JPH11347705A - 金型表面温度の制御方法 - Google Patents

金型表面温度の制御方法

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JPH11347705A
JPH11347705A JP16030398A JP16030398A JPH11347705A JP H11347705 A JPH11347705 A JP H11347705A JP 16030398 A JP16030398 A JP 16030398A JP 16030398 A JP16030398 A JP 16030398A JP H11347705 A JPH11347705 A JP H11347705A
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JP
Japan
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mold
temperature
cooling
molten metal
metallic mold
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Application number
JP16030398A
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English (en)
Inventor
Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
Katsuhiro Totani
勝博 戸谷
Kazuyuki Harada
和幸 原田
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Toyota Motor Corp
Toyooki Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyooki Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型のキャビティに面する金型表面の温度
を、優れた品質の成型品が得られる適切な温度に制御す
ることができる金型表面温度の制御方法を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 本発明の金型表面温度の制御方法は、金
型1のキャビティ12に面する金型表面部14に金型表
面部14を冷却できる冷却手段16を内設し、キャビテ
ィ12に溶湯が注入され、該溶湯が固化して金型1が離
型されるまでの間は、該溶湯の熱を金型表面部14より
深部にある金型深部18に蓄えるとともに、冷却手段1
6を用いて金型表面部14を冷却し、金型1が再び型締
めされて次の成型用の溶湯がキャビティ12に注入され
るまでに、金型深部18に蓄えられた熱を金型表面部1
4に伝えて金型表面部14の温度を所定温度にすること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型を用いて鋳物
やプラスチック成型体などの成型体を成型するときの金
型表面温度の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造や射出成形など金型を用いて成型体
を成型する場合において、キャビティに面する金型表面
の温度(以下、この温度を金型の表面温度と称する)を
適切に調整することは、優れた品質の成型品を得るため
には欠かすことのできないことである。例えば鋳造にお
いては、溶湯がキャビティに注入されるときに、金型の
表面温度がある一定の温度より低いと水残りや湯廻り不
良が生じやすくなり、金型が離型されるときに金型の表
面温度がある一定の温度より高いと、焼付きが生じやす
くなる。
【0003】そこで、キャビティ側に突出している金型
突起のように、溶湯の熱により高温となって焼付きの発
生しやすい金型部位では、従来より、その内部に冷却穴
を設け、その冷却穴に冷却水などを流通させてその金型
部位全体を冷却している。しかしながら、この冷却手段
で、金型の表面温度を、優れた品質の成型品が得られる
に適した温度に調節することは難しい。特に、一つの金
型を用いて成型体を連続的に成型する場合、金型の表面
温度をその一連の成型過程において適切な温度で維持す
ることは極めて難しい。
【0004】例えば鋳造において、この従来の金型の冷
却方法を用いて金型を冷却する場合、焼き付きが生じな
いようにその冷却を強くすると、金型の表面温度が、図
7のグラフ1に示されるように、次の成型用溶湯の注入
時t2において水残りや湯廻り不良が発生しにくい下限
温度h2を下回ってしまうことがある。なお、h1は焼き
付きが発生しにくい上限温度である。金型の表面温度が
このh2を下回った状態で次の成型用の溶湯がキャビテ
ィに注入されると、水残りや湯廻り不良などが発生する
ことがある。
【0005】このとき、金型の離型の後、金型の表面温
度がh2を下回らないうちに再び型締めして次の成型用
の溶湯を注入することが考えられる。しかし、金型が離
型されてから次の成型準備が終わるまでにt1からt2
時間を必要とするときには、金型の表面温度がh2を下
回らないうちに再び型締めして溶湯を注入することがで
きない。
【0006】以上のような問題を防ぐために、例えば、
特開昭64−34560号公報においては、金型にヒー
タ等の加熱装置を内設して金型の表面温度を制御する金
型構造が開示されている。一方、特開平4−33335
8号公報においては、金型とは別に設けられた高温水供
給源から高温水を金型に供給して金型の表面温度を制御
する鋳造金型の温度制御装置が開示されている。これら
の金型構造では、溶湯がキャビティに注入されようとい
うときに、金型の表面温度がh2を下回っていても、ヒ
ータ等の加熱装置や高温水で金型を加熱することによ
り、金型の表面温度を適切な温度にすることができる。
しかしながら、これらの金型では、部品点数の増大など
により金型の構造が複雑になったり、金型の表面温度の
制御システムが複雑になってしまうなどの問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、ヒータ等の加熱装置や高温水
などの加熱手段を用いることなく、金型のキャビティに
面する金型表面の温度を、優れた品質の成型品が得られ
る適切な温度に制御することができる金型表面温度の制
御方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の金型表面温度の制御方法は、金型のキャビ
ティに面する金型表面部に該金型表面部を冷却できる冷
却手段を内設し、該キャビティに溶湯が注入され、該溶
湯が固化して該金型が離型されるまでの間は、該溶湯の
熱を該金型表面部より深部にある金型深部に蓄えるとと
もに、該冷却手段を用いて該金型表面部を冷却し、該金
型が再び型締めされて次の成型用の溶湯が該キャビティ
に注入されるまでに、該金型深部に蓄えられた熱を該金
型表面部に伝えて該金型表面部の温度を所定温度にする
ことを特徴とする。
【0009】なお、ここでいう所定温度とは、所望の品
質の成型品が成型されるのに必要な温度のことを意味
し、例えば鋳造では、焼き付きや、水残り、湯廻り不良
などが生じることのない温度範囲が挙げられる。また、
上記課題を解決する請求項2に記載の金型表面温度の制
御方法は、請求項1に記載の金型表面温度の制御方法に
おいて、前記金型深部に該金型深部を冷却できる補助冷
却手段を設け、前記金型深部に蓄えられる熱量を該補助
冷却手段を用いて調節することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1及び請求項2に記載の金
型表面温度の制御方法は、金型のキャビティに面する金
型表面の温度を制御するもの全てに適用できる。従っ
て、その金型の種類で限定されるものではなく、例え
ば、ダイカスト鋳造、重力鋳造、低圧鋳造、高圧鋳造な
どに用いられる鋳造用金型や、プラスチックの射出成形
などに用いられる射出成形用金型などを挙げることがで
きる。また、キャビティの形状、すなわち成型体の形状
や、溶湯の種類及び温度などについても特に限定される
ものではない。
【0011】請求項1に記載の金型表面温度の制御方法
における冷却手段は、特に限定されるものではないが、
前記金型表面部に設けられた冷却用空間に、冷却水、冷
却油、冷却ガスなどの冷媒を流通させるものであること
が好ましい。また、請求項2に記載の金型表面温度の制
御方法における補助冷却手段も、特に限定されるもので
はないが、前記金型深部に設けられた冷却用空間に、冷
却水、冷却油、冷却ガスなどの冷媒を流通させるもので
あることが好ましい。この補助冷却手段は、金型深部だ
けでなく金型表面部も補助的に冷却できるものであって
もよい。
【0012】請求項1に記載の金型表面温度の制御方法
では、キャビティに溶湯が注入されるときに、溶湯の熱
が金型深部に伝えられて所定の熱量が蓄えられてから、
冷却手段を用いて金型表面部を冷却することにより、溶
湯の熱を金型表面部より深部にある金型深部に蓄えさ
せ、該溶湯が固化して該金型が離型されるまでの間、金
型表面部を冷却し続けることができる。このとき、金型
深部の熱が外部に逃げたりして、金型深部に蓄えられて
いる熱量が所定の熱量より低下したときには、固まりつ
つある溶湯の熱がその所定の熱量より大きい場合には、
冷却手段を一旦弱めるか、あるいは止めることにより、
再び溶湯の熱を金型深部に伝えて所定の熱量が蓄えられ
てから、再び冷却手段によって金型表面部の冷却を続け
てもよい。なお、金型深部に蓄えられる熱量は、公知の
検温手段によって測定することができる。
【0013】次いで、該溶湯が固化して該金型が離型さ
れるときに、該冷却手段による該金型表面部の冷却を弱
めるか、又はその冷却を止めることにより、金型深部の
熱を金型表面部に伝え、金型が再び型締めされて次の成
型用の溶湯がキャビティに注入されるまでに金型表面部
の温度を所定温度にすることができる。このとき、冷却
手段の冷却の程度を調節することにより、所定の時間か
ら金型深部に蓄えられた熱を少しづつ金型表面部に伝え
て、金型の表面温度が所定温度より下がらないように制
御してもよいし、あるいは、金型の表面温度を一旦所定
温度より低い温度にしてから、次の成型用の溶湯が注入
される直前に金型深部に蓄えられた熱を金型表面部に伝
えることにより、金型の表面温度を所定温度に上昇させ
てもよい。
【0014】ここで、冷却手段による金型表面部の冷却
速度を変えることにより、金型深部の熱が金型表面部に
伝えられる時間を適宜変えることができ、金型の表面温
度が所定温度になる時間を適宜変えることができる。そ
れゆえ、金型の表面温度が所定温度になる時間を、金型
が離型されてから次の成型準備が終わるまでに時間に容
易に設定することができる。このことは、金型の表面温
度が短時間で優れた品質の成型品を得るために必要な下
限温度を下回ってしまう場合や、金型が離型されてから
次の成型準備が終わるまでに時間がかかるときに特に有
効である。このとき、金型の表面温度が所定温度になる
時間を十分にとることにより、次の成型の準備を時間的
に余裕をもって行えるようにすることもできる。
【0015】ところで、キャビティに溶湯が注入される
ときに、金型深部に蓄えられる熱量が所望量より多くな
ってしまうこともありうる。そのときは、請求項2に記
載の金型表面温度の制御方法を用いることにより、金型
深部の温度を補助冷却手段を用いて適切に調節すること
ができる。以上のように、請求項1及び請求項2に記載
の金型表面温度の制御方法では、溶湯の熱を金型深部に
一旦蓄えてから、次の成型においてその蓄えられた熱を
金型の表面温度の制御に利用するものである。それゆ
え、ヒータ等の加熱装置や高温水などの加熱手段を用い
ることなく、キャビティに面する金型表面の温度を適切
な温度に制御することができる。
【0016】特に、請求項2に記載の金型表面温度の制
御方法では、補助冷却手段により金型深部の温度が適切
に調節されるため、請求項1に記載の金型表面温度の制
御方法に対し、キャビティに面する金型表面の温度を優
れた品質の成型品が得られる適切な温度に容易にかつ確
実に制御することができる。また、加熱装置を作動させ
たり、あるいは高温水を用意するには、電力などを必要
とするが、請求項1及び請求項2に記載の金型表面温度
の制御方法では、そうした電力などを必要としないた
め、省エネルギーに金型の表面温度を制御することがで
きる。
【0017】従って、請求項1及び請求項2に記載の金
型表面温度の制御方法を用いれば、金型の構造及び金型
の表面温度の制御システムを簡易なものにすることがで
き、成型コストを、従来の金型表面温度の制御方法を用
いた場合に比べて大幅に低減させることができる。以上
のような請求項1及び請求項2に記載の金型表面温度の
制御方法の利点は、成型体を連続的に多量に成型する場
合に大きく現れる。また、このとき、一つの成型体が成
型されて金型が離型されてから長い時間をかけずに、金
型の表面温度を次の溶湯が注入されるのに適切な温度に
制御できるため、成型体を時間をかけずに連続的に成型
することができる。従って、成型体を短時間のうちに大
量に成型することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例は、図1に示すような鋳造用金型
の表面温度を制御する方法として、請求項1に記載の金
型表面温度の制御方法を適用した例である。
【0019】キャビティ12に面する金型表面部14に
は、金型表面部14のほとんど全部を冷却できる冷却手
段16が内設されている。この冷却手段16は、金型表
面部14に設けられた冷却孔160に冷却水(図示せ
ず)を流通させるものである。冷却孔160は、直円筒
形状(φ3〜20mm)をなして互いに平行に延びる空
間であり、金型表面部14に配設されている。冷却水
は、金型の外部に設けられた冷却水送給装置162によ
り圧送路164を通じて冷却孔160に送給され、この
冷却孔160を流れて金型の外部に導出される。このと
き、金型表面部14の熱が冷却水に奪われて、金型表面
部14が冷却される。
【0020】冷却水送給装置162には、ポンプやコン
プレッサ等を用いることができる。また、冷却水の流通
量の制御は、圧送路164の途中に介設されたバルブ1
66により行うことができる。このバルブ166には手
動式のものを用いた。一方、金型表面部14及び金型深
部18(ここではキャビティ12に対して外方に位置す
る金型内部)には、熱電対やサーミスタ等の検温手段
(図示せず)が内設されており、金型表面部14及び金
型深部18の温度が随時わかるようになっている。
【0021】金型1の表面温度は、次のようにして制御
することができる。後述する予備成型などにより金型表
面部14の温度をh2以上にしてから、時間t0において
キャビティ12に溶湯を注入する。この溶湯の熱が金型
深部18に伝えられてそこに蓄えられ、金型深部18の
温度がある所定の温度になったところで、バルブ166
を開けて冷却孔160に冷却水を流通させる。バルブ1
66の開度を適宜調節しながら、金型表面部14を適切
な温度に冷却する。
【0022】このとき、金型深部18に蓄えられる熱
量、すなわち先述のある所定の温度は、後に金型表面部
14に伝えられたときに金型表面部14の温度をh1
2の温度範囲にすることができるだけの熱量である。
この金型表面部14の冷却により、溶湯を冷却して固化
させることができるとともに、金型表面の温度を焼き付
きが生じることのない温度にすることができる。なお、
ここでの冷却孔160に冷却水を流通させ始めるタイミ
ングは、溶湯の注入と同時である必要はなく、金型深部
18に熱が十分に蓄えられたところで金型表面部14を
冷却することができれば、溶湯が注入される前であって
もよい。
【0023】続いて、溶湯が十分に固化してから金型1
が離型される時間t1において、バルブ166の開度を
調節して冷却水の流通量を弱めるか、又はバルブ166
を完全に閉めてその流通を止める。その結果、金型表面
部14の冷却が弱められるか、又はその冷却が止められ
る。このとき、金型の表面温度は、図7のグラフ2に示
されるように離型直後に低下して、一旦はh2を下回る
温度になるが、金型深部18に蓄えられていた熱が金型
表面部14に伝えられ、金型1が再び型締めされて次の
成型用の溶湯がキャビティ12に注入される時間t2
でに、金型表面部14の温度がh2以上に上昇する。
【0024】なお、図7のグラフ2において、金型の表
面温度が離型直後にグラフ1よりも急激に低下している
のは、バルブを閉めても、それまでに金型に送給された
冷却水がしばらく金型を流れるためである。また、ここ
での冷却水の流通量を弱め始めるか、又はその流通を止
めるタイミングは、金型1の離型と同時である必要はな
く、次の溶湯が注入されるまでに金型表面部14の温度
をh2以上に昇温させることができれば、その前後であ
ってもよい。
【0025】時間t2において金型表面部14の温度が
2以上に上昇したら、キャビティ12に次の成型用の
溶湯を注入する。先と同様に、溶湯の熱が金型深部18
に伝えられて金型深部18が所定の温度になったら、冷
却手段16により金型表面部14を冷却する。溶湯が固
化したら金型1を離型する。このとき、冷却手段16に
よる金型表面部14の冷却を弱めるか、又はその冷却を
止めることにより、金型深部18の熱を金型表面部14
に伝え、金型1が再び型締めされて次の成型用の溶湯が
キャビティ12に注入されるまでに金型表面部14の温
度をh2以上に上昇させる。以後、この金型表面温度の
制御方法を行いながら成型を繰り返す。
【0026】なお、本金型表面温度の制御方法を実施す
るにあたって、最初の成型においては、次のように予備
成型を行うことが好ましい。その予備成型とは、金型の
表面温度がh2より低いままでキャビティ12に溶湯を
注入し、続いて上記の金型表面温度の制御方法により、
この溶湯が固化して金型1が離型された後、金型1が再
び型締めされて次の成型用の溶湯がキャビティ12に注
入されるまでに、金型表面部14の温度をh2以上に上
昇させることである。この最初の成型で得られる成型体
は、湯廻り不良が生じている恐れがあるので製品とせ
ず、2回目以降の成型で得られる成型体を製品として利
用することが好ましい。
【0027】本実施例では、焼き付きや水残り、湯廻り
不良などを容易にかつ確実に防ぐことができる。 (実施例2)本実施例は、図2に示すような鋳造用金型
2の表面温度を制御する方法として、請求項2に記載の
金型表面温度の制御方法を適用した例である。
【0028】金型2は、金型深部18において金型深部
18を冷却できる補助冷却手段22が設けられている他
は実施例1の金型1と同じ構造のものである。この補助
冷却手段22は、金型深部18に設けられた冷却孔22
0に冷却水(図示せず)を流通させるもので、冷却手段
16と同様のものである。すなわち、冷却孔220は、
直円筒形状(φ20〜40mm)をなして冷却孔160
に対して平行に延びる空間である。冷却水は、金型の外
部に設けられた冷却水送給装置222により圧送路22
4を通じてこの冷却孔220に送給され、冷却孔220
を流れて金型の外部に導出される。このとき、金型深部
18の熱が冷却水に奪われて、金型深部18が冷却され
る。
【0029】冷却水送給装置222には、実施例1の冷
却水送給装置162と同じものを用いることができ、冷
却水送給装置162がこれを併用してもよい。また、冷
却水の流通量の制御は、圧送路224の途中に介設され
たバルブ226により行うことができる。このバルブ2
26にも手動式のものを用いた。金型2の表面温度は、
実施例1と同様にして制御することができるが、例えば
キャビティ12に溶湯が注入されたときの金型表面部1
4の温度を、h2以上においてさらに適切に調節したい
ときには、次のように制御することができる。
【0030】金型表面部14の温度を、h2以上におい
てある一定の温度(温度範囲)に正確に制御するには、
金型深部18に蓄えられる熱量をある所定の熱量とし、
金型深部18に伝えられる熱量を制御することにより可
能となる。このことを実際に行うには、金型深部18の
温度を所定の温度に制御することで容易に可能となる。
【0031】キャビティ12に溶湯が注入されたときに
金型深部18の温度がこの所定の温度を超えたときに
は、バルブ226を開けて冷却水送給装置222から冷
却孔220に冷却水を送給し、金型深部18を冷却す
る。このように金型深部18の温度が所定の温度を超え
たときには、この補助冷却手段22により金型深部18
の温度を適切な温度に下げることができる。それゆえ、
金型深部18から金型表面部14に伝えられることによ
って上昇されられる金型表面部14の温度をさらに適切
に調節することができる。また、この補助冷却手段22
は、金型深部18だけでなく金型表面部14も補助的に
冷却でき、冷却手段16の冷却水の蒸気化を防ぐことが
できる。 (実施例3)本実施例は、図3および図4に示すような
鋳造用金型のキャビティ側に突出する突起状の鋳抜きピ
ン3の表面温度を制御する方法として、請求項1に記載
の金型表面温度の制御方法を適用した例である。
【0032】本実施例で使用する鋳造用金型はSKDの
材料よりなり、そのキャビティにはアルミ材料の溶湯が
600〜800℃で流し込まれる。鋳抜きピン3は、直
径が100mm程度の円柱状突起である。この鋳抜きピ
ン3のキャビティ32に面する金型表面部34には、こ
の金型表面部34を冷却できる冷却手段36が内設され
ている。この冷却手段36は、冷却孔360に冷却水
(図示せず)を流通させるものである。冷却孔360
は、直円筒形状(φ3〜5mm)をなして鋳抜きピン3
の突出方向に互いに平行に延びており、鋳抜きピン3の
周方向に等間隔をおいて8箇所設けられている。各冷却
孔360の奥端部360aは、鋳抜きピン3の突出先端
面3bの近傍にまで達している。
【0033】各冷却孔360内には、冷却孔360の内
径よりも小さな外径を有する直円筒状の冷却管362が
冷却孔360と同軸的に挿設されている。これらの冷却
管362は、管路362aと、管路362aの先端に位
置する吐出口362bとを備えており、その管路362
aの基端部362cは、圧送路364を介して冷却水送
給装置366に接続されている。
【0034】冷却水送給装置366は、圧送路364及
び各冷却管362を通じて各冷却孔360の奥端部36
0aまで冷却水をそれぞれ圧送できる装置であり、ポン
プやコンプレッサ等で構成することができる。圧送路3
64には、各冷却管362に送給される冷却水の量を制
御することができるバルブ367が設けられている。こ
のバルブ367の開閉は、バルブ開度制御手段368に
より制御されている。金型表面部34及び金型深部38
(鋳抜きピン3の中心部が相当する)に、それらの温度
を電子信号で発信することができる型温検知手段369
a、369bをそれぞれ内設すれば、バルブ開度制御手
段368には、これらの型温検知手段369a、369
bで検知された金型表面部34及び金型深部38の温度
をそれぞれ電子信号で受信し、これらの電子信号を増幅
回路及び変換回路等により磁力に変換してバルブ367
を開閉することのできる電磁制御式のものを用いること
ができる。型温検知手段369a、369bには、熱電
対やサーミスタ等の公知の検温手段を用いることができ
る。ここでは、型温検知手段369a、369bに金型
表面部34及び金型深部38の温度によって発せられる
信号の大きさを変えられるものを用い、バルブ開度制御
手段368には、その信号の大きさによって変換される
磁力の大きさを変えられるものを用いた。
【0035】従って、この冷却手段36では、金型表面
部34及び金型深部38の温度に応じてバルブ開度制御
手段368により自動的にバルブ367の開度が制御さ
れ、冷却水送給装置366から各冷却管362に送給さ
れる冷却水の量が制御される。このバルブ開度制御手段
368は、金型が離型されるときにも自動的に働いてバ
ルブ367を閉めることができる。
【0036】この鋳抜きピン3の表面温度は次のように
して制御される。実施例1で先述したような予備成型を
同様にして行い、金型表面部34の温度をh2の温度以
上にしてから、時間t0においてキャビティ32に溶湯
を注入する。このとき、溶湯の熱が金型深部38に伝え
られて金型深部38の温度が所定の温度になると、型温
検知手段369bがそれを検知し、バルブ開度制御手段
368が働いてバルブ367が開けられる。こうして冷
却水送給装置366から冷却水が冷却管362に送給さ
れる。
【0037】冷却管362に送給された冷却水は、管路
362aを流れて吐出口362bから吐出され、冷却孔
360の先端360aに達した後、冷却孔360の内周
面と冷却管362の外周面との間の空隙360bを流れ
て金型の外部に導出される。このように冷却水を流通さ
せることで金型表面部34を冷却することができる。こ
のとき、型温検知手段369aによって金型表面部34
の温度が検温され、バルブ開度制御手段368が働いて
バルブ367の開度が調節される。こうして冷却水送給
装置366から各冷却管362に送給される冷却水の水
量が調節される。
【0038】続いて、この溶湯が固化して金型が離型さ
れる時間t1(時間t0から、10〜60秒後の時間)に
おいて、バルブ開度制御手段368が働いてバルブ36
7が閉められ、冷却水送給装置366から各冷却管36
2への冷却水の送給が止められる。このとき、鋳抜きピ
ン3の表面温度は、図7のグラフ2に示されるように、
離型直後では急激に低下してh2の温度以下になるが、
金型深部38に蓄えられていた熱が金型表面部34に伝
えられ、金型が再び型締めされて次の成型用の溶湯がキ
ャビティ32に注入される時間t2(時間t1から、40
〜80秒後の時間)までに、金型表面部34の温度がh
2の温度以上に上昇する。
【0039】時間t2において金型表面部34の温度が
2の温度以上に昇温したら、キャビティ32に次の成
型用の溶湯を注入する。このとき、先と同様に、溶湯の
熱が金型深部38に伝えられてから冷却手段36により
金型表面部34を冷却する。溶湯が固化したら金型を離
型する。このとき、冷却手段36による金型表面部34
の冷却を止めることにより、金型深部38の熱を金型表
面部34に伝え、金型が再び型締めされて次の成型用の
溶湯が注入されるまでに金型表面部34の温度を所定温
度に上昇させる。以後、この金型表面温度の制御方法を
行いながら成型を繰り返す。 (実施例4)本実施例は、図5および図6に示すような
鋳造用金型のキャビティ32側に突出する突起状の鋳抜
きピン4の表面温度を制御する方法として、請求項2に
記載の金型表面温度の制御方法を適用した例である。
【0040】鋳抜きピン4は、金型深部38において金
型深部38を冷却できる補助冷却手段42が設けられて
いる他は実施例3の鋳抜きピン3と同様の構造を有する
ものである。この補助冷却手段42は、金型深部48に
設けられた冷却孔420に冷却水(図示せず)を流通さ
せるもので、冷却手段36と同様のものである。すなわ
ち、冷却孔420は、直円筒形状(φ20〜40mm)
をなして鋳抜きピン4の突出方向に各冷却孔360と平
行に延びており、この冷却孔420内には、冷却孔42
0の内径よりも小さな外径を有する直円筒状の冷却管4
22が冷却孔360と同軸的に挿設されている。この冷
却管422も、管路422aと、管路422aの先端に
位置する吐出口422bとを備えており、その管路42
2aの基端部が圧送路424を介して冷却水送給装置4
26に接続されている。
【0041】冷却水送給装置426は、圧送路424及
び管路422aを通じて冷却孔420の奥端部420a
まで冷却水を圧送できる装置である。圧送路424の途
中にはバルブ427が設けられており、このバルブ42
7の開閉も、先のバルブ開度制御手段368と同様の電
磁制御式のバルブ開度制御手段428により制御されて
いる。従って、その開度は、金型深部38に内設された
型温検知手段429により検知される金型深部38の温
度に応じて自動的に調節される。これらの冷却水送給装
置426、バルブ開度制御手段428及び型温検知手段
429は、先の冷却水供給装置366、バルブ開度制御
手段368及び型温検知手段369bに兼用させてもよ
い。
【0042】冷却水送給装置426から冷却管422に
送給された冷却水は、管路422aを流れて吐出口42
2bから吐出され、冷却孔420の奥端部420aに達
した後、冷却孔420の内周面と冷却管422の外周面
との間の空隙420bを流れて金型の外部に導出され
る。このように冷却水を流通させることで金型深部38
を冷却することができる。
【0043】鋳抜きピン4の表面温度は、実施例3と同
様にして制御することができるが、例えばキャビティ3
2に溶湯が注入されたときの金型表面部34の温度をh
2以上においてさらに適切に調節したいときには、次の
ように制御することができる。実施例2でも述べたよう
に、金型表面部34の温度を、h2以上においてある一
定の温度(温度範囲)に正確に制御するには、金型深部
38に蓄えられる熱量をある所定の熱量とし、金型深部
38に伝えられる熱量を制御することで可能となる。こ
のことを実際に行うには、金型深部38の温度を所定の
温度に制御することで容易に可能となる。
【0044】キャビティ32に溶湯が注入されたときに
金型深部38の温度が、この所定の温度を超えたときに
は、型温検知手段429がそれを検知し、バルブ開度制
御手段428が働いてバルブ427が開けられる。冷却
水送給装置426から冷却水が冷却管422に送給さ
れ、金型深部38が冷却される。このように金型深部3
8の温度が所定の温度を超えたときには、補助冷却手段
42により金型深部38の温度を適切な温度に下げるこ
とができる。それゆえ、金型深部38から金型表面部3
4に伝えられることによって上昇されられる金型表面部
34の温度をさらに適切に調節することができる。ま
た、この補助冷却手段46は、金型深部38だけでなく
金型表面部34も補助的に冷却でき、冷却手段36の冷
却水の蒸気化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の金型1を概略的に示す金型1の縦断
面図である。
【図2】実施例2の金型2を概略的に示す金型2の縦断
面図である。
【図3】実施例3の金型の一部である鋳抜きピン3を概
略的に示す鋳抜きピン3の縦断面図である。
【図4】図3の縦断面図のA−A’における横断面図で
ある。
【図5】実施例4の金型の一部である鋳抜きピン4を概
略的に示す鋳抜きピン4の縦断面図である。
【図6】図5の縦断面図のA−A’における横断面図で
ある。
【図7】従来の技術及び本実施例の金型において、溶湯
が固化して金型が離型された時間t1から金型が再び型
締めされて次の成型用の溶湯が注入されるまでの時間t
2までの間における金型の表面温度の変化をそれぞれ模
式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1:金型 12:キャビティ 14:金型表面部 1
6:冷却手段 18:金型深部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 和幸 愛知県岡崎市鉢地町字開山45番地 豊興工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティに面する金型表面部に
    該金型表面部を冷却できる冷却手段を内設し、該キャビ
    ティに溶湯が注入され、該溶湯が固化して該金型が離型
    されるまでの間は、該溶湯の熱を該金型表面部より深部
    にある金型深部に蓄えるとともに、該冷却手段を用いて
    該金型表面部を冷却し、該金型が再び型締めされて次の
    成型用の溶湯が該キャビティに注入されるまでに、該金
    型深部に蓄えられた熱を該金型表面部に伝えて該金型表
    面部の温度を所定温度にすることを特徴とする金型表面
    温度の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記金型深部に該金型深部を冷却できる
    補助冷却手段を内設し、前記金型深部に蓄えられる熱量
    を該補助冷却手段を用いて調節する請求項1に記載の金
    型表面温度の制御方法。
JP16030398A 1998-06-09 1998-06-09 金型表面温度の制御方法 Pending JPH11347705A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005329555A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 成形用金型
US7001546B2 (en) * 2001-08-09 2006-02-21 G H. Tool & Mold, Inc. Method for thermostatically controlling mold temperatures

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JP2005329555A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 成形用金型

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