JP2009040211A - ハイブリッド型車両の回生電力制御方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキオン、アクセルオフ及びスイッチバックの少なくともいずれかの操作が実行されたことを検知すると、回生電力制御へ移行し(S1)、バッテリへの充電量低減処理を行う必要があるか否かを判定し(S2)、必要があると判定された場合には、充電量低減処理として、(1)エンジン出力指令値を0にする、(2)フューエルカットを行う、(3)発電機をそれまでの回転数が保持されるか、または回転数が所定速度よりも小さな速度で下降するようにバッテリに蓄積された電力により駆動する、の処理のうち少なくとも一つを実行し(S3)、充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定されると(S4)、充電量低減処理を終了して通常の制御に復帰する(S5)。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1に記載された走行シリーズ方式ハイブリッド型車両では、ブレーキ踏み込み量とバッテリへの充電電流を監視し、減速操作が行われたことを検知するとエンジンを非駆動状態とし、バッテリへの充電電流が許容量を超えたときにはエンジンを強制的に回転させてエンジンブレーキトルクを発生させることにより、余剰の電力を消費させてバッテリ電力の増大を抑制しようとしている。
所望の車両減速度を確保するためには、走行モータの回生電力を低減することができないので、走行モータの回生電力をそのままにしてバッテリ電力の増大を抑制しなければならない。特に、フォークリフト等の荷役車両にあっては、急激な加速・減速が頻繁に発生することが多く、減速時におけるバッテリ電力の増大の抑制が大きな課題となっていた。
また、走行モータの回生運転が終了したときに充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定することができる。
また、復帰判定手段は、走行モータの回生運転が終了したときに充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定することができる。
図1に実施の形態に係る回生電力制御装置を備えたハイブリッド型フォークリフトの構成を示す。エンジン1にクラッチ2を介して発電機3が連結され、発電機3に発電機インバータ4を介してバッテリ5が電気的に接続されている。バッテリ5には、走行インバータ6を介して走行モータ7が電気的に接続され、走行モータ7に走行装置8が連結されている。また、発電機3の図示しない回転軸に荷役ポンプ9が直結され、この荷役ポンプ9に荷役バルブ10を介して荷役シリンダ11が接続されると共に、荷役ポンプ9と荷役バルブ10に作動油タンク12が接続されている。
なお、ECU13は、フォークリフト全体のシステム制御を司るもので、この発明の回生電力制御移行判定手段、充電量低減処理判定手段、充電量低減処理実行手段、復帰判定手段、及び復帰手段を構成している。
発電機3は、エンジン1によって駆動されて発電を行い、バッテリ5への蓄電を行うが、バッテリ5から発電機インバータ4を介して駆動電力が供給されると、電動機として駆動軸を回転駆動する。
また、フォークリフトの荷役作業は、荷役ポンプ9と、図示しないフォークを昇降させる荷役シリンダ11と、荷役ポンプ9から作動油を荷役シリンダ11に適宜分配するための荷役バルブ10を介して行われる。
ECU13から供給されるエンジン出力指令値Seに基づいてエンジン1が駆動され、発電機3と荷役ポンプ9とが回転駆動され、発電機3で発生した電力は発電機インバータ4を通してバッテリ5に蓄積される。このとき、荷役ポンプ9は、エンジン1の駆動軸の回動に伴って常時駆動されており、荷役バルブ10に作動油が送られる。ECU13は、荷役レバーポジションセンサ23からの信号に基づき、荷役バルブ10の開度を指示して荷役シリンダ11を作動させ、荷役作業を行う。荷役作業を行わない場合には、作動油は荷役バルブ10を通過し、作動油タンク12に還流する。
そして、走行減速時に走行モータ7で発生した回生電力がバッテリ5に流入することによりバッテリ5の充電量が定格値等の設定値を超過しないように、ECU13により図2に示されるような回生電力制御が実行される。
まず、ステップS6で、ブレーキセンサ15からの信号に基づき、ブレーキオンの操作が行われたか否かが確認され、行われていれば回生電力制御へ移行すると判定される。
ステップS6で、ブレーキオンの操作が行われていないと確認されると、ステップS7に進み、アクセルポジションセンサ14からの信号に基づき、アクセルオフの操作が行われたか否かが確認され、行われていれば回生電力制御へ移行すると判定される。
ステップS7で、アクセルオフの操作が行われていないと確認されると、ステップS8に進み、ディレクションスイッチ16からの信号に基づき、スイッチバックの操作が行われたか否かが確認され、行われていれば回生電力制御へ移行すると判定される。
ステップS8で、スイッチバックの操作が行われていないと確認されると、回生電力制御へは移行しないと判定される。
このように、ブレーキオン、アクセルオフ及びスイッチバックの操作に応じて回生電力制御への移行の判定を行うため、走行モータ7による回生電力が増大する前にバッテリ5の充電量低減を図ることが可能となる。
まず、ステップS9で、バッテリ電力センサ20からの信号に基づき、バッテリ5の電力が第1の所定値Eb以上か否かが確認され、バッテリ5の電力が第1の所定値Eb以上であれば、充電量低減処理が必要であると判定される。
ステップS9で、バッテリ5の電力が第1の所定値Eb未満であると確認されると、ステップS10に進み、走行モータ回転数センサ19からの信号に基づいて走行モータ7の回転数が第2の所定値Rm以上か否かが確認され、第2の所定値Rm以上であれば、充電量低減処理が必要であると判定される。
ステップS10で、走行モータ7の回転数が第2の所定値Rm未満であると確認されると、ステップS11に進み、アクセルポジションセンサ14からの信号に基づき、アクセルの戻し量が第3の所定値Da以上か否かが確認され、第3の所定値Da以上であれば、充電量低減処理が必要であると判定される。
そして、ステップS12で、発電機3の回転数が第4の所定値Rg未満であると確認された場合には、バッテリ5の充電量が定格値等の設定値を超過するおそれはないとして充電量低減処理は不要であると判定される。
なお、第1の所定値Ebはバッテリ5の定格値等の設定値よりもわずかに低い適当な値に設定される。第2の所定値Rm、第3の所定値Da、第4の所定値Rgは、それぞれ走行モータ7、アクセル、発電機3の定格・特性に基づいて適宜設定される。
なお、ステップS13の代わりに、図6に示されるように、ステップS14で、ECU13が、充電量低減処理としてエンジン1に供給される燃料を停止(フューエルカット)してもよい。このように、フューエルカットを実施することにより、エンジンの応答遅れに起因した発電量が走行モータ7の回生電力に上乗せされることを未然に防止することができる。
また、ステップS13またはS14の代わりに、図7に示されるように、ステップS15で、ECU13が、充電量低減処理として発電機回転数センサ18からの信号に基づいて発電機3の回転数がこの充電量低減処理を実行する前の値のまま保持されるか、あるいは所定速度よりも小さな速度で緩やかに回転数が下降するように、発電機インバータ4を介してバッテリ5の蓄積電力により発電機3を駆動してもよい。このように、発電機3の回転数を保持あるいは緩やかに減速させることにより、発電機3の減速による回生に起因した発電量が走行モータ7の回生電力に上乗せされることを未然に防止することができる。
このように、充電量低減処理が必要であるとの判定直後に、(1)エンジン出力指令値Seを0とする、(2)フューエルカットを実施する、(3)発電機3の回転数を保持あるいは緩やかに減速させる、の処理のうち少なくとも一つを実行することにより、走行モータ7の回生電力を操作することなく、発電量が走行モータ7の回生電力に上乗せされることが防止され、所望の車両減速度を保ちながら、バッテリ5の電力が定格値等の設定値を超えることを回避することが可能となる。
すなわち、充電量低減処理においては、発電機3がバッテリ5の蓄積電力によって駆動されるため、発電機3による発電電力がバッテリ5に流入することはなく、さらに、走行モータ7の回生運転が終了すれば、バッテリ5の電力がそれ以上増加する可能性がなくなる。したがって、充電量低減処理から通常の制御への復帰が可能であると判定することができる。
そして、通常の制御への復帰が可能であると判定されると、ECU13は、ステップS5に進み、図5、図6または図7に示した充電量低減処理を終了して、通常の制御に復帰する。すなわち、エンジン1を回転数制御しながら発電機3をトルク制御することによりバッテリ5への充放電が制御される、あるいは、発電機3を回転数制御しながらエンジン1を出力制御することによりバッテリ5への充放電が制御される。
また、上記の実施の形態では、エンジン1と発電機3との間にクラッチ2が介在していたが、これに限るものではなく、クラッチ2を省略してエンジン1に発電機3を直結することもできる。
この発明は、従来のハイブリッド型フォークリフトに新たな構成部品を追加することなく、ECU13内の制御ロジックを変更するだけで済むため、低コストで実現することができる。
また、この発明は、フォークリフトに限らず、エンジンに接続された発電機によりバッテリに蓄積された電力を用いて走行モータを駆動させる各種のハイブリッド型車両に適用することができる。
Claims (6)
- エンジンに接続された発電機により発電された電力、またはバッテリに蓄積された電力を用いて走行モータを駆動させるハイブリッド型車両の回生電力制御方法において、
ブレーキオン、アクセルオフ及びスイッチバックの少なくともいずれかの操作が実行されたか否かを検知し、
上記の操作がなされたことを検知すると、バッテリの電力が設定値を超過しないようにバッテリへの充電量低減処理を行う必要があるか否かを判定し、
充電量低減処理を行う必要があると判定された場合には、充電量低減処理として、
(1)エンジン出力指令値を0にする、
(2)フューエルカットを行う、
(3)発電機をそれまでの回転数が保持されるか、または回転数が所定速度よりも小さな速度で下降するようにバッテリに蓄積された電力により駆動する、
の処理のうち少なくとも一つを実行し、
充電量低減処理から復帰することができる状態になったか否かを判定し、
充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定されると充電量低減処理を終了する
ことを特徴とするハイブリッド型車両の回生電力制御方法。 - バッテリの電力が第1の所定値以上、または、走行モータの回転数が第2の所定値以上、または、アクセル戻し量が第3の所定値以上、または、発電機の回転数が第4の所定値以上のときに充電量低減処理を行う必要があると判定する請求項1に記載の回生電力制御方法。
- 走行モータの回生運転が終了したときに充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定する請求項1または2に記載の回生電力制御方法。
- エンジンに接続された発電機により発電された電力、またはバッテリに蓄積された電力を用いて走行モータを駆動させるハイブリッド型車両の回生電力制御装置において、
ブレーキ操作がなされたことを検知するブレーキセンサと、
アクセル位置を検知するアクセルポジションセンサと、
走行方向を検知するディレクションスイッチと、
走行モータの回転数を検知する走行モータ回転数センサと、
発電機の回転数を検知する発電機回転数センサと、
バッテリの電力を検知するバッテリ電力センサと、
前記ブレーキセンサ、前記アクセルポジションセンサ及び前記ディレクションスイッチからの信号に基づいてブレーキオン、アクセルオフ及びスイッチバックの少なくともいずれかの操作が実行されたか否かを検知する回生電力制御移行判定手段と、
前記回生電力制御移行判定手段により上記の操作の実行が検知されると、バッテリの電力が設定値を超過しないようにバッテリへの充電量低減処理を行う必要があるか否かを判定する充電量低減処理判定手段と、
前記充電量低減処理判定手段により充電量低減処理を行う必要があると判定された場合に、充電量低減処理として、
(1)エンジン出力指令値を0にする、
(2)フューエルカットを行う、
(3)発電機をそれまでの回転数が保持されるか、または回転数が所定速度よりも小さな速度で下降するようにバッテリに蓄積された電力により駆動する、
の処理のうち少なくとも一つを実行する充電量低減処理実行手段と、
充電量低減処理から復帰することができる状態になったか否かを判定する復帰判定手段と、
前記復帰判定手段により充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定されると前記充電量低減処理実行手段による充電量低減処理を終了させる復帰手段と
を備えたことを特徴とするハイブリッド型車両の回生電力制御装置。 - 前記充電量低減処理判定手段は、前記バッテリ電力センサで検出されたバッテリの電力が第1の所定値以上、または、前記走行モータ回転数センサで検出された走行モータの回転数が第2の所定値以上、または、前記アクセルポジションセンサで検出されたアクセル戻し量が第3の所定値以上、または、前記発電機回転数センサで検出された発電機の回転数が第4の所定値以上のときに充電量低減処理を行う必要があると判定する請求項4に記載の回生電力制御装置。
- 前記復帰判定手段は、走行モータの回生運転が終了したときに充電量低減処理から復帰することができる状態になったと判定する請求項4または5に記載の回生電力制御装置。
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