JP2014032716A - 研磨用組成物及びそれを用いた磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

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【課題】ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途での使用により適した研磨用組成物及びそれを用いた磁気ディスク用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の研磨用組成物は、砥粒、酸、酸化剤、及び欠陥低減剤を含有してなり、前記欠陥低減剤がグアニジン骨格を有する化合物であって、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用されることを特徴とする。好ましくは、前記グアニジン骨格を有する化合物がリン酸グアニジンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物及びそれを用いた磁気ディスク用基板の製造方法に関する。
ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物には、例えば、研磨用組成物を用いてニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨したときに基板の表面に発生するスクラッチが少ないことや、研磨用組成物による基板の研磨速度が高いことが要求されている。
例えば特許文献1には、こうした要求を満たすべく改良された研磨用組成物が開示されている。特許文献1の研磨用組成物には、研磨用組成物を用いてニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨したときのスクラッチの発生を抑制するためにアゾール類が含有されている。
しかしながら、近年のディスクは書き込み領域の増加、拡大の傾向により、平坦性、平滑性の要求は一層要求されている。特に、従来技術で問題であったパーティクルやスクラッチ(例えば350nm以上)よりもさらに微細な欠陥(Tiny Defect:350nm程度以下のスクラッチ)を低減することが必要である。かかる微細欠陥は、これまでのパーティクルやスクラッチとは異質な課題であり、特許文献1の研磨用組成物ではスクラッチ及び研磨速度の両方の要求性能を十分に満足するものではなかった。
特開2007−92064号公報
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、特定の成分の組み合わせにより微細欠陥を低減するとともに、研磨レートにおいても従来技術よりも高い効果を奏することを見出した。
本発明の目的は、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途での使用により適した研磨用組成物及びそれを用いた磁気ディスク用基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の研磨用組成物は、砥粒、酸、酸化剤、及び欠陥低減剤を含有してなり、前記欠陥低減剤がグアニジン骨格を有する化合物であって、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用されることを特徴とする。
前記グアニジン骨格を有する化合物がリン酸グアニジンであることが好ましい。
無機酸及び有機酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種の化合物をさらに含有することが好ましい。
水溶性高分子をさらに含有することが好ましい。
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、前記研磨用組成物を用いてニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する工程を有することを特徴とする。
前記研磨する工程がスウェードタイプの研磨パッドを用いて行われることが好ましい。
前記研磨する工程が仕上げ研磨工程であることが好ましい。
本発明によれば、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途での使用により適した研磨用組成物及びそれを用いた磁気ディスク用基板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した研磨用組成物の一実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、砥粒、酸、酸化剤、欠陥低減剤、及び水を混合することにより製造される。従って、本実施形態の研磨用組成物は、砥粒、酸、酸化剤、欠陥低減剤、及び水から実質的になる。この研磨用組成物は、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板(以下、単に「磁気ディスク用基板」という)を研磨する用途で使用される。換言すれば、研磨製品としての磁気ディスク用基板を得るべく磁気ディスク用基板の半製品を研磨する用途で使用される。本実施形態に係る研磨用組成物は、磁気ディスク用基板の加工途中に一般的に実施される複数の研磨工程のうちの最終の研磨工程(仕上げ研磨工程)で用いられることが好ましい。
研磨用組成物中の砥粒は、磁気ディスク用基板を機械的に研磨する役割を担い、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度の向上に寄与する。
研磨用組成物に含まれる砥粒は、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降性シリカのようなシリカであってもよいし、ジルコニア、アルミナ、セリア及びチタニアのようなシリカ以外であってもよい。ただし、研磨用組成物に含まれる砥粒は好ましくはシリカであり、特に好ましくはコロイダルシリカである。研磨用組成物に含まれる砥粒がシリカである場合、さらに言えばコロイダルシリカである場合には、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥がより低減される。
研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径が0.005μm以上の場合、さらに言えば0.01μm以上の場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度がより向上する。また、研磨抵抗の増加を抑え研磨機の振動をより低減させる。従って、研磨速度の向上及び研磨機の振動低減のためには、研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径は0.005μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上である。
一方、研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径が1μm以下の場合には、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥をより低減させる。また、磁気ディスク用基板の表面粗度をより減少させる。従って、磁気ディスク用基板の表面品質の維持のためには、研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径は1μm以下であることが好ましい。砥粒の平均一次粒子径は、BET法により測定される砥粒の比表面積から算出される。
特に、研磨用組成物に含まれる砥粒がコロイダルシリカである場合、砥粒として研磨用組成物に含まれるコロイダルシリカの平均一次粒子径に関して以下のことが言える。すなわち、砥粒として研磨用組成物に含まれるコロイダルシリカの平均一次粒子径が0.2μm以下の場合、さらに言えば0.08μm以下の場合には、研磨用組成物中にコロイダルシリカの沈殿の発生を抑制することができる。また、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥をより低減したり、磁気ディスク用基板の表面粗度をより減少させる。従って、コロイダルシリカの沈殿防止及び磁気ディスク用基板の更なる表面品質の向上のためには、砥粒として研磨用組成物に含まれるコロイダルシリカの平均一次粒子径は0.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.08μm以下である。
研磨用組成物中の砥粒の含有量が0.1質量%以上の場合、さらに言えば0.5質量%以上の場合、もっと言えば1質量%以上の場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度がより向上する。また、研磨抵抗の増加を抑え研磨機の振動をより低減させる。従って、研磨速度の向上及び研磨機の振動低減のためには、研磨用組成物中の砥粒の含有量は0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、最も好ましくは1質量%以上である。一方、研磨用組成物中の砥粒の含有量が40質量%以下の場合、さらに言えば20質量%以下の場合、もっと言えば10質量%以下の場合には、砥粒の凝集を抑制し、研磨用組成物中の沈殿の発生を抑制することができる。従って、砥粒の沈殿防止のためには、研磨用組成物中の砥粒の含有量は40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。
研磨用組成物中の酸は、磁気ディスク用基板を化学的に研磨する役割を担い、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度の向上に寄与する。
研磨用組成物に含まれる酸は有機酸であってもよく、具体的には炭素数が1〜10の有機カルボン酸、有機ホスホン酸又は有機スルホン酸であってもよい。より具体的には、研磨用組成物に含まれる酸は、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(略称HEDP)又はメタンスルホン酸であってもよい。その中でも、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、メチルアシッドホスフェート又はHEDPが好ましく、クエン酸、マレイン酸又はマロン酸が特に好ましい。研磨用組成物に含まれる酸がクエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、メチルアシッドホスフェート又はHEDPである場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度が大きく向上し、その中でもクエン酸、マレイン酸又はマロン酸である場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度が特に大きく向上する。
また研磨用組成物に含まれる酸は無機酸であってもよく、具体的には、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸のようなリン酸であってもよいし、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸又は硫酸であってもよい。その中でも、オルトリン酸又はポリリン酸が好ましい。研磨用組成物に含まれる酸がオルトリン酸又はポリリン酸である場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度が大きく向上する。
研磨用組成物中の酸の含有量が0.01質量%以上の場合、さらに言えば0.1質量%以上の場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度がより向上する。従って、研磨速度の向上のためには、研磨用組成物中の酸の含有量は0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。一方、研磨用組成物中の酸の含有量が40質量%以下の場合、さらに言えば20質量%以下の場合には、研磨用組成物の腐食作用を低減させることができる。その結果、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面の面荒れを抑制するとともに、研磨機の腐食を防止することができる。従って、腐食作用の適正化のためには、研磨用組成物中の酸の含有量は40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
研磨用組成物中の酸化剤は、磁気ディスク用基板の表面を酸化する作用を有する。酸化剤によって磁気ディスク用基板の表面が酸化されると、砥粒による磁気ディスク用基板の機械的な研磨が促進され、その結果、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度が向上する。
研磨用組成物に含まれる酸化剤は、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度の向上及び研磨用組成物の安定性の向上のためには、過酸化水素であることが好ましい。
研磨用組成物中の酸化剤の含有量が0.1質量%以上の場合、さらに言えば0.3質量%以上の場合には、研磨用組成物による磁気ディスク用基板の研磨速度をより向上させることができる。従って、研磨速度の向上のためには、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上である。一方、研磨用組成物中の酸化剤の含有量が5質量%以下の場合、さらに言えば1質量%以下の場合には、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面における面荒れを防止することができる。従って、面荒れ防止のためには、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
研磨用組成物中の欠陥低減剤は、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生するスクラッチや微細欠陥(Tiny Defect)のような表面欠陥を低減する作用を有する。この作用は、磁気ディスク用基板の表面に欠陥低減剤による保護膜が形成されることによるものと推定される。
研磨用組成物に含まれる欠陥低減剤は、具体的にはグアニジン骨格を有する化合物である。より具体的には、研磨用組成物に含まれるグアニジン骨格を有する化合物は、例えばリン酸グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、グアニジン、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、硝酸グアニジン、塩酸アミノグアニジン、重炭酸アミノグアニジン、及びスルファミン酸グアニジンが挙げられる。これらの中でも、欠陥低下作用に優れるリン酸グアニジンであることが好ましい。
研磨用組成物中の欠陥低減剤の含有量が0.005質量%以上の場合、さらに言えば0.01質量%以上の場合には、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する欠陥をより低減させることができる。従って、表面欠陥の低減のためには、研磨用組成物中の欠陥低減剤の含有量は0.005質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%以上である。一方、研磨用組成物中の欠陥低減剤の含有量が1質量%以下の場合、さらに言えば0.5質量%以下の場合には、磁気ディスク用基板の研磨速度をより向上させることができる。つまり、欠陥低減剤の保護膜形成作用による磁気ディスク用基板の研磨速度の低下が防止される。従って、研磨速度の低下防止のためには、研磨用組成物中の欠陥低減剤の含有量は1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。
次に、本実施形態の研磨用組成物の作用について説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、上述したように欠陥低減剤としてグアニジン骨格を有する化合物を含有する。通常、研磨においては、砥粒が研磨対象に及ぼす物理的な作用と、砥粒と研磨対象との化学的な作用が複合的にもたらされる。本発明の研磨用組成物では、グアニジン骨格を有する化合物がニッケルリンめっき磁気ディスク基板に対して吸着能を有し、保護膜的な役割を果たす。これによりスクラッチ及び微細欠陥(Tiny Defect)のような表面欠陥を低減させることができる。ところで、従来よりスクラッチ低減作用を有する化合物としてアゾール類が知られている。しかしながら、アゾール類を研磨用組成物中に添加すると高い保護膜的な作用により、研磨速度が低下する場合があるという問題があった。一方、本発明のグアニジン骨格を有する化合物を含有する研磨用組成物は、ニッケルリンめっき磁気ディスク基板に対し、研磨レートが高いという当業者が予測しにくい効果を発揮する。これは砥粒への吸着能も有することにより、研磨中の砥粒の凝集が抑制され、基板との接触点数を多く維持できることで、高効率な研磨がなされることによるものと推定される。
次に、上記のように得られた研磨用組成物を用いた磁気ディスク基板の製造方法について説明する。
前記実施形態の研磨用組成物は、砥粒、酸、酸化剤、欠陥低減剤、及び水を混合することにより製造される。ただし、研磨用組成物を調製するに際しての各成分の混合順序は任意である。
前記実施形態の研磨用組成物は、例えば磁気ディスク基板の研磨で通常に用いられるのと同じ装置及び条件で使用することができる。片面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨パッドを貼付した定盤を基板の片面に押しつけた状態で、研磨用組成物を基板に対して供給しながら定盤を回転させることにより基板の片面を研磨する。両面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨パッドをそれぞれ貼付した上下の定盤を基板の両面に押しつけた状態で、上方から基板に対して研磨用組成物を供給しながら、2つの定盤を互いに反対方向に回転させることにより基板の両面を研磨する。このとき、研磨パッド及び研磨用組成物中の砥粒が基板の表面に摩擦することによる物理的作用と、研磨用組成物中の砥粒以外の成分が基板の表面に与える化学的作用によって基板の表面は研磨される。
研磨時の荷重、すなわち研磨荷重を高くするほど、研磨速度が上昇する。前記実施形態の研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨するときの研磨荷重は特に限定されないが、基板表面の面積1cm当たり30〜200gであることが好ましく、より好ましくは60〜150gである。研磨荷重が上記範囲内である場合には、実用上十分な研磨速度が得られると同時に、研磨後に表面欠陥の少ない基板を得ることができる。
研磨時の線速度、すなわち研磨線速度は一般に、研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、磁気ディスク基板の大きさ、研磨パッドの面積等のパラメータの影響を受ける。線速度が大きくなるほど、磁気ディスク基板に加わる摩擦熱が大きくなるために、研磨用組成物による化学的な研磨作用が強まることもある。ただし、線速度が大きすぎると、遠心力により研磨パッド上のスラリーが外周部から排出され、研磨速度の低下や研磨機の振動をきたすことがある。前記実施形態の研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨するときの線速度は特に限定されないが、300〜1400mm/秒であることが好ましく、より好ましくは、600〜950mm/秒である。線速度が上記範囲内である場合には、実用上十分な研磨速度を得ることが容易である。
上記実施形態の研磨用組成物によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態の研磨用組成物には、磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥を低減する作用を有する欠陥低減剤としてのグアニジン骨格を有する化合物が含まれている。したがって、この研磨用組成物によれば、研磨用組成物を用いてニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生するスクラッチや微細欠陥を低減することができる。また、本実施形態の研磨用組成物には、磁気ディスク用基板を機械的に研磨する役割を担う砥粒と、磁気ディスク用基板を化学的に研磨する役割を担う酸が含まれているため、この研磨用組成物によれば、磁気ディスク用基板を高い研磨速度で研磨することができる。よって、本実施形態によれば、磁気ディスク用基板を研磨する用途での使用に適した研磨用組成物を提供することができる。
(2)好ましくは、グアニジン骨格を有する化合物がリン酸グアニジンである。したがって、微細欠陥低減作用をより向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物には、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物を添加してもよい。その中でも、好ましくはカリウム塩である。研磨用組成物に添加されるナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物は、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、クロトン酸、ニコチン酸、酢酸、アジピン酸、ギ酸、シュウ酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、HEDP、メタンスルホン酸などの有機酸の塩であってもよいし、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、硫酸などの無機酸の塩であってもよい。その中でも、研磨用組成物に添加されるナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物は、リン酸塩、ホスホン酸塩又はクエン酸塩であることが好ましく、特に好ましくはリン酸水素二カリウムのようなリン酸塩である。
ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物を研磨用組成物に添加すると、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥がより低減される。これは、塩の添加により、研磨用組成物のpHが上昇すること及び緩衝作用が向上することによるものと推測される。また、リン酸塩の場合には、磁気ディスク用基板の表面にリン酸塩による保護膜が形成されることもその理由と推測される。
研磨用組成物中のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物の含有量が0.01質量%以上の場合、さらに言えば0.1質量%以上の場合には、研磨用組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨したときに磁気ディスク用基板の表面に発生する表面欠陥をより低減させることができる。従って、スクラッチの低減のためには、研磨用組成物中のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物の含有量は0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。一方、研磨用組成物中のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物の含有量が30質量%以下の場合、さらに言えば10質量%以下の場合には、研磨用組成物の安定性をより向上させることができる。従って、研磨用組成物の安定性の低下を防止するためには、研磨用組成物中のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる化合物の含有量は30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
・前記実施形態の研磨用組成物には、水溶性高分子をさらに添加してもよい。水溶性高分子をさらに含有させた場合には、研磨用組成物による研磨後の磁気ディスク基板の表面粗さがより一層低減される。使用可能な水溶性高分子としては、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられるが、特に好適に使用されうるのは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどのポリスチレンスルホン酸塩である。ポリスチレンスルホン酸塩の重量平均分子量は1千から500万の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1万〜250万の範囲内、特に好ましくは50万〜200万の範囲内である。研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量は、0.01〜1.0g/Lであることが好ましい。
・前記実施形態の研磨用組成物には二種類以上の砥粒が含有されていてもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物には二種類以上の酸が含有されていてもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物には二種類以上の欠陥低減剤が含有されていてもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物には本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて防黴剤、防食剤、消泡剤、キレート剤等を添加してもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物は研磨用組成物の原液を水で希釈することによって調製されてもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨するときに使用される研磨パッドは、例えばポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等のいずれのタイプのものであってもよい。これらの中で、面精度向上の観点からスウェードタイプが好ましく、例えばフジボウ社やFilwel社のノンバフタイプのスウェードパッドを使ってもよい。また、砥粒を含むものであっても、砥粒を含まないものであってもよい。研磨パッドの硬度や厚みも特に限定されない。
・磁気ディスク基板の研磨に使用した研磨用組成物は、回収して再利用(循環使用)してもよい。より具体的には、研磨装置から排出される使用済みの研磨用組成物をタンク内にいったん回収し、タンク内から再び研磨装置へと供給するようにしてもよい。この場合、使用済みの研磨用組成物を廃液として処理する必要が減るため、環境負荷の低減及びコストの低減が可能である。
・研磨用組成物を循環使用するときには、研磨対象物の研磨に使用されることより消費されたり損失したりした研磨用組成物中の成分のうち少なくともいずれかの減少分の補充を行うようにしてもよい。補充する成分は個別に使用済みの研磨用組成物に添加してもよいし、あるいは、二以上の成分を任意の濃度で含んだ混合物のかたちで使用済みの研磨用組成物に添加してもよい。
・研磨装置に対する研磨用組成物の供給速度は、研磨する基板等の研磨対象物の種類や、研磨装置の種類、研磨条件によって適宜に設定される。ただし、研磨対象物の研磨面及び研磨パッドの全体に対してむら無く研磨用組成物が供給されるのに十分な速度であることが好ましい。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
コロイダルシリカ、酸、酸化剤、欠陥低減剤、カリウム塩、及び水を適宜に混合することにより実施例1,2及び比較例1〜3の研磨用組成物を調製した。実施例1,2及び比較例1〜3の研磨用組成物中のコロイダルシリカ、酸、酸化剤、欠陥低減剤、及びカリウム塩の詳細は表1に示すとおりである。
表1の“研磨速度”欄には、実施例1,2及び比較例1〜3の各研磨用組成物を用いて、磁気ディスク用基板を下記研磨条件で研磨したときに、下記計算式により求められる研磨速度について評価した結果を示す。
<研磨条件>
研磨対象物:ニッケルリン無電解メッキ層を備え、表面粗さ測定器TMS−3000WRCで測定されるRa値が6〜7Åになるような一次研磨を施した直径約95mmの磁気ディスク用基板
研磨機:SPEEDFAM社製 両面研磨機9B−5P
研磨パッド:スウェードノンバフタイプ
研磨荷重:120g/cm
下定盤回転数:60rpm
研磨用組成物の供給速度:83mL/分(循環)
<研磨レート計算式>
研磨速度[μm/分]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板面積[cm]×ニッケルリンメッキの密度[g/cm]×研磨時間[分])×10
<表面欠陥の数>
表1の“スクラッチ”及び“Tiny Defect”欄には、実施例1,2及び比較例1〜3の各研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨した磁気ディスク用基板において、光学表面アナライザであるKLA Tencor社の“Candela OSA6100”を用いて計測されるスクラッチ(350nmを超える欠陥)の個数及びTiny Defect(350nm以下の欠陥)のそれぞれの個数を測定した結果を表1に示す。これらの欠陥は基板を1000rpmで高速回転させながらレーザー光を照射し、その際に発生する散乱光をScatter channelで検出したものである。
表1に示すように、実施例1,2の研磨用組成物では研磨速度及び表面欠陥に関して実用上満足できる結果が得られた。それに対し、比較例1〜3では研磨速度及び表面欠陥のいずれかに関して実用上満足できる結果が得られなかった。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a) 砥粒、酸、酸化剤、及び欠陥低減剤を有する化合物を含有してなり、前記欠陥低減剤がグアニジン骨格を有する化合物である研磨用組成物を用いて、ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する工程を有する研磨面上のTiny Defect低減方法。
従って、この(a)に記載の発明によれば、研磨速度を維持しながら、従来よりも微細な欠陥を抑制することができる。

Claims (7)

  1. 砥粒、酸、酸化剤、及び欠陥低減剤を含有してなり、
    前記欠陥低減剤がグアニジン骨格を有する化合物であって、
    ニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する用途で使用されることを特徴とする研磨用組成物。
  2. 前記グアニジン骨格を有する化合物がリン酸グアニジンであることを特徴とする請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 無機酸及び有機酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種の化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨用組成物。
  4. 水溶性高分子をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いてニッケルリンめっき磁気ディスク用基板を研磨する工程を有することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方法。
  6. 前記研磨する工程がスウェードタイプの研磨パッドを用いて行われることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
  7. 前記研磨する工程が仕上げ研磨工程であることを特徴とする請求項5又は6に記載の磁気ディスク用基板の製造方法。
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