JP2014016550A - 永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及び永久マスクレジストの製造方法 - Google Patents

永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及び永久マスクレジストの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたはんだ耐熱性及び耐めっき性を有する永久マスクレジストを形成できるとともに、補強板を貼り付けるような加熱工程後でも基板変色を抑制することができる永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物及び感光性フィルムを提供する。
【解決手段】(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)テトラゾール化合物を含有する、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物。(D)テトラゾール化合物が、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、前記の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及び永久マスクレジストの製造方法に関する。
プリント配線板の一種として、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit;以下、「FPC」という。)と呼ばれるフィルム状のプリント配線板が、特にカメラ、磁気ヘッド、携帯電話等の小型機器に用いられている。これは、FPCが、それ自体を折り曲げてもその機能を維持できることから、小型機器に収容するプリント配線板として最適であるためである。
特に最近では、各種電子機器の更なる小型化及び軽量化の要請が増えてきており、FPCの採用によって、該小型機器の更なる小型化、軽量化、製品コストの低減並びに設計の簡素化等が徐々に進められている。
FPCに用いられるソルダーレジスト(永久マスクレジスト)には、通常のプリント配線板に用いられるソルダーレジストと同様に、耐めっき性、耐薬品性、密着性、解像性、電気絶縁性及びはんだ耐熱性等の特性に加えて、FPCを折り曲げた際に破壊されないという、いわゆる可とう性が要求される。
現在のところ、ポリイミドフィルムが上記各種特性をある程度満足することから、FPC用のソルダーレジストとしては、接着剤付きのポリイミドフィルムを打ち抜いて形成されるカバーレイが広く用いられている。
しかしながら、ポリイミドフィルムのカバーレイは、型抜きに用いられる金型が非常に高価である上、型抜きしたカバーレイの人手による位置合わせ作業、及び貼り合わせ作業が必要となるため、製造コストが高いという問題がある。
更には、FPCが電子機器の小型化の要請に応えるべく採用されているにも関わらず、そのFPCに型抜きされたカバーレイを設けようとすると、微細パターンの形成が困難になってしまうという問題もある。
これらの問題点を改善するために、フォトレジスト法によるレジスト形成が採用されつつある。このフォトレジスト法によれば、基板上に感光層を形成し、この感光層を部分露光により硬化した後、未露光部を現像により除去してレジストが形成される。フォトレジスト法によれば、微細なパターンを有するレジストを形成することができる。
フォトレジスト法の採用に伴い、種々の感光性樹脂組成物が開発されている。例えば、特定のエポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との付加生成物を無水コハク酸等と反応させることによって得られる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を含有する液状のFPC用感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、ソルダーレジストは、ソルダーマスクとして用いられる他、無電解ニッケルめっき及び/又は金めっき処理におけるレジストとしても用いられる。めっき処理の際、基板は80〜90℃程度の酸性(pH約4〜5)のめっき浴で処理されるため、レジストの浮きや剥がれ、レジスト底部にめっき液が入り込むことによってめっきが析出するめっきもぐり等の不良が発生する場合がある。
そこで、はんだ耐熱性及び耐めっき性の向上を目的として、ベンゾイミダゾール系化合物又はトリアジンチオール系化合物を含む液状の感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3及び4参照)が提案されている。
また、レジストの解像度、密着性、保存性等の向上を目的として、テトラゾール系化合物を含有する、感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。
特開平07−207211号公報 特開平08−134390号公報 特開1999−177218号公報 特開2002−293815号公報 特開平10−246961号公報 特許第4221467号公報 特許第3913022号公報
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物によれば、良好なはんだ耐熱性及び耐めっき性を有するレジスト膜は形成し得るものの、耐折性が不十分であり、改善の余地が有ることが明らかとなった。また、FPCを部分的に厚くしたり硬くしたりするために、FPCに補強板を貼り付ける場合があるが、その際、長時間加熱処理されるためFPCが変色するという問題があった。
そこで、本発明の主な目的は、優れたはんだ耐熱性及び耐めっき性を有する永久マスクレジストを形成できるとともに、補強板を貼り付けるような加熱工程後でも基板変色を抑制することができる永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物及び感光性フィルムを提供することにある。また、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物を使用した、永久マスクレジスト及び永久マスクレジストの製造方法を提供することにある。
本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、(D)テトラゾール化合物を含有する、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物に関する。
この永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物によれば、優れたはんだ耐熱性及び耐めっき性を有する永久マスクレジストを形成できるとともに、補強板を貼り付けるような加熱工程後でも基板変色を抑制することができる。
また、本発明は、(D)テトラゾール化合物が、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する前記の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物に関する。
ことを特徴とする。
これら(D)テトラゾール化合物を用いることにより、基板変色をより一層抑制することができる。
更に本発明の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物には(E)熱硬化剤を含んでもよい。これによりはんだ耐熱性及び絶縁信頼性はより一層優れたものとなる。
上記永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物は、支持体と、該支持体上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性フィルムを構成してもよい。
本発明は、また、本発明に係る永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなる永久マスクレジストに関する。本発明に係る永久マスクレジストは、優れた耐熱性及び耐めっき性を有し、安定して形成されることができる。
本発明は、また、基板上に、前記の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物からなる感光層を設ける工程と、感光層に活性光線をパターン照射し、光硬化部を形成する工程と、前記光硬化部以外の領域を現像して永久マスクレジストを形成させる工程と、を備える、永久マスクレジストの製造方法に関する。更に、基板に補強板を加熱し貼り付ける工程を備えていてもよい。
かかる製造方法によれば、優れたはんだ耐熱性及び耐めっき性を有する永久マスクレジストを製造することができる。
本発明によれば、優れたはんだ耐熱性及び耐めっき性を有する永久マスクレジストを形成できるとともに、補強板を貼り付ける加熱工程後でも基板変色を抑制することができる永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物及び感光性フィルムを提供することができる。また、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物を使用した、永久マスクレジスト及び永久マスクレジストの製造方法を提供することができる。
感光性フィルムの一構成を示す断面図である。 感光性フィルムの一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。また、「EO」はエチレンオキサイドを意味し、「PO」はプロピレンオキサイドを意味する。
本発明の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)テトラゾール化合物を含有する。以下、各成分について詳細に説明する。なお、以下、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物とも表す。
(A)成分
(A)成分のカルボキシル基を有するバインダーポリマとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、ビニル基含有エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリカーボネート、メラミン樹脂、ポリフェニレンスルフィド、及びポリオキシベンゾイル等の公知の樹脂やその酸変性樹脂であって、分子内にカルボキシル基を有するものが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、バインダーポリマーとしては、アルカリ現像性、光感度及び光硬化後のレジスト形状を良好にする観点から、アクリル樹脂を含むことが好ましい。
上記アクリル樹脂としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(重合性単量体)を重合(ラジカル重合等)して得られたものが挙げられる。このようなエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸系単量体、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂としては、タック性及びアルカリ現像性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体単位として含むアクリル樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが挙げられる。
(A)成分としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸とともに、これらと共重合し得るビニルモノマーを共重合させて得られるものを使用してもよい。このようなビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエンが挙げられる。
また、(A)成分としては、側鎖及び/又は末端にエチレン性不飽和結合を導入した共重合体も好適である。このような共重合体としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイヒ酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を持つビニル重合性単量体と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、α−メチルスチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のビニル重合性単量体とを、有機溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を用いて一般的な溶液重合により得られるものを用いることができる。
本実施形態に係る(A)成分の酸価は、アルカリ現像性を良好にする観点から、(メタ)アクリル樹脂の場合、40〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜190mgKOH/gであることがより好ましく、60〜180mgKOH/gであることが更に好ましい。
ここで、酸価は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず、酸価を測定すべき樹脂の溶液1gを精秤した後、この樹脂溶液にアセトンを30g添加し、これを均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
A=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
また、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、感光性樹脂組成物のタック性及びアルカリ現像性を良好にする観点から、5,000〜200,000であることが好ましく、7,000〜170,000であることがより好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる(標準ポリスチレンによる換算)。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は、以下に示すとおりである。
[GPC測定条件]
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 +Gelpack GL−R440(計3本)(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:25℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。
(B)成分
(B)成分の光重合性化合物は、エチレン性不飽和基を有する。(B)光重合性化合物は、例えば、多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸との反応生成物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基を有する化合物とα、β−不飽和カルボン酸との反応生成物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート及びβ−ヒドロキシアルキル−β´−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;並びに(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選らばれる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、製品名)又はFA−321M(日立化成工業株式会社、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートは、BPE−10(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートは、例えば、新中村化学工業株式会社製、商品名UA−11として商業的に入手可能である。EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートは、例えば、新中村化学工業株式会社製、商品名UA−13として商業的に入手可能である。また、無黄変タイプオリゴウレタンアクリレートとしてUF−8001G(共栄社化学株式会社製、商品名)が商業的に入手可能である。
(B)光重合性化合物は、感光性樹脂組成物の感度及び解像度と永久マスクレジストの可とう性を一層向上させる観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、中でも2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンを含むことがより好ましい。
(B)成分の含有割合は、感光性樹脂組成物のフィルム形成性、感度及び永久マスクレジストの耐めっき性を良好にする観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、20〜70質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることが更に好ましい。
(C)成分
(C)成分の光重合開始剤は、従来公知の光開始剤を特に制限無く用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体;クマリン化合物;オキサゾール化合物が挙げられる
上記の中でも、感光性樹脂組成物の感度及び形成される永久マスクレジストの耐めっき性の観点から、芳香族ケトンを含むことが好ましく、α−アミノアルキルフェノンを含むことがより好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1を含むことが更に好ましい。2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1は、Irgacure 369(BASF株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
感光性樹脂組成物の感度を一層向上させる観点から、(C)成分は4,4´−ビスジアルキルアミノベンゾフェノンを更に含むことが好ましい。
感光性樹脂組成物を作製する場合、(C)成分の含有割合は、感光性樹脂組成物の感度及び永久マスクレジストのはんだ耐熱性を共に良好にする観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜7質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
(D)成分
(D)成分のテトラゾール化合物としては、例えば、1H−テトラゾール、5,5´−ビス−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メルカプト−1H−テトラゾール等の5置換−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール、1−フェニル−1H−テトラゾール、1−アミノ−1H−テトラゾール、1−メルカプト−1H−テトラゾール等の1置換−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メチル−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−アミノ−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール等の1置換−5置換−1H−テトラゾールが挙げられる。変色防止の観点からは、1H−テトラゾールおよび5置換−1H−テトラゾールがより好ましい。
感光性樹脂組成物が、(D)成分のテトラゾール化合物を含有することにより、基板変色を抑制することができる。
また、(D)成分の含有量は、変色防止の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.01〜3質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましい。(D)成分の含有量を0.01質量%以上にすることで、補強板を貼り付けるような加熱工程後でも基板変色を抑制することができ、3質量%以下にすることで絶縁信頼性がより良好となる傾向がある。
なお、(D)成分のテトラゾール化合物を含有することにより、基板変色を抑制することが可能であるが、その効果の発現機構は、下地の銅表面の酸化を防ぐことで、防錆効果を奏しているためと推察される。銅表面が酸化すると茶褐色に変色するが、本願発明によれば、防錆効果によって変色を防ぐことができたと推察している。
また本発明の感光性樹脂組成物としては、更に(E)熱硬化剤を含んでもよい。(E)成分である熱硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の化合物などが挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型三級脂肪酸変性ポリオールエポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のジグリシジルエステル類、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のジグリシジルアミン類が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、(E)成分である熱硬化剤として、潜在性の熱硬化剤であるブロックイソシアネート化合物を用いることもできる。ブロックイソシアネート化合物としては、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物、ε−カプロラクタム、オキシム化合物、活性メチレン化合物等のブロック剤によりブロック化されたポリイソシアネート化合物が挙げられる。
ブロック化されるポリイソシアネート化合物としては、4,4−ジフェニルメタンジシソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられ、耐熱性の観点からは芳香族ポリイソシアネートが、着色防止の観点からは脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
保存安定性、はんだ耐熱性及び、絶縁信頼性の観点より、スミジュールBL−3175(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名、「スミジュール」は登録商標)を用いることが好ましい。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、その含有量は、はんだ耐熱性及び絶縁信頼性の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、5〜30質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。(E)成分の含有量を5質量%以上にすることで、感光性樹脂組成物のはんだ耐熱性及び絶縁信頼性がより良好となる傾向があり、30質量%以下にすることで感光性樹脂組成物層のタック性がより良好となる傾向がある。
感光性樹脂組成物は、(A)〜(E)成分の他に、染料、顔料、可塑剤、安定剤、有機フィラー及び無機フィラーなどを必要に応じて更に含んでいてもよい。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した各成分を溶媒に混合してなる形態も含む。溶媒としては、各成分の溶解性、塗膜形成のし易さ等の点から、アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステル、又はジエチレングリコールを用いることができる。
上記溶媒の中でも、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を用いることが好ましい。
図1は、感光性フィルム10の一実施形態を示す断面図である。感光性フィルム10は、支持体3と、支持体3上に設けられた感光層2と、感光層2上に設けられた保護フィルム1とを備える。図1に示すように、感光性フィルム10は、支持体3上に、感光性樹脂組成物の膜を感光層2として形成させることにより製造することができる。
支持体3としては、重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。支持体は多層構造を有していてもよく、表面にエンボスなどの処理を施してあってもよい。
支持体3の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。この厚さが、5μm未満では、回路被覆性が低下する傾向があり、100μmを超えると、パターン形成が困難となる傾向がある。また、保護フィルム1は、支持体3と同一又は異なる重合体フィルムであってもよい。
感光層2は、例えば、感光性樹脂組成物を、支持体3に塗布し、塗布された溶液から、熱風吹き付け等の加熱により溶剤を除去する方法により、形成させることができる。
感光層2を形成するための溶液は、(A)成分、(B)成分(C)成分、(D)成分および(E)成分を含む感光性樹脂組成物を、溶剤に均一に溶解ないし分散して調整される。
溶剤は、感光性樹脂組成物を溶解又は分散する溶剤であればよく、例えば、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(メチルソロソルブ、エチルセロソルブ等)、塩素化炭化水素系溶剤(ジクロルメタン、クロロホルム等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール等)から選ばれる。これらの溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
乾燥後の感光層2の厚さは、特に制限はないが、10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましく、30〜50μmであることが更に好ましい。感光層2を形成した後、そのまま、又は感光層2の支持体3とは反対側の面に保護フィルム1を更に積層してから、感光性フィルム10をロール状に巻き取って貯蔵することができる。
永久マスクレジストとして用いられるレジストパターンは、例えば、基板20上に感光層2を設ける工程と、感光層2に活性光線をパターン照射する工程と、感光層2を現像してレジストパターン(永久マスクレジスト)を形成させる工程と、を備える方法により、製造することができる。
感光層2は、例えば、感光性フィルム10から保護フィルム1を除去してから、必要により加熱しながら、感光層2を基板20に圧着させることにより、基板20上に積層することができる(図2の(a)参照)。このときの感光層2の加熱温度は、特に制限はなく、90〜130℃であることが好ましい。圧着圧力は、特に制限はなく、2.94×10Pa(3kgf/cm)であることが好ましく、4000Pa(30mmHg)以下の減圧下で圧着が行われることが好ましい。
感光層2が積層される基板20は、FPCであることが好ましい。
感光性フィルム10を使用する場合には、感光層2を上記のように加熱しながら基板20に圧着させるため、予め基板20を予熱処理することは必要でないが、積層性を更に向上させるために、基板20の予熱処理を行うこともできる。
基板20上に積層された感光層2は、ネガフィルム又はポジフィルム50を用いて、活性光線Lに画像的に露光され、硬化する(図2の(b)参照)。露光の際、支持体3は感光層2上に残っていてもよいし、除去されていてもよい。
感光層2の粉塵や傷からの保護及び空気中の酸素による感度低下を防止する観点から、支持体3が透明で、支持体3を残した状態で支持体3を通して感光層2を露光することが好ましい。
活性光線Lとしては、通常の活性光源が使用できる。例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。感光層2に含まれる光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるため、活性光源は、紫外線を有効に放射するものが好ましい。
露光後、感光層2上に支持体3が残っている場合はこれを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により未露光部を除去して、感光層2を現像することができる(図2の(c)参照)。そして、感光層2の硬化領域2aが永久マスクレジストとして形成される。
アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム若しくはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩が挙げられ、中でも、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9〜11であることが好ましく、現像温度は、感光層2の現像性に合わせて調整することができる。アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を含ませることができる。
現像後、感光層2の硬化領域2aは、FPCの永久マスクレジスト(カバーレイ)としてのはんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことができる。紫外線の照射量は、好ましくは0.2〜10J/cmである。また、加熱温度は、好ましくは100〜170℃であり、加熱時間は、好ましくは15〜90分間である。これら紫外線の照射と加熱は、どちらを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。紫外線の照射と加熱を同時に行う場合、60〜150℃の加熱を伴うことが好ましい。
次いで、感光層2の硬化領域2aの開口部60に金めっき5処理を施すことで、銅回路4を保護し(図2の(d)参照)、その後、接着剤30層を介したポリイミド基板又はSUS基板を補強板40として貼り付ける(図2の(e)及び(f)参照)ことでフレキシブルプリント配線板が形成される。この補強板40を熱圧着する際に、銅回路4と金めっき5の接触面近くに(例えば、160℃で60分100kg加圧)基板20の変色が起こる問題が従来はあった。しかしながら、本発明の感光性樹脂組成物を使用することによって、例えば、温度150〜170℃、圧力5〜10MPa、60〜90分間の条件で、補強板40を貼り付けたとしても、基板20の変色を防止することができる。
FPC等のプリント配線板は、このようにして永久マスクレジストの特性を付与された後、LSI等の部品の実装(はんだ付け)、カメラ等機器へ装着される。
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1〜2)
感光性樹脂組成物の作製
表1及び表2に示す材料を配合し、感光性樹脂組成物を得た。
Figure 2014016550
まず、表1に示す各成分を表中に示す固形分の配合比(質量基準)で混合することにより、感光性樹脂組成物を得た。なお、表中、(A−1)成分は、アクリル樹脂であって、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルの共重合体(メタクリル酸:メタクリル酸メチル:アクリル酸ブチル=17質量%:62質量%:21質量%)で重量平均分子量100,000、酸価110mgKOH/gのものである。
(A−2)成分は、ポリウレタン化合物(日本化薬株式会社製、商品名UXE−3024、重量平均分子量:10,000、酸価60mgKOH/g)である。
(B−1)成分は、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名BPE−10)である。
(B−2)成分は、無黄変タイプオリゴウレタンアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名UF−8001G)である。
(C)成分は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフェリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名I−369)である。
(E)成分は、ブロック型イソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名スミジュールBL−3175、「スミジュール」は登録商標)である。
なお、これらの感光性樹脂組成物には、希釈剤としてメチルエチルケトン(MEK)を加えた。
表1の値は、各成分の配合比(質量比)である(但し、MEKは液体としての配合比(質量比))。また、表中記号「−」は、該当する成分を含有していないことを示す。
(感光性フィルムの作製)
実施例1〜5、比較例1〜2の感光性樹脂組成物を、支持体である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、商品名「G2−16」)上にそれぞれ別に、均一に塗布することにより感光性樹脂組成物層を形成し、それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、38μmであった。
続いて、感光性樹脂組成物層の支持体と接している側とは反対側の表面上に、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名「NF−13」)を保護フィルムとして貼り合わせ、感光性フィルムを得た。
(評価用積層体の作製)
18μm厚の銅箔をポリイミド基材に積層したフレキシブルプリント配線板用基板(新日鐵化学株式会社製、商品名「エスパネックスMB」シリーズ)の銅表面を塩酸で酸洗浄し、水洗後、乾燥した。このフレキシブルプリント配線板用基板上に連続式真空ラミネータ(日立化成工業株式会社製、商品名「HLM−V570」)を用いて、ヒートシュー温度100℃、ラミネート速度0.5m/分、気圧4000Pa以下、圧着圧力0.3MPaの条件の下、得られた感光性フィルムを、ポリエチレンフィルムを剥離しつつ感光性樹脂組成物層を銅箔側にして積層し、評価用積層体を得た。得られた評価用積層体について、下記の評価を行った。
[光感度の評価]
評価用積層体上に、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製HMW−201GX型露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温(25℃)で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を50秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。光感度を評価する数値として、上記エネルギー量を用いた。この数値が低いほど、光感度が高いことを示す。結果を表2に示す。
[解像度の評価]
ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを評価用積層体上に密着させ、上述した露光機を用いて、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。続いて、常温(25℃)で一時間静置して、PETフィルムを剥離した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を50秒間スプレーして現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。ここで、解像度は、現像処理によって矩形のレジスト形状が得られたライン幅間のスペース幅の最も小さい値(単位:μm)により評価した。この値が小さいほど、解像度に優れていることを示す。結果を表2に示す。
[タック性の評価]
評価用積層体に対し、露光を行わずに、該積層体上のポリエチレンテレフタレートを剥離し、その塗膜表面に指を軽く押し付け、指に対する張り付き程度を次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:指に対する張り付きが認められない、又は、ほとんど認められないもの。
B:指に対する張り付きが若干認められるもの。
C:指に対する張り付きが顕著なもの。
(硬化膜評価用FPCの作製)
評価用積層体上に、ストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、硬化膜の信頼性評価用ネガとして配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、上述した露光機を使用して、該ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光を行った。次いで、常温で1時間静置した後、該積層体上のPETフィルムを剥離し、光感度評価の場合と同様の現像液及び現像条件でスプレー現像を行い、80℃で10分間加熱(乾燥)した。更に160℃で60分間加熱処理を行うことにより、硬化膜評価用FPCを得た。得られた硬化膜評価用FPCについて、下記の評価を行った。
[可撓性(耐折性)の評価]
硬化膜評価用FPCを、ハゼ折りにより180°折り曲げを繰り返して行い、硬化膜にクラックが発生するまでの回数を顕微鏡により観察し、次の基準で評価した。その結果を表2に示す。
A:5回以上折り曲げても硬化膜にクラックが発生しないもの。
B:5回未満の折り曲げで硬化膜にクラックが発生するもの。
[はんだ耐熱性]
硬化膜評価用FPCを260℃のはんだ浴中に10秒間浸漬してはんだ処理を行った後、顕微鏡にて硬化膜の浮き及び剥がれを観察し、下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
A:硬化膜の浮き及び剥がれが見られない。
B:硬化膜の浮き及び/又は剥がれが見られる。
耐めっき性
[耐金めっき性]
硬化膜評価用FPCを用いて、脱脂(5分浸漬)、水洗、ソフトエッチング(2分浸漬)、水洗、酸洗(3分浸漬)、水洗、プレディップ(90秒浸漬)、無電解ニッケルめっき(15分処理)、水洗、無電解金めっき(15分処理)、水洗、及び乾燥の順で処理を施した。各工程に用いた材料は以下の通りである。
脱脂:PC−455(メルテックス株式会社製)25質量%の水溶液
ソフトエッチング:過硫酸アンモニウム150g/Lの水溶液
酸洗:5体積%硫酸水溶液
無電解ニッケルめっき:ニムデンNPR−4(上村工業株式会社製商品名、「ニムデン」は登録商標)
無電解金めっき:ゴブライトTIG−10(上村工業株式会社製商品名、「ゴブライト」は登録商標)
乾燥後、耐金めっき性を評価する為に、レジストに直ちにセロハンテープを貼り、これを垂直方向に引き剥がした(90°ピールオフ試験)。このときのレジストの剥れの有無を光学顕微鏡により観察した。また、金めっきのもぐりの有無を光学顕微鏡により観察し、下記の基準で評価を行った。結果を表2に示す。
A:レジストの剥がれ、金めっきもぐりが見られない、
B:レジストの剥がれ、金めっきもぐりが見られる。
[変色耐性の評価]
硬化膜評価用FPCを、30tハンドプレス機(東洋精機製作所社製)を用いて、プレス温度160℃、プレス圧力10MPaの条件により60分間厚さ方向にプレスした。その後、FPCの外観を目視により観察し、次の基準で評価した。
A:プレス処理前後でFPC基板の変色が認められないもの。
B:プレス処理前後でFPC基板の変色がわずかに認められるもの。
C:プレス処理前後でFPC基板の変色が明らかに認められるもの。
Figure 2014016550
表2に示されるように、(D)テトラゾール化合物を含む実施例の感光性樹脂組成物によれば、はんだ耐熱性、耐金めっき性及び、変色耐性が優れているのに対し、(D)テトラゾール化合物を含まない比較例1及び2の場合、上記特性が劣る傾向にある。
以上の実験結果からも、(A)〜(D)成分の組み合わせを採用した本発明によれば、はんだ耐熱性及び耐めっき性に優れるとともに、変色耐性にも優れた感光性樹脂組成物及び感光性フィルムが提供されることが確認された。
10…感光性フィルム、1…保護フィルム、2…感光層、2a…硬化領域(永久マスクレジスト)、3…支持体、4…銅回路、5…金めっき、20…基板、30…接着剤、40…補強板、50…ネガフィルム又はポジフィルム、60…開口部、L…活性光線。

Claims (7)

  1. (A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)テトラゾール化合物を含有する、永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物。
  2. (D)テトラゾール化合物が、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1に記載の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物。
  3. 更に(E)熱硬化剤を含む、請求項1又は2に記載の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物。
  4. 支持体と、該支持体上に設けられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性フィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなる永久マスクレジスト。
  6. 基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の永久マスクレジスト用感光性樹脂組成物からなる感光層又は請求項4に記載の感光性フィルムの感光層を設ける工程と、前記感光層に活性光線をパターン照射し、光硬化部を形成する工程と、前記光硬化部以外の領域を現像して永久マスクレジストを形成させる工程と、を備える、永久マスクレジストの製造方法。
  7. 更に、基板に補強板を加熱し貼り付ける工程を備える、請求項6に記載の永久マスクレジストの製造方法。
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