JP2014036937A - 濾過装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温高圧の被処理水を濾過する濾過装置内のフィルタエレメントに付着したスラッジをフラッシュ蒸気によるバブリング洗浄で除去する濾過装置の運転方法を提供する。
【解決手段】圧力容器20内に貯留された100℃以上の高温高圧の被処理水の圧力を、フィルタエレメント28の差圧による損傷を回避するために圧力計48の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう制御部46にて徐々に減圧しながら被処理水内部にフラッシュ蒸気を発生させ、フラッシュ蒸気が圧力容器20内の上方へ移動する際に発生する被処理水の撹拌によりフィルタエレメント28に付着したスケールを除去する。
【選択図】図1
【解決手段】圧力容器20内に貯留された100℃以上の高温高圧の被処理水の圧力を、フィルタエレメント28の差圧による損傷を回避するために圧力計48の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう制御部46にて徐々に減圧しながら被処理水内部にフラッシュ蒸気を発生させ、フラッシュ蒸気が圧力容器20内の上方へ移動する際に発生する被処理水の撹拌によりフィルタエレメント28に付着したスケールを除去する。
【選択図】図1
Description
本発明は、高温高圧の被処理水を濾過する濾過装置の運転方法、特に、発電プラント等で利用されている蒸気タービン設備で発生する酸化鉄等のスラッジを含む高温高圧の被処理水を濾過する濾過装置の運転方法に関するものである。
火力及び原子力発電プラント等では、発生させた高温・高圧の蒸気を蒸気タービンに供給し、この蒸気により蒸気タービンを駆動して発電を行っている。蒸気タービンを駆動した後の蒸気は、復水器により冷却されて凝縮水となった後、再び加熱されてボイラ、原子炉、蒸気発生器に供給され、再使用される。
大型の発電設備では、高圧、低圧の直列多段の蒸気タービンが用いられる場合が多い。ボイラもしくは蒸気発生器において発生した高温・高圧の蒸気により、蒸気タービンを回転させ、発電機を回転させる。蒸気は膨張する過程で、エンタルピが低下し、湿り蒸気となる。湿り蒸気の状態では、蒸気タービンにおけるエネルギー変換効率が低下するため、蒸気タービンの所定の段で抽気が行われる。この抽気は、蒸発潜熱を含む多大なエネルギーを保有している。
そこで熱回収を目的として、蒸気タービンの所定の段から出た蒸気の抽気を熱交換器に導き、凝縮水と間接熱交換することによって、凝縮水を加熱することが行われる。高圧タービンの抽気を用いて凝縮水を加熱する熱交換器は高圧ヒータと呼ばれ、低圧タービンの抽気を用いて凝縮水を加熱する熱交換器は低圧ヒータと呼ばれている。
低圧タービンからの抽気の方が、高圧タービンからの抽気に比べ、温度・圧力共に低いため、凝縮水は復水器を出たあと、先に低圧ヒータを通り、脱気器、続いて高圧ヒータ、節炭器(エコノマイザ)を経て、再度、ボイラに給水として循環される。また、高圧ヒータ及び低圧ヒータでそれぞれ凝縮して生じた高圧ヒータドレイン、低圧ヒータドレインは、復水本管に導かれ、ボイラ給水として循環使用される。
ところで、これらボイラ給水中には、酸化鉄を主成分とするスラッジが含まれており、このスラッジを除去しないまま蒸気タービン設備の運転を継続するとスラッジが蒸気発生器の蒸発管表面などに付着し、蒸気タービン設備全体の運転効率を低下させる原因となる。
蒸気タービンの運転効率低下を回避するため従来からボイラ給水設備の流路上に濾過装置を設置し、濾過装置のフィルタエレメントで、100℃以上の高温高圧状態の凝縮水からスラッジを捕捉・除去するシステムが提案されている。このシステムは実用的であるが、時間経過に伴いフィルタエレメントで捕捉されたスラッジの量も徐々に増加するので凝縮水(すなわち濾過装置の被処理水)が濾過装置を通過する際の圧力損失も徐々に増加することになる。
濾過装置の圧力損失が徐々に増加すると濾過装置を流れる被処理水の流量が徐々に減少し、蒸気タービン設備全体の運転効率を低下させるため、圧力損失がある一定以上になると濾過装置の圧力損失改善、すなわち濾過装置のフィルタエレメントで補足されたスラッジの除去が必要であり、例えば特許文献1(特に第7実施形態)のようなフィルタの逆洗方法などが提案されている。
しかし特許文献1の濾過装置の逆洗方法の場合、フィルタ本体を収めた圧力容器の他に、逆洗のためのタンク等が必要となり、濾過装置全体の設備費を増大させる要因となっている。
また逆洗により多量の排水が発生するため排水処理のコストも増大させることとなり、濾過装置のランニングコストも増大させる要因ともなる。
本発明はこのような課題に鑑み、従来のような逆洗ためのタンク等の装置を必要とせず、被処理水から発生するフラッシュ蒸気を利用することでフィルタエレメントに付着したスラッジを従来の逆洗方法に比べて少ない排水量で除去することが可能な濾過装置の運転方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明にかかる濾過装置の運転方法は、圧力容器を下室と上室に区画する仕切板と、前記仕切板を貫通する状態で固定されたフィルタエレメントと、前記下室に接続され、前記下室に高温高圧の被処理水を供給し入口バルブを備えた入口ラインと、前記上室に接続され、前記上室から前記被処理水を排出し復水本管へ送水する出口バルブを備えた出口ラインと、前記下室に接続され、圧力開放バルブを備えた圧力開放ラインと、一方が前記入口ライン上であって前記入口バルブの上流側に接続され、もう一方が前記出口ライン上であって前記出口バルブの下流側に接続され、バイパスバルブを備えたバイパスラインと、前記入口バルブと前記出口バルブと前記圧力開放バルブと前記バイパスバルブの開閉を制御する制御部と、前記下室の圧力値を検出し検出結果を前記制御部に送信する圧力計と、を備え、前記入口バルブと前記出口バルブが開けられることで、前記被処理水が前記入口ラインから前記下室に供給され、前記フィルタエレメントで濾過された後、前記上室から前記出口ラインを通って前記復水本管へ送水される濾過装置の運転方法であって、前記濾過装置の運転を所定時間毎に継続して行った場合において、前記制御部は前記バイパスバルブを開ける一方、前記入口バルブと前記出口バルブを徐々に閉止する工程と、前記圧力計の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう前記制御部にて前記圧力開放バルブの開閉を制御しながら徐々に前記被処理水を減圧し、前記被処理水にバブリングを発生させることで前記フィルタエレメントに付着したスケールを除去する工程と、を備えることを特徴とする。
(1)に記載の濾過装置の運転方法について以下にその手段を説明する。
一般に濾過装置はその圧力損失がある一定のレベルを超えると、圧力損失を増大させている原因であるフィルタエレメントに付着したスラッジを除去し圧力損失を規定値以下にまで回復させる必要がある。
フィルタエレメントに付着したスラッジを除去するための手法として従来から逆洗が行われていたが、本発明では逆洗ではなく、濾過装置の圧力容器内に貯留された100℃以上の高温高圧状態の被処理水を徐々に減圧することで緩やかに被処理水内部からフラッシュ蒸気を発生させ、このフラッシュ蒸気が圧力容器内部を上昇する際に発生する被処理水の撹拌を利用してフィルタエレメントの表面に付着したスラッジを除去する。
濾過装置の通常の運転状態では入口バルブと出口バルブが開けられ、他のバルブは閉止されることで被処理水が入口ラインから下室に供給され、フィルタエレメントで濾過された後に上室から出口ラインを通って復水本管へ送水される。
この濾過装置の運転が所定時間を経過した場合にはフィルタエレメントには除去すべき量のスラッジが付着したものとして、バイパスバルブを開け、入口バルブと出口バルブを閉止することで通常の運転状態から洗浄状態に移行する。
洗浄状態に移行した後は、100℃以上の高温高圧の被処理水は圧力容器内に貯留された状態となり、圧力容器内の被処理水は引き続き加圧状態にあるため飽和水の状態を維持している。
次に圧力計の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう制御部にて圧力開放バルブの開閉を制御しながら徐々に被処理水を減圧し、被処理水内部からフラッシュ蒸気を発生、つまりバブリングを発生させる。
ここで圧力開放バルブは圧力制御機能を有し、減圧プログラムに基づいて徐々に減圧することが好ましい。急速に被処理水の減圧を行うと圧力容器の下室と上室の間に短時間ではあるがフィルタエレメントの許容圧力差を超える圧力差が発生する可能性があり、フィルタエレメントにダメージを与える可能性があるためである。
このバブリングが発生するとフラッシュ蒸気が圧力容器内の上方へ移動し、その際に圧力容器内の被処理水を撹拌するのでフィルタエレメントに付着したスケールを除去することが可能となる(以下、バブリングによるスケール除去を「バブリング洗浄」と記載する。)。
通常の濾過装置のフィルタエレメントに付着するスラッジはヘマタイトを主成分とする針状結晶である場合があり、その場合には特にバブリング洗浄によるスラッジ除去は高い効果を発揮する。
(2) また本発明にかかる濾過装置の運転方法は、圧力容器を下室と上室に区画する仕切板と、前記仕切板を貫通する状態で固定されたフィルタエレメントと、前記下室に接続され、前記下室に高温高圧の被処理水を供給し入口バルブを備えた入口ラインと、前記上室に接続され、前記上室から前記被処理水を排出し復水本管へ送水する出口バルブを備えた出口ラインと、前記下室に接続され、圧力開放バルブを備えた圧力開放ラインと、一方が前記入口ライン上であって前記入口バルブの上流側に接続され、もう一方が前記出口ライン上であって前記出口バルブの下流側に接続され、バイパスバルブを備えたバイパスラインと、前記入口バルブと前記出口バルブと前記圧力開放バルブと前記バイパスバルブの開閉を制御する制御部と、前記下室の圧力値を検出し検出結果を前記制御部に送信する圧力計と、前記入口ラインと前記出口ラインの差圧を計測し前記制御部へ送信する差圧計と、を備え、前記入口バルブと前記出口バルブが開けられることで、前記被処理水が前記入口ラインから前記下室に供給され、前記フィルタエレメントで濾過された後、前記上室から前記出口ラインを通って前記復水本管へ送水される濾過装置の運転方法であって、前記差圧計の差圧が予め設定された閾値を超えた場合において、前記制御部は前記バイパスバルブを開ける一方、前記入口バルブと前記出口バルブを徐々に閉止する工程と、前記圧力計の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう前記制御部にて前記圧力開放バルブの開閉を制御しながら徐々に前記被処理水を減圧し、前記被処理水にバブリングを発生させることで前記フィルタエレメントに付着したスケールを除去する工程と、を備えることを特徴とする。
(2)に記載の濾過装置の運転方法について以下にその手段について説明する。
(1)に記載の濾過装置の運転方法では、濾過装置の運転が所定時間を経過した場合にはフィルタエレメントには除去すべき量のスラッジが付着したものとして、通常の運転状態から洗浄状態へ移行するが、(2)に記載の濾過装置の運転方法では入口ラインと出口ラインの差圧を計測する差圧計を備え、その差圧が予め設定された閾値を超えた場合に通常の運転方法から洗浄状態に移行する。
(3) また本発明にかかる濾過装置の運転方法は、(1)または(2)のいずれかに記載の濾過装置の運転方法において、前記下室に接続され、前記制御部にて開閉を制御されるドレンバルブを備えたドレンラインと、を備え、前記圧力計の値が予め決められた一定時間、予め決められた閾値を下回った場合、前記制御部にて前記ドレンバルブを開ける工程と、を備えることを特徴とする。
(3)に記載の濾過装置の運転方法について以下にその手段を説明する。
バブリング洗浄により、フィルタエレメントの付着したスラッジが除去された結果、下室の下部にはスラッジが堆積することになる。
このスラッジを排出するために下室に接続されたドレンラインから被処理水と共に排出する必要があるが、被処理水は高温高圧状態であり、圧力開放バルブにより減圧されたとはいえ熱水状態であることに変わりはなく、バブリング洗浄の後すぐに排出するのは突沸の発生によるフィルタエレメントへのダメージの発生もあり得る上に、安全管理上も好ましくない。
このスラッジを排出するために下室に接続されたドレンラインから被処理水と共に排出する必要があるが、被処理水は高温高圧状態であり、圧力開放バルブにより減圧されたとはいえ熱水状態であることに変わりはなく、バブリング洗浄の後すぐに排出するのは突沸の発生によるフィルタエレメントへのダメージの発生もあり得る上に、安全管理上も好ましくない。
そのため圧力計の値が一定時間、予め決められた閾値を下回った場合には、被処理水は圧力容器から排出可能な状態まで温度が下がったと判断し、ドレンバルブを開けることで圧力開放ラインから空気が圧力容器内に導入され、スラッジを含む被処理水をドレンラインから圧力容器の外に排出する。
この被処理水の排水の際、圧力開放バルブは開の状態なので、圧力容器から被処理水が排出されると同時に空気が圧力開放ラインから圧力容器内部に導入される。
またこのバブリング洗浄によるフィルタエレメントからのスラッジの除去では、逆洗による洗浄と異なり圧力容器の外からの水などの流体の供給が不要であり排水量も削減することができる。
(4) また本発明にかかる濾過装置の運転方法は、(3)に記載の濾過装置の運転方法において、前記上室に接続され、前記制御部にて開閉を制御されるベントバルブおよび前記ベントバルブの下流側に、前記制御部に検出結果を送信する水センサを備えるベントラインと、を備え、前記ドレンバルブが閉じられた後、前記圧力開放バルブを閉止し、前記入口バルブを開ける工程と、前記ベントバルブを徐々に開け、前記水センサで前記被処理水を検知すると前記ベントバルブを徐々に閉止する工程と、前記出口バルブを徐々に開けるとともに前記バイパスバルブを徐々に閉止する工程と、を備えることを特徴とする。
(4)に記載の濾過装置の運転方法について以下にその手段を説明する。
バブリング洗浄が完了し、圧力容器内部に堆積したスラッジを排出した後は洗浄状態を終了し、通常の運転状態に復帰する。
しかし通常の運転状態に移行する前には圧力容器内は空気混入が限りなく少ない気液平衡状態にすることが望ましい。空気が混入したまま通常の運転を行うと被処理水の流路内に空気が混入し、蒸気タービンの効率を低下させる可能性があるためである。
そのため圧力容器内を被処理水で満水にする必要があるが、急速に被処理水を充てんすると圧力容器内でフラッシュ蒸気が発生し圧力容器内の下室と上室に圧力差が発生し、フィルタエレメントにダメージを与える可能性がある。
フィルタエレメントへのダメージを回避しつつ圧力容器を被処理水で満水にするため、上室の上端部付近にベントバルブと水センサを備えるベントラインを設け、入口バルブを開けることで入口ラインから被処理水を圧力容器に導入し、ベントラインから圧力容器内部の空気を排出する。
その後、ベントラインに備えられた水センサが水を検知した場合には圧力容器は満水状態と判断し、ベントバルブを徐々に閉止する。
ここでベントバルブには圧力制御機能を有し、下室と上室の圧力差が常にある一定の閾値を超えないよう制御部にて昇圧プログラムに従って制御することが好ましい。
ベントバルブが閉止された後は、出口バルブを徐々に開けるとともにバイパスバルブを徐々に閉止することで水撃等の問題を発生させることなく通常の濾過運転に復帰する。
(1)に記載の濾過装置の運転方法によれば、逆洗に必要なタンク等の逆洗装置を必要とせず、高温高圧状態の被処理水からフラッシュ蒸気を発生させ、バブリング洗浄することでフィルタエレメントに付着したスラッジを除去することが可能となる。
(2)に記載の濾過装置の運転方法によれば、入口ラインと出口ラインの差圧を計測することで適切なタイミングにフィルタエレメントの洗浄を開始することが可能となり、濾過装置の運転を最適化することが可能となる。
(3)に記載の濾過装置の運転方法によれば、冷却された状態で安全にスラッジを含む被処理水を圧力容器の外に排出することが可能となる。
またバブリング洗浄では逆洗によるフィルタエレメントよりも少ない排水量でスラッジをフィルタエレメントから除去し、圧力容器の外に排出することが可能となる。
(4)に記載の濾過装置の運転方法によれば、濾過装置をフィルタエレメントにダメージを与えることなく洗浄状態から通常の運転状態に復帰することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。かかる実施形態は発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態にかかる濾過装置の運転方法を適用可能な濾過装置10の通常の運転状態を示す概略構成図であり、図2は濾過装置10の洗浄状態を示す概略構成図である。
まず濾過装置10の構成を説明する。
圧力容器20の内部には圧力容器20を下室22と上室24に区画する仕切板26が備えられており、仕切板26を貫通する状態でフィルタエレメント28が固定されている
下室22には100℃以上の高温高圧の被処理水を供給する入口バルブ30を備えた入口ライン32が接続されており、上室24には被処理水を排出し復水本管へ送水する出口バルブ34を備えた出口ライン36が接続されている。
下室22には圧力開放バルブ38を備えた圧力開放ライン40が接続されている。
バイパスバルブ42を備えたバイパスライン44は一方が入口ライン32上であって入口バルブ30の上流側に接続されており、もう一方が出口ライン36上であって出口バルブ34の下流側に接続されている。
入口バルブ30と出口バルブ34と圧力開放バルブ38とバイパスバルブ42の開閉は制御部46で制御されており、制御部46には圧力計48で検出された下室22の圧力値が送信される。
次に濾過装置10の通常の運転状態の動作について説明する。
濾過装置10の通常の運転状態にあっては、入口バルブ30と出口バルブ34が開けられ、他のバルブ全てが閉止されることで、被処理水が入口ライン32から下室22に供給され、フィルタエレメント28で濾過された後、上室24から出口ライン36を通って復水本管へ送水される。
次に濾過装置10の洗浄状態の動作について説明する。
濾過装置10の運転が所定時間を経過すると、制御部46はまずバイパスバルブ42を開け、入口バルブ30と出口バルブ34を水撃が発生しないように徐々に閉止する。
入口バルブ30と出口バルブ34を閉止した後、圧力計48の圧力値が予め設定された閾値を超えないよう、制御部46にて圧力開放バルブ38の開閉を制御しながら徐々に被処理水を減圧し、被処理水にフラッシュ蒸気を発生させることでバブリング洗浄を行い、フィルタエレメント28に付着したスケールを除去する。
次に本実施形態の効果について説明する。
上述のように、濾過装置10では逆洗のように圧力容器の外部から流体等の供給を必要とせず、100℃以上の高温高圧状態にある被処理水からフラッシュ蒸気を徐々に発生させることでフィルタエレメント28をバブリング洗浄することが可能である。
また下室22に設置された圧力計48の圧力値が常に予め設定された上限値を超えないように圧力開放バルブ38の開度を制御することで、フラッシュ蒸気の発生に伴う、一時的な下室22と上室24の圧力差がフィルタエレメント28の許容圧力差を超えない範囲に維持し、フィルタエレメント28へのダメージも同時に回避することが可能である。
(第2実施形態)
図3は第2実施形態にかかる濾過装置の運転方法を適用可能な濾過装置11の洗浄状態を示す概略構成図である。
まず濾過装置11の構成を説明する。
濾過装置11は濾過装置10の概略構成に加えて、入口ライン32と出口ライン36のそれぞれの圧力を計測する圧力測定ポイント(P1およびP2)を有しており、入口ライン32と出口ライン36の差圧(dP=P1−P2)を計算し、差圧(dP)を制御部46に送信する差圧計50を有している。
次に濾過装置11の動作について説明する。
第1実施形態にかかる濾過装置10では、所定の運転時間を経過すると通常の運転状態から洗浄状態に移行するが、濾過装置11では差圧計50により計測された差圧(dP)が予め決められた閾値を上回った場合に通常の運転状態から洗浄状態に移行する。
これにより、濾過装置11の洗浄状態への移行が適切なタイミングで開始することが可能となり、濾過装置11の運転を最適化することが可能となる。
(第3実施形態)
図4は第3実施形態にかかる濾過装置の運転方法を適用可能な濾過装置12の洗浄状態を示す概略構成図である。
濾過装置12の濾過装置10または濾過装置11との構成の差異点は、下室22に接続され、ドレンバルブ52を備えるドレンライン54を備える点である。
フィルタエレメント28のバブリング洗浄が完了した後は、スラッジが下室22の下部に堆積するのでドレンバルブ52を開けることでスラッジを被処理水と共にドレンライン54から排出することが可能である。
しかし被処理水は、例えば大気圧まで減圧された場合であっても100℃程度の熱水状態なので、スラッジの排出にあたっては装置のダメージ防止および安全確保の面から確実に冷却された状態であることを確認したうえで排出することが好ましい。
そのため濾過装置12の圧力計48の値がある一定時間、予め決められた閾値を下回った場合に制御部46にてドレンバルブ52を開け、スラッジを含む被処理水をドレンライン54から排出する。
具体的には、圧力開放バルブ38が開の状態で圧力計48の値が一定時間の間、大気圧状態となればこれ以上フラッシュ蒸気の発生はないと制御部46にて判断し、制御部46によりドレンバルブ52を開け、スラッジを含む被処理水をドレンライン54から排出する。
これにより安全にスラッジを含む被処理水を圧力容器20の外に排出することが可能となる。また逆洗によるフィルタエレメントの洗浄と異なり、バブリング洗浄の場合には外部から水等の流体供給が不要なので圧力容器20からスラッジを排出する際に発生する排水量を削減することが可能となる。
(第4実施形態)
図5は第4実施形態にかかる濾過装置の運転方法を適用可能な濾過装置13の洗浄状態を示す概略構成図である。
濾過装置13は濾過装置12の概略構成に加えて、上室24に接続され、ベントバルブ56と水センサ58を備えるベントライン60を備えている。
濾過装置13のフィルタエレメント28のバブリング洗浄が完了し、スラッジを含む被処理水が圧力容器20から排出された後、濾過装置13は通常の運転状態に復帰する必要がある。
ここでスラッジを含む被処理水が圧力容器20から排出された際に、圧力開放バルブ38が開いた状態になっているため圧力開放ライン40を通じて圧力容器20内には空気が入っている。
圧力容器20内の空気を排出するため、ベントバルブ56を開け、入口バルブ30を開けることで入口ライン32から被処理水を圧力容器20内に導入する。
しかし被処理水は高温高圧の状態であり、圧力容器20が大気圧の状態に保たれていると圧力容器20内に被処理水が供給されると、被処理水は減圧された状態となり、被処理水からフラッシュ蒸気が発生する。
このフラッシュ蒸気の発生により、下室22と上室24の間には一時的にフィルタエレメント28の許容圧力差を超える圧力差が発生し、フィルタエレメント28に損傷を与える可能性がある。
そのためベントバルブ56の開度を制御部46に設定された昇圧プログラムに応じて調整し、フラッシュ蒸気が発生しても下室22と上室24の圧力差がフィルタエレメント28の許容圧力差以下となるように制御する。
次に、被処理水の圧力容器20への導入開始後に水センサ58で水を検出した場合、圧力容器20は被処理水で満水になったと判断し、ベントバルブ56を閉止する。
その後、出口バルブ34を徐々に開けるとともに、バイパスバルブ42を徐々に閉止し、水撃によるダメージを回避しながら濾過装置13は通常の運転状態に復帰する。
これにより濾過装置13は装置にダメージを与えることなく、安全に洗浄状態から通常の運転状態に復帰することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明した。
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、発電プラント等で利用されている蒸気タービン設備の復水器で生成される凝縮水の濾過装置の運転方法として利用することができる。
10: 濾過装置、11:濾過装置、12:濾過装置、13:濾過装置、20:圧力容器、22:下室、24:上室、26:仕切版、28:フィルタエレメント、30:入口バルブ、32:入口ライン、34:出口バルブ、36:出口ライン、38:圧力開放バルブ、40:圧力開放ライン、42:バイパスバルブ、44:バイパスライン、46:制御部、48:圧力計、50:差圧計、52:ドレンバルブ、54:ドレンライン、56:ベントバルブ、58:水センサ、60:ベントライン
Claims (4)
- 圧力容器を下室と上室に区画する仕切板と、
前記仕切板を貫通する状態で固定されたフィルタエレメントと、
前記下室に接続され、前記下室に高温高圧の被処理水を供給し入口バルブを備えた入口ラインと、
前記上室に接続され、前記上室から前記被処理水を排出し復水本管へ送水する出口バルブを備えた出口ラインと、
前記下室に接続され、圧力開放バルブを備えた圧力開放ラインと、
一方が前記入口ライン上であって前記入口バルブの上流側に接続され、もう一方が前記出口ライン上であって前記出口バルブの下流側に接続され、バイパスバルブを備えたバイパスラインと、
前記入口バルブと前記出口バルブと前記圧力開放バルブと前記バイパスバルブの開閉を制御する制御部と、
前記下室の圧力値を検出し検出結果を前記制御部に送信する圧力計と、を備え、
前記入口バルブと前記出口バルブが開けられることで、前記被処理水が前記入口ラインから前記下室に供給され、前記フィルタエレメントで濾過された後、前記上室から前記出口ラインを通って前記復水本管へ送水される濾過装置の運転方法であって、
前記濾過装置の運転を所定時間毎に継続して行った場合において、前記制御部は前記バイパスバルブを開ける一方、前記入口バルブと前記出口バルブを徐々に閉止する工程と、
前記圧力計の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう前記制御部にて前記圧力開放バルブの開閉を制御しながら徐々に前記被処理水を減圧し、前記被処理水にバブリングを発生させることで前記フィルタエレメントに付着したスケールを除去する工程と、
を備えることを特徴とする濾過装置の運転方法。 - 圧力容器を下室と上室に区画する仕切板と、
前記仕切板を貫通する状態で固定されたフィルタエレメントと、
前記下室に接続され、前記下室に高温高圧の被処理水を供給し入口バルブを備えた入口ラインと、
前記上室に接続され、前記上室から前記被処理水を排出し復水本管へ送水する出口バルブを備えた出口ラインと、
前記下室に接続され、圧力開放バルブを備えた圧力開放ラインと、
一方が前記入口ライン上であって前記入口バルブの上流側に接続され、もう一方が前記出口ライン上であって前記出口バルブの下流側に接続され、バイパスバルブを備えたバイパスラインと、
前記入口バルブと前記出口バルブと前記圧力開放バルブと前記バイパスバルブの開閉を制御する制御部と、
前記下室の圧力値を検出し検出結果を前記制御部に送信する圧力計と、
前記入口ラインと前記出口ラインの差圧を計測し前記制御部へ送信する差圧計と、を備え、
前記入口バルブと前記出口バルブが開けられることで、前記被処理水が前記入口ラインから前記下室に供給され、前記フィルタエレメントで濾過された後、前記上室から前記出口ラインを通って前記復水本管へ送水される濾過装置の運転方法であって、
前記差圧計の差圧が予め設定された閾値を超えた場合において、前記制御部は前記バイパスバルブを開ける一方、前記入口バルブと前記出口バルブを徐々に閉止する工程と、
前記圧力計の圧力値が予め設定してある閾値を超えないよう前記制御部にて前記圧力開放バルブの開閉を制御しながら徐々に前記被処理水を減圧し、前記被処理水にバブリングを発生させることで前記フィルタエレメントに付着したスケールを除去する工程と、
を備えることを特徴とする濾過装置の運転方法。 - 前記下室に接続され、前記制御部にて開閉を制御されるドレンバルブを備えたドレンラインと、を備え、
前記圧力計の値が予め決められた一定時間、予め決められた閾値を下回った場合、前記制御部にて前記ドレンバルブを開ける工程と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の濾過装置の運転方法。 - 前記上室に接続され、前記制御部にて開閉を制御されるベントバルブおよび前記ベントバルブの下流側に、前記制御部に検出結果を送信する水センサを備えるベントラインと、を備え、
前記ドレンバルブが閉じられた後、前記圧力開放バルブを閉止し、前記入口バルブを開ける工程と、
前記ベントバルブを徐々に開け、前記水センサで前記被処理水を検知すると前記ベントバルブを徐々に閉止する工程と、
前記出口バルブを徐々に開けるとともに前記バイパスバルブを徐々に閉止する工程と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012181263A JP2014036937A (ja) | 2012-08-19 | 2012-08-19 | 濾過装置の運転方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012181263A JP2014036937A (ja) | 2012-08-19 | 2012-08-19 | 濾過装置の運転方法 |
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JP2014036937A true JP2014036937A (ja) | 2014-02-27 |
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ID=50285475
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JP (1) | JP2014036937A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102444478B1 (ko) * | 2021-03-26 | 2022-09-19 | 제이에스이엔지(주) | 롤 필터 프레스 |
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2012
- 2012-08-19 JP JP2012181263A patent/JP2014036937A/ja active Pending
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