JP2014034683A - 肌焼用棒鋼または線材 - Google Patents

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Abstract

【課題】成分コストが低く、被削性に優れ、かつ浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れした場合の曲げ疲労強度とピッチング強度に優れるとともにこれら強度のバラツキが小さく、浸炭部品の素材として好適な、肌焼用棒鋼または線材の提供。
【解決手段】C:0.13〜0.25%、Si:0.02〜0.35%、Mn:0.50〜0.90%、S:0.005〜0.030%、Cr:0.50〜1.60%、Al:0.010〜0.060%及びN:0.0100〜0.0250%を含有するとともに、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のP≦0.030%、Ti≦0.005%、V≦0.005%及びO≦0.0015、かつ、Ti+V≦0.006%であり、更に、長手方向に垂直な断面内における上記各不純物元素の濃度差が、Pで0.005%以下、Tiで0.003%以下、Vで0.003%以下及びOで0.0005%以下である肌焼用棒鋼または線材。この肌焼用棒鋼または線材は、Feの一部に代えて、特定量のCu、Ni、Mo、Nb、Caの内の1種以上を含んでもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、肌焼用棒鋼または線材に関する。詳しくは、成分コストが低く、被削性に優れ、しかも、表面硬化処理である浸炭焼入れまたは浸炭窒化焼入れした場合の曲げ疲労強度およびピッチング強度に優れるとともにこれら強度のバラツキが小さく、自動車用歯車など浸炭または浸炭窒化部品の素材として好適な、肌焼用棒鋼または線材に関する。
自動車部品などの機械部品の多くは、通常、棒鋼または線材を素材として、熱間鍛造または冷間鍛造によって所定の粗形状に成形した後に、切削で歯車などの機械部品に仕上加工し、さらに、浸炭焼入れや浸炭窒化焼入れなどの表面硬化処理を行った後、焼戻しを施すことにより製造される。このため、浸炭または浸炭窒化部品の素材には、良好な被削性が要求される。
「浸炭焼入れ」は、一般に、素材鋼(生地の鋼)として低炭素の「肌焼鋼」を使用し、Ac3点以上の高温のオーステナイト域でCを侵入・拡散させた後、焼入れする表面硬化処理であり、「浸炭窒化焼入れ」は、浸炭と窒化を同時に行った後、焼入れする表面硬化処理である。
近年では、自動車に、軽量化および高トルク化が要求されている。このため、自動車用の浸炭または浸炭窒化部品には、従来よりさらに高い曲げ疲労強度と高いピッチング強度とが求められている。なかでもトランスミッションなどに使用される歯車には、歯元の高い曲げ疲労強度および歯面の高いピッチング強度が求められる。
また、浸炭または浸炭窒化部品において、曲げ疲労強度およびピッチング強度のバラツキの下限が、設計での強度基準の一つとされることがあり、これら強度のバラツキが小さいことも求められる。
本明細書においては、以下「浸炭または浸炭窒化部品」を「浸炭部品」で代表させて説明することがある。
例えば特許文献1および特許文献2に、浸炭部品の強度向上に関する技術が提案されている。
特許文献1に、質量パーセントで、C:0.10〜0.35%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.3〜1.8%、S:0.005〜0.15%、Al:0.02〜0.05%、N:0.005〜0.014%を含有し、更に、Cr:0.4〜1.8%、Mo:0.02〜1.0%、Ni:0.1〜3.5%、V:0.03〜0.5%の1種または2種以上を含有し、P:0.025%以下、Ti:0.01%以下、O:0.0025%以下に各々制限し、残部が鉄および不可避不純物からなり、AlNの析出量を0.005%以下に制限し、ベイナイトの組織分率を30%以下に制限し、熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドの評点が1〜3であることを特徴とする「粗粒化防止特性に優れた肌焼鋼」が開示されている。
特許文献2に、質量比で、C:0.10〜0.30%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.30〜1.50%、Cr:0.30〜2.00%、Al:0.005〜0.050%、Nb:0.01〜0.1%、N:0.0080〜0.0250%、V:0.01%以下を含有し、必要に応じてさらに、Mo:0.80%以下を含み、残部Fe及び不純物元素からなる熱間圧延鋼材を1150〜1350℃に加熱後、鍛造仕上温度が1100〜1300℃となる条件で熱間鍛造して、鋼中に含有するNbがほぼ固溶した状態(析出個数が0.3個/μm2以下)とし、鍛造後620℃〜700℃まで冷却後.その温度で30分〜5時間保持し、室温まで冷却後浸炭処理することを特徴とする「高温浸炭用熱間鍛造部品の製造方法」が開示されている。
特開平11−106866号公報 特開2004−300519号公報
特許文献1には、不純物であるPの鋼中含有量を制限することにより、疲労強度の低下を抑制することについて、また、不純物であるTi、Oの鋼中含有量を制限することにより、熱間圧延後の鋼材の状態でAlNの析出量を制限し、浸炭加熱時のAlNのピン止め作用による結晶粒の粗大化抑制効果を安定して発揮させることについて、開示がある。しかしながら、鋼材断面内の不純物の含有量(以下、含有量を「濃度」ということがある。)差を小さくすることが配慮されていない。そのため、高い曲げ疲労強度およびピッチング強度を安定して確保できないことがある。
特許文献2には、不純物であるVの鋼材中の含有量を0.01%以下に制限し、高温浸炭時の異常粒成長を抑制することについて、開示がある。しかしながら、鋼材断面内の不純物の濃度差を小さくすることが配慮されていない。そのため、高い曲げ疲労強度およびピッチング強度を安定して確保できないことがある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、成分コストが低く、被削性に優れ、しかも、表面硬化処理である浸炭焼入れまたは浸炭窒化焼入れした場合の曲げ疲労強度およびピッチング強度に優れるとともにこれら強度のバラツキが小さく、浸炭部品の素材として好適な、肌焼用棒鋼または線材を提供することである。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、種々の検討を行った。その結果、下記(a)および(b)の知見を得た。
(a)安定して高い曲げ疲労強度と高いピッチング強度を確保し、さらにこれら強度のバラツキを小さくするためには、鋼の成分組成を規定するとともに、不純物濃度を制限することが有効である。
(b)強度バラツキを抑制するには、鋼材断面内、特に鋼材の長手方向に垂直な断面内の不純物濃度のバラツキを制限することが有効である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す肌焼用棒鋼または線材にある。
(1)質量%で、
C:0.13〜0.25%、
Si:0.02〜0.35%、
Mn:0.50〜0.90%、
S:0.005〜0.030%、
Cr:0.50〜1.60%、
Al:0.010〜0.060%および
N:0.0100〜0.0250%、
を含有するとともに、残部はFeおよび不純物からなり、
不純物中のP、Ti、VおよびO(酸素)がそれぞれ、
P:0.030%以下、
Ti:0.005%以下、
V:0.005%以下および
O:0.0015%以下、かつ、
TiとVの合計含有量が、0.006%以下であり、さらに
長手方向に垂直な断面内における上記の各不純物元素の濃度差が、Pで0.005%以下、Tiで0.003%以下、Vで0.003%以下、およびOで0.0005%以下であることを特徴とする、
肌焼用棒鋼または線材。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、
Cu:0.20%以下、
Ni:0.20%以下および
Mo:0.50%以下、
のうちの1種以上を含有することを特徴とする、
上記(1)に記載の肌焼用棒鋼または線材。
(3)Feの一部に代えて、質量%で、
Nb:0.050%以下、
を含有することを特徴とする、
上記(1)または(2)に記載の肌焼用棒鋼または線材。
(4)Feの一部に代えて、質量%で、
Ca:0.0050%以下、
を含有することを特徴とする、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の肌焼用棒鋼または線材。
本発明の肌焼用棒鋼または線材は成分コストが低く、切削性に優れ、良好な加工特性を有する。さらに、本発明の肌焼用棒鋼または線材を素材として得られた浸炭部品は、曲げ疲労強度とピッチング強度に優れ、かつこれらの強度のバラツキが小さい。このため、本発明の肌焼用棒鋼または線材は、軽量化および高トルク化のために高い曲げ疲労強度と高いピッチング強度が要求される自動車用歯車など浸炭または浸炭窒化部品の素材として用いるのに好適である。
棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面が、直径が40mm以上の「円形」である場合に、「長手方向に垂直な断面内における濃度差」を求めるに際して、分析精度を高めるために、切粉とO分析試料とを採取する方法の一例を模式的に説明する図である。この図1において、(a)は棒鋼または線材の幾何学的中心[5]を基準とし、この断面中心[5]を通る線上の両外周側面から3mmの位置である[1]および[9]、ならびに[1]と[9]の間を8等分する位置である[2]〜[8]、の合計9位置からそれぞれ、切粉とO分析試料を採取することを示し、さらに、(b)は任意の断面1において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、切粉を採取し、また、上記断面1から長手方向に100mm以内にある断面2において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、O分析試料を採取することを示す。 棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面が、直径が30mm以上で40mm未満の「円形」である場合に、「長手方向に垂直な断面内における濃度差」を求めるに際して、分析精度を高めるために、切粉とO分析試料とを採取する方法の一例を模式的に説明する図であって、任意の断面1および断面1から長手方向に100mm以内にある断面2において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、切粉を採取し、また、上記断面2から長手方向に100mm以内にある断面3および断面3から長手方向に100mm以内にある断面4において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、O分析試料を採取することを示す。 棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面が、直径が20mm以上で30mm未満の「円形」である場合に、「長手方向に垂直な断面内における濃度差」を求めるに際して、分析精度を高めるために、切粉とO分析試料とを採取する方法の一例を模式的に説明する図であって、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面1〜4において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、切粉を採取し、また、断面4から長手方向に100mm以内にあり、しかも、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面5〜8において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、O分析試料を採取することを示す。 棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面が、直径が10mm以上で20mm未満の「円形」である場合に、「長手方向に垂直な断面内における濃度差」を求めるに際して、分析精度を高めるために、切粉とO分析試料とを採取する方法の一例を模式的に説明する図であって、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面1〜9において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、切粉を採取し、また、断面9から長手方向に100mm以内にあり、しかも、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面10〜18において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、O分析試料を採取することを示す。 実施例で用いた切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片の棒鋼から切り出したままの粗形状を示す図である。図中の寸法の単位は「mm」である。 実施例で用いたローラーピッチング試験用小ローラー試験片の棒鋼から切り出したままの粗形状を示す図である。図中の寸法の単位は「mm」である。 実施例で用いたローラーピッチング試験用大ローラーの棒鋼から切り出したままの粗形状を示す図である。この図7において、(a)は粗形状の大ローラーを中心線で半割りにした場合の正面図で、また(b)は中心線における断面図である。図中の寸法の単位は「mm」である。 実施例において、図5および図6に示す試験片に施した「浸炭焼入れ−焼戻し」のヒートパターンを示す図である。図中のCpはカーボンポテンシャルを表す。 実施例において、図7に示す試験片に施した「浸炭焼入れ−焼戻し」のヒートパターンを示す図である。図中のCpはカーボンポテンシャルを表す。 実施例で用いた切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片の仕上形状を示す図である。図中の寸法の単位は「mm」である。 実施例で用いたローラーピッチング試験用小ローラー試験片の仕上形状を示す図である。図中の寸法の単位は「mm」である。 実施例で用いたローラーピッチング試験用大ローラーの仕上形状を示す図である。この図12において、(a)は大ローラーを中心線で半割りにした場合の正面図で、また(b)は中心線における断面図である。図中の寸法の単位は「mm」である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
C:0.13〜0.25%
Cは、浸炭部品の強度確保のために必須の元素である。この効果を十分得るには、0.13%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cの含有量が多すぎると、硬さの増大により被削性の低下を招く。したがって、Cの含有量を0.13〜0.25%とした。好ましいC含有量の下限は0.15%である。また、好ましいC含有量の上限は0.23%である。
Si:0.02〜0.35%
Siは、焼入れ性を向上させる作用および脱酸作用を有する。これらの効果を十分得るには、0.02%以上のSi含有量が必要である。しかしながら、Siは酸化性の元素であり、その含有量が多過ぎると、浸炭ガス中に含まれる微量のH2OまたはCO2によってSiが選択酸化され、鋼表面にSi酸化物が生成されるため、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入れ層の深さが大きくなる。浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招くおそれがある。したがって、Siの含有量を0.02〜0.35%とした。好ましいSi含有量の下限は0.05%である。また、好ましいSi含有量の上限は0.30%である。
Mn:0.50〜0.90%
Mnは、焼入れ性を向上させる作用および脱酸作用を有する。これらの効果を十分に得るには、0.50%以上のMn含有量が必要である。しかしながら、Mnの含有量が多過ぎると、硬さの増大により被削性の低下を招く恐れがある。また、Siと同様に、Mnは酸化性の元素であるため、その含有量が多過ぎると、鋼表面にMn酸化物が生成されるため、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入れ層の深さが大きくなる。浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招くおそれがある。したがって、Mnの含有量を0.50〜0.90%とした。好ましいMn含有量の下限は0.55%である。また、好ましいMn含有量の上限は0.80%である。
S:0.005〜0.030%
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を向上させる作用を有する。この効果を十分得るには0.005%以上のS含有量が必要である。しかしながら、Sの含有量が多過ぎると、粗大なMnSの形成により、熱間加工性、冷間鍛造性、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招く。したがって、Sの含有量を0.005〜0.030%とした。好ましいS含有量の下限は0.010%である。また、好ましいS含有量の上限は0.025%である。
Cr:0.50〜1.60%
Crは、焼入れ性を向上させる効果を有する。この効果を十分得るには、0.50%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が多過ぎると、硬さの増大による被削性の低下を招くおそれがある。また、SiおよびMnと同様、Crは酸化性の元素であるため、その含有量が多過ぎると、鋼表面にCr酸化物が生成されるため、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入れ層の深さが大きくなる。浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招くおそれがある。したがって、Crの含有量を0.50〜1.60%とした。好ましいCr含有量の下限は0.80%である。また、好ましいCr含有量の上限は1.50%である。
Al:0.010〜0.060%
Alは、脱酸作用を有する。また、Alには、Nと結合してAlNを形成し、結晶粒を微細化して鋼を強化する作用もある。しかしながら、Alの含有量が0.010%未満では、前記の効果を得難い。一方、Alの含有量が過剰になると、硬質で粗大なAl23形成による被削性の低下をきたし、さらに、曲げ疲労強度とピッチング強度も低下する。特に、Alの含有量が0.060%を超えると、被削性、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.010〜0.060%とした。好ましいAl含有量の下限は0.020%である。また、好ましいAl含有量の上限は0.050%である。
N:0.0100〜0.0250%
Nは、窒化物を形成することにより結晶粒を微細化させ、曲げ疲労強度を向上させる効果を有する。この効果を得るには、Nを0.0100%以上含有する必要がある。しかしながら、Nの含有量が過剰になると、粗大な窒化物を形成して靱性の低下を招き、特に、その含有量が0.0250%を超えると、靱性の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.0100〜0.0250%とした。なお、好ましいN含有量の下限は0.0130%である。また、好ましいN含有量の上限は0.0230%である。
本発明の肌焼用棒鋼または線材の一つは、上述のCからNまでの元素を含有し、残部がFeおよび不純物からなるものである。
ここで、「不純物」とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものを指す。
本発明においては、不純物中のP、Ti、VおよびO(酸素)の含有量は、それぞれ、P:0.030%以下、Ti:0.005%以下、V:0.005%以下およびO:0.0015%以下、かつ、TiとVの合計含有量(以下、「Ti+Vの量」という。)は0.006%以下である。さらに、長手方向に垂直な断面内における上記の各不純物元素の濃度差を、Pで0.005%以下、Tiで0.003%以下、Vで0.003%以下、およびOで0.0005%以下に制限する必要がある。
以下、このことについて説明する。
P:0.030%以下
Pは、鋼に含有される不純物であり、結晶粒界に偏析して鋼を脆化させる。特に、その含有量が0.030%を超えると、脆化の程度が著しくなる。したがって、本発明においては、不純物中のPの含有量を0.030%以下とした。より好ましいPの含有量は0.020%以下である。
Ti:0.005%以下
Tiは、Nとの親和性が高いので、鋼中のNと結合して硬質で粗大な非金属介在物であるTiNを形成し、曲げ疲労強度とピッチング強度を低下させ、さらに、被削性も低下させる。したがって、本発明においては、不純物中のTiの含有量を0.005%以下とした。より好ましいTiの含有量は0.004%以下である。
V:0.005%以下
Vは、C、Nと結合することで炭窒化物を形成する。不純物中のV含有量が多いと、粗大なV炭窒化物を形成し高温浸炭での結晶粒粗大化を招く。したがって、本発明においては、不純物中のVの含有量を0.005%以下とした。より好ましいVの含有量は0.004%以下である。
O(酸素):0.0015%以下
O(酸素)は、鋼中のSiやAlと結合して、酸化物を生成する。酸化物のうちでも、特に、Al23は硬質であるため、被削性を低下させ、さらに、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下も招く。したがって、本発明においては、不純物中のOの含有量を0.0015%以下とした。
Ti+Vの量:0.006%以下
不純物中のTiおよびVの個々の含有量を上記の範囲に制限してもTi+Vの量が0.006%を超えると、高い曲げ疲労強度、ピッチング強度や安定した結晶粒粗大化抑制効果が得られない。したがって、本発明においては、Ti+Vの量を0.006%以下とした。より好ましいTi+Vの量は0.005%以下である。
長手方向に垂直な断面内におけるP、Ti、VおよびOの濃度差:P:0.005%以下、Ti:0.003%以下、V:0.003%以下、およびO:0.0005%以下
肌焼用棒鋼または線材は、熱間鍛造または冷間鍛造により所定の粗形状に成形された後に、切削で歯車などの部品に仕上加工され、浸炭焼入れや浸炭窒化焼入れなどの表面硬化処理を行った後、焼戻しを施される。
上記粗形状への成形方法によっては、肌焼用棒鋼または線材の内部が部品表面に位置することとなって、部品表面の不純物含有量が高くなることを避けられず、部品表面での不純物の含有量、特に、P、Ti、VおよびOの含有量が高くなって、曲げ疲労強度やピッチング強度の低下が生じる場合がある。しかしながら、P、Ti、VおよびOの含有量ならびにTi+Vの量を既に述べた範囲に制限したうえで、肌焼用棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面内におけるP、Ti、VおよびOの濃度差を小さくすれば、具体的には、Pで0.005%以下、Tiで0.003%以下、Vで0.003%以下、およびOで0.0005%以下にすれば、たとえ肌焼用棒鋼または線材の内部が部品表面に位置することとなっても、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を抑制し、かつこれらの強度のバラツキも小さくすることができる。上記の長手方向に垂直な断面内におけるP、Ti、VおよびOのより好ましい濃度差は、Pで0.004%以下、Tiで0.002%以下、Vで0.002%以下、およびOで0.0004%以下である。
不純物元素P、Ti、VおよびOの「長手方向に垂直な断面内における濃度差」とは、EPMAなど適宜の分析手段によって調査した各元素の濃度について、最大値から最小値を引いた値を指す。
なお、分析精度を高めるためには、切粉を採取し、その切粉を酸溶解した溶液を用いてICP発光分光分析によってP、TiおよびVを分析するとともに、O分析用として、例えば、直径3mmで長さ50mmの試料を採取し、ヤスリがけにより表面部の酸化スケールを除去し、試料質量が0.5〜1gになるように断面側から試料を切断した後、酸素分析装置によってOを分析することが好ましい。
ここで、本発明に係る棒鋼または線材の長手方向に垂直な断面が「円形」の場合について、「長手方向に垂直な断面内における濃度差」を求めるための上述の切粉とO分析試料とを採取する方法の一例を、棒鋼または線材の寸法を、下記の<a>〜<d>に区分して示す(図1〜4参照)。なお、棒鋼または線材が小径で、図1(a)に示すような、同一の断面において、棒鋼または線材の幾何学的中心[5]を基準とし、この断面中心[5]を通る線上の両外周側面から3mmの位置である[1]および[9]、ならびに[1]と[9]の間を8等分する位置である[2]〜[8]、の合計9位置から切粉を採取できない場合、同様に、同一の断面において、上記[1]〜[9]の合計9位置からO分析試料を採取できない場合には、長手方向での距離が近い異なる断面において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置から、切粉やO分析試料を採取してもよいこととする。
<a>直径が40mm以上の場合
図1(a)に示すような、同一の断面の上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、切粉とO分析試料を採取する。具体的には、図1(b)に示すように、任意の断面1において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmのドリルで切粉を採取し、また、上記断面1から長手方向に100mm以内にある断面2において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmで長さ50mmのO分析試料を採取する。
<b>直径が30mm以上で40mm未満の場合
図2に示すように、任意の断面1および断面1から長手方向に100mm以内にある断面2において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmのドリルで切粉を採取し、また、上記断面2から長手方向に100mm以内にある断面3および断面3から長手方向に100mm以内にある断面4において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmで長さ50mmのO分析試料を採取する。
<c>直径が20mm以上で30mm未満の場合
図3に示すように、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面1〜4において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmのドリルで切粉を採取し、また、断面4から長手方向に100mm以内にあり、しかも、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面5〜8において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmで長さ50mmのO分析試料を採取する。
<d>直径が10mm以上で20mm未満の場合
図4に示すように、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面1〜9において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmのドリルで切粉を採取し、また、断面9から長手方向に100mm以内にあり、しかも、隣り合う断面からそれぞれ長手方向に100mm以内にある断面10〜18において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmで長さ50mmのO分析試料を採取する。
本発明の肌焼用棒鋼または線材の他の一つは、上述のFeの一部に代えて、Cu、Ni、Mo、NbおよびCaから選択される1種以上の元素を含有するものである。
以下、任意元素である上記Cu、Ni、Mo、NbおよびCaの作用効果と、含有量の限定理由について説明する。
Cu、NiおよびMoは、いずれも、焼入れ性を高める作用を有する。このため、上記の効果を得るために、これらの元素を含有させてもよい。以下、上記のCu、NiおよびMoについて説明する。
Cu:0.20%以下
Cuは、焼入れ性を高める作用を有するので、さらなる焼入れ性向上のために含有させてもよい。しかしながら、Cuは高価な元素であるとともに、含有量が多くなると熱間加工性の低下を招く。したがって、含有させる場合のCuの量に上限を設け、0.20%以下とした。含有させる場合のCuの量は、0.15%以下であることが好ましい。
一方、前記したCuの効果を安定して得るためには、含有させる場合のCuの量は0.05%以上であることが好ましい。
Ni:0.20%以下
Niは、焼入れ性を高める作用を有する。Niには、靱性を向上させる作用があり、非酸化性の元素であるため、浸炭時に粒界酸化層の深さを増大させずに鋼表面を強靱化することができる。これらの効果を得るためにNiを含有させてもよい。しかしながら、Niは高価な元素であり、過度の添加は成分コストの上昇につながる。したがって、含有させる場合のNiの量に上限を設け、0.20%以下とした。含有させる場合のNiの量は、0.20%以下であることが好ましい。
一方、前記したNiの特性向上効果を安定して得るためには、含有させる場合のNiの量は0.05%以上であることが好ましい。
Mo:0.50%以下
Moは、焼入れ性を高める作用を有する。また、Moは、非酸化性の元素であるため、浸炭時に粒界酸化層の深さを増大させずに鋼表面を強靱化することができる。このため、Moを含有させてもよい。しかしながら、Moは高価な元素であり、過度の添加は成分コストの上昇につながるばかりか、強度向上の効果が飽和する。したがって、含有させる場合のMoの量に上限を設け、0.50%以下とした。含有させる場合のMoの量は、0.45%以下であることが好ましい。
一方、前記したMoの特性向上効果を安定して得るためには、含有させる場合のMoの量は0.05%以上であることが好ましい。
上記のCu、NiおよびMoは、そのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素の合計含有量は0.90%であってもよいが、0.75%以下であることが好ましい。
Nb:0.080%以下
Nbは、CおよびNと結合して微細な炭化物、窒化物や炭窒化物を形成してオーステナイト結晶粒を微細化し、曲げ疲労強度およびピッチング強度を向上させる効果を有する。このため、さらなる曲げ疲労強度の向上およびピッチング強度の向上のためにNbを含有させてもよい。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると熱間延性が低下し、熱間圧延や熱間鍛造時に表面きずが発生しやすくなる。したがって、含有させる場合のNbの量に上限を設け、0.080%以下とした。含有させる場合のNbの量は、0.060%以下であることが好ましい。
一方、前記したNbの特性向上効果を安定して得るためには、含有させる場合のNbの量は0.005%以上であることが好ましく、0.020%以上であればより好ましい。
Ca:0.0050%以下
Caは、被削性を改善する作用を有する。このため、被削性向上のためにCaを含有させてもよい。しかしながら、過度の添加は成分コストの上昇につながり、特に、Caの含有量が0.0050%を超えると、被削性向上効果が飽和するのでコストが嵩むばかりであって経済性が損なわれる。しかも、Caの含有量が0.0050%を超える場合には、粗大な酸化物を形成して曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下も招く。したがって、含有させる場合のCaの量を0.0050%以下とした。含有させる場合のCaの量は、0.0030%以下であることが好ましい。
一方、前記したCaの被削性改善効果を安定して得るためには、含有させる場合のCaの量は0.0003%以上であることが好ましい。
以下、本発明の肌焼用棒鋼または線材を得るための製造方法の一例を説明する。なお、本発明の肌焼用棒鋼または線材の製造方法は、これに限るものではないことはもちろんである。
(i)本発明で規定する前記の化学組成を有する鋼を周知の方法で溶製し、鋳片を製造する。
鋼を転炉を用いて溶製する場合、脱P、脱酸の処理を十分に施し、二次精錬を二回行なって成分調整する。次いで、垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて、鋳型内で溶鋼を冷却し、鋳込むことで鋳片を製造する。この際、鋳型内で電磁撹拌を行うことにより、未凝固の溶鋼は撹拌され、鋳片内部の組織を等軸晶とし不純物の偏析を分散させることができる。鋳型を出た鋳片は、高速水などでスプレー冷却しながら、かつ、ロールで圧下・矯正しながら引き抜く。ロールの配列ピッチおよびアライメント、ならびにロールによる押し付け力を適正化することにより、不純物の偏析が少ない鋳片が得られる。また、鋳片が均一に冷却されるようにスプレー冷却することで、均一で不純物の偏析が少ない凝固組織の鋳片にすることができる。鋳込み速度、すなわち鋳片を引き抜く速度が速すぎると、鋳片軸方向の最終凝固位置が変動しやすく、内部の不純物の偏析が大きくなるので、鋳込み速度は1m/分以下とすることが好ましい。
(ii)製造された鋳片を分塊圧延し、鋼片を製造する。
鋳片を加熱炉に装入して、加熱温度1200〜1300℃程度、かつ、加熱時間1時間以上の加熱を施してから分塊圧延し、一旦、表面温度が50℃以下になるまで冷却して鋼片を得る。ここでいう「加熱温度」は炉内の平均温度を意味し、「加熱時間」は在炉時間を意味する。
(iii)得られた鋼片を熱間圧延して、棒鋼または線材を製造する。
鋼片は、表面きずをグラインダーなどで除去した後、加熱炉に装入して、加熱温度1100〜1300℃程度、加熱時間30分以上の加熱を施してから熱間圧延して棒鋼または線材を得る。ここでいう「加熱温度」も炉内の平均温度を意味し、「加熱時間」も在炉時間を意味する。
上記熱間圧延は、仕上温度が800〜1200℃で、また、下記の〈1〉式で定義される鋳片からの総減面率RAが90%以上となるように実施する。ここでいう仕上温度は、複数スタンドの圧延機の最終スタンド出側での棒鋼または線材の表面温度の平均値を意味する。
RA={1−(棒鋼または線材の断面積/鋳片の断面積)}×100・・・〈1〉
〈1〉式でいう断面積は、長手方向(すなわち鋳込み方向または圧延方向)に対して垂直な断面積(いわゆる「横断面積」)を意味する。
例えば以上のような工程で製造すると、不純物元素の偏析、特にP、Ti、VおよびOの偏析が低減されるので、個々の元素の含有量およびTi+Vの量、ならびに長手方向に垂直な断面内におけるP、Ti、VおよびOの濃度差を既に述べた範囲にコントロールした肌焼用棒鋼または線材を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼1〜10を用いて、棒鋼を作製した。表1に示す化学組成は、O以外は溶鋼から採取したレードルサンプルの分析値、Oは後に説明する70mmの棒鋼のR/2部から採取した試料での分析値である。
表1中の鋼1〜7および鋼10は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。鋼8および鋼9は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた鋼である。
Figure 2014034683
以下、棒鋼を作製した条件について詳しく説明する。
鋼1〜5および鋼8については、転炉を用いて溶製し、脱P、脱酸の処理を施し、二次精錬を二回行なって成分調整した。次いで、垂直曲げ型の連続鋳造機を用いて、鋳型内で溶鋼を冷却し、鋳込むことで鋳片を製造した。この際、鋳型内で電磁撹拌を行うことにより、未凝固の溶鋼を撹拌し、鋳片内部の組織を等軸晶とし不純物の偏析を分散させた。鋳型を出た鋳片は、高速水でスプレー冷却しながら、ロールで圧下・矯正しながら0.6m/分で鋳片を引き抜いた。このとき、先行実験の結果に基づいて、不純物の偏析が少ない鋳片が得られるよう、ロールの配列ピッチおよびアライメント、ならびにロールによる押し付け力を適正化し、また、均一で不純物の偏析が少ない凝固組織の鋳片が得られるよう、スプレー冷却で均一に冷却した。
得られた鋳片を加熱炉に装入して、加熱温度1250℃、かつ加熱時間2時間の加熱を施してから、分塊圧延し、一旦、表面温度が50℃以下になるまで冷却して180mm角の鋼片を製造した。
このようにして得た鋼片は、表面きずをグラインダーで除去した後、加熱炉に装入して、加熱温度1150℃、加熱時間1時間の加熱を施してから熱間圧延によって直径が70mmの棒鋼を作製した。上記熱間圧延の仕上温度は、900〜1000℃であり、前述の鋳片からの総減面率RAは、97%であった。
鋼9については、180kgの真空溶解炉によって溶製後、造塊してインゴットを作製した。次いで、得られたインゴットを加熱炉に装入して、加熱温度1250℃、かつ加熱時間5時間の加熱を施した後、熱間鍛造して直径が70mmの棒鋼を作製した。ここで、RA’={1−(棒鋼の断面積/インゴットの断面積)}×100・・・〈1’〉
の式から求めた熱間鍛造による総減面率RA’は91%であった。
鋼6、鋼7および鋼10については、50kgの真空溶解炉によって溶製後、造塊してインゴットを作製した。次いで、得られたインゴットを加熱炉に装入して、加熱温度1150℃、かつ加熱時間1時間の加熱を施した後、熱間鍛造して直径が70mmの棒鋼を作製した。ここで、上記〈1’〉の式から求めた熱間鍛造による総減面率RA’は40%であった。
鋼1〜10の各々について、上記のようにして得た直径70mmの各棒鋼を用いて、長手方向に垂直な断面内におけるP、Ti、VおよびOの濃度差を調査した。
すなわち、図1(b)に示す断面1の[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmのドリルで切粉を採取し、その切粉を酸溶解した溶液を用いてICP発光分光分析によってP、TiおよびVを分析した。また、上記断面1から長手方向に100mmにある断面2において、上記[1]〜[9]に対応する合計9位置からそれぞれ、直径3mmで長さ50mmのO分析試料を採取し、ヤスリがけにより表面部の酸化スケールを除去し、試料質量が0.5〜1gになるように断面側から試料を切断した後、酸素分析装置によってOを分析した。次いで、それぞれの元素の9箇所の濃度のうち最大値から最小値を引いた値を、長手方向に垂直な断面内における各不純物元素の濃度差とした。なお、直径70mmの棒鋼であるので、図1(a)に示す[1]と[2]など隣り合う位置どうしの間隔は8mmである。
次いで、上記のようにして得た鋼1〜10の直径70mmの各棒鋼に対し、925℃で1時間保持した後に放冷する焼準を行った。
また、後で述べるローラピッチング試験用大ローラを作製するために、転炉を用いて溶製したJIS-SCM420Hの鋳片を分塊圧延することにより、直径140mmの棒鋼を製造し、925℃で2時間保持した後に放冷する焼準を行った。
上記焼準した各棒鋼を用いて、以下に述べる方法で各種の試験片を作製した。
〔1〕機械加工(粗加工または仕上加工):
前記直径が70mmの各棒鋼のR/2部(「R」は棒鋼の半径を表す。)と中心部から、圧延方向または鍛錬軸に平行に図5に示す粗形状の切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片および図6に示す粗形状のローラーピッチング小ローラー試験片を切り出した。
さらに、前記直径が140mmの棒鋼の中心部から、鍛錬軸に平行に図7に示す粗形状のローラーピッチング試験用大ローラーを切り出した。図7おいて、(a)は粗形状の大ローラーを中心線で半割りにした場合の正面図で、また(b)は中心線における断面図である。
なお、図5〜7中に示した上記の各切り出し試験片における寸法の単位は全て「mm」であり、図中の仕上記号「▽」、「▽▽」および「▽▽▽」は、JIS B 0601(1982)の解説表1の表面粗さを示す「三角記号」である。
また、「▽▽▽」に付した「G」はJIS B 0122(1978)に規定の「研削」を示す加工方法の略号であることを意味する。
直径が70mmの各棒鋼からは、被削性評価用に直径が65mm、長さが450mmの試験片も採取した。
〔2〕浸炭焼入れ−焼戻し:
上記〔1〕で切り出した粗形状の回転曲げ疲労試験片および小ローラー試験片に対して、図8に示すヒートパターンによる「浸炭焼入れ−焼戻し」を施した。また、上記〔1〕で切り出した粗形状の大ローラーに対して、図9に示すヒートパターンによる「浸炭焼入れ−焼戻し」を施した。なお、図8および図9中の「Cp」はカーボンポテンシャルを表す。また、「150℃油焼入れ」は油温150℃の油中に焼入れしたことを、「50℃油焼入れ」は油温50℃の油中に焼入れしたことを、さらに「AC」は空冷したことを表す。
なお、回転曲げ疲労試験片および小ローラー試験片は、吊り下げ用に加工した孔に針金を通し、吊下げた状態で上記の処理を施した。一方、大ローラーは、金網上の治具の上に平置きした状態で上記の処理を施した。
油焼入れについては、均一に焼入処理されるように、攪拌している焼入れ油中に試験片を投入して行った。
〔3〕機械加工(浸炭焼入れ−焼戻し材の仕上加工):
浸炭焼入れ−焼戻し処理を施した上記の各試験片および大ローラーを仕上加工して、図10に示す切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片、図11に示すローラーピッチング試験用小ローラー試験片および図12に示すローラーピッチング試験用大ローラーを作製した。図12において、(a)は大ローラーを中心線で半割りにした場合の正面図で、また(b)は中心線における断面図である。
なお、図10〜12に示した前述の各試験片および大ローラーにおける寸法の単位は全て「mm」であり、上記各図における仕上記号「▽」および「▽▽▽」は先の図5〜7におけると同様、それぞれ、JIS B 0601(1982)の解説表1の表面粗さを示す「三角記号」である。
また、「▽▽▽」に付した「G」はJIS B 0122(1978)に規定の「研削」を示す加工方法の略号であることを意味する。
さらに、「〜」は「波形記号」であり、生地であること、すなわち、前記〔2〕の浸炭焼入れ−焼戻し処理した表面のままであることを意味する。
上記のようにして作製した各種の試験片を用いて、小野式回転曲げ疲労試験による疲労特性の調査、ローラーピッチング試験による耐ピッチング特性の調査、および被削性評価を行った。
以下、上記疲労特性、耐ピッチング特性および被削性評価の内容について詳しく説明する。
《1》小野式回転曲げ疲労試験による疲労特性の調査:
前記〔3〕の仕上加工した小野式回転曲げ疲労試験片を用いて、下記の試験条件によって小野式回転曲げ疲労試験を実施し、繰返し数が107回において破断しない最大の強度で曲げ疲労強度を評価した。
・温度:室温、
・雰囲気:大気中、
・回転数:3000rpm。
なお、R/2部の曲げ疲労強度が400MPa以上、中心部の曲げ疲労強度が370MPa以上、かつR/2部と中心部における曲げ疲労強度の差が50MPa以下、の3条件全てを満足する場合に、曲げ疲労特性に優れるとして、これを目標とした。
《2》ローラーピッチング試験による耐ピッチング特性の調査:
前記〔3〕の仕上加工した小ローラー試験片および大ローラーを用いて、下記の試験条件でローラーピッチング試験(二円筒転がり疲労試験)を実施し、繰返し数が107回において、上記の小ローラー試験片に、長辺が1mm以上の大きさのピッチングが発生しない最大の面圧によってピッチング強度を評価した。
・すべり率:80%、
・回転数:1000rpm、
・潤滑:油温100℃のオートマチックトランスミッション用潤滑油を2.0リットル/分の割合で、小ローラー試験片と大ローラーの接触部に噴出させて実施。
ただし、上記の「すべり率」は、「V1」を小ローラー試験片表面の接線速度、「V2」を大ローラー表面の接線速度として、下記の式で計算される値を指す。
{(V2−V1)/V1}×100。
なお、R/2部のピッチング強度が1800MPa以上、中心部のピッチング強度が1600MPa以上、かつR/2部と中心部におけるピッチング強度の差が200MPa以下、の3条件全てを満足する場合に、耐ピッチング特性に優れるとして、これを目標とした。
《3》被削性試験:
前記〔1〕で作製した直径が65mm、長さが450mmの試験片の外周部を、NC旋盤を用いて旋削加工して被削性を評価した。
旋削加工は、切削速度:180m/分、切込み:1.5mm、送り:0.3mm/revとし、潤滑剤を使用しない状態で実施した。動力計を用いて、旋削加工時の切削抵抗により被削性を評価した。
切削抵抗は、主分力、送り分力および背分力の合力を、
切削抵抗=(主分力2+送り分力2+背分力20.5
の式によって求めて評価した。切削抵抗が900N以下であれば、切削抵抗が小さいとして、これを目標とした。
表2に、上記の各調査結果をまとめて示す。
Figure 2014034683
表2から、本発明で規定する条件を満たす棒鋼を用いた本発明例の試験番号1〜5の場合、曲げ疲労特性と耐ピッチング特性に優れるとともに、切削抵抗が小さく良好な被削性を有することが明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件から外れた比較例のうちで、試験番号6〜8および試験番号10の場合は、目標とする曲げ疲労特性と耐ピッチング特性のうちの少なくともいずれかが得られておらず、試験番号9の場合は、切削抵抗が大きく被削性が劣っている。
すなわち、試験番号6の場合、棒鋼の長手方向に垂直な断面内におけるVの濃度差が0.006%と本発明で規定する範囲を上回った。このため、中心部の曲げ疲労強度が360MPaと低く、R/2部と中心部の曲げ疲労強度差も60MPaと大きく、曲げ疲労特性が目標に達していない。さらに、R/2部と中心部のピッチング強度差も250MPaと大きく、耐ピッチング特性も目標に達していない。
試験番号7の場合、棒鋼の長手方向に垂直な断面内におけるTiの濃度差が0.005%と本発明で規定する範囲を上回った。このため、中心部の曲げ疲労強度が350MPaと低く、R/2部と中心部の曲げ疲労強度差も70MPaと大きく、曲げ疲労特性が目標に達していない。さらに、R/2部と中心部のピッチング強度差も250MPaと大きく、耐ピッチング特性も目標に達していない。
試験番号8の場合、鋼8のTi+Vの量が0.009%と本発明で規定する範囲を上回った。このため、R/2部の曲げ疲労強度が390MPa、中心部の曲げ疲労強度が360MPaと低く、曲げ疲労特性が目標に達していない。
試験番号9の場合、鋼9のCの含有量が0.28%と本発明で規定する範囲を上回った。このため、切削抵抗が930Nと高く、目標とする被削性が得られていない。
試験番号10の場合、棒鋼の長手方向に垂直な断面内におけるP、TiおよびOの濃度差がそれぞれ、0.009%、0.004%および0.0007%と本発明で規定する範囲を上回った。このため、曲げ疲労強度がR/2部で380MPa、中心部で320MPaと低く、しかも、R/2部と中心部の曲げ疲労強度差が60MPaと大きく、曲げ疲労特性が目標に達していない。さらに、ピッチング強度がR/2部で1700MPa、中心部で1400MPaと低く、しかも、R/2部と中心部のピッチング強度差も300MPaと大きく、耐ピッチング特性も目標に達していない。
本発明の肌焼用棒鋼または線材は成分コストが低く、切削性に優れ、良好な加工特性を有する。さらに、本発明の肌焼用棒鋼または線材を素材として得られた浸炭部品は、曲げ疲労強度とピッチング強度に優れ、かつこれらの強度のバラツキが小さい。このため、本発明の肌焼用棒鋼または線材は、軽量化および高トルク化のために高い曲げ疲労強度と高いピッチング強度が要求される自動車用歯車など浸炭または浸炭窒化部品の素材として用いるのに好適である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.13〜0.25%、
    Si:0.02〜0.35%、
    Mn:0.50〜0.90%、
    S:0.005〜0.030%、
    Cr:0.50〜1.60%、
    Al:0.010〜0.060%および
    N:0.0100〜0.0250%、
    を含有するとともに、残部はFeおよび不純物からなり、
    不純物中のP、Ti、VおよびO(酸素)がそれぞれ、
    P:0.030%以下、
    Ti:0.005%以下、
    V:0.005%以下および
    O:0.0015%以下、かつ、
    TiとVの合計含有量が、0.006%以下であり、さらに
    長手方向に垂直な断面内における上記の各不純物元素の濃度差が、Pで0.005%以下、Tiで0.003%以下、Vで0.003%以下、およびOで0.0005%以下であることを特徴とする、
    肌焼用棒鋼または線材。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、
    Cu:0.20%以下、
    Ni:0.20%以下および
    Mo:0.50%以下、
    のうちの1種以上を含有することを特徴とする、
    請求項1に記載の肌焼用棒鋼または線材。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、
    Nb:0.050%以下、
    を含有することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の肌焼用棒鋼または線材。
  4. Feの一部に代えて、質量%で、
    Ca:0.0050%以下、
    を含有することを特徴とする、
    請求項1から3までのいずれかに記載の肌焼用棒鋼または線材。
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