを合わせた最大厚みを4.5mmとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
3…トレッド部
4…カーカス層
5a…第一ベルト層
5at…第一ベルト層の端部
5b…第二ベルト層
5bt…第二ベルト層の端部
6…ベルト補強層
6a…ベルト補強層の端部
8…繊維補強層
9…ゴムパッド
C…有機繊維コード
CD…タイヤ周方向
RD…タイヤ径方向
RD1…タイヤ径方向外側
WD…タイヤ幅方向
WD1…タイヤ幅方向内側
W1…繊維補強層の幅
W2…ゴムパッドの幅
D1…最大厚み
Claims (5)
- 一対のビード部同士の間に設けられるカーカス層と、トレッド部における前記カーカス層のタイヤ径方向外側に設けられる第一ベルト層及び第二ベルト層と、前記第一ベルト層及び第二ベルト層の端部を覆う位置に配置されるベルト補強層とを備える空気入りタイヤであって、
前記第一ベルト層と前記カーカス層との間であってタイヤ径方向から見て前記第一ベルト層の端部と重なる位置に、タイヤ周方向に対して傾斜する有機繊維コードを有する繊維補強層が設けられ、前記繊維補強層は、前記ベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記繊維補強層は、タイヤ幅方向両側に対をなして配置されており、前記対をなす繊維補強層の有機繊維コードは、タイヤ周方向に対して対称となる向きで配置されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一ベルト層及び前記ベルト補強層と前記カーカス層との間に、ゴムパッドが設けられており、前記ゴムパッドは、前記ベルト補強層の端部よりもタイヤ幅方向内側に配置されている請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ幅方向において前記繊維補強層の幅は前記ゴムパッドの幅よりも小さく形成されている請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴムパッドと前記繊維補強層とを合わせた最大厚みが4.5mm以下に設定されている請求項3又は4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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