JP2014019845A - ホールシュリンク用ブロックコポリマー - Google Patents

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Abstract

【課題】200℃以下の加熱による相分離で、元のホールに対して、ホールシュリンク法により微細化ホールを得ることができるブロックコポリマーの提供。
【解決手段】芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートをブロック部分として含むブロックコポリマーであって、該ブロックコポリマーは、開始剤としてノルマルブチルリチウムを用いて合成されたものであり、該ブロックコポリマーの分子量は、1万以上100万以下であり、該芳香環含有ポリマー部分の分子量分布が1.08以上であり、そして該芳香環含有ポリマー部分Mと該ポリ(メタ)アクリレート部分MIIのモル比(M:MII)は、1:1〜10:1である前記ブロックコポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホールシュリンク用ブロックコポリマーに関する。より詳しくは、本発明は、200℃以下の加熱による相分離でもホールシュリンクが可能なブロックコポリマー、及びそれを用いホールシュリンク方法に関する。
国際半導体技術ロードマップ(ITRS)によると、2016年に16nmノードの微細加工技術が必要と言われている(以下の非特許文献1参照)。
このレベルの超微細加工を達成する手法の一つとして、ブロックコポリマーを用いたDSA(Directed Self-Assembly)が注目されている。DSAとは、リソグラフィーにより形成されたパターン内にブロックコポリマーのミクロ相分離構造を形成させることにより、更に微細化されたパターンを形成させる技術である。
例えば、以下の特許文献1には、フォトレジストを用いて形成した直径60〜110nmの円形ホール及び長径×短径が88nm×71nm〜133nm×96nmの楕円形ホールに、ポリスチレン(以下、PSともいう。)とポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAともいう。)からなるブロックコポリマー(以下、PS-b-PMMAともいう。)を埋め込み、自己組織化させ、該ホールの中心にPMMA部分からなる円筒構造部を形成させ、その部分をプラズマエッチング等で除去することにより、それぞれ直径40〜45nmの微細化された円形ホール、長径×短径が55nm×30nm〜100nm×30nmの微細化された楕円形ホールを形成しうることが開示されている。このような技術は「ホールシュリンク」と呼ばれる。
また、特許文献1には、フォトレジストを用いて形成した直径60〜110nmのホール同士が、ピッチが小さすぎて分離できなかった場合でも、PS-b-PMMAを埋め込み、自己組織化させることで、PMMA部分からなる分離した円筒構造部を形成させ、該部を除去することにより、分離したホールを形成しうることが開示されている。このような技術は「ホール自己修復」と呼ばれる。
特開2010−269304号公報 国際公開WO2010/131680号公報
International Technology Roadmap for Semiconductors 2011 Edition Lithography P.14-15 (http://www.itrs.net)
DSA技術を用いてホールシュリンク、ホール自己修復を行なうには、ブロックコポリマーの相分離によって形成された微細化孔をプラズマエッチング等により、選択的に除去することが必要である。そのために、微細化孔となる部分のブロックコポリマーの成分は、該孔の周囲の成分よりもプラズマエッチングされ易いことが必要である。一般に芳香環を含む構造はプラズマエッチング耐性を示し、他方、(メタ)アクリル酸エステル構造はエッチングされ易いので、その組み合わせのブロックコポリマーは好ましい成分である。
このようなブロックコポリマーの合成法として、例えば、スチレンのような芳香環を含むビニルモノマーをリビングアニオン法により重合して末端にアニオンを有する活性ポリスチレンを形成させ、その後、メタクリル酸メチル(以下、MMAともいう。)のような(メタ)アクリレートモノマーを添加することにより、芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートをブロック部分として含むブロックコポリマーを合成する方法が挙げることができる。このようなリビングアニオン法によるブロックコポリマーの合成で、通常用いられる開始剤は、分子量分布を狭くするという観点から、セカンダリーブチルリチウム、クミルカリウム、カリウムナフタレン、リチウムナフタレン、α−メチルスチレンのリチウム塩やカリウム塩である。しかしながら、これらの開始剤を用いてリビングアニオン法により合成したブロックコポリマーの場合、200℃以下の加熱による相分離では、、フォトリソグラフィー等により形成されたホールの内部において、エッチング耐性が低い成分からなる円筒状の微細孔が形成されにくいという問題があった。
以上に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、200℃以下の加熱による相分離でも、フォトリソグラフィー等により形成されたホールの内部において、エッチング耐性が低い成分からなる円筒状の微細孔が形成され易いブロックコポリマー、及び該ブロックコポリマーを含むホールシュリンク用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、200℃以下の加熱でも相分離が起こり、フォトリソグラフィー等により形成されたホールの内部において、エッチング耐性が低い成分からなる円筒状の微細孔を形成することができるよう、鋭意検討し実験を重ねた結果、リビングアニオン法によりノルマルブチルリチウムを開始剤として用いて合成することで得られる、芳香環含有ポリマー部分の分子量分布が1.08以上である、芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートをブロック部分として含むブロックコポリマーを用いることで前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートをブロック部分として含むブロックコポリマーであって、該ブロックコポリマーは、開始剤としてノルマルブチルリチウムを用いて合成されたものであり、該ブロックコポリマーの分子量は、1万以上100万以下であり、該芳香環含有ポリマー部分の分子量分布は1.08以上であり、そして該芳香環含有ポリマー部分Mと該ポリ(メタ)アクリレート部分MIIのモル比(M:MII)は、1:1〜10:1である前記ブロックコポリマー。
[2]前記芳香環含有ポリマーがポリスチレンであり、そして前記ポリ(メタ)アクリレートがポリメタクリル酸メチルである、前記[1]に記載のブロックコポリマー。
[3]以下の工程:
開始剤としてノルマルブチルリチウムを用いて、エーテル溶媒中、−80〜−20℃の温度範囲で、芳香環含有ポリマー部分を合成し、そして
エーテル溶媒中、−100〜−70℃の温度範囲で、ポリ(メタ)アクリレート部分を合成する、
を含む、前記[1]又は[2]に記載のブロックコポリマーの製造方法。
[4]前記[1]又は[2]に記載のブロックコポリマー又は前記[3]に記載の方法により製造されたブロックコポリマーを含有するホールシュリンク用樹脂組成物。
[5]以下の工程:
ホールが形成された基板に、前記[4]に記載のホールシュリンク用樹脂組成物を塗布し、
該ホール内に充填された該樹脂組成物を、200℃以下の加熱で、前記ブロックコポリマーのポリ(メタ)アクリレート部分の島部分と、該島部分を取り囲む前記ブロックコポリマーの芳香環含有ポリマー部分の海部分とに相分離させ、そして
該島部分をエッチングにより除去する、
を含むホールシュリンク方法。
本発明に係るブロックコポリマー又は該ブロックコポリマーを含む樹脂組成物を用いることで、200℃以下の加熱でも相分離が起こり、フォトリソグラフィー等により形成されたホールの内部において、エッチング耐性が低い成分からなる円筒状の微細孔を形成することができる。
ホールシュリンクプロセスの概略図である。 実施例1と比較例1のホールシュリンクの結果を示す写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、ホールシュリンク工程を説明する。
(a)は、その中にブロックコポリマーによるミクロ相分離構造を形成させる開口部が並んだ基板であり、開口部を有する層(A1)と下地基板(A2)から成る。この開口部を有する基板としては、フォトレジスト膜をフォトリソグラフィーで加工したもの、又は加工したフォトレジストパターンをマスクにしてその下の層をエッチング加工し、該フォトレジストを除去した基板等が代表的なものである。(b)は、(a)の開口部にブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物(B1)を充填した状態を示す。充填は、一般的にブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物(B1)の有機溶剤溶液をA1にスピンコートし、溶媒を加熱除去することにより達成される。次いで、かかるブロックコポリマー等が充填された基板をホットプレートやオーブンを用いて加熱して、ブロックコポリマーの自己組織化構造を形成させる。その状態を(c)に示す。ここでC1は相分離構造で言う「海」の部分であり、C2は「島」の部分である。次いで、プラズマエッチング等により島の部分を除去する。ここで、海の部分がエッチングされにくい芳香環含有ポリマー部分であり、島の部分がポリ(メタ)アクリレート部分になるように設計する必要がある。エッチング後の断面の様子を(d)に示す。島の部分が除去されることで形成された開口部(D1)が本発明に係る微細化ホールとなる。
次に、本発明に係るブロックコポリマーについて説明する。
本発明に係るブロックコポリマーを構成するブロックの必須成分の一つである芳香環含有ポリマー部分の代表例としては、芳香環又はピリジン環のような複素芳香環を有するビニルモノマーの単独重合体又は共重合体であり、例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリエチルスチレン、ポリt−ブチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリN,N−ジメチルアミノスチレン、ポリクロロスチレン、ポリブロモスチレン、ポリトリフルオロメチルスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリシアノスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリイソプロペニルナフタレン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。ここで、本発明においてより好ましく用いられる芳香環含有ポリマーは、相分離性に優れる点、原料モノマーの入手性、合成の容易性の観点から、ポリスチレン(PS)である。
本発明に係るブロックコポリマーを構成するブロックのもう一つの必須成分であるポリ(メタ)アクリレート部分は、下記のアクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーからなる群から選ばれる単独重合体又は共重合体である。かかるアクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。最も好ましいポリ(メタ)アクリレートは、相分離性に優れる点、原料モノマーの入手性、合成の容易性の観点から、メタクリル酸メチルの単独重合体ポリメタクリル酸メチル(PMMA)である。
本発明に係るブロックコポリマーは、ノルマルブチルリチウムを開始剤として用いてリビングアニオン重合によって合成された、芳香環含有ポリマー部分の分子量分布が1.08以上である、上記芳香環含有ポリマーの片末端又は両末端と上記ポリ(メタ)アクリレートの片末端又は両末端が結合した、ジブロック、トリブロック又はそれ以上のマルチブロックコポリマーである。芳香環含有ポリマー部分の分子量分布は、芳香環含有モノマーへの開始剤の付加速度Kiと、開始剤付加体へのモノマーの付加速度Kpの比によって決まり、KiがKpに対して大きいほど分子量分布が狭くなる。ノルマルブチルリチウムの場合は、セカンダリーブチルリチウムやクミルポタシウムに比べてKiがKpに対して小さく、分子量分布が広くなる。本発明に係るブロックコポリマーは、合成の容易性の観点から、好ましくは、芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートの片末端同士が結合したジブロックコポリマーであり、より好ましくはPSとPMMAのジブロックコポリマーである。
なお、上記ブロックコポリマー中には、上記芳香環含有ポリマー部分とポリ(メタ)アクリレート部分以外に、50モル%を超えない割合でその他のポリマー成分のブロックを含むこともできる。すなわち、本発明に係るブロックコポリマー全体に対する、該芳香環含有ポリマー部分と該ポリ(メタ)アクリレート部分の合計の比率は、50モル%以上である。その他のポリマー成分の具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ノルマルブチルリチウムを開始剤として用いたリビングアニオン重合による上記芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートのブロックコポリマーの合成は、通常、まず、ノルマルブチルリチウムを開始剤として用いて芳香環含有ポリマーを合成した後、その末端を開始点として、(メタ)アクリレートモノマーを重合することによって行われる。ここで、用いることのできる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル等を挙げることができる。
これらの中では、ポリ(メタ)アクリレートの溶解性の観点から、芳香族炭化水素又はエーテルが好ましく、溶媒の発癌性やポリ(メタ)アクリレートの重合性の観点から、エーテルがより好ましい。また、エーテル溶媒を用いる場合は、芳香環含有ポリマー部分の合成については、活性な重合末端の、溶媒との反応による失活抑制の観点から、重合温度は0℃以下、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−40℃以下、モノマーの反応性の観点から、−80℃以上にするのが好ましくい。他方、ポリ(メタ)アクリレート部分の合成については、重合末端の失活性の観点から、−70℃以下、モノマーの反応性の観点から、−100℃以上にするのが好ましい。
上記ブロックコポリマー及び芳香環含有ポリマー部分の分子量及び分子量分布は以下の方法により求められる。
まず、ブロックコポリマーのうち、芳香環含有ポリマーの合成が完結した時点で、反応混合物から、活性末端を有する芳香環含有ポリマーの一部を抜き取り、メタノール等の貧溶媒に投入して芳香環含有ポリマーを単離する。単離した芳香環含有ホモポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCとも言う。)を測定し、芳香環含有ポリマー部分の分子量及び分子量分布を求める。
なお、ブロックコポリマー中の芳香環含有ポリマー部分は、ブロックコポリマー合成時にも副生することが多いので、合成したブロックコポリマーを、シクロヘキサンのような芳香環含有ポリマーに対して良溶媒であり、ポリ(メタ)アクリレートに対して貧溶媒である選択溶媒中でブロックコポリマーを洗浄して抽出することもできる。
次に、ブロックコポリマー溶液のプロトン核磁気共鳴スペクトル(NMR)を測定し、芳香環に直結するプロトンとポリ(メタ)アクリレートのエステル基に含まれるプロトンの数を求めることにより、芳香環含有ポリマー部分とポリ(メタ)アクリレート部分のモル比を計算し、モル比を質量比に換算して、GPCで得られた芳香環含有ポリマー部分の分子量にその質量比を乗じることでポリ(メタ)アクリレート部分の分子量を求める。両部分の分子量の和をもってブロックコポリマーの分子量とする。
本発明において、ホールシュリンクとは、基板に予め設けられた開口部の直径を更に小さくすることを言う。
本発明においては、上記ブロックコポリマーをホールシュリンクに用いることができる。上記ブロックコポリマーを含む樹脂組成物もホールシュリンクに使用することができ、このときブロックコポリマー以外の成分については、特に限定するものはない。
以下、本発明に係るブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物を用いて、ホールシュリンクを実施する方法について、詳しく説明する。前記したように、図1(a)は、ホールを形成する複数の開口部を有する基板である。開口部を有する層A1は、フォトリソグラフィーで形成された開口部を有するフォトレジスト層でもよいし、ナノインプリント、レーザー加工等で加工された層でもよく、また、それらの方法で形成されたパターンをマスクとして、エッチングすることによって開口部が形成された層でもよい。A1の開口部は、ホール、プレパターンとも呼ばれる。A2はその下地基板である。
基板としては、シリコンウェハー、化合物半導体ウェハー等の無機材料基板、有機材料基板、金属基板、配線基板、金属薄膜が付与された無機基板、ポリイミド薄膜が付与された無機基板、半導体デバイス等の複数の材料からなる基板が挙げられる。図1(b)は、図1(a)の開口部に、上記ブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物B1を埋め込んだ状態を示す。本発明に係るブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物は、それを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥させることによって、開口部に埋め込むことができる。溶液の調製に用いる有機溶媒としては、上記ブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物を溶解させることができるものであればいずれでもよく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAとも言う。)、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上混合して溶媒として使用することができる。より好ましい溶媒の例としては、N−メチルピロリドン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、PGMEAが挙げられる。該溶液に対する該ブロックコポリマー又は該樹脂組成物の質量比は、薄膜を形成するという観点から、好ましくは0.1~30質量%である。
開口部に上記溶液を充填する方法としては、スピンコート法、バーコート法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、インクジェット法等で塗布して充填する方法、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、オフセット印刷機等で充填する方法が挙げられる。膜厚の制御し易さという観点から、スピンコートが好ましく、その際の回転数としては30rpm〜5000rpmが好ましい。次いで、該溶液で開口部が充填された基板を、風乾、オーブン、ホットプレート等により加熱乾燥又は真空乾燥させて溶媒を除去する。溶媒除去の方法としては、大別してホットプレートのように基材の下側から直接伝熱させる方法と、オーブンのように高温の気体を対流させる方法とが挙げられる。次に、基板を更に加熱して、開口部の中で上記ブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物の相分離を起こさせる。この状態を図1(c)に示す。該ブロックコポリマー及び該樹脂組成物は、加熱されるに従い、開口部の中心部分にポリ(メタ)アクリレート部分が局在し、それを取り囲むように芳香環含有ポリマー部分が形成される。相分離構造の一般的な表現として、前者を「島」部分(図1(c)中C2で示す)、後者を「海」部分(図1(c)中C1で示す)と言う。この場合、島部分が開口部の表面から底部まで存在するシリンダー構造であることが好ましい。
図1(b)工程と図1(c)工程は連続して行なうことができ、また、オーブンのように高温の気体を対流させる方法よりも、ホットプレートのように基材の下側から直接伝熱させる方法の方が、より短時間で相分離が進み、海島構造を得ることができるため、好ましい。加熱温度は、好ましくは130℃以上200℃以下、より好ましくは140℃以上200℃以下、更に好ましくは150℃以上200℃以下である。加熱時間は、10秒以上100時間以下、好ましくは10時間以下、更に好ましくは1時間以下である。ホットプレート(直接伝熱)の場合、10秒以上1時間以下が好ましく、10秒以上30分以下がより好ましい。加熱温度が130℃以上ならば相分離構造を形成させることができ、200℃以下ならばポリマーの分解が抑えられる。また、ホットプレート(直接伝熱)の場合、加熱時間が10秒以上ならば相分離構造を形成させることができ、また1時間以下ならばポリマーの分解が抑えられる。加熱温度が高いほど短時間で海島構造パターンが得られる。
加熱の際の雰囲気は、窒素、アルゴン等不活性気体、空気、真空など特に限定されない。図1(d)に示すように、相分離したシリンダー状の島部分をエッチングにより除去することにより微細化ホールD1が形成される。すなわち、ホールシュリンクが実現する。エッチング方法としては、酸素、アルゴン、ハロゲンガス、四フッ化炭素等の気体を用いたドライエッチング法、有機溶媒や水溶液を用いたウェットエッチング法が使用される。紫外線、電子線等を照射した後に、上記エッチングを行なうこともできる。このようなホールシュリンク後のパターンの形状は、電子線顕微鏡(SEM)により観察することができる。
[実施例1]
1L容の三口フラスコに、脱水・脱気をしたテトラヒドロフラン(以下、THFとも言う。)490g、開始剤としてノルマルブチルリチウム(以下、n-BuLiとも言う。)のヘキサン溶液(0.16mol/L)1.25ml、モノマーとして脱水・脱気したスチレン20.9gを加えて、窒素雰囲気下で-60℃に冷却して30分撹拌した後、反応溶液を少量抜き出した。それから反応溶液を-78℃に冷却した後、第2モノマーとして、脱水・脱気したメタクリル酸メチル8.2gを加えて2時間撹拌した。その後、変性アルコール(日本アルコール販売(株)製ソルミックスAP-1)を3L入れた容器に、反応溶液を撹拌しながら加え、析出したポリマーをろ過し、80℃で3時間真空乾燥した。
スチレンを重合した後に抜き出した溶液をメタノールに加えたことにより生成したホモポリスチレンのGPCによる分析、及び生成物の1H NMR測定から、この生成物は、PS部分の分子量が13.4万かつPS部分の分子量分布が1.13(Mw/Mn)、PMMA部分の分子量が5.6万、全体の分子量が19万、全体の分子量分布(Mw/Mn)が1.10のポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル(PS-b-PMMA)であることがわかった。
なお、GPC装置は、東ソー(株)製HLC-8220であり、溶離液はクロロホルムであり、カラムは東ソー(株)製、TSKgel-SuperHZ-2000とTSKgel-SuperHZM-Nを直列に接続したものであり、カラム温度は40℃であり、流速は毎分1.0mlであった。分子量較正用標準物質として、東ソー(株)製TSKStandardポリスチレン(12サンプル)を用いた。1H NMRの測定には、重塩化メチレンを溶媒として、日本電子(株)製JNM-GSX400を用いた。
合成したPS-b-PMMAの1.0質量%のPGMEA溶液を作製し、これを直径94〜137nmのホールを持つ基板にスピンコートした。その後、110℃で90秒プリベークをして、溶媒を揮発させた。次に、190℃に設定されたホットプレートの上で20分間熱処理をし、室温に冷却した。この基板を、プラズマエッチング装置EXAM(神港精機(株)製)を用いて圧力60Pa、パワー133Wで酸素ブラズマでエッチングし、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察した所、94〜137nmのホールのいずれも、元のホールの内部に微細化されたホールが形成されたことが確認された。結果を図2に示す。
[比較例1]
開始剤をノルマルブチルリチウム(以下、n-BuLiとも言う。)のヘキサン溶液(0.16mol/L)1.25mlから、セカンダリーブチルリチウム(以下、s-BuLiとも言う。)のヘキサン溶液(1.0mol/L)0.18mlに代えた他は、実施例1と同様にPS-b-PMMAの合成を行なった。その後実施例1と同じ方法で分析した。この生成物は、PS部分の分子量が13.4万かつPS部分の分子量分布が1.06(Mw/Mn)、PMMA部分の分子量が5.7万、全体の分子量が19.1万、全体の分子量分布(Mw/Mn)が1.06のポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル(PS-b-PMMA)であることがわかった。
ここで合成したPS-b-PMMAを用いて、実施例1と全く同じくホールシュリンクのプロセスを行なったが、94〜137nmのホールのいずれも、元のホールの内部に微細化されたホールは形成されなかった。結果を図2に示す。
本発明に係るブロックコポリマー又は該ブロクコポリマーを含む樹脂組成物を用いることで、200℃以下の加熱による相分離でも、フォトリソグラフィー等により形成されたホールの内部において、エッチング耐性が低い成分からなる円筒状の微細孔を形成することができる。よって、本発明は、半導体の最先端微細構造体のパターン形成に好適に利用可能である。
A1 開口部を有する層
A2 下地基板
B1 ホールシュリンク用ブロックコポリマー又はそれを含む樹脂組成物
C1 自己組織化構造「海」部分
C2 自己組織化構造「島」部分
D1 微細化ホール

Claims (5)

  1. 芳香環含有ポリマーとポリ(メタ)アクリレートをブロック部分として含むブロックコポリマーであって、該ブロックコポリマーは、開始剤としてノルマルブチルリチウムを用いて合成されたものであり、該ブロックコポリマーの分子量は、1万以上100万以下であり、該芳香環含有ポリマー部分の分子量分布が1.08以上であり、そして該芳香環含有ポリマー部分Mと該ポリ(メタ)アクリレート部分MIIのモル比(M:MII)は、1:1〜10:1である前記ブロックコポリマー。
  2. 前記芳香環含有ポリマーがポリスチレンであり、そして前記ポリ(メタ)アクリレートがポリメタクリル酸メチルである、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  3. 以下の工程:
    開始剤としてノルマルブチルリチウムを用いて、エーテル溶媒中、−80〜−20℃の温度範囲で、芳香環含有ポリマー部分を合成し、そして
    エーテル溶媒中、−100〜−70℃の温度範囲で、ポリ(メタ)アクリレート部分を合成する、
    を含む、請求項1又は2に記載のブロックコポリマーの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載のブロックコポリマー又は請求項3に記載の方法により製造されたブロックコポリマーを含有するホールシュリンク用樹脂組成物。
  5. 以下の工程:
    ホールが形成された基板に、請求項4に記載のホールシュリンク用樹脂組成物を塗布し、
    該ホール内に充填された該樹脂組成物を、200℃以下で加熱で、前記ブロックコポリマーのポリ(メタ)アクリレート部分の島部分と、該島部分を取り囲む前記ブロックコポリマーの芳香環含有ポリマー部分の海部分とに相分離させ、そして
    該島部分をエッチングにより除去する、
    を含むホールシュリンク方法。
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