JP2005349424A - 成形用金型 - Google Patents

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明久 山田
Shinsuke Ukai
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Abstract

【課題】 より安価に、より生産性を低下させることなく、金型のキャビティを構成する部分を冷却することができる成型用金型を提供することを課題とする。
【解決手段】
成形用金型20は、金型1の凸形状部分1aにキャビティに向かって延在する中空状の嵌合部6が形成されている。そして、冷却水を流通するための冷却通路5aが内部に形成されている冷却ピン5が、金型1の嵌合部6に嵌め込まれている。金型1に割れが生じても、冷却通路5aからキャビティに水が漏れることがない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ダイカストを初めとする各種鋳造や樹脂成形などにおける成形用金型に関し、特にキャビティ面側に微小な凸形状部分を有する成形用金型の冷却構造に関する。
金型のキャビティに射出されるアルミニウムを初めとする溶融金属や樹脂などの材料は、非常に高温であり、金型はこれらの材料の熱を奪って冷却固化させるとともに、金型自身の昇温をも防止する冷却機能が必要である。このため、金型内部には通常冷却構造が施されている。
従来から知られている冷却構造として、図10に示すのが一般的な構造である。図10に示すように中子1は、複雑な凸凹の形状をしており、特に、小さな凸形部分1aは周りを溶融した材料に覆われ非常に焼き付き易く、また、カジリを誘発し寿命が短くなる。したがって、このような小さな凸形状部分1aが形成される部位では、冷却が必要となる。しかしながら、加工できる冷却穴3の径や構成できる冷却プラグ4等の制限により冷却穴3自体を小さな凸形状部分1aの中に入れることができず、凸形状部分1aの手前で冷却穴3をとめたりする必要があった。
これを解決するために、銅棒を打ち込むタイプのもの、細い穴に細いバイプを入れ高圧で水を圧入、および、エアーパージをするといった冷却方法や、特開平11−47902号広報(特許文献1)に開示されているように、冷却を必要とする局部に極小径の回路を設け該回路に冷却水を供給する方法などが紹介されている。
特開平11−47902号公報
しかしながら、上記のような金型の冷却構造であっても、やはり冷却穴3とキャビティ面との間の厚みを確保することができず、中子1に冷却穴3とキャビティ面とをつなぐクラックBが発生してしまう場合がある。中子1に割れが発生すると、水洩れにより製品を成形することができなくなってしまうため、凸形状部分1aを中子1から分割して、凸形状部分1aが万一割れたら交換するといった方法を採用している。そのため金型は高価となる。また、分割化できない部位においては、やむをえず、図10のように冷却穴3の手前に冷却回路を形成したり、中子を分割化することなく、凸形状部分1aに細い冷却穴を設け、万一割れたら型の稼動を停止し溶接修理などコストをかけ補修する。溶接補正は割れが発生しやすく、水洩れが頻繁化してしまう。以上のように、凸形状部分1aのような局部の冷却においては、金型の分割化を余儀なくさせられ、高価な冷却方法となっていた。特に、局部凸形状1aが丸以外の特異な形状をしている場合、その問題は顕著となる。
そこで本発明は、上記現状を鑑みてなされたものであって、より安価に、より生産性を低下させることなく、金型のキャビティを構成する部分を冷却することができる成型用金型を提供することを課題とする。特に、キャビティ面を構成する部分に微小な凸形状部分が形成されている金型において、より安価に、より生産性を低下させることなく、金型のキャビティを構成する部分を冷却することができる成型用金型を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の成形用金型の第1の技術的手段は、キャビティ面を構成する金型に、外部から前記キャビティ面に向かって延在する中空状の嵌合部が形成されており、冷却媒体を流通させるための冷却通路が内部に形成された冷却ピンを、前記嵌合部に嵌め込んだことを特徴とする。
第1の技術的手段によれば、冷却を必要とする金型の部分に、キャビティに向かって延在する中空状の嵌合部を形成し、冷却通路が内部に形成された冷却ピンを前記嵌合部に嵌め込むことで、冷却ピンにより、金型を冷却することができる。つまり、金型に冷却通路を形成するのではなく、冷却ピンを介して間接的にキャビティ面を有する金型を冷却するようにしている。
この構成では、金型に嵌め込まれた冷却ピンは、キャビティに供給される高温の溶融材料に接することがないため、熱衝撃も緩和され繰り返し成形しても割れることはなく、例え金型に設けた嵌合部により、キャビティと嵌合部との間の厚さが薄くなり、金型の冷却ピンが配置される部分に割れが生じたとしても、冷却水等の冷却媒体がキャビティ内へ流出することがないため製品の品質に悪影響を及ぼさない。このように、キャビティ内に冷却媒体が侵入しないので、生産を停止して金型を補修する必要がなく、金型が割れた状態で生産を続けることができるので、より生産性を向上させることができる。さらに、金型が割れても生産を停止しなくてもよくため、例えば金型の冷却が必要な部分を分割して、分割された部分だけを取り替える方法を採用しなくてもよい。したがって、より安価な成形用金型を実現することができる。
なお、冷却ピンにより冷却効果を高めるためには、冷却ピンを嵌合部に殆ど隙間なく嵌め込むことが望ましいが、冷却ピンによる冷却効果を十分に得ることができるのであれば、冷却ピンと凸形状部分にある程度の隙間が形成されていてもよい。
また、上記課題を解決するために本発明の成形用金型の第2の技術的手段は、凸形状部分を有するキャビティ面が形成された金型と、該凸形状部分の内部に形成された中空状の嵌合部に嵌め込まれる冷却ピンとを備え、該冷却ピンは、内部に冷却媒体を流通するための冷却通路が形成されているものであることを特徴とする。
第2の技術的手段によれば、冷却を必要とする凸形状部分の内部に中空状の嵌合部を形成し、冷却通路をもった冷却ピンを前記嵌合部に嵌め込むことで、冷却ピンにより、金型の凸形状部分を冷却することができる。つまり、冷却ピンを介して間接的に金型の凸形状部分を冷却するようにしている。
この構成では、凸形状部分に嵌め込まれた冷却ピンは、キャビティに供給される高温の溶融材料に接することがないため、熱衝撃も緩和され繰り返し成形しても割れることはなく、例え凸形状部分に設けた嵌合部により、凸形状部分の厚さが薄くなり、金型の凸形状部分に割れが生じたとしても、冷却水等の冷却媒体がキャビティ内へ流出することもないため製品の品質に悪影響を及ぼさない。このように、キャビティに冷却媒体が侵入しないので、生産を停止して金型を補修する必要がなく、凸形状部分が割れた状態で生産を続けることができるので、より生産性を向上させることができる。さらに、凸形状部分が割れても生産を停止しなくてもよいため、凸形状部分を取り替える必要性もあまりなく、凸形状部分を成形金型から分割させなくてもよい。したがって、より安価な成形用金型を実現することができる。
また、キャビティ面に凸形状部分が形成されている金型にあっては、該凸形状部分が特に熱衝撃を受ける結果、クラック等の発生が顕著であるが、本発明の第2の技術的手段によれば、特に問題であった凸形状部分における冷却媒体のキャビティへの侵入を抑制することができる。
なお、冷却ピンにより冷却効果を高めるためには、冷却ピンを嵌合部に略隙間なく嵌め込むことが望ましいが、冷却ピンによる冷却効果を十分に得ることができるのであれば、冷却ピンと凸形状部分にある程度の隙間が形成されていてもよい。
また、本発明の第3の技術的手段は、前記第1又は第2の技術的手段において、前記嵌合部に金属粉が分散しているとしたことである。嵌合部に金属粉が分散されているとは、金属粉が冷却ピンとともに嵌合部に圧入されていること、金属粉が嵌合部に充填されていること、嵌合部の一部分に集中して充填・圧入されていること、及び金属粉をフラックス等の担持媒体に混合したものが嵌合部に充填・圧入されていることを概念的に含むものである。
通常、冷却ピンを金型(例えば凸形状部分)に形成された嵌合部に嵌め込むためには、嵌合部にある程度のクリアランスが必要である。また、金型の穴加工やピンの造り安さを優先すれば、嵌合部の形状を完全に冷却ピンの形状と同一とすることは不可能である。そこで、第3の技術的手段によれば、金型の穴加工や冷却ピンの造り易さを優先して、嵌合をスキマ公差にしたものであり、冷却ピンが配置される嵌合部に熱伝導性の良い金属粉を分散させた構造としたことである。これにより、冷却ピンと金型との嵌合部のスキマを金属粉により埋めることができ、金型と冷却ピンとを熱伝導的に接続することができ冷却効率の向上を図ることができる。
また、本発明の第4の技術的手段は、前記第3の技術的手段において、前記冷却ピンは、単数または複数の溝部が外周面に形成されたものであるとしたことである。
第3の技術的手段によれば、冷却ピンと金型(例えば凸形状部分)との嵌合部におけるスキマに分散させた熱伝導性の良い金属粉を溝部に堆積させ、冷却ピンと金型との密着性の向上を図ることができる。さらに、使用している間にも金属粉が嵌合部から抜けていくのをも、防止することができる。
また、本発明の第5の技術的手段は、前記第3及び第4の技術的手段において、前記冷却ピンの外周面の少なくとも一部は、該冷却ピンの軸方向に傾斜する勾配面とされているとしたことである。
第5の技術的手段によれば、金型(例えば凸形状部分)に設ける嵌合部に凹の勾配面を設け、冷却ピンを嵌合部に嵌め込んだときに、圧力をもって密着するよう公差を設定した凸の勾配面を冷却ピンに形成したことである。これにより、冷却ピンと金型との嵌合部に形成されるスキマに分散された熱伝導性の良い金属粉は、繰り返し成形工程が行われる間にも抜け出ることがないよう密封され、冷却効率の向上と性能の持続化を図ることができる。
本発明によれば、冷却通路を持った冷却ピンは高温の溶融材料に接することなく溶融材料から熱を奪うため、割れることなく、また、例えば凸形状部分において、金型キャビティと冷却ピンが嵌め込まれる嵌合部との厚さが薄いため金型に割れが生じたとしても、冷却媒体がキャビティ内へ流出し生産性を疎外することもない。そのため、局部あるいはキィヤビティ面に近い部位に水洩れの心配なく冷却通路を設置することができ、冷却能力を向上させ、より焼き付きやカジリという不良を阻止するとともに、それによる金型の故障も低減できる。さらに、局部を冷却する場合、割れによる水モレを心配しあらかじめその部位を交換できるよう、時には複雑な形状で金型を分割・入子化していたが、本構成は、比較的単純な嵌合部と冷却ピンで構成されているため、安価な構成で金型を冷却することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の成形用金型の全体を示す断面図である。図1に示す成形用金型20は、固定型22と可動型24を有する。固定型22は、固定母型23と、該固定母型23に取り付けられる固定中子27とを有する。一方、可動型24は、可動母型2と、該可動母型2に取り付けられる可動中子1とを有する。ここで、可動母型2はダイベース3に取り付けられており、ダイベース3を介して図示しないダイカストマシンにより固定型22に対して接近・離間できるようになっている。固定中子23と可動中子1との対向する面は、キャビティを構成するキャビティ面26とされている。固定中子23と可動中子1とが合わせ面において当接することにより、キャビティ面26によりキャビティが構成されることになる。また、可動中子1には、キャビティの形状を所望の形状にするために、凸形状部分1aが形成されている。
図2は、図1の凸形状部分1aの近傍を拡大して示すものである。図2に示すように、凸形状部分1aには、可動母型側の端面からキャビティ側に向かって延在する中空状の嵌合部6が形成されている。さらに、該嵌合部6には、円筒上の冷却ピン5が嵌め込まれている。嵌合部6において、冷却ピン5は凸形状部分1aと殆ど隙間なく嵌め込まれている。つまり、凸形状部分1aと冷却ピン5とは密着している。
図3は、冷却ピン5の全体を示す側面図である。冷却ピン5は、凸形状部分1aの嵌合部6に嵌め込まれる前端部5bと、フランジ部5cとからなる。さらに、冷却ピン5には、フランジ部5c側から軸方向に沿って穴5aが形成されている。この穴5aが冷却媒体(例えば冷却水)を流通させるための冷却通路5aとして機能する。以下、冷却媒体として冷却水を使用する形態について説明するが、冷却媒体としてその他のものを採用しても良いことは言うまでもない。
図2に戻って、冷却ピン5の冷却通路5aは、冷却プラグ4に接続されている。より具体的には、可動母型2の、冷却ピン5の冷却通路5aに対応する位置に、貫通孔2aが形成されており、該貫通孔2aの可動中子1とは反対側の開口端に冷却プラグ4が取り付けられている。さらに、冷却プラグ4からは、第1パイプ4aが貫通孔2aを介して冷却通路5a内まで延在しており、パイプ4aの一端が冷却通路5a内部に位置し、他端が冷却プラグ4の供給配管4bに接続している。さらに、供給配管4bの一端は冷却水の供給源に接続されている。さらに、冷却プラグ4からは、第1パイプ4aを内部に挿通する形で、第2パイプ4cが貫通孔2a内を可動中子1に向かって延在している。第2パイプ4cの貫通孔2a内に挿入される一端は、冷却通路5aの開口端5dに接続され、他端は排出配管4dに接続されている。
冷却プラグ4の供給側4bより圧送された冷却水は、第1パイプ4a中を通り該第1パイプ4aの先端より噴出され、冷却ピン5に設けられた冷却通路5aと第1パイプ4aの間を通り冷却通路5aの開口端5dを介して第2パイプ4cを流通し、冷却プラグ4の排出配管4dより外部に排出されるようになっている。
鋳造の過程の中で、金型キャビティに射出された高温の材料は、熱エネルギーの大半を、可動中子1から可動中子1に密着した冷却ピン5を経て冷却通路5aを流れる冷却水に奪われることにより、固化し冷やされることになる。
さらに、本実施形態においては、可動中子1の凸形状部分1aと冷却ピン5との嵌合部のスキマを極少量にし、可動中子1の凸形状部分1aと冷却ピン5との間の熱伝導を向上させるべく、冷却ピン5の嵌合部6への組み付け時に、この嵌合部6へ金属粉15を封入している。金属粉15としては、良好な熱伝導性を有する金属であれば、どのような材料でも採用することができる。具体的には、銅、アルミニウム、亜鉛、金及び銀などの金属を粉末状にしたものを採用することができる。あるいは、このような金属粉を熱伝導性の高いフラックスに混合してペースト状にしたものを採用することができる。このような形態の金属粉15を例えば嵌合部6の内面に塗布したり、あるいは冷却ピン5の外周面に塗布した状態で、冷却ピン5を嵌合部6に嵌め込むことで、金属粉15を嵌合部6に分散させることができる。
これらの構成での特徴としては、冷却ピン5は高温の溶融材料に接することがないよう、可動中子1の凸形状部分1a中に埋没しているため、熱衝撃も緩和され繰り返し成形しても割れることはない。また、仮に可動中子1の凸形状部分1aに設けた冷却通路5aとキャビティ面との厚さが薄いために凸形状部分1aに割れが生じたとしても、冷却水がキャビティ内へ流出することもない。
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す冷却ピン5の側面図である。冷却ピン5の冷却を必要とする位置の外周に、単数あるいは複数の浅い溝7を施すことにより、冷却ピン5と可動中子1凸形状部分1aとの嵌合部6におけるスキマに金属粉15を確実に堆積させるようにしたものである。このような溝7に金属粉15を確実に堆積させることにより、冷却ピン5を凸形状部分1aに密着させるとともに、金属粉15が外部に流出することを防止することができる。
図5は、本発明の第3の実施形態を示す冷却ピン5の側面図である。これは、可動中子1の凸形状部分1aに設けた冷却ピン5の嵌合部6に凹の勾配面8bを設け、冷却ピン5を嵌合部6に嵌め込んだときに圧力をもって密着するよう公差を設定した凸の勾配面8aをもつ冷却ピン5としたものである。これにより、冷却ピン5と可動中子1の凸形状部分1aとの嵌合部6のスキマに冷却ピン5とともに圧入した金属粉15は各勾配面の合わさりにより密封された状態となり、繰り返し成形される間にも抜け出ることがなくなり、冷却の効率の向上と性能の持続化を図ることができる。
図6は、本発明の第4の実施形態を示す冷却ピン5の側面図である。これは、第2の実施形態と第3の実施形態とを合体させた構成である。具体的には、冷却ピン5の先端側は小径部5eとされており、該小径部5eよりも径の大きな大径部5fが、勾配面8aを介して小径部5eの後方に形成されている。そして、冷却ピン5の小径部5eには、複数の溝7が小径部5eの周方向に形成されており、該溝7に金属粉15が堆積するようになっている。そして、大径部5fは勾配面8aを介して小径部5eとつながっており、溝7に堆積される金属粉15がより一層抜け出ることがない。
図7は、本発明の第5の実施形態を示すダイカスト金型30の断面図で、図8は、可動中子1の凸形状部分1aに組み込まれる冷却ピン5の側面図である。上記第1から第4の実施の形態では、可動中子1の凸形状部分1aに設けた冷却ピン5を挿入する嵌合部6は貫通孔でなく途中での止め穴であったのに対し、嵌合部6は貫通孔として形成されている。そして、冷却ピン5は、先端の面がキャビティを構成する合せ面(形状でいう、窓部)であったり、冷却ピン5の先端からその中に設けた冷却通路5aまでの距離をある程度設けることができる場合の実施形態である。この場合、冷却ピン5の先端は、キャビティの形状にあわせて加工されたピンとなり、必要に応じ回り止めが必要となる。
可動中子1の凸形状部分1aと冷却ピン5との嵌合部6におけるスキマに金属粉15を圧入・分散させる場合、金属粉15が、成形工程の繰り返しにより抜けていくことのないように、冷却ピン5の先端に厳しい公差部Aを設け、可動中子1の凸形状部分1aの嵌り合う同位置にも厳しい公差を設定し、先端部におけるスキマを可及的になくしたものである。このような構成によっても、仮に凸形状部分1aに割れが発生しても、冷却水がキャビティに漏れることを防止することができる。
上記第1ないし第5の実施形態において、冷却ピン5は各種の材料から旋盤等により切削・旋削し製作することができる。しかしながら、冷却ピン5自体が小径であったり長いなど、製作上難易度が高い場合には、製作に時間とコストがかかってしまう。図9は、このような問題を解決できる構成事例を示したものである。第1ないし第5の実施形態にかかる冷却ピン5に代えて図9に示す冷却ピン25を採用することができる。冷却ピン25は、管25bと、フランジ部9とからなり、管25bに設けた雄ネジ部25cとフランジ部9に設けた雌ネジ部9aでネジ接合されている。さらに、その接合部10外周部がロウ付けあるいは溶接されており、シール性が確保された状態で連結されている。管25bの先端部は、ロウ付けあるいは溶接でシール性を確保した止め蓋部11により密閉されている。なお、シール性を確保さえすれば、ネジ部を廃止しロウ付けあるいは溶接のみ、あるいは、ロウ付けあるいは溶接を廃止し、ネジ部にシール剤を施すのみであってもよい。また、止め蓋部11は、ロウ付けあるいは溶接を廃止し、止め蓋部11をカシメあるいは接着剤などによって接合するようにしてもよい。以上のような構成によれば、冷却ピン25の全体形状を切削・旋削せずとも、市販されている部材を使用して、冷却ピン25を作製することができ、冷却ピン25を作製する時間とコストとを削減することができる。
以上、本発明の実施形態の一例を示したが、本発明は、小さな凸形状部分1aの冷却に対してのみ有効というわけではなく、一般の形状であっても冷却通路をキャビィティに近づけ冷却効果を強化したいが、クラックによる水洩れの可能性がある部位などに効果を発揮し、金型の形状によって限定されるものでない。
次に、本発明を実施する場合には、下記を考慮することがより望ましい。
(1)冷却ピン5、25は、熱を伝導し金型を冷却するため熱伝導性がよい材質を選定するとよい。
(2)冷却ピン5、25は、可動中子1の凸部形状部分1aとの密着性を必要とすることより、熱膨張係数が可動中子1より大きい材質を選定するとよい。
(3)冷却ピン5、25を局部に使用する場合は、冷却ピン5、25の冷却通路5a、25aが細くなり腐食による詰まりを防止するため耐腐食性の良好な材質を選定するとよい。
(4)嵌合部6に圧入・分散させる金属粉15などは、熱伝導性がよく、できるだけ細かい形状のものが望まれる。ただし、粉塵爆発の危険が無い材質または処理をしたものの使用が望まれる。
以上より、冷却ピン5,25には、銅合金、黄銅、ステン系の鋼などを材料に採用するのが望ましい。また、金属粉15としては、前述したような熱伝導性の良い金属粉末をフラックスと混合してペースト状にしたものを採用するのが望ましい。特に、銅粉末をペースト状に処理したものを有効に使用することができる。なお、本明細書において金属粉とは、フラックスに混合されペースト状とされた金属粉もその概念に含まれるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を参照して説明したが、本発明は上記実施の形態に限定される意図はなく、本発明の主旨に沿う形態のものであれば、どのような形態であってもよい。具体的には、本実施形態においては、可動型を冷却する構成を例に挙げて説明したが、冷却ピンが配置される部分は可動型に限定されるわけではなく、固定型やスライドホルダ等にも同様の構成を採用することができる。
本発明の成型用金型の全体を示す断面図。 本発明の成型用金型の第1の実施の形態を示す断面図。 本発明の成型用金型の第1の実施形態にかかる冷却ピンを拡大して示す側面図。 本発明の成型用金型の第2の実施形態にかかる冷却ピンを拡大して示す側面図。 本発明の成型用金型の第3の実施形態にかかる冷却ピンを拡大して示す側面図。 本発明の成型用金型の第4の実施形態にかかる冷却ピンを拡大して示す側面図。 本発明の成型用金型の第5の実施形態を示す断面図。 本発明の成型用金型の第5の実施形態にかかる冷却ピンを拡大して示す側面図。 冷却ピンの一例とその作製方法を説明する断面図。 従来の成形用金型の構成を示す断面図。
符号の説明
1 ・・・ 可動中子(金型)
1a ・・・ 凸形状部分
2 ・・・ 可動母型
4 ・・・ 冷却プラグ
4a ・・・ 第1パイプ
4b ・・・ 供給配管
4c ・・・ 第2パイプ
4d ・・・ 排出配管
5、25 ・・・ 冷却ピン
5a、25a ・・・ 冷却通路
25b ・・・ 管
25c ・・・ 雄ネジ部
6 ・・・ 嵌合部
7 ・・・ 溝
8a ・・・ 勾配面
8b ・・・ 勾配面
9 ・・・ フランジ部
9a ・・・ 雌ネジ部
10 ・・・ 接合部
11 ・・・ 止め蓋部
15 ・・・ 金属粉
20、30 ・・・ 成形用金型
A ・・・ 公差部
B ・・・ クラック

Claims (5)

  1. キャビティ面を構成する金型に、外部から前記キャビティ面に向かって延在する中空状の嵌合部が形成されており、冷却媒体を流通させるための冷却通路が内部に形成された冷却ピンを、前記嵌合部に嵌め込んだことを特徴とする成形用金型。
  2. 凸形状部分を有するキャビティ面が形成された金型と、
    該凸形状部分の内部に形成された中空状の嵌合部に嵌め込まれる冷却ピンとを備え、
    該冷却ピンは、内部に冷却媒体を流通するための冷却通路が形成されているものであることを特徴とする成形用金型。
  3. 前記嵌合部に金属粉が分散していることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型。
  4. 前記冷却ピンは、単数または複数の溝部が外周面に形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の成形用金型。
  5. 前記冷却ピンの外周面の少なくとも一部は、該冷却ピンの軸方向に傾斜する勾配面とされていることを特徴とする請求項3又は4に記載の成形用金型。
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