JP2014017476A - コンデンサ用材料及びこれを用いたコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性を有すると共に、高容量化が可能であり、厚み分布が小さく、更に絶縁破壊しても、コンデンサの機能を維持し得るコンデンサ用材料を創案することにより、高容量、高耐熱、高耐圧のコンデンサを安定して作製すること。
【解決手段】本発明のコンデンサ用材料は、少なくとも厚み50μm以下の無機非晶質誘電体を含むコンデンサ用材料であって、該無機非晶質誘電体が液相法又は気相法で合成されてなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のコンデンサ用材料は、少なくとも厚み50μm以下の無機非晶質誘電体を含むコンデンサ用材料であって、該無機非晶質誘電体が液相法又は気相法で合成されてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンデンサ用材料に関し、例えば高容量、高耐圧、高耐熱のコンデンサに用いられる誘電体材料に関する。また、本発明は、コンデンサに関し、例えば高容量、高耐圧、高耐熱のコンデンサに関する。
これまで高容量のコンデンサとして、アルミ電界コンデンサ、電気二重層コンデンサ、フィルムコンデンサが使用されてきた。
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車の普及に伴い、高容量、高耐圧、高耐熱のコンデンサが求められている。これらの用途には、高容量、高耐圧の特長を活かして、プラスチックフィルムコンデンサが用いられている。しかし、プラスチックフィルムコンデンサは、耐熱性が十分ではない。
また、アルミ電界コンデンサも高容量、高耐圧であるが、耐熱性が十分ではない。
このような事情に鑑み、特許文献1には、リドロー成形した薄板のガラスフィルムを誘電体として使用し、コンデンサの耐熱性を高めることが提案されている。
しかし、特許文献1に記載のガラスフィルムは、厚み5μm以下、幅寸法10mm以上になるようにリドロー成形された場合、厚み分布(肉厚分布)が生じ易く、その後の巻き取りが困難になるという問題がある。具体的には、母材ガラスをリドローして、ガラスフィルムを成形する場合、母材ガラスの幅寸法に対して、ガラスフィルムの幅寸法が狭くなるため、母材ガラスに対して下方に延伸する力が、母材ガラスの中央領域よりも端部領域で伝わり易くなる。結果として、中央領域において、リドロー速度が相対的に速くなり、中央領域の厚みが端部領域の厚みよりも小さくなる。このような現象は、アスペクト比(幅寸法/厚み寸法)が2000以上の場合に生じ易くなる。
そして、厚み分布を有するガラスフィルム上に電極を形成して巻き取ると、最終的には、中央領域と端部領域で大きなずれが生じ、所定形状に組み上げることが困難になる。また、厚み分布を有するガラスフィルムを用いると、コンデンサの容量が不安定になり易い。
また、ガラスフィルムを用いたコンデンサの場合、一旦、絶縁破壊が起こると、ガラスフィルムが破損して、コンデンサとして機能し難くなるという問題もある。
本発明は、上記事業に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、耐熱性を有し、高容量化が可能であり、厚み分布が小さく、更に絶縁破壊しても、コンデンサの機能を維持し得るコンデンサ用材料を創案することにより、高容量、高耐熱、高耐圧のコンデンサを安定して作製することを技術的課題とする。
本発明者は、種々の検討を行った結果、厚みが小さい無機非晶質誘電体を用いると共に、この無機非晶質誘電体を液相法又は気相法で合成することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のコンデンサ用材料は、少なくとも厚み50μm以下の無機非晶質誘電体を含むコンデンサ用材料であって、該無機非晶質誘電体が液相法又は気相法で合成されてなることを特徴とする。ここで、「無機非晶質誘電体」には、ガラスだけでなく、例えば、結晶化ガラスも含む。具体的には、ポリシラザン中にTiO2等を分散させた後、熱処理して、ガラス化した後、更に熱処理して、結晶化させたものを含む。本発明のコンデンサ用材料には、無機非晶質誘電体のみで構成される材料のみならず、金属薄膜等と一体化したものも含む。
液相法又は気相法で無機非晶質誘電体を合成すれば、無機非晶質誘電体の厚みを容易に低減し得ると共に、無機非晶質誘電体の幅寸法を容易に拡大することができる。更に、無機非晶質誘電体の厚み分布を低減し易くなる。そして、無機非晶質誘電体を金属薄膜上に形成すれば、その金属薄膜を電極として機能させることが可能になる。
大きな面積の電極を形成する場合、無機非晶質誘電体の厚みが小さくなると、絶縁破壊時に無機非晶質誘電体が破損し難くなる。
第二に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体が層状のガラスであることが好ましい。このようにすれば、無機非晶質誘電体の厚み公差を低減し易くなる。
第三に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体の誘電率(25℃、100kHz)が3以上であることが好ましい。
第四に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体の誘電正接(25℃、100kHz)が0.1以下であることが好ましい。
第五に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体の幅寸法が10mm以上であることが好ましい。
第六に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体の厚み公差が±10%以下であることが好ましい。
第七に、本発明のコンデンサ用材料は、無機非晶質誘電体がSiO2を50質量%以上含むガラスであることが好ましい。
第八に、本発明のコンデンサは、絶縁層、第一の電極層、無機非晶質誘電体層、第二の電極層の順序の積層基本構造を有し、無機非晶質誘電体層が上記のコンデンサ用材料により形成されていることを特徴とする。
図1を用いて、本発明のコンデンサの積層基本構造を説明する。絶縁層1上には、第一の電極層2が形成されている。第一の電極層2上には、無機非晶質誘電体層(ガラス層)3が形成されている。無機非晶質誘電体層3の一部は、表面放電を防止するために、絶縁層1上に形成されている。無機非晶質誘電体層(ガラス層)3上には、第二の電極層4が形成されている。
第九に、本発明のコンデンサは、無機非晶質誘電体層がガラス層であることが好ましい。
第十に、本発明のコンデンサは、ガラス層が、無機非晶質誘電体の反応前駆体の塗布後、50℃以上の熱処理を行うことにより形成されていることが好ましい。
第十一に、本発明のコンデンサは、第一の電極層及び/又は第二の電極層の厚みが100nm以上であることが好ましい。
第十二に、本発明のコンデンサは、(第一の電極層の厚み/第二の電極層の厚み)の値が2以上であることが好ましい。
第十三に、本発明のコンデンサは、第一の電極層及び/又は第二の電極層がAl、Ni、Cu、Pt、Au、Agの何れかで構成されることが好ましい。
第十四に、本発明のコンデンサは、絶縁層の厚みが100μm以下であることが好ましい。
第十五に、本発明のコンデンサは、絶縁層がPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)の何れかであることが好ましい。
第十六に、本発明の積層コンデンサは、少なくとも厚み5μm以下の無機非晶質誘電体層を含むことを特徴とする。
本発明のコンデンサ用材料において、高容量で小型化を行うために、無機非晶質誘電体の厚みは50μm以下であり、好ましくは30μm以下、10μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1.5μm以下、1.2μm以下、1μm以下、0.8μm以下、特に0.5μm以下である。無機非晶質誘電体の厚みが50μmより大きくなると、無機非晶質誘電体層に亀裂が発生し易くなり、コンデンサに短絡モードが発生し易くなる。一方、無機非晶質誘電体の厚みが小さ過ぎると、絶縁破壊電圧が低下し易くなる。よって、高い絶縁破壊強度が要求される用途等では、無機非晶質誘電体の厚みは、好ましくは100nm以上、300nm以上、500nm以上、特に800nm以上である。
本発明のコンデンサ用材料において、無機非晶質誘電体の誘電率(25℃ 1MHz)は、好ましくは3以上、4以上、4.5以上、5以上、特に6以上である。誘電率(25℃ 1MHz)が高い程、高容量のコンデンサを作製し易くなる。或いは、同一容量であれば、コンデンサの小型化を達成し易くなる。なお、無機非晶質誘電体の誘電率(25℃ 1MHz)を高めるために、無機非晶質誘電体を形成するための反応前駆体中にTiO2、Nb2O5等のナノ粒子を分散させることが好ましい。
本発明のコンデンサ用材料において、無機非晶質誘電体の誘電正接(25℃、1MHz)は、好ましくは0.1以下、0.05以下、0.01以下、0.005以下、特に0.001以下である。誘電正接(25℃、1MHz)が低過ぎると、誘電損失による発熱が大きくなり、誘電率が変化したり、コンデンサの信頼性が低下し易くなる。
本発明のコンデンサ用材料において、無機非晶質誘電体の幅寸法は、好ましくは10mm以上、15mm以上、特に20mm以上である。このようにすれば、コンデンサの容量を高めることができる。
本発明のコンデンサ用材料において、無機非晶質誘電体の厚み公差は、好ましくは±10%以下、±5%以下、±3%以下、特に±1%以下である。このようにすれば、コンデンサ用材料の巻取りが容易になると共に、コンデンサの容量が安定化し易くなる。
本発明のコンデンサ用材料において、無機非晶質誘電体は、SiO2を50質量%以上(望ましくは60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、特に90%以上)含むガラスであることが好ましい。このようにすれば、気相法又は液相法により、厚みが小さい無機非晶質誘電体を形成し易くなる。
気相法として、公知のCVD法等が挙げられる。また、液相法として、無機非晶質誘電体の反応前駆体をドクターブレード、スリットコーター等により塗布した後、熱処理する方法が挙げられる。
本発明のコンデンサは、絶縁層、第一の電極層、無機非晶質誘電体層、第二の電極層の順序の積層基本構造を有し、無機非晶質誘電体層が上記のコンデンサ用材料により形成されていることを特徴とする。そして、無機非晶質誘電体層は、ガラス層であることが好ましく、ガラス層は、無機非晶質誘電体の反応前駆体の塗布後、50℃以上の熱処理を行うことにより形成されていることが好ましい。そして、無機非晶質誘電体の反応前駆体は、電極層(好ましくは第一の電極層)上に塗布されることが好ましい。
無機非晶質誘電体を形成するための反応前駆体は、平滑化処理された第一の電極(平均表面粗さRaは、好ましくは10nm以下、5nm以下、3nm以下、1nm以下、特に0.5nm以下)上に塗布されることが好ましい。このようにすれば、コンデンサの絶縁破壊強度を高めることができる。反応前駆体の塗布は、例えばスリットコーター、ドクターブレード等により行えばよい。
第一の電極層上に塗布された反応前駆体は、50℃以上(望ましくは100℃以上、120℃以上、150℃以上、200℃以上)に熱処理されてなることが好ましい。熱処理温度が高温である程、緻密なガラス構造が得られ易くなり、またガラス層中のβ−OH値が低下し易くなる。なお、ガラス層中のβ−OH値が低いと、コンデンサの信頼性が向上する。一方、熱処理温度は、好ましくは600℃以下、500℃以下、400℃以下、特に300℃以下である。熱処理温度が600℃を超えると、ガラス層と第一の電極層の熱膨張係数差により、無機非晶質誘電体層に亀裂が発生して、コンデンサが短絡し易くなる。
本発明のコンデンサにおいて、第一の電極層の厚みは、好ましくは200μm以下、150μm以下、100μm以下、85μm以下、50μm以下、25μm以下、15μm以下、10μm以下、5μm以下、3μm以下、1μm以下、特に0.8μm以下である。第一の電極層の厚みが小さい程、コンデンサの小型化が容易になる。一方、第一の電極層の厚みが100nm以下になると、十分な導電性を確保し難くなることに加えて、絶縁破壊時の衝撃を吸収しきれず、無機非晶質誘電体層に亀裂が発生し易くなる。よって、第一の電極層の厚みは、好ましくは200nm以上、300nm以上、特に500nm以上である。
第一の電極層を構成する材料として、Al、Ni、Cu、Pt、Au、Agの何れかが好ましく、材料コストと導電性の点でAlが最も好ましい。また、Alとして、アルミホイル等を用いることできる。
第一の電極層のシート抵抗は、好ましくは1000Ω/□以下、800Ω/□以下、500Ω/□以下、300Ω/□以下、100Ω/□以下、50Ω/□以下、特に30Ω/□以下である。シート抵抗が大き過ぎると、誘電ロスが大きくなり過ぎる虞がある。
本発明のコンデンサにおいて、第二の電極層の厚みは、好ましくは1μm以下、900nm以下、700nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、特に100nm以下である。第二の電極層の厚みが大き過ぎると、絶縁破壊時にコンデンサが短絡し易くなって、コンデンサの信頼性を確保し難くなる。一方、第二の電極層の厚みが10nm以下になると、十分な導電性を確保し難くなる。よって、第二の電極層の厚みは、好ましくは10nm以上、20nm以上、特に50nm以上である。
第二の電極層を構成する材料として、Al、Ni、Cu、Pt、Au、Agの何れかが好ましく、材料コストと導電性の点でAlが最も好ましい。また、Alとして、アルミホイル等を用いることできる。
第二の電極層のシート抵抗は、好ましくは1000Ω/□以下、800Ω/□以下、500Ω/□以下、300Ω/□以下、100Ω/□以下、50Ω/□以下、特に30Ω/□以下が好ましい。シート抵抗が大き過ぎると、誘電ロスが大きくなり過ぎる。
本発明のコンデンサにおいて、(第一の電極層の厚み/第二の電極層の厚み)の値は、好ましくは1以上、1.5以上、2以上、3以上、4以上、5以上、8以上、10以上、特に20以上である。このようにすれば、コンデンサの信頼性が向上する。
本発明のコンデンサにおいて、絶縁層の厚みは、好ましくは200μm以下、150μm以下、100μm以下、85μm以下、50μm以下、25μm以下、15μm以下、特に12μm以下である。絶縁層の厚みが小さい程、コンデンサの小型化が容易になる。一方、絶縁層の厚みが小さ過ぎると、絶縁破壊が生じ易くなり、また無機非晶質誘電体層、電極層の厚み公差を吸収し難くなる。よって、絶縁層の厚みは、好ましくは1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、特に10μm以上である。
絶縁層は、PET、PEN、PI、PC、PMMAの何れかであることが好ましい、高耐熱性が要求されない用途であれば、材料コストの面で、PETが好ましく、高耐熱性が要求される用途であれば、PIが好ましい。なお、絶縁層は、無機非晶質誘電体層と同様の材料としてもよい。
本発明のコンデンサ(積層コンデンサ)は、グリーンシートを用いて作製することができる。グリーンシート中のバインダーの割合は、無機非晶質誘電体の反応前駆体との熱膨張係数差、焼成時の収縮差等を考慮して決定すればよい。
生産効率の観点から、複数の貫通電極を有するグリーンシートを準備し、その上にポリシラザン等の無機非晶質誘電体の反応前駆体を塗布する工程を有することが好ましい。この無機非晶質誘電体の反応前駆体が塗布されたグリーンシートを積層基本構造とし、これを複数積層し、焼成すると、積層コンデンサを作製することができる。貫通電極を形成する方法として、グリーンシートに貫通孔を形成した後、貫通孔に電極ペーストを充填する方法が生産効率の観点から好ましい。また、スクリーン印刷等により、シート状に電極を形成し、貫通孔を有するグリーンシートと重ねた後、グリーンシートの貫通孔側から真空引きして貫通孔に電極を充填させてもよい。なお、貫通孔の形成方法として、パンチングマシン等により機械的に貫通孔を形成してもよく、CO2レーザー等により貫通孔を形成してもよい。貫通電極を構成する材料として、Ag、Ni、Cu、Al等の金属が好ましい。
或いは、複数の貫通電極(第一の電極層に相当)を有するグリーンシートを準備し、その上にポリシラザン等の無機非晶質誘電体の反応前駆体を塗布した後、この反応前駆体上に、電極(第二の電極層に相当)としてAl等の金属を蒸着する工程を有することも好ましい。更に、この電極(第二の電極層に相当)の上に絶縁体層を形成したグリーンシートを積層基本構造とし、これを複数積層し、焼成すると、積層コンデンサを作製することができる。この場合、コンデンサの自己修復機能を発現するために、電極(第二の電極層に相当)の厚みを1000Å以下、500Å以下、特に300Å以下にすることが好ましい。蒸着の際には、複数の貫通電極にそれぞれ対応するように、貫通電極から離間した位置に電極を蒸着することが好ましい。最後に、得られたグリーンシートを積層した後、貫通電極の一方の側面が露出するように切断し、電極側面が左右交互に露出した積層体を作製することが好ましく、更に得られた積層体を所定温度で焼成することが好ましい。これにより、積層コンデンサを効率良く作製することができる。
積層コンデンサ中の無機非晶質誘電体層の最大幅は、好ましくは20mm以下、10mm以下、5mm以下、2mm以下、1mm以下、0.7mm以下、特に0.5mm以下である。これにより、インダクタンスを低減することが可能になる。
図2は、本発明のコンデンサの作製方法の一例を示すための断面概念図である。図2(a)は、貫通孔が形成されていないグリーンシートである。図2(b)では、図2(a)に示すグリーンシートに対して、貫通孔が所定間隔で複数形成されている。図2(c)は、貫通電極(第一の電極層に相当)を有するグリーンシートを示しており、図2(b)に示す貫通孔に電極を充填したものである。図2(d)は、図2(c)に示すグリーンシート上に無機非晶質誘電体の反応前駆体を塗布したものである。図2(e)は、図2(d)に示す無機非晶質誘電体の反応前駆体上に、更に貫通電極(第二の電極層に相当)と無機非晶質誘電体の反応前駆体を有するグリーンシートを積層したものである。ここで、二層目のグリーンシートに形成された貫通電極は、一層目の隣り合う貫通電極の間隔分だけ離間した位置にそれぞれ配置されている。図2(f)は、貫通電極の一方の側面が左右交互に露出するように、図2(e)に示す積層体を厚み方向に切断した状態を示している。
以下に本発明の実施例を示す。但し、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
(実験1)
まず厚み25μm、幅寸法30mmの粘着テープ付きPIテープ(絶縁層に相当)を用意した。次に、幅寸法20mmのアルミホイル(第一の電極層に相当)とPIテープを両端が重なるように接着した。続いて、この複合材料をスリットコーター上で搬送しながら、アルミホイル上にポリシラザン(AZ Electronic Materials社製NL110A−20)を厚み2μmになるよう塗布した。塗布幅は、PIテープの幅寸法と同様の30mmに設定した。その後、ポリシラザンが塗布された複合材料を150℃に設定された熱処理炉内に搬送し、熱処理を行い、無機非晶質誘電体層(ガラス層)を形成した。この無機非晶質誘電体層は、厚み1μm、誘電率4、誘電正接0.0001、厚み公差±1%であった。最後に、熱処理後の複合材料を真空蒸着装置内に搬送し、無機非晶質誘電体層上にアルミ電極(第二の電極層に相当)を形成した。このようにして作製されたコンデンサは、高容量、高耐圧、高耐熱であると考えられる。
まず厚み25μm、幅寸法30mmの粘着テープ付きPIテープ(絶縁層に相当)を用意した。次に、幅寸法20mmのアルミホイル(第一の電極層に相当)とPIテープを両端が重なるように接着した。続いて、この複合材料をスリットコーター上で搬送しながら、アルミホイル上にポリシラザン(AZ Electronic Materials社製NL110A−20)を厚み2μmになるよう塗布した。塗布幅は、PIテープの幅寸法と同様の30mmに設定した。その後、ポリシラザンが塗布された複合材料を150℃に設定された熱処理炉内に搬送し、熱処理を行い、無機非晶質誘電体層(ガラス層)を形成した。この無機非晶質誘電体層は、厚み1μm、誘電率4、誘電正接0.0001、厚み公差±1%であった。最後に、熱処理後の複合材料を真空蒸着装置内に搬送し、無機非晶質誘電体層上にアルミ電極(第二の電極層に相当)を形成した。このようにして作製されたコンデンサは、高容量、高耐圧、高耐熱であると考えられる。
(実験2)
図3を使用して、実験2を説明する。まず厚み100μm、幅寸法200mmのアルミホイル(第一の電極層に相当)を第一のドラム11に巻き取り、幅寸法200mmのPETフィルムを第二のドラム12に巻き取った。次に、図3に示すように、第一のドラム11からアルミホイルを送り出し、アルミホイルが上方に重なるように第二のドラム12からPETフィルムを送り出し、その後、ドクターブレード13により、アルミホイル上にポリシラザンを厚み1μmになるように塗布した。続いて、第三のドラム14にてPETフィルムを巻き取った後、アルミホイル上に塗布されたポリシラザンを100℃の熱処理炉15に搬入・搬出し、無機非晶質誘電体層(ガラス層)を形成した後、第四のドラム16により無機非晶質誘電体材料層付きアルミホイルを巻き取った。得られた無機非晶質誘電体層は、厚み1.1μm、誘電率4、誘電正接0.0001、厚み公差±2%であった。このようにして作製されたコンデンサ用材料は、高容量、高耐圧、高耐熱のコンデンサの作製に好適であると考えられる。
図3を使用して、実験2を説明する。まず厚み100μm、幅寸法200mmのアルミホイル(第一の電極層に相当)を第一のドラム11に巻き取り、幅寸法200mmのPETフィルムを第二のドラム12に巻き取った。次に、図3に示すように、第一のドラム11からアルミホイルを送り出し、アルミホイルが上方に重なるように第二のドラム12からPETフィルムを送り出し、その後、ドクターブレード13により、アルミホイル上にポリシラザンを厚み1μmになるように塗布した。続いて、第三のドラム14にてPETフィルムを巻き取った後、アルミホイル上に塗布されたポリシラザンを100℃の熱処理炉15に搬入・搬出し、無機非晶質誘電体層(ガラス層)を形成した後、第四のドラム16により無機非晶質誘電体材料層付きアルミホイルを巻き取った。得られた無機非晶質誘電体層は、厚み1.1μm、誘電率4、誘電正接0.0001、厚み公差±2%であった。このようにして作製されたコンデンサ用材料は、高容量、高耐圧、高耐熱のコンデンサの作製に好適であると考えられる。
(実験3)
表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合、混合し、得られたガラスバッチを1400℃で4時間溶融した後、フィルム状に成形した。得られたガラスフィルム(質量300g)を2Lのボールミルに投入し、800gのジルコニアボール(φ30mm)を用いて、回転数600rpmで5時間粗粉砕した。次に、ボールミル中のジルコニアボールをφ5mmのジルコニアボールに交換して、純水をジルコニアボールが浸るまで投入した後、回転数600rpmで16時間湿式粉砕して、平均粒子径0.5μmのガラス粉末を得た。続いて、ガラス粉末100質量部に対して、結合剤としてメタアクリル酸樹脂を30質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを3質量部、溶剤としてトルエンを20質量部添加、混合して、スラリーを作製した。得られたスラリーをドクターブレード法によりPETフィルム上にシート成形、乾燥して、厚み2μmのグリーンシートを得た。
表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合、混合し、得られたガラスバッチを1400℃で4時間溶融した後、フィルム状に成形した。得られたガラスフィルム(質量300g)を2Lのボールミルに投入し、800gのジルコニアボール(φ30mm)を用いて、回転数600rpmで5時間粗粉砕した。次に、ボールミル中のジルコニアボールをφ5mmのジルコニアボールに交換して、純水をジルコニアボールが浸るまで投入した後、回転数600rpmで16時間湿式粉砕して、平均粒子径0.5μmのガラス粉末を得た。続いて、ガラス粉末100質量部に対して、結合剤としてメタアクリル酸樹脂を30質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを3質量部、溶剤としてトルエンを20質量部添加、混合して、スラリーを作製した。得られたスラリーをドクターブレード法によりPETフィルム上にシート成形、乾燥して、厚み2μmのグリーンシートを得た。
次に、グリーンシートに20mm×20mmの貫通孔を等間隔に複数形成し、その孔にAgペーストを充填して、貫通電極を有するグリーンシートを作製した。更に、このグリーンシート上にポリシラザン(AZ Electronic Materials社製NL110A−20)を塗布した後、150℃で2時間仮焼きした。更に、得られたグリーンシートを積層した。その際に、上層の貫通電極が下層の貫通電極と一定距離(隣り合う貫通電極の間隔)離間するように、積層した。続いて、貫通電極の側面が左右交互に露出するように、厚み方向に切断し、積層体を作製した。最後に、得られた積層体を600℃で焼成して、積層コンデンサを得た。
1 無機非晶質誘電体層(ガラス層)
2 第一の電極層
3 第二の電極層
4 絶縁層
11 第一のドラム
12 第二のドラム
13 ドクターブレード
14 第三のドラム
15 熱処理炉
16 第四のドラム
2 第一の電極層
3 第二の電極層
4 絶縁層
11 第一のドラム
12 第二のドラム
13 ドクターブレード
14 第三のドラム
15 熱処理炉
16 第四のドラム
Claims (16)
- 少なくとも厚み50μm以下の無機非晶質誘電体を含むコンデンサ用材料であって、該無機非晶質誘電体が液相法又は気相法で合成されてなることを特徴とするコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体が層状のガラスであることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体の誘電率(25℃、100kHz)が3以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体の誘電正接(25℃、100kHz)が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体の幅寸法が10mm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体の厚み公差が±10%以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のコンデンサ用材料。
- 無機非晶質誘電体がSiO2を50質量%以上含むガラスであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のコンデンサ用材料。
- 絶縁層、第一の電極層、無機非晶質誘電体層、第二の電極層の順序の積層基本構造を有し、無機非晶質誘電体層が請求項1〜7の何れか一項に記載のコンデンサ用材料により形成されていることを特徴とするコンデンサ。
- 無機非晶質誘電体層がガラス層であることを特徴とする請求項8に記載のコンデンサ。
- ガラス層が、無機非晶質誘電体の反応前駆体の塗布後、50℃以上の熱処理を行うことにより形成されていることを特徴とする請求項9に記載のコンデンサ。
- 第一の電極層及び/又は第二の電極層の厚みが100nm以上であることを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載のコンデンサ。
- (第一の電極層の厚み/第二の電極層の厚み)の値が2以上であることを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載のコンデンサ。
- 第一の電極層及び/又は第二の電極層がAl、Ni、Cu、Pt、Au、Agの何れかで構成されることを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載のコンデンサ。
- 絶縁層の厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載のコンデンサ。
- 絶縁層がPET、PEN、PI、PC、PMMAの何れかであることを特徴とする請求項8〜14の何れか一項に記載のコンデンサ。
- 少なくとも厚み5μm以下の無機非晶質誘電体層を含むことを特徴とする積層コンデンサ。
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