JP2014031466A - すべり性付与ポリアミドイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性、耐薬品性および耐溶剤性に優れ、且つ塗膜の摩擦係数を下げたポリアミドイミド樹脂およびこれを含む組成物を提供する。
【解決手段】 樹脂末端構造を脂肪族アルカノールアミドで変性し、アミド基数とイミド基数を30/70〜60/40の範囲内の割合で有するポリアミドイミド樹脂。脂肪族アルカノールアミドの変性量はポリアミドイミド樹脂に対して0.2〜15重量%であることが好まし。このようなポリアミドイミド樹脂に、エポキシ樹脂を併用してもよい。
【選択図】 なし
【解決手段】 樹脂末端構造を脂肪族アルカノールアミドで変性し、アミド基数とイミド基数を30/70〜60/40の範囲内の割合で有するポリアミドイミド樹脂。脂肪族アルカノールアミドの変性量はポリアミドイミド樹脂に対して0.2〜15重量%であることが好まし。このようなポリアミドイミド樹脂に、エポキシ樹脂を併用してもよい。
【選択図】 なし
Description
本発明は金属基材に優れた密着性を有する塗膜を形成するすべり性付与ポリアミドイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物に関する。
ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性および耐溶剤性が優れているため、各種基材のコート剤としてエナメル線用ワニス、耐熱塗料などに広く使用されている。これらの用途では、フッ素樹脂や固体潤滑剤等を使用し摩擦係数を下げて耐摩耗用途で使用されている。フッ素樹脂などを使用する場合、フッ素樹脂のコストアップや分散の工程などコストがかかる。
本発明は、耐熱性、耐薬品性および耐溶剤性に優れ、且つ塗膜の摩擦係数を下げたポリアミドイミド樹脂およびこれを含む組成物を提供するものである。
本発明は、アミド基数とイミド基数を30/70〜60/40を有し、且つ樹脂末端構造を脂肪族アルカノールアミドに変性したポリアミドイミド樹脂に関する。
本発明により従来のポリアミドイミド樹脂は、よりすべり性を付与でき、各種の耐摩耗用途などの耐熱塗料用途に有用である。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は、ジイソシアネート化合物、三塩基酸無水物及び脂肪族アルカノールアミドを反応させることにより製造することができる。
代表的な材料としてはジイソシアネート化合物として、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル、パラフェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等、三塩基酸無水物としてトリメリット酸無水物等が挙げられる。併用可能な材料としては、例えばジカルボン酸化合物としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
本発明に用いられる脂肪族アルカノールアミドはやし油脂脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリル酸イソプロパノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミドなどである。
脂肪族アルカノールアミドの使用量は、ポリアミドイミド樹脂構造内の0.2〜15重量%の範囲とされる。変性量は、0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜7.5重量%の範囲となる。長鎖アルキル構造を有する化合物の使用量が0.2重量部未満では、そのすべり性が発現しにくくなり、15重量%を超えると耐熱性やすべり性、金属基板への密着性が劣る傾向がある。
上記の合成条件は多様であり、一概に特定できないが、例えば最も代表的なジイソシアネート化合物と三塩基酸無水物を反応させる方法については、特開平4−39323号公報などに例示されている。
脂肪族アルカノールアミドのポリアミドイミド樹脂への変性法について特に制限はないが、例えば合成中に反応させる方法や合成後に反応させる方法がある。反応は使用するイソシアネートに脂肪族アルカノールアミドのアルコールが反応しウレタン結合を生成する。
また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は10,000〜50,000の範囲とされる。数平均分子量が10,000未満では、造膜性が低下し、50,000を超えると、最終的に得られるポリアミドイミド樹脂又はそれを含む組成物の粘度が高くなり塗装時の作業性が劣る傾向がある。ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時に樹脂をサンプリングしてゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)などの分析機器を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記の範囲に管理される。
本発明に係るポリアミドイミド樹脂又はそれを含む組成物は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、δ−ヴァレロラクトン等のケトン類などの溶媒で希釈され、適当な粘度に調整して用いられる。
ポリアミドイミド樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、硬化剤としてエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネートなどを含むことができる。硬化剤としては、特に、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に係るすべり性付与ポリアミドイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物は、金属基材の絶縁皮膜、保護コートなどに好適な耐熱性樹脂および耐熱性樹脂組成物であり、これを用いて金属基材の被覆、非粘着用途への応用、環状のベルトに適用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.3g(1.0モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.0モル)、オレイン酸ジエタノールアミド22.1g(ポリアミドイミドに対して5重量%)およびN−メチル−2−ピロリドン660gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約3時間で温度を130℃に上昇し、この温度で6時間保温して数平均分子量17000のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、ヤシ油脂ジエタノールアミド2.25g(0.5重量%)N−メチル−2−ピロリドン904gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約2時間で温度を130℃に上昇し、この温度で6時間保温して数平均分子量18100のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート132.7g(0.53モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル132.2(0.5モル)無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、ヤシ油脂モノエタノールアミド32.0(7重量%)N−メチル−2−ピロリドン904gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約2時間で温度を130℃に上昇し、この温度で6時間保温して数平均分子量16900のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート107.6g(0.43モル)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル158.6(0.モル)無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、オレイン酸ジエタノールアミド22.9g(5重量%)N−メチル−2−ピロリドン904gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約2時間で温度を130℃に上昇し、この温度で6時間保温して数平均分子量17400のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
比較例1
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)およびN−メチル−2−ピロリドン660gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約3時間で温度を130℃に上昇し、この温度で4時間保温してポリアミドイミド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は18000であった。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート257.5g(1.03モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)およびN−メチル−2−ピロリドン660gを2リットルのフラスコに仕込み、撹拌しながら約3時間で温度を130℃に上昇し、この温度で4時間保温してポリアミドイミド樹脂溶液を得た。得られたポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は18000であった。
試験例
実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂溶液にエポキシ樹脂を重量%で樹脂分中10%添加し試験溶液を作製し、基材(アルミニウム板JIS H 4000、厚み1mm、未研摩)に塗布した後230℃で30分間焼付けて膜厚約20μmの塗膜板を作製し、初期の密着性を測定した。(1)密着性は旧JIS K 5400に準じて測定した(%、クロスカット残率)。(2)すべり性:SUS403製の球を荷重3kgf、ストローク10mm、速度0.5m/sで500回往復させ摩擦係数を測定した。(3)機械的特性(機械的強度、弾性率及び伸び率の測定)PAI樹脂組成物を230℃で30分加熱硬化し、膜厚が約20μm、幅10mm、長さが60mmの塗膜を形成する。得られた塗膜を、引張試験機を用いて、チャック間長さ20mm、引張速度5mm/分の条件で引張試験を行い、機械的特性を求めた。
実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂溶液にエポキシ樹脂を重量%で樹脂分中10%添加し試験溶液を作製し、基材(アルミニウム板JIS H 4000、厚み1mm、未研摩)に塗布した後230℃で30分間焼付けて膜厚約20μmの塗膜板を作製し、初期の密着性を測定した。(1)密着性は旧JIS K 5400に準じて測定した(%、クロスカット残率)。(2)すべり性:SUS403製の球を荷重3kgf、ストローク10mm、速度0.5m/sで500回往復させ摩擦係数を測定した。(3)機械的特性(機械的強度、弾性率及び伸び率の測定)PAI樹脂組成物を230℃で30分加熱硬化し、膜厚が約20μm、幅10mm、長さが60mmの塗膜を形成する。得られた塗膜を、引張試験機を用いて、チャック間長さ20mm、引張速度5mm/分の条件で引張試験を行い、機械的特性を求めた。
表1から、実施例1〜4で得られたポリアミドイミド樹脂溶液を用いて得られた塗膜は比較例1のポリアミドイミド樹脂溶液を用いて得られた塗膜と比較してすべり性が優れていることが示される。
Claims (3)
- 樹脂末端構造を脂肪族アルカノールアミドで変性し、アミド基数とイミド基数を30/70〜60/40の範囲内の割合で有するポリアミドイミド樹脂。
- 脂肪族アルカノールアミドの変性量がポリアミドイミド樹脂に対して0.2〜15重量%である請求項1記載のポリアミドイミド樹脂。
- 請求項1又は2のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012173881A JP2014031466A (ja) | 2012-08-06 | 2012-08-06 | すべり性付与ポリアミドイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物 |
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JP2014031466A true JP2014031466A (ja) | 2014-02-20 |
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JP2012173881A Pending JP2014031466A (ja) | 2012-08-06 | 2012-08-06 | すべり性付与ポリアミドイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物 |
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Country | Link |
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2012
- 2012-08-06 JP JP2012173881A patent/JP2014031466A/ja active Pending
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