JP2014025705A - 入力信号レベル検出器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】信号入力端子1から入力された入力信号の立ち上りエッジを計数し、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでHレベルの信号を出力するカウンタ3と、カウンタ3からHレベルの信号が出力されている間、検波器2から出力された入力信号の絶対値を積分する積分器4とを設け、信号レベル演算器5が、積分器4の積分結果から入力信号の信号レベルを演算する。
【選択図】図1
Description
即ち、ローパスフィルタの時定数に起因する過渡応答が発生するため、その過渡応答が収束するまでの間待機し、その過渡応答が収束してから、入力信号の信号レベルを検出する必要がある。
したがって、検出結果を得るまでの処理時間を短くするには、ローパスフィルタの時定数を小さくする必要があるが、小さい時定数のローパスフィルタを用いると、高調波の影響を十分に抑圧することができなくなり、信号レベルの検出精度が劣化する。
図1はこの発明の実施の形態1による入力信号レベル検出器を示す構成図である。
図1において、信号入力端子1は信号レベルを検出する対象の信号を入力する端子である。
検波器2は例えば抵抗、コイル、コンデンサやダイオードなどから構成されており、信号入力端子1から入力された入力信号を検波して、その入力信号の絶対値を出力する回路である。
カウンタ3は、例えば、所定値が“3”に設定された場合、入力信号の1つ目の立ち上りエッジを検出すると、Hレベルの信号の出力を開始し、3つ目の立ち上りエッジを検出すると、積分器4に対する信号の出力レベルをLレベルに変更する。なお、カウンタ3はエッジ計数手段を構成している。
また、この実施の形態1では、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでHレベルの信号を積分器4に出力して、立ち上りエッジの計数値が所定値になるとLレベルの信号を積分器4に出力する例を説明するが、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでLレベルの信号を積分器4に出力して、立ち上りエッジの計数値が所定値になるとHレベルの信号を積分器4に出力するようにしてもよい。
信号レベル演算器5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、ワンチップマイコン、あるいは、簡易な計算機などから構成されており、積分器4の積分結果から入力信号の信号レベルを演算する処理を実施する。なお、信号レベル演算器5は信号レベル演算手段を構成している。
入力信号レベル検出器がコンピュータで構成されている場合、検波器2、カウンタ3、積分器4及び信号レベル演算器5の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による入力信号レベル検出器における主要な箇所での信号波形を示す説明図である。
信号入力端子1から入力された信号は、検波器2及びカウンタ3に取り込まれる。この実施の形態1では、入力信号は、図2に示すように、RFパルスに相当する信号を想定している。
検波器2から積分器4に出力される信号の波形は、図2に示すような波形になるが、検波器2の出力信号には入力信号の高調波成分が含まれている。
この高調波成分は雑音成分に見えるため、ローパスフィルタを用いて、高調波成分を抑圧することで、直流電圧で表される入力信号の信号レベル情報を正確に抽出できるようにすることが一般的である。
しかし、ローパスフィルタを用いる場合、上述したように、ローパスフィルタの時定数に起因する過渡応答が発生するため、その過渡応答が収束するまでの間待機する必要がある(過渡応答が収束してからでないと、直流電圧で表される入力信号の信号レベル情報を正確に抽出することができない)。
即ち、この実施の形態1では、詳細は後述するが、入力信号の入力周波数fin1の周期のN倍の周期で離散積分することで、ヌル(Null)点がfin1/Nの整数倍の周波数に形成されるsyncフィルタ特性を利用して、fin1,2fin1,・・・の高調波成分を抑圧するようにしている。
カウンタ3は、信号入力端子1から入力された入力信号の立ち上りエッジを計数し、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでHレベルの信号を積分器4に出力する。
即ち、カウンタ3は、図2に示すように、入力信号の1つ目の立ち上りエッジを検出すると、Hレベルの信号の出力を開始し、3つ目の立ち上りエッジを検出すると、積分器4に対する信号の出力レベルをLレベルに変更する。
ここで、カウンタ3の出力信号がHレベルである期間は、入力信号の入力周波数fin1の周期のN倍の周期に相当するため、積分器4では、入力信号の入力周波数fin1の周期のN倍の周期で離散積分することになる。
これにより、積分器4によって、ヌル(Null)点がfin1/Nの整数倍の周波数に形成されるため、検波器2の出力信号に含まれているfin1,2fin1,・・・の高調波成分が抑圧される。
即ち、信号レベル演算器5は、既知である積分器4の利得に対応する積分器4の出力信号の傾きで、積分器4の積分結果を除算することで、入力信号の信号レベルを演算する。
入力信号の信号レベル=積分器4の積分結果/傾き
なお、信号レベル演算器5による信号レベルの演算が終了すると、積分器4が保持している積分値はリセットされる。
また、積分器4によって、ヌル(Null)点をfin1/Nの整数倍の周波数に形成することができるため、検波器2の出力信号に含まれている高調波成分を十分に抑圧して、信号レベルの検出精度を高めることができる。
上記実施の形態1では、信号レベル演算器5が、積分器4の利得に対応する積分器4の出力信号の傾きで、積分器4の積分結果を除算することで、入力信号の信号レベルを演算するものを示したが、信号レベル演算器5が、積分器4による複数回分の積分結果の平均値を演算し、積分器4の出力信号の傾きで、上記平均値を除算することで、入力信号の信号レベルを演算するようにしてもよい。
入力信号の信号レベル=積分結果の平均値/傾き
この場合、雑音の影響を軽減することができるため、上記実施の形態1よりも更に信号レベルの検出精度を高めることができる効果を奏する。
図3はこの発明の実施の形態3による入力信号レベル検出器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
ローパスフィルタ11(図3では、「LPF」と表記している)は検波器2の出力信号に対する周波数制限を実施して、入力信号の周波数成分及び高調波成分を除去することで、検波器2の出力信号から入力信号のエンベロープを抽出する。なお、ローパスフィルタ11はエンベロープ抽出手段を構成している。
カウンタ12は、例えば、所定値が“3”に設定された場合、エンベロープの1つ目の立ち上りエッジを検出すると、Hレベルの信号の出力を開始し、3つ目の立ち上りエッジを検出すると、積分器13に対する信号の出力レベルをLレベルに変更する。なお、カウンタ12はエッジ計数手段を構成している。
また、この実施の形態3では、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでHレベルの信号を積分器13に出力して、立ち上りエッジの計数値が所定値になるとLレベルの信号を積分器13に出力する例を説明するが、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでLレベルの信号を積分器13に出力して、立ち上りエッジの計数値が所定値になるとHレベルの信号を積分器13に出力するようにしてもよい。
入力信号レベル検出器がコンピュータで構成されている場合、検波器2、ローパスフィルタ11、カウンタ12、積分器13及び信号レベル演算器5の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図4はこの発明の実施の形態3による入力信号レベル検出器における主要な箇所での信号波形を示す説明図である。
信号入力端子1から入力された信号は、検波器2に取り込まれる。この実施の形態3では、入力信号は、図4に示すように、ASKなどの変調方式で変調されたパルスに相当する信号を想定している。
ローパスフィルタ11は、検波器2の出力信号を受けると、その出力信号に対する周波数制限を実施して、入力信号の周波数成分及び高調波成分を除去することで、その出力信号から入力信号のエンベロープを抽出する。
このため、エンベロープの周波数成分よりも十分大きな時定数のローパスフィルタ(ローパスフィルタ11とは異なるローパスフィルタ)を用いて高調波を抑圧し、直流電圧で表される入力信号の信号レベル情報を正確に抽出できるようにすることが一般的である。
しかし、エンベロープの周波数成分を除去するローパスフィルタを用いる場合、そのローパスフィルタの時定数に起因する過渡応答が発生するため、その過渡応答が収束するまでの間待機する必要がある(過渡応答が収束してからでないと、直流電圧で表される入力信号の信号レベル情報を正確に抽出することができない)。
即ち、この実施の形態3では、詳細は後述するが、エンベロープの信号力周波数finの周期のN倍の周期で離散積分することで、ヌル(Null)点がfin/Nの整数倍の周波数に形成されるsyncフィルタ特性を利用して、fin,2fin,・・・の高調波成分を抑圧するようにしている。
カウンタ12は、ローパスフィルタ11の出力信号の立ち上りエッジを計数し、立ち上りエッジの計数値が所定値になるまでHレベルの信号を積分器13に出力する。
即ち、カウンタ12は、図4に示すように、ローパスフィルタ11の出力信号の1つ目の立ち上りエッジを検出すると、Hレベルの信号の出力を開始し、3つ目の立ち上りエッジを検出すると、積分器13に対する信号の出力レベルをLレベルに変更する。
ここで、カウンタ12の出力信号がHレベルである期間は、エンベロープの信号周波数finの周期のN倍の周期に相当するため、積分器13では、エンベロープの信号周波数finの周期のN倍の周期で離散積分することになる。
これにより、積分器13によって、ヌル(Null)点がfin/Nの整数倍の周波数に形成されるため、ローパスフィルタ11の出力信号に含まれているfin,2fin,・・・の高調波成分が抑圧される。
即ち、信号レベル演算器5は、既知である積分器13の利得に対応する積分器13の出力信号の傾きで、積分器13の積分結果を除算することで、入力信号の信号レベルを演算する。
入力信号の信号レベル=積分器13の積分結果/傾き
なお、信号レベル演算器5による信号レベルの演算が終了すると、積分器13が保持している積分値はリセットされる。
また、積分器13によって、ヌル(Null)点をfin/Nの整数倍の周波数に形成することができるため、ローパスフィルタ11の出力信号に含まれている高調波成分を十分に抑圧して、信号レベルの検出精度を高めることができる。
上記実施の形態3では、信号レベル演算器5が、積分器13の利得に対応する積分器13の出力信号の傾きで、積分器13の積分結果を除算することで、入力信号の信号レベルを演算するものを示したが、信号レベル演算器5が、積分器13による複数回分の積分結果の平均値を演算し、積分器13の出力信号の傾きで、上記平均値を除算することで、入力信号の信号レベルを演算するようにしてもよい。
入力信号の信号レベル=積分結果の平均値/傾き
この場合、雑音の影響を軽減することができるため、上記実施の形態3よりも更に信号レベルの検出精度を高めることができる効果を奏する。
図5はこの発明の実施の形態5による入力信号レベル検出器を示す構成図であり、図において、図1及び図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
第2の積分器である積分器20は例えば抵抗、コンデンサやオペアンプなどから構成されており、カウンタ12からHレベル(所定レベル)の信号が出力されている間(所定レベルがLレベルである場合、Lレベルの信号が出力されている間)、積分器4の積分結果を積分する積分回路である。
なお、図5の入力信号レベル検出器では、カウンタ3が第1のエッジ計数手段を構成し、カウンタ12が第2のエッジ計数手段を構成している。また、積分器4が第1の積分器を構成している。
したがって、信号レベル演算器5では、既知である積分器20の利得に対応する積分器20の出力信号の傾きで、積分器20の積分結果(積分器4による複数回分の積分結果の平均値)を除算することで、入力信号の信号レベルを演算することができる。
これにより、上記実施の形態4と同様に、雑音の影響を軽減することができるため、上記実施の形態3よりも更に信号レベルの検出精度を高めることができる効果を奏する。
Claims (5)
- 信号入力端子から入力された入力信号を検波して、上記入力信号の絶対値を出力する検波器と、
上記信号入力端子から入力された入力信号の立ち上りエッジ又は立ち下りエッジを計数し、エッジの計数値が所定値になるまで所定レベルの信号を出力するエッジ計数手段と、
上記エッジ計数手段から所定レベルの信号が出力されている間、上記検波器から出力された入力信号の絶対値を積分する積分器と、
上記積分器の積分結果から入力信号の信号レベルを演算する信号レベル演算手段と
を備えた入力信号レベル検出器。 - 信号入力端子から入力された入力信号を検波して、上記入力信号の絶対値を出力する検波器と、
上記検波器から出力された絶対値から入力信号のエンベロープを抽出するエンベロープ抽出手段と、
上記エンベロープ抽出手段により抽出されたエンベロープの立ち上りエッジ又は立ち下りエッジを計数し、エッジの計数値が所定値になるまで所定レベルの信号を出力するエッジ計数手段と、
上記エッジ計数手段から所定レベルの信号が出力されている間、上記エンベロープ抽出手段により抽出されたエンベロープを積分する積分器と、
上記積分器の積分結果から入力信号の信号レベルを演算する信号レベル演算手段と
を備えた入力信号レベル検出器。 - エッジ計数手段は、所定値の設定を受け付けることを特徴とする請求項1または請求項2記載の入力信号レベル検出器。
- 信号レベル演算手段は、積分器による複数回分の積分結果の平均値を演算し、上記平均値から入力信号の信号レベルを演算することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の入力信号レベル検出器。
- 信号入力端子から入力された入力信号を検波して、上記入力信号の絶対値を出力する検波器と、
上記信号入力端子から入力された入力信号の立ち上りエッジ又は立ち下りエッジを計数し、エッジの計数値が所定値になるまで所定レベルの信号を出力する第1のエッジ計数手段と、
上記第1のエッジ計数手段から所定レベルの信号が出力されている間、上記検波器から出力された入力信号の絶対値を積分する第1の積分器と、
上記信号入力端子から入力された入力信号のエンベロープを抽出するエンベロープ抽出手段と、
上記エンベロープ抽出手段により抽出されたエンベロープの立ち上りエッジ又は立ち下りエッジを計数し、エッジの計数値が所定値になるまで所定レベルの信号を出力する第2のエッジ計数手段と、
上記第2のエッジ計数手段から所定レベルの信号が出力されている間、上記第1の積分器の積分結果を積分する第2の積分器と、
上記第2の積分器の積分結果から入力信号の信号レベルを演算する信号レベル演算手段と
を備えた入力信号レベル検出器。
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