JP2007129017A - 多層配線基板用基材、多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層構造の多層配線基板の表面に配置された複数の配線層の高さを揃えるのに好適な多層配線基板用基材、多層配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】多層配線基板用基材1乃至4は、フィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層Xと、前記熱可塑性絶縁樹脂層X上に形成された回路配線層11a乃至11c等と、前記熱可塑性絶縁樹脂層を貫通し、前記回路配線層11a乃至11c等に達するように形成された貫通孔VH1と、前記貫通孔内VH1に充填され前記回路配線層に電気的に接続された層間導電部材21a乃至21c等とを有する。また、複数の多層配線基板用基材を積層して構成された多層配線基板は、前記複数の基板用基材のうち少なくとも一つが前記回路配線層に重なる熱可塑性絶縁樹脂層Xを有する多層配線基板用基材からなっている。
【選択図】図1
【解決手段】多層配線基板用基材1乃至4は、フィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層Xと、前記熱可塑性絶縁樹脂層X上に形成された回路配線層11a乃至11c等と、前記熱可塑性絶縁樹脂層を貫通し、前記回路配線層11a乃至11c等に達するように形成された貫通孔VH1と、前記貫通孔内VH1に充填され前記回路配線層に電気的に接続された層間導電部材21a乃至21c等とを有する。また、複数の多層配線基板用基材を積層して構成された多層配線基板は、前記複数の基板用基材のうち少なくとも一つが前記回路配線層に重なる熱可塑性絶縁樹脂層Xを有する多層配線基板用基材からなっている。
【選択図】図1
Description
本発明は回路配線基板の分野に係り、特に表面実装密度の向上に好適な多層配線基板用基材、多層配線基板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の軽薄短小化、半導体チップなどの素子部品及び端子配列の狭ピッチ化等の要求に伴って、回路配線基板(プリント基板)も部品実装面積の精細化が進んでいる。同時に情報関連機器では、信号周波数の広帯域化に対応して、部品間を連結する配線の短縮化が求められ、高密度、高性能を達成するためのプリント基板の多層(積層)化は必要不可欠となっていて、この要求に応えやすい多層配線基板の利用が増加している。
このような多層配線基板にあっては、多層配線層相互間に層間導電路が多数設けられていて、この層間導電路は、一般に、表側に回路配線層が設けられた絶縁基板に、その裏側からバイアホール(貫通孔)を設け、その貫通孔内面に導電メッキを施す方法或いはその貫通孔内に導電ペーストを充填する方法などによって形成される。
そして前記導電ペースト充填方法による層間導電路形成の方が、導電ペーストを貫通孔に作業性良く高速度で充填でき、前記メッキ法よりも生産性が著しく高く、多層配線基板の高密度化、回路パターンの微細化、積層数の増加などの要求に対応し易いために、前記導電ペースト充填方法の採用が増加している。
次に、前記導電ペースト充填方法によって層間導電路が形成される多層配線基板用基材及び多層配線基板の従来技術の一例を図4を参照して説明する。
図4(a)に示された多層配線基板用基材41にあっては、平板状の絶縁性樹脂層Aの一方の面に回路パターン化された配線層51aが設けられ、前記絶縁性樹脂層Aの他方の面に全体的にフィルム状接着層Bが貼着されている。前記絶縁性樹脂層Aの材料としては、一般に、ガラス転移温度Tgを持たないもの、例えば非熱可塑性ポリイミドが使用されている。
前記絶縁性樹脂層A及び接着層Bを貫通して配線層51aの内面に達するバイアホール(貫通孔)VHが形成され、前記貫通孔VHの内部には導電ペースト(導電性樹脂組成物)を充填することによって層間導電部材61aが設けられている。
前記層間導電部材61aの一端部は前記フィルム状接着層Bの露出表面から突出する突出部61pを有している。前記多層配線基板用基材41の全体構造は、例えば図4(b)に示すように、前記配線層51aと同様な構造の配線層51b、51c、前記層間導電部材61aと同様な構造の層間導電部材61b、61cを有する構成とされている。
図4(b)に示す従来の多層配線基板は、前記多層配線基板用基材41に、これと同様に形成された他の多層配線基板用基材42乃至44を重ね合わせ積層して形成される。これらの基板用基材の積層の際に、一基板用基材の層間導電部材の突出部61pとこれに対向される他の基板用基材の配線層の部分との位置合わせを行い、これらの積層体の両面から加熱プレスを加えることによって一体化した多層配線基板が形成される。
前記加熱プレスにおいて、前記多層配線基板用基材41の層間導電部材61a、61b、61cは、それらの各突出部61pを下層の多層配線基板用基材42の各配線層52a、52b、52cに突き合わせて押し潰されて機械的かつ電気的に強固に導通接触される。このような強固な導通接触を得るために、前記突出部61pは重要な機能を果たしている。
また、図4(b)中の左右両側に位置する層間導電部材61a〜63aや61b〜63bのように複数の層間導電部材が重なるスタック状態の部分、中央に位置する層間導電部材61cのように単一で非スタック状態の部分或いは重なり(スタック)数が異なるスタック状態が存在する(このような従来技術は一例として特許文献1に開示されている)。
特開2002−26522号特許公開公報
ところで、前記多層配線基板の一体化は、一般に、複数の多層配線基板用基材の積層配置状態に対してプレス機の加熱板との間にフィルム状のクッション材を挟んで加熱プレスすることによって行われる。また、前記従来の基板用基材に使用される前記突出部を有する各層間導電部材(導電ペースト)は前記接着層よりも硬度が大きく、前記接着層は特に加熱時に流動し易い。
そのために、前記加熱プレス時に、前記積層体に内部歪み及び前記接着層の流動などが生じ、積層体全体は、図4(b)に示すように、前記層間導電部材の非スタック状態やスタック数の少ない状態にある位置での厚さがその周囲よりも薄くなるような変形を起こし易い。
従って、前記多層配線基板用基材41の前記非スタック状態の層間導電部材61cの位置における上表面がその周囲よりも沈んで平坦性が損なわれ、前記層間導電部材61cに接続された配線層51cと他の配線層51a、51bとの間に高低差hが生じる。
この高低差hは、前記多層配線基板の各配線層に電子部品を例えば自動化実装する際に、低い位置にあるパッドとしての前記配線層51cへのはんだ付着が不充分となったり、はんだ付着ができなかったりするなどの電気的接続の信頼性を低下させるという問題点がある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するもので、積層して一体化された構造の多層配線基板の表面に配置された複数の配線層の部分の高さを揃えるのに好適な多層配線基板用基材、多層配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明の多層配線基板用基材は、フィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層と、前記熱可塑性絶縁樹脂層上に形成された回路配線層と、前記熱可塑性絶縁樹脂層を貫通し、前記回路配線層に達するように形成された貫通孔と、前記貫通孔内に充填され前記回路配線層に電気的に接続された層間導電部材とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の本発明の多層配線基板は、表面に回路配線層が形成された絶縁材料層を有する複数の多層配線基板用基材を積層して形成された積層体と、前記積層体の厚さ方向に相対する位置関係にある回路配線層相互を電気的に層間接続するために前記絶縁材料層に設けられた貫通孔及び前記貫通孔に充填された層間導電部材とを備え、前記複数の多層配線基板用基材の少なくとも一つは、その絶縁材料層が熱可塑性絶縁樹脂層を用いて構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の多層配線基板において、前記多層配線基板用基材上に設けられた回路配線層の少なくとも一部が前記熱可塑性絶縁樹脂層に埋め込まれていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の本発明は請求項2または請求項3の多層配線基板を製造する方法であって、前記複数の多層配線基板用基材を重ね合わせ配置する工程と、前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より低い温度でラミネートされた積層体を形成する工程と、平坦なプレス面を有するプレス工具により前記積層体の両面を挟み、前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱プレスする工程とを備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、層間導電路形成のために絶縁材料層に形成された貫通孔及びこの貫通孔内に充填された層間導電部材を有するタイプの多層配線基板に使用される多層配線基板用基材が前記絶縁材料層としての熱可塑性絶縁樹脂層上に回路配線層を設けた構成とされている。そのために、複数の多層配線基板用基材を積層して一体化された多層配線基板を形成する際、その基材が変形し各配線層の部分相互に高低差が生じても、少なくとも高位置にある配線層の部分を前記熱可塑性絶縁樹脂層に埋め込むことが可能である。そして、多層配線基板の完成構造としては、その表面の各配線層の部分を相互に均一な高さに揃えることができる。その結果、多層配線基板への電子部品の実装時の電気的接続の信頼性が向上する。
また、本発明の多層配線基板の製造方法によれば、前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より低い温度でラミネートされた積層体を形成することにより、多層配線基板基材の変形を抑制できる。また、平坦なプレス面を有するプレス工具により前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱プレスすることにより、少なくとも高位置にある配線層の部分を前記熱可塑性絶縁樹脂層に埋め込み、各配線層の部分を相互に均一な高さに揃えることができるという効果を奏する。
以下、本発明の多層配線基板基材及びその製造方法の一実施形態を図1を参照して説明する。図1(a)乃至図1(d)は本実施形態における多層配線基板基材の製造工程を示し、図1(d)はその多層配線基板基材の構造を示す一主要部の断面図である。
(実施例1):
図1(a)に示すように、絶縁材料層としてのフィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層Xは、例えばガラス転移温度Tgが約250℃で、厚さ25μmのフレキシブルな熱可塑性ポリイミド或いは液晶ポリマー製の樹脂フィルムが用いられている。前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの一方の面(下面)にラミネートされた厚さ10μmの銅箔製の導電層に、例えば塩化鉄を用いた銅エッチング法による回路パターニングを施して、回路配線層11aを形成する。即ち、基板素材として前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの片面に銅箔をラミネートした片面CCLを使用している。
図1(a)に示すように、絶縁材料層としてのフィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層Xは、例えばガラス転移温度Tgが約250℃で、厚さ25μmのフレキシブルな熱可塑性ポリイミド或いは液晶ポリマー製の樹脂フィルムが用いられている。前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの一方の面(下面)にラミネートされた厚さ10μmの銅箔製の導電層に、例えば塩化鉄を用いた銅エッチング法による回路パターニングを施して、回路配線層11aを形成する。即ち、基板素材として前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの片面に銅箔をラミネートした片面CCLを使用している。
次に、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの他方の面(上面)には、フィルム状の厚さ25μmの絶縁性の熱硬化性樹脂接着層Yが100℃の温度で30秒間の温度条件下で、熱ラミネートして一体化される。前記熱硬化性樹脂接着層Yには例えばエポキシ樹脂及びアクリル系エラスマー製の接着シートが使用される。更に、前記熱硬化性樹脂接着層Yの上面には、厚さ25μmのポリイミド樹脂製のカバーフィルム層Cが100℃の温度で30秒間の温度条件下で、熱ラミネートして一体化される。
図1(b)に示すように、前記カバーフィルム層Cの上面側から、回路配線層11側に向けて波長355nmのUV−YAGレーザービームを照射し、熱ラミネートされた前記カバーフィルム層C、熱硬化性樹脂接着層Y及び熱可塑性絶縁樹脂層Xを貫通し、前記回路配線層11aの一部内面に達する貫通孔(バイアホール)VH1を形成する。
前記貫通孔VH1は、前記各樹脂層C、Y、Xを貫通する部分の内径が直径100μmの円筒状に形成され、前記回路配線層11aの中央部には、直径30μmの円形状の小孔11hが形成され、前記回路配線層11aの一部内面は前記貫通孔VH1内に露出される。ここで、前記レーザービームの強度分布を、前記貫通孔VH1の直径相当に絞られビーム中心で特に尖鋭となるような凸状となるように調整しておけば、1回のビーム照射で前記貫通孔VH1及び小孔11hを同時に簡単に形成することができる。
次に、例えば銅粒子製の導電材料フィラーを例えばエポキシ樹脂製のバインダーに混ぜ合わせた導電ペースト(導電性樹脂組成物)材料21を前記カバーフィルム層C上に供給配置する。そこで、減圧下で前記小孔11hから貫通孔VH1内の空気を吸引、即ち空気抜きしながら、スクリーン印刷機の印刷スキージSによって、前記導電ペースト材料21を前記貫通孔VH1及び小孔11h内に充填する。前記小孔11hは、導電ペーストの充填が円滑に行われれるように設けたものであり、小孔11hの形成を省略することもある。
その結果、図1(c)に示すように、前記導電ペースト材料21の充填形状通りのバイアホールタイプの層間導電部材21aが形成される。このとき、層間導電部材21aの上端面は、前記ペースト材料のスキージングにより、前記カバーフィルム層Cの上表面のレベルと丁度一致する程度の状態に形成される。そして、必要に応じて、この段階で、前記導電ペースト21aは、所定の温度で半硬化或いは仮硬化される。
次に、図1(d)に示すように、前記カバーフィルム層Cを剥離することによって、層間導電部材21aは、その上端が前記熱硬化性樹脂接着層Yの表面から突出する突出部21pを有するように形成され、完成した多層配線基板用基材1の構造が得られる。この突出部21pの高さが前記カバーフィルム層Cの厚さにより定まるので、前記カバーフィルム層Cは突出部21pの高さ調整やパターンマスクフィルムとして利用される。
図1においては、前記多層配線基板用基材1は、一層間導電部材21aの周辺部分のみを代表して部分的に説明されているが、その全体構造では、図2に示されているように、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの表面の所望の位置に回路パターンを施した回路配線層の部分11a、11b、11cが形成されている。図2には、前記部分11a、11bが左右位置に、部分11cが中央位置となるように配置された状態が示されている。前記回路配線層の部分11a、11b、11cに対応する各位置には、前記熱可塑性絶縁樹脂層X及び熱硬化性樹脂接着層Yを貫通する各貫通孔VH1が形成され、それぞれに対応して各層間導電部材21a、21b、21cが設けられている。なお、これまでの工程では、前記熱硬化性樹脂接着層Yは未硬化状態にある。
次に、前記多層配線基板用基材1を含む複数の多層配線基板用基材を用いて構成した多層配線基板及びその製造方法の一実施形態を、図2を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、第1の前記多層配線基板用基材1の下側には、第2乃至第4の多層配線基板用基材2、3、4を順次重ね合わせるように配置する。ここでは、前記第1乃至第3の多層配線基板用基材1、2、3は、それらの絶縁性の基材が、いずれも相互にラミネートされた熱可塑性絶縁樹脂層X及び熱硬化性接着層Yで構成されている。最下層位置の前記第4多層配線基板用基材4の絶縁性の基材は、接着層Yを不要とし、貫通孔及び層間導電部材のない熱可塑性絶縁樹脂層Xで構成されている。
また、前記第2多層配線基板用基材2は、前記第1基板基材1の各配線層部分11a、11b、11cにそれぞれ対応する複数の配線層部分12a、12b、12cを有し、その内の2つの前記配線層部分12a、12bにそれぞれ接続された各層間導電部材22a、22b並びに各貫通孔(図中参照符号省略)が設けられている。前記配線層部分12cに対応する位置には貫通孔及び層間導電部材は設けられていない。
前記第3基板基材3は、前記第2基板基材2の各配線層部分12a、12bに対応する配線層部分13a、13b及び層間導電部材23a、23b並びに各貫通孔を有し、前記第4基板用基材4は同様に対応する配線層部分14a、14bを有する。
従って、前記第1乃至第4基板用基材1乃至4の重ね合わせ配置において、図2中の左右両側に位置する層間導電部材21a〜23aや21b〜23bのように複数の層間導電部材が厚さ方向に重なるスタック(ビア・オン・ビア)状態の部分、中央に位置する層間導電部材21cのように単一で非スタック状態の部分が存在する。また、図示されてないが、層間導電部材の重なり(スタック)数が異なるスタック状態が存在することもある。
即ち、一多層配線基板用基材は、他の多層配線基板用基材の層間導電部材に対して厚さ方向に重なる位置の層間導電部材及び重ならない位置の層間導電部材を有し、多層配線基板全体の厚さ方向での層間導電部材の重なり数(含む0;非スタック状態)が異なる状態にある。
前述のように各配線層部分及び各層間導電部材の相互の位置合わせをして、前記第1乃至第4多層配線基板用基材1乃至4を重ね合わせ配置する。そして、図2(b)に示すように、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xのガラス転移温度より低い温度条件下で、フィルム状のクッション材を介してプレス機の加熱板によって加熱プレスして一括積層を行うことによって、ラミネートされた前記基板用基材1乃至4の積層体(第1段階の多層配線基板構造)を形成する。
このラミネートは、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xのガラス転移温度より低い120℃乃至180℃の温度で、必要に応じて減圧環境のもとに、4MPaのプレス圧で1時間程度のプレスによって行われる。前記温度条件は前記熱硬化性接着層Yの熱硬化温度より高くされており、前記第1乃至第4基板用基材1乃至4は、このラミネート時に熱硬化する接着層Yによって強固に相互接着され、積層して一体化された前記第1段階の多層配線基板が得られる。
また、前記各層間導電部材の各突出端21p、22p等は、前記加熱プレスによって圧縮や押し潰しを受けつつ、対応する各回路配線層12a乃至14bに機械的及び電気的に強固に押し付け或いは突き刺され、複数の配線層に対して接触抵抗を低下させるように密着して導通性及び信頼性の高い接続状態を有する層間導電路を形成させることができる。
更に、前記ラミネート時の温度条件を前記熱硬化性接着層Yが流動を起こし難いように設定するなど、前記各基板用基材1〜4の変形をできるだけ抑制するように調整する。しかしながら、それでもなお、前記接着層よりも大きな各層間導電部材(導電ペースト)の硬度、前記接着層の流動性、前記層間導電部材の非スタック状態やスタック数の異なる状態等により、一体化された前記多層配線基板に変形が生じ、図2(b)に示されているような、配線層11a、11bと他の配線層11cとの間に高低差h1が生じることがある。
そこで、図2(c)に示すように、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xのガラス転移温度Tgよりも高い260℃の温度で、前記第1段階の多層配線基板をその上下両面から第1及び第2プレス工具P1、P2によって挟む方向に加熱プレスを行う。前記プレス工具P1、P2は、各プレス面がいずれも直平面で平滑な面を有する鏡面板で構成されていて、その加圧力は4MPa、加圧時間は10分とされている。
前記加熱プレス時に各熱可塑性絶縁樹脂層は熱軟化状態にあり、層間導電部材のスタック状態の位置にある配線層の部分11a〜14a、11b〜14bは、押し下げられて、各基板基材1〜4の前記各熱可塑性絶縁樹脂層Xの表面に埋め込まれる。このようにして、多層配線基板の上表面の前記各配線層11a乃至11cはその上表面が相互に均一な高さに揃えられ、相互に前記高低差h1が無くなり或いは僅少となり、平坦性をもって配置された各配線層を有する第2段階の多層配線基板が形成される。
このとき、非スタック状態の位置にある前記配線層の部分11cは、図示のように熱可塑性絶縁樹脂層Xに埋め込まれていないが、これら各配線層部分11a、11b、11cの高さを確実に揃えるために、前記配線層部分11cも前記各熱可塑性絶縁樹脂層Xの表面に埋め込まれるように前記プレスを進行させてもよい。そして、各配線層相互の高さをできるだけ揃えるためには、少なくとも層間導電層の重なり数(含む0;非スタック)が最も多く、高い位置にある配線層部分を各熱可塑性絶縁樹脂層Xの表面に埋め込めばよい。
ここで、従来技術と比較すると、前記従来技術における複数の配線層相互間の高低差h(図4(b)参照)は、多層配線基板基材6枚を重ねた6層基板で、最大40μmにも及んでいたが、この実施例に係る本発明の前記第2段階の多層配線基板における配線層相互間の高低差は、同じく6層基板で、10μm以内に押さえることができた。
このように複数の配線層相互が平坦化されたために、前記多層配線基板の各配線層に電子部品を例えば自動化実装する際に、各配線層に対する電子部品の供給配置が円滑となり、パッドとしての前記各配線層へのはんだ付着が充分に所望の均一性をもって行われ、電気的接続の信頼性が向上する。
ところで、前記実施例1における多層配線基板を構成する第1乃至第4多層配線基板基材1乃至4は、いずれも配線層に接する熱可塑性絶縁樹脂層Xを有するものとされているが、前記基板基材1乃至4のうちで少なくとも一つが熱可塑性絶縁樹脂層Xを有するもので構成されていればよい。例えば、配線層に接する熱可塑性絶縁樹脂層Xを有する多層配線基板基材は、前記第4の基板基材4のみとし、第1乃至第3の基板基材1乃至3は、前記従来技術に示したようなガラス転移温度Tgをもたない非熱可塑性ポリイミドなどの絶縁性樹脂層Aを有するものであってもよい。
(実施例2):
次に、多層配線基板用基材及びこれを用いて構成した多層配線基板の他の実施形態について図3を参照して説明する。ここでは、前記実施例1及び図1及び図2に示した部材と同等の部材には同一符号を付してその説明を省略する。
次に、多層配線基板用基材及びこれを用いて構成した多層配線基板の他の実施形態について図3を参照して説明する。ここでは、前記実施例1及び図1及び図2に示した部材と同等の部材には同一符号を付してその説明を省略する。
まず、図3(a)に示された多層配線基板基材1aは、回路配線層11aに接する熱可塑性絶縁樹脂層Xと熱硬化性樹脂接着層Yとの間に熱ラミネートされた別の絶縁材料層としての非熱可塑性絶縁樹脂層Zを有する。前記熱可塑性絶縁樹脂層Xは、実施例1同様に例えばガラス転移温度Tgが約250℃の熱可塑性ポリイミド或いは液晶ポリマーの樹脂フィルムで構成され、その厚さは10μmとされている。前記非熱可塑性絶縁樹脂層Zはガラス転移温度Tgを有しない非熱可塑性ポリイミドの樹脂フィルムで構成され、その厚さは10μmとされている。
即ち、相互に熱ラミネートされた前記熱可塑性絶縁樹脂層X及び前記非熱可塑性樹脂層Zによる絶縁性の2層構造は、その合計層厚が20μmで、前記実施例1に示された層厚25μmの熱可塑性絶縁樹脂層Xと置換して使用されるものとみることもできる
従って、相互に熱ラミネートされた前記熱可塑性絶縁樹脂層X及び前記非熱可塑性絶縁樹脂層Zによる絶縁性の2層構造を有する多層配線基板用基材1aは、前記実施例1の熱可塑性絶縁樹脂層Xの代わりに前記2層構造体を置き換えるだけで、図1に示された実施例1の多層配線基板用基材1の製造方法と同様の方法で製造できる。
従って、相互に熱ラミネートされた前記熱可塑性絶縁樹脂層X及び前記非熱可塑性絶縁樹脂層Zによる絶縁性の2層構造を有する多層配線基板用基材1aは、前記実施例1の熱可塑性絶縁樹脂層Xの代わりに前記2層構造体を置き換えるだけで、図1に示された実施例1の多層配線基板用基材1の製造方法と同様の方法で製造できる。
なお、前記熱可塑性絶縁樹脂層Xは、前記非熱可塑性絶縁樹脂層Zの表面上に、例えば塗布法によってフィルム状に形成してもよい。
また、本実施例の多層配線基板は、図3(b)(実施例1の図2(c)に対応)に示すように、前記実施例1の第1乃至第4の多層配線基板用基材1乃至4にそれぞれ対応する第1乃至第4の多層配線基板用基材1a乃至4aの積層体で構成されている。そして、本実施例の多層配線基板の構造及びその製造方法は、前記2層構造が実施例1の熱可塑性絶縁樹脂層Xに置換されている以外は、例えば回路配線層11a〜11c、12a、12b、13a、13b、14a、14bのパターン形状、層間導電部材21a〜23a、21b〜23b、21cの配置関係などを含め前記実施例1と同等または同様である。
本実施例2によれば、前記実施例1と同様な作用効果が得られる。更に、回路配線層に接する前記熱可塑性絶縁樹脂層Xは、この絶縁樹脂層Xよりも適度に高い剛性、曲げ強度、引っ張り強度などの力学特性をもつ前記非熱可塑性絶縁樹脂層Zによって裏張りされているために、回路パターニング中に撓みなどの変形が抑えられ、パターニングの作業性及び精度が高められる。また、加熱プレスに伴う配線パターン寸法のバラツキ及び貫通孔周辺への過度の応力集中などが抑制される。そして、前述のように前記絶縁性の2層構造の合計層厚は20μmで、前記実施例1の熱可塑性絶縁樹脂層Xの層厚よりも薄くでき、多層配線基板用基材及び多層配線基板の厚さを前記実施例1のそれよりも薄型化することができる。
前記各実施例における熱可塑性樹脂層Xは、熱可塑性ポリイミドや液晶ポリマーに限らず、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)から適宜選択した樹脂材料を用いても、前記同様の効果が得られる。
なお、前記各実施例において、第1段階の多層配線基板の形成に当たっての加熱プレスは、全多層配線基板用基材を一括積層して行われたが、複数の多層配線基板用基材を一枚ずつ順次積層/プレスの繰り返しによって所望数の積層構造を得ることもできる。
更に各実施例の第4多層配線基板用基材4、4aには片面CCLタイプの基材が使用されているが、両面に配線層を形成できる両面CCLを用いてもよい。両面CCL使用の場合の前記第4基板用基材4、4aは、両面配線層間の層間導電路を形成するために、前述のような貫通孔及び導電ペーストの充填による層間導電部材を設けてもよく、また、この層間導電部材はメッキによって形成されていてもよい。
ところで、前記熱硬化性樹脂接着層Yは、熱硬化性樹脂接着材の単一材料に限らず、絶縁性樹脂繊維シートに熱硬化性樹脂接着材を含浸させて絶縁基板としての機能と接着性とを兼ね備えた材料で構成してもよい。また、一方の面に回路配線層が形成される前記熱可塑性絶縁樹脂層Xの他方の面に、必要に応じて2層以上の多層に絶縁材料層を積層してもよい。
このように、前記多層配線基板用基材の絶縁材料層は種々の形態をとることがあり、その際、これらの絶縁材料層に関連して絶縁基材という用語を用いることがある。この場合、絶縁基材は、前記熱可塑性絶縁樹脂層X、熱硬化性樹脂接着層Y、前記非熱可塑性絶縁樹脂層Z、これら以外の前記他の絶縁材料層のいずれか一つを特定した対象とするも、これら各を絶縁材料層を適宜選択して組み合わせたものを対象とするも自由である。即ち、本発明の多層配線基板用基材は、回路配線層が形成される熱可塑性絶縁樹脂層Xを有するものであり、絶縁基材の対象の特定の仕方は自由である。
1〜4、1a〜4a 多層配線基板用基材
11a〜11c、12a〜12c、13a、13b、14a、14b 回路配線層
11h 回路配線層の小孔
21a〜21c、22a、22b、23a、23b 層間導電部材
21p 層間導電部材の突出部
C カバーフィルム
VH1 貫通孔(バイアホール)
X 熱可塑性絶縁樹脂層
Y 熱硬化樹脂接着層
Z 非熱可塑性絶縁樹脂層
h1 回路配線層相互間の高低差
11a〜11c、12a〜12c、13a、13b、14a、14b 回路配線層
11h 回路配線層の小孔
21a〜21c、22a、22b、23a、23b 層間導電部材
21p 層間導電部材の突出部
C カバーフィルム
VH1 貫通孔(バイアホール)
X 熱可塑性絶縁樹脂層
Y 熱硬化樹脂接着層
Z 非熱可塑性絶縁樹脂層
h1 回路配線層相互間の高低差
Claims (4)
- フィルム状の熱可塑性絶縁樹脂層と、前記熱可塑性絶縁樹脂層上に形成された回路配線層と、前記熱可塑性絶縁樹脂層を貫通し、前記回路配線層に達するように形成された貫通孔と、前記貫通孔内に充填され前記回路配線層に電気的に接続された層間導電部材とを備えていることを特徴とする多層配線基板用基材。
- 表面に回路配線層が形成された絶縁材料層を有する複数の多層配線基板用基材を積層して形成された積層体と、前記積層体の厚さ方向に相対する位置関係にある回路配線層相互を電気的に層間接続するために前記絶縁材料層に設けられた貫通孔及び前記貫通孔に充填された層間導電部材とを備え、前記複数の多層配線基板用基材の少なくとも一つは、その絶縁材料層が熱可塑性絶縁樹脂層を用いて構成されていることを特徴とする多層配線基板。
- 前記多層配線基板用基材上に設けられた回路配線層の少なくとも一部が前記熱可塑性絶縁樹脂層に埋め込まれていることを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板。
- 請求項2または請求項3の多層配線基板を製造する方法であって、前記複数の多層配線基板用基材を重ね合わせ配置する工程と、前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より低い温度でラミネートされた積層体を形成する工程と、平坦なプレス面を有するプレス工具により前記積層体の両面を挟み、前記熱可塑性絶縁樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱プレスする工程とを備えていることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005319429A JP2007129017A (ja) | 2005-11-02 | 2005-11-02 | 多層配線基板用基材、多層配線基板及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011159686A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Sony Chemical & Information Device Corp | プリント配線板とその製造方法 |
JP2011187667A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Denso Corp | 樹脂フィルムおよびそれを用いた多層回路基板とその製造方法 |
JP2013065810A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-04-11 | Denso Corp | 多層基板 |
-
2005
- 2005-11-02 JP JP2005319429A patent/JP2007129017A/ja active Pending
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