JP2013246096A - 線量計、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線の照射量に応じた電圧信号を生成するチャージアンプ110と、上記電圧信号が参照電圧を超えたことを検知するとパルスを生成する比較器120と、上記電圧信号のピーク値に応じた上記パルスを検知すると、非出力期間に上記パルスを出力しないステートマシン130と、上記パルスの個数を計数するパルス計数器140とを備える。
【選択図】図1
Description
(一般的な放射線線量計の構成および動作)
図7は、従来技術に係る、一般的な放射線線量計の構成を示す図である。図7に示すように、線量計10は、主に、放射線検出器100と、チャージアンプ110と、比較器120と、パルス計数器140とにより構成されおり、この順番に接続されている。以下では、線量計10の動作について説明する。
図8は、図7の線量計において、チャージアンプの出力における電圧信号および比較器出力におけるパルスの波形を示す図である。ここで、図8の横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。図8に示すように、チャージアンプ出力OUT110(図7参照)における電圧信号の波形は、時刻T1においてピークを有している。これは、時刻T1において、放射線検出器100に放射線が照射されることにより電荷が生成されて、チャージアンプ110に当該電荷が入力されたことを意味している。ここで、当該電圧信号のピーク値V1と初期値V0との差は、放射線検出器100が生成する電荷の量が多いほど大きくなる。
(後段増幅器を備える放射線線量計の構成および動作)
図9は、従来技術に係る、後段増幅器をさらに備えている放射線線量計の構成を示す図である。図9に示すように、線量計20は、図7に示す線量計10の構成に加えて、チャージアンプ110の後段に、後段増幅器210がさらに接続されており、後段増幅器210の後段に、比較器220が接続されている。以下では、線量計20がどのように動作するのかということについて説明する。
図10は、図9の線量計において、後段増幅器の出力における電圧信号および比較器の出力におけるパルスの波形を示す図である。ここで、図10の横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。図10に示すように、後段増幅器出力OUT210における電圧信号の波形は、時刻U1においてピークを有している。これは、時刻U1において、放射線検出器100に放射線が照射されることにより電荷が生成されて、チャージアンプ110に当該電荷が入力されて電圧信号が生成され、後段増幅器210に当該電圧信号が入力されたことを意味している。ここで、当該電圧信号のピーク値V1と初期値V0との差は、放射線検出器100が生成する電荷量が多いほど大きくなる。
本発明の実施形態1について、図1〜図4、図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本発明の線量計の基本構成を示す図である。図1に示すように、線量計1は、まず大きく分けて、放射線検出器100と、チャージアンプ(電圧信号生成手段,前段電圧信号増幅手段)110と、比較器(パルス生成手段)120と、ステートマシン(パルス出力制限手段)130と、パルス計数器(パルス計数手段)140とを備えており、この順番に接続されている。また、ステートマシンには、カウント値設定部(期間設定手段)132が接続されている。
放射線検出器100は、放射線の照射量に応じた量の電荷を生成するための半導体素子である。さて、放射線検出器100は、主に、フォトダイオードを備えている。以下では、フォトダイオードによる、放射線の検出について説明する。
チャージアンプ110は、放射線検出器100が生成した電荷を電圧信号に変換するための変換回路である。本実施形態に示す例では、チャージアンプ110は、オペアンプ111と、抵抗112と、コンデンサ113とを備えている。以下では、チャージアンプ110が備える各要素の詳細について説明する。
比較器120は、チャージアンプ110によって生成された電圧信号と参照電圧とを比較して当該電圧信号が参照電圧を超えたときに、パルスを生成するためのパルス生成回路である。以下では、比較器120と線量計1を構成する他の構成部材との接続関係をより詳しく説明する。
ステートマシン130は、比較器120が生成するパルスの出力を制限するためのハードウェアまたはソフトウェアからなる部分である。ここで、ステートマシン130は、カウント値設定部132に接続され、クロック131が入力されている。これらの構成は、後述の方法により、比較器120が生成するパルスのうち、放射線の照射に由来するパルス以外のパルス(擬似パルス)の出力を制限するために用いられる。具体的には、まず、放射線の照射に由来するパルス(電圧信号のピーク値に応じたパルス)をステートマシン130が受け取った後は、カウント値設定部132において設定したカウント値の回数、図示しないクロック発生器が出力する所定の時間間隔のクロック131を計数する。次に、当該クロック131の計数期間においては、ステートマシン130は、比較器120が生成するパルスを出力しない。
パルス計数器140は、ステートマシン130により出力を制限されたパルスを計数するための構成部材である。ここで、パルス計数器140は、アナログ回路により構成されても良いし、デジタル回路により構成されても良いし、ソフトウェアによって実装されても良い。また、パルスの計数結果を表示する表示部が別途接続されていても良いし、特に、毎分あたりのパルスの計数結果(CPM)を、放射線の計測結果として提示しても良い。さらに、得られた計数結果(CPM)に、所定の係数を積算してマイクロシーベルト(μSv)などに変換しても良い。ここで、当該所定の係数は、例えば、1CPMを0.05μSv/hourへと換算するような係数であっても良い。
図2は、図1の線量計において、チャージアンプが生成する電圧信号と、比較器が生成するパルスと、ステートマシンの状態と、パルス計数値とを関連付けて示すタイムチャートである。図2に示すように、チャージアンプ110が生成する電圧信号には、雑音が重畳している。このため、比較器120においては、電圧信号のピーク値に応じたパルスP(ピーク値パルス)以外にも、雑音の重畳に応じた不正なパルス(擬似パルス)Nが含まれることになる。そこで、ステートマシン130は、IDLE状態(待機状態)で電圧信号のピーク値に応じたパルスPを検知すると、カウンタ値設定部132により設定された所定の期間(非出力期間)、パルスの出力を制限する状態(CNT状態)に遷移する(図2の時刻T1に対応)。パルス計数器140は、当該CNT状態においては、複数のパルスがステートマシン130に入力されても、IDLE状態で検知したパルスの数のみをIDLE状態からCNT状態に変化した回数としてカウントする。これにより、パルスPが検知されると、それ以降に擬似パルスNが発生しても、ただ1つのパルスが入力されたものとして、カウント計数値を1だけ増加させる。
一般的に、チャージアンプの放電期間とは、チャージアンプにおいて増幅された電圧信号が、ピーク値から減衰して、当該減衰を終了するまでの期間のことである。本発明の線量計1においては、図8に示す時刻T1から時刻T2の間の期間のことである。
(ステートマシン130Aの構成)
図3(a)は、回路によるステートマシンの構成例を示す図である。なお、このステートマシンは、前述のようにクロック131をカウントしない簡易的な構成である。
以下では、ステートマシン130Aの動作について説明する。図3(b)は、図3(a)のステートマシンの各部での電圧信号の波形を示すタイムチャートである。まず、(A)は、比較器120が出力する入力パルスの波形である。次に、チャージアンプ110が生成する電圧信号のピーク値に対応する先頭のパルスがNOR回路134で反転して出力されると、時間設定回路133がその反転パルスを受けて時間設定回路133で規定された所定の時間幅のローレベルの信号を出力する(B)。この信号は、インバータ135で反転される(C)。
(ステートマシン130Bの構成)
図4は、ソフトウェアでの実装によるステートマシンの構成例を示す図である。図4に示すように、ステートマシン130Bは、ステートマシン130Aと同様に、入力端子(ステートマシン入力)および出力端子(ステートマシン出力)を備えている。また、ステートマシン130Aと同様に、当該入力端子は、図1に示す比較器120に接続されており、当該出力端子は、図1に示すパルス計数器140に接続されている。この構成により、上述のステートマシン130と同様に、ステートマシン130Aは、比較器120が生成したパルスを受け取り、当該パルスの出力を制限する。また、ステートマシン130Aは、出力を制限されたパルスをパルス計数器140へ出力する。
以下では、ステートマシン130Bの動作について説明する。図4に示すように、ステートマシン130Bは、制御アルゴリズムを有するソフトウェアによって実装されている。当該アルゴリズムは、VHDLで記述されているが、このアルゴリズムをソフトウェアで実現すれば良い。大きくわけてカウンタ(COUNTER)を制御する部分とステートマシン(STATE MACHINE)を制御する部分とから実装されている。当該カウンタ制御部分では、クロック131をカウントし、カウント値設定部132により設定したカウント値によって、当該カウント動作を制御している。また、当該ステートマシン制御部分では、カウント(CNT)状態およびアイドル(IDLE)状態という2つの状態に応じて処理を分岐している。ここで、当該カウント状態とは、先頭パルスを検知しその後のパルス(擬似パルス)を無視する状態であり、当該アイドル状態とは、先頭パルスを待ち待機する状態である。以下では、各制御アルゴリズムの概略について簡単に説明する。
(1)リセットを行う。
(2)クロックの立ち上がりを検知すると、カウント値が設定値(レジスタに記憶されている値)に達していなければ、カウント値に1を加算し、達していれば、カウントを終了する(FIN=1)。
(3)カウント終了でリセットすると、現在の状態をアイドル状態にセットし、クロックの立ち上がりで次の状態をセットした状態(アイドル状態)に更新する。
(1)アイドル状態における処理
入力=1(先頭のパルスを検知)であれば、カウント状態に遷移し、入力=1でなければ、アイドル状態を維持する。
(2)カウント状態における処理
カウントが完了していれば、次の状態(アイドル状態)に遷移し、カウントを終了していなければ、カウント状態を維持する。
上記構成によれば、ステートマシン130が、電圧信号のピーク値に応じたパルスを検知した後、電圧信号がピーク値から減衰を終了するまでの期間と同等に設定されるか、または当該期間よりも短く設定された非出力期間に、パルスを出力しないことにより、擬似パルスの出力を制限することができる。
本発明の実施形態2について、図5、図6、図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図5は、本実施形態に係る線量計の構成を示す図である。図5に示すように、線量計2は、図1に示す線量計1の構成に加えて、後段増幅器(電圧信号生成手段,後段電圧信号増幅手段)210を備え、比較器120に代えて比較器220を備えている。後段増幅器210は、チャージアンプ110の後段に接続されており、比較器220は、後段増幅器210の後段に接続されている。
後段増幅器210は、チャージアンプ110の出力をフィルタリングしながら増幅するための増幅器である。また、後段増幅器210は、チャージアンプ110のオペアンプ111、抵抗112、コンデンサ113に対応する、オペアンプ211、抵抗212、コンデンサ213を備えている。さらに、後段増幅器210は、オペアンプ211、抵抗212、およびコンデンサ213の前段に、フィルタ214を備えている。
フィルタ214は、後段増幅器210に入力される電圧信号の低周波成分を除去するためのフィルタである。ここで、フィルタ214は、抵抗およびコンデンサからなる回路である。
比較器220は、後段増幅器210によって増幅された電圧信号と参照電圧とを比較して当該電圧信号が参照電圧を超えたときに、パルスを生成するためのパルス生成回路である点において、比較器120と同様である。以下では、比較器220と他の構成部材との接続関係をより詳しく説明する。
図6は、図5に示す線量計において、後段増幅器が生成する電圧信号と、比較器が生成するパルスと、ステートマシンの状態と、パルス計数値とを関連付けて示すタイムチャートである。図6に示すように、後段増幅器210が生成する電圧信号には、リンギング(雑音)に由来する電圧信号が重畳している。このため、比較器220においては、電圧信号のピーク値に応じたパルスP以外にも、リンギング(雑音)に由来する電圧信号の重畳に応じた不正なパルス(擬似パルス)Nが含まれることになる。この場合にも、線量計1と同様に、ステートマシン130は、電圧信号のピーク値に応じたパルスPを検知すると、カウンタ値設定部により設定された非出力期間、パルスの出力を制限する状態(CNT状態)に遷移する(図6の時刻U1に相当)。当該CNT状態においては、複数のパルスがステートマシン130に入力されても、ただ1つのパルスが入力されたものとして、カウント計数値を1だけ増加させる。
上記構成によれば、リンギング(雑音)に由来する電圧信号が電圧信号に重畳していても、ステートマシン130が、電圧信号のピーク値に応じたパルスを検知した後、電圧信号がピーク値から減衰を終了するまでの期間と同等に設定されるか、または当該期間よりも短く設定された非出力期間に、パルスを出力しないことにより、擬似パルスの出力を制限することができる。
上述のステートマシン130は、ハードウェアロジックによって構成されてもよいし、以下のようにCPUを用いてソフトウェア(プログラム)によって実現されてもよい。つまり、このプログラムは、コンピュータをステートマシン130として機能させる。あるいは、ステートマシン130は、DSP(Digital Signal Processor)を用いたプログラムによる処理で実現されてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
110 チャージアンプ(電圧信号生成手段,前段電圧信号増幅手段)
120,220 比較器(パルス生成手段)
130,130A,130B ステートマシン(パルス出力制限手段)
132 カウント値設定部(期間設定手段)
133 時間設定回路(期間設定手段,パルス出力回路)
134 NOR回路(パルス出力回路)
135 インバータ(パルス出力回路)
136 ディレイ回路
137 AND回路(論理積回路)
140 パルス計数器(パルス計数手段)
210 後段増幅器(電圧信号生成手段,後段電圧信号増幅手段)
N パルス
P パルス(ピーク値パルス)
Claims (7)
- 放射線の照射量を計測する線量計であって、
上記照射量に応じた電圧信号を生成する電圧信号生成手段と、
上記電圧信号が参照電圧を超えたことを検知するとパルスを生成するパルス生成手段と、
上記電圧信号のピーク値に応じた上記パルスをピーク値パルスとして検知すると、上記電圧信号が上記ピーク値から減衰を終了するまでの期間と同等に設定されるか、または当該期間よりも短く設定された非出力期間に、上記ピーク値パルス以外の上記パルスを出力しないパルス出力制限手段と、
上記パルス出力制限手段によって検知された上記ピーク値パルスの個数を計数するパルス計数手段とを備えている
ことを特徴とする線量計。 - 上記パルス出力制限手段は、上記非出力期間の時間を任意に設定する期間設定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の線量計。
- 上記パルス出力制限手段が、上記ピーク値パルスの入力を受け付け、入力された上記ピーク値パルスを検知する待機状態と、クロックを上記非出力期間に応じた所定のカウント値に達するまでカウントするカウント状態とで動作し、
上記待機状態が上記ピーク値パルスを検知すると上記待機状態に遷移し、上記カウント状態は上記クロックを上記カウント値までカウントすると上記待機状態に遷移し、
上記パルス計数手段が、上記待機状態から上記カウント状態への遷移の回数を上記ピーク値パルスの個数として計数する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の線量計。 - 上記パルス出力制限手段が、上記ピーク値パルスの検知から上記非出力期間の時間幅を有する非出力期間パルスを出力するパルス出力回路と、上記非出力期間パルスおよび上記非出力期間パルスを上記パルスの1個分遅延した遅延パルスの論理積を出力する論理積回路とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の線量計。
- 上記電圧信号生成手段が、上記照射量に応じた前段電圧信号を生成する前段電圧信号増幅手段と、当該前段電圧信号をフィルタリングしながら増幅し上記電圧信号を生成する後段電圧信号増幅手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の線量計。
- コンピュータを、請求項3に記載の線量計の上記パルス出力制限手段として機能させるためのプログラム。
- 請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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