JP2014020065A - 屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軒先側端面4aに取り付けられる樋材20は、第一底面部23aが水平配置されており、ケラバ側端面4bに取り付けられる樋材20は、第一底面部23aが、断面視において外部側に向かうにつれて迫り上がるようにして斜めに配置されている。そして、屋根1の外周端面4と樋材20との間に介在する鼻隠し部材40A,40Bは、樋材20の第一底面部23aの延長線上に配置される第三底面部44A,44Bを備える。また、鼻隠し部材40A,40Bと樋材20との間には、鼻隠し部材40A,40Bの長さ方向に沿って長尺なスリットEが形成されている。
【選択図】図3
Description
このように軒先側からケラバ側にかけて同一断面形状の樋材を取り付けることで、部品の共通化を図ることができるので、コストを削減や外観の連続性を得ることができる。
さらに、屋根裏の換気効率を向上させるために、特許文献2に記載のような鼻隠し部材を、屋根の軒先側だけでなく、屋根のケラバ側にも取り付けたいという要望がある。
前記樋材20(20A,20B)は、外部側に配置される第一底面部23aと、屋根側に配置される第二底面部23bとを有することによって断面略L字状の溝として形成された底面部23を備えており、
前記軒先側端面4aに取り付けられる樋材20は、前記第一底面部23aが水平配置されており、前記ケラバ側端面4bに取り付けられる樋材20は、前記第一底面部23aが、断面視において外部側に向かうにつれて迫り上がるようにして斜めに配置されており、
前記屋根1の外周端面4と前記樋材20(20A,20B)との間には、前記樋材20(20A,20B)の延在方向に沿って連続的に設けられ、屋根裏空間13と外部とを通気可能に連通する鼻隠し部材40(40A,40B)が介在しており、
前記鼻隠し部材40(40A,40B)は、前記樋材20(20A,20B)の前記第一底面部23aの延長線上に配置される第三底面部44(44A,44B)を備えており、
前記鼻隠し部材40(40A,40B)と前記樋材20(20A,20B)との間には、前記鼻隠し部材40(40A,40B)の長さ方向に沿って長尺なスリットEが形成されていることを特徴とする。
また、前記ケラバ側端面4bにおいては、風を、前記樋材20(20A,20B)の前記第一底面部23aと前記鼻隠し部材40(40B)の前記第三底面部44(44B)に沿って斜めに誘導できるので、効率良く風を逃がすことができる。また、前記軒先側端面4aにおいては、風を、前記ケラバ部3側へと逃がし、さらに前記ケラバ側端面4b側において斜めに配置された前記第一底面部23aと前記第三底面部44(44B)に沿って効率良く逃がせる。これによって、風による前記屋根1の軒先部2およびケラバ部3の経年劣化を抑制できる。
また、前記ケラバ側端面4bにおいては、斜めに配置された前記第一底面部23aと前記第三底面部44(44B)に付着した雨水を誘導して意図的に下方に落とすことができる。これによって、雨が上がった後の乾燥を早めることができるので、粉塵等の付着を抑制でき、前記第一底面部23aおよび前記第三底面部44(44B)を綺麗な状態に保つことができる。さらに、このように雨水を意図的に下方に落とせるので、例えば表面張力等によって長時間雨水が付着してしまう場合に比して、前記ケラバ側端面4bの前記樋材20および前記鼻隠し部材40(40B)の経年劣化をさらに抑制することができる。
前記軒先側端面4aの樋材20と前記ケラバ側端面4bの樋材20は、前記外周端面4のコーナー部において、互いの接合側端部が、平面視において同一角度Bで斜めカットされて接合されており、
前記軒先側端面4aの鼻隠し部材40Aと前記ケラバ側端面4bの鼻隠し部材40Bは、前記外周端面4のコーナー部において、互いの接合側端部が、平面視において同一角度Bで斜めカットされて接合されており、
前記樋材20,20同士の接合部26に現れる稜線26aと、前記鼻隠し部材40A,40B同士の接合部46に現れる稜線46aとが一直線上に配置されていることを特徴とする。
前記屋根1は、前記ケラバの出がほとんどない状態の屋根であり、
前記ケラバ側端面4bに取り付けられる鼻隠し部材40Bは、建物の外壁15近傍に配置されており、
前記鼻隠し部材40Bと前記外壁15との間には、前記鼻隠し部材40Bの長さ方向に沿って長尺なスリットFが形成されていることを特徴とする。
前記屋根1は、前記ケラバの出がある状態の屋根であり、
前記ケラバ側端面4bに取り付けられる鼻隠し部材40Bは、建物の外壁15から離間して配置されており、
前記鼻隠し部材40Bと前記外壁15との間にはケラバ天井材12が架設されており、
前記鼻隠し部材40Bは、前記ケラバ天井材12の外部側端部を見切るための見切り部45Bcを備えていることを特徴とする。
前記鼻隠し部材40(40A,40B)は、この鼻隠し部材40(40A,40B)と前記樋材20(20A,20B)との間に形成された前記スリットEに向かって開口する通気孔43a(43Aa,43Ba)を有することを特徴とする。
また、前記通気孔43a(43Aa,43Ba)は、前記スリットEに向かって開口するため、横向きに開口することになるので、該通気孔43a(43Aa,43Ba)から雨水が浸入しにくくなり、雨仕舞いをより向上できる。しかも、前記屋根1の軒先部2やケラバ部3を見上げた際に、前記通気孔43a(43Aa,43Ba)は下からは見えにくくなるので、前記軒先部2と前記ケラバ部3を見上げた際の外観性を向上できる。
なお、本実施の形態の屋根および該屋根が設けられる住宅等の建物は、該屋根や壁、床等の建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
また、このパネルとは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填されるものである。
また、前記樋材20(20A,20B)は、外部側に配置される第一底面部23aと、屋根側に配置される第二底面部23bとを有することによって断面略L字状の溝として形成された底面部23を備える。
また、前記軒先側端面4aに取り付けられる樋材20は、前記第一底面部23aが水平配置されており、前記ケラバ側端面4bに取り付けられる樋材20は、前記第一底面部23aが、断面視において外部側に向かうにつれて迫り上がるようにして斜めに配置されている。
さらに、前記屋根1の外周端面4と前記樋材20(20A,20B)との間には、前記樋材20(20A,20B)の延在方向に沿って連続的に設けられ、屋根裏空間13と外部とを通気可能に連通する鼻隠し部材40(40A,40B)が介在している。
そして、前記鼻隠し部材40(40A,40B)は、前記樋材20(20A,20B)の前記第一底面部23aの延長線上に配置される第三底面部44(44A,44B)を備える。
また、前記鼻隠し部材40(40A,40B)と前記樋材20(20A,20B)との間には、前記鼻隠し部材40(40A,40B)の長さ方向に沿って長尺なスリットEが形成されている。
前記屋根1は、上述のように建築用パネルで構成された屋根パネルである。この屋根パネルは、パネルの矩形枠を形成する縦横の框材1a,1aと、矩形枠の内部に縦横に組み付けられる桟材1b,1bと、これら框材1aおよび桟材1bの上面に貼設される面材1cとを備える。
前記框材1aのうち、前記屋根1の勾配方向に沿って配置されるものは垂木として機能することになる。また、前記桟材1bのうち、該垂木としての框材1aと平行かつ離間して配置されるものも同様に垂木として機能する。
また、前記框材1aのうち、前記垂木として機能する前記框材1aと前記桟材1bの軒先側端面に、該框材1aおよび桟材1bと直交して配置されるものは鼻隠し板として機能する。また、前記桟材1bのうち、該鼻隠し板としての框材1aと平行かつ離間して配置されるものは桁材として機能する。
さらに、前記面材1cは、後述する複数の屋根材5…,6…が葺設される野地板として機能することになる。
なお、本実施の形態の屋根1は切妻屋根としたが、これに限定されるものではなく、前記軒先部2および前記ケラバ部3を備える形態の屋根であれば良い。
前記一対の調整材1d,1dは、双方ともに同一の断面台形状に形成されており、一方の調整材1dが前記框材1aに固定されている。また、他方の調整材1dが、前記一方の調整材1dに対して、該一方の調整材1dとは天地を逆にした状態で固定されている。
また、前記他方の調整材1dのうち、前記屋根1の勾配方向下方に位置する面は、前記樋材20(20A,20B)が取り付けられる被取付面1fとされている。
前記一対の調整材1d,1dの断面形状を適宜変更することによって、例えば1/1や1/1.5、1/2・・・等、様々な勾配角度に設定された屋根でもそれぞれの軒先側端部に前記鉛直面1eを形成できる。なお、本実施の形態の屋根1は1/2勾配に設定されている。
したがって、前記屋根1の軒先側端部においては、前記樋材20(20A,20B)の前記屋根側面部21は、前記一対の調整材1d,1dを介して、前記鼻隠し板としての框材1aの側面(すなわち、前記軒先側端面4a)に固定されることになる。つまり、前記一対の調整材1d,1dは、前記屋根1の延長部として設けられるものであり、前記屋根1は、これら一対の調整材1d,1dを含んで構成されているものとする。
図示はしないが、換言すれば、前記屋根1を、前記一対の調整材1d,1dを使用せずに、所定長さ分延長させたり、適宜加工したりするなどして該一対の調整材1d,1d同様の機能を持たせようにしてもよいものとする。
一方、前記屋根1のケラバ側端部においては、前記樋材20(20A,20B)の前記屋根側面部21は、前記ケラバ側端面4bである前記垂木としての框材1aの側面と前記面材1cの側端面に固定されることになる。
一方の前記ケラバ側端面4bは、前記框材1aの側面と前記面材1cの側端面とが面一な状態の鉛直面とされている。
該コーナー部としては、前記軒先側端面4aと前記ケラバ側端面4bとが出隅状に交差する出隅コーナー部と、前記軒先側端面4aと前記ケラバ側端面4bとが入隅状に交差する入隅コーナー部とがある。
なお、本実施の形態の屋根材5…,6…は、例えば粘土や陶器等の瓦が採用されているが、これに限られるものではなく、例えばスレートや金属製の屋根材等であってもよい。
前記屋根材6は、前記側壁部5bを除き、前記屋根材5と略同様に形成されている。すなわち、前記屋根材6は、前記ケラバ部3に配置されるものではないため、前記側壁部5bは具備されない。
また、前記屋根1の勾配方向に隣接する屋根材5,5(6,6)同士のうち、勾配方向上方に位置する屋根材5(6)の突条部5c,5cと、勾配方向下方に位置する屋根材5(6)の上面部5aとの間には水密材7が設けられている。
また、前記他方の調整材1dの上面には、前記屋根1の勾配方向と直交する方向に沿って、軒先側桟材10が固定されている。この軒先側桟材10上には、前記屋根1の軒先側端部に沿って並設される複数の屋根材5…,6…のうち、前記突条部5c,5cの傾斜方向下端部が載置されている。つまり、前記屋根1の軒先側端部に沿って並設される複数の屋根材5…,6…の傾斜方向下端部が、前記軒先側桟材10によって支持されている。
なお、前記軒先側桟材10と前記他方の調整材1dとの間には、前記屋根1の上面から前記樋材20の上部開口部25cにかけて配置される水切り部材9が介在した状態となっている。つまり、前記軒先側桟材10は、前記水切り部材9を釘51等で固定した後に、前記他方の調整材1d上に固定される。
さらに、前記軒天井材11の上面には野縁11aが取り付けられており、該野縁11aは、前記垂木としての框材1aまたは桟材1bに取り付けられた吊木11bによって、該框材1aまたは桟材1bに対して吊られている。
また、前記屋根裏空間13は、前記屋根1と前記軒天井材11との間の空間と、前記外壁17よりも建物中央側に位置する屋根1の下方空間とを指している。
なお、前記屋根裏空間13を構成する該空間同士は、図1に示すように、前記垂木としての框材1aおよび桟材1bの下面と、前記面材1cとの高低差により生じる空間部を利用して連通された状態となっている。つまり、前記垂木としての框材1aおよび桟材1bは、前記外壁17の上端部によって支持された状態となっている。
前記樋材20(20A,20B)は、図1,図2,図5,図6に示すように、上述のように前記屋根側面部21と、前記外部側面部22と、前記底面部23とを主体として構成された長尺物であり、上部には、雨水を流れこませるために前記上部開口部25cが形成された状態となっている。また、前記樋材20(20A,20B)は、本実施の形態においては金属製であるが、これに限定されるものではなく、樹脂製等でも良い。
さらに、前記樋材20(20A,20B)は、前記屋根側面部21の上端部に一体形成されるとともに、該屋根側面部21よりも屋根1側に延出する延出部24を備える。
また、前記樋材20(20A,20B)は、前記上部開口部25cを含んで構成される上面部25を備える。
ただし、いずれの形態の樋材20,20A,20Bであっても、その断面形状は、図6に示すように同一とされている。つまり、前記コーナー用樋材20A,20Bは、二つの同一断面の前記樋材20,20同士が接合されることによって形成されている。より詳細には、前記コーナー用樋材20A,20Bは、前記二つの樋材20,20の接合側端部を、平面視(または底面視)において同一角度Bで斜めカットしたもの同士を接合することによって構成されている。また、これら樋材20,20同士の接合部26には、稜線26aが現れる。
なお、前記角度Bは、本実施の形態においては45度に設定されている。したがって、前記コーナー用樋材20A,20Bは、平面視において直角に形成されている。
この屋根側面部21は、断面視において略L字状に形成されるとともに前記被取付面1fに対して山型に突出する取付部21aを有する。なお、該取付部21aは、前記屋根側面部21の下端部に一体形成されている。
前記取付部21aを構成する二つの面のうち、上側の面にはビス孔(図示せず)が形成されており、ビス50を、該ビス孔から斜めに前記被取付面1fに対してねじ込むことによって、前記屋根側面部21を前記被取付面1fに固定できるようになっている。
また、上述のように、前記第一底面部23aに対する該外部側面部22の角度Aは、屋根勾配プラス90度に設定されている。本実施の形態の屋根1は1/2勾配であるため、具体的に前記角度Aは、116.57度となる。例えば前記屋根1が1/3勾配の場合には、前記角度Aは、108.43度となる。
なお、前記第一底面部23aと前記第二底面部23bとは一体形成されており、前記第一底面部23aと前記第二底面部23bとで構成される前記断面略L字状の溝の内側面は、図6に示すように、断面視において曲面とされている。
一方、前記樋材20を前記ケラバ側端面4bに固定した場合は、前記ケラバ側端面4bは鉛直面であるため、前記第一底面部23aは、前記外部側面部22に向かって迫り上がるようにして斜めに配置されることになる。
なお、前記第一底面部23aの屋根側端部から外部側端部までの長さは、前記屋根1の勾配に関わらず一定の長さに設定されている。
また、前記第二底面部23bの、前記第一底面部23a側の端部から前記屋根側面部21の前記取付部21a側の端部までの長さは、前記屋根1の勾配角度に応じて製造段階で適宜変更される。つまり、前記屋根1の勾配角度が大きく(高く)なれば、これに応じて前記角度Aも大きくなるため、その分、前記第一底面部23a側の端部から前記屋根側面部21の前記取付部21a側の端部までの長さも長くなる。反対に、前記屋根1の勾配角度が小さく(低く)なれば、これに応じて前記角度Aも小さくなるため、その分、前記第一底面部23a側の端部から前記屋根側面部21の前記取付部21a側の端部までの長さも短くなる。
また、これに応じて、前記屋根側面部21に対する該第二底面部23bの角度も製造段階で適宜変更されることになる。
また、前記延出部24にはビス孔(図示せず)が形成されており、ビス50を、該ビス孔から前記屋根1の上面に対してねじ込むことによって、該延出部24を前記屋根1の上面に固定できるようになっている。
したがって、前記延出部24と前記屋根側面部21とで、前記屋根1の外周端部を上方および側方から挟み込んだような状態となっている。
また、前記一方の部位25aは、前記屋根側面部21に対する角度は90度に設定されており、前記他方の部位25bは、前記外部側面部22に対する角度は90度に設定されている。
前記被固定部25d,25eのそれぞれは、前記上面部25の下面から下方に向かって突出する突出板部と、該突出板部の下端部から前記上部開口部25c側に突出するとともに前記樋カバー材30が固定される被固定板部とを備える。前記樋カバー材30は、該被固定板部に対して、ビス50で固定されている。
なお、前記ジョイナー27は、前記樋材20の内周面形状に対応して形成されている。
また、前記ジョイナー27と前記連結部分の内周面との間には、図示はしないが、該連結部分からの漏水を防ぐためのシール材が介在しているものとする。
また、前記外部側面部22の下端部に前記第一底面部23aが一体形成され、前記第一底面部23aに対する前記外部側面部22の角度Aが屋根勾配プラス90度に設定されているので、前記軒先側端面4aに取り付けられる前記樋材20の前記第一底面部23aは、図1,図3に示すように、水平配置されることになる。
一方、前記樋材20を前記ケラバ側端面4bに取り付けた際には、前記屋根側面部21と前記外部側面部22とが等しい高さに配置されることになるので、図2,図3に示すように、前記第一底面部23aは、前記外部側面部22に向かって迫り上がるようにして斜めに配置されることになる。
また、前記樋材20が前記ケラバ側端面4bに固定され、前記第一底面部23aが、前記外部側面部22に向かって迫り上がるようにして斜めに配置されることにより、前記第二底面部23bは、前記屋根側面部21に向かって迫り上がるようにして斜めに配置されることになる。
前記樋カバー材30は、図1および図2に示すように、前記軒先部2側に設けられるものを樋カバー材30Aと称し、前記ケラバ部3側に設けられるものを樋カバー材30Bと称する。
すなわち、前記樋カバー材30Aは、前記軒先側端面4aの長さ方向に沿って長尺に形成されている。また、前記樋カバー材30Bは、前記ケラバ側端面4bの長さ方向に沿って長尺に形成されており、前記屋根1の勾配方向に応じ、傾斜して配置されている。
前記鼻隠し部材40は、図1〜図3に示すように、前記軒先部2側に設けられるものを鼻隠し部材40Aと称し、前記ケラバ部3側に設けられるものを鼻隠し部材40Bと称する。
すなわち、前記鼻隠し部材40Aは、前記軒先側端面4aの長さ方向に沿って長尺に形成されている。また、前記鼻隠し部材40Bは、前記ケラバ側端面4bの長さ方向に沿って長尺に形成されており、前記屋根1の勾配方向に応じ、傾斜して配置されている。
また、前記鼻隠し部材40Bと前記樋材20(20A,20B)の前記第二底面部23bとの間にも、前記鼻隠し部材40Bの長さ方向に沿って長尺な前記スリットEが形成されている。
さらに、前記鼻隠し部材40Bと前記外壁15との間には、前記鼻隠し部材40Bの長さ方向に沿って長尺なスリットFが形成されている。なお、前記外壁15の表面には、胴縁16aを介して外壁材16が取り付けられており、前記スリットFは、該外壁材16と前記鼻隠し部材40Bとの間に形成されているものとする。
また、本実施の形態の鼻隠し部材40Aは、一枚の金属板を適宜折曲加工することによって形成されている。
なお、前記固定部41Aを前記一対の調整材1d,1dのいずれか一方にビス固定する際は、ビス頭部によって、前記一対の調整材1d,1d同士の位置関係が設計値と異なるものにならないように、適宜対応する必要がある。
前記突出部42Aは、前記スリットEを下から見上げた際に、該スリットEの天井として機能する。これによって、前記突出部42Aよりも上方に位置する前記他方の調整1dを隠すことができるので、外観性の向上を図ることができる。
さらに、前記スリットEに吹き込む空気を、前記突出部42Aに沿って、後述する複数の通気孔43Aa…へと誘導できるようになっている。
さらに、前記正面部43Aには、この正面部43Aの長さ方向に並んで複数の通気孔43Aa…が形成されている。つまり、前記鼻隠し部材40Aは、前記スリットEに向かって開口する前記複数の通気孔43Aa…を有することになる。
前記第一開口部43Abは、前記スリットEに面する開口である。
前記遮蔽壁部43Acは、前記第一開口部43Abに対して前記正面部43Aよりも屋根1側に後退した位置で対向配置されている。
前記第二開口部43Ad,43Adは、第一開口部43Abおよび遮蔽壁部43Acの左右両側にそれぞれ開口している。
このような形状の前記通気孔43Aaによれば、前記鼻隠し部材40Aの内部に入り込もうとする雨水や虫が、前記第一開口部43Abから入った後に、前記遮蔽壁部43Acに当たることになる。
なお、本実施の形態の通気孔43Aaは、前記正面部43Aを、パンチング技術等を採用して適宜加工することによって形成されている。
そして、前記底面部44AのスリットE側端部と、前記第一底面部23aのスリットE側端部とが、前記スリットEの開口縁部とされている。
また、前記背面部45Aは、前記軒天井材11の端部が載置されるとともに該端部を見切る見切り部45Aaと、前記垂木としての前記框材1aまたは前記桟材1bの下面に沿って傾斜する板状の傾斜部45Abとを有する。なお、この傾斜部45Abと前記切欠部Hとによって、前記屋根裏空間13への通気路が形成された状態となっている。
また、本実施の形態の鼻隠し部材40Bは、一枚の金属板を適宜折曲加工することによって形成されている。
前記突出部42Bは、前記ケラバ部3側で前記スリットEを見上げた際に、該突出部42Bよりも上方に位置する前記樋材20(20A,20B)の固定箇所を隠すことができるので、外観性の向上を図ることができる。
さらに、前記正面部43Bには、この正面部43Bの長さ方向に並んで複数の通気孔43Ba…が形成されている。つまり、前記鼻隠し部材40Bは、前記スリットEに向かって開口する前記複数の通気孔43Ba…を有することになる。なお、これら複数の通気孔43Baの構成は、上述の通気孔43Aaと同一である。
そして、前記底面部44BのスリットE側端部と、前記第一底面部23aのスリットE側端部とが、前記スリットEの開口縁部とされている。
また、前記背面部45Bは、前記スリットFを形成するように折曲加工された折曲部45Baと、前記桟材1bに当接固定される固定部45Bbとを有する。
そして、前記スリットFは、該折曲部45Baの前記底面部44Bの屋根側端部から上方に突出する部位と前記外壁材16との間に形成されている。また、該折曲部45Baの前記水平に外壁15側に突出する部位が、前記スリットFの天井として機能する。
そして、前記樋材20,20同士の接合部26に現れる稜線26aと、前記鼻隠し部材40A,40B同士の接合部46に現れる稜線46aとが、図4に示すように、前記コーナー部において一直線上に配置されている。
例えば、図9に示すように、ケラバの出がある状態のケラバ部3は、前記屋根1が、前記外壁15から、ある程度突出した状態となっている。
そして、突出した前記屋根1の下面にはケラバ天井材12が野縁12aを介して取り付けられている。しかも、前記ケラバ天井材12は、前記鼻隠し部材40Bと前記外壁15との間に架設された状態となっており、前記屋根1の裏面の保護が可能となっている。
このようなケラバ部3に設けられる鼻隠し部材40Bは、前記外壁15から離間して配置されている。また、背面部45Bの構成が、ケラバの出がない状態のケラバ部3に設けられる鼻隠し部材40Bと異なる。つまり、該背面部45Bは、前記ケラバ天井材12の外部側端部を見切るための見切り部45Bcと、この見切り部45Bcの上端部に一体形成され、前記桟材1bと前記野縁12aとの間に挟み込まれる固定部45Bdとを有する。なお、この固定部45Bdは、前記鼻隠し部材40B側の前記野縁12aとともに釘51等によって固定されている。
また、前記ケラバ天井材12の外壁側端部は、前記外壁15側の前記野縁12aに取り付けられる見切り材12bによって見切られているものとする。
以上のように、前記背面部45Bの構成を若干変更するだけで、前記鼻隠し部材40Bを、ケラバの出がない状態のケラバ部3にも、ケラバの出がある状態のケラバ部3にも適用できる。そして、前記見切り部45Bcによって前記ケラバ天井材12の外部側端部を遮蔽でき、雨仕舞いの向上が可能となる。
また、前記ケラバ側端面4bにおいては、風を、前記樋材20(20A,20B)の前記第一底面部23aと前記鼻隠し部材40Bの前記第三底面部44Bに沿って斜めに誘導できるので、効率良く風を逃がすことができる。また、前記軒先側端面4aにおいては、風を、前記ケラバ部3側へと逃がし、さらに前記ケラバ側端面4b側において斜めに配置された前記第一底面部23aと前記第三底面部44Bに沿って効率良く逃がせる。これによって、風による前記屋根1の軒先部2およびケラバ部3の経年劣化を抑制できる。
また、前記ケラバ側端面4bにおいては、斜めに配置された前記第一底面部23aと前記第三底面部44Bに付着した雨水を誘導して意図的に下方に落とすことができる。これによって、雨が上がった後の乾燥を早めることができるので、粉塵等の付着を抑制でき、前記第一底面部23aおよび前記第三底面部44Bを綺麗な状態に保つことができる。さらに、このように雨水を意図的に下方に落とせるので、例えば表面張力等によって長時間雨水が付着してしまう場合に比して、前記ケラバ側端面4bの前記樋材20および前記鼻隠し部材40Bの経年劣化をさらに抑制することができる。
また、前記通気孔43a(43Aa,43Ba)は、前記スリットEに向かって開口するため、横向きに開口することになるので、該通気孔43a(43Aa,43Ba)から雨水が浸入しにくくなり、雨仕舞いをより向上できる。しかも、前記屋根1の軒先部2やケラバ部3を見上げた際に、前記通気孔43a(43Aa,43Ba)は下からは見えにくくなるので、前記軒先部2と前記ケラバ部3を見上げた際の外観性を向上できる。
1a 框材
1b 桟材
1c 面材
1d 調整材
1e 鉛直面
1f 被取付面
2 軒先部
3 ケラバ部
4 外周端面
4a 軒先側端面
4b ケラバ側端面
5 屋根材
6 屋根材
15 外壁
20 樋材
20A コーナー用樋材
20B コーナー用樋材
21 屋根側面部
22 外部側面部
23 底面部
23a 第一底面部
23b 第二底面部
24 延出部
25 上面部
25a 部位
25b 部位
25c 上部開口部
26a 稜線
30 樋カバー材
40 鼻隠し部材
40A,40B 鼻隠し部材
41A,41B 固定部
42A,42B 突出部
43A,43B 正面部
43Aa,43Ba 通気孔
44A,44B 第三底面部
45A,45B 背面部
46a 稜線
A 角度
B 角度
C 角度
D 角度
E スリット
F スリット
Claims (5)
- 軒先部とケラバとを有する勾配屋根のうち、連続する軒先側端面とケラバ側端面とからなる屋根の外周端面に沿って、上部が開口した樋材が連続的に複数取り付けられてなる屋根構造において、
前記樋材は、外部側に配置される第一底面部と、屋根側に配置される第二底面部とを有することによって断面略L字状の溝として形成された底面部を備えており、
前記軒先側端面に取り付けられる樋材は、前記第一底面部が水平配置されており、前記ケラバ側端面に取り付けられる樋材は、前記第一底面部が、断面視において外部側に向かうにつれて迫り上がるようにして斜めに配置されており、
前記屋根の外周端面と前記樋材との間には、前記樋材の延在方向に沿って連続的に設けられ、屋根裏空間と外部とを通気可能に連通する鼻隠し部材が介在しており、
前記鼻隠し部材は、前記樋材の前記第一底面部の延長線上に配置される第三底面部を備えており、
前記鼻隠し部材と前記樋材との間には、前記鼻隠し部材の長さ方向に沿って長尺なスリットが形成されていることを特徴とする屋根構造。 - 請求項1に記載の屋根構造において、
前記軒先側端面の樋材と前記ケラバ側端面の樋材は、前記外周端面のコーナー部において、互いの接合側端部が、平面視において同一角度で斜めカットされて接合されており、
前記軒先側端面の鼻隠し部材と前記ケラバ側端面の鼻隠し部材は、前記外周端面のコーナー部において、互いの接合側端部が、平面視において同一角度で斜めカットされて接合されており、
前記樋材同士の接合部に現れる稜線と、前記鼻隠し部材同士の接合部に現れる稜線とが一直線上に配置されていることを特徴とする屋根構造。 - 請求項1または2に記載の屋根構造において、
前記屋根は、前記ケラバの出がほとんどない状態の屋根であり、
前記ケラバ側端面に取り付けられる鼻隠し部材は、建物の外壁近傍に配置されており、
前記鼻隠し部材と前記外壁との間には、前記鼻隠し部材の長さ方向に沿って長尺なスリットが形成されていることを特徴とする屋根構造。 - 請求項1または2に記載の屋根構造において、
前記屋根は、前記ケラバの出がある状態の屋根であり、
前記ケラバ側端面に取り付けられる鼻隠し部材は、建物の外壁から離間して配置されており、
前記鼻隠し部材と前記外壁との間にはケラバ天井材が架設されており、
前記鼻隠し部材は、前記ケラバ天井材の外部側端部を見切るための見切り部を備えていることを特徴とする屋根構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の屋根構造において、
前記鼻隠し部材は、この鼻隠し部材と前記樋材との間に形成された前記スリットに向かって開口する通気孔を有することを特徴とする屋根構造。
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