JP2014030845A - 鋳抜きピンの製造方法 - Google Patents

鋳抜きピンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014030845A
JP2014030845A JP2012174086A JP2012174086A JP2014030845A JP 2014030845 A JP2014030845 A JP 2014030845A JP 2012174086 A JP2012174086 A JP 2012174086A JP 2012174086 A JP2012174086 A JP 2012174086A JP 2014030845 A JP2014030845 A JP 2014030845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
diameter
sleeve
round bar
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012174086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5616404B2 (ja
Inventor
Shigetoshi Iketani
重利 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suguro Tekko KK
Original Assignee
Suguro Tekko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suguro Tekko KK filed Critical Suguro Tekko KK
Priority to JP2012174086A priority Critical patent/JP5616404B2/ja
Publication of JP2014030845A publication Critical patent/JP2014030845A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5616404B2 publication Critical patent/JP5616404B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

【課題】テーパ部の根元からの折損を防止して、寿命の長期化を図ること。
【解決手段】一定の外径を有する中実の丸棒の内部に、一定の内径を有する貫通穴53が、中心軸線に沿って穿設された第1の部材51の前記貫通穴53に、前記貫通穴53の内径よりも小さい一定の外径を有する丸棒部54が、中心軸線に沿って機械加工された第2の部材52の前記丸棒部54を挿通し、これら第1の部材51と第2の部材52とを一体物にする段階と、一体物とされた前記第1の部材51および前記第2の部材52を、加工機にセットし、前記第1の部材51、および前記第2の部材52の前記丸棒部54を切削して、前記丸棒部54の所定の部分がテーパ部になるように機械加工する段階と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用される鋳抜きピン(コアピン)およびその製造方法に関するものである。
一般に、ダイカスト製品等に対してボルト穴等の孔部を形成するために、金型に固定される鋳抜きピン(コアピン)が用いられる。鋳抜きピンは、金属製の丸棒とされ、中心軸線に沿って冷却穴が形成された中空のものと、冷却穴が形成されていない中実のものがある。下記特許文献1には、冷却穴が形成された鋳抜きピンが開示されている。
冷却穴が形成された鋳抜きピンを使用すれば、ダイカスト製品に生じる引け巣を鋳抜きピン位置から遠ざけることができるという点で有利とされている。
特開平09−001313号公報
しかしながら、図6に示すように、上記特許文献1に開示されている鋳抜きピンを含め、従来の鋳抜きピン1は、中径部2と先細りテーパ部3とが一体化されており、鋳抜きピン1には、溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)からの伝熱による膨張、溶湯が凝固する際の圧縮力、スプレーやエアブローによる急冷、膨張や圧縮が部分的に起こることによって生じる応力差、さらには離型時の引っ張り応力等が繰り返し作用する。
そして、中径部2と先細りテーパ部3とが一体化された従来の鋳抜きピン1では、上記の繰り返し応力が、中径部2と先細りテーパ部3との境界部に集中的に作用し、図7に示すように、中径部2と先細りテーパ部3との境界部で鋳抜きピン1が折損してしまうおそれがある。
なお、図6および図7中の符号4は大径部(取り付け部:フランジ部)、符号5はダイカスト鋳造用金型、符号6はキャビティである。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、テーパ部の根元からの折損を防止して、寿命の長期化を図ることができる鋳抜きピンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る鋳抜きピンの製造方法は、スリーブと、該スリーブに挿通されたインナーピンと、を備え、前記スリーブに前記インナーピンが挿通された状態で、前記インナーピンの先端側の端部に形成されたテーパ部が、前記スリーブの先端面から突出する鋳抜きピンの製造方法であって、一定の外径を有する中実の丸棒の内部に、一定の内径を有する貫通穴が、中心軸線に沿って穿設された第1の部材の前記貫通穴に、前記貫通穴の内径よりも小さい一定の外径を有する丸棒部が、中心軸線に沿って機械加工された第2の部材の前記丸棒部を挿通し、これら第1の部材と第2の部材とを一体物にする段階と、一体物とされた前記第1の部材および前記第2の部材を、加工機にセットし、前記第1の部材、および前記第2の部材の前記丸棒部を切削して、前記丸棒部の所定の部分が前記テーパ部になるように機械加工する段階と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る鋳抜きピンの製造方法によれば、スリーブとインナーピンとが、別々の部材とされ、図6に示す従来の中径部2と先細りテーパ部3との境界部が、排除されることになる。
これにより、中径部2と先細りテーパ部3との境界部における応力集中をなくす(大幅に低減させる)ことができ、先細りテーパ部3の根元からの折損を防止することができて、寿命を長期化させることができる。
また、本発明に係る鋳抜きピンの製造方法によれば、予め用意された第1の部材と第2の部材とを組み合わせて、一体物とし、一体物とされたこれら第1の部材および第2の部材を、加工機にセットして、所望の形状を有する鋳抜きピンが製作されることになる。すなわち、スリーブの中心軸線(芯)と、インナーピンの中心軸線(芯)とが一致した鋳抜きピンが製作されることになる。言い換えれば、例えば、図1に示す貫通穴43の内径と、小径直線部34の外径との差(隙間)が、周方向にわたって一定な鋳抜きピンが製作されることになる。
これにより、スリーブとインナーピンとの片当たりをなくすことができて、疲労によるインナーピンの折損を防止することができて、寿命を長期化させることができる。
なお、スリーブと、インナーピンとを、別々に加工機にセットして製作した後、それらを組み合わせて一つの鋳抜きピンとした場合、スリーブの中心軸線(芯)と、インナーピンの中心軸線(芯)とが一致しておらず、スリーブとインナーピンとが片当たりして、疲労によってインナーピンが折損するおそれがある。
上記鋳抜きピンの製造方法において、基端部の側に位置する前記中実の丸棒の内部に、前記貫通穴の内径よりも大きい一定の内径を有する凹部を穿設する段階を備えているとさらに好適である。
このような鋳抜きピンの製造方法によれば、スリーブとインナーピンとの間に、断熱層(空気層)が形成されることになる。
これにより、インナーピンの内部に、基端部の側からその中心軸線に沿って中心穴が形成され、先端部の側にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたものでは、金型(例えば、ダイカスト用金型)に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する金型の肩部コーナー近傍、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する鋳抜きピンの根元部コーナー近傍が、当該鋳抜きピンの先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
すなわち、キャビティ内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナーに確実に到達して、その後凝固することになり、製品(例えば、ダイカスト製品)を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型から製品を取り外す際、製品が金型の肩部コーナーまたは当該鋳抜きピンの根元部コーナーに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型の肩部コーナー近傍で金型の肩部が折損してしまうのを、または当該鋳抜きピンの根元部コーナー近傍で当該鋳抜きピンが折損してしまうのを防止することができる。
上記鋳抜きピンの製造方法において、前記貫通穴の内径が、前記丸棒部の外径+10μm〜+100μm、好ましくは、前記丸棒部の外径+30μmとなるように、前記貫通穴が穿設されているとさらに好適である。
このような鋳抜きピンの製造方法によれば、インナーピンをスリーブに対して支障なく抜き挿しすることができて、かつ、インナーピンとスリーブとの隙間から、溶湯が差し込むのを防止することができる。
本発明に係る鋳抜きピンは、スリーブと、該スリーブに挿通されたインナーピンと、を備え、前記スリーブに前記インナーピンが挿通された状態で、前記インナーピンの先端側の端部に形成されたテーパ部が、前記スリーブの先端面から突出する鋳抜きピンであって、前記スリーブの内部に、前記インナーピンの基端側における外径よりも大きい一定の内径を有する凹部が、中心軸線に沿って穿設されていることを特徴とする。
本発明に係る鋳抜きピンによれば、スリーブとインナーピンとの間に、断熱層(空気層)が形成されることになる。
これにより、インナーピンの内部に、基端部の側からその中心軸線に沿って中心穴が形成され、先端部の側にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたものでは、金型(例えば、ダイカスト用金型)に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する金型の肩部コーナー近傍、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する鋳抜きピンの根元部コーナー近傍が、当該鋳抜きピンの先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
すなわち、キャビティ内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナーに確実に到達して、その後凝固することになり、製品(例えば、ダイカスト製品)を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型から製品を取り外す際、製品が金型の肩部コーナーまたは当該鋳抜きピンの根元部コーナーに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型の肩部コーナー近傍で金型の肩部が折損してしまうのを、または当該鋳抜きピンの根元部コーナー近傍で当該鋳抜きピンが折損してしまうのを防止することができる。
上記鋳抜きピンにおいて、前記インナーピンが前記スリーブを貫通する、前記スリーブに設けられた貫通穴の内径が、前記インナーピンが前記スリーブを貫通する、前記インナーピンの外径+10μm〜+100μm、好ましくは、前記丸棒部の外径+30μmとされているとさらに好適である。
このような鋳抜きピンによれば、インナーピンをスリーブに対して支障なく抜き挿しすることができて、かつ、インナーピンとスリーブとの隙間から、溶湯が差し込むのを防止することができる。
本発明に係る鋳抜きピンの製造方法によれば、テーパ部の根元からの折損を防止して、寿命の長期化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンの製造方法を用いて製造された鋳抜きピンを側面から見た図で、スリーブのみを断面で示す図である。 本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンの製造方法を説明するための図であり、(a)は第1の部材の断面図、(b)は第2の部材の側面図である。 本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態に係る鋳抜きピンおよびその製造方法について、図1から図4を参照しながら説明する。
本実施形態では、ダイカスト用金型に用いる鋳抜きピンを一具体例として挙げ、その形状を説明した後に、その製造方法について説明する。
図1に示すように、鋳抜きピン11は、中空円筒形状を呈するスリーブ12と、スリーブ12に挿通される、中実円筒形状を呈するピン(インナーピン)13と、を備えている。
スリーブ12は、例えば、ダイカスト金属材料として最も広く使用されているダイス鋼(SKD61)で作られており、大径部21と、大径部21よりも小径とされた小径直線部22と、小径テーパ部23と、を備えている。
ピン13は、例えば、ダイカスト金属材料として最も広く使用されているダイス鋼(SKD61)で作られており、大径部31と、大径テーパ部32と、大径部31よりも小径とされた中径部33と、中径部33よりも小径とされた小径直線部34と、小径テーパ部35と、を備えている。
基端部14の側に配置された大径部21は、長さ方向における一端から他端にかけて外径が(略)同一になるように、NC(Numerical Control:数値制御)切削にて機械加工されている。大径部21の端面41は、ピン13の大径テーパ部32を形成するテーパ面(外周面:表面)と接する(合致する)ようにして形成されたテーパ面(内周面)とされ、大径部21の内周面42には、中径部33の外周面に設けられた雄ねじ部(図示せず)と螺合する雌ねじ部(図示せず)が設けられている。
小径直線部22は、基端部14の側に配置された大径部21と、先端部15の側に配置された小径テーパ部23とを連続的に接続する部位であり、長さ方向における一端から他端にかけて外径が(略)同一になるように、NC切削にて機械加工されている。
小径テーパ部23は、基端部14の側から先端部15の側にかけて所定の割合で縮径して、円錐台形状を呈する部位であり、長さ方向における一端から他端にかけて外径が徐々に小さくなるように、NC切削にて機械加工されている。
先端部15の側に位置するスリーブ12の端部には、先端部15の側に位置するピン13の小径直線部34の端部が挿通される貫通穴43が設けられている。貫通穴43の内径は、小径直線部34を貫通穴43に対して支障なく抜き挿しすることができて、かつ、小径直線部34と貫通穴43との隙間から、溶湯の差し込みが生じない範囲、例えば、小径直線部34の外径+10μm〜+100μm、好ましくは、小径直線部34の外径+30μmとされている。
基端部14の側に配置された大径部31は、長さ方向における一端から他端にかけて外径が(略)同一になるように、NC切削にて機械加工されている。
なお、大径部31は、大径部31の外周面と大径部21の外周面とで、連続する同一の周面(円筒)が形成されるよう、大径部21の外径と同じ外径を有している。
大径テーパ部32は、基端部14の側から先端部15の側にかけて所定の割合で縮径して、円錐台形状を呈する部位であり、長さ方向における一端から他端にかけて外径が徐々に小さくなるように、NC切削にて機械加工されている。
中径部33は、おおよそ円柱形状を呈する部位であり、中径部33の長さは、大径部21の内周面42の長さよりも短く、中径部33の外周面に設けられた雄ねじ部を大径部21の内周面42に設けられた雌ねじ部にねじ込んでいくと、ピン13の大径テーパ部32を形成するテーパ面全体が、大径部21の端面41全体と密着するようにして接し、それ以上、中径部33の外周面に設けられた雄ねじ部を大径部21の内周面42に設けられた雌ねじ部にねじ込むことができなくなる。
また、中径部33の長さが、大径部21の内周面42の長さよりも短い分だけ、ピン13の大径テーパ部32を形成するテーパ面全体が、大径部21の端面41全体と接している状態で、中径部33および小径直線部34と、大径部21との間に空間S1が形成されることになる。
小径直線部34は、長さ方向における一端から他端にかけて外径が(略)同一になるように、NC切削にて機械加工されている。
一方、大径部21および小径直線部22の内側には、貫通穴43の内径よりも大きな内径、例えば、小径直線部34の外径+0.1μm〜+1.0μm、好ましくは、小径直線部34の外径+0.5μmとされた内径を有する凹所44が軸方向に沿って穿設されている。また、凹所44の内径が、小径直線部34の外径よりも長い分だけ、小径直線部34と、凹所44を形成する大径部21および小径直線部22の内周面との間に空間S2が形成されることになる。
そして、空間S1と空間S2とにより、断熱層(空気層)が形成されることになる。
小径テーパ部35は、基端部14の側から先端部15の側にかけて所定の割合で縮径して、円錐台形状を呈する部位であり、テーパ角は、例えば、1°〜5°、好ましくは、1°〜2°とされている。
つぎに、上記鋳抜きピン11の製造方法について、図2から図4を参照しながら説明する。
はじめに、図2(a)に示す第1の部材51と、図2(b)に示す第2の部材52と、を用意する。
第1の部材51は、大径部21の外径と同じ外径を有する中実の丸棒の内部に、端面41、内周面42、凹所44、および貫通穴43の内径と同じ内径を有する貫通穴53が、軸方向(中心軸線)に沿ってNC切削にて穿設(NC切削にて機械加工)されたものである。
第2の部材52は、大径部31の外径と同じ外径を有する中実の丸棒に、大径部31、大径テーパ部32、中径部33、および小径直線部34の外径と同じ外径を有する丸棒部54が、軸方向(中心軸線)に沿ってNC切削にて機械加工されたものである。
つぎに、図3に示すように、丸棒部54を、凹所44および貫通穴53の中に挿入し、中径部33の外周面に設けられた雄ねじ部を、ピン13の大径テーパ部32を形成するテーパ面全体が、大径部21の端面41全体と密着するようにして接して、それ以上、中径部33の外周面に設けられた雄ねじ部を大径部21の内周面42に設けられた雌ねじ部にねじ込むことができなくなるまで、大径部21の内周面42に設けられた雌ねじ部にねじ込んでいく。すなわち、図2(a)に示す第1の部材51と、図2(b)に示す第2の部材52とを組み合わせて、一体物にする。
つづいて、図2(a)に示す第1の部材51と、図2(b)に示す第2の部材52とが組み合わせられて、一体物とされた被加工物(被削物)55(図3参照)を、NC加工機(図示せず)にセットする。
つぎに、図4に示すように、第1の部材51、および第2の部材52の丸棒部54をNC切削して、丸棒部54の所定の部分が小径テーパ部35になるように機械加工するとともに、第1の部材51をNC切削して、第1の部材51の所定の部分が小径直線部22、小径テーパ部23になるように機械加工して、図1に示す鋳抜きピン11を製作する。
本実施形態に係る鋳抜きピン11の製造方法によれば、スリーブ12とインナーピン13とが、別々の部材とされ、図6に示す従来の中径部2と先細りテーパ部3との境界部が、排除されることになる。
これにより、中径部2と先細りテーパ部3との境界部における応力集中、すなわち、図1に示す小径テーパ部35の根元における応力集中をなくす(大幅に低減させる)ことができ、小径テーパ部35の根元からの折損を防止することができて、寿命を長期化させることができる。
また、本実施形態に係る鋳抜きピン11の製造方法によれば、予め用意された第1の部材51と第2の部材52とを組み合わせて、一体物とし、一体物とされたこれら第1の部材51および第2の部材52を、加工機にセットして、所望の形状を有する鋳抜きピン11が製作されることになる。すなわち、スリーブ12の中心軸線(芯)と、インナーピン13の中心軸線(芯)とが一致した鋳抜きピン11が製作されることになる。言い換えれば、例えば、図1に示す貫通穴43の内径と、小径直線部34の外径との差(隙間)が、周方向にわたって一定な鋳抜きピン11が製作されることになる。
これにより、スリーブ12とインナーピン13との片当たりをなくすことができて、疲労によるインナーピン13の折損を防止することができて、寿命を長期化させることができる。
なお、スリーブと、インナーピンとを、別々に加工機にセットして製作した後、それらを組み合わせて一つの鋳抜きピンとした場合、スリーブの中心軸線(芯)と、インナーピンの中心軸線(芯)とが一致しておらず、スリーブとインナーピンとが片当たりして、疲労によってインナーピンが折損するおそれがある。
さらに、本実施形態に係る鋳抜きピン11の製造方法によれば、貫通穴43の内径が、小径直線部34の外径+10μm〜+100μm、好ましくは、小径直線部34の外径+30μmとなるように、貫通穴43が穿設されているので、インナーピン13をスリーブ12に対して支障なく抜き挿しすることができて、かつ、インナーピン13とスリーブ12との隙間から、溶湯が差し込むのを防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上述した実施形態では、ピン13として中実のものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、ピン62の内部に、基端部14の側からその中心軸線に沿って中心穴が形成され、先端部15の側にて底部63を有する有底穴とされた冷却穴64が形成された中空のピン62と、上述したスリーブ12と、を備えた鋳抜きピン61とすることもできる。
冷却穴64内には、鋳抜きピン61の中心軸線に沿って図示しない冷却水供給パイプ(内パイプ)が挿入され、この冷却水供給パイプの先端から冷却穴64の底部63に向かって冷却水が噴出するようになっている。冷却水供給パイプの他端は、図示しない冷却水供給配管に接続されており、この冷却水供給配管の上流側には、図示しない冷却装置本体が設けられている。冷却水供給パイプの先端から噴出した冷却水は、冷却穴64の底部63に衝突した後に流れの向きを反転させ、冷却穴64内を基端部14の側に向かって流れる。このように冷却水が流れる際に、鋳抜きピン61の壁部を介して伝達された熱を受け取ることによって、鋳抜きピン61を内部から冷却する。基端部14の側へと向かって流れた冷却水は、鋳抜きピン61の基端部14の側に接続された図示しない接続管(外パイプ)内へと流れ込み、冷却水戻り配管(図示せず)を介して図示しない冷却装置本体へと導かれる。
鋳抜きピン61内に冷却水を供給しながらダイカスト製造工程を行うことにより、鋳抜きピン61の焼き付きを防止できるとともに、ダイカスト製品に生じる引け巣を鋳抜きピン61位置から遠ざけることができる。
そして、本実施形態に係る鋳抜きピンによれば、金型(例えば、ダイカスト用金型)に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する金型の肩部コーナー近傍、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する鋳抜きピンの根元部コーナー近傍が、当該鋳抜きピンの先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
すなわち、キャビティ内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナーに確実に到達して、その後凝固することになり、製品(例えば、ダイカスト製品)を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型から製品を取り外す際、製品が金型の肩部コーナーまたは当該鋳抜きピンの根元部コーナーに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型の肩部コーナー近傍で金型の肩部が折損してしまうのを、または当該鋳抜きピンの根元部コーナー近傍で当該鋳抜きピンが折損してしまうのを防止することができる。
また、上述した実施形態では、大径部31と中径部33とが大径テーパ部32を介して接続されたピン13を一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大径部31と中径部33とが大径テーパ部32を介さずに直接接続されたピン、すなわち、大径テーパ部32を有していないピンを採用することもできる。この場合、大径部21の端面41は、テーパ面ではなく、スリーブ12(およびピン)の中心軸線と直交する平面に平行な平面となる。
さらに、上述した実施形態では、スリーブ12およびピン13,62として、ダイス鋼(SKD61)から作られたものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の金属(銅、真鍮、SUS、ベリリウム銅、チタン等)から作られたものであってもよく、スリーブ12と、ピン13,62とを、材質の異なる金属で製作することもできる。
さらにまた、上述した実施形態では、スリーブ12の内部に凹所44が設けられたものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スリーブ12の内部に凹所44が設けられていない構成とすることもできる。また、空間S1も必須の構成要素ではなく、適宜省略することができる。
11 鋳抜きピン
12 スリーブ
13 インナーピン
34 小径直線部
35 小径テーパ部(テーパ部)
43 貫通穴
44 凹部
51 第1の部材
52 第2の部材
53 貫通穴
54 丸棒部

Claims (5)

  1. スリーブと、該スリーブに挿通されたインナーピンと、を備え、前記スリーブに前記インナーピンが挿通された状態で、前記インナーピンの先端側の端部に形成されたテーパ部が、前記スリーブの先端面から突出する鋳抜きピンの製造方法であって、
    一定の外径を有する中実の丸棒の内部に、一定の内径を有する貫通穴が、中心軸線に沿って穿設された第1の部材の前記貫通穴に、前記貫通穴の内径よりも小さい一定の外径を有する丸棒部が、中心軸線に沿って機械加工された第2の部材の前記丸棒部を挿通し、これら第1の部材と第2の部材とを一体物にする段階と、
    一体物とされた前記第1の部材および前記第2の部材を、加工機にセットし、前記第1の部材、および前記第2の部材の前記丸棒部を切削して、前記丸棒部の所定の部分が前記テーパ部になるように機械加工する段階と、を備えていることを特徴とする鋳抜きピンの製造方法。
  2. 基端部の側に位置する前記中実の丸棒の内部に、前記貫通穴の内径よりも大きい一定の内径を有する凹部を穿設する段階を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鋳抜きピンの製造方法。
  3. 前記貫通穴の内径が、前記丸棒部の外径+10μm〜+100μm、好ましくは、前記丸棒部の外径+30μmとなるように、前記貫通穴が穿設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳抜きピンの製造方法。
  4. スリーブと、該スリーブに挿通されたインナーピンと、を備え、前記スリーブに前記インナーピンが挿通された状態で、前記インナーピンの先端側の端部に形成されたテーパ部が、前記スリーブの先端面から突出する鋳抜きピンであって、
    前記スリーブの内部に、前記インナーピンの基端側における外径よりも大きい一定の内径を有する凹部が、中心軸線に沿って穿設されていることを特徴とする鋳抜きピン。
  5. 前記インナーピンが前記スリーブを貫通する、前記スリーブに設けられた貫通穴の内径が、前記インナーピンが前記スリーブを貫通する、前記インナーピンの外径+10μm〜+100μm、好ましくは、前記丸棒部の外径+30μmとされていることを特徴とする請求項4に記載の鋳抜きピン。
JP2012174086A 2012-08-06 2012-08-06 鋳抜きピンの製造方法 Expired - Fee Related JP5616404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012174086A JP5616404B2 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 鋳抜きピンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012174086A JP5616404B2 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 鋳抜きピンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014030845A true JP2014030845A (ja) 2014-02-20
JP5616404B2 JP5616404B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=50281087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012174086A Expired - Fee Related JP5616404B2 (ja) 2012-08-06 2012-08-06 鋳抜きピンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5616404B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017094372A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 株式会社スグロ鉄工 鋳抜きピンおよび鋳造用金型

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000343196A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Toshiba Mach Co Ltd ダイカストマシン用プランジャスリーブ
JP2003080344A (ja) * 2001-09-11 2003-03-18 Jft:Kk 金型用冷却装置
JP2005329446A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Fuji Heavy Ind Ltd 中子ピンを備えた金型構造
JP2005334961A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Honda Motor Co Ltd 鋳抜ピン
JP2005349424A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Aisin Seiki Co Ltd 成形用金型
JP2007021552A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Ryobi Ltd ダイカスト金型及びダイカスト法
JP2009090444A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Suguro Tekko:Kk 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
JP2011235341A (ja) * 2010-05-13 2011-11-24 Suguro Tekko:Kk 有底円筒金属部材およびその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000343196A (ja) * 1999-06-08 2000-12-12 Toshiba Mach Co Ltd ダイカストマシン用プランジャスリーブ
JP2003080344A (ja) * 2001-09-11 2003-03-18 Jft:Kk 金型用冷却装置
JP2005329446A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Fuji Heavy Ind Ltd 中子ピンを備えた金型構造
JP2005334961A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Honda Motor Co Ltd 鋳抜ピン
JP2005349424A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Aisin Seiki Co Ltd 成形用金型
JP2007021552A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Ryobi Ltd ダイカスト金型及びダイカスト法
JP2009090444A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Suguro Tekko:Kk 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
JP2011235341A (ja) * 2010-05-13 2011-11-24 Suguro Tekko:Kk 有底円筒金属部材およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017094372A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 株式会社スグロ鉄工 鋳抜きピンおよび鋳造用金型

Also Published As

Publication number Publication date
JP5616404B2 (ja) 2014-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5337364B2 (ja) 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
US20070235156A1 (en) Method of forming a metal casting having a uniform side wall thickness
JP5412386B2 (ja) 薄肉有底円筒金属部材およびその製造方法
JP5616122B2 (ja) コアピン、コアピンの製造方法、ダイカスト鋳造用金型、およびダイカスト鋳造用金型の製造方法
JP5487242B2 (ja) 通水機構及びその製造方法並びにブッシュ装置
JP4801629B2 (ja) 筒体壁面の貫通孔製造方法及び筒体構造
JP5047241B2 (ja) 引抜ダイスおよびそれを用いた金属管の製造方法
JP5297440B2 (ja) 金型用冷却パイプ
JP5616404B2 (ja) 鋳抜きピンの製造方法
JP5011271B2 (ja) 鋳抜きピン
JP5412537B2 (ja) 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
JP5479511B2 (ja) 有底円筒金属部材およびその製造方法
JP2005334961A (ja) 鋳抜ピン
JP2006083456A (ja) 溶射前処理方法およびエンジンのシリンダブロック
JP3330882B2 (ja) ダイカストマシンのプランジャチップ取付構造
JP5586997B2 (ja) コアピンおよびその組み立て方法
JP5376286B2 (ja) 鋳造金型の冷却構造
JP5547554B2 (ja) ダイカスト用金型に用いられるコアピンの製造方法
JP2009214162A (ja) 鋳ぐるみ用中子および鋳ぐるみ鋳造方法
JP2006239738A (ja) スプールコア
JP7401047B2 (ja) 燃料導入用インレットの製造方法
JP5395918B2 (ja) 薄肉有底円筒金属部材の製造方法
JPH07246443A (ja) 鋳型及びこの鋳型を用いた鋳造方法
JP2017101287A (ja) 穿孔用ビットの製造方法および穿孔用ビット
JP2000167654A (ja) 鋳抜き穴の成形方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5616404

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees