JP2014025566A - カップリング装置のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材の耐久性が悪化するのを防止することができるカップリング装置のシール構造を提供すること。
【解決手段】電子カップリング2のシール装置54は、車両の前後方向に対して前方側のカップリングケース26とカップリングカバー22との間に介装され、弾性変形自在なリップ部58bを有する環状ゴム58と、一端側がカップリングケース26の外周部26cに取付けられるとともに、突出部56cがカップリングカバー22の外周端部22aに対して径方向外方に設けられ、閉止部56bにリップ部58bが摺接するデフレクタ56とを備え、車両の前方側から後方側に向かって突出部56cを上方に傾斜させることにより、車両の前方側の隙間部59の径方向の幅Aに対して車両の後方側の隙間部59の径方向の幅Bを大きくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、カップリング装置のシール構造に関し、特に、動力の伝達および解放を行うカップリング装置をシールするためのカップリング装置のシール構造に関する。
一般に、回転軸がケースの軸穴に回転可能に挿入される場合、軸穴内への異物の侵入を防止するためにダストシール等のシール部材が装着されている。また、ケース内の機構部の潤滑や油圧作動に要するオイルをケース内に貯留する場合、このオイルが軸穴から外部に漏れ出るのを防止するようオイルシールが装着されている。
さらに、車両のトランスミッション、トランスファ装置、ディファレンシャル装置等といった動力伝達装置のように、ケース内にオイルが貯留されるとともに、軸穴近傍に地面から水や異物等がかかり易い場合、ダストシール機能部およびオイルシール機能部を併有するシール部材と、水や異物等を軸穴から逸らすデフレクタとを備えたシール装置が装着されている。
従来のこの種のシール装置としては、例えば、可動側である自動変速機の主軸と固定側である変速機ケースとの間の環状の開口部を封止するものが知られている。
このシール装置は、変速機ケースと主軸との間に介装されたシール部材と、一端側が回転軸に固定されるとともに、他端側が変速機ケースの外方に設けられて変速機ケースとの間に一定の隙間を形成し、環状の開口部を閉止するデフレクタとを備えている。
また、シール装置は、シール部材のリップ部がデフレクタに摺動自在に接触することにより、デフレクタとリップ部によって変速機ケース内のオイルが漏出するのを防止するとともに、車両の走行中に、デフレクタによって環状の開口部に水や異物等が侵入するのを防止するようにしている。
特開2009−103142号公報
しかしながら、このような従来のシール装置にあっては、変速機ケースに対して主軸が回転自在となるように一端側が主軸に取付けられたデフレクタの他端側と変速機ケースとの間に隙間を形成する必要がある。
このため、変速機ケースとデフレクタとの間の環状の隙間から水が侵入した場合に、水を排出することが困難となり、環状の隙間から侵入した水がシール部材のリップ部に付着してしまうおそれがある。したがって、水によってシール部材が劣化してしまい、シール部材の耐久性が悪化してしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、シール部材の耐久性が悪化するのを防止することができるカップリング装置のシール構造を提供することを目的とする。
本発明に係るカップリング装置のシール構造は、上記目的を達成するため、(1)車両の前後方向に延在し、相対回転自在に配置された第1の回転部材および前記第1の回転部材の径方向外方に設けられた第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを係合および解放させるクラッチ機構と、前記第2の回転部材の径方向外方に設けられ、前記第2の回転部材を回転自在に支持する支持部材とを備えたカップリング装置のシール機構であって、前記車両の前後方向に対して前方側の前記第2の回転部材と前記支持部材との間に介装され、弾性変形自在なリップ部を有するシール部材と、一端側が前記第2の回転部材の外周部に取付けられるとともに、他端を含む他端側が前記支持部材の外周端部に対して径方向外方に設けられ、前記リップ部が摺接するデフレクタとを備え、前記デフレクタの他端側を前記車両の前方側から後方側に向かって延在させることにより、前記支持部材の外周端部と前記デフレクタの内周部との間に、前記デフレクタの他端を開口端とする径方向の隙間部を画成し、前記隙間部は、車両の前方側の径方向の幅に対して車両の後方側の径方向の幅が大きく構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、車両の前後方向に対して前方側の第2の回転部材と支持部材との間に、弾性変形自在なリップ部を有するシール部材が介装され、デフレクタの一端側が第2の回転部材の外周部に取付けられるとともに、デフレクタの他端を含む他端側が支持部材の外周端部に対して径方向外方に設けられ、デフレクタがリップ部に摺接している。
このため、カップリング装置内のオイルがリップ部とデフレクタとによって第2の回転部材と支持部材との間から外部に漏出することが防止される。また、車両の前方側にデフレクタが設けられるので、地面から飛散した水や異物等をデフレクタに衝突させて逸らすことができ、第2の回転部材と支持部材との間に水や異物等が侵入するのを抑制することができる。
また、デフレクタは、支持部材に対して第2の回転部材を回転自在とするために、デフレクタの他端側を車両の前方側から後方側に向かって延在させることにより、支持部材の外周端部とデフレクタの内周部との間に、デフレクタの他端を開口端とする径方向の隙間部を画成している。
このため、この隙間部を通して第2の回転部材と支持部材との間に水が侵入してしまう可能性があり、第2の回転部材と支持部材との間に侵入した水がリップ部に付着してしまう可能性がある。ところが、リップ部に付着した水は、第2の回転部材の遠心力によってリップ部から径方向外方に飛散してデフレクタの内周部に付着してリップ部から離れる。
そして、本実施の形態の隙間部は、車両の前方側の径方向の隙間部の幅に対して車両の後方側の隙間部の径方向の幅が大きく構成されているので、高速回転する第2の回転部材によって隙間部に空気の流れが生じ、隙間部を流れる空気は、前方側の隙間部の空気に対して後方側の隙間部の空気が膨張し、前方側の隙間部内の空気圧に対して、後方側の隙間部内の空気圧が低圧となる。
したがって、デフレクタの他端側に付着した水は、隙間部内において、車両の前方側から後方側に流れ易くなり、隙間部からデフレクタの開口端を通して外部に容易に排出される。
この結果、隙間部からの水の排出性能を高めることができ、シール部材が劣化するのを抑制してシール部材の耐久性が悪化するのを抑制することができる。
上記(1)に記載のカップリング装置のシール構造において、(2)前記デフレクタの他端側を前記車両の前方側から後方側に向かうに従って傾斜させることにより、前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、デフレクタの他端側を傾斜させることにより、車両の前方側の隙間部の径方向の幅に対して、車両の後方側の隙間部の径方向の幅を大きくすることができる。
このため、デフレクタの開口端から隙間部に侵入した水を車両の前方側から後方側に向かって流れ易くすることができ、隙間部からの水の排出性能を向上させることができる。
また、デフレクタの他端側を車両の前方側から後方側に向かうに従って傾斜させているので、車両の前方側の隙間部の径方向の幅に対して、車両の前方側から最も離隔する車両の後方側の隙間部の径方向の幅を最も大きくすることができ、隙間部内において、車両の後方側の隙間部内の空気圧を最も低くすることができる。このため、隙間部において、車両の前方側から後方側に水をより一層流れ易くすることができる。
上記(1)または(2)に記載のカップリング装置のシール構造において、(3)前記デフレクタの他端側に対向する前記支持部材の外周端部に溝部を形成し、前記溝部が、前記支持部材の円周方向に亘って延在するものから構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、デフレクタの他端側に対向する支持部材の外周端部に、支持部材の円周方向に亘って延在する溝部を形成したので、デフレクタの開口端を通して隙間部に侵入した水を、溝部を通して第2の回転部材の下方に排出することができ、リップ部に付着し難くすることができる。
上記(3)に記載のカップリング装置のシール構造において、(4)前記溝部に対して前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように構成したものから構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、溝部に対して車両の前方側の隙間部の径方向の幅に対して、車両の後方側の隙間部の径方向の幅を大きくしたので、隙間部に侵入した水が溝部を通して第2の回転部材の下方に排出される。このため、リップ部に水を付着し難くすることができる。
また、隙間部に侵入した水が、溝部を通して車両の前方側の隙間部に侵入した場合に、水がリップ部に付着するが、リップ部に付着した水は、第2の回転部材の遠心力によってデフレクタの他端部側に飛散し、リップ部から離れる。
デフレクタの他端部側に飛散した水は、前方側の隙間部から前方側の隙間部よりも低圧の後方側の隙間部に流れ易くなるため、隙間部からデフレクタの開口端を通して外部に容易に排出される。
上記(1)に記載のカップリング装置のシール構造において、(5)前記デフレクタの他端側に対向する前記支持部材の外周端部に、前記支持部材の円周方向に亘って延在する溝部を形成し、前記溝部は、前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように、前記車両の前方側よりも後方側に位置するものから構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、隙間部に侵入した水を、溝部を通して第2の回転部材の下方に排出することができるため、リップ部に水を付着し難くすることができる。
また、車両の前方側よりも後方側に位置するように支持部材に形成された溝部によって、車両の前方側の隙間部の径方向の幅に対して、車両の後方側の隙間部の径方向の幅が大きく構成されるので、車両の前方側の隙間部内の空気圧に対して後方側の隙間部内の空気圧を低くすることができる。
このため、溝部を通してリップ部に水が付着してしまった場合には、リップ部から隙間部に侵入した水を車両の前方側から後方側に向かって流れ易くすることができ、隙間部内の水をデフレクタの開口端を通して外部に容易に排出することができる。
上記(1)ないし(3)に記載のカップリング装置のシール構造において、(6)前記溝部が、前記デフレクタの開口端に対向するように、前記車両の後方側の前記支持部材の外周端部に形成されるものから構成されている。
このカップリング装置のシール構造は、溝部がデフレクタの開口端に位置しているので、車両の前方側の隙間部の径方向の幅に対して、車両の前方側から最も離隔する車両の後方側の隙間部の径方向の幅を最も大きくすることができ、隙間部において、車両の前方側から後方側に水をより一層流れ易くすることができる。
本発明によれば、シール部材の耐久性が悪化するのを防止することができるカップリング装置のシール構造を提供することができる。
本発明に係るカップリング装置のシール構造の第1の実施の形態を示す図であり、カップリング装置を搭載した4輪駆動車の模式図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第1の実施の形態を示す図であり、電子カップリングおよびリヤディファレンシャルの断面図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第1の実施の形態を示す図であり、シール装置の構成図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第1の実施の形態を示す図であり、車両の走行時の水の流れを示す図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第2の実施の形態を示す図であり、シール装置の構成図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第2の実施の形態を示す図であり、他の構成を有するシール装置の構成図である。 本発明に係るカップリング装置のシール構造の第3の実施の形態を示す図であり、シール装置の構成図である。
以下、本発明に係るカップリング装置のシール構造の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は、本発明に係るカップリング装置のシール構造の第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1において、車両としての前輪駆動の4輪駆動車の動力伝達装置1は、カップリング装置としての電子カップリング2と差動装置としてのリヤディファレンシャル3とを含んで構成される。
図1に示すように、車両のフロント側(図1では上側)には、駆動源であるエンジン4が配置されており、エンジン4は、変速機構(例えば自動変速機)5に連結され、変速機構5は、フロントディファレンシャル6に連結されている。
エンジン4の近傍のフロント側には、主駆動輪(駆動源からの駆動力が直接、伝達される駆動輪)である左右の前輪7L、7Rが配置されており、左右の前輪7L、7Rは、互いにフロントディファレンシャル6を介して連結されている。
左右の前輪7L、7Rおよびフロントディファレンシャル6とは、それぞれ左右のドライブシャフト8L、8Rによって連結されている。エンジン4からの駆動力は、変速機構5で変速されてフロントディファレンシャル6に伝達された後、フロントディファレンシャル6によって前輪7L、7Rに差動分配されるようになっている。
また、フロントディファレンシャル6としては、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ9a、9bおよび一対のサイドギヤ10a、10bを備えたものが用いられている。
また、フロントディファレンシャル6は、トランスファ11に連結されている。トランスファ11には車両のリヤ側(図1では下側)に向けて延びるようにして車両の前後方向に延在するプロペラシャフト12が連結されており、トランスファ11により、エンジン4の駆動力を車両のリヤ側に取り出すことが可能となっている。
車両のリヤ側には、従駆動輪(駆動源からの駆動力が電子カップリング2を介して伝達される駆動輪)である左右の後輪13L、13Rが配置されている。左右の後輪13L、13Rは、互いにリヤディファレンシャル3を介して連結されており、左右の後輪13L、13Rとリヤディファレンシャル3とは、それぞれドライブシャフト15L、15Rによって連結されている。
また、リヤディファレンシャル3としては、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ16a、16bおよび一対のサイドギヤ17a、17bを備えている。
プロペラシャフト12とリヤディファレンシャル3との間には、電子カップリング2が設けられている。本実施の形態の電子カップリング2は、リヤディファレンシャル3の直前に配置されており、電子カップリング2とリヤディファレンシャル3とが一体的に設けられている。
図2に示すように、電子カップリング2は、電磁コイル21を備えており、電磁コイル21の通電を制御することにより、後輪側に伝達される伝達トルクが制御される。これにより、動力伝達装置1において、2輪駆動状態と4輪駆動状態とを切換えたり、4輪駆動状態のとき前後のトルク配分を変更したりするようになっている。
電磁コイル21は、制御装置である4WD電子制御ユニット19(図1参照)に接続されており、4WD電子制御ユニット19から必要に応じて、伝達トルクに相当する電流が電磁コイル21に供給されるようになっている。
電子カップリング2は、支持部材としてのカップリングカバー22を備えており、このカップリングカバー22の内部およびリヤディファレンシャル3のデフキャリア23の内部に跨って、回転中心Oを中心として回転するドライブピニオンシャフト24が配置されている。
デフキャリア23の内周には円錐ころ軸受25が装着されており、この円錐ころ軸受25によりドライブピニオンシャフト24がデフキャリア23に回転自在に支持されている。
ドライブピニオンシャフト24の右端には、ドライブピニオンギヤ24a(図2においては図示略、図1参照)が設けられており、ドライブピニオンギヤ24aが、リヤディファレンシャル3のリングギヤ18に噛合している。
また、カップリングカバー22およびデフキャリア23は、車両の図示しないフレームに固定されており、これらカップリングカバー22およびデフキャリア23は、非回転部位として構成されている。
デフキャリア23の内部にはリヤディファレンシャル3(図2において図示略)が収容されており、デフキャリア23の前端23a(図2中、右端)にはカップリングカバー22が締結されている。
電子カップリング2は、第2の回転部材としてのカップリングケース26と、インナシャフト27とを備えており、カップリングカバー22は、カップリングケース26の径方向外方に設けられている。
カップリングケース26は、有底筒状に形成されており、インナシャフト27の径方向外方に設けられている。カップリングケース26の底部26a(同2図中、左側)は、カップリングカバー22の外部に露出されており、底部26aの外周部がボール軸受28を介してカップリングカバー22に回転自在に支持されている。
そして、カップリングケース26の底部26aは、プロペラシャフト12に設けられたフランジ部29にボルト30によって連結されている。このため、カップリングケース26は、エンジン4の発生するトルクの入力により回転する。なお、図2において、左方が車両の前方側であり、右方が後方側となっている。
また、カップリングケース26の環状の開口端26bには、環状のリヤハウジング31が嵌合されている。
インナシャフト27は、カップリングケース26内にカップリングケース26と同一軸線上に配置されており、インナシャフト27は、カップリングケース26の底部26a内周部に設けられたボール軸受32を介してカップリングケース26に対して回転自在に支持されている。
また、ドライブピニオンシャフト24は、プロペラシャフト12と同様に車両の前後方向に延在しており、リヤハウジング31の内周部に設けられたボール軸受33およびデフキャリア23の内周に設けられた円錐ころ軸受25を介してカップリングカバー22およびデフキャリア23に対して回転自在に支持されている。
また、インナシャフト27は円筒状に形成されており、内部にドライブピニオンシャフト24がスプライン嵌合されている。
詳しくは、ドライブピニオンシャフト24は、ドライブピニオンシャフト24の基端側(図2中、左側)に形成されたスプライン嵌合部24bが、インナシャフト27の内周部に形成されたスプライン嵌合部27aにスプライン嵌合することで、インナシャフト27に連結固定されている。
そして、ドライブピニオンシャフト24の先端部のドライブピニオンギヤ24aがリヤディファレンシャル3のリングギヤ18に噛合している。
なお、本実施の形態では、ドライブピニオンシャフト24およびインナシャフト27が第1の回転部材を構成している。
また、カップリングケース26の内部には、カップリングケース26とリヤハウジング31との嵌合部およびリヤハウジング31の内周部とインナシャフト27の外周部との間に設けられたシール部材35、36により封止されたクラッチ収容室37が形成されており、クラッチ収容室37内には所定の充填率で潤滑用のオイルが収容されている。
また、カップリングケース26とインナシャフト27との間には、クラッチ機構としてのメインクラッチ38、カム機構39およびパイロットクラッチ40が設けられている。
メインクラッチ38は、カップリングケース26とインナシャフト27との間でトルクが伝達するための多板式の摩擦クラッチから構成されており、交互に配置される複数のアウタクラッチプレート41と複数のインナクラッチプレート42とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート41は、カップリングケース26の内周にスプライン嵌合されており、カップリングケース26に対して、それぞれ軸方向移動自在、かつ周方向に相対回転しないように支持されている。したがって、各アウタクラッチプレート41は、カップリングケース26と一体回転自在に設けられている。
各インナクラッチプレート42は、インナシャフト27の外周にスプライン嵌合されており、インナシャフト27に対して、それぞれ軸方向に移動自在、かつ周方向に相対回転できないように支持されている。したがって、各インナクラッチプレート42は、インナシャフト27と一体回転自在に設けられている。
そして、メインクラッチ38は、これら複数のアウタクラッチプレート41およびインナクラッチプレート42が軸方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、カップリングケース26とインナシャフト27(ドライブピニオンシャフト24)との間でトルクを伝達可能に連結するようになっている。
このとき、カップリングケース26とインナシャフト27との間の伝達トルクは、各アウタクラッチプレート41およびインナクラッチプレート42の摩擦係合力、すなわち、軸方向の押圧力に応じて変化する。
カム機構39は、カム部材としてのメインカム43と、パイロットカム44と、メインカム43の凹部43aとパイロットカム44の凹部44aに嵌合されるようにしてメインカム43とパイロットカム44との間に介在されたボール部材45とを備えている。
メインカム43は円環状に形成されており、メインクラッチ38側に配置されている。また、メインカム43は、インナシャフト27に形成されたスプライン溝部にスプライン嵌合しており、インナシャフト27に対して、軸線方向に移動自在、かつ周方向に相対回転できないように支持されている。したがって、メインカム43は、インナシャフト27と一体回転自在に設けられている。
パイロットカム44は円環状に形成されており、リヤハウジング31側に配置されている。パイロットカム44は、インナシャフト27に対して周方向に相対回転自在に支持されており、パイロットカム44は、リヤハウジング31との間に設けられたスラスト軸受46に摺動自在に当接されている。したがって、パイロットカム44は、リヤハウジング31に対して一定の間隔を保持して相対回転自在に支持されている。
そして、カム機構39は、メインカム43とパイロットカム44とが相対回転することにより、これらメインカム43とパイロットカム44との間が離間、すなわち、メインカム43がメインクラッチ38側に軸方向移動し、メインカム43がメインクラッチ38に押圧力を付与するようになっている。
また、パイロットカム44とリヤハウジング31との間には、スラスト軸受46が配置されており、スラスト軸受46は、パイロットカム44に作用するスラスト荷重を受け止めるとともに、リヤハウジング31とパイロットカム44とを相対回転自在に連結する。
パイロットクラッチ40は、カップリングケース26とパイロットカム44とをトルク伝達可能に連結する多板式の摩擦クラッチから構成されており、2枚のアウタクラッチプレート47、1枚のインナクラッチプレート48およびアーマチュア49とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート47およびアーマチュア49は、カップリングケース26の内周にスプライン嵌合されており、カップリングケース26に対して、軸方向に移動自在、かつ周方向に相対回転できないように支持されている。したがって、各アウタクラッチプレート47およびアーマチュア49は、カップリングケース26と一体回転する。
インナクラッチプレート48は、2枚のアウタクラッチプレート47の間に配置されているとともに、パイロットカム44の外周にスプライン嵌合されており、パイロットカム44に対して軸方向に移動自在、かつ周方向に相対できないように支持されている。したがって、インナクラッチプレート48は、パイロットカム44と一体回転する。
そして、これらアウタクラッチプレート47とインナクラッチプレート48とは、軸方向に押圧されることで、互いに摩擦係合する作動状態となる。そして、パイロットクラッチ40は、アウタクラッチプレート47とインナクラッチプレート48とが互いに摩擦係合することにより、カップリングケース26とパイロットカム44とをトルク伝達可能に連結するようになっている。
すなわち、パイロットカム44は、アウタクラッチプレート47とインナクラッチプレート48とが摩擦係合していないパイロットクラッチ40の非作動状態の時に、メインカム43、すなわち、インナシャフト27とともに一体回転する。このとき、カップリングケース26とパイロットカム44との間には、カップリングケース26とインナシャフト27との回転差に相当する回転差が生じるようになっている。
そして、パイロットクラッチ40が作動することにより、カップリングケース26とパイロットカム44とをトルク伝達可能に連結することで、カップリングケース26とインナシャフト27(パイロットカム44)との回転差に基づくトルクをカム機構39に伝達するようになっている。
すなわち、電子カップリング2では、パイロットクラッチ40が作動状態の時に、カップリングケース26とインナシャフト27との回転差に基づくトルクがカム機構39に伝達される。
この結果、カム機構39は、メインカム43とパイロットカム44との回転差に基づいて伝達されるトルクにより、メインカム43をメインクラッチ38側に移動させる。すなわち、カム機構39は、パイロットクラッチ40を介して伝達されたカップリングケース26とインナシャフト27との回転差に基づくトルクを軸方向の押圧力に変換し、かつ増幅する。
そして、メインカム43がメインクラッチ38を押圧することにより、メインクラッチ38のアウタクラッチプレート41とインナクラッチプレート42とが摩擦係合し、カップリングケース26とインナシャフト27とがトルク伝達可能に連結されるようになっている。
パイロットクラッチ40は、電磁コイル21を駆動源とする電磁クラッチとして構成されており、この電磁コイル21は、カップリングカバー22、デフキャリア23、カップリングケース26およびインナシャフト27とによって囲まれた電磁石収納室50に収容されている。
電磁コイル21は、磁性材料により構成された環状の鉄心51と、鉄心51に巻き付けられたコイル52とを備えている。鉄心51は、デフキャリア23に対して相対回転できいないようにデフキャリア23に取付けられている。また、コイル52は、図示しない配線を介して4WD電子制御ユニット19に接続されている(図1参照)。
ここで、電子カップリング2は、電磁コイル21に電流が供給されない場合、パイロットクラッチ40およびメインクラッチ38が解放されている。このため、プロペラシャフト12からカップリングケース26に伝達されたトルクは、インナシャフト27およびドライブピニオンシャフト24には伝達されない。この場合、動力伝達装置1が2輪駆動状態となる。
電磁コイル21に電流が供給されると、鉄心51、リヤハウジング31およびアーマチュア49とを磁束が通過して磁気回路が形成され、電磁力(磁気吸引力)により、アーマチュア49が、リヤハウジング31側に移動する。
アーマチュア49が、リヤハウジング31側に移動すると、パイロットクラッチ40のアウタクラッチプレート41とインナクラッチプレート42とが係合され、カップリングケース26のトルクが、パイロットクラッチ40を介しパイロットカム44に伝達される。
パイロットカム44にトルクが伝達されると、パイロットカム44とメインカム43とが相対回転する。
このとき、ボール部材45をメインカム43の凹部43aおよびパイロットカム44の凹部44aの外部に押し出すような力が作用し、メインカム43およびパイロットカム44が軸方向方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。
この場合、パイロットカム44は、スラスト軸受46により受け止められており、リヤハウジング31側に移動することが防止されている。このため、メインカム43およびパイロットカム44に作用するスラスト荷重により、メインカム43がメインクラッチ38側に押し付けられ、アウタクラッチプレート41とインナクラッチプレート42とが係合される。
アウタクラッチプレート41とインナクラッチプレート42とが係合されると、プロペラシャフト12からカップリングケース26に伝達されたトルクが、メインクラッチ38を介してインナシャフト27およびドライブピニオンシャフト24に伝達される。このため、動力伝達装置1が4輪駆動状態となる。
この場合、電磁コイル21に通電される電流の値を大きくするほど、メインクラッチ38の係合力が増大し、ドライブピニオンシャフト24に伝達されるトルクが増大する。電磁コイル21に通電される電流が所定値以上になると、直結状態に近い状態でドライブピニオンシャフト24にトルクが伝達されることになる。
一方、図3に示すように、車両の前方側のカップリングカバー22の内周部22Aとカップリングケース26の外周部26Aとの間にはボール軸受28およびシール装置54が介装されており、シール装置54は、ボール軸受28に対して車両の前方側に設置されている。すなわち、シール装置54は、カップリングカバー22の内周部22Aとカップリングケース26の外周部26Aとによって画成される環状の開口部20の開口端20aに設けられている。
シール装置54は、環状のシール部材55および環状のデフレクタ56を備えている。シール部材55は、断面が略L字状の金属性の補強環57に、環状ゴム58が加硫成形されたものから構成されている。
補強環57は、外周部57aがカップリングカバー22の内周部22Aに嵌合されることにより、環状ゴム58を補強しつつ環状ゴム58をカップリングカバー22の内周部22Aに固定している。このため、環状ゴム58は、外周部58aがカップリングカバー22の内周部22Aに密着している。
また、環状ゴム58には弾性変形自在なリップ部58bが形成されており、このリップ部58bは、デフレクタ56に摺接している。
デフレクタ56は、シール部材55に対して車両の前方に設けられており、一端側にカップリングケース26の外周部26Aに固定される固定部56aを有している。また、デフレクタ56は、固定部56aから半径方向外方に突出し、開口端20aを閉止する閉止部56bと、閉止部56bの半径方向の上端からカップリングカバー22の外周端部22aに対して半径方向外方に設けられ、他端側を構成する突出部56cとを備えている。
また、カップリングカバー22の外周端部22aは、カップリングカバー22の外周部22Bに対して半径方向内方に窪んでおり、この外周端部22aの後端は、外周端部22aの後端から車両の後方に向かって上方に傾斜するテーパ部22bを介して外周部22Bに連続している。
また、突出部56cは、車両の前方側から後方側に向かって延在しており、カップリングカバー22の外周端部22aと突出部56cの内周部56eとの間に、突出部56cの他端を開口端56dとする径方向の環状の隙間部59が画成されている。なお、突出部56cの内周部56eは、デフレクタ56の内周部を構成している。
このため、デフレクタ56の他端側である突出部56cをカップリングカバー22に対して非接触にすることができ、カップリングケース26をカップリングカバー22に対して回転自在にすることができる。なお、デフレクタ56の他端側とは、デフレクタ56の他端(突出部56cの開口端56d)を含んだ延在方向の一定の範囲である。
また、リップ部58bは、デフレクタ56の閉止部56bに密着しており、カップリングケース26の回転時には、リップ部58bが閉止部56bに摺動自在に接触する、すなわち、摺接するようになっている。
このシール装置54は、環状ゴム58のリップ部58bが閉止部56bに摺接するとともに、環状ゴム58の外周部58aがカップリングカバー22の内周部22Aに密着することにより、電子カップリング2内のオイルが開口端20aから漏出するのを防止することができる。
また、デフレクタ56の閉止部56bが開口部20を閉止するように開口部20を覆っているため、車両の前進走行時に地面から跳ね上げられた水や異物等を閉止部56bに衝突させて上方に逸らすことにより、開口部20内に侵入するのを防止することができる。
一方、本実施の形態のデフレクタ56の突出部56cは、車両の前方側から後方側に向かって上方に傾斜しており、隙間部59は、車両の前方側の径方向の幅Aに対して車両の後方側の径方向の幅Bが大きくなっている。
また、突出部56cの開口端56dは、カップリングカバー22の外周部22Bに対して径方向内方に位置しており、突出部56cの開口端56dとテーパ部22bとの間には隙間Sが形成されている。
また、突出部56cに対向するカップリングケース26の外周端部22aには溝部60が形成されており、この溝部60は、カップリングカバー22の円周方向に亘って延在している。すなわち、溝部60は、環状溝から構成されている。
次に、作用を説明する。
図4の矢印Aで示すように、車両の前進走行時に地面から跳ね上げられた水は、閉止部56bに衝突して上方に逸らされることにより、開口部20内に直接侵入するのを防止することができる。なお、異物に関する説明は、省略する。
また、閉止部56bに衝突して上方に逸らされた水は、図4の矢印Bに示すように、走行気流によって突出部56cの外周部56fを伝って車両の後方側に移動するため、隙間Sを通して隙間部59に水を侵入し難くすることができる。
ところで、突出部56cの開口端56dとテーパ部22bとの間には隙間Sが形成されているため、この隙間Sから突出部56cの開口端56dを通して隙間部59に侵入する可能性がある。
本実施の形態の突出部56cの開口端56dは、カップリングカバー22の外周部22Bに対して径方向内方に位置しており、カップリングカバー22の外周端部22aと外周部22Bとは、車両の前方から後方に向かって上方に傾斜するテーパ部22bによって連結されている。
このため、突出部56cの外周部56fを伝って車両の後方側に移動した水は、テーパ部22bに沿って上方に逸らされるため、隙間部59に侵入し難くすることができる。
また、本実施の形態のデフレクタ56は、突出部56cがカップリングカバー22の外周部22Bに対して径方向内方に位置しているため、車両の後進走行時には、図4の矢印Cに示すように、カップリングカバー22の外周部22Bを伝わる水は、そのまま突出部56cの径方向外方を通り抜けるため、隙間部59に水を侵入し難くすることができる。
しかしながら、車両の前進走行時および後進走行時にかかわらず、隙間Sを通して突出部56cの開口端56dを通して隙間部59に侵入してしまう可能性がある。
本実施の形態のカップリングカバー22は、突出部56cに対向する外周端部22aに溝部60が形成されているため、隙間部59に侵入した水は、溝部60を伝って下方に移動し、下方の突出部56cの開口端56dを通して外部に排出される。このため、水が環状ゴム58のリップ部58bに付着し難い。
なお、地面から跳ね上げられた水は、上方の隙間Sから隙間部59に侵入する可能性があるため、非回転のカップリングカバー22の溝部60の上半分の円周方向の180°の範囲の体積は、隙間部59に侵入する侵入量V(ml/sec)以上の水を排出可能な体積を確保することが望ましい。
一方、図4に示すように、溝部60を通り越した水Wがリップ部58bに付着してしまう可能性がある。
本実施の形態のデフレクタ56の突出部56cは、車両の前方側から後方側に向かって上方に傾斜しているため、リップ部58bに付着した水Wは、車両の走行時にカップリングケース26の遠心力によってリップ部58bから隙間部59に排出される。そして、隙間部59に排出された水は、カップリングケース26の遠心力による振り切り作用によって突出部56cの内周部56eに沿って開口端56dに案内される。
また、カップリングケース26が回転することにより、カップリングケース26と一体回転するデフレクタ56の突出部56cと隙間部59の内部の空気の粘性とによって隙間部59の内部には空気の流れが発生する。
本実施の形態のデフレクタ56は、車両の前方側から後方側に向かって突出部56cを上方に傾斜させることにより、車両の前方側の隙間部59の径方向の幅Aに対して車両の後方側の隙間部59の径方向の幅Bを大きくしている。
このため、隙間部59の内部の空気は、前方側の隙間部59の空気に対して後方側の隙間部59の空気が膨張し、前方側の隙間部59の内部の空気圧に対して、後方側の隙間部59の内部の空気圧が低圧となる。
したがって、遠心力によって突出部56cの内周部56eに移動した水は、車両の前後方向の隙間部59の空気の圧力差によって車両の前方側から後方側に向かって流れ易くなり、振り切り作用をより効果的に作用させることができる。このため、隙間部59から突出部56cの開口端56dを通して水を外部に容易に排出することができる。
この結果、隙間部59からの水の排出性能を高めることができ、環状ゴム58のリップ部58bに水が付着してしまうのを防止することができる。このため、環状ゴム58が劣化するのを抑制して環状ゴム58の耐久性が悪化するのを抑制することができる。
特に、本実施の形態のデフレクタ56の突出部56cは、車両の前方側から後方側に向かって上方に傾斜しているので、車両の前方側から最も離隔する車両の後方側の隙間部59の径方向の幅を最も大きくすることができ、隙間部59内において、車両の後方側の隙間部59内の空気圧を最も低くすることができる。このため、隙間部59内において、車両の前方側から後方側に向かって水をより一層流れ易くすることができる。
(第2の実施の形態)
図5、図6は、本発明に係るカップリング装置のシール構造の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には、同一番号を付して説明を省略する。
図5において、デフレクタ56の突出部56gは、ドライブピニオンシャフト24の回転中心Oと平行になっている。
また、カップリングカバー22の外周端部22aには溝部60が形成されており、カップリングカバー22の外径は、溝部60を挟んで異なる外径に形成されている。具体的には、溝部60に対してカップリングカバー22の車両の前方側(以下、前方部22cという)の外径は、溝部60に対してカップリングカバー22の車両の後方側(以下、後方部22dという)の外径が小さく形成されている。
このため、溝部60に対して車両の前方側の隙間部59の径方向の幅A1に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B1が大きくなっている。
本実施の形態のカップリングカバー22は、突出部56gに対向する外周端部22aに溝部60が形成されているため、隙間部59に侵入した水は、溝部60を伝って下方に移動し、下方の突出部56gの開口端56dを通して外部に排出される。このため、水が環状ゴム58のリップ部58bに付着し難い。
一方、溝部60を通り越した水Wがリップ部58bに付着してしまう可能性があるが、リップ部58bに付着した水Wは、車両の走行時にカップリングケース26の遠心力によって突出部56gの内周部56eに移動することにより、リップ部58bから隙間部59に排出される。
本実施の形態のデフレクタ56は、溝部60に対して車両の前方側の隙間部59の径方向の幅A1に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B1が大きく構成されているため、隙間部59の内部を流れる空気は、前方側の隙間部59の空気に対して後方側の隙間部59の空気が膨張し、前方側の隙間部59内の空気圧に対して、後方側の隙間部59内の空気圧が低圧となる。
したがって、遠心力によって突出部56gの内周部56eに移動した水は、車両の前後方向の隙間部59の空気の圧力差によって車両の前方側から後方側に向かって流れ易くなり、隙間部59から突出部56gの開口端56dを通して外部に容易に排出することができる。
この結果、隙間部59からの水の排出性能を高めることができ、環状ゴム58のリップ部58bに水が付着してしまうのを防止することができる。このため、環状ゴム58が劣化するのを抑制して環状ゴム58の耐久性が悪化するのを抑制することができる。
なお、本実施の形態のデフレクタ56の突出部56gが、ドライブピニオンシャフト24の回転中心Oと平行に形成されているが、これに限らず、図6に示すように、突出部56cを、車両の前方側から後方側に向かって上方に傾斜させてもよい。
このようにすれば、溝部60に対して車両の前方側の隙間部59の径方向の幅A2に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B2をより大きくして、車両の前方側と後方側との圧力差をより一層大きくすることができ、隙間部59に排出された水を車両の前方側から後方側により一層移動させ易くすることができる。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明に係るカップリング装置のシール構造の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には、同一番号を付して説明を省略する。
図7において、デフレクタ56の突出部56gは、ドライブピニオンシャフト24の回転中心Oと平行になっている。
また、カップリングカバー22の外周端部22aには溝部71が形成されており、この溝部71は、カップリングカバー22の円周方向に亘って延在している。すなわち、溝部71は、環状溝から構成されている。
また、溝部71は、デフレクタ56の開口端56dに対向するように、車両の後方側のカップリングカバー22の外周端部22aに形成されている。このため、隙間部59の径方向の幅A3に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B3が大きくなっている。すなわち、本実施の形態は、水の排出用の溝部71を利用して隙間部59の径方向の幅A3に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B3を大きくしている。
本実施の形態のカップリングカバー22は、突出部56cに対向する外周端部22aに、デフレクタ56の開口端56dに位置するように溝部71が形成されているため、隙間部59に侵入した水は、溝部71を伝って下方に移動し、下方の突出部56cの開口端56dを通して外部に排出される。このため、水が環状ゴム58のリップ部58bに付着し難い。
一方、溝部60を通り越した水Wがリップ部58bに付着してしまう可能性があるが、リップ部58b上に溜まった水Wは、車両の走行時にカップリングケース26の遠心力によって突出部56cの内周部56eに移動することにより、リップ部58bから隙間部59に排出される。
本実施の形態では、デフレクタ56の開口端56dに対向するように、車両の後方側のカップリングカバー22の外周端部22aに溝部71を形成し、車両の前方側の隙間部59の径方向の幅A3に対して、車両の後方側の隙間部59の径方向の幅B3を大きくしているため、隙間部59の内部を流れる空気は、前方側の隙間部59の空気に対して後方側の隙間部59の空気が膨張し、前方側の隙間部59内の空気圧に対して、後方側の隙間部59内の空気圧が低圧となる。
したがって、遠心力によって突出部56cの内周部56eに移動した水は、車両の前後方向の隙間部59の空気の圧力差によって車両の前方側から後方側に向かって流れ易くなり、隙間部59から突出部56cの開口端56dを通して外部に容易に排出することができる。
この結果、隙間部59からの水の排出性能を高めることができ、環状ゴム58のリップ部58bに水が付着してしまうのを防止することができる。このため、環状ゴム58が劣化するのを抑制して環状ゴム58の耐久性が悪化するのを抑制することができる。
以上のように、本発明に係るカップリング装置のシール構造は、シール部材の耐久性が悪化するのを防止することができるという効果を有し、動力の伝達および解放を行うカップリング装置をシールするためのカップリング装置のシール構造等として有用である。
2 電子カップリング(カップリング装置)
22 カップリングカバー(支持部材)
22a 外周端部
24 ドライブピニオンシャフト(第1の回転部材)
26 カップリングケース(第2の回転部材)
27 インナシャフト(第1の回転部材)
38 メインクラッチ(クラッチ機構)
39 カム機構(クラッチ機構)
40 パイロットクラッチ(クラッチ機構)
55 シール部材
56 デフレクタ
56e 内周部
56d 開口端
59 隙間部
60、71 溝部

Claims (6)

  1. 車両の前後方向に延在し、相対回転自在に配置された第1の回転部材および前記第1の回転部材の径方向外方に設けられた第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを係合および解放させるクラッチ機構と、前記第2の回転部材の径方向外方に設けられ、前記第2の回転部材を回転自在に支持する支持部材とを備えたカップリング装置のシール機構であって、
    前記車両の前後方向に対して前方側の前記第2の回転部材と前記支持部材との間に介装され、弾性変形自在なリップ部を有するシール部材と、一端側が前記第2の回転部材の外周部に取付けられるとともに、他端を含む他端側が前記支持部材の外周端部に対して径方向外方に設けられ、前記リップ部が摺接するデフレクタとを備え、
    前記デフレクタの他端側を前記車両の前方側から後方側に向かって延在させることにより、前記支持部材の外周端部と前記デフレクタの内周部との間に、前記デフレクタの他端を開口端とする径方向の隙間部を画成し、
    前記隙間部は、車両の前方側の径方向の幅に対して車両の後方側の径方向の幅が大きく構成されることを特徴とするカップリング装置のシール構造。
  2. 前記デフレクタの他端側を前記車両の前方側から後方側に向かうに従って傾斜させることにより、前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のカップリング装置のシール構造。
  3. 前記デフレクタの他端側に対向する前記支持部材の外周端部に溝部を形成し、前記溝部が、前記支持部材の円周方向に亘って延在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカップリング装置のシール構造。
  4. 前記溝部に対して前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のカップリング装置のシール構造。
  5. 前記デフレクタの他端側に対向する前記支持部材の外周端部に、前記支持部材の円周方向に亘って延在する溝部を形成し、
    前記溝部は、前記車両の前方側の前記隙間部の径方向の幅に対して、前記車両の後方側の前記隙間部の径方向の幅が大きくなるように、前記車両の前方側よりも後方側に位置することを特徴とする請求項1に記載のカップリング装置のシール構造。
  6. 前記溝部が、前記デフレクタの開口端に対向するように、前記車両の後方側の前記支持部材の外周端部に形成されることを特徴とする請求項5に記載のカップリング装置のシール構造。
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