JP2014017475A - 電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高温特性に優れた電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明における電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタは、集電体2a、3aと、この集電体2a、3aと電気的に接続した分極性電極層2b、3bを少なくとも有し、集電体2a、3aの表面にリンを含む保護層8が付着し、この保護層8を有した集電体2a、3aを水に浸漬したときに、この水に溶解されるリン化合物の量が、リン換算で、上記集電体2a、3aの単位表面積あたり1.35mg/m以下であることを特徴としている。この構成により、本発明の電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタは、耐熱性を高め、特性劣化が抑制された状態で長時間の充放電を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられる電気二重層キャパシタ用電極およびそれを用いた電気二重層キャパシタに関するものである。
電気二重層キャパシタは、電子機器の動力アシストやバックアップなどを目的とした蓄電デバイスとして開発されている。その中で、電気二重層キャパシタのパワー密度を高めるために、電気二重層キャパシタの内部抵抗を下げることが必要となる。電気二重層キャパシタを構成する正負一対の電極においても、分極性電極層と集電体の接触部分における界面抵抗を低減することが必要となっている。その界面抵抗を低減する一つの手段として、集電体と分極性電極層の間に導電性と接着性に優れた導電層を形成することが提案されている。この導電層は、導電性に優れたカーボンブラックと接着性に優れたバインダーから構成され、分極性電極層と集電体の間の密着強度を高めるとともに、界面抵抗を低減することができる。
なお、この出願に関する先行文献情報として、例えば特許文献1が知られている。
特開平11−154630号公報
しかしながら、従来の電気二重層キャパシタは、高温環境下において、長時間使用した場合、時間経過に伴う特性劣化の一例として抵抗増大が課題となっている。その一つの要因が、電極を構成する集電体の表面が腐食し、電極層と集電体の接触界面における抵抗が増大することである。
そこで、本発明は、高温特性に優れた電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明の電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタは、表面にリンを含む保護層を有する集電体と、この集電体上に形成され、イオンを可逆的に吸着、脱離できる分極性電極層とを有する。集電体を水に浸漬したときに溶出するリン化合物の量は、集電体の単位表面積当たりリン換算で1.35mg/m以下である。
この構成の電極を正極、負極の少なくともいずれか一方に用いた電気二重層キャパシタでは、高温下における劣化を抑制することができる。
本発明の実施例1における電気二重層キャパシタの部分切り欠き斜視図 本発明の実施例1における電気二重層キャパシタに用いられる電極の構成を示す断面模式図 本発明の実施例1における電気二重層キャパシタに用いられる電極の他の構成を示す断面模式図 本発明の実施例における電気二重層キャパシタにおいて、集電体から水に溶出するリン化合物の量と、長時間の充放電における抵抗増大との関係を示すグラフ
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。図1は、本実施例における電気二重層キャパシタの構成を示す部分切り欠き斜視図である。本実施例の電気二重層キャパシタはキャパシタ素子1と、キャパシタ素子1に含浸した電解液(図示せず)と、キャパシタ素子1と電解液とを収容した外装体10とを有する。
キャパシタ素子1は正極2と、正極2に対向した負極3と、正極2と負極3との間に介在するセパレータ4とを有する。正極2と負極3とセパレータ4とは巻回されている。この構成以外にこれらを積層してキャパシタ素子1を構成してもよい。正極2は集電体2aと、集電体2a上に形成され、イオンを吸脱着できる分極性電極層(以下、電極層)2bとを有する。同様に、負極3は集電体3aと、集電体3a上に形成され、イオンを可逆的に吸着、脱離できる分極性電極層(以下、電極層)3bとを有する。正極2、負極3にはそれぞれ、引出部材としてリード線5a、5bが接続されている。キャパシタ素子1と電解液とは有底円筒状のケース6に収容され、ケース6の開口端部はリード線5a、5bが表出するように封口部材7によって封止されている。ケース6と封口部材7は外装体10を構成している。
図2は、正極2、負極3の構成を示す断面模式図である。正極2は、金属などの導電材料から構成されたシート状の集電体2aと、集電体2aの表面に形成された導電層2cと、導電層2cの上に形成された電極層2bとを有する。導電層2cと対向した集電体2aの表面には、リンを含んだ保護層8と、保護層8の周囲に存在する非固着リン化合物9とが形成されている。同様に、負極3は、金属などの導電材料から構成されたシート状の集電体3aと、集電体3aの表面に形成された導電層3cと、導電層3cの上に形成された電極層3bとを有する。導電層3cと対向した集電体3aの表面には、リンを含んだ保護層8と、保護層8の周囲に存在する非固着リン化合物9とが形成されている。正極2と負極3は同様に形成されているので、以下、代表して正極2について説明する。
集電体2aは、例えば厚さ約15μmの高純度アルミニウム製のプレーン箔(Alを99%以上含有)で構成されている。これ以外に、エッチング処理を施したアルミニウム箔や、大気中や不活性ガスなどの様々なガス雰囲気中でプラズマ処理を施した金属箔などであってもよい。集電体2aを構成する材料はアルミニウムに限定されず、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、白金などのいずれかでもよい。
導電層2cは、導電材とバインダー(ともに図示なし)とを含み、集電体2aと電極層2bの間の導電性を高めている。導電層2cは、集電体2aと電極層2bとの間に介在することによって接着材として集電体2aと電極層2bとを固着させる役割も果たす。
導電材として例えばアセチレンブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。導電層2cを薄くするためには、カーボンブラックの平均粒径は10nm〜300nm程度のナノオーダーであることが好ましい。またバインダーとしてセルロースなどの水溶性樹脂を用いることが好ましい。これら導電材とバインダーを例えば4:1の重量比で混合して導電層2cを形成する。すなわち、この混合物を溶媒に混合した塗工液を調製し、この塗工液を集電体2a上へ塗工し、溶媒を除去することで導電層2cを形成することができる。溶媒として、例えば水を用いることができる。
なお集電体2aを保護するリンを含んだ保護層8を形成するため、リンのソースとして上記塗工液にリン化合物を添加している。リン化合物は、例えば上記塗工液の重量に対して0.2wt%添加される。リン化合物は、例えばリン酸二水素アンモニウムである。リン酸二水素アンモニウムの純度は98%以上であることが好ましい。またリン酸二水素アンモニウムのpHは3.8以上であることが好ましく、さらには、4.4以下であることが好ましい。なお上述のpHとは、20℃、水1リットルにリン酸二水素アンモニウムを50g溶かした場合の値である。
なお保護層8を形成するためのリン化合物はリン酸二水素アンモニウムに限定されない。他に、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどのリン酸塩、ピロリン酸ナトリウムなどのピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのメタリン酸塩、亜リン酸塩などを用いることができる。
このようにリン化合物を含んだ塗工液を、水などの溶媒を含んだアンカー液として、例えば0.2μm〜1.2μmの範囲の厚さで集電体2a上に塗布する。その後、溶媒を除去するために100℃の大気雰囲気下で乾燥する。
そして、電極層2bを、乾燥した導電層2cの上へ形成する。電極層2bは、活性炭、結着剤や導電助剤(いずれも図示なし)などを含む。
活性炭としては、例えば平均粒径5μmのフェノール樹脂系活性炭を用いる。これ以外に、ヤシ殻、木粉、紙、石油コークス、石油ピッチなどを原料にした炭素材料を用いてもよい。活性炭は、その表面においてイオンを吸脱着させる多孔質体であれば特に限定されない。結着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(CMC)の水溶液を用いる。導電助剤としては、例えばアセチレンブラックを用いる。活性炭、結着剤、導電助剤をこの順に10:2:1の重量比で混合し、この混合物を混練機で練合して所定の粘度に調整してペーストを調製する。
このペーストを、表面に導電層2cを形成した集電体2aの表裏面に塗布し、100℃の大気雰囲気中において乾燥する。このようにして、厚さ40μmの電極層2bを形成する。その後、集電体2aと導電層2cと電極層2bとの積層体をスリット加工し所定の幅にする。
さらに、図1に示すように、集電体2aの両面に形成された導電層2cおよび電極層2bをそれぞれ一部取り除き、集電体2aの露出部へリード線5aを針かしめなどの方法で接続する。なお図2では集電体2aの片面のみを示している。
以上のようにして作製された正極2と負極3とを対向させ、正極2と負極3の間にセパレータ4を介在させて巻回しキャパシタ素子1を完成させる。セパレータ4には例えば厚さ約35μm、密度0.45g/cmであるセルロース系の紙やPTFE等が用いられる。
電解液の溶質には、例えばエチルジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMIBF )を用いることができる。溶質のアニオンとしてはフッ素原子を含んだものが耐電圧特性的に好ましく、特にBF あるいはPF がよい。また溶媒には、有機溶媒を用いる。例えばプロピレンカーボネート(PC)を用いることができる。溶質の濃度は0.5〜2.0mol/lである。これ以外に、溶質については、第4級アンモニウム塩やイミダゾリウム塩など、所定の電圧の範囲内で分解などの化学反応を生じやすい化合物でなければ特に限定されずに用いることができる。有機溶媒については、PCに限定されず、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどでもよく、ラクトン類以外にはエチレンカーボーネートなどのカーボネート類や、スルホラン類なども適用可能である。
ケース6は、放熱性の観点から例えばアルミニウムや銅やニッケルなどの金属で構成されている。ただし、電解液と反応を生じる虞の低い材料であれば特に限定されない。またケース6は有底円筒状以外に、角柱状でもよい。
封口部材7は、例えばブチルゴムで形成されている。これ以外に、弾性を有するゴム材であれば、特に限定されない。封口部材7には貫通孔7aが設けられている。キャパシタ素子1から突出したリード線5a、5bは貫通孔7aに挿入される。この状態で、封口部材7をケース6の開口部へ配置する。そして、封口部材7が位置するケース6の開口部外周面からケース6内部へ向かって絞り加工を施す。さらに、ケース6の開口端部にカーリング加工を施す。これらの加工により、封口部材7を圧着および握着し固定する。このようにして、ケース6の開口部の封止が完成する。
なお、キャパシタ素子1の形状によっては、外装体10としてケース6と封口部材7に代えてラミネート袋を用いてもよい。さらに、本実施例の電気二重層キャパシタでは封口部材7によりケース6の内部が密封された構成となっているが、必ずしも密封する必要はない。
正極2、負極3は、図2に示すように、集電体2a、3aの表面上に形成されたリンを含んだ保護層8を有する。すなわち、集電体2a、3aは表面にリンを含む保護層8を有する。そして、集電体2a、3aを水に浸漬したときに溶解するリン化合物の量が集電体2a、3aの単位面積当たりリン換算で1.35mg/m以下であることを特徴としている。ここで「リン換算」とは、上記水に溶出したリン化合物のうち、存在するリン原子の量を算出することである。
保護層8は、集電体2a、3aを電解液などとの化学反応から保護することにより、集電体2a、3aの腐食を抑制することができる。保護層8は、集電体2a、3aを構成する金属と、導電層2c、3cに含まれた、例えばリン酸二水素アンモニウムであるリン化合物とが反応して生成されると考えられる。すなわち、保護層8は集電体2a、3aを構成する金属とリンとの化合物であると考えられる。図2に示すように、集電体2a、3aを構成する金属とリンとの化合物は、集電体2a、3aの表面に保護層8として形成されている。この構成により、本実施例による電気二重層キャパシタは、高温特性に優れ長寿命を有する。
また、正極2、負極3は、保護層8とは別に、集電体2a、3aと反応せずに集電体2a、3aから遊離して存在する非固着リン化合物9を含んでいる可能性がある。非固着リン化合物9とは、導電層2c、3cを形成する塗工液に添加されたリン化合物のうち、未反応のままで残留したものである。保護層8の形成に寄与しない非固着リン化合物9がキャパシタ素子1内に多く残留すると、充放電を繰り返す中で、キャパシタ素子1内で非固着リン化合物9が電解液などと反応を起こす虞がある。この場合、サイクル特性が低下する。そのため、キャパシタ素子1内の非固着リン化合物9の量を制限することにより、さらに電気二重層キャパシタの耐熱性を向上することができる。
本実施例では、非固着リン化合物9の量を特定するために、以下の方法を用いる。すなわち、保護層8が形成された集電体2a、3aを純水(常温)に浸漬する。そして、集電体2a、3aから水へ溶出するリン化合物の量を分析し、この量から非固着リン化合物9の量を推定する。なお、本実施例では、リン化合物の量は、集電体2a、3aの単位面積当たりの量(mg/m)として定義している。純水に溶解したリン化合物を定量分析するには、例えばイオンクロマトグラフィーを用いることができる。また集電体2a、3aの面積の値としては、集電体2a、3aにおいて、導電層2c、3cおよび電極層2b、3bに塗工された箇所の面積の値を用いている。なお、導電層2c、3cや電極層2b、3bを塗工済みの集電体2a、3aから非固着リン化合物9であるリン化合物の量を推定する場合には、電極層2b、3bおよび導電層2c、3cを集電体2a、3aから除去した後に、純水へ浸漬して溶出量を分析する。
上述のように、導電層2c、3cを形成する塗工液にリン化合物を添加する方法で保護層8を形成する場合、保護層8を構成するリン化合物の量は、集電体2a、3aの単位面積当たり20mg/m以上、100mg/m以下となり、より典型的には65mg/m以上、100mg/m以下となる。保護層8を構成するリン化合物の量は、以下のようにして特定する。まず、非固着リン化合物9を純水に溶解させた後に、集電体2a、3aを酸溶液の中に浸漬する。この酸溶液の中に溶解したリン化合物の量をイオンクロマトグラフで定量分析する。そして、この値から保護層8を構成するリン化合物の量を特定することができる。
なお図2において、保護層8や非固着リン化合物9は層状に図示しているが、これらの形状は、層状に限定されない。また、集電体2a、3aの、電極層2b、3bが設けられた部分の全てを必ずしも保護層8が覆う必要はない。また、本実施例では、保護層8を形成するためにリン化合物を導電層2c、3cの中に添加しているが、この方法に限定されない。予め、リン化合物を集電体2a、3aの表面に配設し、キャパシタ素子1としてケース6に収容後に、保護層8を形成してもよい。あるいは、導電層2c、3cを集電体2a、3a上へ形成する前に、予め保護層8を集電体2a、3aの表面上に形成してもよい。
次に、正極2、負極3の図2とは異なる構成について図3を参照しながら説明する。図3は本実施例の電気二重層キャパシタに用いられる正極2、負極3の他の構成を示す断面模式図である。
図3に示す構成では、実施の形態1の構成から導電層2c、3cを除いた構成となっている。すなわち、電極層2b、3bはそれぞれ、集電体2a、3a上に、集電体2a、3aに接して形成されている。集電体2a、3aの表面に保護層8を形成するためには、電極層2b、3bの中に、リン酸二水素アンモニウム等のリン化合物を添加する。添加量は、一例として0.1wt%である。このように電極層2b、3bと集電体2a、3aとが直接当接した構成であっても、電極層2b、3b内にリン化合物を添加することによりリンを含んだ保護層8を集電体2a、3aの表面に形成することができる。また集電体2a、3aを水に浸漬したときに溶出するリン化合物の量を、集電体2a、3aの単位表面積当たりリン換算で1.35mg/m以下にすることで電気二重層キャパシタの耐熱性を向上することができる。また、保護層8に含まれるリン化合物の量の好ましい範囲も前述と同様である。
なお電極層2b、3b内にリン化合物を添加する以外に、予め、リン化合物を集電体2a、3aの表面上に配設してケース6に収容後に保護層8を形成してもよい。あるいは、電極層2b、3bを集電体2a、3a上へ形成する前に、保護層8を集電体2a、3aの表面上に形成してもよい。本実施例においては、集電体2a、3aの両方に保護層8が形成されているが、この構成に限定されず、集電体2a、3aのうち一方に保護層8が形成されて、水に溶出するリン化合物が上記要件を満たしたものであっても従来の電気二重層キャパシタと比べて、特性劣化が改善するものである。
以下、図2の構成を有する正極2、負極3を用い、図1に示す電気二重層キャパシタを作製し、その性能を評価した結果を説明する。
サンプルA〜Jの電気二重層キャパシタを以下のようにして作製する。まず正極2、負極3の集電体2a、3aの母材として厚さ約15μmの高純度アルミニウム製のプレーン箔(Alを99%以上含有)を準備する。この上に、CMCの水溶液に、平均粒径が60nmのアセチレンブラックを分散させるとともに、リン酸二水素アンモニウムを溶解させた塗工液を1.2μmの厚さで塗布する。なおアセチレンブラックとCMCの固形分との重量比は4:1である。なおリン酸二水素アンモニウムの量は、集電体2a、3aの単位面積あたり90mg/mである。その後、溶媒である水を除去するために100℃の大気雰囲気下で乾燥する。このようにして導電層2c、3cを形成する。
次に、導電層2c、3cの上に、前述の組成のペーストを塗布、乾燥して電極層2b、3bを形成する。このようにして、プレーン箔と導電層2cと電極層2bとの積層体、およびプレーン箔と導電層3cと電極層3bとの積層体を作製する。ペーストは平均粒径5μmのフェノール樹脂系活性炭10重量部と、CMC2重量部と、アセチレンブラック1重量部とを含む。その後、これらの積層体を切断し、正極2、負極3とする。なお、集電体2a、3aにおいて、電極層2b、3bを塗工した面積は、2cm×2cmである。
以上のようにして作製した正極2、負極3の間に、厚さ約35μm、密度0.45g/cmであるセルロース系の紙をセパレータ4として挟み、PCにEDMIBF を1.0mol/lの濃度で溶解して調製した電解液を含浸させ、アルミラミネートパックで封入し、サンプルA〜Jの電気二重層キャパシタを作製する。
サンプルA〜Jでは、集電体2a、3aから水に溶出するリン化合物の量が異なる。エージング条件が同じであれば、保護層8として集電体2a、3aに固着するリン化合物の量はほぼ一定になる。そこで、サンプルA〜Jでは添加するリン化合物の量を変えている。サンプルAにおいて、添加するリン化合物の量は集電体2a、3aの単位面積当たり90.4mg/mであり、サンプルB〜Jでは表1に示すように、この順に徐々にリン化合物の添加量を増加させている。なお、各電気二重層キャパシタはエージングとして、60℃の環境で、2.8Vの電圧を印加した状態を24時間保持されている。比較のために作製したサンプルKでは、塗工液にリン酸二水素アンモニウムを添加していない。
これらサンプルA〜Kの電気二重層キャパシタについて、60℃の環境で、10mAの定電流で400時間、充放電を行ったときの各サンプルの内部抵抗の変化率を算出する。充電終止電圧は2.8V、放電終止電圧は1.5Vである。サンプルA〜Jの各サンプルの内部抵抗の変化率をサンプルKの変化率との比で比較する。この変化率は、各サンプルの長時間充放電後の抵抗値と初期抵抗値との差分を初期抵抗値に対する比で表した値である。以下、表1、図4にその結果を示す。
Figure 2014017475
表1、図4のように、高温下にて充放電を行った時、リン化合物の溶解量が少なければ、サンプルKと比べて変化率が100%を下回り、抵抗増大を抑制することができている。しかし、溶解量がある値を超えたとき、電気二重層キャパシタの特性低下の傾向が大きく変わっている。表1、図4から明らかなように、この傾向の変化の境目は、保護層8の形成に寄与せずに、保護層8の周囲に残る非固着リン化合物9が水に溶解する量が5mg/mとなるときである。非固着リン化合物9であるリン酸二水素アンモニウムの5mg/mはリン換算にすると、1.35mg/mに相当する。
このように、保護層8を形成した集電体2a、3aから水に溶出するリン化合物の量を、リン換算で1.35mg/m以下とすることにより、電気二重層キャパシタとして高温特性を高めることができる。
なお、集電体2a、3aから水に溶出するリン化合物の量は少ないほど好ましい。すなわち、理想的には、保護層8の形成に寄与しないリン化合物が全く存在しない状態が好ましい。そのため、溶出量の下限は0mg/mとなる。
なお本実施例において、キャパシタ素子1から外装体10の外部へ正極2、負極3を引き出す方法については、リード線5a、5bを用いて引き出す構成に限定されない。集電体2a、3aの一部に電極層2b、3bが形成されていない露出部を形成し、この露出部の複数の端部と引き出し部材を電気的に接続して引き出してもよい。その構成の一例として、集電体2a、3aの一端辺を電極層2b、3bから露出させ、互いの露出部が逆方向に位置するように正極2、負極3を対向させ、この逆方向に表出した露出部とそれぞれの端子を構成する導電部材とを接続してもよい。
また、上述の説明では、集電体2a、3aを水に浸漬したときに溶出するリン化合物の量を限定している。しかしながら、正極2の集電体2a、負極3の集電体3aのいずれか一方にこの限定を適用してもよい。この場合も上述の効果を奏することができる。また、リチウムイオンを吸蔵することで電位が降下する負極と、上述の正極2とを組み合わせたタイプのキャパシタに適用してもよい。
本発明の電極を用いた電気二重層キャパシタでは、長期充放電を行った際の抵抗増大を抑制することができる。そのため、過酷な充放電条件を要求される移動体や、熱源機器の動力アシストや、大容量電源のバックアップなどに用いることが期待できる。
1 キャパシタ素子
2 正極
2a、3a 集電体
2b、3b 分極性電極層(電極層)
2c、3c 導電層
3 負極
4 セパレータ
5a、5b リード線
6 ケース
7 封口部材
7a 貫通孔
8 保護層
9 非固着リン化合物
10 外装体

Claims (6)

  1. 表面にリンを含む保護層を有する集電体と、
    前記集電体上に形成され、イオンを可逆的に吸着、脱離できる分極性電極層と、を備え、
    前記集電体を水に浸漬したときに溶出するリン化合物の量が、前記集電体の単位表面積当たりリン換算で1.35mg/m以下である電気二重層キャパシタ用電極。
  2. 前記集電体と当接した導電層をさらに備え、
    前記分極性電極層は前記導電層と当接した請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  3. 前記分極性電極層は前記集電体に当接した請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用電極。
  4. 正極と、前記正極に対向した負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を有するキャパシタ素子と、
    前記キャパシタ素子に含浸した電解液と、
    前記キャパシタ素子と前記電解液とを収容した外装体とを備え、
    前記正極と前記負極の少なくとも一方が、
    表面にリンを含む保護層を有する集電体と、
    前記集電体上に形成され、イオンを可逆的に吸着、脱離できる分極性電極層とを有し、
    前記集電体を水に浸漬したときに溶出するリン化合物の量が、前記集電体の単位表面積当たりリン換算で1.35mg/m以下である電気二重層キャパシタ。
  5. 前記集電体と当接した導電層をさらに備え、
    前記分極性電極層は前記導電層と当接した請求項4に記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 前記分極性電極層は前記集電体に当接した請求項4に記載の電気二重層キャパシタ。
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