JP2012092734A - エゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備 - Google Patents

エゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備 Download PDF

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Abstract

【課題】実用的で既設の汽力発電プラントにおいても簡単な改良で容易に適用でき、ランニングコストを低減可能なエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を提供する。
【解決手段】起動バイパス装置、復水器21の不凝縮性ガスを吸引除去するエゼクタ33に作動蒸気としてボイラ1の主蒸気を供給するエゼクタ主蒸気系統40を備える汽力発電プラントにおいて、起動時に前記エゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水回収装置に導く回収処理系統を設け、汽力発電プラント起動時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン/及び又は蒸気を起動バイパス装置の減温器55に導き、フラッシュタンク53から排気される余剰の蒸気及び/又はタービンバイパス系統54から排気される蒸気と共に減温器55で温度を調整した後、復水器21に送り復水にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エゼクタを備える空気抽出装置に作動蒸気としてボイラの主蒸気を供給するエゼクタ主蒸気系統を備える汽力発電プラントにおいて、起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を処理するエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備に関する。
従来の一般的な汽力発電プラントは、石炭、重油、LNG等を燃料としボイラで蒸気を発生させ、発生した蒸気を蒸気タービンに導き発電機を駆動し発電する。蒸気タービンを駆動した蒸気は、海水を冷却媒体とする復水器で冷却され復水となる。この復水はボイラ給水となり低圧給水加熱器で加熱され、さらに脱気器で給水中の溶存酸素等が除去された後、高圧給水加熱器で加熱されボイラに送られる。低圧給水加熱器、脱気器及び高圧給水加熱器の加熱には、蒸気タービンの抽気蒸気が使用される。
汽力発電プラントを起動する際には、ボイラの火炉水冷壁を保護するため、ボイラ定格給水量の25%程度の給水を行う必要がある。一方でボイラを起動しても発生する蒸気を直ちに蒸気タービンに供給することはできない。蒸気タービンに蒸気を供給するには蒸気を規定の温度、圧力とする必要があり、さらに蒸気タービンに供給後も蒸気量を徐々に増加させ、最終的に発生蒸気の全量を蒸気タービンに供給することとなる。このように汽力発電プラントの起動時にはボイラの給水量と蒸気タービンへの蒸気供給量とが異なるため、汽力発電プラントには起動バイパス装置が設けられ、余剰の蒸気はフラッシュタンクを経由して復水器へ導かれる。
これまで汽力発電プラントにおいて、発電効率の向上、エネルギーの有効利用、省エネルギー、さらにはランニングコストの低減に関する多くの提案がなされている。このようなエネルギーの有効利用等に対する提案は、通常運転に対応するもののみならず、起動バイパス運転に対応するものもある。例えば、汽力発電プラントの起動時には、ボイラを点火し発生させた蒸気を起動バイパス装置を用い、徐々に主蒸気管など各所に送り所定の温度まで昇温させるウォーミング操作が必要となる。従来、このウォーミングに使用した蒸気は有効利用されることなく外部に排出されていたが、このウォーミングに使用した蒸気を有効に利用するための提案がなされている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2009−7954号公報 特開2009−293871号公報
汽力発電プラントにおいて、発電効率の向上、ランニングコストの低減等は、永遠の課題と言うべきものであり、今後も更なる改善が期待されている。例えばエゼクタを備える空気抽出装置を有する汽力発電プラントにおいて、起動時にはエゼクタ作動蒸気は、所内ボイラなどからの補助蒸気が使用される。一方でエゼクタに作動蒸気としてボイラの主蒸気を供給するエゼクタ主蒸気系統は、フラッシング、ウォーミングのため蒸気ブローが行われる。この蒸気ブローに伴い発生するドレン及び/又はブロー蒸気は、フラッシュパイプに送られ、さらにドレンは排水処理装置へ送られ処理され、蒸気は大気中に放散される。このドレン及び/又はブロー蒸気を適切に処理することで、汽力発電プラントのランニングコスト低減が期待できるが、これまでエゼクタ主蒸気系統の蒸気ブローについては全く検討されておらず、汽力発電プラントのランニングコスト低減に寄与する実用的な処理方法、処理設備の開発が待たれている。
本発明の目的は、実用的で既設の汽力発電プラントにおいても簡単な改良で容易に適用でき、ランニングコストを低減可能なエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を提供することである。
本発明は、1次過熱器、2次過熱器を含む高次過熱器を備えるボイラと、前記ボイラから送出される蒸気で駆動する蒸気タービンと、前記1次過熱器をバイパスする1次過熱器バイパス系統、前記2次過熱器を含む高次過熱器をバイパスする高次過熱器バイパス系統、前記1次過熱器バイパス系統及び高次過熱器バイパス系統から送出されるドレン及び/又は蒸気を受入れるフラッシュタンク、前記蒸気タービンの上流側に配置されたタービンバイパス系統、前記フラッシュタンクから排気される余剰の蒸気及び前記タービンバイパス系統から排気される蒸気を復水器へ供給可能に減温する減温器を備える起動バイパス装置と、復水器の不凝縮性ガスを吸引除去するエゼクタを備える空気抽出装置と、前記エゼクタに作動蒸気として前記ボイラの主蒸気を供給するエゼクタ主蒸気系統と、を備える汽力発電プラントの起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を処理するエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備であって、起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を廃棄装置に導く廃棄処理系統と、起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水回収装置に導く回収処理系統と、起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記廃棄処理系統又は前記回収処理系統のいずれか一方に導く切替手段と、を備えることを特徴とするエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備である。
また本発明は、前記エゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備において、前記廃棄装置は、排気蒸気を受け入れ気液分離するフラッシュパイプ、前記フラッシュパイプから送出されるドレンを減温し排水処理設備に送出するブロータンクを備え、前記廃棄処理系統は、前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記フラッシュパイプに導き、ドレンは、前記排水処理設備で処理され、前記回収処理系統は、前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記減温器に導き、該ドレン及び/又は蒸気は、前記フラッシュタンクから排気される余剰の蒸気及び/又は前記タービンバイパス系統から排気される蒸気と共に前記減温器で温度調整された後、復水器に送出されることを特徴とする。
また本発明は、前記エゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備において、前記汽力発電プラントが、週末停止起動(WSS)運転又は深夜停止起動(DSS)運転対応の汽力発電プラントであることを特徴とする。
本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備は、汽力発電プラントの起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水回収装置に導く回収処理系統を備えるので、復水として回収することが可能でありドレンの処理が不要となる。この結果、排水処理装置の負荷が低減し、汽力発電プラントのランニングコストを低減することができる。さらに汽力発電プラントの起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を廃棄装置へ導く廃棄処理系統及び系統を切り替える切替手段を備えるので、ドレンにさびが混入することが予想されるような場合は、まずドレン及び/又は蒸気を廃棄装置へ導き廃棄し、十分にブローされた後に回収処理系統に切り替えることで、汽力発電プラントに悪影響を及ぼすことなく効果的に処理することができる。また、エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水として回収することで、蒸気の大気放散がなくなり、環境改善が図れる。
また本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備は、汽力発電プラントの起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気の回収を、起動バイパス装置の減温器を利用して行うので、既設の汽力発電プラントにおいても簡単な改良で容易に実現できる。またドレン及び/又は蒸気の回収を、同じく汽力発電プラントの起動時にフラッシュタンクから排気される余剰の蒸気及び/又はタービンバイパス系統から排気される蒸気といっしょに処理するので、これら蒸気の処理系統が1つで済み、制御も含め処理系統を非常に単純化することができる。
また本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備は、汽力発電プラントの起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気の処理に関するものであるから、起動停止の多い週末停止起動(WSS)運転、深夜停止起動(DSS)運転を行う汽力発電プラントに好適に使用することができる。
本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を備える汽力発電プラントの概略的構成を示すプロセスフロー図である。
図1は、本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を備える汽力発電プラントの概略的構成を示すプロセスフロー図である。本実施形態に示す汽力発電プラントは、起動バイパス装置を備え、空気抽出装置のエゼクタにボイラの主蒸気を送るエゼクタ主蒸気系統及び起動時にエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプに送る既設の汽力発電プラントを改造しなしたものである。
まず汽力発電プラントの全体構成を通常運転時の蒸気及び復水・給水の流れに従って説明し、その後、起動バイパス装置の構成、汽力発電プラント起動時の運転要領とエゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気処理方法を説明する。
ボイラ1は、燃料であるLNG(液化天然ガス)を燃焼させる火炉2、燃焼ガスによりボイラ給水を加熱する節炭器3、水冷壁4、ゲージ壁5さらには飽和蒸気を過熱蒸気とする1次過熱器6及び2次過熱器7を備える。2次加熱器7から送出される過熱蒸気は、主蒸気止弁11及び蒸気加減弁12が設けられた主蒸気管13を通じて高圧タービン14に送られ高圧タービン14を駆動する。高圧タービン14を駆動した蒸気は、ボイラの再熱器(図示を省略)で再加熱された後、図示を省略した中圧タービン及び低圧タービンを駆動する。発電機(図示を省略)は、高圧タービン14、中圧タービン、低圧タービンと連結しこれらタービンにより駆動され発電を行う。
低圧タービンから排出される蒸気は、復水器21で冷却され凝縮し復水となる。復水は、復水ポンプ22を介して脱塩装置23に送られ、復水中の塩類が除去される。塩類が除去された復水は、復水昇圧ポンプ24で昇圧された後、復水熱交換器25で軸冷水と熱交換し温度を上昇させる。その後、復水は、空気抽出装置26のクーラーの冷媒として使用され、グランドコンデンサ27、ドレンクーラ28の順に送られ、さらに低圧給水加熱器29で加熱された後、脱気器30に送られる。
低圧給水加熱器29は、表面接触式の熱交換器であり、低圧タービン(LP)の抽気蒸気で加熱される。脱気器30に送られた給水は、中圧タービンの抽気蒸気(脱気用蒸気)で加熱され、給水中の溶存酸素等不凝縮性ガスが除去された後、ボイラ給水ポンプ31により昇圧された後、高圧給水加熱器32に送られここでさらに加熱される。高圧給水加熱器32は、表面接触式の熱交換器であり、高圧タービン14の抽気蒸気で加熱された給水は、節炭器3に送られる。復水器21から節炭器3に至るまでの系統が、復水・給水系統である。
空気抽出装置26は、復水器21内に持ち込まれるタービン排気蒸気に含まれる不凝縮性ガス、系外から漏れ込む空気を排気し、復水器21内を低圧力(真空)に維持する。空気抽出装置26は、蒸気駆動式のエゼクタ33とクーラー34とからなる。
エゼクタ33は、公知の蒸気エゼクタであり、エゼクタ33は、空気抽出管35を介して復水器21と連通し、復水器21に漏れ込む空気等を吸引除去する。エゼクタ33の作動蒸気は、ボイラ1の主蒸気がエゼクタ主蒸気系統を通して供給される。エゼクタ主蒸気系統40は、主蒸気管13と一端を接続し、他端をエゼクタ33に接続するエゼクタ主蒸気管41を有し、エゼクタ主蒸気管41には、エゼクタ主蒸気弁42、圧力調整弁43が設けられ、ボイラ1の主蒸気を規定の圧力に調整しエゼクタ33へ供給する。
さらにエゼクタ主蒸気管41には、エゼクタ主蒸気弁42の上流側にエゼクタ主蒸気ドレン弁44が設けられ、エゼクタ主蒸気ドレン弁44から蒸気を排気することでエゼクタ主蒸気管41をウォーミング、フラッシングすることができる。エゼクタ主蒸気ドレン弁44の出口部には、三方弁46が設けられ、三方弁46の一方の出口部は、廃棄管45を介してフラッシュパイプ47と接続し、三方弁46の他方の出口部は、回収管48を介して減温器55と接続する。よって、三方弁46を切り替えることで、ドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプ47へ廃棄することも、減温器55を介して復水器21へ回収することもできる。本実施形態では、三方弁46が切替手段、廃棄管45が廃棄処理系統、回収管48が回収処理系統に該当する。
またエゼクタ33には、汽力発電プラントの起動時、自缶蒸気が使用できないため、所内ボイラからの作動蒸気を供給するための補助蒸気管49が接続する。クーラー34は、エゼクタ33の抽気に含まれる蒸気を凝縮させ、蒸気が凝縮除去された抽気は大気中に放散される。クーラー34の冷却媒体には、復水が使用される。
上記汽力発電プラントには、起動する際に使用する起動バイパス装置が設けられている。起動バイパス装置は、1次過熱器6をバイパスする1次過熱器バイパス系統51、2次過熱器7をバイパスする2次過熱器バイパス系統52、1次過熱器バイパス系統51及び2次過熱器バイパス系統52と接続し、1次過熱器6をバイパスするように配置されたフラッシュタンク53、高圧タービン14の上流側に配置されたタービンバイパス系統54、フラッシュタンク53から排気される余剰の蒸気及びタービンバイパス系統54から排気される蒸気を復水器21へ供給できるように減温する減温器55を備える。
1次過熱器バイパス系統51は、1次過熱器6の上流側とフラッシュタンク53とを結ぶ1次過熱器バイパス管56を有し、管路の途中に調整弁57を備える。2次過熱器バイパス系統52も1次過熱器バイパス系統51と同様に、2次過熱器7の上流側とフラッシュタンク53とを結ぶ2次過熱器バイパス管58を有し、管路の途中に調整弁59を備える。さらに2次過熱器バイパス系統52は、フラッシュタンク53から送出される蒸気で2次過熱器7をウォーミングする、加熱器通気弁60が介装された2次加熱器ウォーミング管61を備える。
フラッシュタンク53は、1次過熱器バイパス管56及び2次過熱器バイパス管58を通じて排気される蒸気を受け入れ、蒸気を所定の圧力に調整する圧力容器であり、蒸気を2次過熱器7に送出すると共に、ボイラ給水を加熱する調整弁67、68が設けられた加熱蒸気管62を介して脱気器30及び高圧給水加熱器32に加熱蒸気を送る。フラッシュタンク53には、所定の圧力以上で開き蒸気を逃すダンプ蒸気弁63が設けられ、ダンプ蒸気は、減温器55と接続する遮断弁69が設けられたダンプ蒸気送出管64を通じて減温器55に送られる。加熱蒸気管62は、ダンプ蒸気弁63の上流側でダンプ蒸気送出管64に接続する。さらにフラッシュタンク53は、発生したドレンを復水器21及び脱気器30に送出する調整弁70、71が設けられたドレン送出管65、66を備える。またドレン送出管65にはブロータンク80と連絡する調整弁72を備える分岐管73が設けられている。
タービンバイパス系統54は、タービンバイパス弁75が設けられたタービンバイパス管76を有し、一端を主蒸気止弁11の上流側の主蒸気管13に他端を減温器55に接続する。
減温器55は、フラッシュタンク53のダンプ蒸気及びタービンバイパス管76を通じて排気される主蒸気管13のウォーミング蒸気を減温する装置であり、復水昇圧ポンプ24の出口部に設けられた調整弁78を有する減温水供給管77を介して減温用の水として復水が供給され、減温された蒸気は、連絡管79を介して復水器21に送られる。さらに減温器55には、回収管48が接続し、起動時、エゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気が送り込まれる。
本実施形態に示す汽力発電プラントは、エゼクタ主蒸気系統40から起動時に排気されるドレン及び/又は蒸気を廃棄すべくフラッシュパイプ47に導く廃棄処理系統を備える既設の汽力発電プラントに、復水として回収するためにドレン及び/又は蒸気を減温器55に導く回収処理系統、ドレン及び/又は蒸気を減温器55又はフラッシュパイプ47のいずれか1方に導く三方弁46が追加された汽力発電プラントである。
次に汽力発電プラント起動時の運転要領とエゼクタ主蒸気系統40から排気されるブロー蒸気の処理方法を説明する。なお、以下の説明に使用する数値は例示であり、本発明はこの数値に拘束されるものではない。
汽力発電プラントを起動する際には、ボイラ1の水冷壁4を保護するため、ボイラ定格給水量の25%程度の給水を行う必要がある。一方でボイラ1を起動しても発生する蒸気を直ちに蒸気タービンに供給することはできないので、起動バイパス装置を使用した起動バイパス運転により汽力発電プラントが起動される。ボイラ1には、起動バイパス運転が終了するまでボイラ定格給水量の25%程度の給水が行われる。
ボイラ1の水張り後、ボイラ1、1次過熱器バイパス系統51、フラッシュタンク53、復水・給水系統を通じた系統水循環が行われる。このとき1次過熱器6と2次過熱器7とを連絡する過熱器止弁8、過熱器加減弁9、2次過熱器バイパス系統52は閉止されている。ボイラ点火後、蒸気を1次過熱器バイパス系統51を通じてフラッシュタンク53へ送り、1次過熱器6の入口温度が160℃に達すると2次過熱器バイパス系統52の調整弁59が開き、1次過熱器6が加熱される。以降、フラッシュタンク53に送られる蒸気のうち、ウォーミング等に使用される以外の蒸気は、一部がドレンとなり復水器21、脱気器30に送られ、余剰の蒸気は、脱気器30、高圧給水過熱器32に送られ、ボイラ給水の加熱に使用される。さらにフラッシュタンク圧力が3.5MPaを超えるとダンプ蒸気弁63が開き、余剰の蒸気は減温器55を経由して復水器21へ送られる。
フラッシュタンク圧力が0.98MPaになると、加熱器通気弁60及びタービンバイパス弁75が開き、2次過熱器7及び主蒸気管13に蒸気が流れ込みこの部分がウォーミングされる。この主蒸気管13のウォーミングは、フラッシュタンク圧力が約3.5MPaとなるまで継続される。主蒸気管13をウォーミングした蒸気は、タービンバイパス管76から減温器55に送られ、ここで減温された後、復水器21で復水となる。
主蒸気管13のウォーミングが終了すると、タービンバイパス弁75は閉止し、蒸気は蒸気タービン14に送られ並列される。蒸気タービン並列後、過熱器減圧弁9を開け、過熱器減圧弁9を経由し蒸気を供給し、徐々に加熱器減圧弁9の開度を増し、主蒸気圧力を15.576MPaとする。この操作をランピング操作と言う。なお、この状態でも蒸気の一部はフラッシュタンク53へ送られている。この操作の段階で過熱器止弁8が全開となる。その後、蒸気の制御を主蒸気止弁11から蒸気加減弁12により行う弁切替が行われ、蒸気は全て高圧タービン14に送られる。この時点で起動バイパス系統に蒸気を流す必要はなくなるので、1次過熱器バイパス系統51の調整弁57が閉じ、起動バイパス運転が終了し通常運転へと移行する。起動バイパス系統を使用する運転をローロードオペレーションとも言う。
起動バイパス運転時、エゼクタ33には作動蒸気として補助蒸気が供給される。一方で、エゼクタ主蒸気系統40は、並列の少し前、主蒸気圧力が3.3MPaになるとエゼクタ主蒸気ドレン弁44が開き、ここから蒸気が排気され、エゼクタ主蒸気系統40のウォーミングが行われる。エゼクタ主蒸気系統40のウォーミングは、弁切替完了まで行われる。このウォーミングに伴い発生するドレン及び/又は蒸気は、回収管48を通じて減温器55へ送られ、並列まではタービンバイパス管76から排気されるウォーミング蒸気と、並列後から弁切替までは、フラッシュタンク53のダンプ蒸気と共に減温された後、復水器21へ送られる。
なお、プラント長期間停止後の起動の場合など、エゼクタ主蒸気管41にさびが発生することが懸念されるときには、所定時間、ドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプ47へ廃棄し、その後、ドレン及び/又は蒸気を減温器55に送出すればよい。但し、深夜起動停止(DSS)運転、週末起動停止(WSS)運転が頻繁に行われている汽力発電プラントでは、さびの発生の心配がないので、ドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプ47へ廃棄する必要はない。
従来の汽力発電プラントでは、起動バイパス運転時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気は全て、フラッシュパイプ47に送られ、ドレンはブロータンク80へ送られ、蒸気は大気中に放散されていた。ブロータンク80に送られたドレンは、ここで工業用水が加えられ減温された後、さらに排水処理設備の中和槽へ送られ処理されていた。このため起動バイパス運転時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気の処理には、減温のための工業用水、さらには減温後の排水を処理する費用が発生していた。
これに対して、本実施形態に示す汽力発電プラントでは、起動バイパス運転時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気を、減温器55を経由して復水器21へ回収するので、排水が発生せずその処理費用も不要となる。また、エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水として回収することで、蒸気の大気放散がなくなり、環境改善が図れる。さらに本実施形態に示す汽力発電プラントでは、起動バイパス運転時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプ47に廃棄することも選択可能なので、必要に応じてドレン及び/又は蒸気をフラッシュパイプ47に廃棄すれば汽力発電プラントの運転に悪影響を及ぼすこともない。
前記実施形態に示す汽力発電プラントは、起動バイパス運転時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気の処理に、起動バイパス装置の減温器55を使用するので、ドレン及び/又は蒸気を処理するための特別な装置が不要であり、既設の汽力発電プラントに簡単な改造を施すことで容易に実施することができる。また汽力発電プラントの起動時にエゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気を、同じく汽力発電プラントの起動時にフラッシュタンク53から排気される余剰の蒸気及び/又はタービンバイパス系統54から排気される蒸気といっしょに処理するので、これら蒸気の処理系統が1つで済み、制御装置も含め処理系統を非常に単純化することができる。
深夜起動停止(DSS)運転、週末起動停止(WSS)運転を頻繁に行う汽力発電プラントでは、通常運転に対する起動バイパス運転の割合が大きく、エゼクタ主蒸気系統40から排気されるドレン及び/又は蒸気量も多くなるので、このような汽力発電プラントに対して本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を設けることは効果的である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で種々の実施形態に変更し使用することができる。例えば、三方弁46に代え、廃棄管45及び回収管48にそれぞれ遮断弁を設けてもよい。本発明のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備を既設の汽力発電プラントに適用する場合は、簡単な改造で済むので、既設の汽力発電プラントに適用し易いが、新設の汽力発電プラントに適用可能なことは改めて言うまでもない。
1 ボイラ
4 水冷壁
5 ゲージ壁
6 1次過熱器
7 2次過熱器
13 主蒸気管
14 高圧タービン
21 復水器
22 復水ポンプ
26 空気抽出装置
33 エゼクタ
40 エゼクタ主蒸気系統
41 エゼクタ主蒸気管
42 エゼクタ主蒸気弁
44 エゼクタ主蒸気ドレン弁
45 廃棄管
46 三方弁
47 フラッシュパイプ
48 回収管
51 1次過熱器バイパス系統
52 2次過熱器バイパス系統
53 フラッシュタンク
54 タービンバイパス系統
55 減温器
75 タービンバイパス弁
76 タービンバイパス管
77 減温水供給管
80 ブロータンク

Claims (3)

  1. 1次過熱器、2次過熱器を含む高次過熱器を備えるボイラと、
    前記ボイラから送出される蒸気で駆動する蒸気タービンと、
    前記1次過熱器をバイパスする1次過熱器バイパス系統、前記2次過熱器を含む高次過熱器をバイパスする高次過熱器バイパス系統、前記1次過熱器バイパス系統及び高次過熱器バイパス系統から送出されるドレン及び/又は蒸気を受入れるフラッシュタンク、前記蒸気タービンの上流側に配置されたタービンバイパス系統、前記フラッシュタンクから排気される余剰の蒸気及び前記タービンバイパス系統から排気される蒸気を復水器へ供給可能に減温する減温器を備える起動バイパス装置と、
    復水器の不凝縮性ガスを吸引除去するエゼクタを備える空気抽出装置と、
    前記エゼクタに作動蒸気として前記ボイラの主蒸気を供給するエゼクタ主蒸気系統と、
    を備える汽力発電プラントの起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を処理するエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備であって、
    起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を廃棄装置に導く廃棄処理系統と、
    起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を復水回収装置に導く回収処理系統と、
    起動時に前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記廃棄処理系統又は前記回収処理系統のいずれか一方に導く切替手段と、
    を備えることを特徴とするエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備。
  2. 前記廃棄装置は、排気蒸気を受け入れ気液分離するフラッシュパイプ、前記フラッシュパイプから送出されるドレンを減温し排水処理設備に送出するブロータンクを備え、
    前記廃棄処理系統は、前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記フラッシュパイプに導き、ドレンは、前記排水処理設備で処理され、
    前記回収処理系統は、前記エゼクタ主蒸気系統から排気されるドレン及び/又は蒸気を前記減温器に導き、該ドレン及び/又は蒸気は、前記フラッシュタンクから排気される余剰の蒸気及び/又は前記タービンバイパス系統から排気される蒸気と共に前記減温器で温度調整された後、復水器に送出されることを特徴とする請求項1に記載のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備。
  3. 前記汽力発電プラントが、週末停止起動(WSS)運転又は深夜停止起動(DSS)運転対応の汽力発電プラントであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエゼクタ主蒸気系統ブロー流体処理設備。
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