JP6003476B2 - ターボチャージャ - Google Patents

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本発明は、内燃機関などに装備されるターボチャージャに関し、特にタービンシャフトの軸受けなどの潤滑構造に係る。
従来より、車両などに搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)において、排気エネルギを利用したターボチャージャを装備することは知られている。一般にターボチャージャは、排気の流れを受けて回転するタービンホイールと、このタービンホイールにタービンシャフトにより連結されて一体に回転し、吸気を圧縮して各気筒に送り込むコンプレッサインペラと、を備えている。
例えば1分間に10〜20万回転という高速で回転するタービンシャフトは、その軸方向に離間した2つのフローティング軸受けによって、いわば油膜に浮かせたような状態で支持されており、その油膜保持および冷却のために軸受けにはエンジンオイルが供給されるようになっている(特許文献1などを参照)。
このような従来のターボチャージャでは、図4に一例を示すように、タービンハウジングTHとコンプレッサハウジングCHとが軸受けハウジングHによって連結一体化され、タービンホイールTとコンプレッサインペラCとを連結するタービンシャフトSが、軸受けハウジングH内に配設された2つの軸受けBによって回転自在に支持されている。
そして、そのタービンシャフトSの下方にはドレン空間Dが設けられていて、軸受けBを潤滑したオイルが流下するようになっている。図に矢印O1〜O3として示すようにオイルの流れは、2つの軸受けBの両外側、即ちタービンシャフトの軸方向におけるコンプレッサ寄りの端部およびタービン寄りの端部と、2つの軸受けBの中間との3カ所からそれぞれ流下して、軸受けハウジングHの底部に開口するオイル排出口h1から排出される。
特開2010−169036号公報
ところが、前記のようにドレン空間Dを流下するオイルのうち、コンプレッサ寄りのオイルの流れO1は、下方に向かいつつ軸受けハウジングHの底部に沿ってタービン寄り(図4の右寄り)に向かい、また、タービン寄りのオイルの流れO3は、下方に向かいつつ反対にコンプレッサ寄り(図4の左寄り)に向かう。
このため、ドレン空間Dにおいて前記コンプレッサ寄りのオイルの流れO1とタービン寄りのオイルの流れO3とが、それぞれ中央のオイルの流れO2と干渉するとともに、特にオイル排出孔h1の手前ではコンプレッサ寄りのオイルの流れO1とタービン寄りのオイルの流れO3とが衝突することになり、オイルの流量が多くなるとスムーズにオイル排出孔h1に流出しなくなることがあった。
そうしてオイル排出孔h1にスムーズに流出しなくなると、ドレン空間Dにオイルが滞留してしまいその油面が上昇することとなり、コンプレッサインペラCやタービンホイールTの背面側から吸気通路や排気通路にオイルが洩れ出す、という問題が生じる。
本発明はかかる問題点を考慮してなされたもので、軸受けハウジングのドレン空間からオイル排出孔へのオイルの流れをスムーズにして、オイルの排出性能を高めることを目的とする。
前記の目的を達成するために本発明は、タービンシャフトの2つの軸受けを潤滑し、それらの中間、コンプレッサ寄り、タービン寄りの3カ所からドレン空間に流下する3つのオイルの流れを、オイル排出孔の手前までは隔てておき、それらの流れをほぼ同じ向きに揃えて合流させるようにした。
−解決手段−
すなわち、本発明は、排気通路に配設したタービンホイールをタービンシャフトによって、吸気通路に配設したコンプレッサインペラと連結し、その回転により吸気を過給するようにしたターボチャージャが対象である。前記タービンシャフトは、その軸方向に離間する2つの軸受けによって軸受けハウジング内に支持されており、この軸受けハウジングの内部には、前記2つの軸受けを潤滑したオイルの排出されるドレン空間が、前記タービンシャフトの下方に形成されるとともに、そのドレン空間の下壁部にはオイル排出孔が開口している。
そして、前記ドレン空間には、前記2つの軸受けの一方の下部から前記オイル排出孔に向かって延びる第1の壁部と、他方の軸受けの下部から前記オイル排出孔に向かって延びる第2の壁部とを設け、これら2つの壁部によって、前記タービンシャフトの軸方向に並んで第1、第2および第3の3つのドレン通路を区画する。そのうち、前記第2のドレン通路は、前記タービンシャフトの下方において前記2つの軸受けの中間部位からほぼ鉛直下向きに延ばすとともに、その断面積が下方に向かって徐々に減少するテーパ部を有するものとする。一方、前記第1および第3のドレン通路はそれぞれ、前記タービンシャフトの下方において前記一方および他方の軸受けのそれぞれの近傍から斜め下向きに、前記第2のドレン通路に近づくように延びるものとし、それらをほぼ鉛直下向きになるよう湾曲させて第2のドレン通路に集合させ、この集合部を前記オイル排出孔に連通させた構造である。
前記構造のターボチャージャによれば、2つの軸受けをそれぞれ潤滑したオイルが、タービンシャフトの軸方向の一側(例えばコンプレッサ寄りの側)、他側(例えばタービン寄りの側)、および2つの軸受けの中間の3カ所に分かれて、下方のドレン空間に落下する。そして、このドレン空間において第1および第2の2つの壁部により区分された第1〜第3の3つのドレン通路を流下する。このため、3つのオイルの流れは互いに干渉し合うことなく、集合部に達する。
その集合部においては、3つのドレン通路のうち、第2の通路が延びる鉛直下向き方向に近づくように第1および第3の2つの通路が湾曲しながら集合しており、3つのドレン通路がほぼ同じ方向に延びているので、ここでオイルの流れが揃えられた上で合流し、互いに衝突したり強く干渉することなくスムーズにオイル排出孔に向かうようになる。よって、軸受けハウジングのドレン空間からオイル排出孔へのオイルの排出性能を高めることができる。
しかも、そうして3つのドレン通路を集合させると、第2のドレン通路の長さが第1および第3の2つの通路に比べて短くなり、この最短のドレン通路(第2のドレン通路)におけるオイルの流通抵抗が小さくなる。この結果、その最短のドレン通路におけるオイルの流れが速くなり、集合部で他の2つのドレン通路からのオイルの流れを吸い出すベンチュリ効果が期待できる。
また、前記の構成によれば前記第2のドレン通路に、その断面積が下方に向かって徐々に減少するテーパ部を設けて、オイルの流速をさらに高めるようにしている。このようなテーパ部は第1のドレン通路や第3のドレン通路にも設けることができる。
ところで、一般的にタービンシャフトには、コンプレッサ寄りの軸受けの外側(タービンシャフトの端に近い側)に隣接して、スラストベアリングが設けられており、このスラストベアリングから排出されるオイルも前記第1のドレン通路を流下させることが好ましい。このために第1のドレン通路の上端は、タービンシャフトの軸受けからスラストベアリング寄り、即ちコンプレッサ寄りに偏位することになる。
この点を考慮して本発明では、前記オイル排出孔の中央部も、前記2つの軸受けの中央部の直下位置からコンプレッサ寄りに偏位させることにより、前記第1のドレン通路の長さが第3のドレン通路に比べて、あまり長くならないようにしている
また、前記第2のドレン通路に面する第1の壁部の側面は、ほぼ鉛直方向に延びるように形成し、反対側の第2の壁部の側面は、その下端側においてほぼ鉛直方向に延びる一方、そこから上方に向かっては徐々に前記第1の壁部から離れるように傾斜する湾曲面状としている
さらに、前記第1および第2の壁部はそれぞれ、軸受けハウジングにおける軸受けの保持部と一体に形成するのが好ましい。こうすれば、軸受けハウジングを鋳造法によって製造する際に、本来、形成する軸受けの保持部と一体に壁部を形成することができ、コストアップを抑制できる。
本発明に係るターボチャージャによると、タービンシャフトの2つの軸受けを潤滑し、それらの中間、コンプレッサ寄り、タービン寄りの3カ所からドレン空間に流下する3つのオイルの流れを、オイル排出孔の手前まで隔てるように2つの壁部を設けるとともに、これら3つのオイルの流れをほぼ同じ向きに揃えて合流させるようにしたので、オイルの流れが互いに衝突したり強く干渉することなくスムーズにオイル排出孔に向かうようになって、その排出性能を高めることができる。
本発明の実施形態に係るターボチャージャを適用したディーゼルエンジンの一例を示す概略構成図である。 同実施形態のターボチャージャの構造を示す縦断面図である。 軸受けハウジングのドレン空間を拡大して、オイルの流れを示す説明図である。 従来までのターボチャージャの一例を示す図2相当図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は一例として、自動車に搭載されたディーゼルエンジン(内燃機関)に、本発明に係るターボチャージャを装備した場合について説明する。
−エンジン−
まず、本実施形態に係るディーゼルエンジン1について簡単に説明すると、図1に模式的に示すようにエンジン1は、一例としてコモンレール式筒内直噴型の4気筒ディーゼルエンジンであって、シリンダヘッド1aには、各気筒に吸入空気を分配するためのインテークマニホールド2と、各気筒から排出される既燃ガス(排気ガス)が合流するエキゾーストマニホールド3とが接続されている。
インテークマニホールド2の入口には、外気(空気)を取り入れるための吸気通路4が接続されている。この吸気通路4には、空気を濾過するエアクリーナ6、後述するターボチャージャ20のコンプレッサインペラ24、このコンプレッサインペラ24により圧縮されて昇温した空気を冷却するためのインタークーラ8、およびスロットルバルブ7などが配設されている。
一方、エキゾーストマニホールド3の出口には、排気ガスを排出するための排気通路5が接続されていて、後述するターボチャージャ20のタービンホイール22、および排気浄化装置9が配設されている。排気浄化装置9は、例えばNOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)91およびDPNR触媒(Diesel Particulate-NOx Reduction触媒)92を備えている。
また、排気通路5とエキゾーストマニホールド3との接続部付近から分岐して吸気通路4まで延び、排気ガスの一部を吸気通路4に還流させるEGR通路10が設けられている。このEGR通路10の下流端はスロットルバルブ7の下流側に接続され、その近傍において排気ガスの還流量を調整するためのEGRバルブ11が設けられている。また、図示の例ではEGRガスを冷却するためのEGRクーラ12も設けられている。
−ターボチャージャ−
本実施形態のエンジン1には、排気ガスのエネルギを利用して吸気を過給するターボチャージャ20が装備されている。すなわち、前記の如く排気通路5において排気浄化装置9よりも上流側にはタービンハウジング21が設けられ、その内部に収容されたタービンホイール22が排気ガスの流れを受けて回転されるようになっている。一方、前記吸気通路4においてエアクリーナ6の下流側にはコンプレッサハウジング23が設けられ、その内部にコンプレッサインペラ24が収納されている。
図2に拡大して示すように、コンプレッサインペラ24は、その中心部をタービンシャフト25の一端側が貫通し、このタービンシャフト25の一端部に螺合するナット25aによって締結されている。一方、タービンシャフト25の他端部は溶接などによってタービンホイール22に固定されており、このタービンホイール22が回転するとコンプレッサインペラ24も回転し、吸気を圧縮してエンジン1の各気筒の燃焼室に送り込むようになっている(過給)。
すなわち、タービンハウジング21には、タービンホイール22の収容室21aの外周を囲んで排気ガスの導入路21b(スクロール21b)が形成されており、排気通路5からの排気の流れをタービンホイール22に導入する。この排気の流れを受けてタービンホイール22が回転し、そのブレードの間を通過する際に膨張した排気の流れは、収容室21aに連通する排気ガスの排出口21cから排出される。
一方、コンプレッサハウジング23には、収容室23aに収容されたコンプレッサインペラ24と対向するように吸気の吸入口23bが形成され、ここから吸い込まれた空気がコンプレッサインペラ24の回転によってその外周側に送り出される。コンプレッサハウジング23の外周側には導出路23c(スクロール23c)が形成されており、前記のようにコンプレッサインペラ24から送り出される空気が圧縮されて、スクロール23cに沿って吸気通路4へ送り出される。
それらタービンハウジング21およびコンプレッサハウジング23の間にはベアリングハウジング30(軸受けハウジング)が配設されて、両者を連結一体化するとともに、2つのラジアルベアリング31,32(軸受けであり以下、単にベアリングともいう)によってタービンシャフト25を回転自在に支持している。ベアリングハウジング30には、エンジン1の冷却水が流れる水路30aの他、ベアリング31,32を潤滑するオイルの供給通路30bやドレン空間D(詳しくは後述)などが形成されている。
なお、本実施形態ではターボチャージャ20は可変ノズル式のもので、タービンホイール22を取り囲むように配設された複数のノズルベーン26によって排気ガスの流速を変更可能である。図の例では、タービンハウジング21とベアリングハウジング30との間に形成されたリンク室21dに環状のユニゾンリング27が配設され、これが電動アクチュエータ19(図1にのみ示す)によって回動されると、複数のアーム部材28が揺動し、ノズルプレート29に保持されたノズルベーン26が回動して、その角度が変更されるようになっている。
−ベアリングの潤滑構造−
次に、前記したベアリングハウジング30におけるベアリング31,32の潤滑構造について、図3も参照しながら詳細に説明する。図3は、ベアリングハウジング30の下部を拡大して、ベアリング31,32やオイルの流れも示した説明図である。
本実施形態ではベアリング31,32は、円筒形状のすべり軸受けであり、ベアリングハウジング30の概略中央に形成された2つのベアリング保持部33,34に保持されて、タービンシャフト25をその軸方向に離間した2箇所で支持している。タービンシャフト25は極めて高い速度で回転するため、その外周面とベアリング31,32の内周面との間に形成した油膜に浮かせたような状態で支持している。
また、コンプレッサインペラ24に近い方のベアリング31(以下、コンプレッサ寄りベアリングという)に隣接してスラストカラー35が配設されており、その外周の溝部にスラストベアリング36を挟みこんで、ターボチャージャ20の動作中にタービンシャフト25に作用するスラスト荷重を支持するようになっている。なお、スラストベアリング36は、例えば自己潤滑性を有する合成樹脂材あるいは金属材などで形成され、平面視ではほぼ扇形であって下方に切り欠き部が設けられている。
前記コンプレッサ寄りベアリング31は、前記のスラストカラー35と、ベアリング保持部33に係止されるスナップリング33aとによって、タービンシャフト25の軸方向への変位が規制されている。一方、タービンホイール22に近い方のベアリング32(以下、タービン寄りベアリングという)は、ベアリング保持部34に係止される2つのスナップリング34aによってタービンシャフト25の軸方向への変位が規制されている。
そして、ベアリング31,32を冷却し、またその内外周の油膜を保持するためにエンジンオイルが供給される。すなわち、図外のオイルパンからオイルポンプによって吸い上げられ、オイルフィルタによって濾過されたエンジンオイルが、エンジン1からオイル供給配管(図示省略)を介して、ベアリングハウジング30の内部に形成されたオイル供給通路30b(仮想線で示す)に送り込まれる。
このオイル供給通路30bは、タービンシャフト25の軸方向に分岐した後に、ベアリング保持部33,34の内周面に開口して、ベアリング31,32の外周面との間にエンジンオイルを供給する。また、ベアリング31,32には、その径方向に貫通するオイル孔31a,32aが設けられており、これらのオイル孔31a,32aを経てベアリング31,32の内周面とタービンシャフト25の外周面との間にもオイルが供給される。
こうして供給されるエンジンオイルによってベアリング31,32を効果的に冷却することができるとともに、このベアリング31,32の内周面および外周面の油膜が保持されて、タービンシャフト25の径方向および軸方向での振れを抑制するダンパとして機能する。一方、ベアリング31,32から排出されるオイルは、タービンシャフト25の外周面に沿ってその軸方向の両側に流れた後に、下方のドレン空間Dへと落下する。
すなわち、コンプレッサ寄りベアリング31から排出されるオイルの一部は、タービンシャフト25の外周面をその軸方向の一側(図の左側)に流れて、スラストカラー35およびスラストベアリング36も潤滑した後に、オイルデフレクタ37によって堰き止められる。このオイルデフレクタ37は、環状壁部37aとその下部から下側に延びる案内部37bとからなり、堰き止めたオイルを下方に落下させる。
一方、タービン寄りベアリング32から排出されるオイルの一部は、タービンシャフト25の外周面をその軸方向の他側(図の右側)に流れて、タービンホイール22の背面近傍に形成された大径部の外周溝25bに堰き止められ、ここから下方に落下する。なお、図3にのみ示す符号25cは、タービンハウジング21内へのオイルの洩れ出しを防止するためのシールリングである。
さらに、前記コンプレッサ寄りベアリング31から排出され、タービンシャフト25の外周面を軸方向の他側(図の右側)に流れるオイルと、タービン寄りベアリング32から排出され、タービンシャフト25の外周面を軸方向の一側(図の左側)に流れるオイルとが、2つのベアリング31,32の中間部位から下方に落下する。
つまり、タービンシャフト25の2つのベアリング31,32を潤滑したオイルは、それらの中間および両外側(タービンシャフト25の端に近い側)の3カ所から下方に落下し、図3に矢印O1〜O3として示すように概略3つの流れとしてドレン空間Dを流下する。そして、そのドレン空間Dに臨んでベアリングハウジング30の下壁部に開口するオイル排出孔30cから排出され、図示省略の配管によってエンジン1のオイルパンに戻される。
−ドレン空間の構造−
ところで、一例を図4に示すように従来一般的なベアリングハウジングHにおいても、前記の如くタービンシャフトSの2つのベアリングB,Bを潤滑したオイルは、それらの中間および両外側の3カ所から下方のドレン空間Dに落下し、オイル排出孔h1から排出される。ベアリングハウジングHの下壁部はオイル排出孔h1に向かって低くなるように傾斜して、このオイル排出孔h1にオイルの流れO1,O3を導くようになっている。
しかしながら、そのようにオイル排出孔h1に向かうオイルの流れO1〜O3同士は互いに干渉しやすく、特にオイル排出孔h1の手前ではコンプレッサ寄りのオイルの流れO1とタービン寄りのオイルの流れO3とが衝突してしまう。このため、オイルの流量が多くなるとスムーズにオイル排出孔h1から排出されなくなってドレン空間Dに滞留し、その油面が上昇する結果、吸気通路4や排気通路5へオイルが洩れ出すという不具合を引き起こす虞があった。
かかる点を考慮して本実施形態では、ドレン空間Dに2つの壁部38、39を設けて3つのドレン通路d1〜d3を区画し、前記3つのオイルの流れO1〜O3を互いに隔てるようにした。また、オイル排出孔30cの手前から3つのドレン通路d1〜d3の向きを徐々に揃えて、ほぼ鉛直下向きにして集合させることにより、この集合部d4において3つの流れO1〜O3をスムーズに合流させるようにした。
具体的には前記の図3に表れているが、コンプレッサ寄りベアリング31を保持するベアリング保持部33から下方に延びるように第1の壁部38を設け、また、タービン寄りベアリング32を保持するベアリング保持部34からも下方に延びるように第2の壁部39を設けている。これらの壁部38,38は、ベアリングハウジング30を鋳造する際にベアリング保持部33,34と一体に形成すればよく、こうすればコストアップを招き難い。
そうしてタービンシャフト25の軸方向一側(図の左側)から他側(図の右側)に向かって第1および第2の2つの壁部38,39が並び、ドレン空間Dには第1、第2および第3の3つのドレン通路d1,d2,d3が区画されている。なお、図には表れていないが、2つの壁部38,39はいずれも両側縁(図では紙面の手前および奥の両側縁)がベアリングハウジング30の側壁と繋がってはおらず、そこには隙間が形成されている。
本実施形態では第1、第2の2つの壁部38,39は、図示のようにそれぞれの上端の厚みがベアリング31,32の長さ以上で最も厚く、下方に向かって徐々に薄くなる楔形状とされている。すなわち、コンプレッサ寄りの第1の壁部38は、第1のドレン通路d1に面する一方の側面38aが、下方に向かってタービン寄り(図の右寄り)に位置するように傾斜しており、第1のドレン通路d1は、スラストカラー35の下方(コンプレッサ寄りベアリング31の近傍)から集合部d4まで斜め下向きに延びている。
そして、第1のドレン通路d1は、集合部d4の手前から徐々に下向きに湾曲し、集合部d4においては概ね鉛直下向きになってオイル排出孔30cに連通している。このため、第1のドレン通路d1を流下するオイルの流れO1は、集合部d4において概ね鉛直下向きになる。また、第1のドレン通路d1は、オイルデフレクタ37の近傍から集合部d4までの範囲が下方に向かって徐々に断面積の小さくなるテーパ状とされており、ここにおいてオイルの流速が高められる。
一方、第1の壁部38の他方の側面38b(図の右側面)は、ほぼ鉛直方向に延びていて、この側面38bが面する第2のドレン通路d2は、タービンシャフト25における2つのベアリング31,32の中間部位から概ね直下に位置するオイル排出孔30cまで、ほぼ鉛直下向きに延びている。また、第2のドレン通路d2の反対側に面する第2の壁部39の一方の側面39aは、下端部ではほぼ鉛直方向に延びているが、そこから上方に向かって徐々に第1の壁部38から離れるように傾斜する湾曲面状になっている。
すなわち、第2のドレン通路d2の上側の2/3くらいの範囲は、断面積が下方に向かって徐々に減少するテーパ部とされていて、その下側に連なる1/3くらいの範囲はほぼ同じ断面積で鉛直方向に直線上に延びている。こうして、タービンシャフト25から下方のオイル排出孔30cまで最短距離で直線状に形成されるとともに、途中で下方に向かって絞られていることから、第2のドレン通路d2を流下するオイルの流れO2は、3つのオイルの流れO1〜O3の中で最も速くなる。
また、第2の壁部39の他方の側面39b(図の右側面)は、タービン寄りベアリング32の近傍から下方に向かうほどコンプレッサ寄りに位置するように傾斜しており、この側面39bが面する第3のドレン通路d3は、タービンシャフト25の外周溝25bの下方(タービン寄りベアリング32の近傍)から集合部d4まで斜め下向きに延びている。
この第3のドレン通路d3も第1のドレン通路d1と同じく、集合部d4の手前から徐々に下向きに湾曲し、集合部d4において概ね鉛直下向きになってオイル排出孔30cに連通しており、ここを流下するオイルの流れO3は集合部d4において概ね鉛直下向きに曲げられる。また、本実施形態では第3のドレン通路d3も下方に向かうほど徐々に断面積が小さくなるテーパ状とされており、ここにおいてオイルの流速が高められる。
なお、本実施形態では、図3に示すように2つのベアリング31,32の中央部位m1に対して、オイル排出孔30cの中央部位m2がコンプレッサ寄りに偏位している。これは、オイルデフレクタ37などからのオイルを流下させるために、第1のドレン通路d1の上端がコンプレッサ寄りに拡大されていることに対応して、第1のドレン通路d1の長さが第3のドレン通路d3に比べて、あまり長くならないようにするためである。
したがって、本実施形態のターボチャージャ20によると、ベアリングハウジング30においてタービンシャフト25の下方のドレン空間Dに2つの壁部38,39を設けて、第1〜第3のドレン通路d1〜d3を区画し、タービンシャフト25の2つのベアリング31、32から流下する3つのオイルの流れO1〜O3を、オイル排出孔30cの手前までは隔てるようにした。そして、それら3つのオイルの流れO1〜O3をほぼ鉛直下向きに揃えて合流させるようにしたから、オイルの流れO1〜O3が互いに衝突したり強く干渉することなく、スムーズにオイル排出孔30cに向かうようになり、その排出性能を高めることができる。
しかも、前記第2のドレン通路d2は、タービンシャフトの下方からオイル排出孔30cまで最短距離をほぼ鉛直下向きに延びるように形成し、その途中には下すぼまりのテーパ部も設けて、オイルの流れO2の速さを高めるようにしたので、集合部d4において第1および第3のドレン通路d1、d3からそれぞれオイルの流れO1,O3を吸い出すベンチュリ効果も高めることができる。
すなわち、第2のドレン通路d2に比べて通路長が長く、しかも傾斜している第1、第3のドレン通路d1、d3においては、オイルの粘性による流通抵抗が大きくなり易いことから、これらの流れO1,O3を集合部d4において吸い出すことによって、オイル排出性能をより高くすることができる。
−他の実施形態−
本発明の構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の形態を包含している。すなわち、前記の実施形態では一例として、可変ノズル式のターボチャージャ20に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず本発明は、可変ノズル式でないターボチャージャにも適用可能であるし、ツインスクロールターボやツインターボなどにも適用可能である。
また、本発明に係るターボチャージャを装備するエンジンについても、前記実施形態のようなコモンレール式のディーゼルエンジンに限定されないことは勿論であり、例えばガソリンエンジンに装備されるターボチャージャにも本発明を適用することができる。
本発明は、内燃機関などに装備されるターボチャージャに適用可能であり、タービンシャフトの軸受けを潤滑するオイルの排出性能が高くなるというメリットがあるので、特に自動車に搭載される内燃機関のターボチャージャに適用して効果が高い。
1 エンジン
4 吸気通路
5 排気通路
20 ターボチャージャ
21 タービンハウジング
22 タービンホイール
23 コンプレッサハウジング
24 コンプレッサインペラ
25 タービンシャフト
30 ベアリングハウジング(軸受けハウジング)
30c オイル排出孔
31,32 ベアリング(軸受け)
33,34 ベアリング保持部(軸受けの保持部)
38,39 第1、第2の壁部
D ドレン空間
d1〜d3 第1〜第3のドレン通路
d4 ドレン通路の集合部

Claims (2)

  1. 排気通路に配設したタービンホイールをタービンシャフトによって、吸気通路に配設したコンプレッサインペラと連結し、その回転により吸気を過給するようにしたターボチャージャであって、
    前記タービンシャフトが、その軸方向に離間する2つの軸受けによって軸受けハウジング内に支持されており、
    前記軸受けハウジングの内部には、前記2つの軸受けを潤滑したオイルの排出されるドレン空間が、前記タービンシャフトの下方に形成されるとともに、そのドレン空間の下壁部にはオイル排出孔が開口し、
    前記ドレン空間には、前記2つの軸受けの一方の下部から前記オイル排出孔に向かって延びる第1の壁部と、他方の軸受けの下部から前記オイル排出孔に向かって延びる第2の壁部とが設けられ、これら2つの壁部によって、前記タービンシャフトの軸方向に並んで第1、第2および第3の3つのドレン通路が区画され、
    前記第2のドレン通路が、前記タービンシャフトの下方において前記2つの軸受けの中間部位からほぼ鉛直下向きに延びるとともに、その断面積が下方に向かって徐々に減少するテーパ部を有し、
    前記第1および第3のドレン通路はそれぞれ、前記タービンシャフトの下方において前記一方および他方の軸受けのそれぞれの近傍から斜め下向きに、前記第2のドレン通路に近づくように延び、それぞれほぼ鉛直下向きになるよう湾曲して第2のドレン通路に集合し、集合部となって前記オイル排出孔に連通しており、
    さらに、前記オイル排出孔の中央部は、前記2つの軸受けの中央部の直下位置から前記コンプレッサインペラ寄りに偏位し、
    前記第2のドレン通路に面する第1の壁部の側面が、ほぼ鉛直方向に延びている一方、第2のドレン通路に面する第2の壁部の側面は、下端側においてほぼ鉛直方向に延びるとともに、そこから上方に向かって徐々に前記第1の壁部から離れるように傾斜する湾曲面状とされている、ターボチャージャ。
  2. 請求項1に記載のターボチャージャにおいて、
    前記第1および第2の壁部がそれぞれ、軸受けハウジングにおける軸受けの保持部と一体に形成されている、ターボチャージャ
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