JP6406072B2 - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波又は近赤外線を照射してセラミックス成形体を製造する方法に関する。
セラミックス成形体の製造方法としては、金型プレス成形法、ラバープレス法、スリップキャスト法、又は、射出成形法等が知られている。しかし、金型プレス成形法、ラバープレス法、及び、スリップキャスト法では、複雑な形状を有する成形体の製造が難しく、また、アンダーカット形状を有する成形体を製造できない。
射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合には、まず、セラミックス原料の粉末と熱可塑性樹脂、滑剤又は可塑剤等の有機材料とを加熱しながら混練し、ペレット状の射出成形用原料を得る。得られたペレット状の射出成形用原料を射出成形機に供給し、加熱する。これにより、上記原料に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する。この原料をキャビティに注入した後にその金型を冷却し、固化された成形体を金型から取り出す。取り出された成形体に対して脱脂工程と焼成工程とを行うと、セラミックス成形体が得られる。このように、射出成形法では、金型を用いてセラミックス成形体を製造するので、複雑な形状を有するセラミックス成形体を製造でき、また、アンダーカット形状を有するセラミックス成形体を製造できる。
また、熱可塑性樹脂からなる成形体の製造方法として、特許文献1(特開2009−241455号公報)に記載の方法が知られている。特許文献1には、ゴム型のキャビティに熱可塑性樹脂(粒子状態)を投入し、ゴム型を介してキャビティ内における熱可塑性樹脂(粒子状態)に電磁波を照射してその熱可塑性樹脂を溶融させ、その後、キャビティにおいて残された空間に熱可塑性樹脂(溶融状態)を所定の射出圧で充填することが記載されている。
特開2009−241455号公報
射出成形法では、金型の作製が必須となる。そのため、金型の作製にコスト及び時間がかかった場合には、結果的に、セラミックス成形体を製造できるようになるまでにコスト及び時間がかかることになる。また、射出成形法では、溶融した樹脂が金型内で冷えて固まるときに収縮し、セラミックス成形体が脱脂工程及び焼成工程においてさらに大きく収縮する。上記3度に亘る収縮によってセラミックス成形体の仕上がり形状が小さくなるので、セラミックス成形体の寸法精度が悪くなり易い。その上、射出成形法では、樹脂の流れの影響によるウエルドラインがセラミックス成形体に形成されるので、セラミックス成形体の外観品質が低下するとともに、脱脂後及び焼成後の製品強度が低下するおそれがある。
また、特許文献1には、熱可塑性樹脂からなる成形体を製造する方法が記載されているものの、セラミックス成形体を製造する方法については明らかにされていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされ、外観品質に優れたセラミックス成形体を短時間、低コスト且つ寸法精度良く製造可能な方法の提供を目的とする。
本発明のセラミックス成形体の製造方法は、第1型と第2型とを有し、且つ、第1型と第2型とを対向させることにより第1型と第2型との間にキャビティが形成される成形用型を準備する工程と、キャビティに、セラミックス原料を主成分として含むセラミックス素材を供給する工程と、キャビティ内を真空引きする工程と、キャビティ内を真空引きしながら、セラミックス素材が供給された成形用型にマイクロ波又は近赤外線を照射する工程と、マイクロ波又は近赤外線の照射により得られたセラミックス成形体の前駆体を成形用型から取り出した後、セラミックス成形体の前駆体に対して脱脂及び焼成を順に行いセラミックス成形体を得る工程とを備える。第1型と第2型とでは、少なくともキャビティを規定する面がゴム材料からなる。
「セラミックス原料を主成分として含むセラミックス素材」は、セラミックス素材がセラミックス原料を70質量%以上含むことを意味する。
「マイクロ波」は、1cm以上1m以下のピーク波長を有する電磁波を意味する。「近赤外線」は、0.7μm以上2.5μm以下のピーク波長を有する電磁波を意味する。
セラミックス成形体の前駆体を30℃以下に冷却した後に成形用型から取り出すことが好ましい。
第1型及び第2型のうちの少なくとも1つは、ゴム材料からなる弾性部と、弾性部に接続され、ゴム材料よりも高い耐熱性を有する材料からなる補強部とを有することが好ましい。第1型及び第2型のうちの少なくとも1つは、割り型であっても良い。「第1型及び第2型のうちの少なくとも1つは、割り型である」とは、第1型及び第2型のうちの少なくとも1つが2つ以上に分割されるように形成されていることを意味する。好ましくは、セラミックス成形体の前駆体を成形用型から取り出し易いように、第1型及び第2型のうちの少なくとも1つが2つ以上に分割されるように形成されている。
セラミックス原料は、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、イットリア、ジルコン、ムライト、フォルステライト、コージライト、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、普通磁器材料、β−スポジュメン、ジルコンコージライト及びフェライトのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
「セラミックス成形体の寸法精度が良い」又は「セラミックス成形体の寸法精度が高い」は、脱脂前及び焼成前のセラミックス成形体の各部の寸法と焼成後のセラミックス成形体の各部の寸法との差が小さいことを意味する。
本発明のセラミックス成形体の製造方法では、外観品質に優れたセラミックス成形体を短時間、低コスト且つ寸法精度良く製造できる。
本発明の一実施形態のセラミックス成形体の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態のセラミックス成形体の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態のセラミックス成形体の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態のセラミックス成形体の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態のセラミックス成形体の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態で製造されたセラミックス成形体の断面図である。 本発明の一実施形態で製造されたセラミックス成形体の斜視図である。 本発明の一実施形態で用いる成形用型の断面図である。 本発明の一実施形態で用いる成形用型の断面図である。 本発明の一実施形態で用いる成形用型の断面図である。
以下、本発明について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態のセラミックス成形体の製造方法を示すフロー図である。図2〜図5は、本実施形態のセラミックス成形体の製造方法を工程順に示す断面図である。図6及び図7は、それぞれ、製造されたセラミックス成形体の断面図および斜視図である。本実施形態では、成形用型の準備工程S101と、セラミックス素材の供給工程S102と、真空引き工程S103と、マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104と、離型工程S105と、脱脂工程S106と、焼成工程S107とを順に行って、例えば図6及び図7に示すセラミックス成形体70を得る。
(成形用型の準備)
成形用型の準備工程S101では、セラミックス成形体70の製造に使用する型(成形用型)10を準備する(図2)。成形用型10は、第1型20と第2型30とを有する。第1型20は、第1成形面(第1型のうちキャビティを規定する面)20Aと、第1成形面20Aから第1型20の外方へ向かって延びる第1接触面20Bとを含む。第2型30は、第2成形面(第2型のうちキャビティを規定する面)30Aと、第2成形面30Aから第2型30の外方へ向かって延びる第2接触面30Bとを含む。第1成形面20Aと第2成形面30Aとを対向させ、第1接触面20Bと第2接触面30Bとを接触させると、第1成形面20Aと第2成形面30Aとで規定されたキャビティ40が形成される。キャビティ40は、セラミックス成形体の前駆体(以下では単に「前駆体」と記す)60(図5参照)を形成するための空間を意味する。
成形用型10は、ゴム材料からなる。ゴム材料には、マイクロ波及び近赤外線を透過させる材料であってセラミックス素材50(図3参照)に含まれる樹脂が溶融する温度において溶融しない材料(第1ゴム材料)が含まれる。第1ゴム材料は、好ましくは60%以上のマイクロ波及び近赤外線の透過率を有し、より好ましくは300℃でも溶融しない材料である。第1ゴム材料の一例としてはシリコーンゴムが挙げられる。
ゴム材料には、マイクロ波及び近赤外線のうちの少なくとも1つを吸収する材料(第2ゴム材料)がさらに含まれる。この場合には、マイクロ波または近赤外線の照射によって成形用型10の温度が上昇し、成形用型10の温度上昇によってキャビティ40内の温度が上昇する。そして、キャビティ40内の温度が、キャビティ40に供給されているセラミックス素材50に含まれる樹脂が溶融する温度に到達すると、その樹脂が溶融する。このようにして前駆体60が得られる。第2ゴム材料の一例としては、カーボンブラック、SiC、または、MgCu系フェライト粉が添加されたシリコーンゴムが挙げられる。
成形用型10がゴム材料(ゴム材料には上記第1ゴム材料と上記第2ゴム材料とが含まれる。以下同様である)からなるので、次に示す方法にしたがって成形用型10を製造できる。例えば、セラミックス成形体70の3次元CAD(computer aided design)データを用いて成形用型10を製造できる。また、光造形又は切削加工等によってセラミックス成形体70のマスターモデルを製造し、そのマスターモデルを用いて転写成形によって成形用型10を製造しても良い。これにより、射出成形法で用いる金型に比べて、短時間且つ低コストで成形用型10を作製できる。よって、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合に比べて、セラミックス成形体70を製造できるようになるまでにかかる時間及びコストを削減できる。したがって、セラミックス成形体70を含む商品の設計及び開発の効率を高めることができる。このような効果は、複雑な形状又はアンダーカット形状71(図6および図7参照)を有するセラミックス成形体70を製造する場合に顕著となる。
なお、転写成形によって成形用型10を製造する場合には、マスターモデルの切削加工面に対して鏡面仕上げを行うと、成形用型10の表面を鏡面にすることができる。一方、マスターモデルの表面に対してブラスト処理を行えば、成形用型10の表面をブラスト面にすることができる。
複雑な形状を有するセラミックス成形体を製造する場合、その製造に用いる成形用型の形状も複雑となる。そのため、かかる成形体を射出成形法で製造しようとすると、複雑な形状の金型を作製しなければならず、よって、金型の作製に多大な時間及びコストがかかる。しかし、本実施形態では、上述の方法にしたがって成形用型10を製造できる。そのため、成形用型10が複雑な形状を有する場合であっても、その成形用型10の作製に要する時間及びコストを大幅に縮小できる。よって、複雑な形状を有するセラミックス成形体を射出成形法で製造する場合に比べて、かかる成形体70を製造できるようになるまでにかかる時間及びコストを削減できる。
アンダーカット形状を有するセラミックス成形体を射出成形法で製造する場合、上型と下型と1つ以上のサイドコア(アンダーカット形状を形成するための型)とからなる金型を準備する必要がある。しかし、成形用型10は、上記ゴム材料からなるので、弾性に優れる。そのため、成形用型10を変形させることによって、アンダーカット形状を有する前駆体60をその成形用型10から取り外すことができる。よって、サイドコアを用いることなくアンダーカット形状71を有するセラミックス成形体70を製造できるので、サイドコアを作製する手間を省くことができる。したがって、アンダーカット形状を有するセラミックス成形体を射出成形法で製造する場合に比べて、かかる成形体70を製造できるようになるまでにかかる時間及びコストを削減できる。
成形用型10を変形させて前駆体60をその成形用型10から取り外すときにその前駆体60が壊れやすい場合には、図8に示す成形用型を用いることが好ましい。図8は、本実施形態で用いる別の成形用型の断面図である。第1型20は、割り型であって、第1型本体120と樹脂型130とを含む。樹脂型130は、ポリテトラフルオロエチレンなどの高耐熱性樹脂からなることが好ましく、第1型本体120に形成された凹部121に収容可能な結合ピン131を含むことがより好ましい。ここで、ポリテトラフルオロエチレンはマイクロ波を透過させる材料である。第1型本体120がマイクロ波を吸収するシリコーンゴムからなる場合には、樹脂型130の材料として、ポリテトラフルオロエチレンにカーボンブラック、SiCまたはMgCu系フェライト粉などが添加された材料を用いることが好ましい。これにより、第1型本体120と樹脂型130とで温度上昇をあわせることができ、よって、セラミックス成形体70の成形性が安定する。
図8に示す成形用型10を用いて前駆体60を成形した場合には、樹脂型130を変形させながら結合ピン131を凹部121から取り出した後に前駆体60を取り出すことができる。よって、離型時における前駆体60の破壊をさらに防止できる。それだけでなく、アンダーカット形状を有するセラミックス成形体を射出成形法で製造する場合に比べて、かかる成形体70を製造できるようになるまでにかかる時間及びコストを削減できる。
なお、第1型20および第2型30のうちの少なくとも1つが割り型であれば、離型時における前駆体60の破壊をさらに防止できるという効果が得られる。
(セラミックス素材の供給)
セラミックス素材の供給工程S102では、キャビティ40にセラミックス素材50を供給する。具体的には、まず、セラミックス素材50を第1成形面20Aに供給する。次に、第2成形面30Aが第1成形面20Aに対向するように、且つ、第2接触面30Bが第1接触面20Bに接触するように、第2型30を第1型20に近づける(図3)。
セラミックス素材50は、セラミックス原料を主成分として含み、樹脂をバインダーとして更に含み、例えば粒状部材である。セラミックス成形体を射出成形法で製造する場合、用いる原料には高い流動性が要求されるので、その原料に滑剤(例えばワックス)等を添加する必要がある。そのため、原料における有機材料(例えば熱可塑性樹脂、滑剤又は可塑剤等)の含有量を少なく抑えることが難しい。
しかし、本実施形態では、セラミックス素材50をキャビティ40に供給したうえで、マイクロ波又は近赤外線を照射してセラミックス成形体70を製造する(マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104)。そのため、セラミックス素材50には高い流動性(射出成形用原料に要求される高い流動性)が要求されないので、セラミックス素材50における上記有機材料の含有量を少なく抑えることができる。例えば、セラミックス素材50におけるセラミックス原料の含有量を、好ましくは70質量%以上とでき、より好ましくは80質量%以上95質量%以下とできる。これにより、脱脂工程S106において、熱処理温度を低くでき、熱処理時間を短縮でき、前駆体60(図5参照)の収縮量を小さく抑えることができる(後述)。
セラミックス素材50は、ペレット状に成形されたものが粉砕されたものであっても良いし、セラミックス原料の粉末と樹脂の粉末とを混合したもの(混合粉)であっても良いが、混合粉であることが好ましい。セラミックス素材50が混合粉であれば、原料をペレット状に成形するという工程を経ることなくセラミックス素材50を調製できるので、セラミックス素材50の調製時間を短縮できる。よって、セラミックス成形体70を更に短時間で製造できる。
ペレット状に成形されたものが粉砕されたものとしては、例えば、ペレット状の射出成形用原料が粉砕されたものを用いることができる。射出成形用原料は、例えば、80質量%以上95質量%以下のセラミックス原料を含み、可塑性樹脂と滑剤と可塑剤とを合計で5質量%以上20質量%以下含む。セラミックス素材50の取り扱いの容易性という観点では、セラミックス素材50の最大長の平均値は、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以上1mm以下である。一般に、ペレット状の射出成形用原料の最大長の平均値は1.5mmよりも大きい。そのため、ペレット状の射出成形用原料を粉砕してセラミックス素材50を調製することが好ましい。しかし、ペレット状の射出成形用原料の最大長の平均値が上記範囲内である場合には、ペレット状の射出成形用原料を粉砕することなくセラミックス素材50として用いることができる。例えば粒度分布画像解析装置を用いてセラミックス素材50の最大長を測定できる。
セラミックス素材50として上記混合粉を用いる場合においても、セラミックス原料の粉末の最大長の平均値及び樹脂の粉末の最大長の平均値は、それぞれ、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以上1mm以下である。例えば粒度分布画像解析装置を用いてセラミックス原料の粉末の最大長及び樹脂の粉末の最大長を測定できる。
セラミックス素材50中のセラミックス原料は、従来公知のセラミックス原料であれば限定されないが、好ましくは金属原子と酸素原子とを含む化合物である。セラミックス原料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、イットリア、ジルコン、ムライト、フォルステライト、コージライト、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、普通磁器材料、β−スポジュメン、ジルコンコージライト又はフェライト等を用いることができ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
セラミックス素材50中の樹脂は、好ましくはマイクロ波又は近赤外線を吸収可能な熱可塑性樹脂であり、より好ましくは成形用型10の材料よりもマイクロ波又は近赤外線の吸収率が高いことである。さらに好ましくは、セラミックス素材50中の樹脂は、60%以上のマイクロ波又は近赤外線の吸収率を有し、更に好ましくは160℃以下の融点を有する。このような樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエチレングリコール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂又はポリスチレン系樹脂等を用いることができ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、このような樹脂としては、重合性二重結合を有する1種の単量体が重合して得られた重合体であっても良いし、重合性二重結合を有する2種以上の単量体が重合して得られた共重合体であっても良い。
セラミックス素材50中の樹脂よりも、成形用型10の材料の方が、マイクロ波又は近赤外線の吸収率が高くても良い。この場合には、マイクロ波又は近赤外線が照射されると、成形用型10の温度が上昇する。そして、成形用型10からセラミックス素材50中の樹脂への熱伝導によって、その樹脂の温度が上昇して溶融する。このようにして前駆体60が得られる。また、セラミックス素材50中の樹脂と成形用型10の材料とにおいてマイクロ波又は近赤外線の吸収率が同等であっても、前駆体60を得ることができる。
セラミックス素材50は、セラミックス素材50の流動性を高めるための材料(例えばワックス)、セラミックス原料と樹脂とを結合するための材料(例えばカップリング剤、バインダー)、及び、セラミックス原料を樹脂に分散させるための材料(例えばカップリング剤)のうちの少なくとも1つを更に含むことがある。
(真空引き)
真空引き工程S103では、キャビティ40内を真空引きする。これにより、キャビティ40の内圧が下がるので、第1接触面20Bと第2接触面30Bとの密着性が高くなる。そして、キャビティ40に残留していたガス、又は、マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104(後述)において発生するガス等を排出することによって、気泡が発生し難い状況でセラミックス成形体70を製造できる。これにより、外観品質に優れ、緻密なセラミックス成形体70を製造できる。
キャビティ40内を真空引きする具体的な方法は限定されない。例えば、真空ポンプから延びるチューブの先端をキャビティ40内に配置した後に真空ポンプを作動させれば、キャビティ40内を真空引きすることができる。
(マイクロ波又は近赤外線の照射)
マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104では、セラミックス素材50が供給された成形用型10にマイクロ波又は近赤外線を照射する(図4)。成形用型10が上記第1ゴム材料からなる場合には、マイクロ波及び近赤外線の殆どは成形用型10を透過する。これにより、マイクロ波又は近赤外線の照射に起因する成形用型10の溶融を防止できる。
成形用型10が上記第1ゴム材料からなる場合には、セラミックス素材50中の樹脂はマイクロ波又は近赤外線を吸収可能な熱可塑性樹脂であることが好ましい。この場合、成形用型10を透過したマイクロ波又は近赤外線は、キャビティ40に設けられたセラミックス素材50中の樹脂に吸収される。これにより、セラミックス素材50中の樹脂の温度が上昇し、その結果、その樹脂が溶融する。そして、溶融樹脂(以下では、セラミックス素材50中の樹脂が溶融したものを「溶融樹脂」と記す)が第1成形面20Aと第2成形面30Aとで規定される形状に成形される。溶融樹脂の温度がその樹脂の融点(その樹脂が溶融する温度)よりも低くなると、溶融樹脂が固化され、よって、前駆体60が得られる。このようにして前駆体60が得られるので(図5)、セラミックス成形体70にウエルドラインが形成されることを防止できる。したがって、外観品質に優れたセラミックス成形体70を製造できる。
成形用型10にマイクロ波又は近赤外線を照射すると、キャビティ40に設けられたセラミックス素材50中の樹脂の温度が上昇するので、成形用型10の温度が上昇することがある。しかし、成形用型10は上記ゴム材料からなる。このゴム材料としては、成形用型10の温度がセラミックス素材50中の樹脂の融点程度にまで上昇しても成形用型10の溶融を防止できるものを用いる。
キャビティ40内を真空引きしながら、マイクロ波又は近赤外線を照射することが好ましい。これにより、溶融樹脂に気泡が混入することを防止できるので、外観品質により一層優れたセラミックス成形体70を製造できる。
セラミックス素材50中の樹脂の材料の特性(融点、吸収ピーク波長)に応じて、マイクロ波又は近赤外線の照射条件(ピーク波長又は照射時間等)を設定することが好ましい。例えば、セラミックス素材50中の樹脂の温度が120℃程度となるように、マイクロ波又は近赤外線の照射条件を設定することが好ましい。成形用型10にマイクロ波を照射する場合には、マイクロ波発生装置(例えばマイクロ波オーブン)を用いることが好ましい。成形用型10に近赤外線を照射する場合には、近赤外線発生装置(例えばハロゲンヒーター)を用いることが好ましい。
成形用型10にマイクロ波又は近赤外線を照射すると、キャビティ40においてガスが発生することがある。そのため、マイクロ波発生装置又は近赤外線発生装置には、発生したガスをキャビティ40の外へ排出させるための排出機構が設けられていることが好ましい。これにより、発生したガスが溶融樹脂に混入することを防止できるので、セラミックス成形体70の外観品質を高く維持できる。また、発生したガスによるセラミックス成形体70の変質を防止できる。更に、発生したガスが真空ポンプに吸引されることを防止できるので、真空ポンプの故障を防止できる。
(離型)
離型工程S105では、前駆体60を成形用型10から取り出す。成形用型10をマイクロ波発生装置又は近赤外線発生装置から取り出し、成形用型10の温度が室温程度にまで低下した後、離型を行うことが好ましい。
(脱脂)
脱脂工程S106では、前駆体60から樹脂等の有機材料を取り除く。例えば、前駆体60に対して熱処理を行うことが好ましい。熱処理の条件としては、脱脂工程における熱処理の条件として従来公知な条件を用いることができる。
本実施形態では、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合に比べて、セラミックス素材50における有機材料(例えば樹脂)の含有量を少なく抑えることができる(上述)。有機材料の含有量が少なく抑えられたセラミックス素材50を含む前駆体60に対して脱脂工程S106を行えば、次に示す効果が得られる。
まず、有機材料の含有量の低減に応じて、熱処理時間を短縮できる。これにより、セラミックス成形体70を更に短時間且つ低コストで製造できる。
また、脱脂工程S106では、樹脂等の有機材料が前駆体60から抜けるので前駆体60は収縮するが、その収縮量を小さく抑えることができる。これにより、セラミックス成形体70の寸法精度を高めることができる。
更に、セラミックス素材50の供給工程S102では上記有機材料をキャビティ40内に均一に分布させ易くなるので、脱脂工程S106では上記有機材料が前駆体60の一部分から局所的に抜けることを防止できる。これにより、前駆体60の収縮量は、その前駆体60において均一となる。よって、セラミックス成形体70の寸法精度を高めることができる。
なお、マイクロ波の照射条件を変更して脱脂工程S106を行っても良い。このことは焼成工程S107においても言える。マイクロ波の照射条件を変更して脱脂工程S106又は焼成工程S107を行う場合には、マイクロ波発生装置に、発生するガスをマイクロ波発生装置の外へ排出させるための排出機構が設けられていることが好ましい。
(焼成)
焼成工程S107では、前駆体60を焼成させる。例えば、前駆体60に対して熱処理を行うことが好ましい。熱処理の条件としては、セラミックス原料の焼成条件として従来公知な条件であることが好ましい。このようにして、例えば図6及び図7に示すセラミックス成形体70が得られる。
マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104が終了した後に成形用型10を降温させるとき、キャビティ40に設けられているセラミックス素材50中の樹脂が収縮する。また、脱脂工程S106では、樹脂等の有機材料が前駆体60から取り除かれるので、前駆体60は収縮する。更に、焼成工程S107では、セラミックス原料が緻密な状態となるので、前駆体60は更に収縮してセラミックス成形体70となる。これらのことは、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合にも言える。
一方、マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104では、成形用型10の温度が上昇するので、成形用型10が膨張する。そのため、マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104を終了した時点では、前駆体60の体積は、セラミックス成形体70の設計時の体積よりも大きくなる。このように、本実施形態のセラミックス成形体70の製造方法には、セラミックス成形体70の製造後の体積がセラミックス成形体70の設計時の体積よりも小さくなる要因だけでなく、セラミックス成形体70の製造後の体積がセラミックス成形体70の設計時の体積よりも大きくなる要因も存在する。
例えば、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合、固化による樹脂の収縮率を3%と仮定し、前駆体の収縮率を20%と仮定すると、セラミックス成形体の製造後の体積はセラミックス成形体の設計時の体積の0.776(=(1−0.03)×(1−0.2))倍となる。一方、本実施形態の方法にしたがってセラミックス成形体70を製造する場合、成形用型10の膨張率を5%と仮定し、固化による樹脂の収縮率を1.5%と仮定し、前駆体60の収縮率を10%と仮定すると、セラミックス成形体70の製造後の体積はセラミックス成形体70の設計時の体積の0.931(=(1+0.05)×(1−0.015)×(1−0.1))倍となる。
なお、上記仮定では、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合よりも、本実施形態の方法にしたがってセラミックス成形体70を製造する場合の方が、固化による樹脂の収縮率及び前駆体60の収縮率を低く設定している。その理由は、本実施形態では、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合に比べて、セラミックス素材50における有機材料(例えば樹脂)の含有量を少なくできるからである(上述)。
射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合、一般には、樹脂の収縮又は前駆体の収縮を加味して金型のキャビティの大きさを決定する。具体的には、樹脂の収縮率又は前駆体の収縮率を仮定(又は算出)し、その収縮率を用いてキャビティの大きさを逆算し、その大きさのキャビティが形成されるように金型を作製する。そのため、樹脂の収縮率又は前駆体の収縮率の仮定(算出)を誤ると、セラミックス成形体の寸法精度が著しく低下する。
しかし、本実施形態では、射出成形法でセラミックス成形体を製造する場合に比べて寸法精度が高くなる。そのため、セラミックス成形体70の寸法精度の低下を引き起こすおそれを防止できる。
なお、セラミックス素材50の樹脂の材料が異なると、その材料の収縮率も異なる。そのため、セラミックス素材50中の樹脂の収縮率を用いてキャビティ40の大きさを逆算し、その大きさのキャビティ40が形成されるように成形用型10を作製する場合には、セラミックス素材50の樹脂の材料に合わせてキャビティ40の大きさを決定することが好ましい。
また、射出成形法で用いる金型では、金型のキャビティに充填される材料の量を変更してもセラミックス成形体の寸法を変更することは難しい。しかし、本実施形態で用いる成形用型10は上記ゴム材料からなるので、キャビティ40に充填されるセラミックス素材50の量を多くすればセラミックス成形体70の寸法を大きくすることができる。このように、本実施形態のセラミックス成形体70の製造方法では、同一の成形用型10を用いて寸法が若干異なるセラミックス成形体70を製造可能であり、また、セラミックス成形体70の所望の寸法が若干変わっても成形用型10を作り直すことなくそのセラミックス成形体70を製造できる。
以上説明したように、本実施形態では、外観品質に優れたセラミックス成形体70を短時間、低コスト且つ寸法精度良く製造することができる。本実施形態のセラミックス成形体70の製造方法は、複雑な形状又はアンダーカット形状71を有するセラミックス成形体70の製造方法として特に有用であり、例えばセラミックス製のケーシング部材、人工歯又は人工骨等の製造方法として利用できる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態のセラミックス成形体の製造方法は、マイクロ波又は近赤外線の照射工程S104と離型工程S105との間に、成形用型10を30℃以下に冷却する冷却工程を更に備える。以下では、上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
(冷却)
冷却工程では、前駆体60を成形用型10から取り出す前に、前駆体60が内部に設けられた成形用型10を30℃以下に、好ましくは10℃以下に、冷却する。これにより、有機材料の硬化が進むので、前駆体60の強度が増加する。よって、セラミックス素材50における有機材料の含有量が多い場合であっても、例えば射出成形用原料をセラミックス素材50として用いた場合であっても、離型時における前駆体60の破壊を防止できる。
例えば、前駆体60が内部に設けられた成形用型10を冷蔵庫で一定時間保管すれば、その成形用型10を10℃以下に冷却できる。冷却時の温度は、より好ましくは0℃以上10℃以下であり、更に好ましくは3℃以上8℃以下である。冷蔵庫で保管する時間は、好ましくは10分以上60分以下であり、より好ましくは10分以上30分以下である。また、冷却機構が設けられたマイクロ波発生装置又は近赤外線発生装置を用いてマイクロ波又は近赤外線の照射工程S104を行った場合には、その冷却機構を用いて冷却工程を行っても良い。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態で用いる成形用型の断面図である。以下では、上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
図9に示す成形用型10の第1型20は、上記ゴム材料からなる第1弾性部21と、第1補強部23とを有する。第1弾性部21は、第1成形面(第1型のうちキャビティを規定する面)20A及び第1接触面20Bを含む領域(第1型20と第2型30との対向時に第2型30側に位置する第1型20の部分)に設けられている。第1補強部23は、第1弾性部21に接続(好ましくは接着)され、上記ゴム材料よりも高い耐熱性を有する材料からなる。これにより、上記ゴム材料を含む第1型20の形状を保持し易くなる。
同様に、成形用型10の第2型30は、上記ゴム材料からなる第2弾性部31と、第2補強部33とを有する。第2弾性部31は、第2成形面(第2型のうちキャビティを規定する面)30A及び第2接触面30Bを含む領域(第1型20と第2型30との対向時に第1型20側に位置する第2型30の部分)に設けられている。第2補強部33は、第2弾性部31に接続(好ましくは接着)され、上記ゴム材料よりも高い耐熱性を有する材料からなる。これにより、上記ゴム材料を含む第2型30の形状を保持し易くなる。
ゴム材料よりも高い耐熱性を有する材料は、マイクロ波及び近赤外線を透過させる材料であって上記ゴム材料の融点において溶融しない材料を意味する。この材料は、好ましくは60%以上のマイクロ波及び近赤外線の透過率を有し、より好ましくは1000℃でも溶融しない材料である。この材料の一例としてはセラミックスが挙げられる。
図10に示す成形用型を用いても良い。図10は、本実施形態で用いる別の成形用型の断面図である。図10に示す第1弾性部21は、図9に示す場合よりも広いが、図9に示す場合と同じく第1成形面20A及び第1接触面20Bを含む領域に設けられている。図10に示す第2弾性部31は、図9に示す場合よりも広いが、図9に示す場合と同じく第2成形面30A及び第2接触面30Bを含む領域に設けられている。よって、図10に示す成形用型10を用いた場合であっても、図9に示す成形用型10を用いた場合と同様の効果が得られる。
なお、第1型20と第2型30との組み合わせは特に限定されない。上記第1の実施形態の第1型20と図9又は図10に示す第2型30とを用いてセラミックス成形体70を製造しても良いし、図9に示す第1型20と図10に示す第2型30とを用いてセラミックス成形体70を製造しても良いし、図9又は図10に示す第1型20と図1又は図8に示す第2型30とを用いてセラミックス成形体70を製造しても良い。
以下では本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<実施例1>
(成形用型の準備)
製造されるセラミックス成形体の3次元CADデータを用いて、シリコーンゴムからなる成形用型を作製した。
(セラミックス素材の供給、真空引き)
ロールミルを用いて、80質量部のアルミナ粉末(アルミナの純度が99.9%、直径が0.4〜0.5μmの粒子)と10質量部のバインダー(アルミナ粉末の凝集を防止するための材料、凝集防止剤)とを混練した。これにより、アルミナ粉末の表面をバインダーでコーティングした。
上記ロールミルに10質量部のワックス(得られるセラミックス素材の流動性を高めるための材料)を更に添加し、120℃に加熱しながら0.5時間、混練させた。得られた混練物では、上記アルミナ粉末が均一に分散していた。
0.5mm以下の径を有する円柱状の押し出し機を用いて上記混練物を線状に押し出し、得られた線状材料を冷却した後、切断した。これにより、0.5mm以下の高さを有するマイクロペレット状のセラミックス素材を得た。このマイクロペレット状のセラミックス素材を成形用型のキャビティに供給した後、そのキャビティ内を真空引きした。
(マイクロ波の照射)
キャビティ内を真空引きした状態で成形用型をマイクロ波照射装置(株式会社デーメック製、商品名「マイクロ波成形システム Amolsys M150」)に入れた。下記に示す条件で、成形用型にマイクロ波を照射した。
マイクロ波の中心周波数:2.45GHz
マイクロ波の照射時間:5分。
(離型、脱脂、焼成)
マイクロ波照射装置から成形用型を取り出した。成形用型の温度が室温程度にまで低下したら、成形用型から前駆体を取り出した(離型)。その後、前駆体に対して、500℃で5時間、熱処理を行ってから(脱脂)、1600℃で5時間、熱処理を行った(焼成)。このようにして実施例1のセラミックス成形体を得た。
得られたセラミックス成形体には、ウエルドライン、割れ及びヒビ等は確認されなかった。また、セラミックス成形体の製造後の体積はセラミックス成形体の設計時の体積と同程度であった。
<実施例2>
実施例2では、マイクロペレット状のセラミックス素材の製造方法が異なることを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって、セラミックス成形体を得た。得られたセラミックス成形体には、ウエルドライン、割れ及びヒビ等は確認されなかった。また、セラミックス成形体の製造後の体積はセラミックス成形体の設計時の体積と同程度であった。
本実施例でのマイクロペレット状のセラミックス素材の製造方法は次に示す通りであった。まず、上記実施例1に記載の方法にしたがって、アルミナ粉末とバインダーとワックスとの混練物を得た。次に、3mmの径を有する円柱状の押し出し機を用いて上記混練物を線状に押し出し、得られた線状材料を冷却した後、切断した。これにより、3mmの高さを有するペレット状のセラミックス素材を得た。このペレット状のセラミックス素材を粉砕してマイクロペレット状のセラミックス素材を得た。
<実施例3>
実施例3では、90質量部のアルミナ粉末と5質量部のバインダー(アルミナ粉末の凝集を防止するための材料、凝集防止剤)と5質量部のワックス(得られるセラミックス素材の流動性を高めるための材料)とを混合してセラミックス素材を得たことを除いては上記実施例1に記載の方法にしたがって、セラミックス成形体を得た。本実施例で得られたセラミックス成形体にも、ウエルドライン、割れ及びヒビ等は確認されなかった。また、セラミックス成形体の製造後の体積はセラミックス成形体の設計時の体積と同程度であった。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 成形用型、20 第1型、20A 第1成形面、20B 第1接触面、21 第1弾性部、23 第1補強部、30 第2型、30A 第2成形面、30B 第2接触面、31 第2弾性部、33 第2補強部、40 キャビティ、50 セラミックス素材、60 前駆体、70 セラミックス成形体、71 アンダーカット形状、120 第1型本体、121 凹部、130 樹脂型、131 結合ピン。

Claims (5)

  1. 第1型と第2型とを有し、且つ、前記第1型と前記第2型とを対向させることにより前記第1型と前記第2型との間にキャビティが形成される成形用型を準備する工程と、
    前記キャビティに、セラミックス原料を主成分として含むセラミックス素材を供給する工程と、
    前記キャビティ内を真空引きする工程と、
    前記キャビティ内を真空引きしながら、前記セラミックス素材が供給された成形用型にマイクロ波照射する工程と、
    前記マイクロ波照射により得られたセラミックス成形体の前駆体を前記成形用型から取り出した後、前記セラミックス成形体の前駆体に対して脱脂及び焼成を順に行いセラミックス成形体を得る工程とを備え、
    前記第1型と前記第2型とでは、少なくとも前記キャビティを規定する面がゴム材料からなるセラミックス成形体の製造方法。
  2. 前記セラミックス成形体の前駆体を30℃以下に冷却した後に前記成形用型から取り出す請求項1に記載のセラミックス成形体の製造方法。
  3. 前記第1型及び前記第2型のうちの少なくとも1つは、
    前記ゴム材料からなる弾性部と、
    前記弾性部に接続され、前記ゴム材料よりも高い耐熱性を有する材料からなる補強部とを有する請求項1又は2に記載のセラミックス成形体の製造方法。
  4. 前記第1型及び前記第2型のうちの少なくとも1つは、割り型である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックス成形体の製造方法。
  5. 前記セラミックス原料は、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、イットリア、ジルコン、ムライト、フォルステライト、コージライト、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、普通磁器材料、β−スポジュメン、ジルコンコージライト及びフェライトのうちの少なくとも1つである請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックス成形体の製造方法。
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