JP2014027823A - 産業車両の燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池31と、燃料電池31と直結されたキャパシタ36と、燃料電池31又はキャパシタ36からの電力の供給を受ける走行モータ21と、を備えたフォークリフト10の燃料電池システムにおいて、走行モータ21の回生を検知する車両コントローラ27と、を備えた。車両コントローラ27は、走行モータ21の回生が検知され、燃料電池31の電圧を予め設定された閾値以上にさせる回生電力の電圧上昇が発生しているとき、コンタクタ37により燃料電池31とキャパシタ36との間の通電を遮断する。
【選択図】 図2
Description
特許文献1に記載された燃料電池車両は、燃料電池と、第1電流・電圧制御器と、第2電流・電圧制御器と、蓄電装置と、パワードライブユニットと、モータと、制御装置と、を備えている。
第1電流・電圧制御器および第2電流・電圧制御器は、DC/DCコンバータを備えている。
特許文献1に開示された燃料電池車両によれば、第1電流・電圧制御器および第2電流・電圧制御器に入力される制御パルスのデューティが100%とされ、第1電流・電圧制御器および第2電流・電圧制御器のスイッチング素子がオン状態に固定される。
この状態では、燃料電池と蓄電装置とが直結状態となり、燃料電池の出力電圧と蓄電装置の端子電圧とが同等の値となる。
この種の産業車両の燃料電池システムは、電力配線55において燃料電池51と蓄電装置52が直結された構成となっている。
電力配線55において蓄電装置52と電動モータ53との間にはインバータ54が配置され、インバータ54は電動モータ53へ電力供給を行うほか、電動モータ53の回生時に発生する回生電力の蓄電装置52側への供給を行う。
図4に示す燃料電池システムは、燃料電池51と蓄電装置52との間にDC/DCコンバータを設けない構成であるため、燃料電池と蓄電装置との間にDC/DCコンバータを設けた燃料電池システムと比較すると、簡単な構成であって低コストである。
本発明によれば、燃料電池と蓄電装置との間にDC/DCコンバータを省略した簡単な構成であっても、回生電力の電圧の上昇による燃料電池の劣化を防止することができる。
この場合、アクセルオフ操作、ブレーキオン操作およびディレクションレバーによるスイッチバック操作の信号により電動モータの回生電力の発生を検知することができる。
この場合、電動モータの回生電力が上昇するとき、コンタクタにより燃料電池と蓄電装置との間における電力を遮断することができる。
この場合、燃料電池コントローラは燃料電池の電圧を検出する。
電池コントローラが閾値以上の燃料電池の電圧を検出したとき、制御手段は電力遮断手段を制御し、燃料電池と蓄電装置との間の通電を遮断する。
電池コントローラが燃料電池の電圧を監視することにより、回生電力の電圧の上昇による燃料電池の劣化を防止することができる。
本実施形態では、本発明を産業車両としてのフォークリフトに適用した例について説明する。
なお、方向を特定する「前後」、「左右」および「上下」については、フォークリフトのオペレータが運転席の運転シートに着座して、フォークリフトの前進側を向いた状態を基準として示す。
荷役装置12は、車体11の前部に立設されたマスト13を備えている。
マスト13はリフトブラケット14を備えており、リフトブラケット14はマスト13に対して昇降自在である。
リフトブラケット14には左右一対のフォーク15が設けられている。
マスト13にはリフトシリンダ16が設けられており、リフトシリンダ16は車体11に搭載された油圧ポンプ17から供給される作動油により作動する。
油圧ポンプ17は電力により駆動する荷役モータ18により作動される。
リフトシリンダ16の作動によるマスト13の昇降に伴ってフォーク15を備えたリフトブラケット14は昇降する。
車体11の内部には、電力により駆動され、駆動輪19を駆動する電動モータとしての走行モータ21が設けられている。
なお、本実施形態の走行モータ21は、駆動力を発生する電動機としての機能のほかに、発電機としても機能するモータジェネレータを用いている。
したがって、走行モータ21は、減速時(制動時)にはフォークリフト10の運動エネルギーを電気エネルギー(回生電力)に変換する。
車体11における運転席22の前方にはステアリングホイール23が備えられている。
ステアリングホイール23の近くには、ディレクションレバー24が備えられており、ディレクションレバー24はフォークリフト10の進む方向を切り換えるための操作レバーである。
例えば、ディレクションレバー24を前進から後進へ切り換えるスイッチバック操作を行うと、前進中のフォークリフト10は減速した後に後進する。
さらに、ステアリングホイール23の近くには、ディレクションレバー24のほかに、図示しないリフトレバーやティルトレバーが設けられている。
リフトレバーはリフトシリンダ16を操作するレバーであり、ティルトレバーはティルトシリンダ(図示せず)を作動させてマストの前後の傾動を操作するレバーである。
フォークリフト10の車速はアクセルペダル25の踏み込み(アクセルオン操作)により増速され、アクセルペダル25を戻す(アクセルオフ操作)ことにより減速される。
また、フォークリフト10の車速はブレーキペダル26の踏み込み(ブレーキオン操作)により減速される。
車両コントローラ27は、オペレータの操作に基づいて車体11に搭載されている各機器を制御する機能や各センサからの信号を受信して各部を監視する機能を有する。
例えば、車両コントローラ27は、アクセルオン操作により走行モータ21の回転数を上げる制御を行うほか、アクセルオフ操作やブレーキオン操作により走行モータ21の回生を行う制御を行う。
また、車両コントローラ27は、アクセルオフ操作の検知信号、ブレーキオン操作の検知信号およびディレクションレバー24によるスイッチバック操作の検知信号を受信する。
車両コントローラ27は、これらの操作の検知信号を受信した後、走行モータ21の回生を指令する制御を行う。
車両コントローラ27が走行モータ21の回生を指令する制御を行うことにより、走行モータ21は回生を行う。
従って、車両コントローラ27は走行モータ21の回生を検知する回生検知手段としての機能を有する。
走行モータ21および荷役モータ18は燃料電池31が発電した電力により駆動され、走行モータ21の駆動によりフォークリフト10の走行および荷役モータ18の駆動によりフォークリフト10の走行動作及び荷役動作が行われる。
図2に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、主に燃料電池31、水素タンク32、燃料電池コントローラ33等から構成される燃料電池ユニットFを有する。
さらに、燃料電池システムは、インバータ35、キャパシタ36、走行モータ21、車両コントローラ27を備えている。
燃料電池31は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化剤ガスの供給を受けて、水素と酸素による電気化学反応により電力を発生させる。
燃料ガスの水素は水素タンク32から配管を通じて燃料電池31へ供給され、酸化剤ガスはエアコンプレッサ(図示せず)の作動により配管を通じて燃料電池31へ供給される。
燃料電池コントローラ33は車両コントローラ27と電気的に接続され、互いに通信可能である。
車両コントローラ27は、燃料電池コントローラ33との通信により、例えば、燃料電池31の電圧を把握することが可能である。
図3(a)は燃料電池31の電流・電圧特性を示す図であり、横軸を電流Iとし、横軸を電圧Vとしている。
図3(a)には燃料電池31の発電効率の良い範囲Aが存在するほか、低電流・高電圧の範囲には燃料電池31のスタックが劣化するおそれのある範囲Bが存在する。
インバータ35は燃料電池31から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、インバータ35と接続されている走行モータ21へ三相交流電力を供給する。
また、インバータ35は走行モータ21の回生時に走行モータ21において発生する回生電力を三相交流から直流に変換し、燃料電池31側へ直流電力を供給する。
インバータ35は車両コントローラ27と電気的に接続されており、車両コントローラ27の制御を受ける。
走行モータ21はインバータ35による交流電力の電圧調整により回転数が変化する。
なお、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池31から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、荷役モータ18に交流電力を供給するインバータ(図示せず)が設けられている。
従って、本実施形態では、走行モータ21や荷役モータ18が、燃料電池31からの電力供給先となる。
キャパシタ36は、蓄電装置に相当し、燃料電池31からの電力供給を受けて蓄電可能である。
本実施形態のキャパシタ36はリチウムイオンキャパシタを用いている。
図3(b)は、キャパシタ36の蓄電特性を示す図であり、横軸を満充電時における電池の容量に対する充電残量の比率(SOC、State Of Charge)とし、縦軸を電圧Vとしている。
本実施形態のキャパシタ36の場合、図3(b)において蓄電特性を示す範囲の殆どが、図3(a)に示す燃料電池31の発電効率の良い範囲Aと一致する。
これは、本実施形態のキャパシタ36がリチウムイオンキャパシタであり、リチウムイオンキャパシタが電気二重層キャパシタと比較して優れた蓄電特性を有するためである。
コンタクタ37は、燃料電池31とキャパシタ36との間における通電を遮断する電力遮断手段に相当する。
コンタクタ37は車両コントローラ27と電気的に接続されており、車両コントローラ27はコンタクタ37の通電と通電の遮断との切り換えを制御する。
図3(a)に示すように、閾値は燃料電池31の電流・電圧特性において、燃料電池31のスタックが劣化するおそれのある範囲Bの電圧を考慮して範囲Bの電圧より僅かに低く設定されている。
車両コントローラ27は、走行モータ21の回生時に燃料電池31の電圧を閾値以上とさせる回生電力の電圧上昇が発生した場合、コンタクタ37を作動させ、燃料電池31とキャパシタ36との間の通電を遮断する。
従って、本実施形態の車両コントローラ27は、回生検知手段に相当するだけでなく、コンタクタ37を制御する制御手段に相当する。
つまり、走行モータ21の回生を検知する回生検知手段の機能と、コンタクタ37を制御する制御手段の機能を車両コントローラ27は有している。
燃料電池31の電圧を閾値以上とさせる回生電力の電圧上昇が発生しているか否かは、車両コントローラ27によるキャパシタ36の電圧の監視や、燃料電池コントローラ33による燃料電池31の電圧の監視により把握することが可能である。
あるいは、インバータ35においてキャパシタ36側へ供給される回生電力の電圧上昇を監視し、車両コントローラ27において燃料電池31の電圧を閾値以上とさせる回生電力の電圧上昇であるか否かを判断してもよい。
コンタクタ37は、走行モータ21の回生時に燃料電池31の電圧を閾値以上とさせる回生電力の電圧上昇が発生したときを除き、常態では燃料電池31とキャパシタ36との間における通電を可能とする状態にある。
コンタクタ37が通電可能な状態では、いわば、燃料電池31とキャパシタ36とは直結状態となる。
燃料電池31が発電した電力は走行モータ21および荷役モータ18を駆動し、フォークリフト10の走行動作及び荷役動作が行われる。
通常時にはコンタクタ37は電力配線における通電を遮断しない状態にあり、燃料電池31の発電により得られた電力はキャパシタ36やインバータ35へ供給される。
アクセルオン操作されたとき、車両コントローラ27はアクセルペダル25側からアクセルオン操作が行われたことを示す検知信号を受信し、アクセルペダル25の踏み込み量に応じて走行モータ21の回転数が増大するようにインバータ35を制御する。
アクセルオフ操作されたとき、車両コントローラ27はアクセルペダル25側からアクセルオフ操作が行われたことを示す検知信号を受信し、走行モータ21の回生を行うようにインバータ35を制御する。
走行モータ21は、発電機として機能する回生時にはフォークリフト10の運動エネルギーを電気エネルギー(回生電力)に変換する。
走行モータ21にて得られた回生電力はインバータ35を通じて燃料電池31やキャパシタ36側へ供給される。
さらに、ディレクションレバー24のスイッチバック操作(前進側から後進側へ切り換える操作)が行われたときは、車両コントローラ27はディレクションレバー24側からスイッチバック操作が行われたことを示す検知信号を受信する。
そして、車両コントローラ27は、アクセルオフ操作やブレーキオン操作の場合と同様に走行モータ21の回生を行うようにインバータ35を制御する。
燃料電池31の電圧を閾値以上とする回生電力の電圧上昇が発生すると、車両コントローラ27は、コンタクタ37に対して通電を遮断する制御を行う。
コンタクタ37が通電を遮断することにより、燃料電池31の電圧の上昇が回避される。
燃料電池31の電圧の上昇が回避されることにより、燃料電池31の電流・電圧特性において、燃料電池31のスタックが劣化するおそれのある範囲Bの電圧に達することがない。
このため、燃料電池31のスタックの劣化が防止される。
従って、車両コントローラ27は、燃料電池コントローラ33を介して燃料電池31の電圧を閾値以上にする回生電力の電圧上昇が発生していることを検知できる。
そして、車両コントローラ27は、コンタクタ37に対して通電を遮断する制御を行い、コンタクタ37が通電を遮断することで、燃料電池31における電圧上昇は回避され、燃料電池31の劣化が防止される。
(1)本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池31とキャパシタとの間のDC/DCコンバータを省略した構成である。このため、回生時において燃料電池31の電圧を閾値以上とさせる回生電力の電圧上昇が発生しても、車両コントローラ27がコンタクタ37を制御することにより燃料電池31への回生電力の供給は遮断される。よって、燃料電池31とキャパシタ36との間にDC/DCコンバータを省略した簡単な構成であっても、回生電力の電圧の上昇による燃料電池31の劣化を防止することができる。
(2)本実施形態の燃料電池システムによれば、アクセルオフ操作、ブレーキオン操作およびディレクションレバー24によるスイッチバック操作のとき、車両コントローラ27は走行モータ21の回生電力の発生をより早く検知することができる。
(4)燃料電池31の電圧を検出する燃料電池コントローラ33が閾値以上の燃料電池31の電圧を検出したとき、車両コントローラ27がコンタクタ37を制御し、燃料電池31とキャパシタ36との間の通電は遮断される。燃料電池コントローラ33が燃料電池31の電圧を監視することにより、回生電力の電圧の上昇による燃料電池31の劣化を防止することができる。
○ 上記の実施形態では、産業車両としてのフォークリフトに本発明を適用した例を説明したが、産業車両はフォークリフトに限定されない。例えば、燃料電池システムを搭載するスキッドステアローダーやホイルローダーでもよく、また、トーイングトラクターでもよい。
○ 上記の実施形態では、電力遮断手段としてのコンタクタを例にして説明したが、電力遮断手段はコンタクタに限定されない。半導体スイッチング素子を電力遮断手段としてもよく、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を用いてもよく、この場合、IGBTのゲートを駆動するゲート駆動回路を設けるようにする。
○ 上記の実施形態では、車両コントローラが回生検知手段および制御手段としての機能を備えたが、回生検知手段と制御手段を別に設けるようにしてもよい。
11 車体
12 荷役装置
17 油圧ポンプ
18 荷役モータ
21 走行モータ
24 ディレクションレバー
25 アクセルペダル
26 ブレーキペダル
27 車両コントローラ
31、51 燃料電池
33 燃料電池コントローラ
34、55 電力配線
35、54 インバータ
36 キャパシタ
37 コンタクタ
52 蓄電装置
53 電動モータ
F 燃料電池ユニット
Claims (4)
- 燃料電池と、
前記燃料電池と電力配線により接続された蓄電装置と、
前記燃料電池又は前記蓄電装置から電力供給を受ける電動モータと、を備えた産業車両の燃料電池システムにおいて、
前記電動モータの回生を検知する回生検知手段と、
前記燃料電池と蓄電装置との間の通電を遮断する電力遮断手段と、
前記電力遮断手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記回生検知手段により前記電動モータの回生が検知され、前記燃料電池の電圧を予め設定された閾値以上にさせる回生電力の電圧上昇が発生しているとき、前記電力遮断手段により前記燃料電池と前記蓄電装置との間の通電を遮断することを特徴とする産業車両の燃料電池システム。 - 前記回生検知手段は、アクセルオフ操作の検知信号、ブレーキオン操作の検知信号およびディレクションレバーによるスイッチバック操作の検知信号を受信し、
前記検知信号のいずれかの検知信号に基づき、前記電動モータの回生を検知することを特徴とする請求項1記載の産業車両の燃料電池システム。 - 前記電力遮断手段はコンタクタであることを特徴とする請求項1又は2記載の産業車両の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の電圧を検出するとともに、前記制御手段と通信可能な燃料電池コントローラが備えられ、
前記燃料電池コントローラが前記閾値以上の前記燃料電池の電圧を検出したとき、
前記制御手段は、前記電力遮断手段により前記燃料電池と前記蓄電装置との間の通電を遮断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の産業車両の燃料電池システム。
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