JP2014035974A - 導電性金属ペースト - Google Patents

導電性金属ペースト Download PDF

Info

Publication number
JP2014035974A
JP2014035974A JP2012178027A JP2012178027A JP2014035974A JP 2014035974 A JP2014035974 A JP 2014035974A JP 2012178027 A JP2012178027 A JP 2012178027A JP 2012178027 A JP2012178027 A JP 2012178027A JP 2014035974 A JP2014035974 A JP 2014035974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
nanoparticles
conductive
filler
conductive metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012178027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5988762B2 (ja
Inventor
Satoshi Hisanaga
聡 久永
Masayuki Ueda
雅行 上田
Nobuhito Terada
信人 寺田
Noriaki Hata
憲明 畑
Yorishige Matsuba
頼重 松葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harima Chemical Group Inc
Original Assignee
Harima Chemical Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harima Chemical Group Inc filed Critical Harima Chemical Group Inc
Priority to JP2012178027A priority Critical patent/JP5988762B2/ja
Publication of JP2014035974A publication Critical patent/JP2014035974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5988762B2 publication Critical patent/JP5988762B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】より低抵抗な導電体を得ることができるバインダー樹脂成分を含まない導電性金属ペーストを提供し、導電性金属ペーストを用いた、より低抵抗な金属被膜とその形成方法、より低抵抗なスルーホール用導電性被膜とその形成方法、より低抵抗に固定された電子部品とその固定方法を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストであって、金属フィラー、金属ナノ粒子、および有機溶剤を含み、前記金属ナノ粒子の表面が被覆剤により被覆されており、前記金属フィラーは、相対的に卑な金属の金属粉が相対的に貴な金属によって被覆されたものであり、前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が前記金属フィラーの平均粒子径より小さい。この導電性金属ペーストを用いた金属被膜とその形成方法、スルーホール用導電性被膜とその形成方法、固定された電子部品とその固定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、配線の形成や電子部品の接合に用いることのできる導電性金属ペーストに関する。特には、バインダー樹脂成分を添加していない低温焼結可能な導電性金属ペーストに関する。
無機材料基板の基板面に配線層や、電極層を形成する目的に、従来から、導電性金属ペーストが利用されている。
特許文献1に、バインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストが開示される。この導電性金属ペーストは、150℃〜250℃の範囲に選択する温度で焼結処理を施すことで、膜厚が厚く、利用する金属微細粉末(金属フィラー)を構成する金属の抵抗率の3倍以下の体積固有抵抗率を有する導電体層を高い再現性で作製するために好適なものである。
この導電性金属ペーストはバインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストであって、金属微細粉末、その表面に被覆剤分子層を有する金属ナノ粒子を、分散溶媒中に均一に分散してなる分散液である。この導電性金属ペーストは、150℃〜250℃の範囲に選択する温度で焼結処理を施すことで、金属微細粉末と金属ナノ粒子の焼結体からなる導電体層の形成が可能であり;金属微細粉末を構成する金属種および金属ナノ粒子を構成する金属には、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルが用いられ(合金であってもよい);分散溶媒は、沸点が150℃〜300℃の範囲の炭化水素溶媒、あるいは、沸点が150℃〜300℃の範囲のアルコール溶媒が用いられ;被覆剤分子は、金属ナノ粒子の表面との非共有結合的に分子間結合の形成に利用される原子団として、アミノ基またはカルボキシル基を有し、炭化水素溶媒またはアルコール溶媒中の炭化水素基と親和性を有する炭化水素基と、アミノ基またはカルボキシル基とで構成される有機化合物であって、その沸点が130℃〜250℃の範囲のアミノ基またはカルボキシル基を有する有機化合物からなる群より選択されている。また、金属微細粉末の平均粒子径、金属ナノ粒子自体の平均粒子径が特定の範囲にあり、導電性金属ペースト中に含有される金属微細粉末の体積比率、金属ナノ粒子の体積比率、被覆剤分子の体積比率および分散溶媒の体積比率が特定の範囲に選択されている。
特開2012−119132号公報
特許文献1に記載される導電性金属ペーストは、体積固有抵抗率が低く、厚い導電性膜を高い再現性で作成することができるという点で、それ以前にない優れたものである。
しかしながら、電子機器等に利用される導電性金属ペーストにはよりいっそうの性能向上、特に低抵抗化が求められている。
本発明の目的は、より低抵抗な導電体を得ることができる、バインダー樹脂成分を含まない、導電性金属ペーストを提供することである。
本発明の別の目的は、導電性金属ペーストを用いた、より低抵抗な金属被膜とその形成方法、および、より低抵抗なスルーホール用導電性被膜とその形成方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、導電性金属ペーストを用いてより低抵抗に電子部品を固定する方法と、その方法によって固定された電子部品を提供することである。
本発明の一態様によれば、
バインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストであって、
金属フィラー、金属ナノ粒子、および有機溶剤を含み、
前記金属ナノ粒子の表面が被覆剤により被覆されており、
前記金属フィラーは、相対的に卑な金属の金属粉が相対的に貴な金属によって被覆されたものであり、
前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が前記金属フィラーの平均粒子径より小さい
ことを特徴とする導電性金属ペースト
が提供される。
前記相対的に貴な金属が、金、銀、白金およびパラジウムからなる群から選択される一種もしくは二種以上の金属であるか、または、この群から選択される二種以上の金属の合金の一種もしくは二種以上である
ことが好ましい。
前記金属粉が、銅、スズ、ニッケルおよびアルミニウムからなる群から選択される、一種の金属からなる金属粉もしくは二種以上の金属の合金からなる金属粉、またはこれらの混合物である
ことが好ましい。
前記相対的に貴な金属が銀であり、前記金属粉が銅からなる
ことが好ましい。
前記金属ナノ粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウムおよびニッケルからなる群から選択される、一種の金属からなるナノ粒子もしくは二種以上の金属の合金からなるナノ粒子、またはこれらの混合物である
ことが好ましい。
前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が、3nm以上300nm以下である
ことが好ましく、
前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が、10nm以上200nm以下である
ことがより好ましい。
前記金属フィラーの平均粒子径が、0.3μm以上10μm以下である
ことが好ましく、
前記金属フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上8μm以下である
ことがより好ましい。
前記金属ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤が、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基であってこれら原子の有する孤立電子対によって前記金属ナノ粒子に含まれる金属元素と配位結合が可能な基を有する化合物からなる
ことが好ましい。
前記窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基を有する化合物が、末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物である
ことが好ましい。
前記末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物が、アルキルアミンを含む
ことが好ましい。
前記アルキルアミンの沸点が120℃以上300℃以下である
ことが好ましい。
前記有機溶剤が、炭素数8〜20の鎖式炭化水素および炭素数6〜12の高級アルコールからなる群より選択された、沸点が120℃以上300℃以下の有機溶剤である
ことが好ましい。
金属フィラーの体積をVMF、金属ナノ粒子の体積をVNP、被覆剤の体積をVCT+有機溶剤の体積をVOSと表したとき、
MF:(VNP+VCT+VOS)の比が、1:1.2〜1:4の範囲にある
ことが好ましい。
金属ナノ粒子の体積をVNP、被覆剤の体積をVCT、有機溶剤の体積をVOSと表したとき、
(VNP+VCT):VOSの比が、1:0.8〜1:3の範囲にある
ことが好ましい。
金属フィラーの体積をVMF、金属ナノ粒子の体積をVNPと表したとき、
MF:VNPの比が、80:20〜20:80の範囲にある
ことが好ましい。
25℃における粘度が、30Pa・s以上300Pa・s以下である
ことが好ましい
本発明の別の態様によれば、
上記の導電性金属ペーストの塗布層を基板上に形成する工程;および、
前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有する金属被膜の形成方法
が提供される。
前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
ことが好ましい。
本発明の別の態様によれば、
上記の方法により形成された金属被膜
が提供される。
本発明の別の態様によれば、
上記の導電性金属ペーストを、基板のおもて面と裏面の間のスルーホールに塗布する工程;および、
前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有するスルーホール用導電性被膜の形成方法
が提供される。
前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
ことが好ましい。
本発明の別の態様によれば、
上記の方法により形成されたスルーホール用導電性被膜
が提供される。
本発明の別の態様によれば、
上記の導電性金属ペーストの塗布層を、第一の電子部品の表面と、第二の電子部品表面もしくは基板上との少なくとも一方に形成する工程;および、
前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有する電子部品の固定方法
が提供される。
前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
ことが好ましい。
本発明の別の態様によれば、
上記の方法により固定された電子部品
が提供される。
本発明によれば、より低抵抗な導電体を得ることができる、バインダー樹脂成分を含まない、導電性金属ペーストが提供される。
また、本発明によれば、導電性金属ペーストを用いた、より低抵抗な金属被膜とその形成方法、および、より低抵抗なスルーホール用導電性被膜とその形成方法、より低抵抗に固定された電子部品とその固定方法が提供される。
本発明に係る導電性金属ペーストは、バインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストであって、金属フィラーと、金属ナノ粒子と、有機溶剤とを含む。ただし、金属ナノ粒子の表面は被覆剤により被覆されている。また、金属フィラーは、相対的に卑な金属の金属粉が相対的に貴な金属によって被覆されたものである。すなわち、金属粉を構成する金属よりも、金属粉を被覆する金属(以下、金属粉被覆金属と称することがある。)のほうが、貴である(イオン化傾向が小さい)。そして、金属ナノ粒子自体の平均粒子径は、金属フィラーの平均粒子径より小さい。
なお、「金属ナノ粒子自体」は、被覆剤を含まない金属ナノ粒子を意味する。したがって、「金属ナノ粒子自体の平均粒子径」は、被覆剤を除外して考えた場合の金属ナノ粒子の平均粒子径を意味する。なお特に断りのない限り、金属フィラーが被覆剤に被覆されていたとしても、金属フィラーの平均粒子径は、金属フィラーの金属部分(金属粉および金属粉被覆金属)のみの粒子径を意味する。
また、「平均粒子径」は、平均粒子径はレーザー回折法により測定された粒度分布において積算値50体積%の粒径を指す。
導電性金属ペーストは、金属フィラー、被覆剤によって被覆された金属ナノ粒子、および有機溶剤からなることができる。つまり導電性金属ペーストはこれらの成分だけを含んでもよいが、これらの成分の他に、導電性金属ペーストの分野で公知の添加剤(例えば分散剤)を適宜の量で含むこともできる。導電性金属ペーストは、従来導電性金属ペーストに含まれるような熱硬化樹脂などのバインダー樹脂成分を含まない。
〔金属フィラー〕
金属フィラーは、金属粉が、金属粉よりも貴な金属によって被覆されたものである。この被覆した貴な金属(金属粉被覆金属)と卑な金属(金属粉)がフィラー表層で合金化または相互拡散することで、焼結性が卑な金属粉と比較して向上する。従って導電性金属ペーストを用いて形成した導電体(例えば導電体層)が低抵抗となる。また、金属フィラーが相対的に貴な金属だけからなる場合と比較して、コストの面でも有利となることが期待できる。
金属フィラーの形状としては、導電性金属ペーストの金属フィラーの形状として公知の形状を適宜採用することができる。金属フィラーは例えば球形でもよく、鱗片状でもよい。
前記金属粉が、銅、スズ、ニッケル、アルミニウムからなる群から選択される、一種の金属からなる金属粉もしくは二種以上の金属の合金からなる金属粉、またはこれらの混合物であることができる。例えば、金属粉が、一種の純金属粉末であってもよく;一種の合金粉末であってもよく;二種以上の純金属粉末の混合物であってもよく;二種以上の合金粉末の混合物であってもよく;一種以上の純金属粉末と一種以上の合金粉末との混合物であってもよい。
金属粉被覆金属、すなわち、相対的に貴な金属は、金、銀、白金、パラジウムからなる群から選択される、一種もしくは二種以上の金属であってもよく、または、この群から選択される二種以上の金属の合金の一種もしくは二種以上であってもよい。金、銀、白金、パラジウムの電極電位は水(水素)と比較して電位が高いため耐候性の付与として好適である。
二種以上の金属粉を用いる場合(例えば二種以上の金属(純金属もしくは合金)粉末の混合物を用いる場合)、それぞれの種類の金属粉について、その金属粉を構成する金属(純金属もしくは合金)よりも貴な金属によって金属粉を被覆する。
特には、金属粉被覆金属が銀であり、金属粉が銅からなることが好ましい。
上述のような材料は、導電性金属ペーストを用いて形成した導電体の低抵抗化の観点から好ましいものである。
金属フィラーの平均粒子径は、金属フィラーの粉末相互間の接触抵抗を抑える観点から0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、また、導電性金属ペーストを用いて形成した膜においてその表面の凹凸による膜厚のバラツキを抑える観点から10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。
金属粉被覆金属の量は、金属フィラー(金属粉および金属粉被覆金属)100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。この範囲は、コストの観点から好ましく、またこの範囲を超えて金属粉被覆金属を用いても、低抵抗化の効果の向上はあまり期待できなくなる。
金属フィラー(金属粉被覆金属によって被覆された金属粉)としては、市販品を利用することができる。
〔金属ナノ粒子〕
金属ナノ粒子自体の平均粒子径は、金属フィラーの平均粒子径より小さい。これにより、金属フィラーの粉末相互間の隙間に、金属ナノ粒子が充填された構造を得ることができ、導電性金属ペーストを用いて形成した導電体において、金属フィラー粉末相互の間が金属ナノ粒子(特にはその焼結体)によって連結された構造を得ることができる。従って、特には金属フィラー粉末同士の間の接触抵抗が低減され、低抵抗な導電体を得ることができる。
金属ナノ粒子の形状としては、導電性金属ペーストに用いられる金属ナノ粒子の形状として公知の形状を適宜採用することができる。金属ナノ粒子は例えば球形でもよく、鱗片状でもよい。
導電性金属ペーストを用いて形成した導電体の低抵抗化の観点から、金属ナノ粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルからなる群から選択される、一種の金属からなるナノ粒子もしくは二種以上の金属の合金からなるナノ粒子、またはこれらの混合物であることが好ましい。例えば、金属ナノ粒子が、一種の純金属ナノ粒子であってもよく;一種の合金ナノ粒子であってもよく;二種以上の純金属ナノ粒子の混合物であってもよく;二種以上の合金ナノ粒子の混合物であってもよく;一種以上の純金属ナノ粒子と一種以上の合金ナノ粒子の混合物であってもよい。
なお、金属フィラーの金属粉を構成する金属もしくは金属粉被覆金属を構成する金属と、金属ナノ粒子を構成する金属とが同一であってもよく、異なってもよい。
金属フィラー粉末の隙間に金属ナノ粒子を充填して金属ナノ粒子相互の融合(焼結)を進行させる観点から、金属ナノ粒子自体の平均粒子径(被覆剤を含まない金属ナノ粒子だけの平均粒子径)が、3nm以上300nm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
〔被覆剤〕
被覆剤は、導電性金属ペーストにおいて金属ナノ粒子同士が直接接触することを防止することを主な目的として用いるものである。さらには、被覆剤の有機溶剤に対する親和性を利用して、金属ナノ粒子の分散性を高めることもでき、また、被覆剤によって金属ナノ粒子の表面を保護(特には酸化からの保護)することもできる。
このような観点から、特定の基を有する化合物からなる被覆剤を用いることが好ましい。ここでいう特定の基とは、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基であって、これら原子(N、OまたはS)の有する孤立電子対によって金属ナノ粒子に含まれる金属元素と配位結合が可能な基である。この化合物は一種単独で用いることができ、あるいは二種以上を併用することもできる。
さらに、前記窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基を有する化合物、すなわち前記特定の基を有する化合物が、末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物であることが好ましい。
また、この末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物が、アルキルアミンを含むことが好ましい。
さらに、このアルキルアミンの沸点が120℃以上300℃以下であることが好ましい。沸点がこの範囲にあると、導電性金属ペーストを焼結させて導電体を得る際に、容易に蒸散可能である。
例えば、被覆剤として炭素数8〜12のアルキルアミンを用いることができる。このようなアルキルアミンは、熱的に安定であり、ハンドリング性も良好である。例えば、オクチルアミン(沸点188℃)、デシルアミン(沸点220.5℃)、ドデシルアミン(沸点247℃)を用いることができる。ナノ粒子表面の被覆剤の厚みは1nm以上250nm以下であることが好ましい。アルキルアミンのアルキル鎖は直鎖に限らず分岐鎖であってもよく、例えば、2−エチルヘキシルアミン(沸点169℃)も好適である。さらに、アルキルアミンのアルキル鎖において、一部の炭素が酸素原子で置き換えられていてもよく(アルキル鎖中にエーテル結合を含んでもよく)、例えば、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン(沸点235℃)も好適である。
なお、被覆剤を含めた金属ナノ粒子の平均粒子径が、金属フィラーの平均粒子径より大きい場合であっても、導電性金属ペーストの焼成の後には被覆剤が消失し、金属ナノ粒子が金属フィラーの隙間に入り込んだ構造をとることができる。
なお、乾燥させた金属ナノ粒子(被覆剤で被覆されたもの)の質量をNP1、それを金属が酸化しない雰囲気下で焼成(例えば700℃以上の高温)した時の質量をNP2とすると、ナノ粒子を被覆している被覆剤の量(質量)は(NP1−NP2)で示される。この質量が0よりも大きい場合、金属ナノ粒子に被覆剤が付いていると言える。また被覆剤の質量、被覆剤の密度、金属ナノ粒子の粒径から被覆剤の層厚を算出することが可能である。
〔有機溶剤〕
有機溶剤としては、例えば、導電性金属ペーストの分野で公知の有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤が、炭素数8〜20の鎖式炭化水素および炭素数6〜12の高級アルコールからなる群より選択された、沸点が120℃以上300℃以下の有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤は、導電性金属ペーストを焼結して導電体を形成する際に、容易に蒸散可能である。また、上述の特定の基を有する化合物(被覆剤)との親和性も高い。
例えば有機溶剤として、1−デカノール(沸点231℃)や、トリプロピレングリコール(沸点268℃)を用いることができる。
〔成分の割合〕
導電性金属ペーストに含有される金属フィラーの体積比率をVMF、金属ナノ粒子の体積比率をVNP、被覆剤の体積比率をVCT+有機溶剤の体積比率をVOSと表す。
比較的厚い導電性金属ペースト膜の形成を容易にする観点から、VMF:(VNP+VCT+VOS)の比が、1:1.2〜1:4の範囲にあることが好ましい。
被覆剤で被覆された金属ナノ粒子の有機溶剤中への分散性の観点から、(VNP+VCT):VOSの比が、1:0.8〜1:3の範囲にあることが好ましい。
金属フィラー粉末同士の間の隙間に金属ナノ粒子が良好に充填された状態を達成する観点から、VMF:VNPの比が、80:20〜20:80の範囲にあることが好ましい。
〔導電性金属ペーストの粘度〕
導電性金属ペーストから比較的厚い導電体(特には導電体膜)を容易に形成する観点から、25℃における粘度が、30Pa・s以上300Pa・s以下であることが好ましい。
〔導電性金属ペーストの製造方法〕
導電性金属ペーストは、各成分を混合して得ることができる。例えば、金属フィラー、金属ナノ粒子、被覆剤を有機溶剤に混ぜ、攪拌することによって導電性金属ペーストを得ることができる。導電性金属ペーストの構成成分である有機溶剤(第一の有機溶剤という)とは別の有機溶剤(第二の有機溶剤という。ただし第二の有機溶剤は第一の有機溶剤より粘度が低くかつ沸点が低い)を用い、第二の有機溶剤に金属ナノ粒子と被覆剤を混ぜて攪拌し、得られた分散液に金属フィラーを混ぜて攪拌し、さらに第一の有機溶剤を混ぜて攪拌した後、第二の有機溶剤を蒸散させて導電性金属ペーストを製造することもできる。
〔金属被膜の形成〕
次の方法によって金属被膜を形成することができる。その方法とは、
導電性金属ペーストの塗布層を基板上に形成する工程;および、
導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有する金属被膜の形成方法である。
なお、基板として、プリント基板に代表される電子回路基板を用いることができる。
導電性金属ペースト(特には金属フィラーおよび金属ナノ粒子)の酸化防止の観点から、前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明は、上記方法によって形成した金属被膜を包含する。
〔スルーホール用導電性被膜の形成〕
次の方法によってスルーホール用導電性被膜を形成することができる。その方法とは、
導電性金属ペーストを、基板のおもて面と裏面の間のスルーホールに塗布する工程;および、
導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有するスルーホール用導電性被膜の形成方法である。
導電性金属ペースト(特には金属フィラーおよび金属ナノ粒子)の酸化防止の観点から、前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明は、上記方法によって形成したスルーホール用導電性被膜を包含する。
〔電子部品の搭載〕
次の方法によって、電子部品を固定することができる。つまり、電子部品を他の部材に接合することができる。その方法とは、
導電性金属ペーストの塗布層を、第一の電子部品の表面と、第二の電子部品の表面もしくは基板上との少なくとも一方に形成する工程;および、
導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
を有する電子部品の固定方法である。
この方法においては、或る電子部品(第一の電子部品)を別の電子部品(第二の電子部品)に固定するために、第一の電子部品の表面と、第二の電子部品の表面との一方もしくは両方に導電性金属ペーストの塗布層を形成することができる。また、或る電子部品(第一の電子部品)を基板に固定するために、第一の電子部品の表面と基板表面との一方もしくは両方に導電性金属ペーストの塗布層を形成することができる。
導電性金属ペースト(特には金属フィラーおよび金属ナノ粒子)の酸化防止の観点から、前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明は、上記方法によって固定した電子部品を包含する。
〔さらなる説明〕
導電性金属ペーストは、表面が被覆剤により被覆された(特には、表面に被覆剤分子層が形成されている)金属ナノ粒子を分散溶媒(有機溶剤)中に均一に分散してなる「金属ナノ粒子分散液」を液相として利用し、金属フィラーをこの液相中に分散してなる「金属フィラー分散液」に相当し得るものである。すなわち、「金属ナノ粒子分散液」自体は、被覆剤により被覆された金属ナノ粒子が分散溶媒中に均一に分散されているため、その粘性は低いが、金属フィラーをこの「金属ナノ粒子分散液」中に均一に分散してなる「金属フィラー分散液」とすることで、「金属ナノ粒子分散液」自体の粘性より遥かに高い粘性を有する分散液とすることができる。
ここで、導電性金属ペースト中に含有される、金属フィラーの体積比率をVMF、金属ナノ粒子(被覆剤を含まない)の体積比率をVNP、金属ナノ粒子を被覆している被覆剤の体積比率をVCT、分散溶媒(有機溶剤)の体積比率をVOSとすると、金属フィラーと、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」の体積比は、VMF:(VNP+VCT+VOS)と表すことができる。この比VMF:(VNP+VCT+VOS)は、1:1.2〜1:4にすることが好ましい。すなわち、金属フィラーと、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」の体積比を前記の範囲に選択することで、金属フィラーを分散溶媒中に分散した従来のペースト状金属フィラー分散液(導電性金属ペースト)と同様の粘性を得ることが容易となる。従って、比較的厚い(金属フィラーを分散溶媒中に分散した導電性金属ペーストを用いた際に達成される塗布膜の膜厚と同等の厚さ)の塗布膜を、前述の導電性金属ペーストを用いて形成することが容易である。
導電性金属ペーストを利用して作製される導電体(例えば導電体膜)は、金属フィラーと金属ナノ粒子からなる焼結体で構成される。金属フィラーと金属ナノ粒子の体積比率の総和、(VMF+VNP)は、導電性金属ペースト中、好ましくは30体積%〜55体積%の範囲、より好ましくは35体積%〜55体積%の範囲、さらに好ましくは40体積%〜55体積%の範囲に選択することができる。これは、比較的厚い膜圧の導電体膜を得る上で有効である。
導電体を形成するために、導電性金属ペーストを基体の表面に塗布して塗布膜を形成し、導電性金属ペーストの塗布膜に焼結処理を施し、焼結体型の導電体(特には導電体膜)を作製することができる。導電性金属ペーストの塗布膜(膜厚tPL)中に含まれる、金属フィラーと金属ナノ粒子の体積比率の総和が(VMF+VNP)であり、形成される焼結体の膜厚は、tPL×(VMF+VNP)/100体積%以上となると考えることができる。すなわち、塗布膜の膜厚tPLとする時、作製される導電体の膜厚tCLは、tPL>tCL>tPL×{(VMF+VNP)/100体積%}の範囲となると考えることができる。
膜厚tPL×{(VMF+VNP)/100体積%}は、導電性金属ペーストの塗布膜の膜厚tPL中に含まれる、金属フィラーと金属ナノ粒子が、バルク金属に変換された状態に相当している。実際の焼結体では、バルク金属に変換されることはなく、焼結体中における金属成分の体積比率は、(tPL/tCL)×{(VMF+VNP)/100体積%}×100体積%、すなわち、(tPL/tCL)×(VMF+VNP)となっていると考えることができる。
金属フィラーを構成する金属の抵抗率をρMF、金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率をρNPと表記すると、金属フィラーと金属ナノ粒子が同一の金属種で構成されているとみなすことができると仮定した場合、ρMF=ρNP=ρMETAL(同一の金属種の抵抗率)となると考えることができる。その場合、形成される焼結体型導電体の体積固有抵抗率ρCLは、ρCL>ρMETAL/{(tPL/tCL)×(VMF+VNP)/100体積%}の範囲となっている。
導電性金属ペーストから形成される焼結体型導電体において、金属フィラー粉末が相互に密に積層した構造中、金属フィラー粉末相互の隙間に金属ナノ粒子が充填された状態を達成することができる。そのために、利用する金属フィラーの平均粒子径dMFに対して、金属ナノ粒子自体(被覆剤を含まない)の平均粒子径dNPを、好ましくは(1/10)dMF≧dNP≧(1/1000)dMFの範囲、より好ましくは(1/20)dMF≧dNP≧(1/1000)dMFの範囲、さらに好ましくは(1/30)dMF≧dNP≧(1/1000)dMFの範囲に選択することができる。
金属フィラーの平均粒子径dMFと金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPの比を上記の範囲に選択することは、金属フィラー粉末相互の隙間、特には、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間に、金属ナノ粒子を密に充填した状態で、焼結体を形成する観点から好ましい。金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間は、「楔状」の隙間となっているが、平均粒子径を上記の範囲に選択した金属ナノ粒子は、この「楔状」の隙間の奥深くまで侵入することが容易となり、この「楔状」の隙間に金属ナノ粒子が密に充填した状態とすることが容易となる。
導電性金属ペースト(特にはその塗布膜)に焼結処理を施す過程では、焼結処理温度に加熱すると、導電性金属ペースト中に含有される分散溶媒(有機溶剤)が徐々に蒸散する。金属フィラー粉末相互が密に積層した構造中の隙間は、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」により浸潤された状態となっていると考えることができる。特に、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間には、毛管現象により、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」が保持されていると考えることができる。金属フィラー粉末相互の隙間に浸潤している「金属ナノ粒子分散液」中に分散されている金属ナノ粒子は、分散溶媒の蒸散に伴って、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間に効率的に濃縮され、充填される。金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間に密に充填された金属ナノ粒子が低温焼結すると、二つの金属フィラー粉末相互が、この金属ナノ粒子の低温焼結体を介して、固定、連結された状態となる。
また、二つの金属フィラー粉末相互は、金属ナノ粒子の低温焼結体を介して、電気的にも連結されるため、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗は、金属ナノ粒子の低温焼結体を介する電気伝導の寄与によって、大幅に低減される。実際、焼結体型導電体の体積固有抵抗率ρCLは、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTと、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの合計で近似される(ρCL≒ΣρMF.CONTACT+ΣρMF.PARTICLES)。
金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESは、使用する金属フィラーを構成する金属の抵抗率と、金属フィラー粉末相互が密に積層した構造における、金属フィラーの充填密度に依存している。例えば、金属フィラー粉末が最密充填されている状態となると、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESは最小となる。
一方、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTは、金属フィラー粉末相互が接する部位の実効的な接触面積に依存している。従って、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間に、金属ナノ粒子の低温焼結体が充填された状態となると、金属ナノ粒子の低温焼結体を介する電気伝導の寄与によって、実効的な接触面積が拡大され、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗は大幅に低減される。この金属ナノ粒子の低温焼結体を介する電気伝導の寄与は、金属フィラーの体積比率VMFと、金属ナノ粒子の体積比率VNPの比、(VMF:VNP)と、金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率に依存する。
前記金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲の狭い隙間に、金属ナノ粒子が密に充填される状態を達成する観点から、金属フィラーの体積比率VMFと、金属ナノ粒子の体積比率VNPの比(VMF:VNP)は、80:20〜20:80が好ましい。
一方、形成される焼結体型導電体の膜厚は、金属フィラー粉末相互が密に積層した構造の表面に露呈する金属フィラー自体に起因する凹凸によって、面内のバラツキを示す。従って、作製される導電体膜の膜厚tCLに対する、前記膜厚の面内バラツキΔtCLは、使用する金属フィラーの平均粒子径dMFの1/3程度となると考えられる。作製される導電体の膜厚tCLに対する、前記膜厚の面内バラツキΔtCLの比(ΔtCL/tCL)は、(ΔtCL/tCL)<1/8とすることが望ましい。ΔtCL≒(1/3)dMFであるので、(1/3)dMF/tCL)<1/8とすることが望ましい。換言すると、使用する金属フィラーの平均粒子径dMFを、作製される導電体の膜厚tCLに対して、(1/3)tCL≧dMFの範囲に選択することが望ましい。
一方、使用する金属フィラーの平均粒子径dMFを、作製される導電体の膜厚tCLを基準として、その1/100以下に選択すると、すなわち(1/100)tCL以下に選択すると、金属フィラー粉末相互が接する部位の密度が高くなり、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTが相対的に増加する要因となる。従って、使用する金属フィラーの平均粒子径dMFを、作製される導電体の膜厚tCLに対して、dMF≧(1/100)tCLの範囲に選択することが望ましい。
上記の二つの条件を考慮して、作製される導電体の膜厚tCLを基準として、使用する金属フィラーの平均粒子径dMFを、好ましくは(1/3)tCL≧dMF≧(1/100)tCLの範囲、より好ましくは(1/5)tCL≧dMF≧(1/100)tCLの範囲、さらに好ましくは、(1/10)tCL≧dMF≧(1/50)tCLの範囲に選択することが望ましい。
目標とする導電体の膜厚tCLを、50μm≧tCL≧10μmの範囲に選択する場合、金属フィラーの平均粒子径dMFを、0.3μm〜6μmの範囲、好ましくは、0.5μm〜5μmの範囲に選択することが望ましい。
一方、導電性金属ペーストの液相部分に相当する「金属ナノ粒子分散液」は、導電性金属ペースト中に含有される、体積比率VNPの金属ナノ粒子、体積比率VCTの被覆剤、体積比率VOSの分散溶媒(有機溶剤)で構成されていると考えることができる。「金属ナノ粒子分散液」では、金属ナノ粒子は、その表面が被覆剤によって被覆された状態で、分散溶媒中に均一に分散されていると考えることができる。
金属ナノ粒子は、焼結処理の際、その表面に形成されている被覆剤が除去され、分散性を失うと、近くに存在する金属フィラー粉末の表面上に付着する。金属フィラー粉末の表面上に付着した金属ナノ粒子を核として、さらに、金属ナノ粒子が凝集して、金属ナノ粒子の凝集体が形成され、その後、金属ナノ粒子相互の融合(低温焼結)が進行して、金属ナノ粒子の低温焼結体が形成される。
金属ナノ粒子相互の融合(低温焼結)を進行させる観点から、金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPは、3nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましい。
例えば、金属フィラーの平均粒子径dMFを、0.3μm以上10μm以下の範囲、もしくは0.5μm以上8μm以下の範囲に選択する際、金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPを、3nm以上300nmの範囲、もしくは10nm以上200nmの範囲に選択することで、上記の(1/10)dMF≧dNP≧(1/1000)dMFの条件を満たすことが可能である。
一方、「金属ナノ粒子分散液」自体は、金属フィラーを均一に分散させる「液相」として機能することが望まれる。したがって、「金属ナノ粒子分散液」は一定水準以下の液粘度、具体的には、100mPa・s以下の液粘度、好ましくは、100mPa・s〜10mPa・sの範囲、より好ましくは、90mPa・s〜20mPa・sの範囲であることが望ましい。従って、金属ナノ粒子とその被覆剤の体積比率の和(VNP+VCT)と、分散溶媒(有機溶剤)の体積比率VOSの比(VNP+VCT):VOSは、1:0.8〜1:3の範囲に選択することが好ましい。
金属ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤としては、「金属ナノ粒子分散液」中に金属ナノ粒子を均一に分散した状態を維持するために有効であるものが好ましい。この場合、金属ナノ粒子の表面は被覆剤で被覆されているため、分散溶媒(有機溶剤)中において金属ナノ粒子の金属表面同士が直接接触し、融着を起こすことを防止するために有効である。また、被覆剤の分散溶媒に対する親和性を利用して、金属ナノ粒子の分散性を高めることも望ましい。さらに、金属ナノ粒子の表面を被覆剤で被覆することにより、金属ナノ粒子の金属表面を、酸化を受けない状態に保つことも望ましい。
導電性金属ペースト中に含有される、被覆剤の体積比率VCTと、金属ナノ粒子の体積比率VNP比(VNP:VCT)は、1:0.1〜1:3の範囲が好ましく、1:0.2〜1:2.5の範囲がより好ましい。
被覆剤は、導電性金属ペーストの塗布膜を加熱し、焼結処理を行う際には、金属ナノ粒子表面から離脱した後、最終的には、分散溶媒とともに、蒸散することが望まれる。従って、焼結時の加熱温度(例えば120℃以上400℃以下)に対して、被覆剤(例えばアルキルアミン)の沸点が120℃以上300℃以下であることが好ましい。
アルキルアミンとして、そのアルキル基は、C8〜C12の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にアミノ基を有するものが利用できる。例えば、炭素数8のアルキルアミンであるオクチルアミン(沸点188℃)、炭素数10のアルキルアミンであるデシルアミン(沸点220.5℃)、炭素数12のアルキルアミンであるドデシルアミン(沸点247℃)を被覆剤として用いることができる。例えば、前記C8〜C12の範囲のアルキルアミンは、熱的な安定性もあり、また、室温付近での蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。
一般に、金属ナノ粒子表面の金属原子に対して、配位的な結合を形成する上では、第一級アミン型のものがより高い結合能を示し好ましいが、第二級アミン型、ならびに、第三級アミン型の化合物も利用可能である。また、1,2−ジアミン型、1,3−ジアミン型など、近接する二以上のアミノ基が結合に関与する化合物も利用可能である。また、ポリオキシアルキレンアミン型のエーテル型のオキシ基(−O−)を鎖中に含む、鎖状のアミン化合物を用いることもできる。その他、末端のアミノ基以外に、親水性の末端基、例えば、ヒドロキシル基を有するヒドロキシアミン化合物、例えば、ジエタノールアミンなどを利用することもできる。
また、被覆剤として利用可能な、有機化合物の代表として、アルカン酸などの脂肪族カルボン酸(R−COOH)を挙げることができる。被覆剤として、脂肪族カルボン酸中、例えば、アルカン酸として、炭素数がC4〜C10の範囲に選択され、アルキル鎖の末端にカルボキシル基(−COOH)を有するものが利用できる。例えば、炭素数4のアルカン酸であるブタン酸(酪酸、沸点163.5℃)、イソ酪酸(ジメチル酢酸、沸点152〜155℃)、炭素数8のアルカン酸であるオクタン酸(沸点227℃)、2−エチルヘキサン酸(沸点228℃)、炭素数10のアルカン酸である、ネオデカン酸(沸点243℃)を用いることができる。加えて、前記炭素数がC4〜C10の範囲のアルカン酸自体は、熱的な安定性もあり、また、室温付近の蒸気圧もさほど高くなく、室温等で保管する際、含有率を所望の範囲に維持・制御することが容易であるなど、ハンドリング性の面から好適に用いられる。
上述の被覆剤は、アミノ基またはカルボキシル基を利用して、金属ナノ粒子の表面の金属原子に対して、非共有結合的な分子間結合を形成することで、金属ナノ粒子の表面に被覆剤分子層を形成することができる。被覆剤として利用可能な有機化合物は、アミノ基またはカルボキシル基と、炭化水素基とで構成することができる。その炭化水素基の部分は、分散溶媒として利用する有機溶剤の炭化水素基部分に対して、親和性を示すことができる。このような場合、含有される被覆剤の一部は分散溶媒(有機溶剤)中に溶解し、金属ナノ粒子の表面に形成される被覆剤層を構成する被覆剤分子と、分散溶媒中に溶解している被覆剤分子は、平衡状態となることができる。液温度Tにおいて、被覆剤層を構成する被覆剤分子の面密度Ccoating(T)と平衡する、分散溶媒中に溶解している被覆剤分子の濃度をCcoating−molecule−eq.(T)と表記する。このとき、分散溶媒中には、この平衡濃度Ccoating−molecule−eq.(T)となるように、分散溶媒中に被覆剤分子が溶解している。
このような場合、室温付近では、金属ナノ粒子の表面は、被覆剤分子層で完全に被覆されており、液温度Tにおける、分散溶媒中における、被覆剤分子の飽和溶解度Ccoating−molecule−saturate.(T)と、前記平衡濃度Ccoating−molecule−eq.(T)は、実質的に等しくなっている。具体的には、飽和溶解度Ccoating−molecule−saturate.(T)を超えると、余剰の被覆剤分子は、金属ナノ粒子の表面に形成される被覆剤分子層を更に覆うように析出している。一方、飽和溶解度Ccoating−molecule−saturate.(T)を下回ると、被覆剤分子層を更に覆うように析出している被覆剤分子は溶出し、分散溶媒中濃度を飽和溶解度Ccoating−molecule−saturate.(T)まで上昇させる。
被覆剤分子が金属原子に対して配位的な結合することができる場合、被覆剤分子は金属ナノ粒子の表面に加えて、金属フィラー粉末の表面に露呈する金属原子にも、配位的な結合をすることがある。金属フィラー粉末の表面に露呈する金属原子に結合する被覆剤の量を抑制する観点から、導電性金属ペースト中に含有される、金属フィラー粉末の表面積の総和ΣSMFと、金属ナノ粒子自体の表面積の総和ΣSNPの比(ΣSMF:ΣSNP)は、好ましくは1:3〜1:60の範囲、より好ましくは1:5〜1:40の範囲である。
なお、金属フィラーの体積比率VMFと金属ナノ粒子の体積比率VNP、ならびに、金属フィラーの平均粒子径dMFと金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPを考慮すると、比(ΣSMF:ΣSNP)は、ΣSMF:ΣSNP≒(VMF/dMF):(VNP/dNP)と見積もられる。9≧(VMF/VNP)≧(11/9)、100≧(dMF/dNP)≧10の条件を満たす際、比(ΣSMF:ΣSNP)は、1:(10/9)〜1:(100/(11/9))の範囲となる。
従って、比(ΣSMF:ΣSNP)が、1:3〜1:60の範囲、好ましくは、1:5〜1:40の範囲となるように、(VMF/VNP)と(dMF/dNP)の組み合わせを、9≧(VMF/VNP)≧(11/9)、100≧(dMF/dNP)≧10の範囲から選択することが望ましい。
前記比(ΣSMF:ΣSNP)を、1:3〜1:60の範囲、好ましくは、1:5〜1:40の範囲に選択することで、金属フィラー粉末の表面に露呈する金属原子に配位的に結合する被覆剤分子の総量を抑制することができる。具体的には、被覆剤分子が金属フィラー粉末の表面にも結合するために、金属ナノ粒子の表面に密な被覆剤分子層を形成しにくくなる状態を防止できる。
上述のようにすることにより、導電性金属ペーストにおいて、分散溶媒(有機溶剤)中に、その表面の密な被覆剤分子層が形成されている金属ナノ粒子、ならびに、その表面を被覆剤分子で覆われている金属フィラーが分散されている状態を容易に実現することができる。
導電性金属ペーストに焼結処理を施す過程において、液温度が上昇すると、金属フィラーの表面を覆っている被覆剤分子が分散溶媒中に溶出され、金属フィラーの沈降が進み、金属フィラー粉末が緻密に積層した構造が形成されると考えることができる。また、金属ナノ粒子の表面を被覆している被覆剤の溶出も進行し、被覆剤層を失った金属ナノ粒子は、近くに存在する金属フィラー粉末の表面に付着すると考えることができる。金属フィラーの表面に付着した金属ナノ粒子を核として、さらに、金属ナノ粒子の付着、凝集が進むであろう。
金属フィラー粉末相互が接する部位では、両者の間には「楔状」の隙間が形成されているため、二つの金属フィラー粉末の表面に付着する金属ナノ粒子の凝集層が一体化して、かかる「楔状」の隙間を埋め込む状態となると考えることができる。すなわち、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲に存在する「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子が密に充填した状態となると考えることができる。
焼結処理が進行する間、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」において、金属フィラー粉末が緻密に積層した構造の隙間に浸潤した状態が維持されていると考えることができる。分散溶媒(有機溶剤)の蒸散が進行して液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」の液量が減少しても、金属フィラー粉末相互が接する部位は狭い隙間を構成しているため、毛管現象によって、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」がこの狭い隙間を満たした状態を維持されると考えることができる。この状況も、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲に存在する、「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子が密に充填した状態とする上で、貢献するであろう。
加えて、液相に相当する「金属ナノ粒子分散液」において、金属フィラー粉末が緻密に積層した構造の隙間に浸潤した状態が維持されていると、その隙間では、分散溶媒と溶出した被覆剤の混合液中で、金属ナノ粒子の低温焼結が進行する。従って、焼結処理を大気中で行っても、大気中に含まれる酸素分子がこの混合液中に溶解することが抑制され、金属ナノ粒子の酸化、ならびに、金属フィラー粉末表面の酸化を効果的に防止することができる。特に、金属フィラー粉末相互が接する部位の周囲に存在する「楔状」の隙間は、混合液が最後まで被覆した状態に保たれるため、酸化の影響が排除された状態で金属ナノ粒子の低温焼結体の形成が進行すると考えることができる。
ただし、より一層の酸化防止を図る観点から、焼結工程は、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気下で行うことが好ましい。
最終的に形成される焼結体型導電体においては、金属フィラー粉末が緻密に積層した構造を骨格として、この構造を構成する金属フィラー粉末の表面を被覆するように、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層が形成された状態となっていると考えることができる。従って、金属フィラー粉末が緻密に積層した構造は、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層によって、連結、固定化され、全体として、焼結体型導電体を形成していると考えることができる。そのとき、金属フィラー粉末相互が接する部位は、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態となっており、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTの低減がなされている。
金属フィラー粉末表面を被覆するように形成される、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層の平均厚さΔtNPは、金属フィラーの体積比率VMFと金属ナノ粒子の体積比率VNPの比(VMF/VNP)と、金属フィラーの平均粒子径dMFに依存している。すなわち、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層の平均厚さΔtNPは、(dMF+2ΔtNP:(dMF≒(VMF+VNP):(VMF)の関係を満足している。従って、近時的に、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層の平均厚さΔtNPと金属フィラーの平均粒子径dMFの比、(ΔtNP/dMF)は、(ΔtNP/dMF)≒(1/6)・(VNP/VMF)と表すことができる。金属フィラーの体積比率VMFと金属ナノ粒子の体積比率VNPの比(VMF/VNP)が、少なくとも、9≧(VMF/VNP)≧(11/9)の範囲であるとき、比(ΔtNP/dMF)は、凡そ、(1/6)・(9/11)≧(ΔtNP/dMF)≧(1/6)・(1/9)の範囲となっている。
含有されている金属ナノ粒子を利用して、平均厚さΔtNPの金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層を形成する上では、金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPは、dNP<ΔtNPの範囲にあることが好ましく、dNP<(1/2)ΔtNPの範囲にあることがより好ましい。すなわち、金属フィラー粉末の平均粒子径dMFと金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPの比(dNP/dMF)を、(dNP/dMF)<(ΔtNP/dMF)の範囲、好ましくは、(dNP/dMF)<(1/2)・(ΔtNP/dMF)の範囲することが望ましい。換言すると、(1/6)・(9/11)≧(ΔtNP/dMF)≧(1/6)・(1/9)の条件に対応させて、金属フィラーの平均粒子径dMFと金属ナノ粒子自体の平均粒子径dNPの比(dNP/dMF)を、1/10≧(dNP/dMF)≧1/1000の範囲、好ましくは、1/20≧(dNP/dMF)≧1/1000の範囲、より好ましくは、1/30≧(dNP/dMF)≧1/1000の範囲に選択することが望ましい。
導電性金属ペーストを利用して作製される、焼結体型導電体では、金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とし、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTを低減することで、焼結体型導電体全体の体積固有抵抗率ρCL(ρCL≒ΣρMF.CONTACT+ΣρMF.PARTICLES)中、主に、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTを低減することができる。加えて、金属フィラーの表面を被覆するように、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層が形成されるため、金属フィラー自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESに相当する部分が若干低減されよう。この金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESに相当する部分の抵抗低減の程度は、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFと金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率ρNP、ならびに、金属フィラーの体積比率VMFと金属ナノ粒子の体積比率VNPの比(VMF/VNP)に依存する。個々の金属フィラー粉末を流れる電流量iMF自体は、実質的に変化しないが、金属フィラー粉末の表面を被覆するように、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層が形成されるため、電流の一部は金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層を流れる結果、核部分の金属フィラー粉末内部の電流密度(∂iMF/∂S)が減少する。なお、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層の実効的な抵抗率ρNP eff.は、金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率ρNPの凡そ2倍程度と見積もられる。従って、核部分の金属フィラー粉末内部の電流密度(∂iMF/∂S)の減少比率は、凡そ、(VMF/ρMF)/{(VMF/ρMF)+(VNP/2ρNP)}程度と見積もられる。従って、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESに相当する部分の抵抗の低減比率も、凡そ、(VMF/ρMF)/{(VMF/ρMF)+(VNP/2ρNP)}程度と見積もられる。
例えば、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFと金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率ρNPが等しいとみなすことができると仮定した場合(金属フィラーを構成する金属と金属ナノ粒子を構成する金属が同一の金属である場合と同等のケースを考えたとき)、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESに相当する部分の抵抗の低減比率は、凡そ、VMF/(VMF+(VNP/2)}=1/{1+1/2・(VNP/VMF)}程度と見積もられる。
なお、金属フィラー粉末の表面が極薄い酸化膜で被覆されている状態となっている場合には、この金属フィラー粉末の極薄い表面酸化膜をトンネルして電流が流れる必要がある。その場合、極薄い表面酸化膜を通過して、金属フィラー粉末から、その表面を被覆している金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層へ滲みだす電流量は減少するため、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESに相当する部分の抵抗の低減効果は、減少する。
また、金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とし、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTを低減する効果も、金属フィラー粉末の表面が極薄い酸化膜で被覆されている状態となっている場合には減少する。
従って、導電性金属ペーストで使用する金属フィラーは、実質的にその表面は極薄い酸化膜で被覆されていないことが望ましい。
金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とし、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTを低減する効果は、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層の平均厚さΔtNPと金属フィラーの平均粒子径dMFの比(ΔtNP/dMF)に依存している。すなわち、比(ΔtNP/dMF)が増すと、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTを低減する効果も増大する。
具体的には、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTは、金属フィラー粉末相互が接する部位の実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.に依存している。金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態となると、金属フィラー粉末相互が接する部位の実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.が拡大する結果、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTが低減される。
一般に、金属フィラー粉末相互が接する部位の実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.は、その接触部位の実効的な曲率半径reff.に依存している。金属フィラー粉末が球形である場合、前記接触部位の実効的な曲率半径reff.は、通常、金属フィラーの平均粒子径dMFを用いて、reff.≒1/2・dMFと近似できる。ある係数αを用いて、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.は、SMF.CONTACT eff.=α・π(reff.≒α・π(dMF/2)と近似的に表すことができる。
金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態となると、充填されている金属ナノ粒子の低温焼結体部分も、金属フィラー粉末相互が接する部位の実効的な接触に利用されるため、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.が拡大する。例えば、金属フィラー粉末を構成する金属の抵抗率ρMFと金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率ρNPが等しいとみなすことができると仮定した場合(金属フィラーを構成する金属と金属ナノ粒子を構成する金属が同一の金属である場合と同等のケースを考えたとき)、金属フィラー粉末が球形である際には、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層により、見かけの金属フィラー粉末の平均的な粒子径が、(dMF+2ΔtNP)となっており、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.は、少なくとも、SMF.CONTACT eff.>α・π{(dMF+2ΔtNP)/2}程度に増加している。従って、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.の増加比率は、少なくとも、{1+4(ΔtNP/dMF)}以上となっている。従って、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTの低減比率は、少なくとも、1/{1+4(ΔtNP/dMF)}以上となっている。比(ΔtNP/dMF)は、(ΔtNP/dMF)≒(1/6)・(VNP/VMF)と表すことができるので、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗ρMF.CONTACTの低減比率は、少なくとも、1/{1+(2/3)・(VNP/VMF)}以上となっていると見積もられる。
上記の見積もりからも、焼結体型導電体層では、金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とすることによる、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTの低減効果は、金属フィラー自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの低減効果よりも、焼結体型導電体層全体の体積固有抵抗率ρCL(ρCL≒ΣρMF.CONTACT+ΣρMF.PARTICLES)の低減により重要な貢献を示すと考えられる。
なお、金属フィラーが球形ではなく、例えば、扁平化している場合、その扁平化した部位に接触部位があると、その接触部位の実効的な曲率半径reff.は、通常、金属フィラーの平均粒子径dMFに対して、reff.>1/2・dMFとなっている。その場合、扁平化した部位にある接触部位の実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.は、SMF.CONTACT eff.=α・π(reff.>α・π(dMF/2)となっていると見積もられる。例えば、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFと金属ナノ粒子を構成する金属の抵抗率ρNPが等しいとみなすことができると仮定した場合(金属フィラーを構成する金属と金属ナノ粒子を構成する金属が同一の金属である場合と同等のケースを考えたとき)、金属ナノ粒子の低温焼結体の被膜層により、見かけの曲率半径は、(reff.+ΔtNP)となっており、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.は、少なくとも、SMF.CONTACT eff.>α・π(reff.+ΔtNP程度に増加している。従って、実効的な接触面積SMF.CONTACT eff.の増加比率は、少なくとも、{1+2(ΔtNP/reff.)}以上となっている。その際、金属フィラー粉末が扁平化している場合、この扁平化した部位にある接触部位では、実効的な曲率半径reff.は、reff.>1/2・dMFとなっているので、{1+2(ΔtNP/reff.)}<{1+4(ΔtNP/dMF)}となっている。
その点を考慮すると、金属フィラーが球形である場合と比較すると、金属フィラーが扁平化している場合、金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とすることによる、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTの低減効果は、相対的に劣っていると見積もることができる。
換言すると、金属フィラー粉末相互が接する部位において、その周囲の「楔状」の隙間を、金属ナノ粒子の低温焼結体が密に充填した状態とすることによる、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTの低減効果は、金属フィラー粉末が扁平化している場合よりも、金属フィラー粉末が球形である場合により顕著であると見積もられる。従って、使用する金属フィラーが球形である際、より本発明の効果が発揮されると見積もられる。
一方、焼結体型導電体全体の体積固有抵抗率ρCL(ρCL≒ΣρMF.CONTACT+ΣρMF.PARTICLES)に占める、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTと、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの比率を比較すると、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFが高くなるとともに、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの比率が増す。換言すると、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTの低減効果と、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの低減効果を比較すると、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFが高くなるとともに、金属フィラー粉末自体の抵抗の総和ΣρMF.PARTICLESの低減効果の重要さが増す。
上述したように、本発明は、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗の総和ΣρMF.CONTACTの低減により有効である点にあり、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFが高くなるとともに、その有効性は相対的には薄れることになる。換言するならば、その有効性は、金属フィラーを構成する金属の抵抗率ρMFがより低い場合に、より顕著になる。
なお、導電性金属ペーストの液粘度は、30Pa・s〜300Pa・sの範囲、好ましくは30Pa・s〜150Pa・sの範囲、より好ましくは30Pa・s〜100Pa・sの範囲であることが望ましい。前記の液粘度とすることにより、例えば、スクリーン印刷法を適用して、膜厚が30μmから、最大110μmに達する塗布膜を形成することが可能となる。膜厚が110μmに達する塗布膜を利用することで、膜厚が50μmに達する導電性膜を作製することが可能となる。また、膜厚が30μmに達する塗布膜を利用することで、膜厚が14μmに達する導電性膜を作製することが可能となる。
導電性金属ペーストは、例えば、下記の手順に従って調製することができる。
利用される金属フィラーの外形形状は、球形に限らず、例えば、鱗片状のものを利用することができる。一般に、金属フィラーは、平均粒子径dMFが小さくなると、液粘度の高い有機溶媒中に容易に浸漬することできない場合がある。
その点を考慮して、液粘度の低い有機溶媒中に予め金属フィラーを混入して、低粘度の有機溶媒中に均一に浸漬した状態とした後、溶媒置換により、目的とする分散溶媒(有機溶剤)中に分散した状態とする手法を採用することができる。
そのため、液粘度の低い有機溶媒中に所定量の被覆剤と金属ナノ粒子を含有してなる金属ナノ粒子の分散液を利用して、下記の手順に従って、導電性金属ペーストを調製することができる。
前記液粘度の低い有機溶媒中に所定量の被覆剤と金属ナノ粒子を含有してなる金属ナノ粒子の分散液では、含有される液粘度の低い有機溶媒として、分散溶媒と均一に混合でき、また、被覆剤の沸点、分散溶媒の沸点よりも、遥かに低い沸点を有する炭化水素溶媒を使用する。
前記金属ナノ粒子の分散液に、所定量の金属フィラーを混合し、金属フィラーを液粘度の低い有機溶媒中に浸漬し、均一に混合した状態とする。さらに、得られた混合物に、所定量の分散溶媒(有機溶剤)を加え、混合して、分散溶媒と液粘度の低い有機溶媒を均一に混合する。得られる混合物は、所定量の金属フィラー、所定量の被覆剤と金属ナノ粒子、所定量の分散溶媒と、前記液粘度の低い有機溶媒を含有する、均一な混合物となっている。この段階で、分散溶媒と液粘度の低い有機溶媒の混合溶媒中には、被覆剤の一部が溶解しており、金属フィラー粉末の表面に露呈している金属原子に、被覆剤分子が配位的に結合した状態となる。
次いで、上記均一な混合物中に含まれる、液粘度の低い有機溶媒を減圧留去する。液粘度の低い有機溶媒は、被覆剤の沸点、分散溶媒の沸点よりも、遥かに低い沸点を有する炭化水素溶媒であるため、液粘度の低い有機溶媒を減圧留去する際、被覆剤、分散溶媒は、蒸散しない。結果的に、液粘度の低い有機溶媒の減圧留去を終えると、所定量の金属フィラー、所定量の被覆剤と金属ナノ粒子、所定量の分散溶媒を含んでなる分散液が得られる。得られる分散液を、撹拌脱泡機で撹拌して、含有される金属フィラーを均一に分散させることで、目的の導電性金属ペーストが調製される。
本発明にかかる導電性金属ペーストは、その粘度を、30Pa・s(25℃)以上とすることができ、例えば、スクリーン印刷法を適用して、膜厚が110μmに達する塗布膜の形成が可能であり、焼結処理を施すことで、膜厚が50μmに達する導電体層の作製に利用できる。また、平均粒子径がサブミクロン〜数ミクロン程度の金属フィラーと金属ナノ粒子を併用することにより、導電性金属ペーストを用いて形成される導電体は、金属フィラー粉末相互が接する部位周囲の隙間に、金属ナノ粒子からなる低温焼結体が充填され、金属ナノ粒子からなる低温焼結体を介して、金属フィラー粉末相互が連結された状態となることができる。従って、金属フィラー粉末相互が接する部位は、その周囲の隙間を金属ナノ粒子の低温焼結体が充填しているため、金属フィラー粉末相互が接する部位の接触抵抗は低減され、形成される焼結体全体の体積固有抵抗率は、用いる金属フィラーを構成する金属の抵抗率の2.5倍以下の体積固有抵抗率とすることができる。
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定を受けるものではない。
〔実施例1〕
銅厚膜形成用の導電性金属ペーストとして、下記の原料を用いて、導電性銅ペーストを調製した。
・銀被覆銅マイクロ粒子(金属フィラー):
アトマイズ法で作製される球状銅粉末である、福田金属(株)製の10質量%銀コート銅粉「商品名:10%AgコートCu−HWQ 5μm(平均粒子径4.89μm:タップ密度4.3g/cm)」。この金属フィラー中の銀の含有量は10質量%である。
・銅ナノ粒子分散液:
ハリマ化成(株)製銅ナノ粒子「商品名:NPC」。
ハリマ化成製銅ナノ粒子NPCは、銅ナノ粒子と「被覆剤分子アミン」とで構成されている。銅ナノ粒子自体の平均粒子径は、70nmである。銅ナノ粒子の表面には、「被覆剤分子アミン」の表面被覆分子層が形成されている。ここで用いた銅ナノ粒子「NPC」では、「被覆剤分子アミン」として、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン(沸点235℃、密度0.85g/cm)を使用している。また、分散媒として、日本乳化剤製トリプロピレングリコール(分子量192、沸点268℃、密度1.02g/cm)が使用されている。
ただし、銅ナノ粒子NPCは、カスタマイズ可能な製品であり、成分や配合比を変更可能なものである。後述の実施例および比較例において、銅ナノ粒子分散液として実施例1と同様の原料を用いた旨の記載があっても、その配合比は若干変わっていることがあり(成分の種類は同じ)、具体的にはそれぞれの例に示される配合を参照されたい。また、実施例8および9においては、それぞれの例に明記したように、被覆剤の種類が変更されている。
・有機溶剤
高沸点の非極性有機溶剤である、日本乳化剤(株)製トリプロピレングリコール(分子量192、沸点268℃、密度1.02g/cm)。
上記ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」54.8質量部(銅ナノ粒子52.7質量部と「被覆剤分子アミン」0.6質量部、分散媒トリプロピレングリコール1.5質量部)、
上記福田金属(株)製10%銀コート銅粉41.7質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール3.5質量部
を均一に混合した。撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
米倉製作所製赤外炉を使用して、下記の手順で、窒素−3モル%水素の還元性雰囲気下、350℃で30分間の加熱処理を施し、ペースト塗布膜中に含まれている金属フィラー(銀被覆銅粉)と銅ナノ粒子の焼成を行った。
米倉製作所製赤外炉内において、窒素−3%(モル%)水素の還元性雰囲気(1気圧(0.1MPa))下、昇温速度1600℃/時間で、室温(25℃)から350℃まで昇温した。この昇温過程に要した時間は、約10.3分間であった。昇温後、同じ還元性雰囲気下、350℃で30分間加熱処理を施した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.7μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.7μΩ・cmは金属銅の1.6倍となっていた。
〔実施例2〕
実施例2は実施例1で調製したペーストの銀被覆銅マイクロ粒子とナノ粒子と比率を変更したペーストを調製した。用いた原料は実施例1と同様である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」73.1質量部(銅ナノ粒子70.4質量部と「被覆剤分子アミン」0.6質量部、分散媒トリプロピレングリコール2.1質量部)、
福田金属(株)製10%銀コート銅粉50.0質量部、
日本乳化剤製トリプロピレングリコール3.8質量部
を均一に混合した。撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.5μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.5μΩ・cmは金属銅の1.5倍となっていた。
〔実施例3〕
実施例3は実施例1で調製したペーストの銀被覆銅マイクロ粒子とナノ粒子と比率を変更したペーストを調製した。用いた原料は実施例1と同様である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」81.3質量部(銅ナノ粒子78.3質量部と「被覆剤分子アミン」0.7質量部、分散媒トリプロピレングリコール2.3質量部)、
福田金属(株)製10%銀コート銅粉16.0質量部、
日本乳化剤製トリプロピレングリコール2.7質量部
を均一に混合した。撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.5μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.5μΩ・cmは金属銅の1.5倍となっていた。
〔実施例4〕
実施例4は実施例1で用いた銀被覆銅粉の銀被覆量を増加させた実施例となる。実施例1で用いた原料のうち、金属フィラーを次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銀被覆銅マイクロ粒子(金属フィラー):
アトマイズ法で作製される銅粉末である、福田金属(株)製の20質量%銀コート銅粉「商品名:20%AgコートCu−HWQ 5μm(平均粒子径4.7μm:タップ密度4.8g/cm)」。この金属フィラー中の銀の含有量は20質量%である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」50.5質量部(銅ナノ粒子49.4質量部と「被覆剤分子アミン」0.4質量部、分散媒トリプロピレングリコール0.7質量部)、
上記福田金属(株)製20%銀コート銅粉44.5質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール5.0質量部
を均一に混合した。
撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.4μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.4μΩ・cmは金属銅の1.4倍となっていた。
〔実施例5〕
実施例5は実施例1で用いた銀被覆銅粉の種類を変更した実施した例である。実施例1で用いた原料のうち、金属フィラーを次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銀被覆銅マイクロ粒子(金属フィラー):
湿式還元法で作製される球状銅粉末である、三井金属鉱業(株)製の10質量%銀コート銅粉「商品名:10%Agコート05K(平均粒子径5.2μm:タップ密度4.6g/cm)」。この金属フィラー中の銀の含有量は10質量%である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」51.8質量部(銅ナノ粒子51.2質量部と「被覆剤分子アミン」0.2質量部、分散媒トリプロピレングリコール0.4質量部)、
上記三井金属鉱業(株)製10%銀コート05K43.3質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール4.9質量部
を均一に混合し導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、160Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.4μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.5μΩ・cmは金属銅の1.4倍となっていた。
〔実施例6〕
実施例6は実施例1で用いた銀被覆銅粉の種類を変更した例である。実施例1で用いた原料のうち、金属フィラーを次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銀被覆銅マイクロ粒子(金属フィラー):
湿式還元法で作製される銅粉末である、三井金属鉱業(株)製の10質量%銀コート銅粉「商品名:10%Agコート1100Y(平均粒子径1.1μm:タップ密度3.6g/cm)」。この金属フィラー中の銀の含有量は10質量%である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」58.7質量部(銅ナノ粒子58.0質量部と「被覆剤分子アミン」0.5質量部、分散媒トリプロピレングリコール0.2質量部)、
上記三井金属鉱業(株)製10%Agコート1100Y43.3質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール4.9質量部
を均一に混合し導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、160Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.7μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.6μΩ・cmは金属銅の1.6倍となっていた。
〔実施例7〕
実施例7は実施例1で用いた銀被覆銅粉の種類を変更した例である。実施例1で用いた原料のうち、金属フィラーを次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銀被覆銅マイクロ粒子(金属フィラー):
湿式還元法で作製される扁平銅粉末である、DOWAエレクトロニクス(株)製の10質量%銀コート銅粉「商品名:10%Agコートフレーク粉(平均粒子径5.1μm:タップ密度5.5g/cm)」。この金属フィラー中の銀の含有量は10質量%である。
ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」46.3質量部(銅ナノ粒子45.8質量部と「被覆剤分子アミン」0.4質量部、分散媒トリプロピレングリコール0.1質量部)、
上記DOWAエレクトロニクス(株)製10%Agコートフレーク粉48.7質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール5.0質量部
を均一に混合し導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、130Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
実施例1と同様の評価でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は27μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.6μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.6μΩ・cmは金属銅の1.5倍となっていた。
〔実施例8〕
実施例8は実施例1で用いたナノ粒子の被覆アミン種を変更した例である。実施例1で用いた原料のうち、銅ナノ粒子分散液を次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銅ナノ粒子分散液:
ここで用いた銅ナノ粒子「NPC」では、「被覆剤分子アミン」として、2−エチルヘキシルアミン(沸点169℃、密度0.79g/cm)を使用している。他の成分(銅ナノ粒子および分散媒)の種類は実施例1と同様である。
上記ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」54.8質量部(銅ナノ粒子52.7質量部と「被覆剤分子アミン」0.6質量部、分散媒トリプロピレングリコール1.5質量部)、
上記福田金属(株)製10%銀コート銅粉41.7質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール3.5質量部
を均一に混合した。撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は20μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.5μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.5μΩ・cmは金属銅の1.5倍となっていた。
〔実施例9〕
実施例9は実施例1で用いたナノ粒子の被覆アミン種を変更した例である。実施例1で用いた原料のうち、銅ナノ粒子分散液を次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・銅ナノ粒子分散液:
ここで用いた銅ナノ粒子「NPC」では、「被覆剤分子アミン」として、ドデシルアミン(沸点247℃、密度0.81g/cm)を使用している。他の成分(銅ナノ粒子および分散媒)の種類は実施例1と同様である。
上記ハリマ化成製「銅ナノ粒子NPC」54.8質量部(銅ナノ粒子52.7質量部と「被覆剤分子アミン」0.5質量部、分散媒トリプロピレングリコール1.6質量部)、
上記福田金属(株)製10%銀コート銅粉41.7質量部、
上記日本乳化剤製トリプロピレングリコール3.5質量部
を均一に混合した。撹拌脱泡機で撹拌して、トリプロピレングリコール中に金属フィラー(銀被覆銅粉)、銅ナノ粒子を均一に分散させ、導電性銅ペーストを調製した。
調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は20μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、2.5μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率2.5μΩ・cmは金属銅の1.5倍となっていた。
〔比較例1〕
本例では、実施例1で調製される「導電性銅ペースト」に使用される銀コート銅粉を被覆銀のない銅粉へ代替した。実施例1で用いた原料のうち、金属フィラーを次のものに替え、その他の原料は実施例1と同様とした。
・金属フィラー:
アトマイズ法で作製される銅粉末である、福田金属(株)製球状銅粉Cu−HWQ 5μm(平均粒子径5.69μm:タップ密度4.6g/cm)。
実施例1と同様の方法で調製された導電性銅ペーストの液粘度は、150Pa・s(スパイラル回転粘度計 10rpm 25℃)であった。
調製された導電性銅ペーストを、スライドガラス上に、10mm×50mmのパターンで塗布した。ペースト塗布膜の平均厚さは40μmであった。
実施例1と同様の方法でペーストを焼成した。
得られた焼成物の平均膜厚は30μmであった。この焼成物を膜厚の均一な導電体と仮定して、測定したシート抵抗値から、体積固有抵抗率を算出した。算出された体積固有抵抗率は、4.3μΩ・cmであった。
金属銅の抵抗率1.673μΩ・cm(30℃)に対して、得られた焼成物の体積固有抵抗率4.3μΩ・cmは金属銅の2.6倍となっていた。
本発明にかかる導電性金属ペーストは、厚膜の導電体層の形成に利用できる。具体的には、本発明にかかる導電性金属ペーストを利用して形成される導電体層は、良好な導電特性を示し、また、作製可能な導電体層の膜厚を例えば30μm以上とする際にも、良好な導電特性が得られる。したがって、プリント基板における配線や電子部品の固定(導電性を持った固定)などに好適に用いられる。

Claims (27)

  1. バインダー樹脂成分を含有していない導電性金属ペーストであって、
    金属フィラー、金属ナノ粒子、および有機溶剤を含み、
    前記金属ナノ粒子の表面が被覆剤により被覆されており、
    前記金属フィラーは、相対的に卑な金属の金属粉が相対的に貴な金属によって被覆されたものであり、
    前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が前記金属フィラーの平均粒子径より小さい
    ことを特徴とする導電性金属ペースト。
  2. 前記相対的に貴な金属が、金、銀、白金およびパラジウムからなる群から選択される一種もしくは二種以上の金属であるか、または、この群から選択される二種以上の金属の合金の一種もしくは二種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の導電性金属ペースト。
  3. 前記金属粉が、銅、スズ、ニッケルおよびアルミニウムからなる群から選択される、一種の金属からなる金属粉もしくは二種以上の金属の合金からなる金属粉、またはこれらの混合物である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の導電性金属ペースト。
  4. 前記相対的に貴な金属が銀であり、前記金属粉が銅からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の導電性金属ペースト。
  5. 前記金属ナノ粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウムおよびニッケルからなる群から選択される、一種の金属からなるナノ粒子もしくは二種以上の金属の合金からなるナノ粒子、またはこれらの混合物である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性金属ペースト。
  6. 前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が、3nm以上300nm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  7. 前記金属ナノ粒子自体の平均粒子径が、10nm以上200nm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  8. 前記金属フィラーの平均粒子径が、0.3μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  9. 前記金属フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上8μm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  10. 前記金属ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤が、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基であってこれら原子の有する孤立電子対によって前記金属ナノ粒子に含まれる金属元素と配位結合が可能な基を有する化合物からなる
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  11. 前記窒素原子、酸素原子またはイオウ原子を含む基を有する化合物が、末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物である
    ことを特徴とする請求項10に記載の導電性金属ペースト。
  12. 前記末端アミノ基を1つ以上有するアミン化合物が、アルキルアミンを含む
    ことを特徴とする請求項11に記載の導電性金属ペースト。
  13. 前記アルキルアミンの沸点が120℃以上300℃以下である
    ことを特徴とする請求項12に記載の導電性金属ペースト。
  14. 前記有機溶剤が、炭素数8〜20の鎖式炭化水素および炭素数6〜12の高級アルコールからなる群より選択された、沸点が120℃以上300℃以下の有機溶剤である
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  15. 金属フィラーの体積をVMF、金属ナノ粒子の体積をVNP、被覆剤の体積をVCT+有機溶剤の体積をVOSと表したとき、
    MF:(VNP+VCT+VOS)の比が、1:1.2〜1:4の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  16. 金属ナノ粒子の体積をVNP、被覆剤の体積をVCT、有機溶剤の体積をVOSと表したとき、
    (VNP+VCT):VOSの比が、1:0.8〜1:3の範囲にあることを特徴とする
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  17. 金属フィラーの体積をVMF、金属ナノ粒子の体積をVNPと表したとき、
    MF:VNPの比が、80:20〜20:80の範囲にあることを特徴とする
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  18. 25℃における粘度が、30Pa・s以上300Pa・s以下である
    ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の導電性金属ペースト。
  19. 請求項1〜18の何れか一項に記載の導電性金属ペーストの塗布層を基板上に形成する工程;および、
    前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
    を有する金属被膜の形成方法。
  20. 前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 請求項19または20記載の方法により形成された金属被膜。
  22. 請求項1〜18の何れか一項に記載の導電性金属ペーストを、基板のおもて面と裏面の間のスルーホールに塗布する工程;および、
    前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
    を有するスルーホール用導電性被膜の形成方法。
  23. 前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 請求項22または23記載の方法により形成されたスルーホール用導電性被膜。
  25. 請求項1〜18の何れか一項に記載の導電性金属ペーストの塗布層を、第一の電子部品の表面と、第二の電子部品表面もしくは基板上との少なくとも一方に形成する工程;および、
    前記導電性金属ペーストの塗布層を120℃以上400℃以下の温度に加熱することにより、前記導電性金属ペーストに含有される金属フィラーおよび金属ナノ粒子を相互に焼結する焼結工程
    を有する電子部品の固定方法。
  26. 前記焼結工程を、水素雰囲気または不活性ガスと水素との混合雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. 請求項25または26記載の方法により固定された電子部品。
JP2012178027A 2012-08-10 2012-08-10 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法 Active JP5988762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012178027A JP5988762B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012178027A JP5988762B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014035974A true JP2014035974A (ja) 2014-02-24
JP5988762B2 JP5988762B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=50284823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012178027A Active JP5988762B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5988762B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018060941A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 デュポンエレクトロニクスマテリアル株式会社 接合用の導電性ペースト
JP2021059770A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 協立化学産業株式会社 複合金属粒子及びその製造方法、複合金属粒子含有組成物、並びに物品
CN113118436A (zh) * 2020-01-14 2021-07-16 丰田自动车株式会社 复合粒子以及复合粒子的制造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005031760A1 (ja) * 2003-09-26 2005-04-07 Hitachi Chemical Co., Ltd. 混合導電粉およびその利用
JP2012119132A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Harima Chemicals Inc 導電性金属ペースト

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005031760A1 (ja) * 2003-09-26 2005-04-07 Hitachi Chemical Co., Ltd. 混合導電粉およびその利用
JP2012119132A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Harima Chemicals Inc 導電性金属ペースト

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018060941A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 デュポンエレクトロニクスマテリアル株式会社 接合用の導電性ペースト
CN107914006A (zh) * 2016-10-06 2018-04-17 E.I.内穆尔杜邦公司 用于粘合的导电糊料
CN107914006B (zh) * 2016-10-06 2021-10-29 E.I.内穆尔杜邦公司 用于粘合的导电糊料
JP2021059770A (ja) * 2019-10-09 2021-04-15 協立化学産業株式会社 複合金属粒子及びその製造方法、複合金属粒子含有組成物、並びに物品
JP7300172B2 (ja) 2019-10-09 2023-06-29 協立化学産業株式会社 複合金属粒子及びその製造方法、複合金属粒子含有組成物、並びに物品の製造方法
CN113118436A (zh) * 2020-01-14 2021-07-16 丰田自动车株式会社 复合粒子以及复合粒子的制造方法
CN113118436B (zh) * 2020-01-14 2023-08-08 丰田自动车株式会社 复合粒子以及复合粒子的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5988762B2 (ja) 2016-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4496216B2 (ja) 導電性金属ペースト
TWI516556B (zh) Metal nano-particle paste, and the use of metal nano-particles paste electronic parts assembly, LED module and printed circuit board circuit formation method
JP4155821B2 (ja) 導電性金属ペースト及びその製造方法
JP3764349B2 (ja) 金属微粒子分散液を用いたメッキ代替導電性金属皮膜の形成方法
JP4821396B2 (ja) 導電性組成物及び導電膜形成方法
JP5887086B2 (ja) 導電性材料
JP4963393B2 (ja) 低温焼成型銀ペースト
JP5151476B2 (ja) インク組成物及び金属質材料
JP4972955B2 (ja) 導電性ペースト及びそれを用いたプリント配線基板
JP2010044967A (ja) 導電性接着剤およびそれを用いたled基板
JP5750259B2 (ja) 導電性金属ペースト
WO2005015573A1 (ja) 導電性ペースト
JP5011225B2 (ja) 金属製部材用接合剤、金属製部材接合体の製造方法、金属製部材接合体、および電気回路接続用バンプの製造方法
JP5468885B2 (ja) 導電性アルミニウムペースト
JP6587631B2 (ja) 導電性ペースト
JP5988762B2 (ja) 金属被膜の形成方法、スルーホール用導電性被膜の形成方法及び電子部品の固定方法
JP2013149618A (ja) ポリマー厚膜はんだ合金導体組成物
JP3879749B2 (ja) 導電粉及びその製造方法
JP2011243544A (ja) 金属微粒子、導電性金属ペースト、および金属膜
JP5252344B2 (ja) 金属ナノ粒子焼結体厚膜層の形成方法
JP4106447B2 (ja) 導電性金ペーストを用いた無電解金メッキ代替導電性金皮膜の形成方法
JP6197504B2 (ja) 導電性ペーストおよび導電膜付き基材
WO2019142633A1 (ja) 接合用組成物
KR100784762B1 (ko) 도전성 금속 페이스트
JP2013062184A (ja) 導電性組成物及び導電膜

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140530

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150803

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20150803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5988762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250