JP2014025038A - ポリアミド並びにそのフィルムを用いたディスプレイ用等の素子及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
式(IV)において、R9は二価の芳香族基を表し、R10は二価の原子又は二価の有機基を表し、R11、R12はそれぞれ独立して水素原子又は一価の有機基を表し、pはポリアミドにおける式(IV)で示される構造単位のモル分率を表す。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、有機物・無機物への密着性、又は低光学異方性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、一般式(I)で示される構造単位Aと、一般式(II)、(III)、(IV)、及び(V)で示される構造単位からなる群から選択される構造単位Bとを含む。
構造単位Bは、一般式(II)、(III)、(IV)、及び(V)で示される構造単位(以下、それぞれ構造単位B1、B2、B3、及びB4ともいう)からなる群から選択される少なくとも一種類の構造単位である。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、有機物・無機物への密着性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、下記一般式(II)で示される構造単位B1を含有することが好ましい。芳香族ポリアミドは一般的に高い耐熱性を有する一方で、ガラス等の有機物及び/又は無機物への密着性が低い。構造単位B1を含有することで本開示にかかるポリアミドの密着性を向上することができる。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、有機物・無機物への密着性、又は低光学異方性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、下記一般式(III)で示される構造単位B2を含有することが好ましい。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、有機物・無機物への密着性、又は低光学異方性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、下記一般式(IV)で示される構造単位B3を含有することが好ましい。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、有機物・無機物への密着性、又は低光学異方性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、下記一般式(V)で示される構造単位B4を含有することが好ましい。
本開示にかかるポリアミドは、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、有機物・無機物への密着性、又は低光学異方性に優れるポリアミドフィルムを形成する観点から、一般式(I)-(V)で示される構造単位のモル分率であるl、n、o、p、及びqが、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
0.70≦l+n+o+p+q≦1 (1)
0<n+o+p+q<0.70 (2)
本開示にかかるポリアミド樹脂組成物は、本開示にかかるポリアミドを含む組成物であって、ポリアミド溶液、ポリアミドフィルムの製膜原液を含みうる。本開示にかかるポリアミド樹脂組成物は、一又は複数の実施形態において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の基板の形成に用いるためのポリアミド樹脂組成物である。
本開示にかかるポリアミド及び/又は本開示にかかるポリアミド樹脂組成物は、限定されない一又は複数の実施形態において、以下のようにして製造できる。
本開示にかかるポリアミドフィルムは、一又は複数の実施形態において、本開示のポリアミドを含むもの、本開示のポリアミドから製造されるもの、本開示のポリアミド樹脂組成物から製造されるものを含みうる。本開示にかかるポリアミドフィルムは、厚み換算で100μmのフィルム全光線透過率が70%以上の値を持つものであることが好ましい。また、ディスプレイ用素子等を作製する際は200℃以上の温度処理を行う場合もある。よって、本開示にかかるポリアミドフィルムは、これに耐えうる耐熱性を有することが好ましい。また、線膨張率については、TMAにて測定した場合の、30℃から180℃までの平均線膨張率が、例えば、50ppm/K以下、好ましくは40ppm/K、さらに好ましくは30ppm/Kが挙げられる。
本開示にかかるポリアミドフィルムは、一又は複数の実施形態にガラスに対して優れた密着性を発揮しうる。具体的には、ガラス上に作製したフィルムにカッターナイフでX字に切りこみを入れ、テープを貼りつけて剥がし、テープ剥離前後のX字を顕微鏡にて観察し、フィルムの剥離がないことが挙げられる。
本開示において、「ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子」とは、表示体(表示装置)、光学装置、または照明装置を構成する素子をいい、例えば有機EL素子、液晶素子、有機EL照明等をいう。また、それらの一部を構成する薄膜トランジスタ(TFT)素子、カラーフィルタ素子等も含む。本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、または、照明用素子は、一又は複数の実施形態において、本開示のポリアミドを含むもの、本開示のポリアミド樹脂組成物を用いて製造されるもの、ディスプレイ用素子、光学用素子、または、照明用素子の基板として本開示のポリアミドフィルムを用いているものを含みうる。
以下に図を用いて本開示にかかるディスプレイ用素子の一実施形態である有機EL素子の一実施形態を説明する。
基板Aは、透明樹脂基板100及び透明樹脂基板100の上面に形成されるガスバリア層101を備える。ここで、透明樹脂基板100は、本開示にかかるポリアミドフィルムである。
薄膜トランジスタBは、ゲート電極200、ゲート絶縁層201、ソース電極202、活性層203、及びドレイン電極204を備える。薄膜トランジスタBは、ガスバリア層101上に形成される。
有機EL層Cは、導電性の接続部300、絶縁性の平坦化層301、有機EL素子Aの陽極である下部電極302、正孔輸送層303、発光層304、電子輸送層305、及び有機EL素子Aの陰極である上部電極306を備える。有機EL層Cは、少なくともガスバリア層101上又は薄膜トランジスタB上に形成され、下部電極302と薄膜トランジスタBのドレイン電極204は接続部300により電気的に接続されている。なお、これに替えて、薄膜トランジスタBの下部電極302とソース電極202が接続部300により接続されるようにしてもよい。
本開示は、その他の態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。本開示にかかる製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を製造する方法である。また、本開示にかかる製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示にかかるポリアミド樹脂組成物を支持材へ塗布する工程と、前記塗布工程後に、ポリアミドフィルムを形成する工程と、前記ポリアミド樹脂フィルムの前記支持材と接していない面にディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を形成する工程とを含む製造方法である。本開示にかかる製造方法は、さらに、前記支持材上に形成されたディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記支持材から剥離する工程を含むでもよい。
次に、以下に図を用いて本開示にかかるディスプレイ用素子の製造方法の一実施形態である有機EL素子の製造方法の一実施形態を説明する。
固定工程では、支持材500上に透明樹脂基板100が固定される。固定する方法は特に限定されるものではないが、支持材500と透明基板の間に粘着剤を塗布する方法や、透明樹脂基板100の一部を支持材500に融着させる方法等が挙げられる。また、支持の材料としては、例えば、ガラス、金属、シリコン、又は樹脂等が用いられる。これらは単独で用いられてもよいし、2以上の材料を適時組み合わせて使用してもよい。さらに、支持材500に離型剤等を塗布し、その上に透明樹脂基板100を張り付けて固定してもよい。一又は複数の実施形態において、支持材500上に本開示にかかるポリアミド樹脂組成物を塗布し、乾燥等によりポリアミドフィルム100を形成する。
ガスバリア層製工程では、透明樹脂基板100上にガスバリア層101が作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
薄膜トランジスタ作製工程では、ガスバリア層上に薄膜トランジスタBが作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
有機EL層作製工程は、第1工程と第2工程を備える。第1工程では、平坦化層301が形成される。平坦化層301を形成する方法としては、感光性透明樹脂をスピンコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。この際、第2工程で接続部300を形成できるよう、平坦化層301には開口部を設けておく必要がある。平坦化層の膜厚は、通常100nm〜2μm程度であるが、これに限定されるものではない。
封止工程では、有機EL層Aが封止部材307によって上部電極306の上から封止される。封止部材307としては、ガラス、樹脂、セラミック、金属、金属化合物、又はこれらの複合体等で形成することができ、適時最適な材料を選択可能である。
剥離工程では作製された有機EL素子1が支持材500から剥離される。剥離工程を実現する方法としては、例えば、物理的に支持材500から剥離する方法が挙げられる。この際、支持材500に剥離層を設けても良いし、支持材500と表示素子の間にワイヤを挿入して剥離しても良い。また、その他の方法としては支持材500の端部のみ剥離層を設けず、素子作製後端部より内側を切断して素子を取り出す方法、支持材500と素子の間にシリコン層等からなる層を設け、レーザー照射により剥離する方法、支持材500に対して熱を加え、支持材500と透明基板を分離する方法、支持材500を溶剤により除去する方法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、任意の複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
本開示は、その態様において、本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を用いた表示装置、光学装置、又は照明装置に関し、また、それらの製造方法に関する。これらに限定されないが、前記表示装置としては、撮像素子などが挙げられ、光学装置としては、光/電気複合回路などが挙げられ、照明装置としては、TFT−LCD、OEL照明などが挙げられる。
[平均線膨張係数]
ブルカー・エイエックスエス株式会社製TMA4000SAを用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から180℃まで上昇させた後、一旦20℃まで冷却し、再び1分間に5℃の割合で温度を上昇させて30℃〜250℃の時の値を測定した。試料幅を5mm、荷重を2gにし、引張りモードで測定を行った。平均線膨張係数は、以下の式で求めた。
平均線膨張係数(ppm/℃)=((L250-L30)/L30)/(250-30) x 106
L250:250℃における試料長
L30:30℃における試料長
[密着性評価]
ガラス上に作製したフィルムにカッターナイフでX字に切りこみを入れ、テープを貼りつけて剥がし、テープ剥離前後のX字を顕微鏡にて観察し、フィルムの剥離の有無を確認した。
温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた500mL4つ口セパラブルフラスコで、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(セイカ株式会社製、20g)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(東京化成工業株式会社製、0.817g)をジメチルアセトアミド(関東化学株式会社製、208.17g)に溶解した。この溶液を窒素雰囲気下、0℃に冷却し、イソフタロイルクリロド(東京化成工業株式会社製、6.74g)、テレフタロイルクリロド(東京化成工業株式会社製、6.74g)を加えて4時間撹拌した後、発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和した。得られた反応溶液を大過剰のメタノールに投入し、析出した沈殿物をろ過により回収した。沈点物をメタノールで洗浄し、十分に乾燥させることでポリマーを得た。得られたポリマーは、下記の構成単位を含むポリアミドである。
実施例1のうち、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを入れていない以外は同様の装置、材料等を使用し、同様の方法でフィルム作製、特性評価を行った。
100 透明樹脂基板
101 ガスバリア膜
200 ゲート電極
201 ゲート絶縁層
202 ソース電極
203 活性層
204 ドレイン電極
300 導電性接続部
301 平坦化層
302 下部電極
303 正孔輸送層
304 発光層
305 電子輸送層
306 上部電極
400 封止層
500 支持材
A 基板
B 薄膜トランジスタ
C 有機EL層
Claims (8)
- 一般式(I)で示される構造単位Aと、一般式(II)、(III)、(IV)、及び(V)で示される構造単位からなる群から選択される構造単位Bとを含むポリアミド。
- 一般式(I)-(V)で示される構造単位のモル分率であるl、n、o、p、及びqが、次式(1)を満たす、請求項1記載のポリアミド
0.70≦l+n+o+p+q≦1 (1)
0<n+o+p+q≦0.70 (2) - 請求項1又は2に記載のポリアミドを含む、ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリアミド、又は、請求項3記載のポリアミド樹脂組成物を用いたポリアミドフィルム。
- 請求項4記載のポリアミドフィルムを基板として含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、及び、照明用素子からなる群から選択される素子。
- 請求項5記載の素子を用いた表示、光学、又は、照明装置。
- 請求項3記載のポリアミド樹脂組成物を支持材へ塗布する工程と、
前記塗布工程後に、ポリアミドフィルムを形成する工程と、
前記ポリアミド樹脂フィルムの前記支持材と接していない面にディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子を形成する工程とを含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の製造方法。 - さらに、前記支持材上に形成されたディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子を前記支持材から剥離する工程を含む、請求項7記載のディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の製造方法。
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