JPH1157972A

JPH1157972A - 圧力鋳造装置

Info

Publication number: JPH1157972A
Application number: JP21605997A
Authority: JP
Inventors: Masanori Honda; 正典本多; Hiroyuki Hagiwara; 弘之萩原; Kazuo Oda; 和男小田
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 1997-08-11
Filing date: 1997-08-11
Publication date: 1999-03-02

Abstract

(57)【要約】【課題】少なくとも内筒部をセラミックとする鋳込み
スリーブと給湯装置とを、給湯管、マウスピースを介し
て接続し、その給湯管を通して給湯装置の溶湯を鋳込み
スリーブ内に給湯するようにした圧力鋳造装置におい
て、内筒部に設けられた給湯口の温度が低いために、給
湯時に溶湯が給湯口で凝固し、ついには給湯口が閉塞し
てしまうという課題がある。【解決手段】鋳込みスリーブの側面に溶湯の供給を可
能としたダイス鋼またはセラミックス製の口金具を貫通
して取り付け、それらと鋳込みスリーブとの間に断熱材
を挿入することにより、口金具内に形成された給湯口の
温度が低下することなく給湯口での溶湯の凝固を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト鋳造装
置、溶湯鍛造機などの圧力鋳造装置のスリーブへの給湯
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】ダイカスト鋳造装置、溶湯鍛造機などの
圧力鋳造装置では、鋳込みスリーブ（射出スリーブとも
いい、以下スリーブと略す）内に溶融金属（以下、溶湯
と言う）を供給し、スリーブ内でプランジャーチップを
摺動させることにより、溶湯を金型キャビテイ内に射出
して溶湯を固化して鋳物を製造する。ダイカスト鋳造は
射出速度が早く、複雑形状の鋳造品を寸法精度良く量産
できるという利点があり、アルミニウム合金等の低融点
金属鋳物の鋳造に多用されている。溶湯鍛造（高圧鋳造
ともいう）は、ダイカスト鋳造より射出速度を低くする
ことにより、収縮巣が少ない、ガス孔がない、凝固組織
が微細である等内部品質を確保できるという利点があ
り、近年アルミニウム鋳物を中心に普及してきた。

【０００３】特開昭５６−１６３０６８に、スリーブ内
に溶湯を簡単に供給できるとともに、鋳物欠陥の少ない
ダイカスト製品を得るためのダイカスト鋳造装置が開示
されている（公知例１と称す）。これは図６に示すよう
に、金型内の空隙に溶湯を圧入するためのスリーブの周
壁に、ヒータを備え溶湯供給源に連結されたノズルの先
端を挿入し、ノズル挿入部周辺のスリーブ周壁に熱伝導
防止孔を穿設したことを特徴とし、溶湯への異物の混入
を防止したり、外気との接触を防止するとともに、溶湯
の温度低下を少なくしノズル内の溶湯が固化しないとし
ている。

【０００４】ところで、ダイカスト鋳造においてスリー
ブに金属を用いた場合、スリーブの内面が溶湯により溶
損したり、プランジャーチップの摺動により磨耗し、ス
リーブとプランジャーチップの間に溶湯が侵入してスリ
ーブの摺動抵抗が増大することにより射出速度が低下
し、鋳造品の機械的強度が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、金属製の外筒内に耐溶損
性、耐磨耗性、耐熱性を有するセラミック製の内筒を焼
ばめして構成される複合スリーブが多数提案されている
（例えば特開平７−２４６４４９号、実開平２−８７５
５１号、実開平２−８７５５２号、実開平３−４３５０
号、実開平４−４５０号公報等）。また、溶湯をスリー
ブ内に供給した時の金属製外筒の温度上昇を抑え、金属
製外筒とセラミックス製内筒の熱膨張の差によるわん曲
度を小さくして、セラミックス製内筒に生じる亀裂や破
損を防止するため外筒と内筒の境界部に空孔部を設けた
り、金属製外筒内に冷却水路を設けたスリーブが特公平
７−１１５１４７公報に開示されている。（以上を公知
技術２と総称する）

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近年、ダイカスト等の
鋳造品は一層の品質向上が要求されている。このため、
スリーブはセラミック製とし、公知例１で示すように給
湯手段とスリーブを給湯管等で連結し、溶湯を滑らかに
かつ空気の巻き込みを少なくなるようにしてスリーブに
給湯するような圧力鋳造装置が望まれている。しかし図
６におけるようにノズル挿入部周辺のスリーブに熱伝導
防止孔を穿設することは強度低下をまねき、特にセラミ
ック製スリーブでは実用化は難しい。本発明は、上記し
たような圧力鋳造装置において、スリーブへ溶湯を供給
するに際し、溶湯の温度低下が少なく、給湯通路で溶湯
が凝固し閉塞することがなく、スリーブの強度にほとん
ど影響を与えないようなスリーブへの給湯機構を提供す
ることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、金型に溶湯を
射出する少なくとも内面がセラミック製スリーブを有
し、溶湯を配管及びマウスピースを介して密封状態でス
リーブ側面から供給するような圧力鋳造装置において、
給湯口が貫通し金属と同等の熱伝導率を有する口金具を
断熱層を介してスリーブ側面に挿着し、口金具に加熱手
段を有したマウスピースを接合し、溶湯をマウスピース
及び口金具を通じてスリーブに供給することを特徴とし
ている。さらに、前記口金具に加熱手段と温度測定手段
を設け、口金具の温度制御を可能とするようにしてもよ
い。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を縦型のアルミ溶湯
鍛造機に適用した例をもとに説明する。図１は溶湯鍛造
機の給湯に係わる要部を示す縦断面図、図２は図１のＡ
−Ａ矢視図である。金型２０は固定型２０ａと可動型２
０ｂで構成され左右に分割される。スリーブ１は、金属
製外筒２の内面にセラミック製の内筒３を焼きばめした
複合型であり、金型２０の下方湯口部に先端をドッキン
グするように縦向きに設置する。スリーブ１の側面下部
を穿孔し、その孔部に給湯口１３を貫通させた口金具８
を装着する。口金具８の一端はリング状の金属パッキン
９を介して給湯管７の一端部を成す部品（以下マウスピ
ースと称する）５の先端と圧接される。給湯管７の他端
はアルミ給湯機又はアルミ保持炉（図示せず）に結合さ
れている。

【０００８】図３には図２の口金具近辺の拡大図を示
す。口金具８はフランジを有する円筒状部品で、外筒２
とはフランジ部がわずかに接触するようにしてボルト等
で取り付ける。先端部形状は、内筒３の内面とほぼ面一
となるようにする。また口金具８の外径はスリーブの穿
孔内径より小さくして外筒２及び内筒３とは接触させ
ず、空隙を残したり、ここに断熱材１０を挿入する。従
って、口金具８とスリーブ間には断熱層が存することに
なり、金属パッキン９を介してマウスピース５の先端よ
り口金具８に伝熱された熱はスリーブ１に奪われにくく
なる。

【０００９】マウスピース５は、熱伝導率が金属に近い
セラミック例えば炭化珪素やカーボンセラミック等を用
いると良い。口金具８の材質は、アルミ溶湯と接触して
も損耗しにくい金属、例えばダイス鋼、又は前記のよう
なセラミックが望ましい。マウスピース５及び給湯管７
には、その中のアルミ溶湯６が凝固しないようにカート
リッジヒーターやシーズヒーター等の加熱手段４が設け
られている。なお、金属パッキン９はマウスピース５と
口金具８の接触面での溶湯の漏れを防ぐとともに、マウ
スピース５の熱を良好に伝導するため、柔らかい金属例
えば銅を用いることができるが、マウスピース５と口金
具８の接触面をそれぞれ滑らかに仕上げれば、必ずしも
金属パッキン９を取り付ける必要はない。この場合、マ
ウスピース５の先端から口金具８に直接熱が伝わるの
で、口金具８の温度はより高温に保つことができ、より
一層の給湯口でのアルミ溶湯の凝固防止の効果が得られ
る。

【００１０】次に動作を説明する。図１に示すように、
アルミ給湯機が作動していない初期状態においては、溶
湯６はマウスピース５内で所定のレベルとなるように維
持されている。この時、マウスピース５及び給湯管７は
ヒータ等の加熱手段４で加熱されており、内部の溶湯は
凝固することはない。給湯管７部及びマウスピース５に
熱電対等の温度検出器を設置しておき、加熱手段４の温
度制御を行えば所定の溶湯温度とすることができ望まし
い。可動型２０ｂが締まり鋳造準備が整うと、その信号
により給湯装置は所定量のアルミ溶湯を口金具８を通じ
てスリーブ内に給湯する。口金具８はマウスピース５か
ら熱伝導を受ける一方、空隙又は断熱材１０によりほと
んどスリーブには熱伝導をしないため、給湯方向全長に
渡ってマウスピース５とほぼ同一温度であり、溶湯が給
湯口を通過時、温度低下させて凝固させることはない。
その後、スリーブ１に備え付けられているプランジャー
チップ１１が金型１に向かい移動することにより溶湯６
が金型１内に射出され、製品が鋳造される。

【００１１】図４に別の構造の口金具８ａを示す。例え
ばカートリッジヒーターである加熱手段１４、例えば熱
電対である温度検出器１２を内蔵したものである。この
場合、温度検出器からの信号を制御装置（図示せず）に
入力し、ＰＩＤ制御等で所定温度になるように加熱手段
に出力することにより、口金具８ａが所定温度になるよ
うに制御することができる。これにより、より確実に給
湯口でのアルミ溶湯の凝固を防ぐことができるととも
に、所定温度の溶湯をスリーブ内に供給することができ
る。また、図５に示すように口金具を用いず、スリーブ
側面の穿孔孔に直接セラミックス製のマウスピース５ａ
を貫通して取り付けることもできる。この場合、マウス
ピース５ａにはカートリッジヒーター４、熱電対１２が
内蔵されているので、図４で示すものと同様の効果が得
られる。なお、外筒２を冷却水等で冷却し、スリーブ温
度を低くするようにした構造のスリーブに適用すると、
より有効に機能することはいうまでもない。以上縦型の
アルミ溶湯鍛造機を例にして説明したが、横型の溶湯鍛
造機及び縦型又は横型のダイカスト鋳造装置にも適用す
ることは可能である。またマグネシウム等の低融点金属
の溶湯にも適用できる。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧力鋳造
装置は、スリーブ側面の溶湯供給口に熱伝導の良好な口
金具を装着し、マウスピースと連接するので、口金具温
度をマウスピースとほぼ同等に維持でき、スリーブの溶
湯供給口に溶湯が凝固して詰まることがない。このため
スリーブ供給前の溶湯温度も無用に高くする必要がなく
省エネルギーにもなる。また、口金具に加熱手段と温度
検出手段を設け、口金具の温度を制御することにより、
より確実に口金具の温度を維持することができるととも
に、所定の温度にすることができる。これより、溶湯を
望ましい温度でスリーブに供給することができ、鋳造品
の品質向上、安定化に効果がある。また、スリーブには
口金具を挿着するための孔を開けるだけでよく、強度上
良好な装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を説明するための縦型溶湯鍛造機の断面
図

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図

【図３】図２の口金具近辺の拡大図

【図４】口金具の他の例を示す拡大図

【図５】マウスピースの他の例を示す拡大図

【図６】従来例のスリーブへの溶湯供給部を示す図

【符号の説明】

１…スリーブ、２…金属製外筒、３…セラミック製
内筒４…カートリッジヒータ、５、５ａ…マウスピース、
６…アルミ溶湯７…給湯管、８、８ａ…口金具、９…金属パッキ
ン、１０…断熱材１１…プランジャーチップ、１２…熱電対、１３…
給湯口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金型に溶湯を射出する少なくとも内面が
セラミック製スリーブを有し、溶湯を配管及びマウスピ
ースを介して密封状態でスリーブ側面から供給するよう
な圧力鋳造装置において、給湯口が貫通し金属と同等の熱伝導率を有する口金具を
断熱層を介してスリーブ側面に挿着し、口金具に加熱手
段を有したマウスピースを接合し、溶湯をマウスピース
及び口金具を通じてスリーブに供給することを特徴とす
る圧力鋳造装置。
【請求項２】前記口金具に加熱手段と温度測定手段を
設け、口金具の温度制御を可能としたことを特徴とする
請求項１に記載の圧力鋳造装置。