JP2012136141A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスミッション側とトランスファ側とに潤滑油を独立して封入されていてもトランスミッション側とトランスファ側との連結部に作業性を損なうことなく潤滑油を容易に供給する動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置1は、デフケース3を収容し第1潤滑油90を封入したトランスミッションケース7と、内部に空間S3が形成され空間に駆動軸61が挿入される中空軸11を備えた変換機構13と変換機構を収容してトランスミッションケースに連結されるとともに第2潤滑油91を封入したトランスファケース15と、トランスミッションからの駆動力を方向変換させるトランスファ17と、デフケースと中空軸とを連結する連結部19と、第1潤滑油と第2潤滑油とを区画するシール手段と、中空軸の空間内を介して連結部19に第2潤滑油を供給する供給路37と、中空軸に設けられていて供給路37を開閉する開閉弁100を有する。
【選択図】図2
【解決手段】動力伝達装置1は、デフケース3を収容し第1潤滑油90を封入したトランスミッションケース7と、内部に空間S3が形成され空間に駆動軸61が挿入される中空軸11を備えた変換機構13と変換機構を収容してトランスミッションケースに連結されるとともに第2潤滑油91を封入したトランスファケース15と、トランスミッションからの駆動力を方向変換させるトランスファ17と、デフケースと中空軸とを連結する連結部19と、第1潤滑油と第2潤滑油とを区画するシール手段と、中空軸の空間内を介して連結部19に第2潤滑油を供給する供給路37と、中空軸に設けられていて供給路37を開閉する開閉弁100を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両に用いられる動力伝達装置に係り、詳しくは動力伝達装置内部の潤滑に関する。
特許文献1には、トランスミッション側のトランスミッションケース内における潤滑と、PTU(トランスファ)側のPTUケース内における潤滑とをシールによって区画した動力伝達装置が記載されている。この動力伝達装置では、トランスミッション側とPTU側とを連結する連結部は、PTUケース内の潤滑油によって潤滑されている。しかし、連結部がトランスミッション側の潤滑油と区画されたトランスファ側の潤滑油によって潤滑されているが、PTU入力軸と駆動軸とを組付けた状態でなければトランスファ側の潤滑油を封入することができず、トランスファ側のすべての部品を組付けた状態でなければ、連結部に潤滑油を供給することができなかった。
そこで、特許文献2では、駆動軸が挿入される部分に、PTU(トランスファ)内の潤滑油を連結部に供給する供給路を形成し、駆動軸が挿入される部分から当該供給路をシッピングプラグ等で密閉し、PTU入力軸と駆動軸との組付け時にシッピングプラグを外してから駆動軸とPTU入力軸とを組付けていた。
そこで、特許文献2では、駆動軸が挿入される部分に、PTU(トランスファ)内の潤滑油を連結部に供給する供給路を形成し、駆動軸が挿入される部分から当該供給路をシッピングプラグ等で密閉し、PTU入力軸と駆動軸との組付け時にシッピングプラグを外してから駆動軸とPTU入力軸とを組付けていた。
しかし、特許文献2の構成であると、シッピングプラグを外しPTU(トランスファ)内の潤滑油が供給路から流出するまでに組付け作業を完了しなければ、PTU(トランスファ)内の潤滑油が無駄に流れてしまうとともに、流出した潤滑油により作業性が損なわれてしまう。また、動力伝達装置には、変換機構を間にして差動機構と反対側に、前輪左右の差動制限機構が配置されるものもあり、このような構成の動力伝達装置では、レイアウト上、シッピングプラグの設定ができないため、連結部に対して潤滑油の供給が難しい。
本発明は、トランスミッション側とトランスファ側とに潤滑油を独立して封入されていても、トランスミッション側とトランスファ側との連結部に作業性を損なうことなく潤滑油を容易に供給することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明は、トランスミッション側とトランスファ側とに潤滑油を独立して封入されていても、トランスミッション側とトランスファ側との連結部に作業性を損なうことなく潤滑油を容易に供給することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明に係る動力伝達装置は、デフケースを有した差動機構と該差動機構を収容するトランスミッションケースとを有し、トランスミッションケース内に第1潤滑油を封入するとともに駆動源からの駆動力を変速させるトランスミッションと、内部に空間が形成され同空間に駆動軸が挿入される中空軸を備えた変換機構と該変換機構を収容してトランスミッションケースに連結されるトランスファケースとを有し、トランスファケース内に第2潤滑油を封入するとともに、トランスミッションからの駆動力を方向変換させるトランスファと、デフケースと前記中空軸とを連結する連結部と、第1潤滑油と第2潤滑油とを区画するシール手段と、中空軸の空間内を介して連結部に第2潤滑油を供給する供給路と、中空軸に設けられていて、供給路を開閉する開閉弁を有することを特徴としている。
本発明に係る動力伝達装置において、供給路は、一端部が結合部と連通し、他端部がトランスファケースの内部と連通するように中空軸を貫通して形成されていることを特徴としている。
本発明に係る動力伝達装置において、開閉弁は、一端が中空軸に固定され、他端側が中空軸の表面に接触することで供給路の他端部を閉塞し、中空軸の回転により、第2潤滑油内を移動する際の流動抵抗により、他端側が中空軸の表面から離間して供給路の他端部を解放することを特徴としている。
本発明に係る動力伝達装置において、開閉弁は、第2潤滑油が封入されたトランスファケースの空間側に配置されていることを特徴としている。
本発明に係る動力伝達装置において、開閉弁は、一端が中空軸に固定され、他端側が中空軸の表面に接触することで供給路の他端部を閉塞し、中空軸の回転により、第2潤滑油内を移動する際の流動抵抗により、他端側が中空軸の表面から離間して供給路の他端部を解放することを特徴としている。
本発明に係る動力伝達装置において、開閉弁は、第2潤滑油が封入されたトランスファケースの空間側に配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、トランスミッションケース内に封入された第1潤滑油と、トランスファケース内に封入された第2潤滑油がシール手段で区画されていて、中空軸の空間内を介してデフケースと中空軸とを連結する連結部に第2潤滑油を供給する供給路と、中空軸に設けられていて供給路を開閉する開閉弁を有するので、開閉弁が開閉することで供給路から第2潤滑油が中空軸の空間内を介してデフケースと中空軸との連結部へと供給されるので、トランスミッション側とトランスファ側とがそれぞれ潤滑油を独立して封入されていても、トランスミッション側とトランスファ側との連結部に作業性を損なうことなく潤滑油を容易に供給することができる。
図1を用いて本形態に係る動力伝達装置が適用される車両の動力系について説明する。図1に示すように、車両の動力系は、エンジン501や電動モータ503などの駆動源及び変速機構としてのトランスミッション9と、差動機構5と、前車軸505,507と、前輪509,511と、トランスファ17と、後輪側プロペラシャフト513と、前輪側から後輪側へ伝達される駆動力を制御可能に断続するカップリング515と、リヤデフ517と、後車軸519,521と、後輪523,525などから構成されている。
駆動源の駆動力はトランスミッション9からデフケース3を介して差動機構5に伝達され、一対のサイドギア49,51に連結された駆動軸59,61を介して前車軸505,507から前輪509,511に配分されると共に、デフケース3と連結した中空軸となるアウトプットフランジ11に伝達された駆動力が分岐されてトランスファ17から後輪側プロペラシャフト513を介してカップリング515に伝達され、カップリング515が接続されるとリヤデフ517に伝達され、後車軸519,521から後輪523,525に配分されて4輪駆動状態になる。また、カップリング515の接続が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
本形態の動力伝達装置1は、デフケース3を有した差動機構5と差動機構5を収容するトランスミッションケース7とを有して駆動源からの駆動力を変速させるトランスミッション9と、内部に図2に示す空間部S3を有した中空軸となるアウトプットフランジ11を有した変換機構13と変換機構13を収容してトランスミッションケース7に連結されるトランスファケース15とを備えたトランスミッション9からの駆動力を方向変換させるトランスファ17と、トランスミッションケース7内に封入されてトランスミッション9側を潤滑・冷却するトランスミッション用の潤滑油となるトランスミッションオイル90(第1潤滑油)と、トランスファケース15内に封入されてトランスファ17側を潤滑・冷却するトランスファ用の潤滑油(第2潤滑油)となるトランスファオイル91と、デフケース3とアウトプットフランジ11とを連結する連結部19と、トランスミッションオイルとトランスファオイルとを区画するシール手段とを有している。そして、シール手段はトランスミッションケース7に配置されてトランスミッションオイルとトランスミッションケース7外部とを区画する第1のシール手段21,23,27と、トランスファケース15に配置されてトランスファオイルとトランスファケース15外部とを区画する第2のシール手段29,31,33とを有し、連結部19は第1のシール手段21,23,27と第2のシール手段29,31,33との間に形成された空間部35に臨むように配置されている。
トランスミッション9は、変速機構41と、差動機構5と、トランスミッションケース7などから構成されている。変速機構41は、トランスミッションケース7に収容され、駆動源からの駆動力を変速して変速ギア組43に伝達し、デフケース3を介して差動機構5へ伝達する。
差動機構5は、デフケース3と、ピニオンシャフト45と、ピニオン46、47と、一対のサイドギア49,51から構成され、トランスミッションケース7に収容されている。デフケース3は、軸方向両側に一対のベアリング53,55を介してトランスミッションケース7に回転可能に支持されている。また、デフケース3には、変速ギア組43を構成するリングギア57が設けられており、駆動源からの駆動力が伝達されて回転駆動され、一対のサイドギア49,51に駆動力を分配している。また、デフケース3の端部には、変換機構13のアウトプットフランジ11が連結部19によってスプライン連結されている。
ピニオンシャフト45は、端部をデフケース3に係合され、デフケース3と一体に回転駆動される。ピニオン46,47は、一対のサイドギア49,51に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギア49,51に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト45に自転可能に支持されている。
一対のサイドギア49,51は、デフケース3に回転自在に支持され、ピニオン47と噛み合っている。また、一対のサイドギア49,51には、一対の駆動軸59,61が連結されており、駆動源からの駆動力を前輪509,511に伝達している。この一対の駆動軸59,61のうち一方の駆動軸61は、一端がトランスファケース15及びアウトプットフランジ11の軸心となる内部空間S3を貫通してサイドギア51に連結部63でスプライン連結しており、他端が前車軸507側に連結されている。
トランスミッションケース7は、駆動源に隣接配置され、駆動源、車体などの静止系に固定されている。このトランスミッションケース7内に形成される空間S1内には、図2に示すように、トランスミッション9の各摺動部を潤滑・冷却するトランスミッションオイル90が封入されている。
このようなトランスミッション9は、差動機構5のデフケース3の端部内周側に形成された連結部19でトランスファ17側のアウトプットフランジ11の外周側にスプライン連結されており、トランスミッション9側からトランスファ17側へ駆動源の駆動力が伝達される。なお、符号25は、駆動軸61の抜け止め用クリップを示す。
トランスファ17は、図1,図2に示すように、変換機構13とトランスファケース15などから構成され、変換機構13は、アウトプットフランジ11と、変換ギア組65から構成され、トランスファケース15に収容されている。
アウトプットフランジ11は、一対のベアリング67,69を介して両端側をトランスファケース15に支持されている。また、アウトプットフランジ11には、リングギア71が固定されている。このリングギア71には、後輪側プロペラシャフト513に連結されたドライブピニオン73が噛み合う。これらのリングギア71とドライブピニオン73によって変換ギア組65が構成されている。
ドライブピニオン73は、後輪側プロペラシャフト513に連結されるドライブシャフト75と一体に設けられている。ドライブシャフト75は、ベアリング77を介してトランスファケース15に支持されている。このドライブシャフト75の端部は、後輪側プロペラシャフト513に連結される。この変換ギア組65によって、アウトプットフランジ11を介してトランスファ17に入力された駆動源の駆動力を後輪側プロペラシャフト513側に分岐して伝達している。
トランスファケース15は、複数のハウジングから構成され、トランスミッションケース7に固定されている。また、各ハウジングの接合部には、シール部材であるOリング79,81が配置されていると共に、トランスファケース15とトランスミッションケース7との接合部にもOリング83が配置されている。このトランスファケース15内には、トランスファ17内の空間S2内には、各摺動部を潤滑・冷却するトランスファオイル91が封入されている。
このようにトランスミッションケース7とトランスファケース15とでは封入されるオイルの種類が異なり、トランスミッションケース7内とトランスファケース15内とは、シール手段によって区画されている。
シール手段は、図2に示すように、第1のシール手段21,23,27と、第2のシール手段29,31,33とで構成されている。第1のシール手段21は、トランスミッションケース7とデフケース3の端部外周との間に配置されている。第1のシール手段23は、デフケース3の内周部とサイドギア51のボス部外周との間に配置されている。第1のシール手段27は、蓋状に形成され、サイドギア51内部の駆動軸61の先端が位置された部分に駆動軸61と当接しないように配置されている。これらの第1のシール手段21,23,25,27は、トランスミッションケース7内に封入されたトランスミッションオイルとトランスミッションケース7外部とを区画し、トランスミッションオイル90がトランスファ17側に流出しないように区画している。
第2のシール手段29は、トランスファケース15とアウトプットフランジ11の一端側外周との間に配置されている。第2のシール手段31は、トランスファケース15とアウトプットフランジ11の他端側外周との間に配置されている。第2のシール手段33は、トランスファケース15と駆動軸61の外周との間に配置されている。これらの第2のシール手段29,31,33は、トランスファケース15内に封入されたトランスファオイル91とトランスファケース15外部とを区画し、トランスファオイル91がトランスミッション9側に流出しないように区画している。第2のシール手段33は、トランスミッションケース7に対してトランスファケース15を組付ける前に設ける必要がない。つまり、駆動軸61をアウトプットフランジ11に対して組付けなくとも、第2のシール手段29,31によってトランスファケース15内にトランスファオイル91を封入することができる。そして、第1のシール手段21,23,27と第2のシール手段29,31,33との間には、空間部35が形成されている。
空間部35内には、デフケース3とアウトプットフランジ11との連結部19が配置されている。このため、連結部19は、トランスミッションオイル90とトランスファオイル91から区画された状態となっている。
アウトプットフランジ11は、図2、図3に示すように、アウトプットフランジ11内の空間S3を介して連結部19にトランスファオイル91を供給する供給路37と、供給路37を開閉する開閉弁100とを設けられている。供給路37は、一端部37Bが空間S3を介して結合部19と連通し、他端部37Aがトランスファケース15内の空間S2と連通するようにアウトプットフランジ11を貫通して形成されている。
開閉弁100は、トランスファオイル91が封入されたトランスファケースの空間S2側に配置されていて、図3(a)〜図3(c)に示すように、空間S2に臨んでいる他端部37Aを開閉するようにアウトプットフランジ11に装着されている。具体的には、開閉弁100の一端100aは、アウトプットフランジ11の外周面11aにボルトなどの締結部材101によって固定され、他端100bが、アウトプットフランジ11の外周面11aに接触することで図3(a)、図3(c)に示すように、供給路の他端部37Aを閉塞し、アウトプットフランジ11の回転により、トランスファオイル91内を移動する際の流動抵抗により、他端100bが図3(b)に示すように、アウトプットフランジ11の外周面11aから離間して供給路の他端部37Aを解放するように構成されている。
開閉弁100の全長は、一端100aを外周面11aに固定された状態で、他端100が供給路37の他端部37Aを閉じる位置までの長さとされている。開閉弁100は、薄い板状で、図3(a)、図3(c)に示すアウトプットフランジ11の非回転時やトランスファオイル91内に位置していない時には、アウトプットフランジ11の外周面11aに沿うように湾曲形成されていて、この状態においては供給路37の他端部37Aを閉鎖している。開閉弁100の他端100bは、アウトプットフランジ11が回転し、トランスファオイル91内に進入すると、このトランスファオイル91をアウトプットフランジ11側に案内するとともに、回転抵抗となるように、アウトプットフランジ11の外周面11aから外方に突出するように形成されている。
このため、アウトプットフランジ11が回転してトランスファオイル91内を移動して回転抵抗を受けると、開閉弁100は図3(b)に示すように、一端100aを支点として他端100bがアウトプットフランジ11の外周面11aから離れる向きに弾性変形することになる。
供給路37は、開閉弁100がアウトプットフランジ11の外周面11aから離れる向きに弾性変形したときに、外周面11aと開閉弁100の間に形成される隙間Sの形成範囲内に供給路37の他端部37Aが位置するように配置されている。
このような構成の動力伝達装置1では、トランスミッションオイル90とトランスミッションケース7の外部とを区画する第1のシール手段21,23,27によってトランスミッションオイル90をトランスミッションケース7内に封入することができ、トランスファオイル91とトランスファケース15の外部とを区画する第2のシール手段29,31,33によってトランスファオイル91をトランスファケース15内に封入することができる。
連結部19がトランスミッションオイル90及びトランスファオイル91から独立した第1のシール手段21,23,27と第2のシール手段29,31,33との間に形成された空間部35に配置されているので、連結部19に潤滑油を供給する場合、この空間部35内に潤滑油を供給するだけで良い。
また、車両が前進または後退してアウトプットフランジ11が図3に示す方向に回転するまで、供給路37は開閉弁100で閉鎖される。このため、従来のように組付け前を含む静止時に供給路37を塞ぎ、組み付け時には取り除くシッピングプラグを用いる必要がなくなる。このため、シャフト組み付け時にシッピングプラグを取り除いて供給路37からオイルが流出するまでの限られた時間で駆動軸61の組付け作業を完了しなくてよいので、作業性が良い。
車両が走行し、それに伴いアウトプットフランジ11が回転して供給路37がトランスファオイル91中を移動すると、このオイルの抵抗を受けて開閉弁100の他端100b側が外周面11aから離れるとともに、回転抵抗の変化によりバタつくことによるポンプ作用で、トランスファオイル91を供給路37の他端部37Aから供給路37内へと導入してアウトプットフランジ11内の空間S3に押し込む。このため、トランスファオイル91は、走行時のみ、図4に符号a、bで示すように、供給路37から空間S3内に入り、アウトプットフランジ11内の空間S3を介して連結部19や空間部35に潤滑油として供給することができる。
従って、このような駆動伝達装置1によると、トランスミッション9側とトランスファ17側とに潤滑油を独立して封入できると共に、トランスミッション9側とトランスファ17側との連結部19に潤滑油を、作業性を損なうことなく容易に供給することができる。
また、トランスファオイル91が封入されたトランスファケース15の空間S2側に開閉弁100を配置しているので、開閉弁100を設置するための場所を新たに設ける必要が無く、設計変更や装置の大型化をしなく済み、コスト低減となる。
開閉弁100は、一端100aがアウトプットフランジ11に固定され、他端100b側がアウトプットフランジ11の表面11aに接触することで供給路37の他端部37Aを閉塞し、アウトプットフランジ11の回転により、トランスファオイル91内を移動する際の流動抵抗により、他端100bが中空アウトプットフランジ11の表面11aから離間して供給路の他端部37Aを解放するので、車両が走行してアウトプットフランジ11が回転すると、トランスファオイル71が結合部19に供給されるため、車両の速度に応じて潤滑油の供給量を調整することができる。すなわち、車両の速度が高くなると、車両の速度が低い場合に比べてアウトプットフランジ11の回転数は高くなるので、トランスファオイル91内を通過する回数が多くなる。このため、回転数の増大に伴い、連結部19に対する潤滑油の量を多くでき、潤滑油不足による連結部19の焼き付きなどを低減でき、作業性だけでなく耐久性も向上する。
なお、供給路37の位置は、第2のシール手段29,31の間であればどこでもよく、またその数も図2に示すように一箇所である必要はなく、軸方向に複数設けることも可能である。
本形態に係る動力伝達装置1は、図1に示す車両の駆動系に適用したが、駆動系の構成としては、図1のものに限定するものではなく、図5に示す車両の駆動系に適用しても良い。
図5に示す車両の駆動系に用いる動力伝達装置1Aは、差動機構5の差動制限を行なう差動制限機構120をトランスファ17Aが備えたものである。差動制限機構120は、変換機構13を間にして差動機構5と反対側に配置されていて、差動機構5による前輪左右の差動制限を行う周知のものである。図5に示す差動制限機構120は複数のクラッチ板を有する周知の摩擦式の差動制限機構であるが、差動制限機構120としては、このような形成に限定されるものではなく、所謂回転数感応式の差動制限機構であってもよい。
何れの場合でも、差動制限機構120を備えていると、クラッチ板を駆動軸61と一体的に構成するので、駆動軸61をトランスファ17Aと一体的に組み付けなければならず、従来のように、シッピングプラグの設定ができないため、デフケース3と中空軸11との連結部19に対して潤滑油の供給が難しい。
このような形態であっても、図2、図3に示した供給路37と開閉弁100をアウトプットフランジ11に設けることで、車両が前進または後退してアウトプットフランジ11が図3に示す方向に回転するまで、供給路37は開閉弁100で閉鎖される。このため、従来のように組付け前を含む静止時に供給路37を塞ぎ、組み付け時には取り除くシッピングプラグを用いる必要がなくなる。このため、シャフト組み付け時にシッピングプラグを取り除いて供給路37からオイルが流出するまでの限られた時間で駆動軸61の組付け作業を完了しなくてよいので、作業性が良い。
車両が走行し、それに伴いアウトプットフランジ11が回転して供給路37がトランスファオイル91中を移動すると、このオイルの抵抗を受けて開閉弁100の他端100b側が外周面11aから離れるとともに、回転抵抗の変化によりバタつくことによるポンプ作用で、トランスファオイル91を供給路37の他端部37Aから供給路37内へと導入してアウトプットフランジ11内の空間S3に押し込む。このため、トランスファオイル91は、走行時のみ、供給路37から空間S3内に入り、アウトプットフランジ11内の空間S3を介して連結部19や空間部35に潤滑油として供給することができる。
従って、このような駆動伝達装置1Aによると、トランスミッション9側とトランスファ17側とに潤滑油を独立して封入できると共に、トランスミッション9側とトランスファ17側との連結部19に潤滑油を、作業性を損なうことなく容易に供給することができる。
1、1A 動力伝達装置
3 デフケース
5 差動機構
7 トランスミッションケース
9 トランスミッション
11 中空軸
11a 中空軸の表面
13 変換機構
15 トランスファケース
17、17A トランスファ
19 連結部
21,23,27 シール手段
29,31,33 シール手段
37 供給路
37A 他端部
37B 一端部
61 駆動軸
90 第1潤滑油
91 第2潤滑油
100 開閉弁
100a 一端
100b 他端
501,503 駆動源
S2 トランスファケースの空間
S3 空間
3 デフケース
5 差動機構
7 トランスミッションケース
9 トランスミッション
11 中空軸
11a 中空軸の表面
13 変換機構
15 トランスファケース
17、17A トランスファ
19 連結部
21,23,27 シール手段
29,31,33 シール手段
37 供給路
37A 他端部
37B 一端部
61 駆動軸
90 第1潤滑油
91 第2潤滑油
100 開閉弁
100a 一端
100b 他端
501,503 駆動源
S2 トランスファケースの空間
S3 空間
Claims (4)
- デフケースを有した差動機構と該差動機構を収容するトランスミッションケースとを有し、前記トランスミッションケース内に第1潤滑油を封入するとともに駆動源からの駆動力を変速させるトランスミッションと、
内部に空間が形成され同空間に駆動軸が挿入される中空軸を備えた変換機構と該変換機構を収容して前記トランスミッションケースに連結されるトランスファケースとを有し、前記トランスファケース内に第2潤滑油を封入するとともに、前記トランスミッションからの駆動力を方向変換させるトランスファと、
前記デフケースと前記中空軸とを連結する連結部と、
前記第1潤滑油と前記第2潤滑油とを区画するシール手段と、
前記中空軸の空間内を介して前記連結部に前記第2潤滑油を供給する供給路と、
前記中空軸に設けられていて、前記供給路を開閉する開閉弁を有することを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1記載の動力伝達装置において、
前記供給路は、一端部が前記結合部と連通し、他端部が前記トランスファケースの内部と連通するように前記中空軸を貫通して形成されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2記載の動力伝達装置において、
前記開閉弁は、一端が前記中空軸に固定され、他端側が前記中空軸の表面に接触することで前記供給路の他端部を閉塞し、前記中空軸の回転により、前記第2潤滑油内を移動する際の流動抵抗により、前記他端側が前記中空軸の表面から離間して前記供給路の他端部を解放することを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2記載の動力伝達装置において、
前記開閉弁は、前記第2潤滑油が封入されたトランスファケースの空間側に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
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