JP2014034707A - 中空部を有する金属粉末焼結体の製造方法 - Google Patents

中空部を有する金属粉末焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造過程で発生するクラックや膨れを防止し、しかも射出形成後の中子の除去が容易な金属粉末焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】金型13と中子12により形成されたキャビティを用いて金属粉末コンパウンドを射出成形し、得られた成形体14から中子12を除去し、成形体14を脱脂、焼結することより中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体を製造する方法において、中子12が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを所定の割合で添加した水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラーを所定の割合で添加した非水溶性樹脂から構成され、上記中子の除去が水を用いて成形体14内部の中子12の一部又は全部を溶出することにより行われることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複雑な形状の中空部を有する金属部品を、特殊な機械加工を施すことなく、射出成形により行う金属粉末焼結体の製造方法に関する。更に詳しくは、中空部を有する金属粉末焼結体の製造方法であって、成形体に発生するクラックや膨れを防止し、しかも射出形成後、容易に中子を除去することができる金属粉末焼結体の製造方法に関するものである。
配管用のバルブや、ニア・ネット・シェイプ化された金属部品は、アンダーカット等の複雑な形状を有し、これらの金属部品の製造には、一般に、特殊な機械加工等を施す方法や、金属粉末射出成形法が広く利用されている。射出成形法は、主にプラスチック製品の分野において利用されていたものであるが、様々な改良を経ることにより、近年では、金属部品の製造分野においても広く普及している。一般的に、この金属粉末射出成形法では、焼結可能な金属粉末に流動性を持たせるための種々の有機化合物及び熱可塑性樹脂等(バインダ)を添加、混練して調製された混練物(金属粉末コンパウンド)が用いられる。そして、ペレタイザーを用いて、この金属コンパウンドを造粒し、射出成形機及び金型を用いてペレットを射出成形した後、得られた成形体を脱脂、焼結することにより行われる。
例えば、射出成形法によって、アンダーカット等の複雑な形状を有する部品、或いは曲管等の内部に複雑な形状の中空部を有する部品を製造する場合には、いくつかのパーツに分割して部分的に成形体を形成し、得られたパーツを別の金型にセットした後、接合部を成形する、“ダイスライドインジェクション法”という方法が採られる(例えば、特許文献1参照。)。ダイスライドインジェクション法は、金属粉末射出成形法に応用可能であるが、この方法では射出成形の際、パーツごとに複数の金型を用意しなければならないため、生産性が悪く、また接合時に未接合箇所が生じる、或いは接合箇所の強度が劣る等の問題があった。
このような問題を解消するため、射出成形の際に、中空部又はアンダーカット部の形状に沿って形成された中子を用いる方法が広く利用されている。中子を利用する方法としては、従来、熱可塑性樹脂で中子を成形し、この中子を金型内に配置した後、金属粉末コンパウンドを射出成形する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。一般的に、中子を使用する方法では、通常、金型を用いて所望の形状を有する成形体を形成する成型工程、成形体から中子を取り除く中子の除去工程、成形体からバインダ等を脱脂する脱脂工程、脱脂体の密度を高める焼結工程からなる。この特許文献2に示された方法では、熱可塑性樹脂で形成された中子を用いることにより、加熱による脱脂工程、及びその後の焼結工程において中子を分解除去できるため、容易に中空状の焼結体を製造できるとされている。
また、セラミック粉末とバインダからなるコンパウンドを用い、このコンパウンドと同じ材料を用いて成形された中子を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法では、成形された中子を加熱脱脂してバインダを60〜90%脱脂し、この脱脂された中子と金型を用いて射出成形を行い、中空の焼結体を得ている。このように、予め加熱脱脂によりバインダが除去された中子を用いることにより、この特許文献3に示された方法では、中子から発生するガスに起因する工程内不良の削減が実現できるとされている。
また、ポリアセタール系樹脂のような、酸触媒下で分解しやすい樹脂を用いて中子を射出成形し、ポリアセタール系樹脂を含む有機化合物(酸触媒分解用バインダ)と金属或いはセラミック粉末からなるコンパウンド(酸触媒分解用コンパウンド)を調製後、中子を設置した金型へ酸触媒分解用コンパウンドを射出成形し、成形体に含まれるバインダと中子を酸触媒雰囲気下で脱脂することにより中空脱脂体を得る方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平5−42559号公報 特開平3−72004号公報 特開平6−305821号公報 特開平11−092803号公報
しかしながら、上記従来の特許文献2,4に示された方法では、中子と金属粉体コンパウンドの間で熱膨張率に差が生じ、膨張した中子によって成形体にクラックが生じることがある。また、中子から発生したガスにより、成形体に膨れやクラックが生じる等の問題があった。
一方、特許文献3に示された方法では、上述のような、クラックや膨れといった問題は解消されるものの、中子自体の強度が低く、射出成形工程において中子自体が破損してしまうという問題がある。
本発明の目的は、金属粉末射出成形法を用いて複雑な中空形状又はアンダーカット形状を有する金属焼結部品の製造方法であって、成形体に発生するクラックや膨れを防止し、しかも射出形成後、容易に中子を除去することができる製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、製造する金属粉末焼結体の中空部又はアンダーカット部に対応する形状を有する中子を金属粉末焼結体の外形に対応する形状を有する金型の内部に配置し、金型と中子により形成されたキャビティを用いて金属粉末コンパウンドを射出成形し、射出成形で得られた成形体を中子とともに金型から取り外し、中子を成形体より除去した後、成形体を脱脂し、焼結することにより、中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体を製造する方法において、上記中子が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成され、上記中子が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるとき、上記水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと上記水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=0:100〜70:30であり、上記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成されるとき、上記水溶性フィラーと上記非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=50:50〜70:30であり、上記中子の除去が水を用いて上記成形体内部の中子の一部又は全部を溶出することにより行われることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に上記水溶性樹脂がポリビニルアルコール系又はポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸系の水溶性樹脂であり、上記非水溶性樹脂がポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂又はポリアセタール系樹脂であり、上記水溶性フィラーが無機塩化物又は硫酸塩の粉末であり、上記非水溶性フィラーがセラミックス、プラスチック又は金属の粉末であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に上記中子が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成され、上記水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと上記水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=10:90〜30:70であるか、又は上記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成され、上記水溶性フィラーと上記非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=60:40〜70:30であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の製造方法は、製造する金属粉末焼結体の中空部又はアンダーカット部に対応する形状を有する中子を金属粉末焼結体の外形に対応する形状を有する金型の内部に配置し、金型と中子により形成されたキャビティに金属粉末コンパウンドを注入して射出成形し、射出成形で得られた成形体を中子とともに金型から取り外し、中子を成形体より除去した後、成形体を脱脂し、焼結することにより、中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体を製造する。上記中子は水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成される。そして、上記中子が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるとき、上記水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと上記水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=0:100〜70:30である。また、上記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成されるとき、上記水溶性フィラーと非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=50:50〜70:30である。成形体内部の中子を構成する水溶性フィラー及び水溶性樹脂は、水によって溶出するため、中子の除去は中子を含む成形体を水に浸漬するといった簡便な方法により行うことができる。また、非水溶性フィラーを含む場合、非水溶性フィラー自体は水には溶出しないものの、所定の割合で含まれ、中子の一部を構成する上記水溶性樹脂が水によって溶出する。これにより、中子の一部の形状が崩れるため、浸漬後の水洗により成形体内部から簡単に除去することができる。また、本発明の製造方法で用いられる中子は、熱分解する成分を使用するものではなく、中子の除去工程において加熱を伴うものではない。そのため、中子を除去する際に、熱分解に起因する急激な体積変化が起こらず、成形体に発生しやすいクラックや膨れを防止することができる。
また、上記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成されるとき、上記水溶性フィラーと非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=50:50〜70:30である。非水溶性樹脂自体は水には溶出しないものの、所定の割合で含まれ、中子の一部を構成する上記水溶性フィラーが水によって溶出する。浸漬後、中子の成分は非水溶性樹脂のみとなり、水溶性フィラーが存在していた部分には空孔が生じるため、浸漬後の中子は一定以上の気孔率を有する。そのため、このまま成形体の脱脂を行っても、非水溶性樹脂の相転位や熱分解に起因するガスが気孔を通じて炉内へ排出される。このため、脱脂工程において、成形体に発生しやすいクラックや膨れを防止することができる。
射出成形により中子を得る際の金型、及び中子の状態を示す模式図である。 射出成形により金属コンパウンドの成形体を得る際の金型、中子及び成形体の状態を示す模式図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体の製造方法では、図1に示すように、先ず、中空部の形状又はアンダーカット部の形状を有する金型11及び中子用コンパウンドを用いて、中子12を射出成形法により成形する。金型11は基本的に2面に分割し、成形体を取り出すことが可能になっている。形状付与のため必要であればスライドコア等を追加してもよい。次に、図2に示すように、金型13に中子12を設置する。金型13は金型11と同様に2面に分割可能となっており、形状付与のため必要であればスライドコア等を追加してもよい。キャビティは目的とする中空形状又はアンダーカット形状を有する金属粉末焼結体の外形に対応した凹状の形状を有しており、中子12を設置することで、目的のアンダーカット形状又は中空形状を有する金属粉末焼結体と同じ形状のキャビティとなる。次に、中子12を設置した金型13を用いて金属粉末コンパウンドを射出成形し、中子12を含む成形体14を得る。金型11及び金型13には、プラスチック製の成形体を得る際に用いられる一般的な金型と同じ材質のものを用いることができ、材質等は特に限定されない。金型11及び金型13には金属粉末コンパウンドを注入するための図示しない注入口、ランナーが設けられている。
中子12は、金属粉末焼結体の中空部又はアンダーカット部に対応する形状を有するものである。本発明の製造方法において、この中子12は、水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成される。中子12が、これらの水溶性樹脂等から構成されるため、射出成形後の中子の除去工程において、水に浸漬するだけで容易に中子を抽出して除去することができる、或いは後工程で除去可能な状態にすることができる。また、本発明の製造方法では、中子を水溶性樹脂等から構成することによって、焼結前に中子の全部又はその一部が抽出され、後工程において残りの部分が熱分解されるため、脱脂や焼結の際に成形体にクラックや膨れが発生するのを防止することができる。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸系の水溶性樹脂が挙げられる。また、水溶性フィラーとしては、水に可溶で、融点が中子に用いる樹脂の可塑化温度、射出成形温度より高い無機化合物の粉末が好ましく、KCl、NaCl、K2SO4、Na2SO4等の無機塩化物や硫酸塩等が挙げられる。また、非水溶性フィラーとしては、融点が中子に用いる樹脂の可塑化温度、射出成形温度より高いSiO2、Al23等のセラミックスや、ガラスビーズ、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂が挙げられる。また、非水溶性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂又はポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、中子12が、水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるとき、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと水溶性樹脂との体積比は、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=0:100〜70:30とする。水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを上記所定の割合で含むことにより、水溶性樹脂のみからなる場合に比べて、寸法精度をより向上させる効果が得られる。一方、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーの割合が上限値を越えると、成形不良等の不具合が生じる。このうち、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=10:90〜30:70が好ましい。中子12の形成は、上述のように、上記ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を、図1に示す所望の形状を有する金型11を用いて、射出成形により形成することができる。
次に、図2において、中子12を配置した状態で、分割された金型13同士を突き合わせることによりキャビティを形成し、金型に設けられた図示しない注入口から、金属粉末コンパウンドを注入して射出成形を行う。
金属粉末コンパウンドは、金属粉末と、バインダとの混練物からなり、水による型くずれ等が起こらないものが望ましい。金属粉末としては、特に限定されないが、好ましくは、平均粒径が5〜15μmのカルボニル鉄粉末、カルボニルニッケル粉末、ステンレス鋼粉末又はチタン粉末等が挙げられる。なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折・散乱式測定装置(マイクロトラック MT3000II:NIKKISO製)によって測定された体積基準のメジアン径(D50)である。また、バインダは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド等の高分子や、パラフィン系ワックス、ステアリン酸等の混合物からなる。金属粉末コンパウンドは、上記金属粉末と、ポリプロピレン、ワックス、ステアリン酸等を所定の割合で配合したバインダを、例えば加圧式ニーダや二軸押出機等の混練機を用いて混練することにより得られる。このとき、金属粉末の割合は体積比で、混練物の体積100%に対して、50〜80%の範囲とするのが好ましい。金型に注入された金属粉末コンパウンドは、中子と金型の隙間に充填されて、金型の内形、中子の外形の形状に合わせて型取りされる。注入された金属粉末コンパウンドは、金型の冷却に伴うバインダの硬化により成形される。
次に、成形体14を、中子12とともに金型13から取り外し、中子12を成形体より除去する。中空部を成形するに際して、熱可塑性樹脂のみからなる中子を用いると、中子を脱脂工程で除去する際に、成形体にクラックや膨れが発生する等の不具合が生じることがあるが、本発明において、中子は上述の水溶性樹脂等から構成されるため、このような不具合は発生せず、しかも水に所定の時間、浸漬するだけで容易に中子を抽出して除去できる。そのため、量産性や製造コストの面において非常に優れる。中子の除去は、具体的には、成形体を水に浸漬させた状態で、水を撹拌することによって行われる。
最後に、中子12が除去された成形体14を脱脂し、焼結する。脱脂は、例えば炉内雰囲気を、大気雰囲気、減圧雰囲気、真空雰囲気、N2、Ar等の不活性ガス雰囲気に設定した状態の脱脂炉内に射出成形体を投入し、有機物が加熱分解される温度以上の温度、例えば250〜500℃で加熱することにより行われる。これにより、成形体に含まれるバインダや、中子に含まれる、一定以上の気孔率有する非水溶性樹脂が熱分解され、成形体から有機物が脱脂される。
焼結は、得られた脱脂体の鋼種又は粉末の粒度に応じて最適化した焼結温度、雰囲気及び処理時間で行う。例えば、不活性ガス雰囲気、真空雰囲気等に設定した炉内において、所定の速度で昇温、加熱することにより行われる。これにより、脱脂体に含まれる金属粉末同士が焼結反応し、密度が一定以上に向上した金属粉末焼結体を得ることができる。
以上、本発明の中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体の製造方法では、中子を上記水溶性樹脂等から構成することで、水に浸漬するという容易な方法により中子を抽出除去することができ、クラックや膨れ等を発生させることなく所望の中空形状又はアンダーカット形状を有する金属粉末焼結体を得ることができる。
本発明の金属粉末焼結体の製造方法は、複雑な形状の中空部又はアンダーカット部を有する金属部品の製造等に利用できる。
11 金型
12 中子
13 金型
14 成形体

Claims (3)

  1. 製造する金属粉末焼結体の中空部又はアンダーカット部に対応する形状を有する中子を前記金属粉末焼結体の外形に対応する形状を有する金型の内部に配置し、前記金型と前記中子により形成されたキャビティを用いて金属粉末コンパウンドを射出成形し、前記射出成形で得られた成形体を前記中子とともに前記金型から取り外し、前記中子を前記成形体より除去した後、前記成形体を脱脂し、焼結することにより、中空部又はアンダーカット部を有する金属粉末焼結体を製造する方法において、
    前記中子が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成され、
    前記中子が水溶性樹脂から構成されるか、水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成されるとき、前記水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと前記水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=0:100〜70:30であり、
    前記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成されるとき、前記水溶性フィラーと前記非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=50:50〜70:30であり、
    前記中子の除去が、水を用いて前記成形体内部の中子の一部又は全部を溶出することにより行われること
    を特徴とする金属粉末焼結体の製造方法。
  2. 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコール系又はポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸系の水溶性樹脂であり、前記非水溶性樹脂がポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂又はポリアセタール系樹脂であり、前記水溶性フィラーが無機塩化物、硫酸塩又は炭酸塩の粉末であり、前記非水溶性フィラーがセラミックス、プラスチック又は金属の粉末である請求項1記載の金属粉末焼結体の製造方法。
  3. 前記中子が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーを添加した水溶性樹脂から構成され、前記水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラーと前記水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー若しくは非水溶性フィラー:水溶性樹脂=10:90〜30:70であるか、又は前記中子が水溶性フィラーを添加した非水溶性樹脂から構成され、前記水溶性フィラーと前記非水溶性樹脂との体積比が水溶性フィラー:非水溶性樹脂=60:40〜70:30である請求項1記載の金属粉末焼結体の製造方法。
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