JP2014017789A - 撮像素子及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なAD変換特性を保ちつつ、高速且つ多ビットのAD変換を行うことを可能にした撮像素子を提供する。
【解決手段】行方向及び列方向に画素が配置された撮像素子において、列毎に画素信号を基準電圧と比較し、比較結果に応じて前記画素信号の振幅を制御した後にAD(アナログ‐デジタル)変換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像素子及び撮像装置に関する。
近年のデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置では、画素数の増大や連写速度の向上のため、撮像素子から画像信号を高速に読み出す技術が要求されている。従って、高速に読み出される信号を画素毎にアナログ−デジタル(AD)変換する場合、画素データあたりの変換時間もまた短時間であることが要求され、短時間に高精度な変換を行うことができる高性能なAD変換回路が必要である。
この課題を解決するため、CMOSイメージセンサと同様のプロセスで製造できるCMOS集積回路技術によるAD変換回路を撮像素子の画素の列毎に配置し、1行分の画素信号のAD変換を同時に行うカラムAD変換型の撮像素子の研究開発がなされている。カラムAD変換型の撮像素子では、AD変換回路の変換レートを1画素の読出しレートから1行の読出しレートまで落とすことができるため、撮像素子の1画面の読出しレートを高速化し易いという利点がある。
このようなカラムAD変換型の撮像素子として、特許文献1で示されるようにランプ信号と画素信号を比較器で順次比較し、画素信号を、比較器の出力が反転するまでの時間に対応したデジタル値に変換するランプ型のAD変換回路を採用しているものがある。しかし、このランプ型のAD変換回路は、画素信号の値が大きいほど比較器の出力が反転するまで時間を要するという問題がある。例えば、(N+2)ビットのAD変換時間は、Nビット変換時のおよそ4倍になる。
AD変換時間を短くするためには特許文献2のような方法が考えられる。特許文献2では、nビットのAD変換において、まずアナログ信号の振幅を、フルスケールのアナログ信号の振幅を2(kはnより小さい整数)で除算した閾値と比較する。AD変換は、ランプ電圧との比較により行う。2種類の傾きのランプ信号を生成し、画素信号が閾値より大きい場合には傾きが大きいランプ信号を使用し、画素信号が閾値以下の場合には傾きが小さいランプ信号を使用して、画素信号を(n−k)ビットのデジタル値にAD変換する。画素信号が閾値より大きい場合には、このAD変換結果をnビットのデジタルデータのMSB側の(n−k)ビットとし、画素信号が上記閾値以下である場合、nビットのデジタルデータのLSB側の(n−k)ビットとする。
特開平05−048460号公報 特開2010−45789号公報
通常、AD変換回路に入力されるランプ信号は、画素の列毎に配置される比較器に対して共通に供給されている。しかしながら、画素信号の大きさに応じて異なる傾斜のランプ信号発生回路を選択した場合、各々のランプ信号発生回路に接続される比較器の数は被写体によって異なりうる。接続される比較器の数が異なると、ランプ信号線に接続される負荷が変化するため、一定の変化量で高速に変化するランプ信号のリニアリティが崩れる可能性がある。この結果、AD変換特性が列毎に異なってしまう可能性がある。ランプ信号発生回路を列毎に配置すればこの問題は解決できるが、回路規模が増大するため好ましくない。また、使用するランプ信号を選択するためのスイッチが列毎に必要となるため、スイッチが発生するノイズによってランプ信号の品質が劣化し、ノイズやリニアリティなどのAD変換特性に影響を与える可能性がある。
そこで、本発明の目的は、ランプ信号を用いてAD変換するAD変換回路を列毎に有する撮像素子において、良好なAD変換特性を保ちつつ、高速かつ多ビットのAD変換を行うことを可能とすることである。
上記目的を達成するために、本発明の撮像素子は、複数の画素を行方向及び列方向に配置した画素領域と、前記画素から画素信号を読み出す手段と、列毎に設けられ、入力された信号を時間的に一定方向に変化するランプ信号と比較してデジタルデータに変換するAD変換回路を備える撮像素子において、予め定められた参照電圧と前記画素信号を比較し、前記画素信号が前記参照電圧未満のときは前記画素信号を、また前記画素信号が前記参照電圧以上のときは前記画素信号の振幅を小さくした信号を、前記AD変換回路に入力させる振幅制御手段と、前記画素信号が前記参照電圧未満のときはAD変換されたデータの上位に所定数のビットを付加し、前記参照電圧以上のときはAD変換されたデータの下位に所定数のビットを付加するデータ拡張手段とを有する
ことを特徴とする。
本発明によれば、ランプ信号を用いてAD変換するAD変換回路を列毎に有する撮像素子において、良好なAD変換特性を保ちつつ、高速且つ多ビットのAD変換を行うことを可能にした撮像素子を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るサンプルホールド回路及びAD変換回路の構成を示す図 本発明の第1〜3の実施形態に係る撮像装置の全体構成を示す図 本発明の第1〜3の実施形態に係る撮像素子の全体構成を示す図 本発明の第1〜3の実施形態に係る信号振幅制御部の構成例を示す図 本発明の第1実施形態に係る読出し動作のタイミングを示す図 本発明の第1〜2の実施形態に係るAD変換に要する時間を模式的に示した図 本発明の第2実施形態に係るサンプルホールド回路及びAD変換回路の構成を示す図 本発明の第2実施形態に係る読出し動作のタイミングを示す図 本発明の第3実施形態に係るサンプルホールド回路及びAD変換回路の構成を示す図 本発明の第3実施形態に係るAD変換に要する時間を模式的に示した図
[第1実施形態]
以下に、第1実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像素子を備えた撮像装置100の全体構成を示した図である。被写体からの光は、撮像レンズ101などで構成された結像光学系により撮像素子102に結像される。結像された被写体像はCMOSイメージセンサなどの撮像素子102で光電変換される。撮像素子102には、撮像素子102からのアナログ信号(画素信号)をデジタルデータに変換するアナログーデジタル変換回路(AD変換回路)が内蔵されている。デジタル信号処理回路DSP(Disital Signal Processer)103は、撮像素子102から出力されるデジタル画像信号に対する各種画像処理や圧縮・伸張処理などを行なう。
記録媒体104には、DSP103から出力された画像データが記録される。表示部105には、撮影した画像や各種メニュー画面などが表示される。表示部105には、液晶ディスプレイ(LCD)などが使用される。タイミングジェネレータ(TG)106は、撮像素子102やCPU107に各種駆動信号を供給する。CPU107は、DSP103,TG106などの制御を行う。RAM108は、DSP103と接続されており、画像データなどを一時記憶する。
図3は、撮像素子102の全体構成を示す図である。画素領域PAには、行方向にi個、列方向にj個の複数の画素201が配置されている。画素201は、入射した被写体の光像を光電変換して画素信号を出力する。各画素201で光電変換された画素信号は、垂直走査回路202から駆動線V1〜Vjを介して供給される駆動信号によって、垂直出力線H1〜Hiへ1行毎に転送される。
画素201から読み出された画素信号は、各列の相関二重サンプリング回路(CDS回路)203に入力され、画素ノイズが除去される。CDS回路203の出力は、サンプルホールド回路204によって列毎にサンプルホールドされる。サンプルホールド回路204でホールドされた各信号は、その後、AD変換回路(ADC)205に転送され、各画素信号は、アナログ値からデジタル値に変換され、AD変換データとして出力される。
各列のAD変換回路205は、ランプ型のAD変換回路である。画素信号との比較に用いる時間的に一定方向に変化するランプ信号が、ランプ信号発生回路206から共通に供給される。また、カウンタ207の出力も各列のAD変換回路205に共通に接続され、カウント値を供給する。AD変換回路205は、カウント値をAD変換の結果として出力し、結果はAD変換データとしてデータメモリ208へ格納される。その後、水平走査回路209によって、データメモリ208から1列分ずつのデータが撮像素子102から選択/転送され、出力される。
次に、図1に、各列のサンプルホールド回路204及びAD変換回路205の構成を示す。図1において、サンプルホールド回路204は、第1の信号転送スイッチ301と第1の記憶容量302から構成される。サンプルホールド回路204に入力された画素信号は、TG106の駆動信号ts1によって制御される第1の信号転送スイッチ301を介して第1の記憶容量302にホールドされる。
第1の記憶容量302は、バッファ303を経由して信号振幅制御部304に接続されると共に、第1のコンパレータ(CMP)305にも接続されている。第1のコンパレータ305では、第1の記憶容量302の信号が参照電圧Vmと比較され、その比較結果は、フリップフロップ(FF)306を経由して信号振幅制御部304に伝達される。FF306は、データ入力端子に第1のコンパレータ305の出力が接続され、信号ck1の立ち上がりでデータを取り込み保持し、信号res_lによってリセットされる。参照電圧Vmは、本実施形態では画素信号のフルスケール振幅の1/4に相当する電圧とする。
信号振幅制御部304では、FF306から入力される比較結果に基づいて、画素信号の振幅を制御する。具体的には、画素信号が参照電圧Vm未満である場合は、振幅をそのまま(1倍)とし、画素信号が参照電圧Vm以上である場合は、振幅を1/4倍する。信号振幅制御部304の出力は、第2のコンパレータ307の入力端子に接続される。
図4は、信号振幅制御部304の詳細な全体構成を説明する図である。ここで、信号振幅制御部304の動作について図1及び図4を参照して説明する。まず、バッファ303を経由して入力される画素信号は、TG106からの駆動信号ts2により第2の信号転送スイッチ401を閉じることにより、第2の記憶容量402及び第3の記憶容量403に記憶される。第2の記憶容量402と第3の記憶容量403は直列に接続されている。第2の記憶容量402と第3の記憶容量には、それぞれの容量の両端をショートする第1の短絡スイッチ404及び第2の短絡スイッチ405がそれぞれ接続されている。
画素信号が参照電圧Vm以上である場合には、第1のコンパレータ305の出力がHighレベルになり、信号ck1のタイミングでFF306の出力もHighとなるため、ORゲート406を介して第2の短絡スイッチ405がショートされる。この際、第2の記憶容量402と第3の記憶容量403の接続配線上にあるB点は、直接GNDへ接続されるので、第2の信号転送スイッチ401と第2の記憶容量402の接続配線上にあるA点の電位が変わる。ここでは、第2の記憶容量402の容量値を第3の記憶容量403の容量値の3倍にしているため、第2の短絡スイッチ405をショートした場合のA点の電位は元の1/4倍になる。つまり信号振幅制御部304は、入力された信号の振幅を1/4にすることができる。
図1に戻り、第2のコンパレータ307では、振幅制御後の画素信号とランプ信号のレベルが比較される。第2のコンパレータ307の出力は、ラッチ回路308へ入力されており、ランプ信号が画素信号のレベルを超えると第2のコンパレータ307の出力が反転する。ランプ信号を発生するタイミングに合わせてカウンタが動作し、カウンタの出力がラッチ回路(Latch)308に入力される。第2のコンパレータ307の出力が反転すると、その時のカウンタのカウント値がラッチ回路308に保持される。第2のコンパレータ307の出力が反転するまでの時間を計測することにより、AD変換が実行される。計測される時間は、カウンタのカウント値に対応している。画素信号が参照電圧未満Vmの場合は、第1及び第2の短絡スイッチを制御せずに、第2のコンパレータ307に画素信号を1倍のまま入力される。AD変換は画素信号が参照電圧Vm以上の場合と同様に行われる。
このとき、AD変換出力がNビットであるのに対して、カウンタは(N−2)ビット分、即ち、2(N−2)−1までのカウントを行うよう構成されている。ラッチ回路308に保持されたデータは、画素信号が参照電圧Vm未満の場合は、データ拡張部309においてデータの上位に2ビットの‘0’が付加される。画素信号が参照電圧Vm以上の場合は、ラッチ回路308に保持されたデータは実際の値の1/4になっているため、データ拡張部310において下位に2ビットの‘0’が付加される。続いて、FF306の出力に応じて出力データ選択部311が、データ拡張部309、310の一方のデータを選択してデータメモリ208へ出力する。
次に、この撮像素子102の動作タイミングについての概略を説明する。図5は、撮像素子102の動作を示すタイミングチャートである。k行目の読出し動作期間において、駆動信号ts1がHighレベルとなり、第1の転送スイッチ301を経由してk行目の各画素の信号が第1の記憶容量302に記憶される。駆動信号ts1がLowレベルとなった後、駆動信号ts2をHighレベルにする。第2の転送スイッチ401がオンになり、第1の記憶容量302の信号がバッファ303を経由して、第2の記憶容量402及び第3の記憶容量403へ転送される。
一方、駆動信号ts2をLowレベルにして第2の信号転送スイッチ401をオフにした後、FF306に信号ck1を入力し、画素信号と参照電圧Vmとの比較結果である第1のコンパレータ305の出力値をFF306に取り込む。FF306の出力端子Qの信号によって、信号振幅制御部304で画素信号の信号振幅が変更される。
その後、ランプ信号発生回路206によってランプ信号を発生し、k行目のAD変換動作を行う。このときk行目のAD変換動作とk+1行目の読出し動作とは並行して行われ、k+1行目の画素信号が第1の記憶容量302へ転送される。k行目のAD変換動作が終了すると、AD変換後のデジタルデータがデータメモリ208へ転送される。その後、水平走査回路209の動作によってデータメモリ208に格納されたk行目のデータは順次読み出されて、撮像素子102から出力される。k行目のデータがデータメモリへ転送された後、k+1行目のAD変換に備えて、信号res_l及びres_cをHighレベルにすることにより、FF306と第2の記憶容量402及び第3の記憶容量403などをリセットする。
図6は、縦軸に画素信号の信号レベル、横軸にAD変換に要する時間に対応したカウント値をとり、両者の関係を表した模式的な図である。一点鎖線で示すのが、参照電圧Vmのレベルである。図6(A)のように画素信号が参照電圧Vm未満である場合、画素信号とランプ信号のレベルを比較して、ランプ信号の値が画素信号を超えた時点のカウンタ207のカウント値Taが、ラッチ回路308に記憶される。このとき、カウント値Taの上位2ビットに‘0’を付加した値がAD変換回路205からの最終的な出力値になる。
次に、図6(B)のように画素信号が参照電圧Vm以上である場合、第1のコンパレータ305の出力により、信号振幅制御部304の短絡スイッチ405がショートされる。この結果、画素信号の振幅は1/4倍に変更された後にAD変換されて、カウンタ207のカウント値Tbがラッチ回路308に記憶される。この値Tbの下位2ビットに‘0’を付加した値がAD変換回路205からの最終的な出力値になる。
図に示すように、AD変換において、出力されるデータは14ビットの幅であるが、実際のカウントは12ビット分、4096カウントまでである。14ビットをカウントする場合に対して、変換時間は1/4で済むことになる。また、列毎に画素信号の振幅レベルに応じて使用するランプ信号の種類を切り換えることはしないので、ランプ信号線に接続される負荷が一定であり、ランプ信号の品質も確保し易い。これにより、良好なAD変換特性を保ちつつ、高速且つ多ビットのAD変換を行うことが可能となる。
なお、列毎のAD変換回路205が有する比較器307の出力の論理積信号をカウンタ207に供給し、全てのAD変換回路205でAD変換が完了した時点でカウント動作を終了するようにしてもよい。これにより、AD変換に要する時間をさらに短縮することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、第1のコンパレータ305を用いて画素信号と参照電圧Vmとの比較を行った。このため、ランプ信号との比較用の第2のコンパレータ307と合わせて、列毎に2つのコンパレータが必要であった。ここでは、参照電圧Vmとの比較用コンパレータをランプ信号との比較用コンパレータと兼用し、回路規模を抑えた構成について説明する。
図7に、各列のサンプルホールド回路204、AD変換回路205の構成を示す。サンプルホールド回路204の構成は図1と同じである。第1の記憶容量302の信号は、バッファ303を経由して信号振幅制御部304に伝達される。信号振幅制御部304の出力はコンパレータ307に接続され、参照電圧Vm或いはランプ信号と比較される。
コンパレータ307の出力は、ラッチ回路(Latch)308に入力されると共に、フリップフロップ(FF)306の入力にも接続される。FF306のクロック端子には信号ck1が、リセット端子には信号res_lが各々入力される。FF306の出力は、図1と同様に信号振幅制御部304及び出力データ選択部311に接続される。他は図1と同じであるため、説明を割愛する。
ここで、図8を用いて動作タイミングについて説明する。図8は、撮像素子102の動作を示すタイミングチャートである。まず、k行目のAD変換動作に先立ち、ランプ信号発生回路206の出力を一定の参照電圧Vmとする。このとき信号振幅制御部304は入力された画素信号をそのまま(1倍)出力している。コンパレータ307を使用して、画素信号と参照電圧Vmのレベルを比較する。コンパレータ307による参照電圧Vmとの比較結果は、信号ck1からパルスが入力された時点でFF306に保持される。
画素信号が参照電圧Vm以上の場合には、FF306の出力はHighレベルとなるため、信号振幅制御部304で信号振幅が1/4倍される。画素信号が参照電圧Vm未満の場合には、FF306の出力はLowレベルであり、信号振幅制御部304は信号振幅をそのまま(1倍)とする。その後、AD変換動作が開始され、ランプ信号発生回路206はランプ信号を発生し、カウンタ207はAD変換のためのカウント動作を開始する。AD変換終了後の動作は第1実施形態で説明したのと同様である。
以上により、参照電圧Vmとの比較とランプ信号との比較とを、コンパレータ307を時分割で使用することによって、第1実施形態の第1のコンパレータ305を不要とし、回路規模を抑制することが可能である。
[第3実施形態]
上述の第1および第2実施形態においては、参照電圧Vmをフルスケール振幅(Nビット)のうちの(N−M)ビットに相当する電圧とし、例としてN=14,M=2として説明してきた。しかし、画質に対する量子化誤差の与える影響と、仕様から要求されるAD変換速度のバランスから、適用するシステムによっては、フルスケール振幅に対して1/(2のべき乗)が最適な参照電圧Vmになるとは限らない。
ここでは図9、図10を用いて、参照電圧Vmがフルスケール振幅に対して1/(2のべき乗)でない場合の構成について説明する。図9は、本実施形態におけるサンプルホールド回路204及びAD変換回路205の構成を示す図である。図1と異なるのは、データ拡張部309において上位側に付加するビットが1ビットであることと、データ拡張部310において下位側に2ビットを付加した後にクリップ処理部601が配されていることである。この理由については後述する。参照電圧Vmは、フルスケール振幅×1/3のレベルとする。また、図10に示すように、ランプ信号の変化する範囲はフルスケール振幅の1/3までを包含し、カウンタのカウント動作は14ビット(16383)の1/3をカバーする5462までカウントするものとする。従って、カウンタは13ビットのフルスケールに対して途中までカウントすることになる。
画素信号が参照電圧Vm未満と判定された場合、FF306の出力はLowレベルとなるため、信号振幅はそのままでカウント動作が行われる。カウント結果のカウント値Taの上位に‘0’を1ビット付加した14ビットのデータがデータメモリへ出力される。これはカウントを13ビットの途中まで行っているためである。
画素信号が参照電圧Vm以上と判定された場合には、信号振幅を1/4倍した後にカウント動作が行われ、カウント結果のカウント値Tbの下位に‘0’を2ビット付加する。その後、クリップ処理部601で一定のビット数以上のデータの上限をクリップしてデータ幅を制限し、結果はデータメモリへ出力される。カウンタ207がカウントを13ビットの途中(5462)まで行っているため、下位2ビットを付加した場合に結果がカウント動作の上限値の14ビットに相当する16383を超えてしまう可能性がある。このため、クリップ処理部601は、出力データが16383を超えていた場合に出力データを16383に制限する。
以上、参照電圧Vmをフルスケール振幅の1/(2のべき乗)以外のレベルに設定する場合を説明した。この場合においても、AD変換時間は14ビットをカウントする場合に比べ、1/3の時間とすることができ、多ビットでも高速なAD変換を実現することが可能である。量子化誤差と光ショットノイズのバランスから、画質的に問題のないレベルに参照電圧Vmを設定することが可能となる。もちろん本実施形態でもコンパレータを1つにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の実施形態ではデータ拡張部において上位或いは下位に所定数の‘0’を付加してデータ拡張を行う構成としたが、本発明はこれに限られるものではない。撮像素子において画素信号の振幅が大きい場合(高輝度信号の場合)には、光ショットノイズの影響が大きくなり、量子化誤差が画質に与える影響は小さくなる。よって、下位に付加するビットについては‘0’だけでなく‘1’が含まれていても構わない。また、ランダムなデータを発生する回路をデータ拡張部に配し、下位にはこのランダムデータを付加するようにしても構わない。
また、上述の実施形態では最終的なデジタルデータの出力値を14ビット、実際のカウント動作は12ビットとして記載したが、これに限られるものではなく、システムに応じて好適なビット数で構成して構わない。勿論、信号振幅制御部で制御する振幅とデータビットの幅やカウンタのビット数はそれに応じて設定する必要がある。
また、上述の実施形態ではデータ拡張部を上位或いは下位にビットを付加する簡単な構成としているが、乗算器で構成しても構わない。例えば、実施形態3のように参照電圧Vmをフルスケール振幅の1/3とした場合、画素信号が参照電圧以上である場合には振幅制御部で振幅を1/3にし、データ拡張部で3倍のゲインを掛けるようにしても構わない。

Claims (7)

  1. 複数の画素を行方向及び列方向に配置した画素領域と、前記画素から画素信号を読み出す手段と、列毎に設けられ、入力された信号を時間的に一定方向に変化するランプ信号と比較してデジタルデータに変換するAD変換回路を備える撮像素子において、
    予め定められた参照電圧と前記画素信号を比較し、前記画素信号が前記参照電圧未満のときは前記画素信号を、また前記画素信号が前記参照電圧以上のときは前記画素信号の振幅を小さくした信号を、前記AD変換回路に入力させる振幅制御手段と、
    前記画素信号が前記参照電圧未満のときはAD変換されたデータの上位に所定数のビットを付加し、前記参照電圧以上のときはAD変換されたデータの下位に所定数のビットを付加するデータ拡張手段と、
    を有することを特徴とする撮像素子。
  2. 前記参照電圧と前記画素信号との比較と前記画素信号と前記ランプ信号との比較を時分割で行う比較手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
  3. 前記振幅制御手段は、画素信号が記憶される直列に接続された複数の容量と、少なくともいずれかの容量の両端を短絡するスイッチ手段とを備え、
    前記画素信号が前記参照電圧以上のときは、前記スイッチ手段によって前記容量の両端を短絡することによって前記画素信号の振幅を変更することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の撮像素子。
  4. 前記データ拡張手段は、前記画素信号が前記参照電圧以上のときは前記デジタルデータの下位に ‘0’および‘1’の少なくともいずれかからなる所定数のビットを付加し、前記画素信号が前記参照電圧未満のときは前記デジタルデータの上位に‘0’からなる所定数のビットを付加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像素子。
  5. 前記データ拡張手段における前記AD変換されたデータの下位への前記所定数のビットの付加は、前記AD変換されたデータの乗算によることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像素子。
  6. 前記データ拡張手段は、前記AD変換されたデータの下位へ前記所定数のビットが付加されたときは、前記所定数のビットが付加されたデータの一定のビット数以上をクリップする手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載された撮像素子と、前記撮像素子へ光を結像する結像光学系と、前記撮像素子からの出力を処理する信号処理回路を有することを特徴とする撮像装置。
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