JP2014015875A - 過給機付内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンプレッサにデポジットが堆積することを抑制することができる過給機付内燃機関を提供する。
【解決手段】過給機付内燃機関は、吸気通路24と、コンプレッサ18bを吸気通路に備えるターボ過給機18と、三重管100を備えている。三重管100は、EGR導入用外管106の導入部106c、空気流通用中管104、およびオイルミスト導入用内管102の導入部102cが重なることで構成されている。オイルミスト導入用内管102の内部には、ブローバイガスから改修されたオイルによりオイルミスト注入弁76が生成するオイルミストを流通させることができる。EGR導入用外管106内には、低圧排気ガス還流通路(LPL)44を経由したEGRガスを流通させることができる。導入部106cと導入部102cとの間には、空気流通用中管104によって吸気通路24内の空気が流通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給機付内燃機関に関する。
従来、例えば、特開2006−348781号公報に開示されているように、排気ガスを排気系からコンプレッサ上流へ還流させるLPL−EGR装置を備えた過給機付内燃機関が知られている。また、従来、例えば、特開2003−120244号公報に開示されているように、クランクケース又はシリンダヘッドからブローバイガスを導出し、このブローバイガスを吸気通路に供給する内燃機関が知られている。
特開2006−348781号公報 特開2003−120244号公報 特開2011−220221号公報
コンプレッサ(例えば、遠心式コンプレッサ)を備える過給機(例えば、ターボ過給機)付き内燃機関においてブローバイガスを吸気通路における遠心式コンプレッサの上流側の部位に導入すると、ブローバイガス中に含まれるオイルミストが遠心式コンプレッサの内部に取り込まれることになる。劣化した(スートを含んだ)ミスト状のオイルが遠心式コンプレッサの内部において高温に曝されると、遠心式コンプレッサの内部にデポジットが生成することが懸念される。そして、このようなデポジットの遠心式コンプレッサの内部への堆積が進行すると、過給機の性能低下が生ずることが懸念される。
ところで、LPL−EGR装置によるEGRガスおよびブローバイガスは、いずれも吸気通路に導入されるものである。これらのガスは、内燃機関の設計によってその導入位置が決まり、過給機付内燃機関においてコンプレッサ入口近傍に導入されうる。EGRガスをコンプレッサ入口近傍で吸気通路に導入した場合、高温のEGRガスによりコンプレッサ部品の一部が高温となる。さらにブローバイガスをコンプレッサ入口近傍に導入すると、ブローバイガス中のオイル成分が、コンプレッサ部品の高温部分と接することで加熱されてデポジットを生成し、結果的に上記背景技術で述べたように過給機の性能低下が生ずることが懸念される。或いは、EGRガスの導入口の近傍においてブローバイガスの供給口を設けた場合、EGRガスによりブローバイガスが過熱され、オイルが気体状となり、コンプレッサに付着しやすくなってしまう。
このように、コンプレッサ上へのデポジット堆積を抑制する観点から、LPL−EGR装置のEGRガスおよびブローバイガスが吸気通路に導入される構成においては、これらのガスの導入を無造作に行うことは好ましくない。つまり、高温のEGRガス、ブローバイガス中のオイル成分の関係を考慮に入れる必要がある。この点に関し、従来の技術には未だ改善の余地が残されている。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、コンプレッサにデポジットが堆積することを抑制することができる過給機付内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、過給機付内燃機関であって、
吸気通路と、
コンプレッサを前記吸気通路に備える過給機と、
EGR通路と連通する第1連通部、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流の部分である吸気通路上流部に接続する第1接続部、および前記第1接続部から前記吸気通路の下流に向かって延びて前記下流に開口する第1導入部を備えたEGR導入管と、
ブローバイガスの経路および前記ブローバイガスから回収したオイルの経路のうち少なくとも一方の経路と連通する第2連通部、前記吸気通路上流部に接続する第2接続部、および前記第2接続部から前記吸気通路の下流に向かって延び前記下流に開口する第2導入部を備えたオイル導入管と、
を備え、
前記第1導入部と前記第2導入部との間に空気が流通することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第1導入部、前記吸気通路上流部を構成する吸気管路部、および前記第2導入部が、互いに直径の異なる管であり、
前記直径の異なる管のうち直径の小さい管に被せて直径の大きい管が重ねられることで前記第1導入部、前記吸気管路部、および前記第2導入部により構成された三重管を備え、
前記第1導入部と前記第2導入部の間に介在した前記吸気管路部に空気が流通することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記吸気通路における前記コンプレッサより上流にブローバイガスを導入するブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路の途中に設置され、ブローバイガス中に含まれるオイルを当該ブローバイガスから分離して捕集するオイル捕集手段と、
前記オイル捕集手段で捕集した前記オイルを貯留するオイルタンクと、
前記オイルタンクと接続し、出口からオイルミストを前記上流側部位に供給するオイルミスト注入弁と、
を更に備え、
前記オイル導入管における前記第2連通部は、前記オイルミスト注入弁の出口と連通することにより、ブローバイガス中から回収したオイルの経路と連通することを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至3の発明のいずれか1つにおいて、
前記第1導入部の開口は、前記コンプレッサのシュラウド側に位置し、前記第2導入部の開口は、前記コンプレッサのインペラのハブ側に位置することを特徴とする。
第1の発明によれば、高温なEGRガスとブローバイガス中のオイルの導入経路を分けて、オイルが高温にさらされることを回避できる。その結果、コンプレッサにデポジットが堆積することを抑制することができる。
第2の発明によれば、三重管の構成とすることで、EGRガスとブローバイガス中のオイルとの間に確実に空気層を介在させることができる。
第3の発明によれば、オイルミスト注入弁で生成したオイルミストを、オイル導入管を経由して、EGRガスによる高温環境を回避しつつコンプレッサに供給することができる。
第4の発明によれば、空気層でEGRガスの冷却効果が期待できるとともに、冷却により発生した凝縮水がシュラウド側へ移動するので、インペラの翼へのダメージを回避できる。
本発明の実施の形態1にかかる過給機付内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 オイルミスト回収タンク72およびオイルミスト注入弁76の近傍を拡大した模式図である。 図1に示すコンプレッサの詳細な構成を表した断面図である。 コンプレッサの内部におけるデポジットの具体的な生成メカニズムを説明するための図である。 ブローバイガス中のオイルミストの量と粒径との関係(オイルミスト粒径分布)を、オイルセパレータの有無で比較して表した図である。 コンプレッサに取り込まれたオイルミストによるデポジットの堆積に対して、オイルミストの粒径の違いが与える影響を説明するための図である。 コンプレッサ効率低下代Δηcと内燃機関の運転時間との関係を、オイルセパレータの有無で比較して表した図である。 デポジット堆積とスーツ濃度との関係を説明するための図である。 デポジット堆積とLPL−EGR混合率との関係を説明するための図である。 デポジット堆積とLPL−EGR混合率との関係を説明するための図である。 デポジット堆積とコンプレッサ出口温度との関係を説明するための図である。 図1における三重管100近傍の構成を拡大して示す断面図である。 三重管100近傍を拡大して示す斜視図であり吸気通路24の一部を透視して示しているものと、三重管100の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる過給機付内燃機関である内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。
実施の形態1.
[実施の形態1の過給機付内燃機関の構成]
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1の過給機付内燃機関の構成を下記(1)〜(4)の順に説明する。
(1)システム構成
(2)オイルミスト注入弁およびその周辺構成
(3)ECUの制御システム
(4)三重管の構成
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる過給機付内燃機関のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、4サイクルのディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)10であり、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型であるが、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
内燃機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタが設置されている。各気筒のインジェクタは、共通のコモンレールに接続されている。コモンレール内には、サプライポンプ(図示省略)によって加圧された高圧の燃料が供給されている。そして、このコモンレールから各気筒のインジェクタへ燃料が供給される。各気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールドによって集合され、排気通路16に流入する。
内燃機関10は、ターボ過給機18を備えている。ターボ過給機18は、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン18aと、連結軸18c(後述の図2)を介してタービン18aと一体的に連結され、タービン18aに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるコンプレッサ18bとを有している。コンプレッサ18bは、後述するように、遠心式のコンプレッサである。ターボ過給機18のタービン18aは、排気通路16の途中に配置されている。タービン18aよりも下流側の排気通路16には、排気ガスを浄化するために、酸化触媒20およびDPF(Diesel Particulate Filter)22が上流側から順に設置されている。
内燃機関10の吸気通路24の入口付近には、エアクリーナ26が設けられている。エアクリーナ26を通って吸入された空気は、ターボ過給機18のコンプレッサ18bで圧縮された後、インタークーラ28で冷却される。インタークーラ28を通過した吸入空気は、吸気マニホールドにより分配されて、各気筒に流入する。吸気通路24におけるインタークーラ28と吸気マニホールドとの間には、HPLディーゼルスロットル30が設置されている。
吸気通路24におけるエアクリーナ26の下流近傍には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ32と、吸気通路24の入口における吸気の温度(吸気入口温度T0)を検出すための第1吸気温度センサ34とがそれぞれ設置されている。また、吸気通路24におけるコンプレッサ18bの出口近傍には、コンプレッサ18bから排出された吸気の温度(コンプレッサ出口温度)を検出するための第2吸気温度センサ36が設置されている。更に、吸気マニホールドには、吸気マニホールド圧力(過給圧)を検出するための吸気圧力センサが設置されている。
また、図1に示すシステムは、高圧排気ガス還流通路(HPL:High Pressure Loop)40を備えている。HPL40は、タービン18aの上流側に位置する排気マニホールドとコンプレッサ18bの下流側に位置する吸気マニホールドとを連通するように構成されている。このHPL40の途中には、HPL40を通って吸気マニホールドに還流する再循環排気ガス(EGRガス)の量を調整するためのHPL−EGR弁42が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、低圧排気ガス還流通路(LPL:Low Pressure Loop)44を備えている。LPL44は、タービン18aよりも下流側かつDPR22よりも下流側の排気通路16とコンプレッサ18bよりも上流側の吸気通路24とを連通するように構成されている。このLPL44の途中には、EGRガスの流れの上流側から順に、LPL44を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ46、および、LPL44を通って吸気通路24に還流するEGRガス量を調整するためのLPL−EGR弁48が設けられている。また、LPL44と排気通路16との接続部位よりも下流側の排気通路16には、排気絞り弁50が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、図示省略するヘッドカバーの内部とコンプレッサ18bよりも上流側の吸気通路24とを連通するブローバイガス通路52を備えている。ブローバイガス通路52は、内燃機関10の内部で発生したブローバイガスを処理するためのブローバイガス処理装置(図示省略)の構成要素の1つである。
ブローバイガス通路52の途中には、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離して捕集するためのオイルセパレータ54が設置されている。オイルセパレータ54は、ここでは、サイクロン式(遠心分離式)のオイルセパレータであるものとする。より具体的には、サイクロン式のオイルセパレータ54は、遠心力を利用してセパレータ内部の壁面にオイルミストを衝突させることによって、オイルをブローバイガスから分離して捕集する方式のものである。
また、オイルセパレータ54の周辺には、ブローバイガスがオイルセパレータ54をバイパスできるようにするためのバイパス通路56が設けられている。バイパス通路56は、オイルセパレータ54よりもブローバイガスの流れの上流側の上流側接続部52aにおいてブローバイガス通路52から分岐し、オイルセパレータ54よりもブローバイガスの流れの下流側の下流側接続部52bにおいてブローバイガス通路52に合流する通路として構成されている。更に、下流側接続部52bには、ブローバイガスの流路を切り替えるための切替弁(三方弁)58が設置されている。
より具体的には、切替弁58は、下流側接続部52bにおいてバイパス通路56を遮断させる第1動作位置と、下流側接続部52bにおいてバイパス通路56よりも上流側のブローバイガス通路52を遮断させる第2動作位置とを選択可能に構成されている。このため、ブローバイガスの流路形態として、切替弁58を第1動作位置に制御することによってブローバイガスがオイルセパレータ54を通過する「オイル捕集流路形態」を実現し、一方、切替弁58を第2動作位置に制御することによってブローバイガスがオイルセパレータ54を通過せずにバイパス通路56を流れる「非オイル捕集流路形態」を実現することができる。尚、オイルセパレータ54、バイパス通路56および切替弁58を一体的に構成したものを、オイルセパレータユニットとしてブローバイガス通路52の途中に介在させるようにしてもよい。
(オイルミスト注入弁およびその周辺構成)
オイルセパレータ54は、オイル通路70を介して、オイルミスト回収タンク72に接続している。オイルミスト回収タンク72は、オイルセパレータ54で捕集されたオイルを回収し、一定量だけ貯留することができる。オイルミスト回収タンク72は、オイルミスト注入通路74を介して、吸気通路24のコンプレッサ18bの上流部に接続している。オイルミスト注入通路74には、オイルミスト注入弁76が設置されている。
オイルミスト回収タンク72は、オイルリターン通路78を介して、内燃機関10のオイルパン(図示省略)に接続している。オイルリターン通路78には、オイルリターン弁80が設けられており、オイルリターン弁80を開くことで、捕集されたオイルがオイルパンに戻されるようになっている。
図2は、オイルミスト回収タンク72およびオイルミスト注入弁76の近傍を拡大した模式図である。オイルミスト注入弁76は、弁体76a、ノズルボディ76bを備えている。ノズルボディ76b内部には流路としてノズル部76cが形成されており、ノズル部76cの直径はノズルボディ76b先端側で大きくなる。オイルミスト注入弁76の開弁(つまり弁体76aの開弁)により、オイルミスト82が三重管100のオイルミスト導入用内管102内に噴射される。なお、特に図示しないが、必要に応じて、圧力制御用ポンプ等の噴霧形成用の各種構成(この点に関しては公知技術を適用すればよいため、詳細な説明は省略する)が、オイルミスト注入弁76に適宜に設けられていてもよい。オイルミスト回収タンク72には、オイル残量を計測するメータ73が搭載されている。
(ECUの制御システム)
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の入力部には、上述したエアフローメータ32、吸気温度センサ34、36および吸気圧力センサに加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ62、および、エンジン冷却水温度を検出するための水温センサ64等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。更に、ECU60の出力部には、上述したインジェクタ、HPLディーゼルスロットル30、HPL−EGR弁42、LPL−EGR弁48、排気絞り弁50および切替弁58等の内燃機関10の運転を制御するための各種のアクチュエータが接続されている。ECU60は、それらのセンサ出力に基づいて、所定のプログラムに従って上記各種のアクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
ECU60はオイルミスト注入弁76およびオイルリターン弁80に接続しており、制御信号によってオイルミスト注入弁76およびオイルリターン弁80をそれぞれ開閉制御することができる。オイルミスト注入弁76はノーマルクローズ(通常状態で閉じ)であり、オイルリターン弁80はノーマルオープン(通常状態で開放)である。
(三重管の構成)
実施の形態1にかかる過給機付内燃機関10は、三重管100を備えている。図12は、図1における三重管100近傍の構成を拡大して示す断面図であり、図13(a)は、三重管100近傍を拡大して示す斜視図であり、吸気通路24の一部を透視して示している。図13(b)は、三重管100をその長さ方向の中央部分で切断した断面図である。三重管100は吸気通路24におけるコンプレッサ18b上流に配置されている。
三重管100は、EGR導入用外管106の導入部106c、空気流通用中管104、およびオイルミスト導入用内管102の導入部102cが同心円状に重なることで構成されている。空気流通用中管104は、吸気通路24上流部を構成している。導入部102c、空気流通用中管104、および導入部106cは、互いに直径の異なる管である。直径の異なる管のうち直径の小さい管に被せて直径の大きい管が重ねられることで、三重管100が構成されている。なお、これらの管の材質は特に限定は無いが、吸気管や吸気マニホールドと同様の金属等の熱伝導性を有する材料であっても良い。
オイルミスト導入用内管102は、連通部102a、接続部102b、および導入部102cを備えている。オイルミスト導入用内管102の内部には、ブローバイガスから改修されたオイルによりオイルミスト注入弁76が生成するオイルミストを流通させることができる。
図13(a)の斜視図に示すように、オイルミスト導入用内管102は全体としてL型の本体を有する管であり、連通部102aはその管の一端である。連通部102aは、ブローバイガスの経路およびブローバイガスから回収したオイルの経路のうち少なくとも一方の経路と連通するものであり、実施の形態1ではオイルミスト注入弁76と接続して「ブローバイガスから回収したオイルの経路」と連通している。接続部102bは、吸気通路24上流部に接続する部位であり、具体的には吸気通路24の一部を貫通してその内部に管路本体を侵入させるための部位である。接続部102bと吸気通路24との間には例えば溶接、シーリング等による封止が施されても良い。導入部102cは、接続部102bから吸気通路24の下流に向かって延び下流に開口する。
三重管100では、EGR導入用外管106の導入部106cとオイルミスト導入用内管102の導入部102cの間に、空気流通用中管104が備えられる。空気流通用中管104は、三重管100において、オイルミスト導入用内管102とEGR導入用外管106との間に隙間として設けられた円環状の貫通流路である。導入部106cと導入部102cとの間には、空気流通用中管104によって吸気通路24内の空気が流通する。
EGR導入用外管106は、EGR通路と連通する連通部106a、接続部106b、および導入部106cを備えている。EGR導入用外管106内には、低圧排気ガス還流通路(LPL)44を経由したEGRガスを流通させることができる。接続部106bは、吸気通路24におけるコンプレッサ18bより上流の部分である吸気通路24上流部に接続する部位である。接続部106bは、三重管100の外表面に設けた貫通孔を介してその内部空間と連通部106aとを連通させることができる。導入部106cは、接続部106bから吸気通路24の下流に向かって延びて下流に開口する。本実施の形態では図13に示すようにEGR導入用外管106はオイルミスト導入用内管102および空気流通用中管104よりも外側に位置する。その結果、導入部106cが形成するガス流路は、不可避的に、三重管100内部における最外周に存在する内部空間であって、吸気通路流通方向に見た断面が円環状のガス流路となる。なお、図13(a)の斜視図に示すように、EGR導入用外管106の吸気通路上流側は閉塞部106dで蓋がされている。
導入部106cの開口は、コンプレッサ18bのシュラウド側に位置し、導入部102cの開口は、コンプレッサ18bのインペラのハブ側に位置する。
本実施の形態では、オイルミスト導入用内管102における連通部102aは、オイルミスト注入弁76の出口と連通することにより、ブローバイガス中から回収したオイルの導入経路と連通している。これにより、オイルミスト注入弁76で生成したオイルミストを、オイルミスト導入用内管102を経由して、EGRガスによる高温環境を回避しつつコンプレッサ18bに供給することができる。
なお、ブローバイガスは、クランクケース内部のオイルミストを含んでいる。ブローバイガスは、外気からコンプレッサ18b入口へ導入される新気よりも温度が高い。ブローバイガスの量は、新気の量に比べて少ない量であり、数パーセント程度であり、空気との混合率は小さい。低圧排気ガス還流通路(LPL)44を介して還流されるEGRガスは、排気系から回収されるガスであり、その温度は高い。通常の運転条件において、新気に対して2割程度、このEGRガスは混合されるものであり、空気との混合率は大きい。
[実施の形態1にかかるデポジットの堆積]
次に、吸気通路24に導入されたブローバイガス中に劣化したミスト状のオイルが含まれていた場合に生じ得る課題である、コンプレッサ18bの内部(ディフューザ部18b6)へのデポジットの堆積について説明する。
図3は、図1に示すコンプレッサ18bの詳細な構成を表した断面図である。
コンプレッサ18bは、吸気通路24の途中に介在し、その内部は、吸気通路24の一部として機能する。図3に示すように、ターボ過給機18におけるコンプレッサ18b側のハウジング18b1には、吸気の上流側の吸気通路24に接続されるコンプレッサ入口部18b2と、連結軸18cに固定されたコンプレッサインペラ18b3を収容するインペラ部18b4と、渦巻き状のスクロール部18b5と、インペラ部18b4とスクロール部18b5との間においてインペラ部18b4よりも外周側に位置し、円板状の通路であるディフューザ部18b6とが形成されている。
コンプレッサ入口部18b2からコンプレッサ18bの内部に取り込まれた吸気ガスは、インペラ部18b4およびディフューザ部18b6を通る際に加圧されて高温になったうえで、スクロール部18b5を通ってコンプレッサ18bの下流側の吸気通路24に排出されるようになっている。
図1に示すように、吸気通路24におけるコンプレッサ18bの上流側の部位には、ブローバイガス通路52を介してブローバイガスが導入されるようになっている。その結果、吸気通路24に導入されるブローバイガス中にオイルミストが含まれていると、オイルミストは、コンプレッサ18bの内部に取り込まれることになる。このため、コンプレッサ18bに取り込まれたオイルが劣化したもの(スートを含んだもの)であった場合には、当該オイルミストがコンプレッサ18bの内部において高温に曝されると、コンプレッサ18bの内部流路(具体的には、図3に示すように、ディフューザ部18b6の壁面)においてデポジットが生成し、ディフューザ部18b6に堆積してしまうことが懸念される。そして、このようなデポジットのディフューザ部18b6への堆積が進行すると、ターボ過給機18の性能低下が生ずることが懸念される。
また、本実施形態の内燃機関10では、吸気通路24におけるコンプレッサ入口部18b2の近傍には、LPL44を介してEGRガスが導入されるようになっている。このように、EGRガスがコンプレッサ18bの上流に導入されるようになっていると、高温のEGRガスが低温(常温)の新気と十分に混合しないままコンプレッサ18bに流入し、コンプレッサ18bの内部(ディフューザ部18b6)が局所的な高温になり得る。その結果、劣化したオイルミストがそのような局所的な高温部に曝されることがあると、デポジットが生成し易くなる。
図4は、コンプレッサ18bの内部におけるデポジットの具体的な生成メカニズムを説明するための図である。
図4に示すように、ブローバイガス中に含まれるオイルミストは、直径で6μm程度以下のものである。劣化したオイルミストには、直径で0.1μm程度のススが含まれている。このようなオイルミストがインペラ部18b4に流入すると、吸気とともに温度上昇することによって、オイル部分が蒸発していく。その結果、オイルミストが高粘度化し、粘着性が高くなっていく。
その後、高粘度化したデポジットがディフューザ部18b6に流入すると、流入したオイルミストの一部はディフューザ部18b6に着床し、残りのオイルミストは着床せずに下流側に流れていく。ディフューザ部18b6に着床したオイルミストは、その後も高温の吸気に曝されることによって更に蒸発していく。その結果、着床したオイルミストの一部は、ディフューザ部18b6に固着してデポジットとなり、残りのオイルミストは固着までには至らずに下流側に流れていく。
本実施形態の内燃機関10は、オイル消費抑制等の目的のために、既述したように、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを捕集するオイルセパレータ54を備えている。図5は、ブローバイガス中のオイルミストの量と粒径との関係(オイルミスト粒径分布)を、オイルセパレータ54の有無で比較して表した図である。
内燃機関において実際に広く使用されるオイルセパレータの方式は、本実施形態のオイルセパレータ54のようにサイクロン式である。その理由は、他のフィルタ式や電気式のオイルセパレータが次のような短所を有しているからである。すなわち、フィルタ式のオイルセパレータでは、オイルミストの捕集率を高めようとすると、背反として圧力損失が増大し、また、オイルを捕集したフィルタのメンテナンスが必要となる。このため、フィルタ式のオイルセパレータは、内燃機関に搭載するものとしては不向きである。また、電気式のオイルセパレータは、一般に大型であり、コストも高く、自動車への応用は困難であるといえる。
その一方で、サイクロン方式のオイルセパレータを用いたオイルミストの捕集には、次のような特徴がある。すなわち、サイクロン式のオイルセパレータ54を用いてブローバイガス中のオイルミストの捕集を行った場合には、図5に示すように、粒径の大きなオイルミストは効果的に捕集されるが、粒径の小さなオイルミストは、粒径が小さくなるほど、捕集されなくなる。これは、オイルミストの粒径が小さくなると、遠心力の働きが弱くなるので、オイルミストがオイルセパレータ54の内部壁面に衝突しにくくなるためである。
図6は、コンプレッサ18bに取り込まれたオイルミストによるデポジットの堆積に対して、オイルミストの粒径の違いが与える影響を説明するための図である。
先ず、図6(A)を参照して、デポジットの堆積し易さについてのオイルミストの粒径の影響について説明する。図6(A)に示すように、大粒径のオイルミストの場合には、質量が大きいため、コンプレッサ18bの内部において多少蒸発しても、流動性が高く保持される。このため、大粒径のオイルミストは、ディフューザ部18b6に着床した場合であっても、固着する前にディフューザ部18b6の出口まで到達し易くなる。一方、小粒径のオイルミストの場合には、ディフューザ部18b6に着床した後に流動性が無い(低い)ため、ディフューザ部18b6の出口まで至らずに固着してデポジットになってしまう。
更に、大粒径のオイルミストは、ディフューザ部18b6を洗浄し、小粒径のオイルミストによるデポジットの生成および成長(堆積の進行)を抑制する効果があることが分かった。より具体的には、図6(B)に示すように、ディフューザ部18b6に着床した大粒径のオイルミストAの前方に、流動性を失い、このままではデポジットになってしまう小粒径のオイルミストBが着床している場合を想定する。この場合、大粒径のオイルミストAと小粒径のオイルミストBとが接触すると、大粒径のオイルミストAが小粒径のオイルミストBを取り込んで巨大化する。そして、巨大化した大粒径のオイルミストAは、流動性を有したままディフューザ部18b6の出口に到達し、下流側に排出される。このように、大粒径のオイルミストの存在は、ディフューザ部18b6を洗浄し、小粒径のオイルミストによるデポジットの生成および成長を抑制する効果を有している。
図7は、コンプレッサ効率低下代Δηcと内燃機関10の運転時間との関係を、オイルセパレータ54の有無で比較して表した図である。
以上説明したように、オイルセパレータ54を利用したブローバイガス中のオイルミストの捕集を行った場合には、大粒径のオイルミストが捕集され、捕集のできない小粒径のオイルミストがコンプレッサ18bに流入することになる。そして、小粒径のオイルミストはデポジットになり易く、また、大粒径のオイルミストは、小粒径のオイルミストによるデポジットの生成および成長を抑制する効果をもたらすものである。従って、オイルセパレータ54によるオイルミストの捕集を行わない場合の方が、当該捕集を行う場合と比べ、ディフューザ部18b6へのデポジットの堆積が抑制される。このため、図7に示すように、オイルミストの捕集を行わない場合には、デポジットの堆積に起因するコンプレッサ効率ηcの低下が認められないのに対し、オイルミストの捕集を行う場合には、コンプレッサ効率の低下代Δηcが運転時間の経過とともに大きくなる。
[実施の形態1の作用、動作]
以下、図面を参照しつつ、実施の形態1の過給機付内燃機関の作用、動作を下記(1)〜(3)の順に説明する。
(1)オイルミスト注入弁の作用
(2)デポジット堆積運転モードの判定
(3)三重管による作用効果
(オイルミスト注入弁の作用)
実施の形態1では、上記のデポジット堆積を抑制すべく、オイルミスト注入弁76を設けている。オイルミスト注入弁76のノズル部76cは、「堆積デポジットの洗浄に最適なオイルミスト粒径」が多く含まれる噴霧を形成するように、予め試験等によりノズル形状を設計しておくものとする。このオイルミスト粒径は、具体的には、図5で説明したように、コンプレッサ18bのディフューザ部18b6に着床した場合であっても、固着する前にディフューザ部18bcの出口まで到達する程度の大きさの粒径であることが好ましい。そのような粒径が含まれる量についても、デポジット堆積を抑制できる程度の量となるように予め試験等によりノズル部76cを設計すればよい。
本実施の形態1によれば、ブローバイガスからオイルを回収して、この回収したオイルをオイルミスト注入弁76によって、必要なときに、オイルミスト82として吸気通路24のコンプレッサ18b上流側部位に供給することができる。また、必要な場合にのみオイルミストの注入を行うことができるため、オイルセパレータ54で回収したオイルを不要に消費しなくともよく、限られた量のオイルを有効利用することができる。
なお、オイルミスト注入弁76は、図5のDmaxよりも大きな粒径のオイルミストを供給するものであってもよい。このDmaxは、図5に示されるように、「遠心分離式のオイルセパレータ54を通過するオイルミスト粒径の最大値」である。オイル捕集流路形態においては、オイルセパレータ54によってオイルの捕集がされるため、このDmaxより大きな粒径のオイルミストを吸気通路24に供給することができない。前述したように、大粒径のオイルミストは、ディフューザ部18b6を洗浄し、小粒径のオイルミストによるデポジットの生成および成長(堆積の進行)を抑制する効果がある。オイルミスト注入弁76がそのような十分に大きな粒径のオイルミスト82を供給できるように構成されることで、ブローバイガスの流路形態に左右されずに、所望のタイミングで、安定的に、ある程度の大きさの粒径を有するオイルミスト82を吸気通路24のコンプレッサ18b上流側部位に供給することができる。また、オイルセパレータ54によるオイル回収とオイルミスト注入弁76によるオイルミスト82の供給とを独立して制御することができるから、オイル消費の低減とコンプレッサへのデポジット堆積の防止とを好適に両立させることができる。
(デポジット堆積運転モードの判定)
本実施形態では、内燃機関10の運転中に、現在の運転条件が、「ブローバイガス中に含まれるオイルミストに起因してコンプレッサ18bの内部(ディフューザ部18b6)へのデポジットの堆積が懸念される運転条件」であるか否かを判定する。以下、「ブローバイガス中に含まれるオイルミストに起因してコンプレッサ18bの内部(ディフューザ部18b6)へのデポジットの堆積が懸念される運転条件」と判定される判定条件運転モードを、「デポジット堆積運転モード」と称する。本実施の形態1において、デポジット堆積運転モードは、スーツ濃度と、LPL−EGR混合率と、コンプレッサ出口温度とを用いて判定される。
(1)デポジット堆積とスーツ濃度との関係に基づく判定
図8は、デポジット堆積とスーツ濃度との関係を説明するための図である。
図8(A)に示すように、スーツ濃度は燃料噴射量と相関がある。その因果関係を説明すると、すなわち、図8(B)に示すように、コンプレッサ18b内を流れるガスのスーツ濃度は、コンプレッサ効率の低下率と相関を有する。さらに、図8(C)に示すように、コンプレッサ効率の低下は、コンプレッサのディフューザ部18b6壁面におけるデポジット堆積量(堆積したデポジットの厚さ)と相関がある。
そこで、実施の形態1では、上記の相関を踏まえて、下記の(1)式により、スーツ濃度を計算することにした。
S=cof+ cof×A ・・・(1)
Sはスーツ濃度であり、Aは燃料噴射量であり、cofおよびcofはそれぞれ所定の定数である。
ECU60は、燃料噴射弁における燃料噴射量の指令値を取得し、上記(1)式に従って、スーツ濃度Sを計算する。ECU60は、このスーツ濃度が所定の上限値以上である場合、スーツ濃度に関してはデポジット堆積運転モードであると判定する。
(2)デポジット堆積とLPL混合率との関係に基づく判定
図9および図10は、デポジット堆積とLPL−EGR混合率との関係を説明するための図である。
図9(A)に示すように、LPL−EGRの混合率とコンプレッサ入口温度との間には相関がある。図9(B)に示すように、コンプレッサ入口温度とコンプレッサ出口温度の間には、相関がある。図10(A)に示すように、コンプレッサ出口温度が上昇すると、コンプレッサ効率が低下する。図10(B)に示すように、コンプレッサ効率の低下は、コンプレッサのディフューザ部18b6壁面におけるデポジット堆積量(堆積したデポジットの厚さ)と相関がある。コンプレッサ内を流れるガス温度が上昇すると、オイルミストが加熱されて、ディフューザ部壁面のデポジット堆積を生じやすくなるということである。
そこで、実施の形態1では、上記の相関を踏まえて、予め、「コンプレッサ効率低下率が所定値(限界値)となるLPL混合率上限値」を計算しておき、これをECU60に記憶させる。ECU60は、LPL−EGRの混合率の値を取得し、記憶したLPL混合率上限値と比較する。LPL−EGR混合率は、たとえば吸気量およびLPL−EGR弁48の開度等から算出してもよい。LPL混合率上限値以上となるほどにLPL−EGR混合率が高い場合には、ECU60は、LPL混合率に関してはデポジット堆積運転モードであると判定する。
(3)デポジット堆積とコンプレッサ出口温度との関係に基づく判定
図11は、デポジット堆積とコンプレッサ出口温度との関係を説明するための図である。
図11(A)に示すように、コンプレッサ出口温度とコンプレッサ効率低下率との間には相関がある。図11(B)に示すように、コンプレッサ効率低下率と、コンプレッサのディフューザ部18b6壁面におけるデポジット堆積量(堆積したデポジットの厚さ)と相関がある。コンプレッサ出口温度が上昇すると、オイルミストが加熱されて、ディフューザ部壁面のデポジット堆積を生じやすくなるということである。
そこで、実施の形態1では、上記の相関を踏まえて、第2吸気温度センサ36によって検出されるコンプレッサ18bの出口温度が所定値以上であるか否かを判定することによってデポジット堆積運転モードの成立の有無の判定を行う。つまり、予め、「コンプレッサ効率低下率が所定値(限界値)となるコンプレッサ出口温度上限値」を計算しておき、これをECU60に記憶させる。ECU60は、コンプレッサ18bの出口温度を取得し、記憶したコンプレッサ出口温度上限値と比較する。コンプレッサ18bの出口温度は、第2吸気温度センサ36によって検出すればよい。コンプレッサ出口温度上限値以上となるほどにコンプレッサ18bの出口温度が高い場合には、ECU60は、コンプレッサ出口温度に関してはデポジット堆積運転モードであると判定する。
実施の形態1では、上記の(1)〜(3)それぞれの判定を行い、何れの判定結果においてもデポジット堆積運転モードであると判定された場合には、ECU60がオイルミスト注入弁76を開弁してオイルミスト注入を行う。これにより、デポジット堆積運転モードの成立を精度良く判定し、迅速にオイルミスト注入を実現して、確実にコンプレッサのディフューザ部18b6壁面におけるデポジット堆積を抑制することができる。
なお、実施の形態1では、オイルミスト回収タンク72のオイル残量に応じて、次の制御も行う。
すなわち、デポジット堆積運転モードであると判定された場合には、ECU60は、メータ73から取得したオイル残量を所定の下限値と比較する。メータ73から取得したオイル残量が下限値以上である場合には、ノーマルクローズのオイルミスト注入弁76を開き、かつノーマルオープンのオイルリターン弁80を閉じる。
一方、デポジット堆積運転モードではないと判定された場合には、ECU60は、メータ73から取得したオイル残量を下限値と比較する。メータ73から取得したオイル残量が下限値未満の場合には、ノーマルオープンのオイルリターン弁80を閉じる。これにより、オイルセパレータ54で回収したオイルを貯蔵して、オイルミスト回収タンク72内のオイル残量を下限値より多い値に維持し、オイル量を確保することができる。また、オイルミスト回収タンク72を小容量のものとし、小型化できる。
(三重管による作用効果)
実施の形態1にかかる三重管100によれば、高温なEGRガスとブローバイガス中のオイル(オイルミスト)との間で導入経路を分けて、オイルが高温にさらされることを回避できる。その結果、コンプレッサ18bにデポジットが堆積することを抑制することができる。
すなわち、EGR導入用外管106を経由して高温のEGRガスがコンプレッサ18bに導入され、コンプレッサ18bのうちEGRガスがあたる部分(シュラウド側)は部分的、局所的に高温となる。これに対し、オイルミスト導入用内管102を経由してオイルミストがコンプレッサ18bへ導入されたとしても、その導入部位はインペラのハブ側であり、高温となったシュラウド側ではない。従って、オイルミスト加熱によるデポジット生成を、回避することができる。
また、三重管100下流から3種類のガスがコンプレッサ18b入口へ向けて流れ出る際に、図13(b)の断面図からもわかるようにEGRガスとオイルミストとの間に空気の層が介在するので、両者が混ざりにくくなり、オイルミストの加熱を抑制できる。加熱の抑制により、オイルミストをある程度大きな粒径を有する液体粒のままでコンプレッサ18bに導入することができ、コンプレッサ内面を洗い流す効果も期待できる。前述したように、大粒径(液滴状態)のオイルミストは、ディフューザ部18b6を洗浄し、小粒径のオイルミストによるデポジットの生成および成長(堆積の進行)を抑制する効果があることが分かっているからである。
三重管という構成を採用することで、EGRガスとブローバイガス中のオイルとの間に確実に空気層を介在させることができる。なお、三重管100の出口は、オイルミスト導入用内管102内のオイルミスト、空気流通用中管104内の空気およびEGR導入用外管106内のEGRガスが分離された状態でそれぞれコンプレッサ18b内に流入する程度に、コンプレッサ18bの入口の近傍に配置されることが好ましい。これにより、オイルミストがEGRガスで加熱されることを確実に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、空気流通用中管104を経由して流れる空気層によってEGRガスの冷却効果が期待できる。これとともに、冷却により発生した凝縮水がコンプレッサ18bのシュラウド側へ移動するので、コンプレッサ18bのインペラの翼へのダメージを回避できる。
[実施の形態1の内燃機関の変形例]
なお、上述した実施の形態1では、切替弁58の制御によるブローバイガス経路の切り替えについては言及しなかったが、次のような制御を加えても良い。つまり、デポジット堆積運転モードが成立すると判定された場合には、ブローバイガスがオイルセパレータ54を通過しないようにするための上記非オイル捕集流路形態が得られるように、切替弁58を制御するようにしてもよい。そして、デポジット堆積運転モードが成立すると判定されない場合には、ブローバイガスがオイルセパレータ54を通過する上記オイル捕集流路形態が得られるように、切替弁58を制御するようにしてもよい。このような制御を、適宜に実施の形態1の制御に組み合わせても良く、これによりオイル消費の低減とコンプレッサへのデポジット堆積の防止とを好適に両立させることができる。
上述した実施の形態1においては、遠心式コンプレッサ18bを有する過給機として、排気エネルギを駆動力として利用するターボ過給機を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明に過給機は、遠心式のコンプレッサを備えるターボ過給機に限定されるものではない。すなわち、本発明における過給機が備えるコンプレッサは、必ずしも遠心式コンプレッサに限られず、また、コンプレッサの駆動方式は、例えば、内燃機関のクランク軸からの動力を利用するものであってもよく、或いは、電動モータを利用するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、圧縮着火式のディーゼル機関である内燃機関10を例に挙げて説明を行ったが、本発明の対象となる内燃機関は、上記に限定されず、例えば、火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジンなど)であってもよい。
実施の形態2.
図14は、本発明の実施の形態2にかかる過給機付内燃機関のシステム構成を説明するための図である。実施の形態2にかかる内燃機関は、オイルミスト注入弁76とその周辺構成を備えていない点、オイルミスト導入用内管102にブローバイガス通路52が直結している点、およびオイルリターン通路78に代えてオイルリターン通路278が設けられている点が、実施の形態1と異なる。この点を除き、実施の形態2と実施の形態1は同様の構成を備えている。なお、オイルリターン通路278に設けられたオイルリターン弁80を開くことで、捕集されたオイルがオイルパンに戻されるようになっている。
実施の形態2の構成においても、実施の形態1と同様に、高温なEGRガスとブローバイガス中のオイルの導入経路を分けて、オイルが高温にさらされることを回避できる。その結果、コンプレッサ18bにデポジットが堆積することを抑制することができる。また、三重管100により、EGRガスとブローバイガス中のオイルとの間に確実に空気層を介在させることができる。また、空気層でEGRガスの冷却効果が期待できるとともに、冷却により発生した凝縮水がシュラウド側へ移動するので、インペラの翼へのダメージを回避できる。
なお、実施の形態2の更なる変形例として、バイパス通路56、切替弁58を省略しても良い。さらに、オイルセパレータ54を省略しても良い。つまり、単にブローバイガス通路52をオイルミスト導入用内管102と連通させるのみの簡素な構成であってもよい。
なお、本発明に係る過給機付内燃機関において、オイルミスト注入弁は、コンプレッサ内部におけるデポジット堆積を抑制する程度の大きさの粒径を有するオイルミストを前記上流側部位に供給するものであることが好ましい。これにより、ブローバイガスからオイルを回収して、この回収したオイルをオイルミスト注入弁によって、オイルミストとして吸気通路のコンプレッサ上流側部位に供給することができる。よって、必要な場合に、確実に、コンプレッサへのデポジット堆積の防止措置を取ることができる。
また、本発明に係る過給機付内燃機関は、LPL−EGR装置を備え、デポジット堆積判定手段と、制御手段とを備えてもよい。このデポジット堆積判定手段は、前記内燃機関の前記コンプレッサ内を流れるガスのスーツ濃度と、前記LPL−EGR装置におけるLPL混合率の値と、前記コンプレッサの出口温度とに基づいて、ブローバイガス中に含まれるオイルに起因して前記コンプレッサの内部へのデポジットの堆積が懸念される前記内燃機関の運転条件が成立するか否かを判定する。この制御手段は、前記デポジット堆積判定手段により前記デポジットの堆積が懸念される前記運転条件が成立すると判定された場合に、前記オイルミスト注入弁を開弁する。これにより、デポジット堆積運転モードの成立を精度良く判定し、迅速にオイルミスト注入を実現して、確実にコンプレッサにおけるデポジット堆積を抑制することができる。
また、本発明に係る過給機付内燃機関において、前記オイルミスト注入弁は、前記コンプレッサのディフューザ部に着床した場合でも固着する前に前記ディフューザ部の出口まで到達する程度の大きさ以上の粒径のオイルミストを供給するものであってもよい。これにより、確実にコンプレッサのディフューザ部壁面におけるデポジット堆積を抑制することができる。
また、本発明に係る過給機付内燃機関は、バイパス通路と、流路切替手段と、流路制御手段とを備えてもよい。このバイパス通路は、前記オイル捕集手段よりもブローバイガスの流れの上流側の上流側接続部において前記ブローバイガス通路から分岐し、前記オイル捕集手段よりもブローバイガスの流れの下流側の下流側接続部において前記ブローバイガス通路に合流する。この流路切替手段は、ブローバイガスの流路形態を、ブローバイガスが前記オイル捕集手段を通過するオイル捕集流路形態と、ブローバイガスが前記オイル捕集手段を通過せずに前記バイパス通路を流れる非オイル捕集流路形態との間で選択可能なものである。この流路制御手段は、内燃機関の運転状態に応じて、前記流路切替手段を制御して前記オイル捕集流路形態と前記非オイル捕集流路形態との間でブローバイガスの流路形態を切り替える。さらに、前記オイル捕集手段は、遠心分離式のオイルセパレータであり、前記オイルミスト注入弁は、前記遠心分離式のオイルセパレータを通過するオイルミスト粒径の最大値よりも大きな粒径のオイルミストを供給するものであってもよい。これにより、ブローバイガスの流路形態に左右されずに、所望のタイミングで、安定的に、ある程度の大きさの粒径を有するオイルミストを吸気通路のコンプレッサ上流側部位に供給することができる。
10 内燃機関
12 インジェクタ
16 排気通路
18 ターボ過給機
18a タービン
18b コンプレッサ
18b1 ハウジング
18b2 コンプレッサ入口部
18b3 コンプレッサインペラ
18b4 インペラ部
18b5 スクロール部
18b6 ディフューザ部
18bc ディフューザ部
18c 連結軸
20 酸化触媒
24 吸気通路
26 エアクリーナ
28 インタークーラ
30 HPLディーゼルスロットル
32 エアフローメータ
34 第1吸気温度センサ
36 第2吸気温度センサ
42 HPL−EGR弁
46 EGRクーラ
48 LPL−EGR弁
50 排気絞り弁
52 ブローバイガス通路
52a 上流側接続部
52b 下流側接続部
54 オイルセパレータ
56 バイパス通路
58 切替弁
62 クランク角センサ
64 水温センサ
66 トリップメータ
70 オイル通路
72 オイルミスト回収タンク
73 メータ
74 オイルミスト注入通路
76 オイルミスト注入弁
76a 弁体
76b ノズルボディ
76c ノズル部
78 オイルリターン通路
80 オイルリターン弁
82 オイルミスト
100 三重管
102 オイルミスト導入用内管
102b 接続部
102c 導入部
104 空気流通用中管
106 導入用外管
106a 連通部
106b 接続部
106c 導入部
106d 閉塞部

Claims (4)

  1. 吸気通路と、
    コンプレッサを前記吸気通路に備える過給機と、
    EGR通路と連通する第1連通部、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流の部分である吸気通路上流部に接続する第1接続部、および前記第1接続部から前記吸気通路の下流に向かって延びて前記下流に開口する第1導入部を備えたEGR導入管と、
    ブローバイガスの経路および前記ブローバイガスから回収したオイルの経路のうち少なくとも一方の経路と連通する第2連通部、前記吸気通路上流部に接続する第2接続部、および前記第2接続部から前記吸気通路の下流に向かって延び前記下流に開口する第2導入部を備えたオイル導入管と、
    を備え、
    前記第1導入部と前記第2導入部との間に空気が流通することを特徴とする過給機付内燃機関。
  2. 前記第1導入部、前記吸気通路上流部を構成する吸気管路部、および前記第2導入部が、互いに直径の異なる管であり、
    前記直径の異なる管のうち直径の小さい管に被せて直径の大きい管が重ねられることで前記第1導入部、前記吸気管路部、および前記第2導入部により構成された三重管を備え、
    前記第1導入部と前記第2導入部の間に介在した前記吸気管路部に空気が流通することを特徴とする請求項1に記載の過給機付内燃機関。
  3. 前記吸気通路における前記コンプレッサより上流にブローバイガスを導入するブローバイガス通路と、
    前記ブローバイガス通路の途中に設置され、ブローバイガス中に含まれるオイルを当該ブローバイガスから分離して捕集するオイル捕集手段と、
    前記オイル捕集手段で捕集した前記オイルを貯留するオイルタンクと、
    前記オイルタンクと接続し、出口からオイルミストを前記上流側部位に供給するオイルミスト注入弁と、
    を更に備え、
    前記オイル導入管における前記第2連通部は、前記オイルミスト注入弁の出口と連通することにより、ブローバイガス中から回収したオイルの経路と連通することを特徴とする請求項1または2に記載の過給機付内燃機関。
  4. 前記第1導入部の開口は、前記コンプレッサのシュラウド側に位置し、前記第2導入部の開口は、前記コンプレッサのインペラのハブ側に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の過給機付内燃機関。
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