JP2014032294A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】FPOT(ファーストプリントアウトタイム)の短縮を図りつつ、転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、複数の画像形成部のうち移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部UKで、電圧印加手段から転写手段6kに定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段17と、検知手段17による検知を実行させる実行手段121と、検知手段121の検知結果に基づいて、検知実行画像形成部の転写電圧値と、検知実行画像形成部よりも上流の少なくとも一つの画像形成部である検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値と、を決定する決定手段121と、を有する構成とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式を採用した画像形成装置は、高速化、高機能化、及びカラー化が進められており、各種のプリンタ、複写機などが市場に出ている。その一つとして、タンデム方式の画像形成装置がある。これは、複数の画像形成部が並列に配置されており、各画像形成部が備える像担持体としての感光ドラムに異なる色のトナー像を形成し、この異なる色のトナー像を順次被転写体上で重ね合わせるものである。タンデム方式の画像形成装置は、高速でカラー画像の形成が可能なことなどから、現在のカラープリンタなどの主力である。
タンデム方式の画像形成装置は、次の二つの方式のものに分けられる。一つは、転写ベルトで搬送される記録用紙などの転写材に異なる色のトナー像を直接多重転写する直接転写方式である。もう一つは、異なる色のトナー像を中間転写体(中間転写ベルト)に順次重ねて1次転写してから転写材に一括して2次転写する中間転写方式である。
転写ベルトや中間転写ベルト(以下、総称して単に「ベルト」ともいう。)としては、例えば、樹脂に、電気抵抗値の調整のためのカーボンブラックなどの電子導電剤やイオン導電剤を添加したフィルム状の部材が用いられる。電子導電剤を用いたものは、製造時の分散状態により電気抵抗値の個体差が発生しやすい。一方、イオン導電剤を用いたものは、画像形成装置が用いられる場所の温湿度の変動により含有する水分量が変動し、電気抵抗値のばらつきが発生しやすい。いずれの材質を用いるにせよ、ベルトの電気抵抗値の変動を吸収するべく、画像形成条件を制御することが、良好な画像を出力する上で課題となる。
又、ベルトを介して各画像形成部の感光ドラムと対向して設けられている転写ローラなどの転写部材の電気抵抗値についても、製造時の個体差による電気抵抗値の差や使用度合いによる電気抵抗値の変動が発生することがある。そのため、この電気抵抗値の差や変動(以下、単に「変動」ともいう。)を吸収するべく、画像形成条件を制御することが、上記同様課題となる。
このような転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく、所謂、ATVC(Active Transfer Voltage Control)方式の転写電圧制御方法がある(特許文献1)。これは、転写部材にテスト電圧を印加し、その時の電圧−電流の関係から所望の電流が流れる転写電圧を設定するものである。
又、近年、画像形成の高速化だけでなく、ユーザのストレスの低減のために、画像形成装置が画像データを受信してからプリントアウトされるまでの時間(First Print Out Time:以下「FPOT」という。)が重視されつつある。この観点からもタンデム方式は有利である。又、FPOTを短縮することで、さまざまなパーツの回転時間を減らすことができるので、長寿命化の観点からもFPOTの短縮は重要な課題となっている。
更に、昨今、ユーザの使用形態にあわせて、各画像形成部に交換可能に装着されるプロセスカートリッジは、同じ構成であっても、トナーの容量を増やすなどして印刷可能ページ数の設定を変えて販売される場合も多い。例えば、モノクロ文書を多く印刷するユーザ向けに、通常よりも印刷可能ページ数を多く設定したブラックのプロセスカートリッジなどが販売されている。このようなユーザが使用する画像形成装置では、カラープリントが行われる機会が少ない。そのため、モノクロプリント時にカラー用の画像形成部が無駄に消耗されないようにすることが望まれる。そこで、全ての感光ドラムにベルトが接触するカラーモードと、一部の感光ドラムからベルトが離間されるモノクロモードとを備える画像形成装置がある(特許文献2)。
特開平05−006112号公報 特開2005−062642号公報
従来のATVC方式では、全ての画像形成部において転写部材にテスト電圧を印加することによって画像形成条件を制御し、転写部材の電気抵抗値の変動を吸収する。しかし、この方法は、FPOTを短縮する観点からは望ましくない。
又、上述のようなカラーモードとモノクロモードとを備えた画像形成装置では、カラープリント用のパーツの消耗が少ない。そのため、カラー用のパーツとモノクロ用のパーツとで消耗度に差が生じ、その特性に大きな差が生じてしまうことがある。転写部材の電気抵抗値は、一般的に、使用量の増加に応じて上昇する。従って、例えば、上述のようなモノクロ文書を多く印刷するユーザが使用する画像形成装置では、カラー画像用の転写部材の電気抵抗値とモノクロ画像用の転写部材の電気抵抗値とが大きく異なってしまうことがある。この転写部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御する必要が生じる場合がある。この場合、全ての画像形成部において転写部材にテスト電圧を印加することによって画像形成条件を制御し、転写部材の電気抵抗値の変動を吸収することが考えられるが、上述のようにFPOTを短縮する観点からは望ましくない。
従って、本発明の目的は、FPOTの短縮を図りつつ、転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、移動可能な中間転写体と、前記中間転写体の移動方向に沿って設けられた複数の画像形成部であって、それぞれが、像担持体と、前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記中間転写体を介して前記像担持体に対向して配置され電圧が印加されることで前記像担持体から前記中間転写体にトナーを転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電圧印加手段と、を有する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部で、前記電圧印加手段から前記転写手段に定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段と、前記検知手段による前記検知を実行させる実行手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記検知実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、前記移動方向において前記検知実行画像形成部よりも上流の少なくとも一つの画像形成部である検知非実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、を決定する決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の態様によると、転写材を担持して移動可能な転写材担持体と、前記転写材担持体の移動方向に沿って設けられた複数の画像形成部であって、それぞれが、像担持体と、前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記転写材担持体を介して前記像担持体に対向して配置され電圧が印加されることで前記像担持体から前記転写材担持体に担持された転写材にトナーを転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電圧印加手段と、を有する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部で、前記電圧印加手段から前記転写手段に定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段と、前記検知手段による前記検知を実行させる実行手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記検知実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、前記移動方向において前記検知実行画像形成部よりも上流の少なくとも一つの画像形成部である検知非実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、を決定する決定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、FPOTの短縮を図りつつ、転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することができる。
本発明の一実施例に係る画像形成装置の模式的な断面図である。 本発明の一実施例における現像当接動作のシーケンスを示すタイミングチャート図である。 本発明の一実施例における現像ローラと感光ドラムとの当接離間機構を説明するための模式図である。 ATVC制御の電圧シーケンスを示すグラフ図である。 本発明の一実施例における1次転写電源の概略回路図である。 本発明の一実施例における画像形成装置の要部の制御態様を示すブロック図である。 (a)最上流の画像形成部でもATVC検知を行った場合、(b)最下流の画像形成部のみでATVC検知を行った場合の、それぞれの画像形成装置の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 1次転写ローラの電気抵抗値ごとの電圧−電流特性を示すグラフ図である。 1次転写ローラの電気抵抗値の測定装置の模式図である。 本発明の一実施例におけるATVC制御の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 本発明の他の実施例に係る画像形成装置におけるモノクロモード時の動作を説明するための画像形成装置の模式的な断面図である。 (a)印刷枚数と1次転写ローラの電気抵抗値との関係、(b)印刷枚数とATVC制御結果の変化量との関係をそれぞれ示すグラフ図である。 本発明の他の実施例における画像形成装置の要部の制御態様を示すブロック図である。 本発明の他の実施例における補正モードを選択する制御のフローチャート図である。 本発明の他の実施例における補正モード1を説明するためのグラフ図である。 本発明の他の実施例における補正モード2を説明するためのグラフ図である。 本発明の他の実施例における補正モード3を説明するためのグラフ図である。 本発明を適用し得る他の画像形成装置の一例の要部の模式的な断面図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の概略構成を示す模式的な断面図である。本実施例では、画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、タンデム方式の多色(カラー)画像形成装置である。
画像形成装置100は、被転写体である中間転写ベルト5の平面部に沿って配置された、第1、第2、第3、第4の画像形成部(画像形成ステーション)UY、UM、UC、UKを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを用いて各色のトナー像を形成する。
尚、本実施例では、第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKの構成は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、それぞれ第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKの要素であることを示す符号の末尾のy、m、c、kは省略して総括的に説明する。又、以下、第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKの要素を特に区別して呼ぶ場合に、各画像形成部UY、UM、UC、UKに対応して「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」を付加して呼ぶことがある。
画像形成部Uには、像担持体としての円筒形の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1が設けられている。感光ドラム1は、図中矢印a方向(時計回り)に所定の周速(本実施例では100mm/sec)で回転駆動される。
感光ドラム1の表面には、帯電手段としてのローラ形の帯電部材である帯電ローラ(帯電器)2が圧接されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。帯電ローラ2には、帯電電圧印加手段としての帯電電源(図示せず)から、帯電電圧(帯電バイアス)としてDC電圧又はDC電圧とAC電圧とを重畳した振動電圧が印加される。これにより、感光ドラム1の表面は、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に帯電させられる。
帯電ローラ2によって一様に帯電させられた感光ドラム1の表面は、露光手段(潜像形成手段)としての画像露光部3によって、記録される画像情報に応じて露光される。これにより、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。画像露光部3としては、レーザビームスキャナやLEDなどがあるが、本実施例ではレーザビームスキャナが用いられる。
感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像手段としての現像器4によって現像される。本実施例では、現像器4は、一成分非磁性接触現像器である。現像器4は、非磁性一成分現像剤であるトナーを搬送して感光ドラム1の表面に供給する現像剤担持体としての現像ローラ41、現像ローラ41の表面にトナーを供給(塗布)する現像剤供給手段としての供給ローラ42などを有する。本実施例では、感光ドラム1上の静電潜像を現像するトナーの意図された帯電極性(正規の帯電極性)は負極性である。又、本実施例では、トナーは、重合法により生成された重合トナーである。
表面をトナーで均一にコートされた現像ローラ41は、感光ドラム1に軽圧接される。現像ローラ41は、接触部において感光ドラム1と現像ローラ41との移動方向が順方向になるように、感光ドラム1に対して速度差をもたせて回転駆動される。又、現像ローラ41には、現像電圧印加手段としての現像電源43から、現像電圧(現像バイアス)として所定のDC電圧が印加される。これにより、感光ドラム1上の静電潜像は、トナー像として現像(顕像化)される。供給ローラ42は、現像ローラ41に接触して配置されており、接触部において供給ローラ42と現像ローラ41との移動方向が逆方向になるように回転駆動される。供給ローラ42は、現像ローラ41上にトナーを供給するとともに、現像に供されなかったトナーを現像ローラ41から剥ぎ取る。本実施例では、イメージ露光と反転現像との組み合わせにより、トナー像が形成される。即ち、一様に帯電させられた後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを付着させることで、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
尚、本実施例では、一成分非磁性接触現像法を採用したが、非接触式の一成分現像法、或いは接触又は非接触式の二成分現像法を使用してもよい。
ここで、本実施例では、感光ドラム1と現像ローラ41とは離接可能とされており、必要時に現像ローラ41が感光ドラム1に当接される。現像ローラ41の感光ドラム1への当接動作(以下「現像当接動作」という。)、現像ローラ41の感光ドラム1からの離間動作(以下「現像離間動作」という。)を行う当接離間機構については、後述して更に説明する。
本実施例では、感光ドラム1、現像ローラ41は、トナーの劣化を極力抑えるため、図2に概要を示す動作シーケンスに従って、各画像形成部UY、UM、UC、UKの画像形成に合わせて、順次、現像当接動作、現像離間動作が行われる。即ち、例えばフルカラー画像の形成時には、先ず、第1の画像形成部UYで現像当接動作が行われ、第1の現像ローラ41yが第1の感光ドラム1yに当接した状態になると露光、現像、転写などの画像形成動作が開始される。第2の画像形成部UMでは、画像形成部間の距離を被転写体が移動する時間に応じた所定時間だけ遅れて現像当接動作が行われ、第2の現像ローラ41mが第2の感光ドラム1mに当接した状態になると露光、現像、転写などの画像形成動作が開始される。第3、第4の画像形成部UC、UKにおいても同様に、順次、上記所定時間だけ遅れて現像当接動作が行われた後に、画像形成動作が開始される。画像形成終了後の現像離間動作も、上述の現像当接動作と同様、第1の画像形成部UYから順に行われる。現像当接動作のタイミングなどについては、転写電圧の制御方法に関連して後述して更に詳しく説明する。
各画像形成部UY、UM、UC、UKの各感光ドラム1y、1m、1c、1kに対向するように、中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト5が配置されている。中間転写ベルト5は、支持部材としての駆動ローラ8、支持ローラ9、2次転写対向ローラ10に張架されている。そして、駆動ローラ8が回転駆動されることによって、図中矢印b方向(反時計回り)に回転駆動される。中間転写ベルト5の内周面側には、各感光ドラム1y、1m、1c、1kに対向する位置に、1次転写手段としてのローラ形の転写部材である1次転写ローラ6y、6m、6c、6kが配置されている。各1次転写ローラ6は、中間転写ベルト5を介して各感光ドラム1に押圧され、中間転写ベルト5と各感光ドラム1とが当接する1次転写部(1次転写ニップ)N1を形成している。1次転写ローラ6は、中間転写ベルト5の回転に従動して回転する。又、中間転写ベルト5の外周面側には、2次転写対向ローラ10に対向する位置に、2次転写手段としてのローラ形の転写部材である2次転写ローラ11が配置されている。2次転写ローラ11は、中間転写ベルト5を介して2次転写対向ローラ10に押圧され、2次転写ローラ11と中間転写ベルト5とが当接する2次転写部(2次転写ニップ)N2を形成している。
現像器4によって形成された感光ドラム1上のトナー像は、感光ドラム1の図中矢印a方向への回転によって1次転写部N1へ搬送される。中間転写ベルト5は、感光ドラム1に接触して図中矢印bの方向に回転駆動されている。1次転写部N1に到達したトナー像は、中間転写ベルト5を介して感光ドラム1に圧接されている1次転写ローラ6によって、中間転写ベルト5の表面に転写(1次転写)される。このとき、1次転写ローラ6には、1次転写電圧印加手段としての1次転写電源7から、1次転写電圧(1次転写バイアス)として、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のDC電圧が印加される。
1次転写工程後の感光ドラム1の帯電状態は、トナー像の有無や1次転写電圧の影響により不安定となっている。本実施例では、LEDなどを用いた帯電前露光装置(図示せず)によって、1次転写工程後に感光ドラム1yに光を照射することにより、感光ドラム1の帯電状態を安定化し、その後の帯電工程で均一な帯電を行えるようにしている。
例えばフルカラー画像の形成時には、感光ドラム1上へのトナー像の形成が、第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKで順次行われる。そして、各画像形成部UY、UM、UC、UKの各感光ドラム1y、1m、1c、1kに形成されたトナー像が、順次中間転写ベルト5上に重ね合わせて転写(1次転写)される。これにより、中間転写ベルト5上に、フルカラー画像用の多重トナー像が形成される。
中間転写ベルト5上のトナー像は、2次転写部N2に到達すると、これにタイミングを合わせて給紙部12から2次転写部N2に給送されてきた転写材Pに転写(2次転写)される。このとき、2次転写ローラ11には、2次転写電圧印加手段としての2次転写電源13から、2次転写電圧(2次転写バイアス)として、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のDC電圧が印加される。2次転写電源13から2次転写ローラ11に2次転写電圧が印加されることで発生した2次転写電流は、2次転写ローラ11、転写材P、中間転写ベルト5、2次転写対向ローラ10の経路を流れることで、2次転写に必要な電界を形成する。
トナー像が転写された転写材Pは、2次転写対向ローラ10の曲率によって中間転写ベルト5から分離され、トナー像をのせたまま定着手段としての定着器14へ搬送される。定着器14は、定着スリーブ141と加圧ローラ142とを有する。定着器14は、定着スリーブ141と加圧ローラ142によって記録材Pを挟持して搬送することで、熱及び圧力の作用により転写紙P上にトナー像を定着させる。
一方、1次転写工程後に感光ドラム1の表面に残留したトナー(1次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのクリーニング装置15によってクリーニングされる。クリーニング装置15は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード151と、廃トナー容器152とを有し、回転する感光ドラム1の表面からクリーニングブレード151によって1次転写残トナーを除去し、廃トナー容器152に回収する。又、2次転写工程後に中間転写ベルト5の表面に残留したトナー(2次転写残トナー)は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置16によってクリーニングされる。ベルトクリーニング装置16は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード161と、廃トナー容器162とを有し、回転する中間転写ベルト5の表面からクリーニングブレード161によって2次転写残トナーを除去し、廃トナー容器162に回収する。
ここで、本実施例では、1次転写ローラ6は、芯金上に、EPDMゴムにカーボンを分散させ導電化すると共に発泡させた弾性層を形成して、ローラ形状にしたものである。1次転写ローラ6の電気抵抗値については後述する。
尚、本実施例では、1次転写部材としてローラ形状のものを使用したが、シート形状、ブレード形状、或いはブラシ形状にしたものも使用可能である。
又、本実施例では、駆動ローラ8、支持ローラ9、2次転写対向ローラ10は、電気的に接地されている。又、2次転写対向ローラ10の電気抵抗値は1×106[Ω]以下に調整されている。
又、本実施例では、2次転写ローラ11は、1次転写ローラ6と同様な弾性ゴムローラであるが、23℃50%RHの環境下で電気抵抗値が1×107〜1×1013[Ω]に調整されている。
又、本実施例では、中間転写ベルト5としては、導電形態がイオン導電のものを用いた。具体的には、PEN(ポリエチレンナフタレート)を用いた。そして、本実施例では、中間転写ベルト5は、製造公差/環境変動を考慮しても常に体積抵抗率が1×1010[Ωcm]以上となるように調整されている。本実施例では、中間転写ベルト5の厚さは65[μm]である。
尚、体積抵抗率は、23℃50%RHの環境下で(株)三菱化学製HirestaUPを用い、JIS−K6911に準拠した方法で測定した値である。
中間転写ベルト5としては、樹脂やゴムに導電粒子を分散させて電気抵抗値の調整をした単層ベルトを用いることができる。又、中間転写ベルト5としては、樹脂やゴムのベルトの表層に、離型性を向上させるためのPTFE、PFA、ETFEなどのフッ素樹脂をコーティングするなどした、複数層構成のベルトを用いてもよい。
本実施例では、各画像形成部Uにおいて、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像器4及びクリーニング装置15とは、枠体によって一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ200を構成している。プロセスカートリッジ200は、画像形成装置100の本体(装置本体)に対して着脱可能とされており、例えば現像器4内のトナーが無くなった際に装置本体から取り外されて交換される。又、本実施例では、中間転写ベルト5は、駆動ローラ8、支持ローラ9、2次転写対向ローラ10に張架されて、中間転写ユニットとして構成されている。
2.現像ローラと感光ドラムの当接離間機構
図3は、現像ローラ41と感光ドラム1との相対距離を変更し、現像ローラ41を感光ドラム1に対して当接又は離間させる当接離間機構の一例を示す。
図3に示すように、本実施例では、プロセスカートリッジ200は、現像器4を支持する第1の枠体201と、感光ドラム1、帯電ローラ2及びクリーニング装置15などを支持する第2の枠体202とを有する。第1の枠体201は、第2の枠体202に対して、回動軸203を中心として回動可能に結合される。
図3(a)に示すように、第1の枠体201と第2の枠体202との間に設けられた付勢手段としての圧縮コイルバネ204の付勢力によって、第1の枠体201を図示矢印R1方向に回動させて、現像ローラ41を感光ドラム1に接触させる。又、第1の枠体201に当接離間機構を構成する駆動受部としての突起205を設け、画像形成装置100の装置本体に当接離間機構を構成する駆動部としてのカム101を設ける。カム101は、当接離間機構を構成する駆動源としてのカム駆動モータ103(図6)により駆動される。
そして、図3(b)に示すように、カム101によって突起205を図中左側に押圧することで、第1の枠体201を図示矢印R2方向に回動させて、現像ローラ41を感光ドラム1から離間させる。現像当接動作は、図3(b)に示す離間状態から図3(a)に示す当接状態にする動作である。一方、現像離間動作は、図3(a)に示す当接状態から図3(b)に示す離間状態にする動作である。
当接離間機構は、本実施例のものに限定されるものではなく、例えば現像ローラ41自体が移動して感光ドラム1との相対距離が変更されるようになっていてもよい。
3.ATVC制御
次に、本実施例における1次転写電圧の制御方法について説明する。
本実施例では、1次転写電圧の制御に、中間転写ベルト5及び1次転写ローラ6の環境変動・電気抵抗値ムラなどを補正して安定して最適な電圧を印加できるように、ATVC制御を採用している。
ATVC制御とは、図4に概要を示す電圧シーケンスに従って、画像形成時の1次転写電圧を決定する方法である。即ち、画像形成前の前回転動作時などにおいて、感光ドラム1上の非画像部が1次転写部N1を通過しているときに、1次転写ローラ6に印加する電圧を予め設定された値で定電流制御する。このときの発生電圧値の変動により、1次転写部N1における中間転写ベルト5及び/又は1次転写ローラ6の電気抵抗値の変動を検知することができる。そして、画像形成時には、先の発生電圧値を演算処理して決定した電圧値で1次転写ローラ6に印加する電圧の定電圧制御を行う。上記演算処理としては、発生電圧値の平均値を求めたり、更にその平均値に所定の係数を乗じたりすることが行われる。尚、以下、ATVC制御における発生電圧値を検知する動作(即ち、転写部における部材の電気抵抗値に係る情報を検知する動作)を、単に「ATVC検知」ともいう。
このような制御により、1次転写部N1において感光ドラム1へ流れる過電流を防止し、感光ドラム1の帯電異常を抑制するとともに、画像形成時には適切な電圧が印加できるようになる。そのため、安定して良好な画像の出力が可能となる。
本実施例では、前回転動作時に、10μAの定電流制御を1次転写ローラ6が1回転する時間にわたって行い、このときの発生電圧値の平均値を求め、画像形成時に印加する1次転写電圧を決定する。
又、本実施例では、感光ドラム1にトナーが付着することによる、1次転写部N1での感光ドラム1に流れる電流値の変化により、発生電圧値の測定に影響が出ないように、現像ローラ41と感光ドラム1とを離間した状態でATVC検知を行う。
尚、ATVC検知を行い得る非画像形成時としては、次のものが挙げられる。画像形成装置の電源投入時やスリープモードからの復帰時などの定着温度の立ち上げなどのための所定の準備動作が実行される前多回転動作時がある。又、画像形成信号が入力されてから実際に画像情報に応じた画像を書き出すまでに所定の準備動作が実行される前回転動作時がある。又、連続画像形成時の記録材と記録材との間に対応する紙間時がある。又、画像形成が終了した後に所定の整理動作(準備動作)が実行される後回転動作時がある。本実施例では、非画像形成時として、前回転動作時にATVC検知を行う。
4.1次転写電源
次に、本実施例における1次転写電源(高圧電源)7の制御について説明する。本実施例では、1次転写電圧の制御として、定電圧制御を採用している。図5は、本実施例における1次転写電源7及びそれを制御する高圧制御部17を示す。
1次転写電源7は、高圧一次側出力回路7aと、出力電流検知手段としての電流検知回路を含む高圧二次側出力回路7bとを有する。
1次転写ローラ6には、正極性の電圧が印加されるものとし、その電圧はインバータトランス71から出力される。インバータトランス71は、電源電圧V[V]にて駆動される電圧制御手段としての高圧制御部(CPU)17からのパルス信号OSCにより、高圧一次側出力回路7aのトランジスタ72を介して駆動される。パルス信号OSCは、インバータトランス71の高圧二次側回路7bでダイオード73及びコンデンサ74で整流されて1次転写ローラ6に印加される。
高圧制御部17において、HVT INはDCレベル信号のD/A出力、HVT OUTは高圧出力のA/D入力である。1次転写出力の直流レベルは、トランジスタ75のエミッター電圧に比例する。又、高圧制御部17からの出力HVT INは、オペアンプ78において増幅されてトランジスタ75のベースに入力される。従って、HVT INの増加に伴い転写出力電圧は増加する。
このときの出力電流は、オペアンプ76により、電気抵抗77(r[Ω])による電圧降下により検知できる。高圧制御部17は、オペアンプ76の出力(HVT OUT)から出力電流Itを、次式、
It[A]=(V−HVT OUT)[V]/r[Ω]
として算出する。It[A]の値に基づいて、高圧制御部17によりHVT IN(D/A)の値を制御することで、ATVC制御における1次転写電圧の定電圧制御を実施することができる。
即ち、高圧制御部17は、It[A]の値を一定にするようにHVT IN(D/A)の値を制御することで、1次転写ローラ6に印加する電圧を定電流制御することができる。又、高圧制御部17は、HVT IN(D/A)の値を一定にすることで、1次転写ローラ6に印加する電圧を定電圧制御することができる。つまり、高圧制御部17は、Itを検知する電流検知手段としての機能、HVT INから発生電圧値を検知する電圧検知手段としての機能を有する。換言すれば、高圧制御部17は、一定の電流を流しているときの発生電圧を検知することで、1次転写部N1における部材の電気抵抗値に係る情報を検知する抵抗検知手段として機能し得る。そして、後述する制御部102のCPU121は、高圧制御部17によって検知された発生電圧値から、画像形成時に高圧制御部17によって1次転写ローラ6に印加する1次転写電圧の値を決定する。
5.各画像形成部の1次転写電圧の制御方法
次に、本実施例における各画像形成部UY、UM、UC、UKの1次転写電圧の制御方法について説明する。
本実施例の目的の一つは、FPOTの短縮を図りつつ1次転写部N1における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することで、良好な画像を出力できるようにすることである。より詳細には、複数の画像形成部の全てにおいてATVC検知を行わないようにして極力FPOTを短縮しつつ、該複数の画像形成部の全てにおいて適切な1次転写電圧により適切な1次転写を行うことを可能とすることである。
上述のように、トナー付着による転写電流変動の影響による測定への影響を防止するため、ATVC検知の実行時は感光ドラム1と現像ローラ41とが離間されていることが望まれる。この場合、ATVC検知が終了するまでは現像当接動作を開始することができず、画像形成を開始できない。
図7を参照して、ATVC検知と現像当接動作とを行う場合の画像形成開始時の動作シーケンスについて説明する。
先ず、本実施例との比較として、全ての画像形成部UY、UM、UC、UKにおいてATVC検知を行う場合、図7(a)に模式的に示すシーケンスで画像形成が開始される。
画像形成装置100がプリント信号を受信すると、第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5の駆動が開始される。第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5の速度が所定の値に達すると、それぞれの画像形成部UY、UM、UC、UKでATVC検知が実行される。ATVC検知が終了すると、中間転写ベルト5の移動方向において最上流に配置された第1の画像形成部UYから、同移動方向において最下流に配置された第4の画像形成部UKへと、画像形成部間の距離に応じて順次所定時間ずつ遅れて現像当接動作が開始される。そして、それぞれの画像形成部UY、UM、UC、UKにおいて現像当接動作が終了すると、画像形成準備完了となり、画像露光部3により静電潜像の形成が開始される。
一方、本実施例では、図7(b)に模式的に示すシーケンスで画像形成が開始される。
本実施例では、最も遅いタイミングで現像当接動作が開始される画像形成部である第4の画像形成部UKのみを用いてATVC検知を行い、その検知結果を用いて全ての画像形成部UY、UM、UC、UKにおける1次転写電圧を決定する。又、本実施例では、第4の画像形成部UKにおけるATVC検知と並行して、即ち、少なくとも一部が重なる期間において、第1の画像形成部UYにおいて現像当接動作を行う。
画像形成装置100がプリント信号を受信すると、第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5の駆動が開始される。第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5の速度が所定の値に達すると、第4の画像形成部UKでATVC検知が実行される。又、この第4の画像形成部UKにおけるATVC検知と並行して第1の画像形成部UYにおいて現像当接動作が行われる。第1の画像形成部UYの現像当接動作が終了すると、画像形成準備完了となり、第1の画像形成部UYにおいて画像露光部3により静電潜像の形成が開始される。又、第2、第3の画像形成部UM、UCにおいても、画像形成部間の距離に応じて順次所定時間ずつ遅れて現像当接動作が開始される。本実施例では、これら第2、第3の画像形成部UM、UCにおいても、第4の画像形成部UKにおけるATVC検知と並行して現像当接動作が行われる。そして、これら第2、第3の画像形成部UM、UCにおいても、それぞれの画像形成部UM、UCにおいて現像当接動作が終了すると、画像形成準備完了となり、画像露光部3により静電潜像の形成が開始される。又、第4の画像形成部UKでは、第3の画像形成部UCにおける現像当接動作の開始から画像形成部間の距離に応じて所定時間遅れたタイミングまでには、ATVC検知が終了し、その後現像当接動作が開始される。そして、第4の画像形成部UKにおいても、現像当接動作が終了すると、画像形成準備完了となり、画像露光部3により静電潜像の形成が開始される。
このように、本実施例では、ATVC検知の実行のために画像形成の開始を遅らせる必要がなくなる。又、現像ローラ41が感光ドラム1から離間した状態でATVC検知を実行することができるので、トナー付着による転写電流変動の影響による測定への影響も防止できる。
図7(a)、(b)を比較すれば、本実施例の方が画像形成開始タイミングを早くすることができ、FPOTの短縮を図る上で有利であることが分かる。
以上のようにして、第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧を決定することができる。
次に、ATVC検知が行われない第1、第2、第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の決定方法について説明する。
図8に、1次転写部N1における電圧−電流特性を、1次転写ローラ6の電気抵抗値ごとに示した。ここで、図8に示す電圧−電流特性は、中間転写ベルト5として、体積抵抗率が23℃50%RHの環境下で1×1010[Ωcm]のものを用いた場合のものである。
又、1次転写ローラ6の電気抵抗値は、図9に示すような測定装置を用いて、23℃50%RHの環境下で測定した値である。1次転写ローラ6の測定時の条件は次の通りである。
1次転写ローラの両端にかけられる荷重:4.9[N]×2
対向電極の外径:Φ30[mm]
対向電極の回転数:30[rpm]
入力電圧:10[V]
検知抵抗:1[kΩ]
1次転写ローラ6の電気抵抗値は、入力電圧と検知抵抗の両端に発生した電位差v[V]から、次式によって求められる。
1次転写ローラの電気抵抗値[Ω]=10[V]/(v[V]/1[kΩ])
尚、2次転写ローラ11の電気抵抗値も、上記測定装置を用い同様の条件で測定される。
図8から分かるように、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1が1×106[Ω]より低ければ、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1によらず電圧−電流特性はほぼ同じである。
これは、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1が中間転写ベルト5の電気抵抗値R2に比べ十分に低い場合、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2が支配的となり、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1が電圧−電流特性に影響を与えていないためである。即ち、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1が中間転写ベルト5の電気抵抗値R2に比べ十分に低い場合、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1に応じて1次転写電圧を変える必要がないことを示している。
ここで、1次転写ローラの電気抵抗値R1と、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2を比較してみる。
本実施例では、中間転写ベルト5の体積抵抗率は1×1010[Ωcm]以上であり、厚さは65[μm]である。又、本実施例では、中間転写ベルト5の移動方向と直交する方向における、中間転写ベルト5と1次転写ローラ6とが接触している領域の幅(接触幅)は216[mm]である。又、本実施例では、中間転写ベルト5の移動方向における、中間転写ベルト5と1次転写ローラ6とが接触している領域の幅(ニップ幅)は0.3[mm]である。
以上の条件から、中間転写ベルト5の電気抵抗値(実抵抗)R2を求めると、1×108[Ω]以上となる。
尚、中間転写ベルト5の電気抵抗値(実抵抗)は、次の式を用いて求めている。
中間転写ベルトの電気抵抗[Ω]
=(体積抵抗率[Ωcm]×厚さ[μm])÷(接触幅[mm]×ニップ幅[mm])
=(体積抵抗率[Ωcm]×厚さ[μm])÷(1次転写部材との接触面積[mm2])
上述の1次転写ローラ6の電気抵抗値R1、中間転写ベルト5の電気抵抗R2は、1次転写電圧を印加することにより1次転写部N1において感光ドラム1に流れる電流に関与する1次転写部N1の電気抵抗を代表する。
以上から、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2と1次転写ローラ6の電気抵抗値R1との比(R2÷R1)が100以上であれば、1次転写ローラ6の電気抵抗値に応じて1次転写電圧を変える必要がないといえる。
本実施例では、中間転写ベルト5として体積抵抗率が1×1010[Ωcm]以上のものを用いている。しかし、これとは異なる体積抵抗率の中間転写ベルト5を用いてもよい。その場合でも、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2と1次転写ローラ6の電気抵抗値R1との比(R2÷R1)が100以上であれば、上記同様、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1に応じて1次転写電圧を変える必要がないといえる。例えば、中間転写ベルト5として体積抵抗率が1×108[Ωcm]以上のもの(厚さ、1次転写部材との接触面積は本実施例と同じ)を用いた場合は、1次転写ローラ6として電気抵抗値が1×104[Ω]より低いものを用いればよい。
逆に、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1が高い場合、製造公差などによる1次転写ローラ6の電気抵抗値R1のばらつきも考慮して1次転写電圧を決定する必要があるため、全ての1次転写ローラ6についてATVCを実行する必要がある。この場合、当然のことながら、最上流に位置する画像形成部についてもATVC検知を実行する必要があるので、前述のとおり画像形成の開始が遅れ、FPOTが長くなってしまう。
一方、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2は、特に本実施例のように導電形態がイオン導電である場合などには、雰囲気環境や機内昇温の影響を受けやすく、それらの状況に応じて1次転写電圧の補正を行う必要がある。
そこで、本実施例では、第1〜第4の1次転写ローラ6y、6m、6c、6kの電気抵抗値R1を1×106[Ω]以下とし、中間転写ベルト5の電気抵抗値R2と1次転写ローラ6の電気抵抗値R1との比(R2÷R1)が100以上となるよう構成されている。
これにより、1次転写ローラ6の電気抵抗値R1に応じて1次転写電圧を変える必要がなくなる。そのため、ATVC検知で決定された第4の1次転写ローラ6kに印加される1次転写電圧と同じ値の1次転写電圧を第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cにも印加することができる。
尚、この場合のATVC制御結果、即ち、決定された第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧の値は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の影響は受けないが、中間転写ベルト5の電気抵抗値を反映し、その変動を吸収したものとなっている。
以上のようにして、一つの画像形成部のみでATVC検知を行っても、精度よく全ての画像形成部における1次転写電圧を制御することができる。
6.制御態様
図6は、本実施例の画像形成装置100の要部の概略制御態様を示す。画像形成装置100の動作は、画像形成装置100に設けられた制御部(制御回路)102が備える制御手段としてのCPU121が統括的に制御する。CPU121は、記憶手段としてのROM122に格納され、必要に応じてRAM123に読み出されたプログラムやデータに従って、画像形成装置100の各部の動作を制御する。
例えば、本実施例との関係で、CPU121は、高圧制御部17を介して1次転写電源7y、7m、7c、7kのON/OFF、出力値を制御する。又、CPU121は、現像ローラ41と感光ドラム1との当接離間機構を構成するカム駆動モータ103y、103m、103c、103kのON/OFF、回転量を制御して、カム101y、101m、101c、101kの回転を制御する。その他、これに限定されるものではないが、CPU121は、各感光ドラム1の駆動手段としてのドラム駆動モータ104y、104m、104c、104k、中間転写ベルト5の駆動手段としてのベルト駆動モータ105のON/OFF、駆動速度などを制御する。
又、本実施例では、CPU121は、上述のようにしてATVC検知を実行させる実行手段として機能する。又、CPU121は、上述のようにして第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧を決定する決定手段として機能する。
次に、図10を参照して、本実施例におけるATVC制御の動作について更に詳しく説明する。
画像形成装置100がプリント信号を受信すると、第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5が回転を始める。第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1kの速度が所定の値に達すると、現像当接動作が開始される。上述のように、現像当接動作は、各画像形成部の間隔に応じて順次所定時間ずつ遅れて第1、第2、第3、第4の画像形成部UY、UM、UC、UKの順で行われる。
第1の画像形成部UYでの現像当接動作が終了すると、画像形成準備完了となり、第1の画像形成部UYにおいて画像露光部3yにより静電潜像の形成が開始される。
一方、第4の画像形成部UKの1次転写部N1kでは、第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1k及び中間転写ベルト5の速度が所定の値に達すると、ATVC検知が行われる。これにより、第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧VKが決定される。
第4の画像形成部UKにおけるATVC検知、その検知結果による1次転写電圧の決定は、第1の画像形成部UYにおける画像露光部3yにより形成された静電潜像が現像されて第1の画像形成部UYの1次転写部N1yに到達するタイミングまでに終了する。そして、第1の画像形成部UYでは、そのタイミングに合わせて、第1の1次転写ローラ6yに1次転写電圧が印加される。このとき第1の1次転写ローラ6yに印加される1次転写電圧は、第4の画像形成部UKにおけるATVC検知によって決定された上記1次転写電圧VKと同じ値である。
つまり、本実施例では、画像形成の際に共通の所定動作が複数の画像形成部Uのうち移動方向における最上流の画像形成部UYから最下流の画像形成部UKまで順次に開始されるようになっている。本実施例では、上記所定動作は、像担持体1から離間した状態にある現像手段4を像担持体1に当接させる動作である。そして、実行手段としてのCPU121は、最上流の画像形成部UYにおける上記所定動作と少なくとも一部が重なる期間に検知手段17による上記ATVC検知を実行させる。又、本実施例では、決定手段としてのCPU121は、最上流の画像形成部UYで転写が開始される前に、最上流の画像形成部UYの転写電圧値を決定する。
その後、各画像形成部の間隔に応じて順次所定時間ずつ遅れて第2、第3の1次転写ローラ6m、6cにも1次転写電圧が印加される。このとき印加される1次転写電圧も、第4の画像形成部UKにおけるATVC検知によって決定された上記1次転写電圧VKと同じ値である。
このように、本実施例の画像形成装置100は、移動可能な中間転写体5と、中間転写体5の移動方向に沿って設けられた複数の画像形成部UY、UM、UC、UKと、を有する。各画像形成部Uは、像担持体1と、像担持体1にトナーを供給する現像手段4と、を有する。又、各画像形成部Uは、中間転写体5を介して像担持体1に対向して配置され電圧が印加されることで像担持体1から中間転写体5にトナーを転写させる転写手段6と、転写手段6に電圧を印加する電圧印加手段7と、を有する。画像形成装置100は更に、特定の画像形成部Uで電圧印加手段7から転写手段6に定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段17を有する。上記特定の画像形成部Uは、複数の画像形成部UY、UM、UC、UKのうち上記移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部UKである。本実施例では、検知実行画像形成部は1つであるが、2つ以上であってもよい。検知実行画像形成部が複数ある場合、所望に応じてそのうちのいずれか1つで検知を実行してもよいし、複数で実行してもよい。複数の検知実行画像形成部で検知を実行する場合、例えば得られた検知結果を平均などの統計処理をして用いることができる。又、画像形成装置100は、検知手段17による検知を実行させる実行手段を有する。又、画像形成装置100は、上記検知手段17の検知結果に基づいて、検知実行画像形成部UKでの転写電圧値と、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値と、を決定する決定手段を有する。ここで、転写電圧は、転写のために電圧印加手段から転写手段に印加する電圧値である。又、上記検知非実行画像形成部UY、UM、UCは、上記移動方向において検知実行画像形成部UKよりも上流の少なくとも一つの画像形成部である。本実施例では、CPU121が、上記実行手段、決定手段として機能する。
又、本実施例では、検知実行画像形成部及び検知非実行画像形成部の両方で、転写の際に転写手段6と像担持体1との間で流れる転写電流値に与える転写手段6の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように転写手段6の電気抵抗値が十分に低く設定されている。そして、決定手段121は、検知実行画像形成部UKの転写電圧値として決定した値を、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値として決定する。
以上のようにして、FPOTの短縮を図りつつ、中間転写ベルト5の電気抵抗値の変動の影響を吸収すべく1次転写電圧を制御することができ、良好な画像を出力できる。従って、本実施例によれば、FPOTの短縮を図りつつ、転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、本実施例の画像形成装置において実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、モノクロプリントを多く印刷するユーザの画像形成装置100について説明する。
本実施例では、中間転写ベルト5は、実施例1と同様、製造公差/環境変動を考慮しても常に体積抵抗率が1×1010[Ωcm]以上となるように調整されている。又、本実施例では、中間転写ベルト5の厚さは65[μm]である。
又、本実施例では、第1〜第4の1次転写ローラ6y、6m、6c、6kの電気抵抗値は、未使用状態において1×105[Ω]となるように調整されている。
本実施例では、画像形成装置100は、カラーモード(第1の画像形成モード)と、モノクロモード(第2の画像形成モード)とを実行可能である。カラーモードでは、第1〜第4の画像形成部UY、UM、UC、UKの全てで画像形成が行われ、モノクロモードでは、第4の画像形成部UKのみで画像形成が行われる。即ち、カラーモードとモノクロモードとでは、第1〜第4の画像形成部UY、UM、UC、UKのうち画像形成を行う画像形成部の数が異なる。そして、第1〜第3の画像形成部UY、UM、UCはカラーモードでのみ画像形成を行うが、第4の画像形成部UKではカラーモードとモノクロモードの両方で画像形成を行う。
先ず、モノクロモードの動作について説明する。モノクロモード時は、図11のように、1次転写ローラ離接手段(図示せず)により、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第1〜第3の感光ドラム1y、1m、1cとが離間され、第4の1次転写ローラ6kと第4の感光ドラム1kとが当接されている。このとき、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6c、第1〜第3の感光ドラム1y、1m、1c、及び第1〜第3の現像ローラ41y、41m、41cは駆動されず静止している。又、第1〜第3の現像ローラ41y、41m、41cは第1〜第3の感光ドラム1y、1m、1cから離間されている(図11ではこの離間状態を模式的に示しているが、当接離間機構は実施例1と同様である。)。第4の画像形成部UKにおける帯電、露光、現像、1次転写、そして中間転写ベルト5から転写材Pへのトナー像の2次転写などの基本的な画像形成動作自体は、実施例1で説明したものと同じである。
これにより、モノカラーモード時にカラープリント用の要素、即ち、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cなどの第1〜第3の画像形成部UY、UM、UCの要素が消耗してしまうのを防止することができる。
一方、カラーモード時は、図1に示すように、1次転写ローラ離接手段(図示せず)により、第1〜第4の1次転写ローラ6y、6m、6c、6kと第1〜第4の感光ドラム1y、1m、1c、1kとが当接される。カラーモード時における現像当接動作などの基本的な画像形成動作自体は、実施例1と同じである。
図12(a)は、印刷枚数と1次転写ローラ6の電気抵抗値との関係を示す。図12(a)から分かるように、印刷枚数が増えるにつれて、1次転写ローラ6の電気抵抗値は上昇していくのが一般的である。
ところで、モノクロモード時に第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第1〜第3の感光ドラム1y、1m、1cとが離間される画像形成装置では、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cはカラーモード時にのみ使用される。即ち、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cはモノクロモード時には使用されない。一方、第4の1次転写ローラ6kは、カラーモードとモノクロモードの両方で使用される。
従って、特にモノクロプリントを多用するユーザの画像形成装置100では、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kとが使用された印刷枚数の間に大きな差が生じる場合がある。即ち、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの電気抵抗値と第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値とが大きく異なる場合がある。
特に、印刷枚数が増加し、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値が1×106[Ω]を超えてしまった場合、実施例1と同様の1次転写電圧の制御方法では、第1〜第3の画像形成部UY、UM、UCにおいて適切な1次転写電圧を印加できなくなる場合がある。即ち、第4の1次転写ローラ6kに印加される1次転写電圧と同じ値を第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cにも印加することができなくなる。
この場合、第1〜第3の画像形成部UY、UM、UCにおいてもATVC検知を実行することが考えられるが、実施例1で説明したように、これでは画像形成の開始が遅れてFPOTが長くなってしまう。
本実施例の目的の一つは、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの電気抵抗値と1次転写ローラ6kの電気抵抗値とが大きく異なってしまった場合でも、FPOTの短縮を図りつつ、各1次転写ローラ6に印加する1次転写電圧を適正に決定することである。
そこで、本実施例では、第4の1次転写ローラ6kを用いて行ったATVC検知によるATVC制御結果、即ち、決定された第4の1次転写部材6kに印加する1次転写電圧の値に補正を加える。これにより、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の値を決定する。そして、上記補正は、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの使用履歴情報と、第4の1次転写ローラ6kの使用履歴情報とに基づいて行う。
即ち、更に詳しくは後述するように、第4の1次転写ローラ6kの使用履歴情報に基づいて、ATVC制御結果に含まれる第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇による影響分を予測する。そして、その影響分を差し引いた値を、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の値とする。
これにより、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇による影響を受けずに、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧を決定することができる。
更に説明すると、本実施例の画像形成装置100では、印刷枚数と1次転写ローラ6の電気抵抗値との関係は図12(a)に示した通りである。図12(a)から分かるように、50000枚印刷したところで1次転写ローラ6の電気抵抗値が1×106[Ω]以上となる。
又、このとき中間転写ベルト5の電気抵抗値を固定し、1次転写ローラ6の電気抵抗値の上昇に伴うATVC制御結果の変化量を測定したところ、図12(b)に示す結果が得られた。
図12(a)、(b)の結果は、実施例1において1次転写ローラ6の電気抵抗値が1×106[Ω]以下であれば電圧−電流特性に変化が見られなかった結果(図8)と一致する。
本実施例では、図12(a)、(b)の検討結果に基づき、次の場合分けを行って、1次転写電圧の補正を行った。
(1)総印刷枚数(T)が50000枚未満の場合(補正モード1)
(2)総印刷枚数(T)が50000枚以上、かつ、カラーモードの印刷枚数(F)が50000枚未満の場合(補正モード2)
(3)カラーモードの印刷枚数(F)が50000枚以上の場合(補正モード3)
尚、図12(a)、(b)の結果は、画像形成装置100が使用される雰囲気環境によって異なる。そのため、雰囲気環境ごとに図12(a)、(b)に相当する結果を予め求めておき、雰囲気環境検知手段としての環境センサ106(図13)の結果に基づき、使用する図12(a)、(b)に相当する結果を選択するように構成することができる。本実施例では、23℃50%RH環境下での例について説明する。
図13は、本実施例の画像形成装置100の要部の概略制御態様を示す。本実施例における制御態様は、図6に示す実施例1のものと同様であるが、本実施例では、環境センサ106が設けられている。環境センサ106の検知情報は、CPU121に入力される。CPU121は、環境センサ106の検知結果から絶対水分量や相対湿度の情報を得ることができる。又、ROM122には、絶対水分量や相対湿度毎に予め求められている図12(a)、(b)に相当する印刷枚数と1次転写ローラ6の電気抵抗値との関係を示す情報、印刷枚数とATVC検知結果の変化量との関係を示す情報が格納されている。そして、CPU121は、得られた絶対水分量や相対湿度の情報に応じて、ROM122に格納された上記情報から対応する情報を選択して用いることができる。環境センサ106としては、温度及び湿度を検知する温湿度センサや、湿度を検知する湿度センサとすることができる。
又、本実施例では、カラーモードとモノクロモードのそれぞれによる印刷枚数を計数する計数手段としての記憶装置であるカウンタ107が設けられている。CPU121は、カウンタ107の計数結果を読み込むことができる。これにより、CPU121は、第1〜第4の1次転写ローラ6y、6m、6c、6kの使用量と相関する情報(使用履歴情報)として印刷枚数を検知することができる。
次に、本実施例におけるATVC制御の動作について更に詳しく説明する。
本実施例における現像当接動作及びATVC検知のタイミングなどの基本的な動作は実施例1と同じであるため、詳しい説明は省略する。
本実施例では、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kの使用量の差を求めるため、次の情報が逐次カウンタ107に格納される。先ず、カラーモードで印刷された枚数(カラー印刷枚数)F[枚]の情報である。又、カラーモードとモノクロモードとによる印刷枚数(総印刷枚数)T[枚]の情報である。CPU121は、カウンタ107に格納された情報を、1次転写電圧の補正に用いる。
尚、モノクロモードで印刷された枚数(モノクロ印刷枚数)は、T−F[枚]となる。CPU121は、カウンタ107に格納された情報から、モノクロモードで印刷枚数を求める。
先ず、CPU121は、実施例1と同様の手順でATVC検知を行わせて、第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧VKを決定する。
次いで、CPU121は、カウンタ107より、カラー印刷枚数F[枚]及び総印刷枚数T[枚]の情報を呼び出す。
そして、CPU121は、この情報に基づいて、図14に示すフローチャートに従って補正モードを選択し、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧を決定する。
尚、以下の説明に用いる図15、図16及び図17に示される印刷枚数と1次転写ローラ6の電気抵抗値との関係、印刷枚数とATVC検知結果の変化量との関係は、図12に示したものと同一である。
・補正モード1(総印刷枚数(T)が50000枚未満の場合)
図15を用いて補正モード1について説明する。この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kとの両方の電気抵抗値が1×106[Ω]以下である。そのため、実施例1で説明した通り、これら両者において同じ値の1次転写電圧を使用できる。従って、この場合、CPU121は、決定した第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧の値に補正は行わずに、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の値として決定する。即ち、この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cには、第4の1次転写ローラ6kに印加される1次転写電圧と同じ1次転写電圧VKが印加される(補正量はゼロ)。
・補正モード2(総印刷枚数(T)が50000枚以上、かつ、カラーモードの印刷枚数(F)が50000枚未満の場合)
図16を用いて補正モード2について説明する。この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの電気抵抗値が1×106[Ω]以下、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値が1×106[Ω]以上である。そのため、第4の1次転写ローラ6kを用いて行ったATVC検知によるATVC制御結果、即ち、決定された第4の1次転写部材6kに印加する1次転写電圧の値は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響を受けたものとなる。従って、この場合のATVC制御結果は、図16における変化量Aが足された1次転写電圧の値になる。
一方、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧には、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響を加味する必要はない。従って、この場合、CPU121は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響を受けたATVC制御結果VKから、その影響分Aを差し引いた値を、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の値として決定する。即ち、この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cには、第4の1次転写ローラ6kに印加される1次転写電圧から補正量Aを差し引いた1次転写電圧VK−Aが印加される。
・補正モード3(カラーモードの印刷枚数(F)が50000枚以上の場合)
図17を用いて補正モード3について説明する。この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kとの両方の電気抵抗値が1×106[Ω]以上である。そのため、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kとの両方に、1次転写ローラ6の電気抵抗値の上昇の影響を考慮した1転写電圧を印加する必要がある。ただし、電気抵抗値の上昇の度合いは、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cと第4の1次転写ローラ6kとがそれぞれ印刷に使用された枚数の差、即ち、モノクロ印刷枚数T−F[枚]に応じて異なっている。そこで、CPU121は、モノクロ印刷枚数T−F[枚]に基づいて、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の補正を行う。
先ず、第4の1次転写ローラ6kを用いて行ったATVC検知によるATVC制御結果、即ち、決定された第4の1次転写部材6kに印加する1次転写電圧の値は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響を受けたものとなる。従って、この場合のATVC制御結果は、図17における変化量Bが足された1次転写電圧の値になる。
一方、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧も、電気抵抗値の上昇の影響を受ける。仮に、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cを用いてATVC検知を行ったとすると、ATVC制御結果は、図17における変化Cが足された1次転写電圧の値になる。従って、この場合、CPU121は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響分Bと第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの電気抵抗値の上昇の影響分Cとの差分Dを求める。そして、CPU121は、第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値の上昇の影響を受けたATVC制御結果VKから、上記差分Dを差し引いた値を、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cに印加する1次転写電圧の値として決定する。即ち、この場合、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cには、第4の1次転写ローラ6kに印加される1次転写電圧から補正量D(=B−C)を差し引いた1次転写電圧VK−Dが印加される。
尚、本実施例においても、ATVC制御結果、即ち、決定された第4の1次転写ローラ6kに印加する1次転写電圧の値は、中間転写ベルト5の電気抵抗値を反映し、その変動を吸収した結果となっている。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、次の二つの画像形成モードを実行可能である。即ち、一つは、複数の画像形成部Uのうち検知非実行画像形成部UY、UM、UCと検知実行画像形成部UKとの両方を用いて画像形成を行う第1の画像形成モード(カラーモード)である。もう一つは、複数の画像形成部Uのうち検知実行画像形成部UKのみを用いて画像形成を行う第2の画像形成モード(モノクロモード)である。そして、本実施例では、決定手段121は、検知実行画像形成部UKの転写電圧値として決定した値を補正して、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値として決定する。この補正は、検知手段17の検知結果と、検知実行画像形成部UKの転写手段6の使用量と相関する情報と、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写手段6の使用量と相関する情報と、に基づいて行う。特に、検知実行画像形成部及び検知非実行画像形成部の両方で、転写手段の未使用状態では、転写の際に転写手段と像担持体との間で流れる転写電流に与える転写手段の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように転写手段の電気抵抗値が十分に低く設定されている。そして、決定手段121は、次のような場合は、検知実行画像形成部UKの転写電圧値として決定した値を、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値として決定する。即ち、検知実行画像形成部UK及び検知非実行画像形成部UY、UM、UCの両方で上記情報が示す転写手段6の使用量が所定値未満の場合である。又、次のような場合は、検知実行画像形成部UKの転写電圧値として決定した値を補正して、検知非実行画像形成部UY、UM、UCの転写電圧値として決定する。即ち、検知実行画像形成部UK、又は検知実行画像形成部UK及び検知非実行画像形成部UY、UM、UCの両方で上記情報が示す転写手段6の使用量が上記所定値以上の場合である。上記補正は、決定した検知実行画像形成部UYの転写電圧値から、検知実行画像形成部UKの転写手段の電気抵抗値による変動分を差し引くことで行うことができる。
以上のようにして、第1〜第3の1次転写ローラ6y、6m、6cの電気抵抗値と第4の1次転写ローラ6kの電気抵抗値とが大きく異なってしまった場合でも、実施例1と同様の効果が得られる。即ち、FPOTの短縮を図りつつ、中間転写ベルト5及び/又は1次転写ローラ6の電気抵抗値の変動の影響を吸収すべく1次転写電圧を制御することができ、良好な画像を出力できる。従って、本実施例によれば、FPOTの短縮を図りつつ、転写部における部材の電気抵抗値の変動を吸収するべく画像形成条件を制御することができる。
尚、本実施例ではカラーモードとモノクロモードの印刷枚数の情報に基づいて補正を行っているが、1次転写ローラ6の回転数若しくは回転時間、又は1次転写ローラ6に1次転写電圧が印加された時間などに基づいて補正を行ってもよい。即ち、1次転写ローラ6の使用量と相関する情報であればよい。
又、本実施例では、1次転写ローラ6は、未使用時から所定の使用量に達するまでは、その電気抵抗値が中間転写ベルト5の電気抵抗値に対して無視できるものとした。しかし、未使用時から使用を開始することによって1次転写ローラ6の電気抵抗値が中間転写ベルト5の電気抵抗値に対して無視できない程度となるような構成も考えられる。このような場合であっても、上述の補正モード3と同様の補正を実行することで、1次転写ローラ6の使用初期から補正を実行することも可能である。
その他の実施例
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、本発明を中間転写方式の画像形成装置に適用したが、本発明は直接転写方式の画像形成装置にも適用することができる。図18は、直接転写方式の画像形成装置300の一例の要部の概略構成を示す。図18において、図1に示す中間転写方式の画像形成装置と同一又は対応する機能、構成を有する要素には同一符号を付している。直接転写方式の画像形成装置300は、上述の実施例における中間転写ベルト5に代えて、転写材担持体として例えば無端ベルト状の転写ベルト305を有する。又、上述の実施例における1次転写ローラ6に対応する転写ローラ6が、転写ベルト305を介して感光ドラム1に押圧される。そして、各画像形成部UY、UM、UC、UKにおいて各感光ドラム1y、1m、1c、1kに形成されたトナー像は、各転写部Nにおいて、転写ベルト305に担持されて搬送される転写材P上に順次重ね合わせて転写される。斯かる直接転写方式の画像形成装置300において、各画像形成部UY、UM、UC、UKによる画像形成動作、そのタイミング(現像当接など)は、上述の実施例における中間転写方式の画像形成装置と同様とすることができる。そして、このような直接転写方式の画像形成装置300においても、各転写ローラ6に印加する転写電圧を、上述の実施例における1次転写電圧の制御の場合と同様の制御方法により制御することができる。
尚、この場合も、転写ベルト305の電気抵抗値R2と、転写ローラ6の電気抵抗値R1との比(R2÷R1)が100以上であるようにする。
ここで、転写ベルト305の電気抵抗値R2は、上記実施例における中間転写ベルト5の電気抵抗値の算出方法において、中間転写ベルト5を転写ベルト305と読み替えることで、同様にして求めることができる。又、転写ローラ6の電気抵抗値R1は、上記実施例における1次転写ローラ6の電気抵抗値と同様にして測定できる。ここで、転写ベルト305の電気抵抗値R2と転写ローラ6の電気抵抗値R1との比(R2÷R1)が100以上であれば、転写ベルト305と転写ベルト305で搬送される転写材Pとの合成抵抗と、転写ローラ6の抵抗との比も100以上となる。従って、例えば検知非実行画像形成部で現像当接動作などを開始しつつ検知実行画像形成部の転写部Nに転写材Pを搬送して、転写ベルト305と転写材Pとの合成抵抗に係る情報を検知し、その結果に応じて転写電圧を制御してもよい。
又、各1次転写ローラは、同一の構成であることがコスト低減などの点で好ましいが、異なる構成であっても、それぞれが中間転写ベルトや転写ベルト等に対して上述のような所定の電気抵抗値の関係を有していれば、同様の効果が得られる。
又、上述の実施例では、最下流の画像形成部でATVC検知を行ったが、これに限定されるものではない。画像形成に用いられる画像形成部のうち最上流の画像形成部において転写電圧の印加を開始するタイミングまでに、現像当接動作や画像形成動作の一部と並行してATVC検知を実行し、転写電圧を決定できればよい。その場合には、画像形成に用いられる画像形成部のうち最上流の画像形成部よりも下流の任意の画像形成部でATVC検知を行うことができる。ただし、時間的な余裕があることなどから、最下流の画像形成部が好ましい。又、少なくとも上述の実施例2の制御を行う場合、ATVC検知を行う画像形成部は、モノクロモードで使用される画像形成部、特に、ブラック用の画像形成部であることが好ましい。即ち、ブラック用の画像形成部は、一般に、他の色の画像形成部よりも使用頻度が高いといえる。従って、ブラック用の画像形成部では、他の色の画像形成部よりも1次転写ローラの電気抵抗値が上昇し易い。従って、上述の実施例2の制御を行う場合には、ブラック用の画像形成部でATVC検知を行い、その画像形成部の1次転写ローラの電気抵抗値の上昇の影響を実測できるようにすることが好ましい。
又、上述の実施例では、ATVC検知において、転写部材に定電流制御された電圧を印加している際に発生する電圧値を検知して、その検知結果から画像形成時の転写電圧を決定した。しかし、これに限定されるものではなく、ATVC検知において、転写部材に定電圧制御された電圧を印加している際に流れる電流値を検知して、その検知結果から画像形成時の転写電圧を決定してもよい。即ち、転写部における部材の電気抵抗値に係る情報が得られればよい。又、画像形成時の転写電圧は定電圧制御することに限定されるものではなく、例えば上述のようにATVC検知において電流値を検知する場合などにおいて、画像形成時の転写電圧を定電流制御してもよい。
1 感光ドラム
3 画像露光部
4 現像器
5 中間転写ベルト
6 1次転写ローラ
7 1次転写電源

Claims (24)

  1. 移動可能な中間転写体と、
    前記中間転写体の移動方向に沿って設けられた複数の画像形成部であって、それぞれが、像担持体と、前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記中間転写体を介して前記像担持体に対向して配置され電圧が印加されることで前記像担持体から前記中間転写体にトナーを転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電圧印加手段と、を有する複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部で、前記電圧印加手段から前記転写手段に定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段と、
    前記検知手段による前記検知を実行させる実行手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づいて、前記検知実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、前記移動方向において前記検知実行画像形成部よりも上流の少なくとも一つの画像形成部である検知非実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、を決定する決定手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像形成の際に共通の所定動作が前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部から最下流の画像形成部まで順次に開始されるようになっており、前記実行手段は、前記最上流の画像形成部における前記所定動作と少なくとも一部が重なる期間に前記検知手段による前記検知を実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記所定動作は、前記像担持体から離間した状態にある前記現像手段を前記像担持体に当接させる動作であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記検知非実行画像形成部は、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部を含み、前記決定手段は、前記最上流の画像形成部で前記転写が開始される前に、前記最上流の画像形成部の前記転写電圧値を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で、前記転写の際に前記転写手段と前記像担持体との間で流れる転写電流値に与える前記転写手段の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように前記転写手段の電気抵抗値が十分に低く設定されており、
    前記決定手段は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記決定手段は、前記検知手段の検知結果と、前記検知実行画像形成部の前記転写手段の使用量と相関する情報と、前記検知非実行画像形成部の前記転写手段の使用量と相関する情報と、に基づいて、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を補正して、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記複数の画像形成部のうち前記検知非実行画像形成部と前記検知実行画像形成部との両方を用いて画像形成を行う第1の画像形成モードと、前記複数の画像形成部のうち前記検知実行画像形成部のみを用いて画像形成を行う第2の画像形成モードと、を実行可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で、前記転写手段の未使用状態では、前記転写の際に前記転写手段と前記像担持体との間で流れる転写電流に与える前記転写手段の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように前記転写手段の電気抵抗値が十分に低く設定されており、
    前記決定手段は、(a)前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で前記情報が示す前記転写手段の使用量が所定値未満の場合は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定し、(b)前記検知実行画像形成部、又は前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で前記情報が示す前記転写手段の使用量が前記所定値以上の場合は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を補正して、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 前記補正は、決定した前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値から、前記検知実行画像形成部の前記転写手段の電気抵抗値による変動分を差し引くことで行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記転写手段の使用量と相関する情報が、前記転写手段を用いて行われた印刷枚数の情報、前記転写手段の回転数若しくは回転時間の情報、又は前記転写手段に電圧が印加された時間の情報であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記転写手段の電気抵抗値の設定は、前記転写手段の電気抵抗値をR1[Ω]、前記中間転写体の電気抵抗値をR2[Ω]としたとき、次式、
    (R2÷R1)≧100
    [ただし、R2=(前記中間転写体の体積抵抗率×前記中間転写体の厚さ)÷(前記中間転写体と前記転写手段との接触面積)]
    を満たすことを特徴とする請求項5又は8に記載の画像形成装置。
  12. 前記検知実行画像形成部は、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最下流の画像形成部であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 転写材を担持して移動可能な転写材担持体と、
    前記転写材担持体の移動方向に沿って設けられた複数の画像形成部であって、それぞれが、像担持体と、前記像担持体にトナーを供給する現像手段と、前記転写材担持体を介して前記像担持体に対向して配置され電圧が印加されることで前記像担持体から前記転写材担持体に担持された転写材にトナーを転写させる転写手段と、前記転写手段に電圧を印加する電圧印加手段と、を有する複数の画像形成部と、
    前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部以外の少なくとも一つの画像形成部である検知実行画像形成部で、前記電圧印加手段から前記転写手段に定電流制御された電圧を印加しているときの電圧値又は定電圧制御された電圧を印加しているときの電流値を検知する検知手段と、
    前記検知手段による前記検知を実行させる実行手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づいて、前記検知実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、前記移動方向において前記検知実行画像形成部よりも上流の少なくとも一つの画像形成部である検知非実行画像形成部で前記転写のために前記電圧印加手段から前記転写手段に印加する転写電圧値と、を決定する決定手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 画像形成の際に共通の所定動作が前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部から最下流の画像形成部まで順次に開始されるようになっており、前記実行手段は、前記最上流の画像形成部における前記所定動作と少なくとも一部が重なる期間に前記検知手段による前記検知を実行させることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記所定動作は、前記像担持体から離間した状態にある前記現像手段を前記像担持体に当接させる動作であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記検知非実行画像形成部は、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最上流の画像形成部を含み、前記決定手段は、前記最上流の画像形成部で前記転写が開始される前に、前記最上流の画像形成部の前記転写電圧値を決定することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  17. 前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で、前記転写の際に前記転写手段と前記像担持体との間で流れる転写電流値に与える前記転写手段の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように前記転写手段の電気抵抗値が十分に低く設定されており、
    前記決定手段は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  18. 前記決定手段は、前記検知手段の検知結果と、前記検知実行画像形成部の前記転写手段の使用量と相関する情報と、前記検知非実行画像形成部の前記転写手段の使用量と相関する情報と、に基づいて、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を補正して、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  19. 前記複数の画像形成部のうち前記検知非実行画像形成部と前記検知実行画像形成部との両方を用いて画像形成を行う第1の画像形成モードと、前記複数の画像形成部のうち前記検知実行画像形成部のみを用いて画像形成を行う第2の画像形成モードと、を実行可能であることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で、前記転写手段の未使用状態では、前記転写の際に前記転写手段と前記像担持体との間で流れる転写電流に与える前記転写手段の電気抵抗値の変動の影響が無視できるように前記転写手段の電気抵抗値が十分に低く設定されており、
    前記決定手段は、(a)前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で前記情報が示す前記転写手段の使用量が所定値未満の場合は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定し、(b)前記検知実行画像形成部、又は前記検知実行画像形成部及び前記検知非実行画像形成部の両方で前記情報が示す前記転写手段の使用量が前記所定値以上の場合は、前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値として決定した値を補正して、前記検知非実行画像形成部の前記転写電圧値として決定することを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。
  21. 前記補正は、決定した前記検知実行画像形成部の前記転写電圧値から、前記検知実行画像形成部の前記転写手段の電気抵抗値による変動分を差し引くことで行うことを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  22. 前記転写手段の使用量と相関する情報が、前記転写手段を用いて行われた印刷枚数の情報、前記転写手段の回転数若しくは回転時間の情報、又は前記転写手段に電圧が印加された時間の情報であることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  23. 前記転写手段の電気抵抗値の設定は、前記転写手段の電気抵抗値をR1[Ω]、前記転写材担持体の電気抵抗値をR2[Ω]としたとき、次式、
    (R2÷R1)≧100
    [ただし、R2=(前記転写材担持体の体積抵抗率×前記転写材担持体の厚さ)÷(前記転写材担持体と前記転写手段との接触面積)]
    を満たすことを特徴とする請求項17又は20に記載の画像形成装置。
  24. 前記検知実行画像形成部は、前記複数の画像形成部のうち前記移動方向における最下流の画像形成部であることを特徴とする請求項13〜23のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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