JP2011098577A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両1は、リチウムイオン二次電池101と、充放電制御手段20と、アクセル開度APを検知するアクセル開度検知手段40と、を備え、リチウムイオン二次電池の電気エネルギを用いて駆動される。充放電制御手段は、車両1の走行中、検知したアクセル開度がエンジンブレーキ条件を満たした場合に、リチウムイオン二次電池に回生充電を行う回生手段S9,S13、及び、検知したアクセル開度が所定値P1以上の値である場合に、その後のリチウムイオン二次電池への回生充電を禁止すると共に、この回生禁止の期間TMの終期TMEを設定する回生禁止期間設定手段S7,S50、を有する。
【選択図】 図5
Description
例えば、特許文献1には、このようなハイブリッド自動車の回生電力制御方法として、例えば、ブレーキオン、アクセルオフ或いはスイッチバックがなされたことを検知して、バッテリ(リチウムイオン二次電池)への充電を行うものが示されている。
しかしながら、アクセル開度を大きく低下させた場合、回生する電気エネルギが大きくなるため、特に回生開始当初に、電池に過大な充電電流が流れ、電池の劣化(例えば、負電極板への金属リチウムの析出による電池の容量低下)が生じる虞がある。
また、充放電制御手段は、回生禁止の期間よりも短い周期で回生禁止期間設定手段を繰り返し実行する。これにより、所定値以上のアクセル開度が継続している場合に、先に設定された回生禁止期間の終期を迎える前に、新たな終期を設定することができる。従って、アクセル開度が所定値以上を継続している場合には、電池への回生充電の禁止を継続する。これと共に、アクセル開度が所定値以上の値から急に低下した場合でも、先に設定した回生禁止の期間の終期まで、常に回生充電を禁止して、電池に過大な充電電流が流れることを防止できる。
かくして、電池の劣化を抑制した車両とすることができる。
また、回生禁止の期間中(終期より前の時刻)において、アクセル開度がエンジンブレーキ条件を満たすことにより、エンジン自動車におけるエンジンブレーキと同様に減速を行う場合には、電池への充電に代えて、ブレーキの作動やモータの発熱による電力消費、抵抗体への通電(発熱)による電力消費、キャパシタへの一時的な充電により、減速に伴って発生するエネルギの消費や貯留を行うと良い。また、ハイブリッド自動車の場合には、エンジンにエンジンブレーキの作用を生じさせることもできる。
また、エンジンブレーキ条件とは、現在の車速を維持するのに要求されるアクセル開度(開度要求値)に対し、現在のアクセル開度が不足している状態を指し、この状態を満たした場合、車両を減速させる制御が行われる。
これに対し、上述の車両では、回生禁止期間設定手段を電池温度が所定温度よりも低い場合に実行する。これにより、電池温度が所定温度より低い場合には、充電電流が過大であるために、電池の負電極板に金属リチウムが析出してしまうのを適切に抑制することができる。一方、電池温度が高い場合には、アクセル開度にかかわらず、電池に回生充電を行うので、適切にエネルギー回生を行うことができる。
これに基づいて、上述の車両では、電池温度が−10℃よりも低い場合に回生禁止期間設定手段を実行することとなる。このため、回生に伴う過大な充電電流により電池の負電極板に金属リチウムが析出するのを、確実に抑制することができる。
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる車両1について説明する。
この車両1は、図1に斜視図を示すように、組電池10をなす、複数のリチウムイオン二次電池(以下、電池ともいう)101,101、ハイブリッド自動車制御装置(以下、HV制御装置ともいう)20、アクセルポジションセンサ40、抵抗体80及びスイッチ90の他に、フロントモータ31、リアモータ32、エンジン50、ケーブル60、インバータ70及び車体BDを有するハイブリッド電気自動車である。この車両1は、組電池10(電池101)の電気エネルギと共に、エンジン50を用いて駆動される。
また、電池部11は、矩形箱形の電池ケース180内に、発電要素110を備える捲回形の電池101を複数含む。なお、これら複数の電池101,101は、バスバBBとのボルト締結にて、互いに直列に接続されている。
一方、負電極板140は、帯状で銅製の銅箔(図示しない)の両主面上に、2つの負極活物質層(図示しない)を配置している。なお、負極活物質層は、グラファイトからなる負極活物質粒子(図示しない)と、PVDFからなる結着材(図示しない)とを含む。
具体的に、まず、上述の電池101であって、製造して間もない新品(初期)のもの、5つを試料電池として、これらの電池容量についてそれぞれ測定した。具体的には、各試料電池を、1.0Aの電流値で、4.1Vまで充電し、その後、25℃の温度環境下で、その電圧を保ちつつ電流値を徐々に低下させ、90分間保持した(定電流−定電圧充電)。さらに、これら各試料電池について、25℃の温度環境下で、0.33Aの電流値で3.0Vとなるまで定電流放電を行い、放電した電池容量をそれぞれ測定した。なお、このときの各電池容量を各試料電池の初期容量(1C)とした。
この後、各試料電池の電池容量を、上述と同様にして測定した。そして、充電試験後における各試料電池の容量維持率を算出した。この容量維持率は、充電試験後の電池容量の値を、充電試験前の、初期の初期容量で割ったものである。
次いで、ステップS22では、車両1の車速センサ(図示しない)を用いて、車両1の車速VCを検知する。そして、検知した車速VCから、この車速VCを維持するのに要求されるアクセル開度の要求値(開度要求値)APRを算出する(ステップS23)。
その後、図5に示すメインルーチンに戻って、ステップS3に進む。
ここで、NO、即ち電池温度BTが−10℃以上(BT≧−10℃)場合、ステップS12に進む。一方、YES、即ち電池温度BTが−10℃よりも低い(BT<−10℃)場合には、ステップS50の回生禁止期間設定サブルーチンに進む。
ここで、NO、即ち車両1のアクセル開度APが第1開度P1よりも低い(AP<P1)場合、ステップS52をスキップし、メインルーチンに戻ってステップS6に進む。一方、YES、即ちアクセル開度APが第1開度P1以上(AP≧P1)の場合には、ステップS52に進む。
その後は、メインルーチンに戻りステップS6に進む。
ここで、NO、即ちアクセル開度APがエンジンブレーキ条件を満たしていない(AP≧APR)場合には、ステップS14に進む。一方、YES、即ちアクセル開度APがエンジンブレーキ条件を満たす(AP<APR)場合には、ステップS7に進む。
ここで、NO、即ち現在の時刻TNが回生禁止期間TMの終期TMEよりも後の場合、ステップS8に進む。一方、YES、即ち現在の時刻TNが終期TME以前の場合には、ステップS10に進む。
ステップS8では、現在の時刻TNが回生禁止期間TM外であるので、車両1の車輪に連動するモータ31,32を回生動作させて生じた回生電流の通電先を、スイッチ90を用いて、抵抗体80から組電池10(電池101)に変更する。そして、この組電池10(電池101)に回生電流を通電(回生充電)する(ステップS9)。
組電池10(電池101)に通電(回生充電)した後、ステップS14に進む。
抵抗体80に通電した後、ステップS14に進む。
ここで、NO、即ちアクセル開度APがエンジンブレーキ条件を満たしていない(AP≧APR)場合、ステップS14に進む。一方、YES、即ちアクセル開度APがエンジンブレーキ条件を満たす(AP<APR)場合には、ステップS13に進む。
ステップS13では、組電池10(電池101)に回生電流を通電(回生充電)し、その後、ステップS14に進む。
ここで、NO、即ち第1期間T1を経過していない場合、ステップS14を繰り返す。一方、YES、即ち第1期間T1を経過すると、アクセル開度検知サブルーチンS20に戻って、アクセル開度検知サブルーチンS20及び回生禁止期間設定サブルーチンS50を含む、メインルーチンのステップS3〜S14を繰り返す。
従って、アクセル開度APが第1開度P1以上の値を継続している場合には、組電池10(組電池101)への回生充電の禁止を継続する。これと共に、アクセル開度APが第1開度P1以上の値から急に低下した場合でも、先に設定した回生禁止期間TMの終期TMEまで、常に回生充電を禁止して、組電池10(電池101)に過大な充電電流が流れることを防止できる。
かくして、組電池10(電池101)の劣化を抑制した車両1とすることができる。
次に、本発明の変形形態1にかかる車両201について、図1〜6,8を参照しつつ説明する。
この車両201は、HV制御装置の実行する回生禁止期間設定サブルーチンが、前述の実施形態1にかかる車両1と異なり、それ以外は同様である。
そこで、実施形態1にかかる車両1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略、又は、簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
また、このHV制御装置220は、実施形態1のHV制御装置20と同様、車両201の走行中、次述のアクセルポジションセンサ40により検知したアクセル開度APがエンジンブレーキ条件を満たした場合に、組電池10(電池101)に回生充電を行う制御を実行する回生手段を有する。
まず、ステップS51では、実施形態1と同様、アクセル開度検知サブルーチンS20で検知したアクセル開度APが第1開度P1以上か否かを判別する。なお、本変形形態1では、実施形態1と同様、第1開度P1を50%に設定した。
ここで、NO、即ち車両201のアクセル開度APが第1開度P1よりも低い(AP<P1)場合、図5に示すメインルーチンに戻って、ステップS6に進む。一方、YES、即ちアクセル開度APが第1開度P1以上(AP≧P1)の場合には、ステップS152に進む。
従って、アクセル開度APが第1開度P1以上の値を継続している場合には、実施形態1と同様にして、組電池10(組電池101)への回生充電の禁止が継続される。これと共に、アクセル開度APが第1開度P1以上の値から急に低下した場合でも、実施形態1と同様、先に設定した回生禁止期間TMの終期TMEまで、常に回生充電を禁止して、組電池10(電池101)に過大な充電電流が流れることを防止できる。
そこで、本変形形態1では、上述のステップS152で、回生禁止期間TMの仮終期TMEHを設定して、ステップS153では、その仮終期TMEHの時刻が現在の終期TMEの時刻よりも前であるか否かを判別する。なお、現在の終期TMEとは、現在設定・記憶されているものをいう。
一方、YES、即ち仮終期TMEHの時刻が、現在の終期TMEの時刻よりも前の場合には、図5に示すメインルーチンに戻って、ステップS6に進む。つまり、HV制御装置220に予め記憶された終期TMEを更新しない。これにより、回生禁止期間TMが短くなることを防ぎ、組電池10(電池101)に過大な充電電流が流れることを防止できる。
例えば、実施形態1等では、回生電流を流しうる素子を、回生電流を流して発熱により電気エネルギを消費可能とした抵抗体としたが、例えば、回生電流を一時的に貯留可能なキャパシタ等を用いても良い。
12 電池監視装置(電池温度検知手段)
20 HV制御装置(充放電制御手段)
40 アクセルポジションセンサ(アクセル開度検知手段)
80 抵抗体(素子)
90 スイッチ
101 電池(リチウムイオン二次電池)
AP アクセル開度
BT 電池温度
P1 第1開度(所定値)
T1 第1期間(周期)
TM 回生禁止期間(回生禁止の期間)
TME 終期
Claims (4)
- リチウムイオン二次電池と、
上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する充放電制御手段と、
アクセル開度を検知するアクセル開度検知手段と、を備え、
上記リチウムイオン二次電池の電気エネルギを用いて駆動される
車両であって、
上記充放電制御手段は、
上記車両の走行中、検知した上記アクセル開度がエンジンブレーキ条件を満たした場合に、上記リチウムイオン二次電池に回生充電を行う回生手段、及び、
検知した上記アクセル開度が所定値以上の値である場合に、その後の上記リチウムイオン二次電池への上記回生充電を禁止すると共に、この回生禁止の期間の終期を設定する回生禁止期間設定手段、を有し、
設定されうる上記回生禁止の期間よりも短い周期で上記回生禁止期間設定手段を繰り返し実行する
車両。 - 請求項1に記載の車両であって、
前記リチウムイオン二次電池とは別に、回生電流を流しうる素子と、
上記回生電流の通電先を、上記リチウムイオン二次電池と上記素子とで切り換え可能なスイッチと、を備え、
前記充放電制御手段は、
上記スイッチにより、前記回生禁止の期間中に生じた上記回生電流を流す通電先を、上記リチウムイオン二次電池から、上記素子に変更する通電先変更手段を有する
車両。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両であって、
前記リチウムイオン二次電池の電池温度を検知する電池温度検知手段を備え、
前記充放電制御手段は、
上記電池温度が所定温度よりも低いときに、前記回生禁止期間設定手段の実行を選択する実行選択手段を有する
車両。 - 請求項3に記載の車両であって、
前記実行選択手段における前記所定温度を−10℃としてなる
車両。
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