JP2014020383A - 組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット - Google Patents

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    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles

Abstract

【課題】組み合わせシールリング12bのシール内部空間26a内への異物の侵入をより効果的に抑えられる構造を実現して、長期間に亙り優れたシール性能を維持できる構造を実現する。
【解決手段】屈曲したラビリンスシール27bと補助シールリップ28とを、異物の侵入経路に関して直列に配置する。これにより、この補助シールリップ28よりも奥にある、前記シール内部空間26a側にまで異物が入り込む事を抑えられる。この補助シールリップ28部分に達する異物の勢いは弱くなるので、この補助シールリップ28は、摩擦抵抗が大きくなる様な、高剛性のものを使用する必要がない。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットのうち、回転側軌道輪と静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在して複数個の転動体を設置した軸受内部空間の端部開口を、スリンガとシールリングとから成る組み合わせシールリングにより塞いで成る、組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの改良に関する。具体的には、前記スリンガと前記シールリングとの間に存在するシール内部空間に入り込む異物の量を抑える事により、前記組み合わせシールリングによるシール性を、長期間に亙って良好に維持できる構造の実現を図るものである。
自動車の車輪等を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットとして、例えば特許文献1には、図4に示す様な車輪支持用転がり軸受ユニットの構造が記載されている。この図4に示した転がり軸受ユニット1は、静止側軌道輪である外輪2と回転側軌道輪であるハブ3とを互いに同心に配置している。そして、この外輪2の内周面に設けた、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道4、4と、前記ハブ3の外周面に設けた、それぞれが回転側軌道である複列の内輪軌道5、5との間に、それぞれが転動体である玉6、6を、両列毎に複数個ずつ配置している。これら各玉6、6は、それぞれ保持器7、7により、転動自在に保持している。この様な構成により、前記外輪2の内径側に前記ハブ3を、回転自在に支持している。前記懸架装置に対し前記車輪等を回転自在に支持するには、前記外輪2の外周面に設けた静止側フランジ8を前記懸架装置に対しねじ止め固定すると共に、前記ハブ3の軸方向外端部(軸方向に関して外とは、車両への組み付け状態でこの車両の幅方向外側となる、各図の左側を言う。これに対して、この車両の幅方向内側となる、各図の右側を、軸方向に関して内と言う。)外周面に形成した回転側フランジ9に、前記車輪及びディスクロータ等の制動用回転体をねじ止め固定する。
前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間で前記各玉6、6を設置した軸受内部空間10の両端開口は、それぞれシールリング11と組み合わせシールリング12とにより、全周に亙り塞いでいる。このうち、前記軸受内部空間10の軸方向外端側開口を塞ぐシールリング11は、金属板製の芯金13により、ゴムの如きエラストマー製の弾性材14を補強して、全体を円環状に構成して成る。又、この弾性材14は、複数本(図示の例では3本)のシールリップ15a、15b、15cを有する。そして、このうちの芯金13を前記外輪2の内周面の軸方向外端部に締り嵌めで内嵌した状態で、前記各シールリップ15a、15b、15cの先端縁を前記回転側フランジ9の軸方向内側面又は前記ハブ3の中間部外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
又、前記組み合わせシールリング12は、スリンガ16とシールリング17とを組み合わせて成る。このうちのスリンガ16は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、回転側円筒部18と、この回転側円筒部18の軸方向内端縁から径方向外方に折れ曲がった回転側円輪部19とから成る。この様なスリンガ16は、前記回転側円筒部18を前記ハブ3(ハブ本体と共にこのハブ3を構成する内輪)の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌する事により、このハブ3に対し固定している。又、前記シールリング17は、金属板製の芯金20と弾性材21とを備える。この弾性材21は、複数本(図示の例では3本)のシールリップ22a、22b、22cを備える。又、前記芯金20は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、静止側円筒部23と、この静止側円筒部23の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった静止側円輪部24とから成る。この様な芯金20を備えた前記シールリング17は、前記静止側円筒部23を前記外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌する事により、この外輪2に固定している。又、この状態で、前記シールリップ22aの先端縁を前記回転側円輪部19の軸方向外側面に、前記各シールリップ22b、22cの先端縁を前記回転側円筒部18の外周面に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
尚、上述の様な組み合わせシールリング12を構成するスリンガ16の回転側円輪部19の軸方向両側面のうち、前記回転側円筒部18の折れ曲がり方向と逆側の面(軸方向内側面)に、図5の(A)に示す様に、円輪状のエンコーダ25を、全周に亙り添着固定する場合もある。このエンコーダ25は、ゴム、合成樹脂等の高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪状とした、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石製で、軸方向に着磁している。着磁方向は、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で変化させている。従って、被検出面である、前記エンコーダ25の軸方向内側面には、S極とN極とが、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で配置されている。この様なエンコーダ25の被検出面には、図示しない回転検出センサの検出部を対向させて、前記ハブ3と共に回転する車輪の回転速度を測定可能とする。そして、測定した、車輪の回転速度を表す信号を、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)等、車両の走行安定化装置の制御に利用する。この様な回転速度検出装置の構造及び作用に就いては、従来から周知であるし、本発明の要旨とも関係しない為、図示並びに詳しい説明は省略する。
これに対して、車輪の回転速度を検出する必要がない場合、或いは、別部分でこの回転速度を検出できる場合には、図5の(B)に示す様に、前記スリンガ16にエンコーダを設ける事はない。
何れにしても、前記軸受内部空間10の軸方向両端開口を前記シールリング11と前記組み合わせシールリング12とにより、それぞれ全周に亙り塞ぐ事で、前記軸受内部空間10内に存在するグリースの漏洩防止と、外部空間に存在する水分や塵芥等の異物がこの軸受内部空間10内に侵入する事の防止とを図っている。
前記車輪支持用の転がり転がり軸受ユニット1の耐久性を確保する為には、前記シールリング11及び前記組み合わせシールリング12のシール性を確保する事が重要である。一方、これらシールリング11及び組み合わせシールリング12は、使用時に泥水等の異物がかかる、厳しい条件で使用されるので、何らの対策も施さないと、シールリップに粘土質の泥等の異物が付着して当該シールリップの動きを阻害し、シール性を低下させる可能性がある。特に、前記組み合わせシールリング12の場合には、前記スリンガ16と前記シールリング17とに囲まれたシール内部空間26内に入り込んだ泥水の水分が蒸発し、固形分(泥)だけがこのシール内部空間26内に溜まる可能性がある。
この様な不都合を生じる、このシール内部空間26内への異物の侵入を防止する為に従来から、図4、5に示した様に、前記スリンガ16の外周縁を前記外輪2の端部内周面に近接対向させて当該部分にラビリンスシール27を設ける事が行われている。但し、このラビリンスシール27は、流路が直線状である為、前記シール内部空間26内への異物侵入の防止効果が必ずしも十分ではなかった。前記ラビリンスシール27の隙間寸法(径方向に関する幅寸法)を小さくすれば、前記シール内部空間26内に入り込む泥水等の異物を少なくできるが、この隙間寸法を小さくする事には限度がある。即ち、前記ラビリンスシール27の隙間寸法を極端に小さくすると、車両の旋回走行時に加わるモーメント荷重等により、前記外輪2と前記ハブ3とが相対的に傾いてラビリンスシール27の距離が縮まり、前記回転側円輪部19の端縁と前記静止側円筒部23の内周面とが激しく(強く)接触する可能性がある。この為、前記図4、5に示した従来構造では、前記ラビリンスシール27の隙間寸法を極端に小さくする事は困難である。
特許文献2には、図6に示す様に、スリンガ16aを構成する回転側円輪部19aの外径を、シールリング17aの芯金20aを構成する静止側円筒部23aの内径よりも大きく、外径よりも小さくした組み合わせシールリング12aが記載されている。この様な構造によれば、前記回転側円輪部19aの先端部(径方向外端部)と前記静止側円筒部23aの先端縁(軸方向内端縁)とを軸方向に重畳させて、屈曲したラビリンスシール27aを設ける事ができ、このラビリンスシール27aのシール性能を高くできる。但し、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの如く、厳しい使用条件下で使用される組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、より優れたシール性能を有する構造の実現が望まれる。
特開2007−85478号公報 特開2003−294046号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、転がり軸受ユニットを構成する静止側、回転側両軌道輪同士の間に存在する軸受内部空間の端部開口を塞ぐ、組み合わせシールリングを構成するスリンガとシールリングとの間のシール内部空間内への異物の侵入をより効果的に抑えられる構造を実現して、このシールリングに設けたシールリップの動きを確保し、長期間に亙り優れたシール性能を維持できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットは、回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、複数個の転動体と、組み合わせシールリングとを備える。
このうちの前記回転側軌道輪及び静止側軌道輪は、互いに同心に配置された状態で相対回転する。
又、前記各転動体は、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた、回転側軌道と静止側軌道との間に、転動自在に設けられている。
又、前記組み合わせシールリングは、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間の端部開口を塞ぐもので、スリンガ及びシールリングから成る。
このうちのスリンガは、前記回転側軌道輪の周面の一部で前記静止側軌道輪の周面に対向する部分に嵌合固定されたもので、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成しており、回転側円筒部と、この回転側円筒部の軸方向端縁から前記静止側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった回転側円輪部とから成る。そして、前記回転側円筒部を前記回転側軌道輪の周面に嵌合する事で、この回転側軌道輪に固定している。
又、前記シールリングは、前記静止側軌道輪の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定されたもので、この静止側軌道輪に嵌合固定される芯金と、この芯金に基端部を支持された、複数本のシールリップを有する弾性材とを備える。このうちの芯金は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成しており、静止側円筒部と、この静止側円筒部の軸方向端縁から前記回転側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった静止側円輪部とから成る。そして、前記静止側円筒部を前記静止側軌道輪の周面に嵌合する事でこの静止側軌道輪に固定しており、前記各シールリップの先端部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させている。
更に、前記回転側円輪部の先端縁側の径と前記静止側円筒部の径とを規制して、これら回転側円輪部の先端部と前記静止側円筒部の先端縁とを軸方向に重畳させている。そして、この回転側円輪部の先端側周縁と前記静止側軌道輪の周面との間部分から、この回転側円輪部の先端部片側面(この回転側円輪部の軸方向両側面のうちで前記静止側円輪部と対向する面)と前記静止側円筒部の先端縁との間部分に掛けて、屈曲したラビリンスシールを設けている。
特に、本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに於いては、前記弾性材の一部を、前記静止側円筒部のうちで前記回転側円筒部に対向する周面全体を覆う筒状被覆部としている。又、前記筒状被覆部の先端面に前記静止側円筒部の先端縁よりも突出する補助シールリップを全周に亙って設けている。そして、この補助シールリップの先端縁を、前記回転側円輪部の片側面でこの回転側円輪部の先端縁寄り部分に、全周に亙り摺接若しくは近接対向させている。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記回転側円輪部の軸方向両側面のうちで前記静止側円輪部と対向する面と反対側の面に、高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪状として成る永久磁石製のエンコーダを添着する。そして、このエンコーダの周縁を前記静止側軌道輪の周面に対向させ、当該部分にラビリンスシールを設ける。
更に、この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記エンコーダを構成する高分子材料の一部により、前記回転側円輪部の先端側周縁を越えて前記静止側円輪部の側に向け全周に亙って突出する突条を形成する。そして、この突条の先端縁と、前記静止側円筒部の先端縁或いは前記筒状被覆部の先端面との間部分を含めて、前記ラビリンスシールとする。
上述の様に構成する本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットによれば、組み合わせシールリングを構成する前記スリンガと前記シールリングとの間に存在するシール内部空間への、泥水等の異物の侵入を効果的に防止できる。即ち、本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、前記シール内部空間への異物の侵入経路に関して直列に、屈曲したラビリンスシールと補助シールリップとを設けている。特に、接触式シール若しくは極く僅少の隙間しか持たないラビリンスシールを構成する前記補助シールリップを、前記侵入経路に関して下流側に配置している。従って、この補助シールリップ部分に異物が達した場合でもその勢いは弱くなる。この為、この補助シールリップとして、シール性が特に高くない代わりに摺動抵抗が低いものを使用しても、全体として十分なシール性能を確保できる。
本発明の実施の形態の第1例を、各シールリップを自由状態として示す、組み合わせシールリングの部分断面図。 同第2例を示す、図1と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 従来から知られている組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 同じく組み合わせシールリングの2例を示す、図4のX部拡大図。 従来から知られている組み合わせシールリングの別例を示す、図1と同様の図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの特徴は、特定構造のラビリンスシール27bを採用すると共に、シールリング17bを構成する弾性材21aに設けた複数本のシールリップ22a、22b、22cに加えて、これら各シールリップ22a、22b、22cよりも全長が短く、しかも剛性が低い補助シールリップ28を設ける点にある。即ち、この様な構成を採用する事により、動トルクの増大を抑えつつ、組み合わせシールリング12bのシール内部空間26a内への異物の侵入を抑え、この組み合わせシールリング12bのシール性能を長期間に亙って良好に保つ為の構造にある。その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図4に示した転がり軸受ユニット1を含め、例えば懸架装置に対して車輪を回転自在に支持する為、従来から広く知られている各種転がり軸受ユニットと同様であるから、同等部分には同一符号を付すると共に、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
前記組み合わせシールリング12bを構成する為に、スリンガ16bを構成する回転側円輪部19bの外径D19を、前記シールリング17bの芯金20bを構成する静止側円筒部23bの内径R23よりも大きく、この静止側円筒部23bの外径D23よりも小さく(D23>D19>R23)している。そして、前記回転側円輪部19bの先端部(外径側端部)と前記静止側円筒部23bの先端縁とを、軸方向に重畳させている。従って、前記シールリング17bを外輪2の端部に内嵌固定し、前記スリンガ16bをハブ3の端部に外嵌固定した状態で、前記回転側円輪部19bの外周縁と前記外輪2の内周面との間部分から、この回転側円輪部19bの先端部片側面(軸方向外側面)と前記静止側円筒部23bの先端縁との間部分に掛けて、屈曲した(断面L字形の)ラビリンスシール27bが構成される。
更に、前記弾性材21aの一部により、前記静止側円筒部23bの内周面及び先端縁全体を覆い、この部分を筒状被覆部31としている。そして、この筒状被覆部31の先端面(軸方向内端面)の径方向内端部に前記補助シールリップ28を、全周に亙り設けている。この補助シールリップ28は、自由状態でも先端縁に向かう程直径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状である。従って、前記補助シールリップ28の先端縁を前記回転側円輪部19bの軸方向片側面に摺接させた状態では、この補助シールリップ28は、より大きな傾斜角度で、先端縁に向かう程直径が大きくなる方向に傾斜する。前記組み合わせシールリング12bを前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間に組み付けた状態で、上述の様な補助シールリップ28は、その先端縁を、前記回転側円輪部19bの軸方外側面でこの回転側円輪部19bの径方向外端寄り部分に、全周に亙り摺接若しくは近接対向させた状態となる。尚、前記補助シールリップ28の先端縁部の自由状態での外径は、前記静止側円筒部23bの先端縁部の内径以下としている。この理由は、前記シールリング17bを前記外輪2に内嵌固定すべく、押圧治具を前記静止側円筒部23bの先端縁に突き当てる際に、前記補助シールリップ28が邪魔にならない様にする為である。
上述の様に構成する本例の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットによれば、前記組み合わせシールリング12bを構成する、前記スリンガ16bと前記シールリング17bとの間に存在するシール内部空間26aへの、泥水等の異物の侵入を効果的に防止できる。即ち、前記組み合わせシールリング12bを前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間に組み付けて成る、本例の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの場合には、外部空間から前記シール内部空間26aへの異物の侵入経路に関して直列に、屈曲した(それ自体で或る程度優れたシール性能を有する)ラビリンスシール27bと、前記補助シールリップ28とを設けている。
従って、仮に外部空間から前記組み合わせシールリング12b部分に向け、泥水等の異物が勢い良く降り懸った場合でも、この異物の勢いは前記ラビリンスシール27bを通過する間に相当程度弱められる。そして、仮に前記異物の一部が前記補助シールリップ28部分に達したとしても、その勢いは極く弱くなる。この為、この補助シールリップ28として、シール性が特に高くない代わりに摺動抵抗が低いものを使用しても、全体として十分なシール性能を確保できる。即ち、前記補助シールリップ28として、剛性が低く、しかも締め代が極く僅かな接触式シールを採用したり、更には、僅少の隙間を介して前記回転側円輪部19bの片側面と対向するラビリンスシールを採用すれば、前記ラビリンスシール27bを通過して前記補助シールリップ28の外径側の環状小空間30に達した異物が、この補助シールリップ28を通過してシール内部空間26a内にまで入り込む事を十分に防止できる。
又、本例の場合には、前記補助シールリップ28を、先端縁に向かう程外径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状としている。従って、前記補助シールリップ28に堰き止められて前記環状小空間30内に留まった異物は、この補助シールリップ28の外周面に沿って前記スリンガ16bの片側面(軸方向外側面)側に流れ、更にこのスリンガ16bの振り飛ばし機能により径方向外方に振り飛ばされ、前記ラビリンスシール27bを通じて外部空間に排出される。従って、長期間に亙る使用によっても、前記環状小空間30内に多量の異物が溜まる事はなく、前記補助シールリップ28を超えて、この環状小空間30から前記シール内部空間26aに向け、異物が入り込む事はない。
尚、前記回転側円輪部19bのうちで、前記シールリング17bと反対側の側面(軸方向内側面)は、軸方向に関して前記外輪2の端面と一致するか、若しくは、この外輪2の開口部に形成した面取り部29と径方向に関して重畳する位置に配置している。この為、前記回転側円輪部19bが前記外輪2の端面から突出しない構造で、しかも、この回転側円輪部19bの表面に付着した状態で、遠心力により周囲に振り飛ばされる異物を、外部空間に向け(ラビリンスシール27bに向かわせる事なく)、効率良く排出できる。
[実施の形態の第2例]
図2は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、スリンガ16bを構成する回転側円輪部19bの軸方向内側面に、ゴム、合成樹脂等の高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪状として成る永久磁石製のエンコーダ25aを、全周に亙り添着している。このエンコーダ25aは、回転側円輪部19bの先端側周縁(外周縁)を覆う様に形成し、外輪2の内周面との間に、ラビリンスシール27cの一部を構成している。
この様な本例の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに組み込む組み合わせシールリング12cの構造によれば、前記ラビリンスシール27cの軸方向の長さを、前記エンコーダ25aの厚さ分だけ長くできるので、シール効果を高める事ができる。更に、剪断面である前記回転側円輪部19bの先端側周縁(外周縁)を前記エンコーダ25aにより覆い、表面粗さを向上させて滑らかな表面としているので、ラビリンスシール27cの内面部分に泥が引っ掛かり堆積する事を防止できる。
尚、図示の例では、前記エンコーダ25aの外周面の断面形状を、軸方向中間部の外径が最も大きくなった山形としている。そして、前記エンコーダ25aの外周面のうちで最も径方向外方に突出した部分(最大径部分)を、前記内輪2の開口端部に形成した面取り部29の径方向内側に配置している。従って、前記エンコーダ25aの表面に付着して、回転時の遠心力により前記最大径部分に移動し、更に径方向外方に振り飛ばされた異物は、前記面取り部29に当たってから、外部空間に向け、効率良く排出される。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第3例]
図3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、スリンガ16bを構成する回転側円輪部19bの軸方向内側面に永久磁石製のエンコーダ25bを、全周に亙り添着している。本例の場合には、このエンコーダ25bを構成する高分子材料の一部を、前記回転側円輪部19bの外周縁を越えて、シールリング17cの芯金20bを構成する静止側円輪部24の側に向け全周に亙り突出させ、環状の突条32を形成している。この突条32の内周面は、先端縁に向かう程(軸方向外側程)内径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい面状の傾斜面33としている。そして、この突条32の先端縁(軸方向外側面)と、前記静止側円筒部23bの内周面及び先端縁全体を覆った筒状被覆部31の先端面(軸方向内側面)との間部分を含めて、ラビリンスシール27dとしている。
上述の様な組み合わせシールリング12dを組み込んだ、本例の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットの構造によれば、前記ラビリンスシール27dの軸方向の長さを、上述した実施の形態の第2例に比べて、前記突条32の軸方向に関する高さ分だけ更に長くできるので、シール効果をより高める事ができる。しかも、前記突条32は、補助シールリップ28と前記回転側円輪部19bの軸方向外側面との摺接部若しくは近接対向部を覆う様に突出しているので、車輪が跳ね上げた泥水等の飛沫が、この摺接部乃至は近接対向部に勢い良くぶつかる事を、より確実に防止できる。
尚、前記突条32の内周面も前記傾斜面33としているので、この突条32の存在に拘らず、環状小空間30の内面に泥等の異物が堆積する事を十分に防止できる。即ち、前記突条32の内周面の傾斜面33に付着した異物は前記スリンガ16bの回転に基づく遠心力により、前記ラビリンスシール27dを通じて外部空間に排出される傾向になり、上述の様に異物の堆積防止を図れる。
更に本例の構造の場合には、シールリング17cを構成するシールリップ22a〜22dを4本とし、前記回転側円輪部19bの軸方向片面に2本のシールリップ22a、22dの先端縁を摺接させて、前記組み合わせシールリング12dのシール性をより一層向上させている。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明の組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対し支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットとして実施する事が、その作用・効果を十分に得る面からは最も好ましい。但し、異物の侵入防止を図る必要がある用途であれば、車輪支持用転がり軸受ユニットに限らずに実施できる。
又、車輪支持用転がり軸受ユニットに適用する場合でも、例えば半浮動式懸架装置に組み込む車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、軸方向内側のシール手段だけでなく軸方向外側のシール手段も、組み合わせシールリングとする場合がある。この様な場合には、車輪支持用転がり軸受ユニットの軸方向外側にも、必要に応じて、本発明の特徴とする組み合わせシールリングを組み込む。この場合には、当該組み合わせシールリングに関する軸方向の内外が、先の説明とは逆になる。
更には、本発明を、外輪回転型のシールリング付転がり軸受ユニットに適用する事もできる。この場合には、使用時に回転する外径側軌道輪部材にスリンガを、使用時にも回転しない内径側軌道輪部材にシールリングを、それぞれ嵌合固定する。従って、径方向に関する内外が、図示の実施の形態の各例と逆になる。
1 転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 外輪軌道
5 内輪軌道
6 玉
7 保持器
8 静止側フランジ
9 回転側フランジ
10 軸受内部空間
11 シールリング
12、12a、12b、12c 組み合わせシールリング
13 芯金
14 弾性材
15a、15b、15c シールリップ
16、16a、16b スリンガ
17、17a、17b、17c シールリング
18 回転側円筒部
19、19a、19b 回転側円輪部
20、20a、20b、20c 芯金
21、21a 弾性材
22a、22b、22c、22d シールリップ
23、23a、23b 静止側円筒部
24 静止側円輪部
25、25a、25b エンコーダ
26、26a シール内部空間
27、27a、27b、27c、27d ラビリンスシール
28 補助シールリップ
29 面取り部
30 環状小空間
31 筒状被覆部
32 突条
33 傾斜面

Claims (3)

  1. 互いに同心に配置された状態で相対回転する回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する軸受内部空間の端部開口を塞ぐ、スリンガ及びシールリングから成る組み合わせシールリングとを備え、このうちのスリンガは、前記回転側軌道輪の周面の一部で前記静止側軌道輪の周面に対向する部分に嵌合固定されたもので、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成し、回転側円筒部と、この回転側円筒部の軸方向端縁から前記静止側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった回転側円輪部とから成り、前記回転側円筒部を前記回転側軌道輪の周面に嵌合する事でこの回転側軌道輪に固定しており、前記シールリングは、前記静止側軌道輪の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定されたもので、前記静止側軌道輪に嵌合固定される芯金と、この芯金に基端部を支持された、複数本のシールリップを有する弾性材とを備え、このうちの芯金は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成し、静止側円筒部と、この静止側円筒部の軸方向端縁から前記回転側軌道輪に向けて径方向に折れ曲がった静止側円輪部とから成り、前記静止側円筒部を前記静止側軌道輪の周面に嵌合する事でこの静止側軌道輪に固定しており、前記各シールリップの先端部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させると共に、前記回転側円輪部の先端縁側の径と前記静止側円筒部の径とを規制して、これら回転側円輪部の先端部と前記静止側円筒部の先端縁とを軸方向に重畳させる事により、この回転側円輪部の先端側周縁と前記静止側軌道輪の周面との間部分から、この回転側円輪部の先端部片側面と前記静止側円筒部の先端縁との間部分に掛けて、屈曲したラビリンスシールを設けている組み合わせシールリング付転がり軸受ユニットに於いて、前記弾性材の一部を、前記静止側円筒部のうちで前記回転側円筒部に対向する周面全体を覆う筒状被覆部とすると共に、この筒状被覆部の先端面に前記静止側円筒部の先端縁よりも突出する補助シールリップを全周に亙って設け、この補助シールリップの先端縁を、前記回転側円輪部の軸方向側面でこの回転側円輪部の先端縁寄り部分に、全周に亙り摺接若しくは近接対向させている事を特徴とする組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット。
  2. 前記回転側円輪部の軸方向両側面のうちで前記静止側円輪部と対向する面と反対側の面に、高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪状として成る永久磁石製のエンコーダを添着し、このエンコーダの周縁を前記静止側軌道輪の周面に対向させて、当該部分にラビリンスシールを設けた、請求項1に記載した組み合わせシールリング付転がり軸受。
  3. 前記エンコーダを構成する高分子材料の一部により、前記回転側円輪部の先端側周縁を越えて前記静止側円輪部の側に向け全周に亙って突出する突条を形成し、この突条の先端縁と、前記静止側円筒部の先端縁或いは前記筒状被覆部の先端面との間部分を含めて、前記ラビリンスシールとした、請求項2に記載した組み合わせシールリング付転がり軸受。
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