JP2014036188A - キャビティを有する多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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徹 芹澤
Takeshi Tsunoda
剛 角田
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Abstract

【課題】信頼性が高く、高密度化に適しており、また生産性に優れた、キャビティを有する多層配線基板、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁層を介して配線を積み重ねた多層配線基板において、部品を収納するためのキャビティを有し、少なくとも1層の絶縁層で形成されている層とキャビティ壁面との間に、前記キャビティ壁面に露出してエントロピー弾性を有する弾性体が形成されていることを特徴とする前記キャビティを有する多層配線基板とすることで解決する。
【選択図】図1

Description

絶縁層を介して配線を積み重ねた多層配線基板において、高背部品を収納するためのキャビティを備えた多層配線基板及びその製造方法に関するものである。
近年の電子機器の高性能化・小型化の流れの中、回路部品の高密度、高機能化が一層求められている。かかる観点より、回路部品を搭載したモジュールにおいても、高密度、高機能化への対応が要求されている。このような要求に答えるべく、現在では配線基板を多層化することが盛んに行われている。
さらに、高密度化の要求により基板の多層化が進行するとともに、半導体素子などの電子部品を収納するキャビティーを設けた配線基板が作成されるようになった。このような、キャビティを有する多層配線基板において、より高密度に実装するためには、加工精度、信頼性が高く、且つ、生産性が高い、キャビティの形成が欠かせない。
多層配線基板において、キャビティを形成する方法は、大きく分けると、
1.あらかじめ積層した基板を切削してキャビティを形成する方法
2.あらかじめキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する方法
により形成することができる。
あらかじめ積層しておいた基板を切削してキャビティを形成する方法は、ザグリ部の深さのコントロールが難しく、トレードオフであるキャビティの底面へのダメージと削り残しの問題を抱えている。また、削りカスの残留による信頼性の低下といった問題も抱えている。
特許文献1には、予め積層した基板をカッター手段によるザグリ加工とレーザ加工手段を併用することにより、ザグリ底部のダメージ(損傷)を生じることなく削り残しを生じない。信頼性を向上し歩留まりを改善できる加工方法が開示されている。
しかしながら、レーザ加工においてもザグリ部底部のダメージ(損傷)を完全に排除することはできず、さらに削りカスが残留しやすいといった問題は解決されていない。
一方、あらかじめキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する方法においては、ザグリ底面へのダメージや削りカスの問題は軽微であるものの、あらかじめキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板と底面部を形成する基板を積層する際に用いられる熱軟化性を有する絶縁層(例えば、プリプレグの樹脂)が、キャビティ内部に流れ出しキャビティ底面などに存在する電極を汚し接触不良を起こしたり、キャビティ内に電子部品を収納する阻害となったりする問題がある。
特許文献2には、回路基板の上に貫通孔を形成した回路基板をプリプレグを介して積み重ねて階段状のキャビティを形成し、このキャビティ内にゴム弾性体を入れ、上下よりの加圧・加熱により回路基板間を一体に形成した後、前記ゴム弾性体を取り外す電子部品搭載用多層回路基板の製造法が開示されている。
しかしながら、ゴム弾性体を取り外す作業が必要であり、生産性が低い。しかもさまざまな形状のゴム弾性体を多数用意しておく必要があり、また細かなゴム弾性体を精度よく設置する必要があるなど現実的ではない。
また、特許文献2には、上側基板と、下側基板と、これらの基板の間を接続する接続層とからなり、前記上側基板と前記下側基板とは互いに異なる形状を有し、前記接続層は、熱可塑性樹脂からなる絶縁層であり、この絶縁層の所定の位置に貫通孔が形成され、この貫通孔に導電性ペーストが充填されたビアを有する立体プリント配線板であって、前記上側基板と前記下側基板とを積層することにより形成される凹部の上面の領域にソルダーレジストが形成されていることを特徴とする立体プリント配線板が開示されている。
しかしながら、ソルダーレジストは硬いため位置、高さを正確に形成する必要があり、わずかに高部位があると、積層基板の接着不良を生じ、また、わずかにでも低い部位があるとそこからフロー樹脂の流出を食い止めきれずにキャビティ底部を汚染してしまうといった問題が生じる。
特開平07−336055号公報 特公平07−44338号公報 特開2009−123867号公報
上記のような現状を鑑みて、本発明は、キャビティ底面へのダメージを生じる、削り残し、削りカスの残留による信頼性の低下といった問題の少ない予めキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する方法により形成するキャビティを有する多層配線基板及びその製造方法を採用した。しかし、予めキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する方法における欠点は、実際の製品を製造するに十分な解決手段を得られていないという現状がある。すなわち、予めキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する際に用いられる熱軟化性を有する絶縁層(例えばプリプレグの樹脂)が、キャビティ内にはみ出したり、キャビティ内に流れ出したりする。キャビティ内に流れ出した樹脂は、キャビティ内に形成された電極を汚染し、キャビティ内に内蔵する部品との接続不良を生じる。また、キャビティ内にはみ出した樹脂が、内蔵する部品を挿入する際に障害となってしまう等の問題を生じる。あるいは、設計時にこれらの不良を低減するために、キャビティに内蔵する部品に対して大きめのキャビティとすることにより高密度化の妨げになっていた。これらの問題の解決手段は、従来、上記に示したように、効果が十分ではなかったり、信頼性を損なったり、生産性に乏しいものである等の課題を有するものであった。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、本願発明の請求項1は、絶縁層を介して配線を積み重ねた多層配線基板において、部品を収納するためのキャビティを有し、少なくとも1層の絶縁層で形成されている層とキャビティ壁面との間に、前記キャビティ壁面に露出してエントロピー弾性を有する弾性体が形成されていることを特徴とするキャビティを有する多層配線基板の構成である。
加えて、本願発明の請求項2は、前記弾性体は、多層配線基板の基板面から見て前記キャビティを囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャビティを有する多層配線基板の構成である。
加えて、本願発明の請求項3は、前記弾性体のヤング率は1から50MPaであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャビティを有する多層配線基板の構成である。
加えて、本願発明の請求項4は、キャビティを有する多層配線基板の製造方法であって、多層配線基板を構成する基板のキャビティ形成部に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせる工程の間に、前記キャビティ形成部に貫通孔を設けた基板と前記配線基板の少なくとも一方の前記キャビティ形成部の周囲、且つ、貼り合わせ面の側に、前記貼り合わせ工程に使用する前記熱軟化性を有する物質を含む絶縁層の厚みより厚いエントロピー弾性を有する弾性体を形成する工程を有することを特徴とするキャビティを有する多層配線基板の製造方法である。
ここで、絶縁層の厚みより厚いエントロピー弾性を有する弾性体において、本願における厚みとは、一方の基板のみに作成した場合はその前記弾性体の厚さを示し、また、貼り合わせ面の両方に形成した場合は両方の前記弾性体の厚みの和を示すものとする。
加えて、本願発明の請求項5は、前記エントロピー弾性を有する弾性体の厚みが、前記熱軟化性を有する物質を含む絶縁層の厚みの1.1倍から2倍であることを特徴とする請求項4に記載のキャビティを有する多層配線基板の製造方法である。
加えて、本願発明の請求項6は、前記エントロピー弾性を有する弾性体の形成方法が、ディスペンション塗布法、あるいはスクリーン印刷法であることを特徴とする請求項4、又は、請求項5に記載のキャビティを有する多層配線基板の製造方法である。
本発明によれば、請求項1の構成要件を備えることにより、キャビティを有する多層配線基板は、キャビティ底面へのダメージを生じる、削り残し、削りカスの残留による信頼性の低下といった問題の少ない予めキャビティを形成する部位に貫通孔を形成した基板を積層する方法により、さらにキャビティ内に絶縁層のはみ出しや、絶縁層成分の流れ出しといった欠点を生じることなく作製できるようになり、さらに、高い信頼性と高い生産性を両立できるようになる。
すなわち、少なくとも一層の絶縁層で形成されている層と、キャビティ壁面の間に、前記キャビティ壁面に露出してエントロピー弾性を有する弾性体を有することで、弾性体が形成された部分は加熱圧着の際にも、絶縁層を形成する材料がキャビティ内にはみ出す、絶縁層成分が流れ出て電極を汚すといった欠点を生じないキャビティを有する多層配線基板とすることができる。
また、少なくとも一層の絶縁層で形成されている層と、キャビティ壁面の間に、前記キャビティ壁面に露出して形成されている部位が、エントロピー弾性を有する弾性体であることから、加熱圧着の際に柔軟に変形することで、絶縁層の接着不良を生じることを防止できる。
さらに、請求項2に記載の構成要件を備えることにより、多層積層基板の弾性体を形成した層では、キャビティ内のいずれの方向についても、絶縁層のはみ出し、絶縁層成分の流れ出しが生じることがない。従って、設計時からキャビティのサイズを大きくする必要もなく多層配線基板の高密度化に貢献することが可能である。
さらに、請求項3に記載の構成要件を備えることにより、前記弾性体のヤング率が1Mpaから50Mpaとすることで適度の硬さと柔軟性によって、キャビティ内への絶縁層のはみ出しや絶縁層成分の流出を確実に防止する。また、同時に加熱圧着時に適切に変形する柔軟性があることで、絶縁層の接着不良をより確実に防止できるものである。
さらに、請求項4に記載の製造方法を備えることにより、多層配線基板の積層時に熱軟化性を有する物質を含んだ絶縁層に、圧力がかかる前に、弾性体のシール効果が得られ、確実に、熱軟化性を有する物質がキャビティ内部にはみ出したり、流れ出たりするのを防止できる。さらに、圧力が加わるにつれて、弾性体が変形するために絶縁層による接着を阻害することがない。
変形を伴うため十分に厚く形成することが可能であり、ソルダーレジストのように固く変形が少ない場合、厚みが足りないために、絶縁層のはみ出しや絶縁層成分の流出を生じ、また、厚みが厚すぎる部位があるために、熱圧着する際に、ソルダーレジストの厚みで密着が取れずに浮いたままとなり接着不良を生じることがない。
弾性体の形成時の厚みの許容が大きいため、生産性に優れ、不良となることが少ない。
さらに、請求項5に記載の要件を備えることにより、
エントロピー弾性を有する弾性体の厚みは、前記絶縁層の厚みの1.1倍から2倍とすることで、熱圧着の際に確実に、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層に圧力がかかる前に、対面と接触しシール機能を発揮することができる。従って、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層がキャビティ内にはみ出したり、流れ出ることを未然に防ぐことが可能である。
さらに、熱圧着時に接着不良とならない様十分変形が可能な厚さである絶縁層の厚みの1.1倍から2倍とすることで、同時に熱圧着終了後に変形後の熱軟化性を有する物質を含む絶縁層が必要以上の反発力を生じ、長期間使用時に剥離することがない。
さらに、請求項6に記載したように、エントロピー弾性を有する弾性体の形成方法をディスペンション塗布法、あるいはスクリーン印刷法とすることで多層配線基板の製造プロセスとの親和性も高く、高い生産性で製造可能であり、廉価に製造することができる。
本発明の一実施形態に係るキャビティを有する多層配線基板の模式的断面図である。 図1のX−Xで切断した際の本発明の一実施形態に係るキャビティを有する多層配線基板の上面視図である。 本発明における多層配線基板の製造工程の一部を示す断面図である。 本発明における多層配線基板のキャビティ形成部に貫通孔を設けた基板の貫通孔を設ける工程を示す図である。(a)はキャビティとなる貫通孔を形成前の多層配線基板の一部の平面視図である。(b)はキャビティとなる貫通孔を形成後の多層配線基板の一部の平面視図である。 本発明における多層配線基板のキャビティ形成部に貫通孔を設けた基板の貫通孔を設ける工程を示す図である図5の断面図である。(a)は図4の(a)のY−Y断面から見た断面図である。(b)は図4の(a)のZ−Z断面から見た断面図である。 本発明における貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせる工程の一実施形態を示す断面図である。 本発明における貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせる工程の一実施形態を示す断面図である。 本発明における貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせる工程の一実施形態を示す断面図である。 本発明における貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせ前後の弾性体の断面形状である。 弾性体の代わりにソルダーレジストを用いた場合、貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせ前後の断面形状の参考図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
[キャビティを有する多層配線基板]
図1は、本発明の一実施形態に係るキャビティを有する多層配線基板の模式的断面図である。本実施形態においては、絶縁層11を介して配線12を積み重ねた多層配線基板10において、部品を収納するためのキャビティ13を有し、少なくとも1層の絶縁層11で形成されている層とキャビティ壁面14との間に、前記キャビティ壁面14に露出してエントロピー弾性を有する弾性体15が形成されていることを特徴とする前記キャビティを有する多層配線基板10である。
絶縁層11で形成されている層とキャビティ壁面14との間に、前記キャビティ壁面14に露出してエントロピー弾性を有する弾性体15が形成されている層は、1層に限られるものではなく、図8(b)に示したように複数の絶縁層11で形成されている層とキャビティ壁面14との間に形成されていてもよい。
キャビティ13を形成する部位に貫通孔42を設けた後に貼り合わせる際の、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22が形成される層とキャビティ壁面14との間に形成することにより、キャビティ13内に絶縁層に含まれる熱軟化性を有する物質がはみ出し、又は、絶縁層を構成する熱軟化性を有する物質などがキャビティ13内に流れ込むことが防止できる。
キャビティを有する多層配線基板10において、絶縁層11で形成されている層とキャビティ壁面14との間に、前記キャビティ壁面14に露出してエントロピー弾性を有する弾性体15が形成されていることにより、弾性体15が形成されている部位では、キャビティ13内に絶縁層11がはみ出すことが防止され、絶縁層11を構成する熱軟化性を有する物質などがキャビティ13内に流れ込むことが防止される多層配線基板10とすることができる。
<多層配線基板>
本発明における多層配線基板10は、導電性を有する配線12が絶縁層11を介して積層され、配線12は、絶縁層11を貫通して形成された、導電性を有する物質からなるバンプ16、又は、貫通孔に導電性を有する物質を充填したビア、導電性を有するピンなどで、必要に応じて導通がとられており、三次元的に回路を形成している。いわゆる、B2it(登録商標)(Buried Bump Interconnection Technology/ビー・スクエア・イット)、ビルドアッププリント配線板、立体プリント配線基板、積層配線基板などとも呼ばれるものを含んでいる。
本発明においては、個々の絶縁層11、配線12の材料、形成方法は問わない。絶縁層11で形成されている層とキャビティ壁面14との間に、前記キャビティ壁面14に露出してエントロピー弾性を有する弾性体15が形成される絶縁層11は、積層基板の貼り合わせが行われる層であることが望ましい。製造時に貼り合わせが行われる層であることによって、弾性体15の形成により、貼り合わせに使用する材料がキャビティ内にはみ出し、流出することを抑えることができるからである。貼り合わせに使用する材料は、いわゆる接着剤でもよいが、このような積層基板の製造の際に通常用いられる、貼り合わせ時に熱軟化性を有する物質を含む絶縁材料よりなり熱圧着により接着されることがさらに望ましい。
本発明において、弾性体15は、図1のX−X面で切断した際の上面視図である図2に示すように、キャビティ13を囲むように形成することにより、接着層となる絶縁層からの接着成分一部がキャビティ13内にはみ出し、流出するのを効果的に防止することができ、望ましい。
<キャビティ>
本発明においてキャビティ13は、多層配線基板10内に、電子部品を収納するためのスペースである。最終的には、キャビティ13内に集積回路などの電子部品を収納し、キャビティの底面に露出する配線12、又は、キャビティ壁面14に露出する配線12と接続することにより実装される。
キャビティ壁面14とは、キャビティ13内に露出している壁面を示す。本発明に図面においては、簡略化のために直線的な断面形状で表現されているが、本発明においては、直線的な断面形状に限定されるものでなく、必要に応じて、積層する絶縁層11や配線12毎に凹凸を有していても何ら問題はない。キャビティ13内に収納する電子部品との接続部をキャビティ壁面14に設ける際には、積極的に配線12及び配線12を支える絶縁層11をキャビティ13内面に階段状に形成することは普通に行われることであり、本発明においても、何ら規制するものではない。
<絶縁層>
本発明において絶縁層11は、異なる層の配線12間を絶縁する役割を有する層である。製造方法、要求されるスペックにより、使用される材料、形成方法はさまざまである。
多層配線基板10の一部として、両面に配線12を形成する際のベース材としての絶縁層11は、アルミナ基板のようなセラミックス、フッ素樹脂(フッ化炭素樹脂)やポリイミドのような樹脂、紙にフェノール樹脂を含浸したベークライト(登録商標)基板、切り揃えたガラス繊維を重ねて、エポキシ樹脂を含浸したガラスコンポジット基板(ガラスエポキシ基板)等が使用できる。
このような絶縁層材料としては、ガラス織布とエポキシ系樹脂の複合材、アラミド、全芳香族ポリエステルから選ばれる有機質繊維及びガラス繊維、アルミナ繊維より選ばれる無機質繊維のいずれかで構成される織布と熱硬化性樹脂の複合材からなる場合、p−アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾ−ル、全芳香族ポリエステル、PTFE、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミドから選ばれる有機質繊維及びガラス繊維、アルミナ繊維より選ばれる無機質繊維のいずれかで構成される不織布と熱硬化性樹脂の複合材からなる場合及び、p−アラミド、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、全芳香族ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリエステルテレフタレート、ポリイミド及びポリフェニレンサルファイドの少なくともいずれかの合成樹脂フィルムの両面に熱硬化性樹脂層を形成した複合材を用いて絶縁材料を形成してもよい絶縁性を有する材料からなり、要求される特性により材質や厚み、柔軟性を有するか剛性を有するかなど使い分けられる。
また、本発明においては、貼り合わせ層として接着機能を有する材料を含む絶縁層22が必須である。代表的には、熱硬化樹脂によって被覆された繊維(プリプレグ)が挙げられるが、限定するものではない。本発明においては、単に多層配線基板を形成するに当たり、接着機能を有する絶縁層11である。本発明においては、望ましくは、熱軟化性を有する材料を含んでいることが望ましい。
さらに、熱硬化性を有している材料が含まれていることが望ましい。貼り合わせ後にさらにほかに基板と貼り合わせる際に、最初の貼り合わせの際の熱圧着により硬化することにより、後工程での影響を受けることがない。すなわち、後工程での熱圧着の際に軟化して、配線12がずれる、絶縁層11がつぶれて配線12が短絡するといった影響を受けることがない。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及びシアネート樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂を利用することができる。
本発明において、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11を便宜的にプリプレグと表現するが、この際、プリプレグは繊維を含むものに限らないものとする。繊維の代わりに、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム等の無機フィラーを含んでいてもよいし、樹脂材料のみから形成されていてもよい。
また、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11の形成は、液体材料やインキ材料の塗布、フィルム材料、シート材料等が使用できる。
これらの機能は、明確に分けられるものではなく、後述するように、貼り合わせ層が貼り合わせ後にベース基材として用いられることもある。
本発明の多層配線基板10の絶縁層11は、貼り合わせ層としての絶縁層11のみから形成されていてもよく、また、ベース基材としての絶縁層11上に配線12を形成したものを貼り合わせ層としての絶縁層11にて貼り合わせても構わない。多層配線基板10に要求される性能、製造コストなどを勘案して、層ごとに選択すればよい。
<配線>
配線12は、導電性を有する材料から形成されており、回路の一部を形成する。銅、金、銀、アルミなどの導電性の高い金属層を形成後にエッチングなどにより、不要部分を取り除くことにより形成する。また、形成後に導電性を有する材料となる組成物を、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の方法でパターン形成することにより形成してもよい。導電性を有する材料となる組成物には、銅、銀、金、パラジウム、ビスマス、錫及びこれらの合金の内から構成され、粒径は1以上20μm以下である金属粒子が含まれることが好ましい。
<弾性体>
キャビティ13の形成は、図6、図7、図8に示したように、キャビティ形成部に貫通孔を設けた多層配線基板(50、60、70)と、貫通孔を設けていない基板40とを加熱圧着にて貼り合わせる工程の前に、キャビティ形成部に貫通孔を設けた基板(50、60、70)と配線基板の少なくとも一方のキャビティ形成部の周囲、且つ、貼り合わせ面の側に、貼り合わせに使用する熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11の厚みdより厚い弾性体15を形成する。
本発明における弾性体15は、エントロピー弾性を持つ弾性体を示す。エントロピー弾性は、ゴム弾性ともいわれ、ゴムに代表されるように、1から10MPaと非常に低い弾性率を持ち、弱い力でもよく伸び、5から10倍にまで変形する。また、変形に際し、体積変化がきわめて少ない。すなわちポアソン比が0.5に近い。といった特徴を有する。
このようなエントロピー弾性体の特徴は、本発明において、柔軟に変形しつつ、幅方向の変形が少なくて済むため、弾性体が、キャビティ13内へ大きく変形することが抑制され、キャビティ13の大きさを内蔵する部品のサイズより余分に大きくする必要がないため、多層配線基板10の部品密度の向上に貢献する。
弾性体に用いられる材料はいわゆるエラストマー(elastomer)と言われる材料であれば、いずれでも用いることができるが、熱を加えても軟化することのない比較的耐熱性が高い熱硬化型エラストマーが好適である。熱可塑性エラストマーの場合には、多層配線基板を貼り合わせる際の熱圧着温度で流動しない物質を選定する必要がある。
本発明の弾性体15の形成に使用される材料には、オレフィン系、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系の合成ゴム及び類似した性質を有する材料である、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム IIR)などを含む組成物などが適している。
弾性体(15a、15b、15c)を形成する物質のヤング率は、1MPa以上50MPa以下が好ましい。ヤング率が50MPaより大きいと硬すぎるため貼り合わせの際に十分な変形が得らない。その結果、貼り合わせに使用する熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11の厚さdとヤング率が大きすぎる弾性体43の厚み(h、h1+h2)を正確に合わせる必要が生じる。しかも、わずかでもヤング率が大きすぎる弾性体43の厚み(h、h1+h2)が厚いと、図10(b)に示したように、ヤング率が大きすぎる弾性体43が障害となって基板と絶縁層11の間に隙間が生じて信頼性に乏しい多層配線基板となってしまう。また、わずかでもヤング率が大きすぎる弾性体43の厚み(h、h1+h2)が薄いと、図10(a)に示したように熱圧着の際に隙間が生じ、その隙間から熱軟化性を有する物質を含んだ絶縁層11の成分が漏れ出ることを防止できない。これは、特許文献3に示した、弾性体の代わりにエントロピー弾性に乏しいソルダーレジストを使用した場合そのものである。
ヤング率が1MPa未満であるとやわらかすぎて不都合である。すなわち、貼り合わせの際に熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11の圧力に負けて、キャビティ13内にやわらかすぎる弾性体15が飛び出してしまう。また、甚だしい場合には、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層11がキャビティ13内に飛び出すことになってしまう。
貼り合わせ前の弾性体(15a、15b、15c)の厚み(h、h1+h2)は、貼り合わせ層である熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdよりも厚くすることによって、熱圧着時に熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22に圧力がかかる前に弾性体15と多層配線基板第二部分50もしくは、多層配線基板第二部分に形成された弾性体と接触することにより熱軟化性を有する物質がキャビティ13内に漏れるのを確実に防止できる。
ここで貼り合わせ前の弾性体の厚みは図9に示したように、貼り合わせる基板のどちらか一方にのみ形成される場合(図9(a)(b)(e))は、その厚さhとなる。また、貼り合わせる基板の両方に形成した場合には、(図9の(c)(d))は、多層配線基板第一部分40に形成された貼り合わせ前の弾性体の厚さh1と多層配線基板第二部分50に形成された貼り合わせ前の弾性体の厚さh2との合計h1+h2を指し示すものとする。
貼り合わせ前のエントロピー弾性を有する弾性体(15a、15b、15c)の厚み(h、h1+h2)は、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdの1.1倍から2倍であることが望ましい。
貼り合わせ前のエントロピー弾性を有する弾性体(15a、15b、15c)の厚み(h、h1+h2)が、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdの1.1倍より小さい場合、弾性体15や熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の製造誤差を吸収しきれない。貼り合わせ前の弾性体(15a、15b、15c)もわずかに薄い部分や熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22のわずかに厚い部分において熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22に圧力がかかる前にシールしきれず信頼性が急激に悪化する。
また、貼り合わせ前のエントロピー弾性を有する弾性体(15a、15b、15c)の厚み(h、h1+h2)が、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdの2倍より大きな場合には、貼り合わせの際、弾性体の変形が熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdまで変形しきれず、接着不良を生じる。また、製造時に接着不良を生じないまでも、弾性体に大きな応力が残留し、次第に積層基板同士を剥がす方向に応力が解消するため多層配線基板10の信頼性が大きく低下する。
[製造方法]
次に図を用いて、具体的に本発明のキャビティを有する多層配線基板の製造方法を説明する。
<多層配線基板の製造方法>
図3は、本発明の多層時配線基板10の製造方法の一部である多層基板の積層方法の一形態である。(a)に示したように第一の銅箔21aを用意し、第一の銅箔21a上の配線12間で導通をとりたい部位に銀ペーストによりバンプ16を形成する(b)。バンプ16を形成した第一の銅箔21aと貼り合わせ層(絶縁層)である熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22、第二の銅箔21bを重ねて、熱圧着する(c)。この工程によりバンプが熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22を突き破り第二の銅箔21bとの導通部が形成されるとともに第一の銅箔21a、熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22、第二の銅箔21bが一体となる。(d)
第一の銅箔21a、第二の銅箔21b上に配線12として残したい部位にエッチング用レジスト24を形成する(e)。エッチング用レジスト24の形成は、液状のエッチング用レジストを全面塗布した後、プリベークを行い、配線12のパターンに合わせて作成したマスクを介して露光、その後現像することにより形成できる。
所望の配線パターンのエッチング用レジスト24を形成した酸化第二鉄水溶液にて第一の銅箔21a、第二の銅箔21bのエッチング処理を行い、その後、水酸化ナトリウム溶液でエッチング用レジスト24の剥離を行う。こうして第一の銅箔21aによる配線12と第二の銅箔21bによる配線12が形成されバンプ16により両配線12の間に導通がとられた、二層配線基板が完成する(f)。同様にして、バンプ16の形成、プリプレグ22を介しての銅箔21又は多層配線基板と貼り合わせ、エッチング工程を繰り返すことにより、任意の配線12が積層された多層配線基板が形成される。完成した多層配線基板は、必要に応じてソルダーレジストを形成してもよい(g)。
また上記配線パターンの形成は、形成後の導電性を生じる材料を部分塗布することにより形成しても構わない。印刷法、特にインクジェット印刷やスクリーン印刷は、多層配線基板の配線形成方法としては生産性も期待でき有望である。
<キャビティ形成部形成>
キャビティ13の形成は、図6、図7、図8に示したように、キャビティ形成部に貫通孔42を設けた多層配線基板(50、60、70)と、貫通孔42を設けていない基板40とを貼り合わせることにより形成する。貼り合わせは図6(b)、図7(b)のように貫通孔42を設けた多層配線基板(第二部分)50と貫通孔42を設けていない多層配線基板(第一部分)40とを貼り合わせてもよい。また、ほかのキャビティ13を異なる深さで形成したい場合など、多層配線基板の設計により、図8の(a)に示すように3つの多層積層基板(40、60、70)を同時に貼り合わせることも可能である。
貫通孔42を設けた基板である多層配線基板(第二部分)40、多層配線基板(第三部分)60、多層配線基板(第四部分)70は、前述したのと同様の方法で形成した多層配線基板(図4(a)、図5(a))のキャビティ13を形成したい部位をルータ加工、打ち抜き、レーザ加工等などの手段で貫通孔42を設ければよい(図4(b)、図5(b))。貫通孔42として形成するため、いわゆるザグリ加工とは異なりキャビティ底面とキャビティ壁面14により形成される、削りカスが残留しやすい部位が存在しない。従って、削りカスの残留による接触不良の発生は大幅に低減する。
<弾性体の形成>
キャビティ13の形成は、図6、図7、図8に示したように、キャビティ形成部に貫通孔42を設けた多層配線基板(50、60、70)と、貫通孔42を設けていない基板40とを加熱圧着にて貼り合わせる工程の前にキャビティ形成部に貫通孔42を設けた基板と配線基板の少なくとも一方のキャビティ形成部の周囲、且つ、貼り合わせ面の側に、貼り合わせに使用する熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みより厚い前記弾性体を形成する。
貼り合わせ前の弾性体の厚み(h、h1+h2)は、貼り合わせ層である熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22の厚みdよりも厚くすることによって、熱圧着時に熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22に圧力がかかる前に弾性体15と多層配線基板第二部分50もしくは、多層配線基板第二部分に形成された弾性体と接触することによりシール効果を奏し、熱軟化性を有する物質がキャビティ13内に漏れるのを確実に防止できる。
貼り合わせ前の弾性体(15a、15b、15c)の形成方法は、弾性体をインキ又はペースト化した材料を塗布することにより容易に形成できる。特にスクリーン印刷やディスペンション塗布は、本発明において、生産性も高く、好適である。
スクリーン印刷による形成は、平面的な多層配線基板上への形成に適しており、形成された、貼り合わせ前後の弾性体の形状は、インクの特性にもとるが模式的には図10の(a)(b)(c)のような形状となった。
ディスペンション塗布による形成は、立体的な多層配線基板上への形成にも対応し、形成された、貼り合わせ前後の弾性体の形状は、インクの特性にもよるが模式的には図10の(b)(c)(d)(e)(f)のような形状となった。
<キャビティ形成部に貫通孔を設けた基板の貼り合わせ>
キャビティ形成部に貫通孔42を設けた積層基板(50、60、70)と多層配線基板40との代表的な貼り合わせ形態を図6、図7、図8に示した。これらはあくまで例示であり、これらに限定されるものではない。
これらの貼り合わせ工程は、従来から、熱圧着により多層配線基板を積層するプロセスと何ら変わることはなく、装置に大きな改良を加える必要もない。従って、従来と同様の生産性を維持することが可能である。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に
何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
<多層配線基板第一部分40の形成>
図3に示したように厚さ18μmの第一の銅箔21aを用意し、第一の銅箔21a上の配線12間で導通をとりたい部位に銀ペーストによりバンプ16を形成した。バンプ16を形成した第一の銅箔21aと貼り合わせ層(絶縁層)である熱軟化性を有する物質を含む絶縁層22として日立化成社製プリプレグGEA-679GT(厚さ60μm)を使用し、厚さ18μm第二の銅箔21bを重ねて、熱圧着した。
第一の銅箔21a、第二の銅箔21b上にエッチングレジストを塗布、乾燥(プリベーク)した。その後、配線パターンのフォトマスクを介して露光後、炭酸ナトリウム水溶液にて現像、第一の銅箔21a、第二の銅箔21b上に配線12として残したい部位にエッチング用レジスト24を形成した。
所望の配線パターンにエッチング用レジスト24を形成した後、酸化第二鉄水溶液にてエッチング処理を行い、その後、水酸化ナトリウム溶液でレジスト層の剥離を行なった。必要箇所にソルダーレジスト17をスクリーン印刷にて形成した。こうして第一の銅箔21aによる配線12と第二の銅箔21bによる配線12が形成されバンプ16により両配線12の間に導通がとられた、二層配線基板である多層配線基板第一部分40とした。
<多層配線基板第二部分50の形成>
多層配線基板第一部分40の形成と同等の工程を3回繰り返すことにより配線12を4層有する多層配線基板を作製した。ルーター加工によってキャビティ13を形成する部位に貫通孔42を形成し多層配線基板第二部分50とした。(図4、図5)
<弾性体の形成>
オレフィン系樹脂からなる弾性体形成材料として住友スリーボンド製TB1153Cを用いて、図7(a)に図示したように多層配線基板第一部分40上のキャビティ13を形成する部位に合わせて矩形にスクリーン印刷にて弾性体形成材料を塗布し、オーブンにて乾燥することにより厚さhが30μmの貼り合わせ前の弾性体15aを形成した。弾性体のヤング率は5.4MPaであった。
<多層配線基板の貼り合わせ>
厚さdが40μmのプリプレグ22を介して多層配線基板第一部分40と多層配線基板第二部分50をアライメントを合わせたうえで熱圧着により貼り合わせることによりキャビティを有する多層配線基板(図7(c))を形成した。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして多層配線基板第一部分40と多層配線基板第二部分50を形成した。
<弾性体の形成>
オレフィン系樹脂からなる弾性体形成材料として住友スリーボンド製TB1153Cを用いて、図6(a)に図示したように多層配線基板第一部分40上のキャビティ13を形成する部位に合わせて矩形にディスペンション塗布装置を用いて弾性体形成材料を塗布し、オーブンにて乾燥することにより多層配線基板第一部分に形成された貼り合わせ前の弾性体の厚さh1が30μmの貼り合わせ前の弾性体15aを形成した。弾性体のヤング率は5.4MPaであった。
オレフィン系樹脂からなる弾性体形成材料として住友スリーボンド製TB1153Cを用いて、多層配線基板第二部分50の貼り合わせ面の貫通孔42に隣接した部位に、図6(b)に図示したように矩形にディスペンション塗布装置を用いて弾性体形成材料を塗布し、オーブンにて乾燥することにより多層配線基板第二部分に形成された貼り合わせ前の弾性体の厚さh2が30μmの貼り合わせ前の弾性体15bを形成した。弾性体のヤング率は5.4MPaであった。
<多層配線基板の貼り合わせ>
厚さdが50μmのプリプレグ22を介して多層配線基板第一部分40と多層配線基板第二部分50をアライメントを合わせたうえで熱圧着により貼り合わせることによりキャビティ13を有する多層配線基板10(図6(c))を形成した。
実施例1、実施例2のキャビティを有する多層配線基板10について、顕微鏡による観察を行った。いずれの多層配線基板10においてもキャビティ13内に絶縁層22に含まれる熱軟化性を有する物質がはみ出し、又は、絶縁層22を構成する熱軟化性を有する物質などがキャビティ13内に流れ込んだ痕跡は確認できなかった。また、層間の浮きや貼り合わせ不良もなく、実際の使用に際しても信頼性の高い部品内蔵多層配線基板として動作した。
本発明は、信頼性が高く、高密度に適したキャビティを有する多層配線基板を高い生産性で供給することを可能とし、信頼性が高く、高密度に実装可能な部品内臓基板を廉価に供給することに有用な発明である。
10 (キャビティを有する)多層配線基板
11 絶縁層
12 配線
13 キャビティ
14 キャビティ壁面
15 弾性体
15a (多層基板第一部分に形成された)貼り合わせ前の弾性体
15b (多層基板第二部分に形成された)貼り合わせ前の弾性体
16 バンプ
17 ソルダーレジスト
21 銅箔
21a 第一の銅箔
21b 第二の銅箔
22 熱軟化性を有する物質を含む絶縁層(プリプレグ)
24 エッチング用レジスト
40 多層配線基板(第一部分)
42 貫通孔
43 ヤング率が大きすぎる弾性体
50 多層配線基板(第二部分)
60 多層配線基板(第三部分)
70 多層配線基板(第四部分)
h 貼り合わせ前の弾性体の厚み
h1 貼り合わせ前の多層基板第一部分に形成された弾性体の厚み
h2 貼り合わせ前の多層基板第二部分に形成された弾性体の厚み
d 熱軟化性を有する物質を含む絶縁層(プリプレグ)の厚み

Claims (6)

  1. 絶縁層を介して配線を積み重ねた多層配線基板において、部品を収納するためのキャビティを有し、少なくとも1層の絶縁層で形成されている層とキャビティ壁面との間に、前記キャビティ壁面に露出してエントロピー弾性を有する弾性体が形成されていることを特徴とするキャビティを有する多層配線基板。
  2. 前記弾性体は、多層配線基板の基板面から見て前記キャビティを囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャビティを有する多層配線基板。
  3. 前記弾性体のヤング率は1から50MPaであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャビティを有する多層配線基板。
  4. キャビティを有する多層配線基板の製造方法であって、多層配線基板を構成する基板のキャビティ形成部に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔を設けた基板と配線基板とを熱軟化性を有する物質を含む絶縁層を介して、加熱圧着にて貼り合わせる工程の間に、前記キャビティ形成部に貫通孔を設けた基板と前記配線基板の少なくとも一方の前記キャビティ形成部の周囲、且つ、貼り合わせ面の側に、前記貼り合わせ工程に使用する前記熱軟化性を有する物質を含む絶縁層の厚みより厚いエントロピー弾性を有する弾性体を形成する工程を有することを特徴とするキャビティを有する多層配線基板の製造方法。
  5. 前記エントロピー弾性を有する弾性体の厚みが、前記熱軟化性を有する物質を含む絶縁層の厚みの1.1倍から2倍であることを特徴とする請求項4に記載のキャビティを有する多層配線基板の製造方法。
  6. 前記エントロピー弾性を有する弾性体の形成方法が、ディスペンション塗布法、あるいはスクリーン印刷法であることを特徴とする請求項4、又は、請求項5に記載のキャビティを有する多層配線基板の製造方法。
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