JP2014034523A - モノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法 - Google Patents

モノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法 Download PDF

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弘尚 佐治木
Hiroya Kadoguchi
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Abstract

【課題】医薬品や農薬の中間体として有用なアミノ基の隣接位にハロゲンを有するアミノピリジン類の製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類を溶媒中、白金族触媒と、マグネシウムと、水素源の存在下、脱ハロゲン化することを特徴とするモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法の提供。
Figure 2014034523

【選択図】なし

Description

本発明は、選択的な脱ハロゲン化を用いたモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法に関する。具体的には、ポリハロゲノピリジルアミン類から、アミノ基の隣接位にハロゲンを残したモノまたはジハロゲノピリジルアミン類への、選択的かつ高収率な製造方法に関する。
アミノ基の隣接位にハロゲンを有するモノまたはジハロゲノピリジルアミン類は医薬品や農薬の中間体等として、多くの化学工業製品に用いられる重要な化学物質である。
アミノ基の隣接位にハロゲンを有するモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法として、2−アミノピリジンのアミノ基を保護し、これを−78℃でn−ブチルリチウムを使用してアミノ基の隣接位をリチオ化したのち、ヨウ素と反応させヨウ素化し、そして脱保護することにより2−アミノ−3−ヨードピリジンを得る方法が知られている(特許文献1、非特許文献1参照)。しかしながらこの方法は、多段階の合成反応を必要とするだけでなく、アルキルリチウムを使用するため−78℃の低温状態で反応を行う必要があり、工業的スケールでの製造に不利である。また、2−アミノ−5−フルオロピリジンにヨウ素化剤を作用させ、アミノ基の隣接位をヨウ素化する製造方法も報告されている(特許文献1参照)。さらに、2,3−ジクロロピリジンを190℃で2日間アンモニア水と反応を行いアミノ化することにより、2−アミノ−3−クロロピリジンを得る方法も知られている(非特許文献2)。しかしながらこの方法もまた、190℃という高温で長時間反応を行う必要があること、人体や環境に悪影響を与える可能性も考えられるアンモニア水を使用することから工業的スケールでの製造に不利である。また、これらの反応の収率はいずれも満足できるレベルのものではない。
再表2008−136324号公報
Chemistry A European Journal, 16(27), 7992−7995; 2010 Organic Letter, 5(8), 1369-1372; 2003
本発明はポリハロゲノピリジルアミン類を温和な条件で、工業的および経済的に有利な方法にて位置選択的に脱ハロゲン化することにより、アミノ基の隣接位にハロゲンを残したモノまたはジハロゲノピリジルアミン類を製造することにある。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、ポリハロゲノピリジルアミン類を溶媒中、白金族触媒、マグネシウムおよび水素源の存在下に還元することにより、位置選択的に脱ハロゲン化反応が進行し、アミノ基の隣接位にハロゲンを残したモノまたはジハロゲノピリジルアミン類が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
下記一般式(1)
Figure 2014034523

(式中、
NPGは、1もしくは2つの保護基により保護されたアミノ基であり;
Xは、ハロゲン原子であり、かつ少なくとも1つのXは、NPGが結合する炭素原子の隣接炭素原子に結合しており;Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜24の芳香族基、シアノ基、水酸基またはカルボキシル基であるか、あるいは隣接炭素原子に結合した2個のRは、環を形成してもよく;
nは、2〜4であり、mは、0〜2であり、かつm+nは、4以下であるが、但し隣接炭素原子に結合した2個のRが環を形成する場合、m+nは、4を超えてもよい)
で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類を、溶媒中、白金族触媒と、マグネシウムと、水素源との存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(2):
Figure 2014034523

(式中、NPG、X、Rおよびmは、前記と同義であり、n′は、1〜2であるが、但しn>n′である)
で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法に関する。
このように、本発明に従うポリハロゲノピリジルアミン類の位置選択的脱ハロゲン化反応は、溶媒に基質たるポリハロゲノピリジルアミン類、白金族触媒、およびマグネシウムを添加して得られた混合物を、水素源の存在下に、例えば水素ガス雰囲気下において、室温で撹拌することにより達成されるものであり、工業的および経済的に有利なものとなっている。本発明に係るモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法は、金属マグネシウムが効果的に寄与することから、穏和な条件下においてもポリハロゲノピリジルアミン類の位置選択的脱ハロゲン反応が有利に進行し得るものとなっている。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔用語の意義〕
先ず、本明細書および特許請求の範囲において用いられる用語について説明する。各用語は、他に断りのない限り、以下の意義を有する。
用語「ハロゲン原子」は、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子を意味する。
用語「炭素数1〜10のアルキル基」または「アルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせにおいて、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜10のアルコキシ基」または「アルコキシ」は、単独でまたは他の用語との組み合わせにおいて、基R′O−(ここで、R′は、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基である)を意味し、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、またはシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示することができる。
用語「炭素数3〜8のシクロアルキル基」または「シクロアルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせにおいて、炭素数3〜8の、環状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等を例示することができる。
用語「炭素数4〜24の芳香族基」または「アリール」は、単独でまたは他の用語との組み合わせにおいて、炭素数4〜24の、芳香族化合物の一価の基を意味し、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ピロリル基、ピラジニル基、フリル基、キノリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ピリジル基等を例示することができる。
「隣接炭素原子に結合した2個のRは、環を形成してもよく」とは、一般式(1)のピリジン環が、縮合環の一部であってよいことを意味し、そのような縮合環としては、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、キノリン、イソキノリン、ベンソキノリン、ピロロピリジン、ナフチリジン等を例示することができる。すなわち、2個のRにより形成される「環」は、炭素数3〜8の、環状の脂肪族飽和炭化水素または炭素数4〜24の、芳香族化合物を意味し、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、ピロール、ピリジン等を例示することができる。なお、一般式(1)のピリジン環が、縮合環の一部である場合、n個のXおよびNPGは、縮合環のいずれの部分に結合してもよい。
用語「保護基」は、有機合成化学で一般的に用いられる、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基を意味する。特に本発明の「保護基」は、アミノ基の保護基であって、白金族触媒による接触水素化反応により開裂せず、かつ他の化学的方法により開裂し得る保護基を意味する。そのような保護基は、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」(T.W.Greene et.al, John Wiley & Sons, inc.)等の有機合成化学における参考書により、当業者には公知であるが、例えば、t−ブチルジフェニルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル(Boc)基等のアルキルカルバメート系保護基;9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基等のアリールアルキルカルバメート系保護基;ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル(Ts)基等のアリールスルホンアミド系保護基;またはホルムアミド基、アセトアミド基、トリフルオロアセトアミド(TFA)基等のアミド系保護基を例示することができる。
本発明は、一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類を、溶媒中、白金族触媒と、マグネシウムと、水素源との存在下に、脱ハロゲン化することを特徴とする、一般式(2)で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法である。
本発明の製造方法の出発原料である一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類は、そのアミノ基が保護されていない化合物として市販されており、Sigma-Aldrich社等の試薬供給業者から容易に入手することができる。例えば、一般式(1)において、nが2であり、mが0である化合物に相当するアミノ化合物として、2−アミノ−3,5−ジクロロピリジン、2−アミノ−3,5−ジブロモピリジン、2−アミノ−3,5−ジヨードピリジン、2−アミノ−3,4−ジクロロピリジン、2−アミノ−3,4−ジブロモピリジン、2−アミノ−3,4−ジヨードピリジン、2−アミノ−3,6−ジクロロピリジン、2−アミノ−3,6−ジブロモピリジン、2−アミノ−3,6−ジヨードピリジン、3−アミノ−2,6−ジクロロピリジン、3−アミノ−2,6−ジブロモピリジン、3−アミノ−2,6−ジヨードピリジン、3−アミノ−2,5−ジクロロピリジン、3−アミノ−2,5−ジブロモピリジン、3−アミノ−2,5−ジヨードピリジン;一般式(1)において、nが3であり、mが0である化合物に相当するアミノ化合物として、4−アミノ−2,3,5−トリクロロピリジン、3−アミノ−2,4−ジブロモ−6−クロロピリジン、2−アミノ−3,4−ジクロロ−5−フルオロピリジン、2−アミノ−3,4−ジブロモ−5−フルオロピリジン;一般式(1)において、nが4であり、mが0である化合物に相当するアミノ化合物として、4−アミノ−2,3,5,6−テトラクロロピリジン;一般式(1)において、nが2であり、mが1である化合物に相当するアミノ化合物として、2−アミノ−3,5−ジクロロ−6−メチルピリジン、2−アミノ−3,5−ジブロモ−6−メチルピリジン、2−アミノ−3,5−ジヨード−6−メチルピリジン、3−アミノ−2,6−ジクロロ−4−メチルピリジン、3−アミノ−2,5−ジクロロ−4−メチルピリジン、3−アミノ−2,6−ジクロロ−5−メチルピリジン、3−アミノ−4,6−ジクロロ−5−メトキシピリジン、3−アミノ−2,6−ジクロロ−4−ヒドロキシピリジン、4−アミノ−2,5−ジクロロ−3−ヒドロキシピリジン、4−アミノ−5,6−ジクロロ−3−ヒドロキシピリジン、4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸;一般式(1)において、nが3であり、mが1である化合物に相当するアミノ化合物として、4−アミノ−3,5,6−トリクロロ−2−シアノピリジン、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピリジン−2−カルボン酸、4−アミノ−3,5,6−トリクロロ−2−メトキシピリジン、3−アミノ−2,4,6−トリクロロ−5−メチルピリジン、4−アミノ−2,3,5−トリクロロ−6−メチルピリジン、3−アミノ−2,4,6−トリクロロ−5−メトキシピリジン、4−アミノ−2,5,6−トリクロロ−3−ヒドロキシピリジン;一般式(1)において、nが3であり、mが2である化合物に相当するアミノ化合物として、2−アミノ−3,5,7−トリブロモ−8−キノリノールが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの市販のアミノ化合物のアミノ基を、保護基により保護することにより、本発明の製造方法の出発原料である一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類を得ることができる。アミノ基を、保護基により保護する方法は、各保護基に応じて一般的な方法に従って実施すればよい、そのような方法は「Protective Groups in Organic Synthesis」(T.W.Greene et.al, John Wiley & Sons, inc.)等の有機合成化学における参考書により当業者には公知である。本発明の製造方法の出発原料である一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類は、そのアミノ基が、2つの保護基により保護されたものが好ましく、2つのアルキルカルバメート系保護基により保護されたものがより好ましく、2つのBoc基により保護されたものが特に好ましい。
本発明の製造方法において使用される、白金族触媒は、特に限定はなく、均一系および不均一系の触媒のいずれであってもよい。例えば、Pt/C、Pt/Al、PtO等のPt系触媒、Rh/C、Rh/AlPO、Rh/Al、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)Rh等のRh系触媒、Ru/C、Ru/Al、RuO2、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)Ru等のRu系触媒、Pd/C、Pd/Al、Pd/BaSO、酢酸Pd、塩化Pd、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)Pd、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd等のPd系触媒、Ir/C等のIr系触媒などを使用することができ、これらの触媒のうち2種類以上を混合して使用することができる。反応効率や、コストおよび入手の容易さの観点から、Rh系触媒またはPd系触媒を用いることが好ましく、Pd系触媒、特に、Pd/C、Pd/Al、酢酸Pd等を用いることが更に好ましい。
本発明の製造方法において使用される、白金族触媒の使用量は、いわゆる触媒量でもよいが、反応速度と反応効率の観点から、一般式(1)で表わされるポリハロゲンノピリジルアミン類1モルに対して、金属原子換算で0.001〜0.5モルが好ましく、0.01〜0.2モルが更に好ましい。
本発明の製造方法において使用されるマグネシウムは、金属マグネシウムを意味する。マグネシウムの形状は、特に限定されず、一般的に市販されている形状のものを使用することができる。具体的には、粉末状、リボン状等が挙げられる。
本発明の製造方法において使用される、マグネシウムの使用量は、特に制限はないが、反応効率の観点から、一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類1モルに対して、0.1〜5モルが好ましく、0.3〜2モルが更に好ましく、0.5〜1モルが更に好ましい。
本発明の製造方法において、水素源としては、水素ガスまたは水素源として公知の有機化合物を使用することができる。水素源として公知の有機化合物としては、ギ酸またはその塩等を使用することができる。ギ酸塩としては、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウムまたはギ酸トリアルキルアンモニウムを挙げることができる。反応効率の観点から、水素ガスまたはギ酸塩を用いるのが好ましい。
本発明の製造方法において、水素源として、水素ガスを使用する場合、その供給方法は特に限定されず、例えば、反応溶液が接する気相を水素ガスで置換する方法、反応溶液が接する気相に水素ガスを流通させる方法、反応溶液中に水素ガスを吹き込む方法等を使用することができる。
本発明の製造方法において使用される、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、所望する反応温度に応じて適宜選択される。例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒などを使用することができ、これらの溶媒のうち2種類以上を混合して使用することができる。反応率の観点から、アルコール系溶媒を用いることが好ましく、メタノールを用いることが更に好ましい。
本発明の製造方法において使用される、溶媒の使用量は、特に制限はないが、一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類に対して、1〜50倍量(重量基準)が好ましく、3〜10倍量(重量基準)が更に好ましい。
本発明の製造方法は、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。反応速度と反応効率の観点から、0〜100℃が好ましく、室温〜50℃が更に好ましい。
必要に応じて反応後の溶液から、用いたマグネシウムおよび白金族触媒などの不溶物をろ別し、ろ過母液から一般式(2)で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類を単離・精製することができる。単離・精製する方法に特に限定はなく、当業者に公知の方法、例えば、溶媒抽出、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー等の汎用的な方法で、一般式(2)で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類を単離・精製することができる。
得られた一般式(2)で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類のアミノ基を、各保護基に応じた一般的な方法で脱保護することにより、一般式(3)で表わされる脱保護されたモノまたはジハロゲノピリジルアミン類を得ることができる。アミノ基を脱保護する方法は、同様に「Protective Groups in Organic Synthesis」(T.W.Greene et.al, John Wiley & Sons, inc.)等の有機合成化学における参考書により当業者には公知である。例えば、本発明の製造方法の出発原料である一般式(1)で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類のアミノ基が、2つのBoc基により保護されたものである場合、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、またはアルコール系溶媒などの適切な溶媒中で、塩酸やトリフルオロ酢酸等の酸触媒で処理することにより、保護基を開裂することができる。
以下に本発明の態様を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例のみに限定されるわけではない。
実施例で得られた反応溶液は、ガスクロマトグラフィー質量分析を行い、純度を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:JMS−Q1000GC Ultra Quad GC/MS
カラム:InterCap 5MS/Sil ProG 2M
カラム温度:50℃(2分保持)→20℃/min→280℃(1.5分保持)
インジェクション温度:50℃
キャリヤーガス:純ヘリウム G1
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
実施例1:
20mLの試験管にメタノール1mL、N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル−2−アミノ−3,5−ジブロモピリジン113mg(0.250mmol)、10%Pd/C 11.3mg(10.6μmol)、及びマグネシウム3.0mg(0.125mmol)を加え、水素ガスで置換されたバルーンを取り付け水素雰囲気下とした後、室温で18時間撹拌した。反応後の反応液をろ過し、ろ液を濃縮して109mgの生成物を得た(GC収率:97%)。得られた生成物について、GC−MSにて分析を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜6:
表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、得られた生成物について、GC−MSにて分析を行った。結果を表1に示す。ただし、実施例4については、反応後の反応液に、ジクロロメタン20mL及び水10mLを加えた後、有機層を分取し、得られた有機層を濃縮して生成物を得た。
比較例1〜3:
表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、得られた生成物について、GC−MSにて分析を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014034523
Figure 2014034523
実施例7:
20mLの試験管にメタノール1mL、N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル−3−アミノ−2,6−ジブロモピリジン113mg(0.250mmol)、10%Pd/C 11.3mg(10.6μmol)、及びマグネシウム3.0mg(0.125mmol)を加え、水素ガスで置換されたバルーンを取り付け水素雰囲気下とした後、室温で17時間撹拌した。反応後の反応液をろ過し、ろ液を濃縮して82.4mgの生成物を得た(GC収率:94%)。得られた生成物について、GC−MSにて分析を行った。結果を表2に示す。
Figure 2014034523
Figure 2014034523
本発明の製造方法によれば、医薬品や農薬の中間体として有用なアミノ基の隣接位にハロゲンを有するモノまたはジハロゲノピリジルアミン類を、工業的に利用可能な条件で効率良く製造することが可能となる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2014034523

    (式中、
    NPGは、1もしくは2つの保護基により保護されたアミノ基であり;
    Xは、ハロゲン原子であり、かつ少なくとも1つのXは、NPGが結合する炭素原子の隣接炭素原子に結合しており;
    Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜24の芳香族基、シアノ基、水酸基またはカルボキシル基であるか、あるいは隣接炭素原子に結合した2個のRは、環を形成してもよく;
    nは、2〜4であり、mは、0〜2であり、かつm+nは、4以下であるが、但し隣接炭素原子に結合した2個のRが環を形成する場合、m+nは、4を超えてもよい)
    で表わされるポリハロゲノピリジルアミン類を、溶媒中、白金族触媒と、マグネシウムと、水素源との存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(2):
    Figure 2014034523

    (式中、NPG、X、Rおよびmは、前記と同義であり、n′は、1〜2であるが、但しn>n′である)
    で表わされるモノまたはジハロゲノピリジルアミン類の製造方法。
  2. 前記白金族触媒が、Pd触媒および/またはRh系触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記白金族触媒が、Pd触媒であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記Pd触媒が、Pd/C、Pd/Alおよび酢酸Pdからなる群より選ばれた少なくとも一種のPd触媒であることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記溶媒が、アルコール系溶媒であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記アルコール系溶媒が、メタノールであることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により得られた、モノまたはジハロゲノピリジルアミン類を脱保護することを特徴とする、下記一般式(3):
    Figure 2014034523

    (式中、X、R、mおよびn′は、請求項1と同義である)
    で表わされる脱保護されたモノまたはジハロゲノアミノピリジン類の製造方法。
  8. NPGが、2つの保護基により保護されたアミノ基であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 水素源が、水素ガスまたはギ酸塩であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
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