JP2014026031A - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックチェック時のハンマのオーバーシュートによる不適切な消音を回避する。
【解決手段】光学センサによりハンマ体が回動往方向における所定の位置を通過したことが検出されると、ノートオン演奏信号を生成・出力することで、楽音が発音される。ノートオン演奏信号の出力と共に、タイマをスタートさせ、ノートオンベロシティVelの値を記憶しておく。ハンマ体が消音位置を回動復方向に通過した場合は、ノートオフ演奏信号を生成・出力することで、発音されていた楽音が消音される。現在のタイマ値が所定時間未満で且つVel値が所定値Vx以上である場合は、止音位置テーブルに従って、消音位置をレスト側にシフトさせる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハンマの検出位置に基づいて消音を行う電子鍵盤楽器に関する。
従来、アクション機構を使用した電子鍵盤楽器においては、鍵の位置情報を用いて楽音制御するものがあるが、よりリアルな楽音制御を行うために、ハンマの位置情報を用いるものも知られている。例えば下記特許文献1の楽器では、ハンマの運動に関する物理量を検出し、その検出結果に基づいて消音(止音)を行う。
一般に、弦及びダンパを有する鍵盤楽器においては、鍵の復帰に伴いダンパが弦に接触した時点で消音開始となる。特許文献1では、ハンマの位置から消音開始位置を規定する上で、バックチェックの作用を考慮し、ハンマがバックチェックから外れた後、所定の消音位置を通過した時点で、電子楽音の止音タイミングとしている。従って、消音タイミングを決める消音位置は一定である。
特開2008−70895号公報
しかしながら、押鍵の強さによってハンマの速度が異なり、ハンマは速度が大きいと跳ね返り速度も大きくなる。跳ね返り速度が大きいと、バックチェックの際にハンマがレスト方向に変位しすぎる傾向が強くなる。その変位の程度が大きいと、消音タイミングを決める消音位置(閾値)をハンマが超えてしまう場合がある(オーバーシュート)。
そうなると、本来まだ消音を開始すべきでないにもかかわらず消音が開始され、不適切な音切れが発生する。アップライトピアノのアクション機構においてはバックチェック機構の特性から、上記のような現象が特に生じやすい。これを避けるために、消音タイミングを決める消音位置の設定を予めレスト側に設定しておくとすると、通常または弱押鍵時に消音が遅れることになる。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、バックチェック時のハンマのオーバーシュートによる不適切な消音を回避することができる電子鍵盤楽器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子鍵盤楽器は、押離操作される鍵(24)と、前記鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押鍵操作によって駆動され、レスト位置とエンド位置との間を回動移動するハンマ(HM)と、エンド位置からレスト位置に移動する前記ハンマをバックチェックするためのバックチェック手段(34、44)と、押鍵時のノートオンベロシティを検出するベロシティ検出手段(41)と、押鍵操作に起因してノートオン演奏信号を生成する演奏信号生成手段(11)と、消音位置を設定する設定手段(11)と、前記ハンマがエンド位置からレスト位置に移動する行程において、前記設定手段により設定されている消音位置を前記ハンマが通過したことを検知する通過検知手段(41)と、前記演奏信号生成手段により生成されたノートオン演奏信号に従って楽音を発音すると共に、前記ハンマがエンド位置からレスト位置に移動する行程において、前記消音位置を前記ハンマが通過したことが前記通過検知手段により検出されたことに応じて、当該ハンマに対応する鍵について発生している楽音を消音するよう制御する制御手段(11)とを有し、前記設定手段は、前記ノートオン演奏信号が生成されてから所定時間(Tx)が経過する前で且つ、前記ベロシティ検出手段により検出されたノートオンベロシティが所定値(Vx)以上である場合は、前記消音位置をレスト側にシフトさせることを特徴とする。
好ましくは、前記設定手段は、前記検出されたノートオンベロシティの値に応じて、前記消音位置のレスト側へのシフトの程度を変える(請求項2)。
好ましくは、前記ハンマがレスト位置からエンド位置に移動する行程における前記ハンマの位置を検出するハンマ位置検出手段(41)を有し、前記演奏信号生成手段は、前記ハンマ位置検出手段により検出された位置に基づいて前記ノートオン演奏信号を生成する(請求項3)。
好ましくは、前記ハンマがレスト位置からエンド位置に移動する行程における前記ハンマの位置を検出するハンマ位置検出手段を有し、前記ベロシティ検出手段は、押鍵時のノートオンベロシティを、前記ハンマ位置検出手段により検出された位置に基づいて検出する(請求項4)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、バックチェック時のハンマのオーバーシュートによる不適切な消音を回避することができる。
請求項2によれば、予測されるオーバーシュートの程度に応じた消音位置の設定により、不適切な消音を回避しつつも消音の過剰な遅れを抑制することができる。
請求項3によれば、鍵センサが必須でなくなる。
請求項4によれば、鍵センサが必須でなくなると共に、オーバーシュートの程度の予測が正確になる。
本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤楽器の後部(鍵盤構造部分の要部)の縦断面図である。 電子鍵盤楽器の全体構成を示すブロック図である。 止音位置テーブルの概念図である。 演奏信号生成処理のフローチャートである。 消音位置設定処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子鍵盤楽器の後部(鍵盤構造部分の要部)の縦断面図である。図1では特に、1つの鍵24とそれに対応するアクション機構ACTを示している。
この電子鍵盤楽器においては、白鍵及び黒鍵である鍵24が複数並列に配列される。各鍵24は各々、不図示の鍵支点を中心に図1の時計及び反時計方向に揺動自在に配設される。図1の右側が奏者側であって前方、左側が後方である。鍵24は図に現れていない前部が押離操作される。鍵24の後端部の上方に、各鍵24に対応してアクション機構ACTが設けられる。
アクション機構ACTは、主にウィッペン42、ハンマアセンブリであり質量体であるハンマ体HM、及びジャック43を備える。ウィッペン42は、対応する鍵24によって突き上げ駆動される。ウィッペン42には、ジャックフレンジを介してジャック43が図1の時計及び反時計方向に回動自在に軸支される。
ウィッペン42の前端部(自由端部)には、バックチェックワイヤ(BC棒)46が前方に傾斜して植設されている。バックチェックワイヤ46の上端にはハンマ体HMのキャッチャ34を弾性的に受け止めるバックチェック44が配設されている。キャッチャ34及びバックチェック44がバックチェック手段を構成している。
ハンマ体HMは、主にバット30及びハンマシャンク31を備える。バット30が、ハンマ回動軸36を中心に図1の時計及び反時計方向に回動自在に配設されている。ハンマ体HMは、図1に示す非押鍵状態において、その自重によって全体として図1の時計方向に付勢されている。
非押鍵状態においては、鍵24の後端部が鍵ストッパ48に当接して鍵24の初期位置が規定され、キャプスタン部47にウィッペン42が当接することで、ウィッペン42の初期位置が規定される。また、ハンマ体HMの初期位置は、後方延設部37がストッパ49に当接することで規定される。さらに、初期位置では、ハンマ体HMの被打部33がジャック43の上端部にも当接するよう、バネ51によりジャック43が反時計方向に付勢されている。
また、センサユニット40が本楽器に対して取り付け部材52を介して固定的に配設されている。センサユニット40内のセンサ基板55に光学センサ41が設けられる。光学センサ41は鍵24毎に設けられる。一方、ハンマ体HMのバット30の下部後部における光学センサ41に対向する部分には、反射面35が設けられる。反射面35にはグレースケールが形成される。このグレースケールは、白地の面に、上方に凸の二等辺三角形を有する黒色部が複数並列に形成されてなる(図2の概略表示参照)。
光学センサ41は、反射面35での反射光量に応じた信号を出力する。鍵24の押鍵操作によって駆動されて、対応するハンマ体HMが初期位置から図1の反時計方向に回動するにつれて、反射面35での反射光量が連続的に変化し、増加または減少していくように、図2に示すようなパターンが反射面35に配設される。従って、光学センサ41は、反射光量によりハンマ体HMの回動位置を連続的に検出する。光学センサ41による位置検出はリニアな特性を有している。なお、ハンマ体HMの位置を検出できるセンサであればよく、光学的センサ以外の検出機構(例えば、磁気パターン検出器等)を採用してもよい。
また、ハンマ体HM用の上限ストッパ45が、取り付け部材52の上部屈曲部53及び上部屈曲部53に固定される取り付け片54を介して本楽器に対して固定的に配設されている。ハンマ体HMは、バット30の当接部32が上限ストッパ45に当接することで、押鍵方向に対応する回動方向における限界位置が規定される。ところで、鍵24の押鍵方向の限界位置は、鍵24の前部の下方に設けられる不図示の押鍵ストッパに鍵24の前部が当接することで規定される。
ピアニシモまたはピアニッシシモ以上に強い打鍵では、当接部32と上限ストッパ45とが当接することにより、ハンマ体HMは跳ね返って初期位置の方向に戻される。その際、押鍵を持続している状態では、キャッチャ34がバックチェック44に受け止められてバックチェック状態となり、それが維持される。一方、早いパッセージ打法または弱打の連打中のように、当接部32と上限ストッパ45とが当接しない場合もあり得る。そして、当接もせずバックチェックもされないまま図1に示す初期状態に戻ることもある。
回動方向の呼称については次のように定める。鍵24、ハンマ体HMのいずれも、非押鍵状態における位置(図1)が初期位置となり、押鍵の往行程において初期位置から回動していく方向が往方向の回動となる。そして、初期位置に復帰していく方向が復方向の回動となる。
ここで、図1に示す初期状態における鍵24及びハンマ体HMの位置を「レスト位置」と呼称する。また、鍵24及びハンマ体HMについて、往方向の回動終了位置を「エンド位置」と呼称する。
上記のような構造からなるアクション機構ACTの動作について説明する。非押鍵状態から鍵24が押下操作されると、後端部のキャプスタン部47がウィッペン42を突き上げる。すると、ジャック43が上昇してバット30の被打部33が突き上げられ、ハンマ回動軸36を中心にハンマ体HMが往方向(図1の反時計方向)に回動していく。
やがて、ジャック43が時計方向に回動して上端部がバット30の被打部33から逃げて脱進となる。通常押鍵(中押鍵)または強押鍵の場合は、脱進後、ハンマ体HMは自由に回動していき、当接部32が上限ストッパ45に当接して跳ね返る。ただし、一定以下の弱い弱押鍵の場合は、ハンマ体HMは上限ストッパ45に当接しない。
脱進後、ハンマ体HMが復方向に回動すると、ハンマ体HMのキャッチャ34がバックチェック44に弾性的に受け止められてバックチェック状態となり、押鍵状態が維持される限りはアクション機構ACTの全体がその姿勢で安定する。
押鍵から離鍵までの動作の態様は様々であり、押鍵、離鍵の速さによってもハンマ体HMの挙動は相違する。ハンマ体HMがバックチェック状態とならないで復帰する場合もある。また、バックチェック状態といっても、キャッチャ34がバックチェック44に対して接触はするが静止するまでに至らず、滑るようにして直ぐにハンマ体HMが復帰する場合もある。
ところで、押鍵の強さによってハンマ体HMの速度が異なり、当接部32が上限ストッパ45に当接したときの反発力も異なる。ハンマ体HMの跳ね返り速度によって、バックチェックの際のハンマ体HMの挙動も異なってくる。例えば、跳ね返り速度が大きいと、キャッチャ34がバックチェック44に対して強く衝突し、跳ね返り速度が小さい場合に比べるとハンマ体HMがレスト方向に変位する量が大きくなる。
本実施の形態では、楽音の消音を、ハンマ体HMが設定した消音位置を通過したタイミングで行っている。そのため、バックチェック時におけるハンマ体HMの変位の程度が大きすぎると、消音を開始する消音位置を超えてしまい(オーバーシュート)、バックチェックの時点で消音が開始され、不適切な音切れが発生するおそれがある。そこで本実施の形態では、後述するように、消音タイミングについて、バックチェック時のハンマ体HMのオーバーシュートの程度を考慮して消音位置を切り替えるようにしている。
図2は、電子鍵盤楽器の全体構成を示すブロック図である。
本楽器は、ROM17、RAM18、タイマ19、操作部20、記憶部21、各種インターフェイス(I/F)22、A/D変換部23、表示部12、音源回路13及び効果回路14が、バス16を介してCPU11にそれぞれ接続されて構成される。CPU11にはタイマ19が接続され、音源回路13には効果回路14を介してサウンドシステム15が接続されている。I/F22には、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)I/Fも含まれる。
光学センサ41からのアナログの信号は、A/D変換部23でデジタルの検出信号に変換されて、CPU11に供給される。CPU11は、本楽器全体の制御を司る。ROM17は、CPU11が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM18は、演奏データ、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ19は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。記憶部21は、上記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種楽曲データ、各種データ等を記憶する。
音源回路13は、A/D変換部23からの検出信号に基づく演奏データや予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する。効果回路14は、音源回路13から入力される楽音信号に各種効果を付与し、サウンドシステム15は、効果回路14から入力される楽音信号等を音響に変換する。
図3(a)は、止音位置テーブルの概念図である。この止音位置テーブルは、予めROM17に格納されている。図3(b)については変形例として後述する。
図3(a)の横軸は、ノートオンベロシティVel(MIDI値)、縦軸は消音位置(止音位置)(mm)である。ノートオンベロシティVelは、押鍵時において光学センサ41によって検出されるハンマ体HMの往方向への回動速度をMIDI値で表した値である。消音位置は、光学センサ41によって検出されるハンマ体HMの回動位置を、例えば0〜10mmの回動ストロークに対して規格化した値である。
図4で詳述するが、本実施の形態では、光学センサ41の検出結果に基づき、ハンマ体HMが回動往方向における所定の位置を通過した時点でノートオン演奏信号を生成すると共に、所定の位置を通過した時点のハンマ体HMの回動移動速度からノートオンベロシティVelを検出する。離鍵時には、ハンマ体HMが回動復方向に移動して消音位置を通過した時点でノートオフ演奏信号を生成する。ただし消音位置は、発音開始から所定時間Tx経過前は、現在発音されている楽音に対応するノートオンベロシティVelに応じて、図3(a)の止音位置テーブルを参照して定められる。
具体的には、消音位置は各鍵24の押鍵ごとに決定され、発音開始から所定時間Txが経過した後、または、Vel値が所定値Vx未満であった場合は、消音位置は初期設定である3.5mmで一定である。しかし、発音開始から所定時間Txが経過する前で且つ、Vel値が所定値Vx以上であった場合は、消音位置を止音位置テーブルに従ってエンド側(3.5mmより小さい値)にシフトさせる。所定値Vxは例えば63に設定され、所定時間Txは、ノートオン後、バックチェック状態が安定するまでに十分な時間として例えば70msに設定される。同じ鍵24が連打された場合は、最新の発音開始からの経過時間と最新の発音開始に関するVel値とで消音位置を定める。
図4は、演奏信号生成処理のフローチャートである。
この演奏信号生成処理は、通常の演奏のための処理、すなわちリアルタイム演奏処理(不図示)の一部としてCPU11により実行され、鍵24ごとに実行される。
まず、ノートオン、すなわち、光学センサ41によりハンマ体HMが回動往方向における所定の位置を通過したことが検出されたか否かを判別する(ステップS101)。そして、ノートオンでない場合は、ステップS106に処理を進める一方、ノートオンである場合は、ノートオン演奏信号を生成し、MIDI信号として出力する(ステップS102)。
ノートオンの検出に際し、ハンマ体HMの移動速度からノートオンベロシティVelも検出される。ノートオン演奏信号には、ノートオンが検出されたハンマ体HMに対応するノートナンバ、及び検出されたノートオンベロシティVelが含まれる。ノートオン演奏信号は音源回路13に送信され、そのとき指定されている音色の楽音が発音される。
次に、タイマをスタートさせる(ステップS103)。次に、上記検出したノートオンベロシティVelの値を、ノートナンバに対応付けてRAM18に記憶させておく(ステップS104)。ステップS103において、タイマは、新たなノートオンがある度にリセットされ計時が再開される。ステップS104において、Vel値も、新たなノートオンがある度に更新される。
次に、シフト実行フラグFをオンに設定する(ステップS105)。このシフト実行フラグFは、ノートオンに対応する鍵24の音高につき、タイマの計時時間及びVel値に基づく消音位置のシフトを行うことを示すフラグである。
次に、ステップS106では、ハンマ体HMが消音位置を回動復方向に通過したことが光学センサ41により検出されたか否かを判別する。その判別の結果、ハンマ体HMが消音位置を通過していない場合は、押鍵状態乃至バックチェック状態が継続していると判断できるので、本処理を終了する。
一方、ハンマ体HMが消音位置を通過した場合は、ノートオフ演奏信号を生成し、MIDI信号として出力する(ステップS107)。これにより、発音されていた楽音が消音される。その後、本処理を終了する。
図5は、消音位置設定処理のフローチャートである。
本処理は、CPU11によりリアルタイム演奏処理と並行してタイマ割り込み処理により一定時間間隔で繰り返し実行される。
まず、シフト実行フラグFがオンに設定されているか否かを判別する(ステップS201)。その判別を繰り返し、シフト実行フラグFがオンになったら、処理をステップS202に進め、現在のタイマ値(タイマの計時時間)及びノートオンベロシティVelの値を読み出す。そして、タイマ値が所定時間Tx未満で且つVel値が所定値Vx以上であるか否かを判別する(ステップS203)。
その判別の結果、タイマ値<所定時間Txで且つVel値≧所定値Vxが成立する場合は、消音位置をレスト側にシフトさせるよう設定を変更する(ステップS204)。すなわち上述したように、CPU11は図3(a)の止音位置テーブルを参照し、Vel値に応じた値を消音位置として設定することで、消音位置をレスト側にシフトさせる。
これにより、バックチェック状態となって間もない時間帯は、Vel値が大きいと消音位置がレスト側にずれるので、バックチェック時におけるハンマ体HMのオーバーシュートが大きかったとしても、不適切な消音開始がなされることが回避される。その後、処理をステップS202に戻す。
一方、タイマ値<所定時間Txで且つVel値≧所定値Vxが成立しない場合は、消音位置を初期設定である3.5mmの位置に設定する(ステップS205)。そして、シフト実行フラグFをオフにリセットして(ステップS206)、本処理を終了する。
本実施の形態によれば、ノートオン演奏信号が生成されてから所定時間Txが経過する前で且つ、ノートオンベロシティVelが所定値Vx以上である場合は、消音位置をレスト側にシフトさせるので、バックチェック時のハンマのオーバーシュートによる不適切な消音(異常な音切れ)を回避することができる。
また、Vel値に応じて、消音位置のレスト側へのシフトの程度を変えるので、予測されるオーバーシュートの程度に応じた消音位置の設定により、不適切な消音を回避しつつも消音の過剰な遅れを抑制することができる。
また、ノートオン演奏信号及びノートオフ演奏信号の生成、さらには押鍵時のノートオンベロシティVelの検出は、いずれも光学センサ41により検出されるハンマ体HMの位置に基づいてなされるので、鍵24の位置を検出する手段を必要としない。しかもノートオンベロシティVelをハンマ体HMの位置に基づいて検出することは、鍵24の位置に基づく場合に比べれば、バックチェック時のハンマ体HMのオーバーシュートの程度の予測を正確なものとし、消音位置の適切な設定に有利である。
なお、消音位置設定処理に用いる止音位置テーブルとしては、図3(a)に示したものは例示であり、図3(b)に示すような段階的に変更するテーブルであってもよい。図3(b)の止音位置テーブルでは、Vel値が所定値Vx以上であった場合に、レスト側へのシフトの程度が複数段階で変わる。なお、所定値Vxを境に1段階だけ変わるシンプルなテーブルとしてもよい。
あるいは、テーブル形式を採用するのではなく、Vel値に応じて演算式で消音位置を定めるようにしてもよい。例えば、演算式として、「消音位置=初期設定値−{(Vel値−Vx)/127}×初期設定値」が例示される。
本実施の形態では、ノートオン及びVel値を検出する手段と、ハンマ体HMが消音位置を通過したことを検知する通過検知手段とを、光学センサ41が兼ねる構成としたことで、検出手段が1つで済んでいるが、両者を別々の検出手段で検出してもよい。また、光学センサ41は、ハンマ体HMの回動位置を連続的に検出する構成であるが、所定の2箇所の通過を検出するスイッチ等の簡素な構成を採用してもよい。その場合、例えば、ノートオンについては所定の1箇所の通過で判断し、Vel値の検出は、所定の2箇所間の通過時間から検出する。
なお、ノートオン演奏信号は、押鍵操作に起因して生成すればよく、ハンマ体HMの動きから検出することは必須でない。例えば、鍵24の回動位置を検出する鍵センサを別途設け、ノートオフについては、光学センサ41を用いてハンマ体HMの動きから検出する一方、ノートオン及びVel値の検出については、鍵センサを用いるようにしてもよい。
なお、本発明は、アップライト型、グランドピアノ型のいずれの楽器にも適用でき、また、弦を有するか否かは問わない。
11 CPU(演奏信号生成手段、設定手段、制御手段)、 24 鍵、 34 キャッチャ(バックチェック手段)、 41 光学センサ(ベロシティ検出手段、通過検知手段、ハンマ位置検出手段)、 44 バックチェック(バックチェック手段)、 HM ハンマ体(ハンマ)

Claims (4)

  1. 押離操作される鍵と、
    前記鍵に対応して設けられ、対応する鍵の押鍵操作によって駆動され、レスト位置とエンド位置との間を回動移動するハンマと、
    エンド位置からレスト位置に移動する前記ハンマをバックチェックするためのバックチェック手段と、
    押鍵時のノートオンベロシティを検出するベロシティ検出手段と、
    押鍵操作に起因してノートオン演奏信号を生成する演奏信号生成手段と、
    消音位置を設定する設定手段と、
    前記ハンマがエンド位置からレスト位置に移動する行程において、前記設定手段により設定されている消音位置を前記ハンマが通過したことを検知する通過検知手段と、
    前記演奏信号生成手段により生成されたノートオン演奏信号に従って楽音を発音すると共に、前記ハンマがエンド位置からレスト位置に移動する行程において、前記消音位置を前記ハンマが通過したことが前記通過検知手段により検出されたことに応じて、当該ハンマに対応する鍵について発生している楽音を消音するよう制御する制御手段とを有し、
    前記設定手段は、前記ノートオン演奏信号が生成されてから所定時間が経過する前で且つ、前記ベロシティ検出手段により検出されたノートオンベロシティが所定値以上である場合は、前記消音位置をレスト側にシフトさせることを特徴とする電子鍵盤楽器。
  2. 前記設定手段は、前記検出されたノートオンベロシティの値に応じて、前記消音位置のレスト側へのシフトの程度を変えることを特徴とする請求項1記載の電子鍵盤楽器。
  3. 前記ハンマがレスト位置からエンド位置に移動する行程における前記ハンマの位置を検出するハンマ位置検出手段を有し、前記演奏信号生成手段は、前記ハンマ位置検出手段により検出された位置に基づいて前記ノートオン演奏信号を生成することを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤楽器。
  4. 前記ハンマがレスト位置からエンド位置に移動する行程における前記ハンマの位置を検出するハンマ位置検出手段を有し、前記ベロシティ検出手段は、押鍵時のノートオンベロシティを、前記ハンマ位置検出手段により検出された位置に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子鍵盤楽器。
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