JP6019400B2 - 電気化学キャパシタ用電極とそれを用いた電気化学キャパシタ - Google Patents

電気化学キャパシタ用電極とそれを用いた電気化学キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は各種電子機器、ハイブリッド自動車や燃料電池車のバックアップ電源用や回生用、あるいは電力貯蔵用等に使用される電気化学キャパシタとそれに用いられる電気化学キャパシタ用電極に関する。
電子機器が動作する際に、それに要するエネルギーがその電子機器へ取り込まれる。しかしながら、取り込んだエネルギーを全て電子機器の動作のために消費させることは難しく、その一部は熱エネルギーなどとして本来の目的を達成せずに消費される。このように消費されるエネルギーを、電気エネルギーとして一旦蓄電素子に貯蔵し、必要な際に再利用することにより、消費されるエネルギーを低減し、高効率化することが考えられている。
そのためには、電子機器の動作に必要なエネルギーを適切な出力で取りだすことのできる蓄電素子が必要である。蓄電素子としては、キャパシタと二次電池とが挙げられる。その中でも特に、大容量を有し、急速充放電が可能で、長期信頼性が高い電気二重層キャパシタが着目され、多くの分野で使用されている。
電気二重層キャパシタは活性炭を主体とする分極性電極を正極、負極として有する。電気二重層キャパシタの耐電圧は、水系電解液を使用すると1.2V、有機系電解液を使用すると2.5〜3.3Vである。
しかし、二次電池に比べると電気二重層キャパシタのエネルギー密度は小さい。エネルギー密度は、容量と電圧の2乗に比例するので電気二重層キャパシタのエネルギー密度を高めるにはこれらの要素の少なくとも一方を向上させる必要がある。
キャパシタの電圧を高めるためには、負極の炭素材料にリチウムイオンを予め吸蔵する(プレドープする)ことにより、負極の電位を低下させることが提案されている。このようなキャパシタは、リチウムイオンを吸蔵した負極と、分極性電極である正極と、これらの正極および負極に含浸し、リチウム塩を含んだ電解液を有する。このキャパシタは負極へプレドープしたリチウムイオンが放出されない範囲で充放電される。
図2Aは、従来のキャパシタの一例として示した、カチオンにリチウムイオンを用いたキャパシタの上面断面図である。図2Bはこのキャパシタにおける電極捲回ユニット100の部分切り欠き正面図である。
図2Aに示すように、このキャパシタは、電極捲回ユニット100を有する。電極捲回ユニット100は正極101、負極102をその間にセパレータ103を介して交互に積層して同心的に捲回して形成されている。電極捲回ユニット100の外周部及び中心部には、リチウムイオン供給源として、リチウム金属(リチウム極)104、105がそれぞれ配置されている。捲回中心部に形成されたリチウム金属105は管棒109により支持されており、管棒109は同時に電極捲回ユニット100の支持用の軸棒の役割も担っている。これらがアルミニウムや鉄製の外装容器106内に収容され、内部に電解液が充填されて構成されている。
正極101及び負極102は、表裏面を貫通する孔が設けられた多孔材からなる集電体(図示せず)を有する。このように集電体が多孔材であるため、リチウム金属104、105が電極捲回ユニット100の外周部と中心部に配置されていても、リチウムイオンはリチウム金属104、105から電極捲回ユニット100の集電体の貫通孔を通って自由に各電極間を移動することができる。その結果、負極102の全体にリチウムイオンが予めドーピング(プレドープ)される。
図2Bに示すように、電極端子107、108は正極101と負極102の夫々の集電体へ接続されている。電極端子107、108はそれぞれ円筒状の電極捲回ユニット100の捲回軸方向に対して逆方向に引き出されている。また電極捲回ユニット100の最外周は捲回形状を保持するためにテープ110により固定されている。
このように従来のキャパシタでは、リチウムイオン供給源が電極捲回ユニット100の外周部と中心部の2箇所に設けられている。この配置により、1箇所のリチウムイオン供給源からリチウムイオンを供給してドープさせる方法よりも早くリチウムイオンを負極102へドープさせることができる。このようなキャパシタは、例えば特許文献1に開示されている。
しかしながら、充放電時にリチウムイオンのようなカチオンの吸蔵および放出を繰り返す負極を有するキャパシタは、セル作製後に充放電を繰り返すと各種の特性が低下する。この特性の低下の一つとして、プレドープにより下がっていた負極の電位が上昇することが挙げられる。負極の電位が上がると、正負極間の電位差が小さくなり、蓄電装置としてエネルギー密度が小さくなる。
特開2007−067105号公報
本発明は、充放電時に負極の電位が上昇することを抑制することによりエネルギー密度を向上・維持した電気化学キャパシタとそれに用いる電極である。
本発明におけるキャパシタ用電極は、集電体と、集電体上に形成された電極層とを有する。電極層の少なくとも一部においては、X線光電子分光法を用いて測定されたアニオンを構成する原子のスペクトルのアニオン分解化合物の存在を示すピーク値Iと電解質の存在を示すピーク値Iの比I/Iが0.5以上、2.55未満である。また本発明におけるキャパシタは上記電極を負極として有する。
上記の構成より、電気化学キャパシタ用電極または電気化学キャパシタを構成することにより、負極の電位上昇を抑制し、キャパシタとしてエネルギー密度を向上することができる。
図1は本発明の実施の形態におけるキャパシタの部分切り欠き斜視図である。 図2Aは従来のキャパシタの水平断面図である。 図2Bは図2Aに示すキャパシタに用いられる素子の部分切り欠き正面図である。
図1は本発明の実施の形態におけるキャパシタの部分切り欠き斜視図である。このキャパシタは、キャパシタ素子(以下、素子)1と、素子1に含浸し、カチオンとアニオンとで構成された電解質を含む電解液(図示せず)と、素子1と電解液とを収容する有底筒状の外装体6とを有する。
素子1は正極2と、負極3と、セパレータ4とを有する。セパレータ4は正極2と負極3との間に介在している。正極2は導電性を有する第1集電体である集電体2Aと、集電体2Aの表面に形成された第1電極層である電極層2Bとを有する。負極3は導電性を有する第2集電体である集電体3Aと、集電体3Aの表面に形成された第2電極層である電極層3Bとを有する。電極層2Bは電解質を構成するアニオンを吸脱着可能であり、電極層3Bは、電解質を構成するカチオンを吸蔵している。
集電体2Aは例えばアルミニウムで形成され、集電体3Aは例えば銅で形成されている。電極層2Bはアニオンを吸脱着する活性炭を含んだ、分極性電極層である。電極層3Bは炭素材料を主として形成され、カチオンとしてリチウムイオンを吸蔵している。なお図1では素子1は正極2と負極3との間にセパレータ4を介在させ、これらを捲回して構成されているが、この構造に限定されず、例えば平板状の正極2と負極3を、セパレータ4を介して積層した構造でもよい。
正極2および負極3の表面には電極引出端子としてリード線5A、5Bがそれぞれ接続されている。封口部材7はリード線5A、5Bが表出するように外装体6の開口端部を封止している。
次にこのキャパシタの製造方法を説明する。なお、以下の製造方法は、本発明の構成を実現するための一例であり、本発明は下記の製造方法に限定されない。
まず、正極2を作製する手順を説明する。集電体2Aとして例えば厚み約15μmの高純度アルミニウム箔(純度99.30%以上)を用い、このアルミニウム箔を塩素系のエッチング液中で電解エッチングをして表面を粗面化する。このように表面を粗面化した集電体2Aの表裏面上に電極層2Bを形成する。電極層2Bを構成する材料は、活性炭、結着剤や導電助剤などである。
活性炭には例えばコークス系活性炭を、結着剤には例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水溶液を、導電助剤には例えばアセチレンブラックを用いる。活性炭:結着剤:導電助剤の混合重量比は例えば、10:2:1である。この混合物を混練機で練合して所定の粘度に調整する。混練の際は、分散剤として例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)を添加する。
このようにして調製したペーストを集電体2Aの表裏面に塗布し、100℃の大気雰囲気中において乾燥して分極性の電極層2Bを形成する。電極層2Bの厚みは例えば40μmである。その後、電極層2Bを設けた集電体2Aに、所定の幅になるようスリット加工を施す。
さらに、集電体2Aの表裏面上へ形成した電極層2Bの一部を取り除き、集電体2Aの露出した部分へアルミニウムなどで形成したリード線5Aを針かしめなどの方法で接続する。以上により、正極2が完成する。
次に、負極3を作製する手順を説明する。集電体3Aとして、例えば厚さ約15μmの銅箔を用い、この銅箔の表裏面へ電極層3Bを形成する。電極層3Bを構成する材料には、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出できる炭素材料として例えばソフトカーボンを用いる。導電助剤には正極2と同様に例えばアセチレンブラックを用いる。結着剤として例えばスチレンブタジエンラテックス(SBR)を用いる。これらの材料を混合する場合、ソフトカーボンと導電助剤と結着剤とを重量比8:1:1の割合に混合する。
ペーストを調製する際、水に対し、CMC、アセチレンブラック、ソフトカーボン、SBRの順に投入し、攪拌して混練してペーストを作製する。
このペーストを、コンマコータやダイコータなどを用いて集電体3Aの表裏面へ塗布し、80℃の大気中で乾燥する。塗布物の乾燥後の片面の厚みは例えば約50μmである。このように塗布物を表裏面上へ形成した集電体3Aを、75〜100kgf/cmの線圧でプレス加工して、片面の厚みが40μm、密度0.4〜1.0g/cmに調整された電極層3Bを形成する。そして、電極層3Bを表裏面上へ形成した集電体3Aを所定の幅へスリット加工する。
さらに、正極2と同様に、集電体3Aの表面へ形成された電極層3Bの一部を取り除き、集電体3Aが露出した部分へ銅などで形成されたリード線5Bを抵抗溶接などにより接続する。以上により、負極3が完成する。
なお、低抵抗や充放電サイクル寿命の面で優れているため、炭素材料としてソフトカーボンを使用したが、他にも、黒鉛質炭素、低温焼成炭素、難黒鉛化炭素などが候補として挙げられる。それぞれの材料を物性において比較すると特化している性能が異なるため、使用目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、黒鉛質炭素は、高耐電圧であり、且つ充放電サイクルにおけるエネルギー損失が小さい。低温焼成炭素は、高容量や低抵抗の面で優れている。難黒鉛化炭素は、高容量やサイクル損失が小さい面で優れている。
次に、ドープ源となるカチオン原子を含むリチウム層(図示なし)を、外装体6内へ設ける。負極3は正極2と異なり、プレドープによってリチウムイオンを炭素材料内へ吸蔵させる必要がある。リチウム層は導電性を有した基材の表面に形成される。この基材と負極3とを電気的に接続させた状態で電解液に浸漬することで、金属リチウムがイオン化し、そして負極3の炭素材料とリチウムイオンの電位差によって、基材と負極3が短絡し、リチウムイオンが炭素材料に吸蔵される。
リチウム層を設ける方法として、例えば市販の箔状の金属リチウムを用いることが考えられる。リチウムイオン供給源の形成方法としては、これに限定されることはなく、気相法や液相法などによって形成されていてもよい。なおプレドープについては後ほど、詳しく説明する。
次に、素子1を作製する手順を説明する。正極2と負極3とを対向させ、正極2と負極3の間にセパレータ4を挟んで積層体を形成する。セパレータ4は、例えば厚み約35μm、密度0.45g/cmであるセルロース系の紙を材料としている。この積層体を、対向する正極2と負極3の間にセパレータ4が介在する様に捲回し素子1を完成させる。
次に、素子1と電解液を外装体6内に収容する手順を説明する。電解液には、例えばカチオンとしてリチウムイオン、アニオンとして耐電圧特性を考慮してフッ素原子を含んだアニオンを含む電解質を溶媒に溶解した溶液を用いる。上記アニオンとしてBF あるいはPF が好ましい。溶媒として、例えば高誘電率のエチレンカーボネート(EC)と低粘度のジメチルカーボネート(DMC)とを重量比1:1に混合した混合溶媒を用いる。なお電解液は上記構成に限定されず、リチウムイオンを含んでいれば同様の効果を奏する。リチウムイオン以外に、炭素材料よりも酸化還元電位が低いカチオンを用いることができる。
外装体6は、放熱性の観点から例えば鉄、アルミニウムや銅やニッケルなどの金属で形成されているが、電解液と反応を生じる虞の低い材料であれば特に限定されない。また角柱ケースやラミネートタイプでもよい。
ここで素子1を構成する負極3に施すプレドープについて説明する。プレドープとは、負極3へリチウムイオンを予め吸蔵させる処理である。なお吸蔵とは、負極3近傍のリチウムイオンが、炭素材料が有する層間を有した多層状の結晶構造の層間へ入り込み、炭素原子とリチウム原子による層間化合物をつくる現象のことを表す。
このようにリチウムイオンが負極3へ吸蔵される際にリチウムイオンの電気化学反応により負極3の電極電位が下がる。その結果、キャパシタに用いられる正極2と負極3の電位差が広がることによりキャパシタのエネルギー密度が向上する。
本実施の形態では、リチウム層を表面に形成した負極3に、カチオンであるリチウムイオンと、アニオンとで構成された電解質およびニトロ基を有するベンゼン化合物からなる添加剤を少なくとも含んだ電解液を含浸する。これにより、リチウム層を構成する金属リチウムが電解液と接触し、それにより金属リチウムはイオン化する。そして、このリチウムイオンは炭素材料が持つ多層状の結晶構造の層間へ挿入され負極3の炭素材料へ吸蔵される。より詳細には、リチウムイオンはリチウム層から負極3に供給された電子と炭素材料と共にLiCを形成する。その結果、負極3の電位が低下する。
このプレドープにおける負極3の電位降下とともに、上記添加剤および電解液を構成する溶媒とアニオンが分解し、分解生成物が被膜を負極3の炭素材料の表面に形成する。この分解については、後述する。
このように一定時間、負極3へ電解液を含浸することにより、負極3に形成されたリチウム層の金属リチウムが一定量炭素材料へ吸蔵され、プレドープが完了する。
なお、リチウムイオン二次電池の分野においても負極3へリチウムイオンがプレドープされる。しかしながら、リチウムイオン二次電池でのプレドープは充放電サイクルにおける負極の不可逆容量を低減して、充放電容量を向上させることを目的としており、キャパシタにおけるプレドープとは目的や作用が異なる。キャパシタのプレドープの目的は負極3の電位低下による、キャパシタの高電圧化である。これらの目的の違いによりそれぞれのプレドープの際のリチウムイオン吸蔵量も異なる。したがってリチウムイオン二次電池のリチウムイオン吸蔵量は負極3の不可逆容量分のみで良いため、キャパシタのリチウムイオン吸蔵量より明らかに少ない。
次に、封止の手順を説明する。まず素子1から突出したリード線5A、5Bを封口部材7に設けられた貫通孔の中を通す。この状態で、素子1を外装体6に挿入し、封口部材7を外装体6の開口部へ配設する。そして、封口部材7が位置する、外装体6の開口部近傍の外周面から外装体6内部へ向かって絞り加工を施す。このようにして、外装体6の開口端部にカーリング加工を施すことにより、封口部材7を圧着および握着し固定する。以上の手順で、外装体6の開口部の封止が完成する。
最後に品質保持のために、組み立てたキャパシタをエージングした後、電気的な初期動作を確認する。以上より、本実施の形態によるキャパシタが完成する。
次に、プレドープ中における負極3の表面反応について説明する。
プレドープにより負極3の電位が低下すると、この電位で電解液中の溶媒やアニオン、および添加剤が還元され分解する。これらの分解生成物は競争的に生成し、負極3の表面被膜を形成する。
アニオンの分解化合物は粗膜を形成すると考えられる。このような粗膜を介して負極3の表面に電解液が浸透するため、電極層3Bに既に吸蔵されたリチウムイオンがさらに消費されると考えられる。
しかしながら、負極3の表面被膜を形成する際に、添加剤がある程度存在することで、アニオンの分解化合物の生成が抑制されると考えられる。このようにアニオン分解化合物によって形成される粗膜が形成されることを抑制することで、負極3の電位が上昇していくことを抑制することができる。
現象的には、負極3の電極層3Bの少なくとも一部において、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定されたアニオンを構成する原子のスペクトルにおける、アニオン分解化合物の存在を示すピーク値Iと電解質の存在を示すピーク値Iとの比であるI/Iの値が0.45以上、2.55未満であればよい。このように負極3の表面を制御することによって、充放電を繰り返した後でも、負極3の電位が上昇していくことを抑制することができる。
すなわち、添加剤が、その還元電位に達して分解される際にその分解に伴って、電極層3Bに含まれる炭素材料の表面に、分解によって得られる化合物が固体電解質界面相(Solid Electrolyte Interphase:以下、SEI)被膜の一部として形成されると考えられる。そして、溶媒の還元電位において電解液中の溶媒が分解され、その分解により得られる溶媒由来の化合物が、SEI被膜の一部として形成されることが抑制されると考えられる。
このようにプレドープ中の電解液で添加剤を分解させる場合、溶媒の還元電位より添加剤の還元電位の方が高いことが好ましい。このような添加剤と溶媒とを組み合わせることにより、電解液中でプレドープ中の負極3が電位降下していくと、溶媒の還元電位に達する前に添加剤が分解される。そのため、溶媒の還元電位に負極3が達するときには負極3表面に一定量の絶縁物やリチウム導電物(電気は絶縁するがリチウムイオンは透過可能な化合物)が形成される。そのため、溶媒の還元電位であっても溶媒の分解が抑制され、炭素材料を覆うSEI被膜において添加剤の分解による被膜を多くすることができる。そのため、負極3の電位上昇抑制の効果をより高めることができる。
また、この還元電位に達した際に生じる添加剤の分解反応は不可逆的な反応であることが好ましい。これは、キャパシタ作製後に可逆的反応が生じ、分解されたはずの添加剤が生成され、充放電を阻害する虞があるためである。
なお、電解質としてLiPFを用い、溶媒としてECとDMCの重量比1:1の混合液を用いた前述の電解液の場合には、ピーク値Iとなるアニオン分解化合物(POFなど)の存在を示すピークはP2pのスペクトルにおける130eV以上、135eV未満の範囲におけるピークである。そしてピーク値Iとなる電解質LiPFの存在を示すピークはP2pのスペクトルの135eV以上、140eV以下の範囲におけるピークである。
本実施の形態で用いる添加剤の具体的な材料としては、ニトロ安息香酸、ニトロフタル酸などが挙げられる。ニトロ安息香酸の分解電位は2.272〜2.306V(対Li/Li)であり、ニトロフタル酸の分解電位は2.22〜2.64V(対Li/Li)である。しかし、添加剤はこれらに限定されない。またこれら添加剤を電解液に含有させる場合の好ましい量については後述する。
これら化合物の分解電位(還元電位)は、下記において説明される、基礎特性取得用のセルを用い、その際検出されるサイクリックボルタンメトリーの曲線のピークから算出できる。基礎特性取得用のセルとは、ニッケルメッシュにニッケル製のリード線を溶接接合し、その表面に箔状の金属リチウムを貼り付けた電極を対向電極、参照電極としてそれぞれ用い、負極3を作用極とした3電極式のセルである。
これらの添加剤は溶媒より高い分解電位を有しているため、溶媒より優先的に分解され、添加剤由来の化合物がSEI被膜として形成される。なお、一般的に溶媒として用いられるプロピレンカーボネートの還元電位は約0.8V(対Li/Li)である。ECの還元電位は0.6〜0.7V(対Li/Li)である。DMCの還元電位はECの還元電位よりも高いため、ECとDMCの混合溶媒を用いた場合にはECが優先して還元される。
以上のように、本実施の形態によるキャパシタでは、プレドープによって負極3の電位を溶媒の還元電位より下げても、負極3からプレドープにおいて負極3に吸蔵されたリチウムイオンの放出が抑制されている。そのため、高いエネルギー密度が長期に亘って維持されるとともに初期容量を向上することができる。この効果を、具体的な例を用いて以下に説明する。
(性能評価試験)
まず本発明の実施の形態によるキャパシタのサンプルA、Bと比較例の諸元や作製手順について説明する。サンプルAでは、前述のようにして構成したキャパシタにおいて、添加剤としてニトロ安息香酸(p−ニトロ安息香酸)を電極層3Bの炭素材料に対して0.06wt%添加している。サンプルBでは、サンプルAのニトロ安息香酸に代えて、ニトロフタル酸(4−ニトロフタル酸)を炭素材料に対して0.06wt%添加している。比較例は、前述のようにして構成したキャパシタにおいて、添加剤を除いたキャパシタである。なお各キャパシタの電解液の溶質には1mol/lのLiPFを用いている。
これらのキャパシタにおけるピーク比I/Iおよび性能を測定した性能評価試験の結果を(表1)に示す。
Figure 0006019400
まず、各キャパシタに100C放電を行った際の初期の容量と、60℃雰囲気下にて4500サイクルの充放電を行ったあとの容量保持率、負極電位の上昇率を測定している。なお、各サンプルの初期の電位は略同値であることとする。そして、ピーク比I/Iは、例えば以下の方法によって測定できる。プレドープ直後の負極3を含むキャパシタから、露点―40℃以下のドライルーム中で電解液を排出する。このキャパシタにDMCを添加して、−8×10−2MPaで3分間真空引きを行い、DMCを排出する。このDMCの添加、真空引きおよび排出を計3回繰り返す。次にキャパシタを分解して負極3を取り出し、負極3の中心部分を5mm四方分だけ切り出し測定ホルダーに載置して2×10−3Pa以下で17時間保管する。このホルダーをラミネートパックし、測定室(大気雰囲気)に移動する。ラミネートを、XPSの設備に直結した窒素雰囲気下のブース内で開封し、ラミネートから取り出したホルダーをXPSの設備に導入する。そして、XPSを用いて測定する。その際、アルゴンスパッタにより負極3の表面をスパッタした際のSiO換算により算出される負極3の最表層から深さ3.15nmの位置に対して測定する。なお、XPSにおけるX線の照射条件は特に限定されない。
(表1)から明らかなように、ニトロ基を有する添加剤を添加したサンプルA、Bでは、比較例と比べて充放電を繰り返した後の負極電位の上昇が抑制されている。
次に、サンプルAのようにニトロ安息香酸を添加した電解液を用いた場合に、ニトロ安息香酸の添加量を変えてピーク比I/Iを変化させ、それぞれの負極電位の変化率(上昇率)を測定している。その結果を(表2)に示す。なお(表2)において、ピーク比I/Iが2.554、2.538、2.497、2.087、0.452、0.438、0.351の場合のニトロ安息香酸の添加量はそれぞれ、添加なし、0.01wt%、0.06wt%、0.1wt%、1.0wt%、2.0wt%、2.5wt%である。
Figure 0006019400
(表2)より0.45以上、2.55未満であれば負極電位の上昇率は300未満に抑制されることがわかる。添加物の含有率が低い場合、負極3の表面に形成される添加剤由来のSEI被膜の量が不十分となる。その結果、アニオンの分解が進行しやすく、I/Iが大きくなる。このI/Iの閾値が2.55である。すなわち、この値以上になると負極3の電位上昇抑制効果を十分に得られない。
一方、添加物の含有率が高い場合には極端にアニオンの分解が規制される。この場合、電解液中にアニオンが多く残留し、LiPFの電離度が低下する。電離していないLiPFは加水分解されやすいため、この加水分解によりフッ化水素(HF)が生成しやすくなる。生成したHFは、負極3のSEI被膜を破壊し、破壊されたSEI被膜を修復しようと電極層3B内に吸蔵されたリチウムイオンが消費される。このようにして負極3の電位が上昇していると考えられる。したがって添加剤の添加量には上限を設け、ある程度はアニオンを分解させる必要がある。このときのI/Iの閾値が0.45である。すなわち、この値未満になっても負極3の電位上昇抑制効果を十分に得られない。
また、ピーク比I/Iが0.45を下回るように添加剤の含有率が高い場合、プレドープ後、分解されてない添加剤が電解液中に残る。この状態で充放電を行うと、正極2において残った添加剤が分解される。この分解生成物が電解液中に残留する、あるいは正極2の電極層2Bに付着することなどが生じ、正極2の電極層2Bがアニオンを吸脱着させながら充放電する上で、アニオンの移動の妨げとなる虞がある。したがって、プレドープで添加剤を全て分解することが好ましい。以上の条件を満たすために、添加剤の添加量は、電極層3Bに含まれる炭素材料の重量に対して、0.01wt%以上、2.0wt%以下であることが好ましい。
また、LiPFを電解質として用いた場合、電極層3Bの少なくとも一部において、X線光電子分光法を用いて測定されたF1sのスペクトルの685eV以上、690eV以下の範囲にあるピーク値Iと、F1sのスペクトルの680eV以上、685eV未満の範囲にあるピーク値Iの比I/Iの値が0.50以上、2.20未満であることが好ましい。
ピーク比I/Iの値が小さいほど、電極層3B内にフッ化リチウム(LiF)の存在比率が小さいことを示す。電解液中には、LiPFと、LiFおよびPFとが平衡関係にある。電極層3B内のLiFの存在比率が小さいと、電解液中にLiFが多くなる。そのため、平衡を保とうと、LiPFが増え、同時に、LiPFを生成するためにPFが消費される。このように、ピーク比I/Iの値が2.20より低いことにより、LiPFの電離度を高めることができる。
PFは負極3の被膜を形成するアニオンの分解物生成源となるので、PFが消費されることにより、負極3に形成されるアニオン分解化合物の生成を抑えることができる。
なお、(表1)における試験において、サンプルAのキャパシタでは、ピーク比I/Iの値が2.181であり、サンプルBのキャパシタでは2.192であり、比較例では2.231である。
なお、プレドープを実施するタイミングは素子1作製後に限らず、負極3作製後であれば特に限定されない。このプレドープにおいて、本実施例ではカチオンの一例としてリチウムを用いて説明を行ったが、これに限定されず、イオン化した場合、カチオンになる元素であればよく、リチウムのほかに、セシウム、ルビジウム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、ナトリウムなどがある。また、プレドープにおいて、負極に吸蔵されるカチオンと、充放電に寄与し、負極に吸蔵および放出されるカチオンが異なっていてもよい。
また、電解質もLiPFやLiBFに限定されず、PF 、BF 以外にP(CF6−X (1≦X≦6)、B(CF4−Y (1≦Y≦4)で表されるアニオンや、これら4種のうち2種類以上を混合したものも有用である。なおCFはCなど鎖状、環状フルオロカーボンとしても良い。
なお容量向上の観点からは2種類以上を混合して用いることが有効である。正極2の容量、抵抗はキャパシタの容量、抵抗に大きく寄与する。正極2の電極層2Bは活性炭を含み、活性炭に吸着するアニオンの量が容量に影響する。活性炭が有する細孔の径は、一様ではなく一定の細孔径分布を有する。吸着するアニオンはそれぞれ半径を有し、この半径に適した活性炭の細孔径の大きさの範囲が存在する。このため、分布を有する活性炭の細孔径に対して、複数種のアニオン半径を有したアニオンを吸脱着させることにより、正極2の活性炭と単一のアニオンを使用したときの容量よりも多くの容量を正極2にもたせることができる。
さらに活性炭の容量は、正極電圧3.0V(対Li/Li電位)以下では溶媒和したリチウムイオンが吸着することにより発現される。この溶媒和の状態は、アニオン種によって変わる。すなわち、リチウムイオン溶媒和半径を変えることで、正極電圧3.0V(対Li/Li電位)以下の正極活性炭容量を積極的に増大することが可能になる。この現象は、負極にリチウムイオンをプレドープ可能な炭素材料を用い、正極に活性炭を用いて分極性電極を形成するキャパシタに特有の現象である。
なお電解質のアニオンとして、耐電圧が高いほうが望ましい。アニオン単体の耐電圧としては、PF6 -が比較的耐電圧が高く望ましい。そのため、2種類以上のアニオンを組み合わせて用いる場合にはPF6 -を含むことがより望ましい。
また、集電体2Aを構成するアルミニウムの腐食を抑制する観点から、先にアルミニウムの表面にフッ化アルミニウム主体の被膜を形成することが好ましい。PF6 -は有効にF-をアルミニウム表面に供給することができるため、PF6 -が含有されたキャパシタは高い耐電圧を有する。このことから、一旦、PF6 -を用いて、アルミニウム被膜を電気化学的に形成した後に、BF 4 - などの他のアニオンを添加、混合してもよい。このようにすることで効率的にフッ化アルミニウム被膜を形成することができる。
また、プラズマ処理、ガス処理などのドライ雰囲気での極板処理により、集電体2Aの表面へフッ化アルミニウムを先に形成しておくことで、さらに耐電圧を上げることもできる。さらに活性炭にも同時に処理を行うことで容量向上や抵抗低減できるため、実質的な耐電圧をさらに上げることが可能になる。
さらにこれらのドライ雰囲気での極板処理により電解液の取り扱い時に2種類以上のアニオンを同一に扱うことができるため生産性も大きく向上できる利点がある。
上記の電解質を溶解する溶媒として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、スルホラン、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ブチレンカーボネート、などの環状カーボネート、鎖状カーボネートの混合物や環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテルのほかエポキシ基、スルホン基、ビニル基、カルボニル基、アミド基、シアノ基を有する有機系溶媒のうち、2種類以上を適宜選ぶことができる。
以上のように、本実施の形態におけるキャパシタ用負極の製造方法では、負極のプレドープを行う際に用いる電解液に添加剤として芳香族ニトロ化合物を含有させる。そしてプレドープによりこの添加剤の還元電位以下に負極の電位を下げることにより、この添加剤を分解することを特徴としている。
これにより、本実施の形態の製造方法から得られる負極およびキャパシタでは、プレドープにより負極に吸蔵されたリチウムイオンが充放電に伴って負極から放出されることが抑制され、負極の電位上昇を抑制することができる。そのため、高いエネルギー密度を維持することができる。
なお、以上の説明では添加剤を電解液に添加してプレドープ時に電極層3Bの炭素材料表面で分解させることで、SEIの状態を制御している。その結果としてI/Iの値が0.45以上、2.55未満となっている。しかしながら、他の方法によってSEIの状態を制御し、その結果としてI/Iの値を上記範囲にしても同様の効果を奏する。
本発明にかかるキャパシタ用負極およびキャパシタでは、製造時に、負極の電位を電解液中に含まれる添加物の還元電位より低くすることにより、この添加物を分解して被膜が形成される。これにより、充放電を繰り返し行うことによって生じる負極の電位上昇を抑制できる。このため、本発明にかかるキャパシタは急速な充放電においても高いエネルギー密度を示す。このようなキャパシタは、例えば、回生やバックアップに用いられるハイブリッド車両電源として有用である。
1 素子
2 正極
2A,3A 集電体
2B,3B 電極層
3 負極
4 セパレータ
5A,5B リード線
6 外装体
7 封口部材

Claims (6)

  1. 導電性を有する集電体と、
    前記集電体の表面に形成され、カチオンを吸蔵した電極層と、を備え、前記電極層にアニオンが含まれる電気化学キャパシタ用電極であって、
    前記電極層の少なくとも一部において、X線光電子分光法を用いて測定された前記アニオンを構成する原子のスペクトルにおける、前記アニオンの分解化合物の存在を示すピーク値Iaと、前記カチオンと前記アニオンとで構成される電解質の存在を示すピーク値Ibとの比であるIa/Ibの値が0.45以上、2.55未満である、
    電気化学キャパシタ用電極。
  2. 前記電極層の少なくとも一部において、前記IaがP2pのスペクトルの130eV以上、135eV未満の範囲にあるピーク値であり、前記IbがP2pのスペクトルの135eV以上、140eV以下の範囲になるピーク値である、
    請求項1記載の電気化学キャパシタ用電極。
  3. 前記電極層の少なくとも一部において、X線光電子分光法を用いて測定されたF1sのスペクトルの685eV以上、690eV以下の範囲にあるピーク値Icと、F1sのスペクトルの680eV以上、685eV未満の範囲になるピーク値Idとの比であるIc/Idの値が0.50以上、2.20未満である、
    請求項1記載の電気化学キャパシタ用電極。
  4. 導電性を有する第1集電体と、前記第1集電体の表面に形成された第1電極層とを有する正極と、
    導電性を有する第2集電体と、前記第2集電体の表面に形成された第2電極層とを有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を有するキャパシタ素子と、
    前記キャパシタ素子に含浸し、カチオンとアニオンとで構成された電解質を含む電解液と、
    前記キャパシタ素子と前記電解液とを収容する外装体と、を備え、
    前記第1電極層は前記アニオンを吸脱着可能であり、
    前記第2電極層は、前記カチオンを吸蔵しており、
    前記第2電極層の少なくとも一部において、X線光電子分光法を用いて測定された前記アニオンを構成する原子に関するスペクトルにおける、前記アニオンの分解化合物の存在を示すピーク値Iaと、前記電解質の存在を示すピーク値Ibとの比であるIa/Ibの値が0.45以上、2.55未満である、
    電気化学キャパシタ。
  5. 前記第2電極層の少なくとも一部において、前記IaがP2pのスペクトルの130eV以上、135eV未満の範囲にあるピーク値であり、前記IbがP2pのスペクトルの135eV以上、140eV以下の範囲になるピーク値である、
    請求項4記載の電気化学キャパシタ。
  6. 前記第2電極層の少なくとも一部において、X線光電子分光法を用いて測定されたF1sのスペクトルの685eV以上、690eV以下の範囲にあるピーク値Icと、F1sのスペクトルの680eV以上、685eV未満の範囲になるピーク値Idとの比であるIc/Idの値が0.50以上、2.20未満である、
    請求項4記載の電気化学キャパシタ。
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