JP5479511B2 - 有底円筒金属部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカスト鋳造や射出成形等に使用されるコアピン(中子ピン)等の有底円筒金属部材およびその製造方法に関するものである。
一般に、ダイカスト製品等に対してボルト穴等の孔部を形成するために、金型に固定されるコアピン(中子ピン)が用いられる。コアピンは、金属製の丸棒とされ、中心軸線に沿って冷却穴が形成された中空のものと、冷却穴が形成されていない中実のものがある。下記特許文献1には、冷却穴が形成されたコアピンが開示されている。
冷却穴が形成されたコアピンを使用すれば、ダイカスト製品に生じる引け巣をコアピン位置から遠ざけることができるという点で有利とされている。
特開2009−90444号公報(図1参照)
しかしながら、上記特許文献1に示すコアピンでは、図7の下側に二点鎖線で示す部位、すなわち、ダイカスト(鋳造)用金型81に取り付けられた際にキャビティコーナー82aと対向するコアピン83の根元部コーナー81a近傍が、図7の下側に一点鎖線で示す部位、すなわち、コアピン83の先端部(図7の下側に一点鎖線で示す部位)と同じように冷却されてしまい、キャビティ82内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)が、キャビティコーナー82aに到達する前に凝固して、ダイカスト製品を寸法通りに正確に製造できなかったり、ダイカスト用金型81からダイカスト製品を取り外す際、ダイカスト製品がコアピン83の根元部コーナー81aに食い付き、ダイカスト製品にクラックが発生したり、コアピン83の根元部コーナー81a近傍でコアピン83が折損してしまったりするおそれがある。
また、内部に冷却水を通水させるための冷却水用通路(有底穴)86が直接設けられたダイカスト用金型87では、図7の上側に二点鎖線で示す部位、すなわち、キャビティコーナー88aと対向するダイカスト用金型87の肩部コーナー87a近傍が、図7の上側に一点鎖線で示す部位、すなわち、冷却水用通路86の先端部(図7の上側に一点鎖線で示す部位)と同じように冷却されてしまい、キャビティ82内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)が、キャビティコーナー88aに到達する前に凝固して、ダイカスト製品を寸法通りに正確に製造できなかったり、ダイカスト用金型87からダイカスト製品を取り外す際、ダイカスト製品がダイカスト用金型87の肩部コーナー87aに食い付き、ダイカスト製品にクラックが発生したり、ダイカスト用金型87の肩部コーナー87a近傍でダイカスト用金型87の肩部87bが折損してしまったりするおそれがある。
さらに、コアピン83の内部に設けられる冷却穴84や、ダイカスト用金型87の内部に設けられる冷却水用通路86は、ドリルで穿設されるのが一般的であり、その場合、冷却穴84を形成するコアピン83の内周面や、冷却水用通路86を形成するダイカスト用金型87の内周面に、ドリルの刃によって傷(ツールマーク:切削痕)が付き(細かな凹凸ができ)、そこに冷却水が滞留して、コアピン83の内周面や、ダイカスト用金型87の内周面が酸化し、コアピン83の内周面や、ダイカスト用金型87の内周面に錆が発生してしまうことがある。また、この錆が著しく進行すると、コアピン83やダイカスト用金型87の肉厚方向に亀裂や割れが発生し、冷却穴84や冷却水用通路86を通過する水等の冷却材が外に漏れ出すおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、製品を寸法通りに正確に製造することができ、金型から製品を取り外す際、製品の、金型の肩部コーナーへの食い付きまたは有底円筒金属部材の根元部コーナーへの食い付きを防止することができて、金型から取り外された製品の、クラックの発生を防止することができる有底円筒金属部材およびその製造方法を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る有底円筒金属部材は、金属からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成された、前記金属の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する金属からなる内筒とを有してなる有底円筒金属部材であって、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している。
本発明に係る有底円筒金属部材は、ダイス鋼からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたステンレスからなる内筒とを有してなる有底円筒金属部材であって、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している。
本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法は、金属からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成された、前記金属の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する金属からなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している有底円筒金属部材の製造方法であって、前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、前記内筒が挿入された前記外筒を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにした。
本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法は、ダイス鋼からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたステンレスからなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している有底円筒金属部材の製造方法であって、前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、前記内筒が挿入された前記外筒を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにした。
本発明に係る有底円筒金属部材および本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法により製造された有底円筒金属部材によれば、内筒に設けられた肉厚部により、金型(例えば、ダイカスト用金型)に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する金型の肩部コーナー近傍、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナー近傍が、有底円筒金属部材の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
これにより、キャビティ内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナーに確実に到達して、その後凝固することになり、製品(例えば、ダイカスト製品)を寸法通りに正確に製造することができる。
また、金型から製品を取り外す際、製品が金型の肩部コーナーまたは当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに食い付くのを防止することができ、製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型の肩部コーナー近傍で金型の肩部が折損してしまうのを、または当該有底円筒金属部材の根元部コーナー近傍で当該有底円筒金属部材が折損してしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る有底円筒金属部材および本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法により製造された有底円筒金属部材によれば、外筒の内周側が、錆難い金属(例えば、ステンレス)からなる内筒で覆われ、冷却穴に流入した冷却水が、外筒の内周面に接触しないようになっている。
これにより、冷却穴を形成する有底円筒金属部材の内周面が酸化し、錆が発生してしまうことを防止することができ、有底円筒金属部材の肉厚方向に亀裂や割れが発生して、冷却穴を通過する冷却水が外に漏れ出すことを防止することができる。
さらに、本発明に係る有底円筒金属部材および本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法により製造された有底円筒金属部材によれば、内筒と外筒とが、密着面(接合面)のところで互いに溶けあって、内筒の外周面と外筒の内周面とが(直接)密着した状態で接合され、外筒が冷却水によって効率よく冷却されることになるので、有底円筒金属部材の焼き付きを防止できるとともに、製品に生じる引け巣を有底円筒金属部材位置から遠ざけることができる。
さらにまた、本発明に係る有底円筒金属部材の製造方法によれば、真空熱処理中におけるガスの発生がないので、真空熱処理炉を用いて有底円筒金属部材を製造することができる。
上記有底円筒金属部材において、前記有底円筒金属部材は、ダイカスト用金型に用いられるコアピンとされているとさらに好適である。
このような有底円筒金属部材によれば、有底円筒金属部材に形成された有底穴は、冷却水を供給して冷却するための冷却穴として使用され、冷却穴を通過する冷却水の漏洩が防止されることになるので、製品の歩留まりを向上させることができる。
上記有底円筒金属部材の製造方法において、前記冷却の後、焼き戻しをするとさらに好適である。
このような有底円筒金属部材の製造方法によれば、1000℃〜1050℃で加熱された際に生じた残留応力が除去され、使用目的に応じた適正な硬さと粘り強さとのバランスがとられるとともに、不安定な相の安定化が図られることになるので、経年変形や割れ等を防止することができる。
本発明に係るダイカスト鋳造用金型は、先端部にて底部を有する有底穴と、この有底穴の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、金属からなる内筒とを有してなるダイカスト鋳造用金型であって、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している。
本発明に係るダイカスト鋳造用金型は、先端部にて底部を有する有底穴と、この有底穴の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、ステンレスからなる内筒とを有してなるダイカスト鋳造用金型であって、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している。
本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法は、先端部にて底部を有する有底穴を備える外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、金属からなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有しているダイカスト鋳造用金型の製造方法であって、前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、前記内筒が挿入された当該ダイカスト鋳造用金型を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにした。
本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法は、先端部にて底部を有する有底穴を備える外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、ステンレスからなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有しているダイカスト鋳造用金型の製造方法であって、前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、前記内筒が挿入された当該ダイカスト鋳造用金型を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにした。
本発明に係るダイカスト鋳造用金型および本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法により製造されたダイカスト鋳造用金型によれば、内筒に設けられた肉厚部により、キャビティコーナーと対向する金型の肩部コーナー近傍が、金型の肩部の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
これにより、キャビティ内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナーに確実に到達して、その後凝固することになり、ダイカスト製品を寸法通りに正確に製造することができる。
また、ダイカスト鋳造用金型からダイカスト製品を取り外す際、ダイカスト製品が金型の肩部コーナーに食い付くのを防止することができ、ダイカスト製品にクラックが発生するのを防止することができて、金型の肩部コーナー近傍で金型の肩部が折損してしまうのを防止することができる。
また、本発明に係るダイカスト鋳造用金型および本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法により製造されたダイカスト鋳造用金型によれば、冷却穴の内周側が、錆難い金属(例えば、ステンレス)からなる内筒で覆われ、冷却穴に流入した冷却水が、ダイカスト鋳造用金型の内周面に接触しないようになっている。
これにより、冷却穴を形成するダイカスト鋳造用金型の内周面が酸化し、錆が発生してしまうことを防止することができ、ダイカスト鋳造用金型の肉厚方向に亀裂や割れが発生して、冷却穴を通過する冷却水が外に漏れ出すことを防止することができる。
さらに、本発明に係るダイカスト鋳造用金型および本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法により製造されたダイカスト鋳造用金型によれば、内筒とダイカスト鋳造用金型とが、密着面(接合面)のところで互いに溶けあって、内筒の外周面とダイカスト鋳造用金型の内周面とが(直接)密着した状態で接合され、ダイカスト鋳造用金型が冷却水によって効率よく冷却されることになるので、ダイカスト製品に生じる引け巣を冷却水用通路(すなわち、有底穴)の位置から遠ざけることができる。
さらにまた、本発明に係るダイカスト鋳造用金型の製造方法によれば、真空熱処理中におけるガスの発生がないので、真空熱処理炉を用いてダイカスト鋳造用金型を製造することができる。
上記ダイカスト鋳造用金型の製造方法において、前記冷却の後、焼き戻しをするとさらに好適である。
このようなダイカスト鋳造用金型の製造方法によれば、1000℃〜1050℃で加熱された際に生じた残留応力が除去され、使用目的に応じた適正な硬さと粘り強さとのバランスがとられるとともに、不安定な相の安定化が図られることになるので、経年変形や割れ等を防止することができる。
本発明に係る有底円筒金属部材によれば、製品を寸法通りに正確に製造することができ、金型から製品を取り外す際、製品の、金型の肩部コーナーへの食い付きまたは有底円筒金属部材の根元部コーナーへの食い付きを防止することができて、金型から取り外された製品の、クラックの発生を防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を用いて製造されたコアピンをダイカスト用金型に取り付けた状態を示す側断面図である。 本発明の一実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を用いて製造されたコアピンの断面図である。 本発明の一実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係るダイカスト用金型の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るダイカスト用金型の正面図である。 本発明の一実施形態に係るダイカスト用金型の要部を拡大して示す断面図である。 従来の問題点を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態に係る有底円筒金属部材およびその製造方法について、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態では、ダイカスト用金型に用いるコアピン(中子ピン)を有底円筒金属部材の一例として、コアピンの使用形態およびコアピンの形状を説明した後に、コアピンの製造方法について説明する。
なお、図1は本実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を用いて製造されたコアピンをダイカスト用金型に取り付けた状態を示す側断面図、図2は本実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を用いて製造されたコアピンの断面図、図3は本実施形態に係る有底円筒金属部材の製造方法を示す図である。
図1には、ダイカスト(鋳造)用金型3に固定されたコアピン1を示している。コアピン1の先端部(図1において右方)1a側は、金型3内に配置されている。コアピン1の内部には、基端部(図1において左方)1bからその中心軸線に沿って中心穴が形成されており、先端部1aにて底部1d(図2参照)を有する有底穴とされた冷却穴1cが形成されている。この冷却穴1c内には、コアピン1の中心軸線に沿って冷却水供給パイプ(内パイプ)5が挿入されている。
冷却水供給パイプ5の先端5aから冷却穴1cの底部1d、すなわち、コアピン1の先端部1aに向かって冷却水が噴出するようになっている。冷却水供給パイプ5の他端は、冷却水供給配管7に接続されている。冷却水供給配管7の上流側には、図示しない冷却装置本体が設けられている。冷却水供給パイプ5の先端5aから噴出した冷却水は、冷却穴1cの底部に衝突した後に流れの向きを反転させ、冷却穴1c内を基端部1bに向かって流れる。このように冷却水が流れる際に、コアピン1の壁部を介して伝達された熱を受け取ることによって、コアピン1を内部から冷却する。基端部1bへと向かって流れた冷却水は、コアピン1の基端部1bに接続された接続管(外パイプ)9内へと流れ込み、冷却水戻り配管11を介して図示しない冷却装置本体へと導かれる。
以上説明したように、コアピン1内に冷却水を供給しながらダイカスト製造工程を行うことにより、コアピン1の焼き付きを防止できるとともに、ダイカスト製品に生じる引け巣をコアピン1位置から遠ざけることができる。
図2には、コアピン1の形状を示している。なお、同図に示したコアピンの形状はあくまでも一例であって、本発明はこの形状に限定されるものではない。
コアピン1は、外筒2と、内筒4とを備えている。外筒2は、例えば、ダイカスト金属材料として最も広く使用されているダイス鋼(SKD61)で作られており、基端部1b側に位置する大径部12と、先端部1a側に位置するとともに大径部12よりも小径とされた小径テーパ部14と、大径部12と小径テーパ部14との間に位置するとともに小径テーパ部14に対して連続的に接続された小径直線部16とを有している。
一方、内筒4は、例えば、ステンレス(例えば、SUS304)で作られており、厚さ0.1mm〜0.15mm程度の薄肉部4aと、薄肉部4aの3〜4倍程度の厚さ(0.3mm〜0.6mm程度の厚さ)を有する肉厚部4bとを有している。
大径部12の直径は、例えば、13mmとされており、小径直線部16の直径は、例えば、4.1mmとされている。小径テーパ部14の直径は、基端部1b側が4.1mmとされ、先端にいくにしたがい先細り形状となるようなテーパ形状となっている。テーパ角は、例えば、1°とされる。小径テーパ部14の先端、すなわち、コアピン1の先端部1aは、球面形状を有するように加工されている。
外筒2の長さは、250mmとされている。大径部12の長さは25mm、小径直線部16の長さは203mm、小径テーパ部14の長さは22mmとされている。
コアピン1には、基端部1bから先端部1aの手前にかけて、中心軸線に沿って冷却穴1cとしての中心穴が形成されている。冷却穴1cの先端部1a側は貫通しておらず、底部1dが設けられている。このように、冷却穴1cは有底穴となっている。また、大径部12および小径直線部16の(半径方向)内側に位置する外筒2の内周面(内側面)2a、より詳しくは、基端部1b側に形成された開口1eから、ダイカスト用金型3(図1参照)に取り付けられた際にキャビティコーナー18a(図1参照)と対向するダイカスト用金型3の肩部コーナー3a(図1参照)近傍で、かつ、ダイカスト用金型3からキャビティ18(図1参照)の側に突出するダイカスト用金型3の肩部(突出部)3b(図1参照)内に位置する小径直線部16の内周面2aには、内筒4の肉厚部4bの外周面(外側面)4cが密着した状態で取り付けられている。
さらに、小径直線部16および小径テーパ部14の内側に位置する外筒2の内周面2b、より詳しくは、肉厚部4bの先端面(肉厚部4bを収容するのに穿設された穴2a(図2、図3(b)参照)の底面2e(図2、図3(a),(b)参照)と接する端面)4dから先端部1a側に位置する小径直線部16および小径テーパ部14の内周面2bには、内筒4の薄肉部4aの外周面(外側面)4eが密着した状態で取り付けられている。内筒4は基端部1b側に形成された開口1e(または開口1e近傍)まで延びている。すなわち、外筒2の内側(内周側)は、内筒4で、その全体あるいは接続管9の先端(図1において右方)が螺結される雌ねじ部(図示せず)を除いた全体が)覆われ、外筒2の内周面2aには、肉厚部4bの外周面(外側面)4cが密着し、穴2aの底面2eには、肉厚部4bの先端面4dが密着して、外筒2の内周面2bには薄肉部4aの外周面(外側面)4fが密着している。
冷却穴1cの基端部1b側には、雌ねじ部(図示せず)が形成されており、この雌ねじ部によって、図1に示した接続管9の先端がコアピン1に対して螺結される。
小径直線部16の肉厚は、内筒4の先端面4dから先端部1a側で1.0mm、内筒4の先端面4dから基端部1b側で0.5mmとされ、小径テーパ部14の肉厚は、基端部1b側の最も厚い位置で1.0mmとされている。なお、コアピン1の小径テーパ部14の先端では直径が小さくなっているので、この位置における肉厚が最も薄くなる。
つぎに、上記コアピン1の製造方法について、図3(a)および図3(b)を参照しながら説明する。
まずはじめに、図3(a)に示すように、内筒4の薄肉部4aの外径との差(クリアランス)が0.01mm〜0.05mm(より好ましくは、0.01mm〜0.03mm)となる内径を有する(第2の)穴2c、および内筒4の肉厚部4bの外径との差(クリアランス)が0.01mm〜0.05mm(より好ましくは、0.01mm〜0.03mm)となる内径を有する(第1の)穴2dを、外筒2の中心軸線に沿って穿設(機械加工)する。
つづいて、穴2c,2dを穿設する際にドリルの刃によって付いた傷(ツールマーク:切削痕)を極力除去するように、すなわち、穴2c,2dの表面粗度(表面相度)が良くなる(小さく)ように穴2c,2dの表面(内周面)を加工(研磨)して、穴2a,2b(図2、図3(b)参照)とする。
つぎに、図3(b)に示すように、表面粗度が良くなるように加工された穴2b内に、穴2bの内径との差(クリアランス)が0.01mm〜0.05mm(より好ましくは、0.01mm〜0.03mm)となる外径を有する内筒4の薄肉部4aを、薄肉部4aの先端部が外筒2の底部に接するまで穴2b内に挿入するとともに、表面粗度が良くなるように加工された穴2a内に、穴2aの内径との差(クリアランス)が0.01mm〜0.05mm(より好ましくは、0.01mm〜0.03mm)となる外径を有する内筒4の肉厚部4bを、肉厚部4bの先端面4dが穴2aの底面2eに接するまで穴2a内に挿入する。
そして、内筒4が挿入された外筒2を図示しない真空熱処理炉に入れて1000℃〜1050℃で1時間程加熱した後、窒素を吹き付けて急冷する。
その後、再び真空熱処理炉に入れて1000℃〜1050℃で1時間程加熱した後、窒素を吹き付けて急冷し、三度真空熱処理炉に入れて1000℃〜1050℃で1時間程加熱した後、窒素を吹き付けて急冷する。
本実施形態に係るコアピン1および本実施形態に係るコアピン1の製造方法により製造されたコアピン1によれば、肉厚部4bにより、ダイカスト用金型3に取り付けられた際にキャビティコーナー18aと対向するダイカスト用金型3の肩部コーナー3a近傍が、コアピン1の先端部と同じように冷却されてしまうことがなくなる。
これにより、キャビティ18内に供給(注入)された溶湯(例えば、Al合金の溶湯:溶解したアルミニウム合金)は、キャビティコーナー18aに確実に到達して、その後凝固することになり、ダイカスト製品を寸法通りに正確に製造することができる。
また、ダイカスト用金型3からダイカスト製品を取り外す際、ダイカスト製品がダイカスト用金型3の肩部コーナー3aに食い付くのを防止することができ、ダイカスト製品にクラックが発生するのを防止することができて、ダイカスト用金型3の肩部コーナー3a近傍でダイカスト用金型3の肩部3bが折損してしまうのを防止することができる。
また、本実施形態に係るコアピン1および本実施形態に係るコアピン1の製造方法により製造されたコアピン1によれば、外筒2の内周側が、錆難いステンレスからなる内筒4で覆われ、冷却穴1cに流入した冷却水が、外筒2の内周面に接触しないようになっている。
これにより、冷却穴1cを形成するコアピン1の内周面が酸化し、錆が発生してしまうことを防止することができ、コアピン1の肉厚方向に亀裂や割れが発生して、冷却穴1cを通過する冷却水が外に漏れ出すことを防止することができる。
さらに、本実施形態に係るコアピン1および本実施形態に係るコアピン1の製造方法により製造されたコアピン1によれば、内筒4と外筒2とが、密着面(接合面)のところで互いに溶けあって、内筒4の外周面4c,4eと外筒2の内周面2a,2bとが(直接)密着した状態で接合され、外筒2が冷却水によって効率よく冷却されることになるので、コアピン1の焼き付きを防止できるとともに、ダイカスト製品に生じる引け巣をコアピン1位置から遠ざけることができる。
さらにまた、本実施形態に係るコアピン1および本実施形態に係るコアピン1の製造方法により製造されたコアピン1によれば、コアピン1に形成された有底穴は、冷却水を供給して冷却するための冷却穴1cとして使用され、冷却穴1cを通過する冷却水の漏洩が防止されることになるので、ダイカスト製品の歩留まりを向上させることができる。
さらにまた、本実施形態に係るコアピン1および本実施形態に係るコアピン1の製造方法により製造されたコアピン1によれば、肉厚部4bの厚みを変えて作製したり、肉厚部4bの厚みを調整したりする(例えば、内周面(内側面)を削る)だけで肉厚部4bの熱伝導率を容易に変えることができる。
また、本実施形態に係るコアピン1の製造方法によれば、真空熱処理中におけるガスの発生がないので、真空熱処理炉を用いてコアピンを製造することができる。
さらに、本実施形態に係るコアピン1の製造方法によれば、1000℃〜1050℃で加熱された際に生じた残留応力が除去され、使用目的に応じた適正な硬さと粘り強さとのバランスがとられるとともに、不安定な相の安定化が図られることになるので、経年変形や割れ等を防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上述した実施形態では、図1に示すように、コアピン1全体がダイカスト用金型3の内部に収容された状態で使用されるものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、図7の下側に示すような、コアピンの一部または大半がダイカスト用金型81からキャビティ82の側に突出した状態で使用されるコアピンにも適用することができる。この場合、ダイカスト用金型81からキャビティ82の側に突出するコアピンにより、例えば、図4および図5に示すようなシリンダーブロック(ウォータージャケット)41の冷却水用通路(冷却水用有底穴)42が形成されることになる。また、図7の下側に示すような、コアピンの一部または大半がダイカスト用金型81からキャビティ82の側に突出した状態で使用されるコアピンに適用された場合には、ダイカスト用金型81からダイカスト製品を取り外す際、ダイカスト製品がコアピンの根元部コーナーに食い付くのを防止することができ、ダイカスト製品にクラックが発生するのを防止することができて、コアピンの根元部コーナー近傍でコアピンが折損してしまうのを防止することができる。
また、本発明は、図7の上側に示すような、内部に冷却水を通水させるための冷却水用通路86が直接設けられたダイカスト用金型87にも適用することができる。この場合、図6に示すように、基端部(図6において右側の端部)側に形成された開口61から、キャビティコーナー88a(図7参照)と対向するダイカスト用金型62の肩部コーナー(図示せず)近傍で、かつ、ダイカスト用金型62からキャビティ82(図7参照)の側に突出するダイカスト用金型62の図示しない肩部(突出部)内に位置する第1の内周面62aには、内筒63の肉厚部63aの外周面(外側面)63bが密着した状態で取り付けられることになる。
一方、内筒63の先端面(内筒63を収容するのに穿設された穴の底面64と接する端面)63cから先端部(図6において左側の端部)側に位置して、第1の内周面62aよりも小さい内径を有する第2の内周面62bには、内筒63の薄肉部63dの外周面(外側面)63eが密着した状態で取り付けられることになる。
そして、内筒63は基端部側に形成された開口61まで延びている。すなわち、第1の内周面62aおよび第2の内周面62bの内側(内周側)は、内筒63で、その全体が覆われ、第1の内周面62aには、肉厚部63aの外周面(外側面)63bが密着し、穴の底面64には、肉厚部63aの先端面63cが密着して、第2の内周面62bには薄肉部63dの外周面(外側面)63eが密着している。また、第1の内周面62aおよび第2の内周面62bの内側(内周側)には、冷却水用通路65が形成されることになる。
なお、図6に示すダイカスト用金型62の製造方法は、図3(a)および図3(b)を用いて説明したコアピン1の製造方法と同様であるので、ここではその説明を省略する。
さらに、上述した実施形態では、内筒4,63として、ステンレスから作られたものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、内筒4,63は、その他の金属(銅、真鍮、ダイス鋼(SKD61)等)から作られたものであってもよい。
1 コアピン(有底円筒金属部材)
1c 冷却穴
1d 底部
2 外筒
2c (第2の)穴
2d (第1の)穴
3 ダイカスト鋳造用金型(金型)
3a 肩部コーナー
3b 肩部
4 内筒
4a 薄肉部
4b 肉厚部
18 キャビティ
18a キャビティコーナー
62 ダイカスト鋳造用金型(金型)
63 内筒
65 冷却水用通路

Claims (11)

  1. 金属からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成された、前記金属の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する金属からなる内筒とを有してなる有底円筒金属部材であって、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有していることを特徴とする有底円筒金属部材。
  2. ダイス鋼からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたステンレスからなる内筒とを有してなる有底円筒金属部材であって、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有していることを特徴とする有底円筒金属部材。
  3. 前記有底円筒金属部材は、ダイカスト鋳造用金型に用いられるコアピンとされていることを特徴とする請求項1または2に記載の有底円筒金属部材。
  4. 金属からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成された、前記金属の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する金属からなる内筒とを有し、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している有底円筒金属部材の製造方法であって、
    前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、
    前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、
    前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、
    前記内筒が挿入された前記外筒を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにしたことを特徴とする有底円筒金属部材の製造方法。
  5. ダイス鋼からなる外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する有底穴とされた冷却穴が形成されたステンレスからなる内筒とを有し、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する前記金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記金型から前記キャビティの側に突出する前記金型の肩部内まで、または金型に取り付けられた際にキャビティコーナーと対向する当該有底円筒金属部材の根元部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、前記キャビティ内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有している有底円筒金属部材の製造方法であって、
    前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、
    前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、
    前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、
    前記内筒が挿入された前記外筒を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにしたことを特徴とする有底円筒金属部材の製造方法。
  6. 前記冷却の後、焼き戻しをするようにしたことを特徴とする請求項4または5に記載の有底円筒金属部材の製造方法。
  7. 先端部にて底部を有する有底穴と、この有底穴の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、金属からなる内筒とを有してなるダイカスト鋳造用金型であって、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有していることを特徴とするダイカスト鋳造用金型。
  8. 先端部にて底部を有する有底穴と、この有底穴の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、ステンレスからなる内筒とを有してなるダイカスト鋳造用金型であって、
    前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有していることを特徴とするダイカスト鋳造用金型。
  9. 先端部にて底部を有する有底穴を備える外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、金属からなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有しているダイカスト鋳造用金型の製造方法であって、
    前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、
    前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、
    前記内筒が挿入された当該ダイカスト鋳造用金型を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにしたことを特徴とするダイカスト鋳造用金型の製造方法。
  10. 先端部にて底部を有する有底穴を備える外筒と、この外筒の内部に収容されて、その内部に、先端部にて底部を有する冷却水用通路を形成する、ステンレスからなる内筒とを有し、前記内筒が、基端部側に形成された開口から、キャビティコーナーと対向する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部コーナーに対応する箇所を経由し、かつ、当該ダイカスト鋳造用金型から前記キャビティの側に突出する当該ダイカスト鋳造用金型の肩部内まで延設された肉厚部と、この肉厚部に連続して先端部側に形成された底部まで延設された薄肉部とを有しているダイカスト鋳造用金型の製造方法であって、
    前記肉厚部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第1の穴、
    および前記薄肉部の外径との差が0.01mm〜0.05mmとなる内径を有する第2の穴を、前記外筒の中心軸線に沿って穿設し、
    前記第1の穴および前記第2の穴を穿設する際に付いた傷を除去するように前記第1の穴および前記第2の穴の表面を加工して、前記肉厚部の先端面が前記第1の穴の底面に接するまで前記第1の穴内に挿入し、前記内筒の先端部が前記外筒の底部と当接するまで前記内筒を前記第2の穴内に挿入していき、
    前記内筒が挿入された当該ダイカスト鋳造用金型を、1000℃〜1050℃で加熱した後、窒素を吹き付けて冷却するようにしたことを特徴とするダイカスト鋳造用金型の製造方法。
  11. 前記冷却の後、焼き戻しをするようにしたことを特徴とする請求項9または10に記載のダイカスト鋳造用金型の製造方法。
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