JP2011105021A - 車両用最終減速装置のケース構造 - Google Patents

車両用最終減速装置のケース構造 Download PDF

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Abstract

【課題】発進デバイスを挟んで配置された左右のドリブンギアから入力されるスラスト力に対する剛性を効果的に向上させた車両用最終減速装置のケース構造を提供する。
【解決手段】縦置き搭載されるエンジンの出力軸に接続される発進デバイス20と変速機構部30との間に配置され、変速機構部の出力によって車幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動される左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160と、左側ドライブギア及び右側ドライブギアとそれぞれ噛合しかつ少なくとも一部が発進デバイスの側部に配置され、左右車輪に駆動力を伝達するドライブシャフトが接続される左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180とを有する車両用最終減速装置100を収容するケース10の構造であって、発進デバイス室S1の左右側壁にわたして設けられ、左右のドリブンギアから回転軸方向に沿って入力されるスラスト力が負荷される柱状部15,16が形成される構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両用最終減速装置のケース構造に関し、特にクラッチ等の発進デバイスを挟んで配置された左右のドリブンギアから入力されるスラスト力に対する剛性を向上したものに関する。
自動車等の車両においては、エンジン等の出力を減速又は増速する変速機と、変速機の出力を減速して各車輪に伝達する最終減速装置を備えている。
エンジン及び変速機の回転軸を車両の前後方向にほぼ沿って配置する縦置きレイアウトの場合、車両の前方側からエンジン、クラッチ等の発進デバイス、フロントディファレンシャルを順次配列するとともに、フロントディファレンシャルをトランスミッションケースに内蔵した構成が知られている。
しかし、このような構成をとる場合、フロントディファレンシャルの搭載位置がエンジンに対して後退することから、フロントアクスルをエンジンに対して前進させ、ホイールベースを伸ばして走行安定性を向上させることが難しい。
これに対して、トランスミッションケースとは別体のケースにフロントディファレンシャルを収容してこれをエンジンの下部や側方に配置し、ジョイントを含むフロントプロペラシャフトによって駆動することも知られている。
しかし、この場合、フロントディファレンシャルの配置の設計自由度は高くなるが、構造が複雑となって部品点数も増加し、コストや重量が増加してしまう。
さらに、フロントディファレンシャルをトランスミッションケース内において発進デバイスの前に配置し、伝達歯車や斜行の駆動軸によって駆動することも知られている。
これによれば、フロントディファレンシャルをエンジンに隣接して配置することができるためホイールベースの延長効果は高いが、エンジンのクランク軸と発進デバイスとが離れてしまうため、軸心ズレを許容しながら動力伝達を行ういわゆるフレキシブルプレートの信頼性確保が難しく、コストや質量面で問題が生じる懸念がある。
また、例えば特許文献1には、リアエンジン後輪駆動をベースとした4輪駆動車用のトランスアクスルにおいて、ディファレンシャル機構よりも後方側にドライブシャフトが接続される左右ジョイント部をそれぞれ設けるとともに、左右それぞれに設けられた減速歯車列を用いてこれらの間の動力伝達を行う技術が開示されている。
特開昭64−70229号公報
特許文献1に記載された技術においては、左右のドライブシャフトが接続されるギア軸はトランスミッションケースの左右の壁面部にベアリングを介して支持されており、これらのギア軸の間で例えばギア反力等により同軸上に対向するようにスラスト力が発生した場合、トランスミッションケースのたわみが生じ、ギア音の悪化や強度耐久性の低下といった問題が懸念される。
本発明の課題は、発進デバイスを挟んで配置された左右のドリブンギアから入力されるスラスト力に対する剛性を効果的に向上させた車両用最終減速装置のケース構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、車両前後方向における位置が、縦置き搭載されるエンジンの出力軸に接続される発進デバイスと変速機構部との間に配置され、前記変速機構部の出力によって車幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動される左側ドライブギア及び右側ドライブギアと、前記左側ドライブギア及び前記右側ドライブギアとそれぞれ噛合しかつ少なくとも一部が前記発進デバイスの側部に配置され、左右車輪に駆動力を伝達するドライブシャフトが接続される左側ドリブンギア及び右側ドリブンギアとを有する車両用最終減速装置を収容するケースの構造であって、前記ケースは、前記発進デバイスが収容される空間部の左右側壁にわたして設けられ、前記左側ドリブンギア及び前記右側ドリブンギアから回転軸方向に沿って入力されるスラスト力が負荷される柱状部が形成されることを特徴とする車両用最終減速装置のケース構造である。
請求項2の発明は、前記柱状部は前記左側ドリブンギア及び前記右側ドリブンギアの回転中心軸を包含することを特徴とする請求項1に記載の車両用最終減速装置のケース構造である。
請求項3の発明は、前記柱状部は、前記左側ドリブンギアを支持するベアリングと前記右側ドリブンギアを支持するベアリングとの間で潤滑油を循環させる連通孔が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用最終減速装置のケース構造である。
請求項4の発明は、前記ケースが前記柱状部とともに左右に分割されるとともに、前記柱状部の内部に左右のケース部材を締結するボルトが挿入されるボルト孔が形成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用最終減速装置のケース構造である。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)左右のドリブンギアからケースに入力されるスラスト力が柱状部に伝達されることによって、左右からのスラスト力が相互に打ち消されてケースに作用するモーメントが最小限に抑えられ、ケースの剛性を向上することができる。これによって、ギア音の悪化を抑制するとともに、ケースの強度耐久性を確保することができる。
(2)柱状部は左側ドリブンギア及び右側ドリブンギアの回転中心軸を包含することによって、対向するスラスト力によって柱状部に作用する曲げモーメントを抑制し、上述した効果をより確実に発揮することができる。
(3)柱状部は左側ドリブンギアを支持するベアリングと右側ドリブンギアを支持するベアリングとの間で潤滑油を循環させる連通孔が形成されることによって、柱状部の内部を潤滑油路として活用することができ、潤滑系の設計自由度を高めてオイルバランスを容易に調整することができる。
(4)ケースが柱状部とともに左右に分割されるとともに、柱状部の内部に左右のケース部材を締結するボルトが挿入されるボルト孔が形成されることによって、柱状部を左右のケース部材を締結するためのボルトボスとして利用することが可能となり、左右のケース部材の結合剛性を向上できる。
本発明を適用した車両用最終減速装置のケース構造の実施例1におけるトランスミッションを鉛直面で切って見た断面図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 本発明の比較例である車両用最終減速装置のケース構造におけるトランスミッションの断面図である。 本発明の車両用最終減速装置のケース構造の実施例2におけるトランスミッションの断面図である。 本発明の車両用最終減速装置のケース構造の実施例3におけるトランスミッションの断面図である。 なお、図3乃至図5は、図2に相当する断面を示している。
本発明は、発進デバイスを挟んで配置された左右のドリブンギアから入力されるスラスト力に対する剛性を効果的に向上させた車両用最終減速装置のケース構造を提供する課題を、クラッチ室後部隔壁から張り出して左右のクラッチ室の側壁間を連結し、左右ドリブンギアの間の対向するスラスト力が負荷される柱状部を設けることによって解決した。
以下、本発明を適用した車両用最終減速装置のケース構造の実施例1について説明する。実施例1の車両用最終減速装置のケース構造は、例えば、縦置き配置のエンジンを搭載して4輪を駆動する乗用車等の自動車のトランスミッションに設けられるものである。
図1は、実施例1のトランスミッションを鉛直面で切って見た断面図である。
トランスミッション1は、変速機、AWDトランスファ、最終減速装置等の各種駆動系装置を共通のトランスミッションケース10内に収容してアセンブリ化(トランスアクスル化)したものである。
トランスミッション1は、トランスミッションケース10、クラッチ20、変速機構部30、AWDトランスファ40、最終減速装置100等を備えて構成されている。
トランスミッションケース10は、トランスミッション1内の各構成要素を収容する筐体であって、例えばアルミニウム系合金による鋳造等によって形成されている。
図2に示すように、トランスミッションケース10は、左右2つ割に構成された左側ケース11及び右側ケース12を備えている。トランスミッションケース10の前端部(エンジン側の端部)において、左側ケース11と右側ケース12との間には、クラッチ20が収容される空間部であるクラッチ室S1が形成されている。
また、左側ケース11及び右側ケース12は、それぞれ後述するドライブギア150,160及びドリブンギア170,180をカバーする左側カバー13及び右側カバー14を備えている。
さらに、左側ケース11及び右側ケース12は、クラッチ20を収容するクラッチ室S1内に突き出しかつ車幅方向に沿って伸びた左側柱状部15及び右側柱状部16を備えているが、これについては後に詳しく説明する。
トランスミッションケース10は、後述する最終減速装置100を収容し、本発明にいう最終減速装置のケースとして機能する。
クラッチ20は、図示しないエンジンの出力を変速機構部30に伝達するとともに、ドライバによるクラッチ操作に応じて動力伝達を切断する発進デバイスである。クラッチ20は、フライホイール21、クラッチディスク22、クラッチカバー23、レリーズベアリング24、レリーズシリンダ25、クラッチフォーク26等を備えて構成されている。
フライホイール21は、図示しないエンジンのクランクシャフト後端部に固定された円盤状の部材である。
クラッチディスク22は、変速機構部30のドライブシャフト31の前端部にスプライン結合された円盤状の部材であって、その両表面部には摩擦材であるフェーシングが固定されている。
クラッチカバー23は、ダイアフラムスプリングを備え、フライホイール21とともにクラッチディスク22を挟持するものである。
レリーズベアリング24は、ドライバによるクラッチ操作時にクラッチカバー23のダイアフラムスプリングの内周縁部を軸方向に押圧して動力伝達を切断する部材である。
レリーズシリンダ25は、クラッチ操作に応じて作動する図示しないクラッチマスタシリンダが発生するフルード圧によって駆動されるスレーブシリンダである。
クラッチフォーク26は、レリーズシリンダ25の動きをレリーズベアリング24に伝達する部材である。
変速機構部30は、複数のギア列から1つをドライバの変速操作によって選択し、選択されたギア列を用いて、エンジンの出力回転を減速又は増速するものである。実施例1において、変速機構部30は、例えば、前進6速及び後進1速を有する手動変速機である。
変速機構部30は、ドライブシャフト31、ドリブンシャフト32等を備えて構成されている。
ドライブシャフト31は、クラッチ20を介してエンジンの出力回転が入力される回転軸であって、車両の前後方向にほぼ沿って延びている。
ドリブンシャフト32は、ドライブシャフト31の下側に、ドライブシャフト31と平行に配置された回転軸である。
ドライブシャフト31とドリブンシャフト32の間には、これらの間で動力伝達を行う各変速段のギア列が設けられている。これらのギア列は、例えばドライバが変速操作を行うシフトレバーに連動するハブスリーブ等の係合部材によって、選択された1つのギア列の係合を完成させるようになっている。
ドリブンシャフト32は、中空の円筒状に形成され、その内径側には後述するドライブピニオンシャフト110が挿入される。
AWDトランスファ40は、変速機構部30から出力される駆動力を、前輪側及び後輪側に分配するものである。AWDトランスファ40は、ドリブンシャフト32の後端部に接続されている。
AWDトランスファ40は、べベルギア式のセンターディファレンシャル41、及び、その差動制限用のビスカスLSD42等を備えている。
最終減速装置100は、AWDトランスファ40の前輪側出力を減速して図示しない左右のドライブシャフトに伝達するものである。左右のドライブシャフトは、両端部に等速ユニバーサルジョイントを有する回転軸であって、その先端部は左右の前輪ハブに接続され、前輪への動力伝達を行う。
図2に示すように、最終減速装置100は、ドライブピニオンシャフト110、リングギア120、ディファレンシャルケース130、ディファレンシャルギア140、左側ドライブギア150、右側ドライブギア160、左側ドリブンギア170、右側ドリブンギア180等を備えて構成されている。
ドライブピニオンシャフト110は、軸部111及びその前端部に設けられたピニオンギア部112を一体に形成したものである。
軸部111は、変速機構部30のドリブンシャフト32内に挿入されている。軸部111の後端部は、AWDトランスファ40の前輪側出力部に接続されている。
ピニオンギア部112は、リングギア120を駆動するものである。
また、ドライブピニオンシャフト110の前端部近傍には、軸心潤滑孔113が形成されている。
リングギア120は、ドライブピニオンシャフト110のピニオンギア部112によって、車幅方向に沿った回転中心軸回りに回転駆動される歯車である。すなわち、リングギア120はドライブピニオンシャフト110と協働して直交軸減速機を構成する。
ディファレンシャルケース130は、ほぼ円筒状に形成されてリングギア120に固定され、その内径側にディファレンシャルギア140を収容する部材である。
ディファレンシャルケース130は、本体部131、左側円筒部132、右側円筒部133を一体に形成したものである。
本体部131は、その内径側にディファレンシャルギア140を収容する部分であって、他の部分よりも外径側に張り出して形成されている。本体部131は、その外径がリングギア120の内径よりも大きくされ、リングギア120に対して回転中心軸方向(車幅方向)左側に離間して配置されている。
左側円筒部132及び右側円筒部133は、本体部の左右側端部からそれぞれ回転中心軸方向に沿って突き出して形成されている。
右側円筒部133の突端部(車幅方向外側の端部)近傍には、外径側に張り出したフランジ134が設けられ、リングギア120はこのフランジ134に複数のボルトを用いて締結されている。
ディファレンシャルケース130は、左側円筒部132及び右側円筒部133の突端部にそれぞれ設けられたテーパローラベアリング135,136によって、トランスミッションケース10に支持されている。
ディファレンシャルギア140は、車両の旋回等によって生じる左右前輪の差回転を吸収するベベルギア式の差動機構であって、上述したディファレンシャルケース130の本体部131の内径側に配置されている。
左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160は、それぞれディファレンシャルケース130の左右に、これと同心に設けられている。左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160は、それぞれ車幅方向内側に突き出した軸部151,161を介してディファレンシャルギア140の左右出力部に接続されている。
軸部151,161は、それぞれディファレンシャルケース130の左側円筒部132及び右側円筒部133に挿入されるが、軸部151,161の外周面と左側円筒部132及び右側円筒部133の内周面との間には、オイルが流動可能でありまたディファレンシャルケース130のデフレクションによる接触が実質的にない程度の空隙(例えば0.2mm程度)が設けられている。
左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160は、それぞれそのギア部を挟んだ両側に設けられたテーパローラベアリング152,153,162,163によってトランスミッションケース10に支持されている。
左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180は、それぞれ左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160によって駆動され、これらと協働して左右ドライブギアセットを構成するものである。左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180の回転中心軸は、左側ドライブギア150及び右側ドライブギア160の回転中心軸に対して車両前方側に設けられている。また、左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180は、クラッチ20の左右側部にそれぞれ配置されている。
左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180は、その内径側に図示しないドライブシャフトのスプライン軸が挿入されるスプライン穴171,181が形成されている。
左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180は、ギア部を挟んだ両側に設けられたテーパローラベアリング172,173,182,183によって、トランスミッションケース10の左側ケース11及び右側ケース12におけるクラッチ室S1の側壁部にそれぞれ支持されている。
また、トランスミッションケース10の左側ケース11及び右側ケース12には、左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180の車幅方向内側に設けられた空間部S2、S3がそれぞれ形成されている。
以下、上述したトランスミッションケース10の左側柱状部15及び右側柱状部16について、より詳細に説明する。
左側柱状部15及び右側柱状部16は、クラッチ室S1の後部隔壁からエンジン側にリブ状に張り出して、この隔壁と一体に形成されている。左側柱状部15及び右側柱状部16は、それぞれ車幅方向にほぼ沿って伸びるとともに、そのエンジン側の突端部(稜線部)近傍の領域は、左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180の回転中心軸を包含している。左側柱状部15及び右側柱状部16は、その車幅方向内側の合わせ面部が平坦に形成され、これらの合わせ面部は左側ケース11及び右側ケース12を締結した状態で当接するようになっている。
左側柱状部15及び右側柱状部16は、その内部に車幅方向にほぼ沿って伸びた孔部が形成されており中空となっている。これらの孔部は、上述した空間部S2、S3とそれぞれ連通している。また、これらの孔部は、左側柱状部15及び右側柱状部16の合わせ面部ではそれぞれ閉塞されている。
次に、上述した実施例1の効果を、以下説明する本発明の比較例と対比して説明する。なお、比較例及び後述する実施例2、実施例3において、従前の実施例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3に示す比較例のトランスミッションは、トランスミッションケース10における左側柱状部15及び右側柱状部16が設けられていない点を除いて、実質的に実施例1のトランスミッションと同様の構成を備えている。
比較例のトランスミッションにおいては、例えば駆動時のギア反力に起因して、左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180からトランスミッションケース10に軸方向(スラスト方向)の荷重が対向するように負荷された際に、トランスミッションケース10におけるクラッチ室S1の左右側壁等のたわみが生じやすく、ギア音の悪化やトランスミッションケース10の強度耐久性の低下が懸念される。
これに対し、実施例1のトランスミッションにおいては、左側柱状部15及び右側柱状部16によってクラッチ室S1の左右の側壁を連結するとともに、これらの柱状部に左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180のスラスト力を伝達することによって、対向するギア反力を、各柱状部を介して相互に打ち消し、モーメントの発生を最小限に抑えてトランスミッションケース10の剛性を向上し、左側ドリブンギア170及び右側ドリブンギア180の支持剛性を高めることができる。これによって、ギア音の悪化を抑制し、トランスミッションケース10の強度耐久性を確保することができる。
次に、本発明を適用した車両用最終減速装置のケース構造の実施例2について説明する。
図4に示すように、実施例2のトランスミッションは、トランスミッションケース10の左側柱状部15及び右側柱状部16の内部に、左右の空間部S2、S3間を連通させるオイル孔17が形成されている。
以上説明した実施例2によれば、上述した実施例1の効果と同様の効果に加えて、柱状部の内部をオイルを循環させる潤滑油路として活用することができ、潤滑系の設計自由度が高まりオイルバランスの調整が容易となる。
次に、本発明を適用した車両用最終減速装置のケース構造の実施例3について説明する。
図5に示すように、実施例3のトランスミッションは、トランスミッションケース10の左側柱状部15及び右側柱状部16の内部に、右側柱状部16側からボルトBが挿入される貫通孔であるボルト孔が形成されている。ボルトBは、左側柱状部15側から突き出した突端部にナットNを結合することによって、左側柱状部15と右側柱状部16とを締結する。ナットNは、左側ケース11の空間部S2内に配置され、ボルトBの頭部は、右側ケース12の空間部S3内に配置される。
すなわち、左側柱状部15及び右側柱状部16は、左側ケース11及び右側ケース12を締結する複数のボルトのうち一部のボルトBによって締結されるボルトボスとして機能している。
以上説明した実施例3によれば、上述した実施例1の効果と同様の効果に加え、柱状部をボルトボスとして活用することによって、左側ケース11と右側ケース12との結合剛性を高めることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)トランスミッションケースに設けられる柱状部の構成や形状、個数は上述した各実施例の構成に限定されず、適宜変更することができる。例えば、柱状部は複数設けてもよい。また、柱状部はクラッチ室の隔壁と一体化したものに限らず、別部材であってもよい。
(2)上述した各実施例では、発進デバイスはクラッチ装置であって、変速機構部は手動変速機であったが、本発明はこれに限定されず、適宜変更することができる。例えば、変速機構部は複数列のプラネタリギアセットを有するステップ式自動変速機やベルト式、チェーン式、トロイダル式等のCVTであってもよく、この場合、発進デバイスはトルクコンバータであってもよい。また、変速機構部は手動変速機ベースの自動変速機やDCTであってもよい。
(3)各実施例において、車両は例えばAWD車であったが、本発明は、エンジン及びトランスアクスルを縦置き搭載するFWD車又はRWD車(リアエンジン車)にも適用することができる。
1 トランスミッション 10 トランスミッションケース
11 左側ケース 12 右側ケース
13 左側カバー 14 右側カバー
15 左側柱状部 16 右側柱状部
17 オイル孔
20 クラッチ 21 フライホイール
22 クラッチディスク 23 クラッチカバー
24 レリーズベアリング 25 レリーズシリンダ
26 クラッチフォーク 30 変速機構部
31 ドライブシャフト 32 ドリブンシャフト
40 AWDトランスファ 41 センターディファレンシャル
42 ビスカスLSD 100 最終減速装置
110 ドライブピニオンシャフト 111 軸部
112 ピニオンギア部 113 軸心潤滑孔
120 リングギア 130 ディファレンシャルギアケース
131 本体部
132 左側円筒部 133 右側円筒部
134 フランジ 135,136 テーパローラベアリング
140 ディファレンシャルギア
150 左側ドライブギア 151 軸部
152,153 テーパローラベアリング
160 右側ドライブギア 161 軸部
162,163 テーパローラベアリング
170 左側ドリブンギア 171 スプライン穴
172,173 テーパローラベアリング
180 右側ドリブンギア 181 スプライン穴
182,183 テーパローラベアリング
S1 クラッチ室 S2,S3 空間部
B ボルト N ナット

Claims (4)

  1. 車両前後方向における位置が、縦置き搭載されるエンジンの出力軸に接続される発進デバイスと変速機構部との間に配置され、前記変速機構部の出力によって車幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動される左側ドライブギア及び右側ドライブギアと、
    前記左側ドライブギア及び前記右側ドライブギアとそれぞれ噛合しかつ少なくとも一部が前記発進デバイスの側部に配置され、左右車輪に駆動力を伝達するドライブシャフトが接続される左側ドリブンギア及び右側ドリブンギアと
    を有する車両用最終減速装置を収容するケースの構造であって、
    前記ケースは、前記発進デバイスが収容される空間部の左右側壁にわたして設けられ、前記左側ドリブンギア及び前記右側ドリブンギアから回転軸方向に沿って入力されるスラスト力が負荷される柱状部が形成されること
    を特徴とする車両用最終減速装置のケース構造。
  2. 前記柱状部は前記左側ドリブンギア及び前記右側ドリブンギアの回転中心軸を包含すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用最終減速装置のケース構造。
  3. 前記柱状部は、前記左側ドリブンギアを支持するベアリングと前記右側ドリブンギアを支持するベアリングとの間で潤滑油を循環させる連通孔が形成されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用最終減速装置のケース構造。
  4. 前記ケースが前記柱状部とともに左右に分割されるとともに、前記柱状部の内部に左右のケース部材を締結するボルトが挿入されるボルト孔が形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用最終減速装置のケース構造。
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