JP2008117891A - 電気化学エネルギー蓄積デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電気容量が得られるとともに、負極上でのアンモニウム塩の還元分解反応が回避され、もって充放電サイクル毎の効率が向上し、サイクル寿命が長くなる電気化学エネルギー蓄積デバイスを提供する。
【解決手段】正極と、負極と、アンモニウム塩を含む非水電解液とを備えた電気化学エネルギー蓄積デバイスであって、充電終了時の負極電位が、リチウム基準に対して1.8V未満で0.1V以上となるように設定されていることを特徴とする電気化学エネルギー蓄積デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタおよび二次電池などの電気化学エネルギー蓄積デバイスに関し、特に正極と負極の容量バランスを最適化させた電気化学エネルギー蓄積デバイスに関する。
電気二重層キャパシタでは、正極および負極に分極性電極を用い、充電過程で非水電解液中のカチオンおよびアニオンを電極表面に吸着させることによって、電気化学エネルギーが蓄積される。カチオンやアニオンが電極表面に吸着することによって電気化学エネルギーを蓄積するため、高速な充放電が可能になることが、電気二重層キャパシタの特長である。アニオンやカチオンを多く吸着させるため、分極性電極には、通常、高い比表面積を持つ活性炭などの炭素材料が用いられる。また、電気二重層キャパシタの充電電圧を高く設定できるようにするため、電解液には非水電解液が使用される。非水電解液としては、有機カーボネート等の非水溶媒にテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレートなどのアンモニウム塩を溶解させたものが用いられる。電気二重層キャパシタの充電電圧は、およそ2.3Vであり、これ以上高くすることは困難である。その理由のひとつは、負極において、有機カーボネート等の非水溶媒が還元分解されるようになるからである。充電終了後の負極の電位は、キャパシタによっては、リチウム基準に対して1.8V以上である。
一方、リチウムイオン電池では、正極材料にLiCoOのような層状遷移金属酸化物、負極材料にグラファイトのような層状化合物を用い、充電過程で正極材料がもつリチウムイオンを負極材料に移動させることによって、電気化学エネルギーが蓄えられる。電解液には、有機カーボネート等の非水溶媒に、リチウム・ヘキサフルオロホスフェート(以下、LiPFと略記)などのリチウム塩を溶解させたものが用いられる。充電過程で、リチウムイオンは正極材料の層間から放出され負極材料の層間に挿入されることになるので、電気二重層キャパシタにくらべると、高速な充電が難しくなる。その反面、リチウムイオン電池は、電気二重層キャパシタよりも、多くの電気化学エネルギーを蓄えることができる。その理由のひとつは、充電電圧をおよそ4.2Vまで高めることができるからであり、それは、充電終了後の負極電位をリチウム基準に対して0.1V以下にまで低くできることに起因する。
そして、近年、電気二重層キャパシタの分極性電極とリチウムイオン電池に使われる電極材料を一体化することで、高速な充放電が可能で、電気化学エネルギーも比較的多く蓄えられるハイブリッドタイプの電気化学エネルギー蓄積デバイスも提案されている。例えば、特許文献1が提案するハイブリッドキャパシタにおいては、正極材料には活性炭が、負極材料にはグラファイト構造の発達した炭素繊維が用いられ、電解液には有機カーボネートを含む溶媒にアンモニウム塩とリチウム塩を溶解したものが用いられる。この電解液においてアンモニウム塩は電解液の抵抗を下げるために添加される。また、このハイブリッドキャパシタの負極に使用されるグラファイト系材料には、電気化学的方法によって、例えば、リチウム塩のみを溶解した有機溶媒からなる電解液中で、グラファイト系材料からなる電極とリチウム金属を対向させ、グラファイト系電極にカソード電流を通電することによって、前もってリチウムイオンが挿入されている。
特開平11−144759号公報
しかしながら、特許文献1が提案するようなハイブリッドキャパシタは、本発明者らがこれを組み立てて詳しく検討したところ、充放電サイクルを繰り返すと、充放電サイクル毎の効率が低下し、サイクル寿命が短いことが明らかになった。
本発明者らの検討によれば、例えば、アンモニウム塩としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレート(以下、TEA・BFと略記)を用い、負極材料として人造黒鉛粉末を使用したハイブリッドキャパシタでは、以下のような副反応が起きる。そして、これによって、充放電サイクル毎の効率が低下し、サイクル寿命が短くなる理由を説明することができる。
ハイブリッドキャパシタ等の電気化学エネルギー蓄積デバイスの充電に相当する過程として、負極にカソード電流を流して負極電位を下げていくと、用いたアンモニウム塩に由来するテトラエチルアンモニウムカチオン(以下、TEAイオンと略記)が、負極として使用した人造黒鉛粉末の層間に挿入する反応が起きる。特に、アンモニウム塩のアニオンがテトラフルオロボレートイオン(以下、BFイオンと略記)の場合には、この挿入反応が顕著になる。しかし、この挿入反応が起きる電位は、有機カーボネート等の非水溶媒が還元分解されて負極上に皮膜を形成する電位とほぼ同じであるため、皮膜が形成されればTEAイオンの挿入反応はやがて停止する。そして、更にその後も負極にカソード電流を流し続けると、リチウム基準に対しておよそ0.08Vの電位で、TEA・BFの還元分解反応と推察される反応が起きる。このアンモニウム塩の還元分解反応と推察される反応は不可逆であり、これによって、更に低い電位まで電気化学エネルギーを蓄積することができなくなる。
特許文献1が提案するような、人造黒鉛粉末などのグラファイト系材料にリチウムイオンを多く挿入した負極の平衡電位は、リチウム基準に対して約0.09Vであり、TEA・BFの還元分解反応が起きる電位に、きわめて近い。実際の電気化学エネルギー蓄積デバイスの充電過程では、反応過電圧や濃度過電圧などの理由により、負極の電位は平衡電位より低くなるため、TEA・BFの還元分解反応は起きやすくなる。これによって、特許文献1のような電気化学エネルギー蓄積デバイスでは、その放電容量は少なくなり、結果として、充放電サイクル毎の効率が低下し、サイクル寿命が短くなると考えられる。
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、高い電気容量が得られるとともに、負極上でのアンモニウム塩の還元分解反応が回避され、もって充放電サイクル毎の効率が向上し、サイクル寿命が長くなる電気化学エネルギー蓄積デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決した本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスは、正極と、負極と、アンモニウム塩を含む非水電解液とを備え、充電終了時の負極電位が、リチウム基準に対して1.8V未満で0.1V以上となるように設定されていることを特徴とする。上記構成によれば、通常の電気二重層キャパシタよりも多くの電気化学エネルギーを蓄えることができるとともに、負極上でのアンモニウム塩の還元分解反応を招くことなく、充放電サイクル毎の効率を向上させ、サイクル寿命を長くすることができる。
本発明において、上記アンモニウム塩のアニオンは、テトラフルオロボレートイオン、ビス[トリフルオロメタンスルホニル]イミドイオン、ビス[ペンタフルオロエタンスルホニル]イミドイオン、パークロレートイオン、トリフルオロメタントリフルオロボレートイオン、ペンタフルオロエタントリフルオロボレートイオン、及びビス[オキサレート(2−)]ボレートイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記構成によれば、前記アニオンは、負極上で分解し安定な皮膜を形成するため、アンモニウム塩のカチオンが負極の炭素材料の層間に挿入する反応を抑制することができ、もって電気化学エネルギー蓄積デバイスの充放電サイクル寿命を向上させることができる。
本発明において、上記アンモニウム塩のカチオンは、テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、及びトリメチルブチルアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記構成によれば、前記カチオンは、3つ以上のメチル基を有する四級アンモニウムカチオンであるため、負極の炭素材料の層間へのアンモニウムカチオンの挿入反応を抑制することができる。
本発明において、上記非水電解液は、アンモニウム塩とともに、さらにリチウム塩を含むことが好ましい。上記構成によれば、非水電解液中にリチウムイオンが存在するため、電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギー密度が向上するとともに、負極の炭素材料の層間へのアンモニウムカチオンの挿入反応を抑制することができる。
また、本発明において、上記負極は、炭素材料としてカーボンブラックを含有することが好ましい。上記構成によれば、カーボンブラックは、リチウムとの不可逆的反応量が少ないため、リチウム基準に対して1.8V未満の負極電位で充電後の放電容量が大きい電気化学エネルギー蓄積デバイスが得られる。
さらに、本発明において、上記非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種の非水溶媒を含有することが好ましい。上記構成によれば、前記非水溶媒は、アンモニウム塩を高濃度で溶解することができるため、高エネルギー密度の電気化学エネルギー蓄積デバイスが得られる。
本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスでは、高い電気容量が得られるとともに、負極上でのアンモニウム塩の還元分解反応が回避されるので、充放電サイクル毎の効率が向上し、サイクル寿命が長くなる。
本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスにおいて、充電終了時の負極電位は、リチウム基準に対して1.8V未満となるように設定される。本発明者等は、充電終了時の負極の下限電位をリチウム基準に対して2.3V〜0.1Vの範囲で変えて設定し、充放電サイクルを繰り返して、各下限電位での負極の電気容量を測定した。その結果、下限電位がリチウム基準に対して2.3V〜1.8Vまでは、下限電位が低下しても電気容量を増加させる効果は小さいが、1.8Vより低くなると、下限電位の低下は電気容量を著しく増加させた(表2)。この知見によれば、充電終了時の負極電位を1.8V未満に設定することにより、1.8V以上に比べて、負極電位の低下に対して相対的に大きな負極容量を獲得することができる。また、充電終了時の負極電位を1.8V未満とすることで、充電終了後の負極の電位が1.8V以上である電気二重層キャパシタよりも多くの電気化学エネルギーを蓄えることができる。
なお、負極容量を大きくするためには、充電終了時の負極電位は、好ましくはリチウム基準に対して1.0V以下、さらに好ましくは0.5V以下となるように設定するのがよい。
また、本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスにおいて、充電終了時の負極電位は、リチウム基準に対して0.1V以上となるように設定される。本発明者等の検討によれば、充電終了時の負極電位がリチウム基準に対して0.7V〜0.08Vの範囲となるように設計し、充放電サイクルを繰り返して放電容量を測定したところ、1000サイクル目の放電容量/10サイクル目の放電容量の比は、負極電位が0.1V未満では0.1V以上に比べて不連続に低下した(表1)。これは、負極の充電電位が0.1V未満ではアンモニウム塩の還元分解反応が生じやすくなるためである。アンモニウム塩、特に、TEA・BFのようにアニオンとしてBFイオンを有するアンモニウム塩の還元分解反応と推察される反応が起きる負極電位は、リチウム基準に対しておよそ0.08Vである。従って、充電過程での反応過電圧や濃度過電圧の発生を考慮すると、充電終了時の負極電位を、リチウム基準に対して0.1V以上とすることで、負極上でアンモニウム塩の還元分解反応を惹起することを防止することができる。これによって、正極と負極の容量バランスが最適化され、充放電サイクルを繰り返しても、充放電サイクル毎の効率は低下せず、サイクル寿命が短くなることもない。
本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスによって蓄積される電気化学エネルギーは、電極と電解液の界面に形成される電気二重層容量であっても、電極に用いる材料自体の電気化学ポテンシャルエネルギーの変化であってもよい。
本発明の負極に用いる材料としては、活性炭、カーボンブラック、難黒鉛化カーボン、グラファイト系材料、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素材料が挙げられる。また、ポリアセチレンやポリパラフェニレンなどの導電性高分子であってもよい。また、リチウム金属、リチウムと合金化できる金属(例えば、Ag、Au、Zn、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Bi)、SiやSnなどの酸化物、リチウム含有遷移金属酸化物(例えば、LiTi12)などであってもよい。さらに、リチウムと反応し、金属と酸化リチウムに分解するCoO、NiO、MnOなどの金属酸化物であってもよい。
このような負極材料の中でも、カーボンブラックと、リチウムイオンの挿入と放出が可能またはリチウムと反応する金属酸化物とを含有する混合系の負極は、電気二重層キャパシタとしての機能と非水電解液二次電池としての機能の両方を具備する点で好ましい。カーボンブラックは、活性炭と比較すると比表面積が小さく電気二重層容量は小さい。しかし、カーボンブラックは、その表面にリチウムと反応する官能基が少ないため、リチウムとの不可逆的反応量を抑えることができる。これにより、特に充電時の負極電位がリチウム基準に対して1.8V未満まで充電した場合に大きな放電容量を得ることができる。また、同様の1.8V未満の電位で、金属酸化物は、電気二重層容量をもち、さらに、リチウムイオンの挿入と放出が可能なため、負極容量が大きくなるという利点がある。
本発明の正極に用いる材料としては、負極の場合と同様に、活性炭、カーボンブラック、難黒鉛化カーボン、グラファイト系材料、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素材料が挙げられる。また、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子が挙げられる。さらに、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム等のリチウム複合酸化物でもよい。このような正極材料の中でも、活性炭およびリチウム複合酸化物を含有する混合系の正極は、電気二重層キャパシタとしての機能と非水電解液二次電池としての機能の両方を具備する点で好ましい。
本発明の非水電解液に含まれるアンモニウム塩は、アンモニウムカチオンと、そのカチオンと塩を形成するアニオンとからなる。
アンモニウム塩のアンモニウムカチオンとしては、炭素数が4以下の直鎖のアルキル基を有する4級アンモニウムカチオンが好ましい。このようなカチオンとしては、アンモニウムイオンのN(窒素)に結合する4つのアルキル基が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかであるアンモニウムイオンが挙げられる。分岐のアルキル基を有するアンモニウムイオンの場合、酸化されやすくなる。これらのアンモニウムカチオンを含むアンモニウム塩は単独または2種以上混合して使用されてもよい。
これらのアンモニウムイオンの中でも、テトラメチルアンモニウムイオン(以下、TMAイオンと略記)、トリメチルエチルアンモニウムイオン(以下、TMEAイオンと略記)、トリメチルプロピルアンモニウムイオン(以下、TMPAイオンと略記)、トリメチルブチルアンモニウムイオン(以下、TMBAイオンと略記)のように、3つのメチル基と、1つのメチル基または直鎖のアルキル基とを有するアンモニウムイオンが好ましい。3つ以上のメチル基を有することで、負極として用いられる炭素材料に存在する層間へのアンモニウムイオンの挿入反応を抑制することができる。特に、TMPAイオンは、炭素材料に存在する層間へのTMPAイオンの挿入反応が抑制できるだけでなく、高濃度のアンモニウム塩が溶解した電解液を得ることができるという効果がある。
アンモニウム塩のアニオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、BFイオン、ビス[トリフルオロメタンスルホニル]イミドイオン(以下、TFSIイオンと略記)、パークロレートイオン(以下、ClOイオンと略記)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(以下、PFイオンと略記)、ビス[ペンタフルオロエタンスルホニル]イミドイオン(以下、BETIイオンと略記)、[トリフルオロメタンスルホニル][ノナフルオロブタンスルホニル]イミドイオン(以下、MBSIイオンと略記)、シクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス[スルホニル]イミドイオン(以下、CHSIイオンと略記)、ビス[オキサレート(2−)]ボレートイオン(以下、BOBイオンと略記)、トリフルオロメチルトリフルオロボレートイオン(以下、CFBFイオンと略記)、ペンタフルオロエチルトリフルオロボレートイオン(以下、CBFイオンと略記)、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロボレートイオン(以下、CBFイオンと略記)、トリス[ペンタフルオロエチル]トリフルオロホスフェートイオン(以下、(CPFと略記)などが挙げられる。これらのアニオンを含むアンモニウム塩は単独または2種以上混合して使用されてもよい。
これらのアニオンの中でも、BFイオンは、高濃度のアンモニウム塩が溶解した電解液を調製できる点で好ましい。従って、BFイオンと上記TMPAイオンとからなるアンモニウム塩を用いると、高塩濃度の電解液を得ることができる。また、TFSIイオン、BETIイオン、ClOイオン、CFBFイオン、およびCBFイオンは、アンモニウムカチオンが負極の炭素材料の層間に挿入する反応を抑制することができる点から好ましい。さらに、BOBイオンは、負極上で分解し安定な皮膜を形成することで、炭素材料に存在する層間へのアンモニウムカチオンの挿入反応を抑制することができ、もって電気化学エネルギー蓄積デバイスの充放電サイクル寿命を向上させる効果があるので好ましい。そして、BFイオンやPFイオンを含むアンモニウム塩を使用する場合には、安定な皮膜を形成して炭素材料に存在する層間へのアンモニウムカチオンの挿入反応を抑制できるという点から、BOBイオンを共存させることが好ましい。
本発明の非水電解液用の非水溶媒としては、代表的なものとして、環状カーボネートであるエチレンカーボネート(以下、ECと略記)、プロピレンカーボネート(以下、PCと略記)、ブチレンカーボネート(以下、BCと略記)、環状エステルであるγ−ブチロラクトン(以下、γ−BLと略記)、鎖状カーボネートであるジメチルカーボネート(以下、DMCと略記)、エチルメチルカーボネート(以下、EMCと略記)、ジエチルカーボネート(以下、DECと略記)などを挙げることができる。これらは単独または2種以上混合して使用されてもよい。
これらのカーボネートの中でも、EC、PC、及びγ−BLは、アンモニウム塩を高濃度で溶解することができる点で好ましい。例えば、ECは、その3モルに対して、トリメチルプロピルアンモニウム・テトラフルオロボレート(TMPA・BF)を1モルの高濃度まで溶解することができる。
環状カーボネートとしては、EC、PC、BCのほかに、フルオロエチレンカーボネートなどが挙げられ、環状カーボネートのうちC=C不飽和結合を有するものとしては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、ジフェニルエチレンカーボネートなどが挙げられる。
環状エステルとしては、γ−BLのほかに、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられ、環状エステルのうちC=C不飽和結合を有するものとしては、フラノン、3−メチル−2(5H)−フラノン、α−アンゲリカラクトンなどが挙げられる。
鎖状カーボネートとしては、DMC、EMC、DECのほかに、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネートなどが挙げられ、鎖状カーボネートのうちC=C不飽和結合を有するものとしては、メチルビニルカーボネート、エチルビニルカーボネート、ジビニルカーボネート、アリルメチルカーボネート、アリルエチルカーボネート、ジアリルカーボネート、アリルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
本発明の非水電解液は、アンモニウム塩とともに、さらにリチウム塩を含むことが好ましい。非水電解液中にリチウムイオンを存在させることにより、正極と負極にリチウムイオン電池で採用されているエネルギー蓄積材料を使用できるため、電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギー密度が向上するだけでなく、負極の炭素材料に存在する層間へのアンモニウムイオンの挿入反応を抑制することができるという効果がある。リチウム塩が層間へのアンモニウムイオンの挿入反応を抑制できるのは、電解液の粘度を上昇させてアンモニウムイオンの層間への移動を妨げることによると考えられる。
リチウム塩としては、リチウム・テトラフルオロボレート(以下、LiBFと略記)、リチウム・ビス[トリフルオロメタンスルホニル]イミド(以下、LiTFSIと略記)、リチウム・パークロレート(以下、LiClOと略記)、リチウム・ビス[ペンタフルオロエタンスルホニル]イミド(以下、LiBETIと略記)、リチウム・トリフルオロメチルトリフルオロボレートイオン(以下、LiCFBFと略記)、リチウム・ペンタフルオロエチルトリフルオロボレートイオン(以下、LiCBFと略記)が好ましい。また、LiBFを使用する場合には、リチウム・ビス[オキサレート(2−)]ボレート(以下、LiBOBと略記)を共存させることが好ましい。LiBOBは、負極上に皮膜を形成してアンモニウムイオンの層間への挿入を抑制することができる。
本発明において、非水電解液がリチウム塩とアンモニウム塩とを含む場合、リチウム塩とアンモニウム塩のモル比は、リチウム塩/アンモニウム塩の比で1.0/0.6〜0.6/1.0が好ましく、より好ましくは約1/1である。特に、リチウム塩がLiBF、LiTFSI、LiClOのいずれかであって、アンモニウム塩のカチオンがTMPAイオンで、アニオンがBFイオン、TFSIイオン、ClOイオンのいずれかである場合には、リチウム塩/アンモニウム塩のモル比を1/1とすることにより、特に高濃度の非水電解液を得ることができる。
以上、本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、本発明がそれらに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
以下に、本発明に関する実施例が示されるが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
[実施例1]
<アンモニウム塩の還元分解電位の確認と電気二重層キャパシタ電極の作製>
アセチレンブラックと平均粒径が30nmのCoO粉末からなる試験極を、Doらの方法にしたがって作製し(J.-S. Don and C.-H. Weng, Journal of Power Sources, 146巻, 482頁 (2005))、アンモニウム塩の還元分解電位を測定した。
まず、アセチレンブラックと、CoO粉末と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンの重量比を10:80:10とし、これらをN−メチル−2−ピロリドンと混合してペースト状態とした。そして、このペーストを銅集電箔上に塗工し、乾燥して、35mm×35mmの大きさに切り出した。このペースト層を形成した銅集電箔を、リードのついた厚さ0.5mmの銅集電板に超音波溶接して試験極を作製した。
対極には、宝泉(株)より購入した箔状の電気二重層キャパシタ用電極を切り出して使用した。また、参照極には銀線を用い、リチウム金属基準の電位へ補正を行った。
非水電解液には、ECとTEA・BFを、EC:TEA・BF=8:1(モル比)となるように混合したものを用いた。
20℃での試験極の自然電位は2.9V vs. Li/Li+ であった。試験極に対し、0.0003mA/cmのカソード電流を流し、電位が0.08V vs. Li/Li+ で一定になり、この電位をTEA・BFの還元分解電位とした。
続いて、同様にして作製した試験極に対して、2.9V vs. Li/Li+ 〜 0.1V vs. Li/Li+ の範囲で、0.03mA/cmの電流密度でカソード電流とアノード電流を繰り返し流して、試験極の電気容量を測定した。5サイクル後、カソード電流を流したときの容量とアノード電流を流したときの電気容量は0.16mAhで、ほぼ、同じになり、この値を電気二重層容量とした。また、5サイクル目までの積算カソード電流量から積算アノード電流を差し引いた値は、0.031mAhであった。この値を不可逆容量と定義した。
次に、電気二重層キャパシタを、以下のようにして組み立てた。
まず、アセチレンブラックとCoO粉末とポリフッ化ビニリデンの重量比はそのままで、銅箔上に塗工するペーストの量を増加して、試験極の電気二重層容量が0.50mAh(不可逆容量は、0.097mAh)となるように調整した。この電気容量が0.50mAhである試験極を、電気二重層キャパシタ用負極とした。
一方、アセチレンブラックと、三菱化学カルゴン(株)製の活性炭微粉末(MCSP)と、ポリフッ化ビニリデンの重量比を10:80:10とし、これらをN−メチル−2−ピロリドンと混合してペースト状態とした。そして、このペーストをアルミニウム集電箔上に塗工し、乾燥して、35mm×35mmの大きさに切り出した。このペースト層を形成したアルミニウム集電箔をリードのついた厚さ0.5mmのアルミニウム集電板に超音波溶接して試験極を作製した。
20℃において、活性炭微粉末を使用した試験極の自然電位は2.9V vs. Li/Li+ であった。試験極に対して、2.9V vs. Li/Li+ 〜 4.0V vs. Li/Li+ の範囲で、0.03mA/cm2の電流密度でアノード電流とカソード電流を繰り返し流して、試験極の電気容量を測定した。電位−時間変化は直線的であり、電気二重層容量は、0.60mAhであった。この電気容量が0.60mAhである試験極を、電気二重層キャパシタ用正極とした。なお、この正極の不可逆容量は、無視できるものであった。
非水電解液には、ECとEMCとTEA・BFを、EC:EMC:TEA・BF=3:8:1(モル比)となるように混合したものを用いた。
ポリプロピレン製の不織布を間にして電気二重層キャパシタ用負極および正極を対向させ、負極および正極をテープ固定して一体化した。次に、この一体化した物を両端が空いている筒状のアルミラミネート袋に納め、両極のリード部分において、袋の一方の開口部を溶着した。そして、他方の開口部から調製しておいた非水電解液を滴下した。
このようにして組み立てた電池を、10mmHgで5秒間、脱気した後、注液した開口部を溶着により封止した。
以上のようにして組み立てた電気二重層キャパシタを、20℃、0.36mAの電流で、0〜3.9Vの電圧範囲において、充放電を繰り返した。1000サイクル後の容量は、0.50mAhであった。
[実施例2]
<電気二重層キャパシタにおける正極容量と負極容量のバランス設計>
負極については、実施例1と同様の重量比で混合して、アセチレンブラックとCoO粉末とポリフッ化ビニリデンからなる電気二重層容量が0.50mAh(不可逆容量は、0.097mAh)の電極を作製した。
また、正極については、実施例1と同様の重量比で混合して、アセチレンブラックと三菱化学カルゴン(株)製の活性炭微粉末とポリフッ化ビニリデンからなる電極を作製し、電気二重層容量が0.30mAh(実施例2−1)、0.40mAh(実施例2−2)、0.50mAh(実施例2−3)、0.60mAh(実施例2−4(実施例1と同じ))、0.70mAh(比較例1−1)、0.80mAh(比較例1−2)、0.90mAh(比較例1−3)になるように調整した。
ここで、電気二重層容量が、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90mAhの正極を用いた電気二重層キャパシタを3.9Vまで、0.0036mAで充電を行うと、負極の電位は、それぞれ、0.7、0.5、0.3、0.1、0.08、0.08、0.08V vs. Li/Li+ となるように設計している。
その他は、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタを組み立てた。
以上のようにして組み立てた電気二重層キャパシタを、20℃、0.36mAの電流で、0〜3.9Vの電圧範囲において、充放電を繰り返した。そして、1000サイクル目の放電容量/10サイクル目の放電容量の比を求めた。
結果を表1に示した。
Figure 2008117891
表1より、正極の電気二重層容量が0.60mAhを超えると、すなわち充電終了時の負極電位が0.1V vs. Li/Li+ 未満になると、1000サイクル目の10サイクル目に対する放電容量比は、不連続に、低下することがわかる。電気二重層キャパシタを3.9Vまで充電して、負極の充電電位が、0.1V vs. Li/Li+ よりも低くなることにより、アンモニウム塩の還元分解反応が進行しやすくなるためであると考えられる。なお、正極の電気二重層容量が0.30mAhの場合で、1000サイクル目の10サイクル目に対する放電容量比が若干低下する原因は、3.9V充電を行うと、正極が過充電状態になり、電解液の酸化分解が始まっているためと考えられる。
[実施例3]
<負極容量が大きくなる充電電位の決定>
実施例1と同様にして、アセチレンブラックとCoO粉末とポリフッ化ビニリデンの重量比が10:80:10からなる試験極を作製し、6aの試験極とした。
また、試験極6aと同様にして、アセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンの重量比が90:10からなる試験極を作製し、6bの試験極とした。
そして、試験極6aと同様にして、活性炭微粉末とCoO粉末とポリフッ化ビニリデンの重量比が10:80:10からなる試験極を作製し、6cの試験極とした。
さらに、試験極6aと同様にして、活性炭微粉末とポリフッ化ビニリデンの重量比が90:10からなる試験極を作製し、6dの試験極とした。
対極には、宝泉(株)より購入した箔状の電気二重層キャパシタ用電極を切り出して使用した。また、参照極には銀線を用い、リチウム金属基準の電位へ補正を行った。
非水電解液には、ECとPCとTEA・BFを、EC:PC:TEA・BF=4:4:1(モル比)となるように混合したものを用いた。
20℃において、いずれの試験極も自然電位は2.9V vs. Li/Li+ であった。続いて、これらの試験極に対して、上限電位を2.9V vs. Li/Li+ 、下限電位を2.3V(比較例2−1)、1.9V(比較例2−2)、1.8V(比較例2−3)、1.7V(実施例3−1)、1.5V(実施例3−2)、1.0V(実施例3−3)、0.5V(実施例3−4)、0.1V(実施例3−5) vs. Li/Li+ となるように設定して、0.03mA/cm2の電流密度でカソード電流とアノード電流を繰り返し流して電気容量を測定した。ここで、電気容量は5サイクル目のアノード電流容量とした。
表2に、それぞれの試験極における、各下限電位での電気容量の相対比(下限電位2.3Vにおける電気容量を1.0とした時の各下限電位での電気容量)、およびこれらをプロットして得られた下限電位減少に対する電気容量(相対比)増加の勾配をまとめた。
Figure 2008117891
表2は、カソード電流を流し、下限電位が2.3Vから0.1V vs. Li/Li+ まで低下すると、電気容量(相対比)は増加するが、いずれの試験極においても、1.8V vs. Li/Li+ を境にして、下限電位減少に対する電気容量増加の勾配が著しく大きくなることを示す。すなわち、下限電位が1.8V vs. Li/Li+ までは(比較例2−1〜2−3)、下限電位が低下しても電気容量を増加させる効果は小さいが、1.8V vs. Li/Li+ より低くなると(実施例3−1〜3−3)、下限電位の低下は電気容量を大きく増加させることがわかる。この結果から、充電終了時の負極電位を1.8V未満に設定することで、1.8V以上に比べて、負極電位の低下に対して相対的に大きな負極容量が得られることがわかる。
また、負極材料として、アセチレンブラック(試験極6b)では、活性炭(試験極6d)に比べて、特に1.8V vs. Li/Li+ 未満の下限電位で、大きな電気容量が得られることがわかる。
[実施例4]
<アンモニウム塩のアニオンの検討>
実施例1と同様にして、負極については、電気二重層容量が0.50mAh(不可逆容量は、0.097mAh)の電極を作製し、また、正極については、電気二重層容量が0.60mAhの電極を作製した。
また、電解液には、表3に示すようなアンモニウム塩を溶解し、EC:EMC:アンモニウム塩=3:8:0.3(モル比)の組成としたものを用いた。その他は、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタを組み立てた。
このようにして組み立てた電気二重層キャパシタを、20℃、0.36mAの電流で、0〜3.9Vの電圧範囲において、充放電を繰り返した。そして、1000サイクル目の放電容量/10サイクル目の放電容量の比を求めた。
Figure 2008117891
表3より、特に、BFイオン、TFSIイオン、BETIイオン、ClOイオン、CFBFイオン、CBFイオン、および、BOBイオンをアニオンとして有するアンモニウム塩を使用することで、サイクル特性の良好な電気二重層キャパシタが得られることがわかる。
[実施例5]
<アンモニウム塩のカチオンの検討>
実施例1と同様にして、負極については、電気二重層容量が0.50mAh(不可逆容量は、0.097mAh)の電極を作製し、また、正極については、電気二重層容量が0.60mAhの電極を作製した。
また、電解液には、表4に示すようなアンモニウム塩を溶解し、EC:EMC:アンモニウム塩=3:8:0.3(モル比)の組成としたものを用いた。その他は、実施例1と同様にして、電気二重層キャパシタを組み立てた。
このようにして組み立てた電気二重層キャパシタを、20℃、0.36mAの電流で、0〜3.9Vの電圧範囲において、充放電を繰り返した。そして、1000サイクル目の放電容量/10サイクル目の放電容量の比を求めた。
Figure 2008117891
表4より、特に、TMAイオン、TMEAイオン、TMPAイオン、TMBAイオンをカチオンとして有するアンモニウム塩を使用することで、サイクル特性の良好な電気二重層キャパシタを得られることがわかる。
[実施例6]
<ハイブリッドキャパシタの組み立て>
実施例1でアンモニウム塩の還元分解電位を測定した電極と同様のものである、電気二重層容量が0.16mAh(不可逆容量は、0.031mAh)の電極を作製し、負極とした。
また、正極については、実施例1と同様の重量比である、アセチレンブラックと三菱化学カルゴン(株)製の活性炭微粉末とポリフッ化ビニリデンからなるペーストの塗工重量を調整して、電極を作製し、電気二重層容量が12mAhの電極を作製した。
そして、電解液には、EC:EMC:TMPA・BF:LiBF=3:8:0.5:0.5(モル比)の組成としたものを用いた。
その他は、実施例1と同様にして、ハイブリッドキャパシタを組み立てた。
以上のようにして組み立てたハイブリッドキャパシタを、20℃、0.36mAの電流で、0〜3.5Vの電圧範囲において、充放電を繰り返した。そして、2サイクル目の放電容量および10サイクル目の放電容量を測定したところ、それぞれ、9.8mAhおよび9.6mAhであった。
10サイクル後、ハイブリッドキャパシタの一部を開封し、リチウム金属の小片を圧着したニッケルリードからなる参照極を挿入し、0〜3.5Vの電圧範囲における、負極および正極の電位変化を測定した。その結果、負極の電位は、充電終了時点で0.5V vs. Li/Li+ 、放電終了時点で3.1V vs. Li/Li+ であり、正極の電位は、充電終了時点で4.0V vs. Li/Li+ 、放電終了時点で3.1V vs. Li/Li+ であった。すなわち、充電終了後の負極の電位が、0.1V vs. Li/Li+ 以上であるので、繰り返して充放電ができていることがわかる。
なお、電気二重層容量が0.16mAhの負極を用いても、9.6mAhの電気容量が得られるのは、負極に含まれているCoO粉末が、可逆的に、リチウムイオンと電気化学反応を起こすためである。
本発明の電気化学エネルギー蓄積デバイスは、正極と負極の容量バランスを最適化させているので、高い電気容量が得られて、充放電サイクル毎の効率が向上し、サイクル寿命が長い電気化学エネルギー蓄積デバイスが提供される。

Claims (6)

  1. 正極と、負極と、アンモニウム塩を含む非水電解液とを備えた電気化学エネルギー蓄積デバイスであって、充電終了時の負極電位が、リチウム基準に対して1.8V未満で0.1V以上となるように設定されていることを特徴とする電気化学エネルギー蓄積デバイス。
  2. 前記アンモニウム塩のアニオンが、テトラフルオロボレートイオン、ビス[トリフルオロメタンスルホニル]イミドイオン、ビス[ペンタフルオロエタンスルホニル]イミドイオン、パークロレートイオン、トリフルオロメタントリフルオロボレートイオン、ペンタフルオロエタントリフルオロボレートイオン、及びビス[オキサレート(2−)]ボレートイオンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の電気化学エネルギー蓄積デバイス。
  3. 前記アンモニウム塩のカチオンが、テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、及びトリメチルブチルアンモニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の電気化学エネルギー蓄積デバイス。
  4. 前記非水電解液が、さらにリチウム塩を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の電気化学エネルギー蓄積デバイス。
  5. 前記負極が、炭素材料として、カーボンブラックを含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の電気化学エネルギー蓄積デバイス。
  6. 前記非水電解液が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種の非水溶媒を含有する請求項1〜5の何れか1項に記載の電気化学エネルギー蓄積デバイス。
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