JP2014015769A - 鉄塔の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄塔10の補強構造は、主柱材1a〜1dを支持するコンクリート基礎2a〜2dが不同変位しないように、鉄塔10の下部構造を補強する。鉄塔10は、水平材3、第1鉄製杭3p、及び第1ハット状部材3hを備える。水平材3は、コンクリート基礎2a〜2dの柱体部21pを剥離した状態で、主柱材1a〜1dの基礎部11bを結合している。第1鉄製杭3pは、水平材3の中央部に位置するように、地面Gに打ち込んでいる。第1ハット状部材3hは、第1鉄製杭3pの頭部に取り付けている。第1ハット状部材3hは、水平材3の中央部の下面に容易に溶接できるように、水平材3の幅wより広い幅W1を形成した第1水平板32hを有する。
【選択図】図2
Description
(1)繋ぎ梁の中央部に開口したボルト取り付け穴と、ハット状部材の水平板に開口したボルト取り付け穴を精度よく位置決めすることは、現場では殆んど困難であった。
(2)したがって、ハット状部材の水平板に開口したボルト取り付け穴に適合するように、現場にて、繋ぎ梁の中央部に穴加工していた。
(3)又、繋ぎ梁の中央部に開口したボルト取り付け穴とハット状部材の水平板に開口したボルト取り付け穴を一致させるためは、高い精度の現地測量が必要であった。
(4)更に、繋ぎ梁の中央部に開口したボルト取り付け穴とハット状部材に開口したボルト取り付け穴を一致させるように、杭を位置決めすることは困難であった。
最初に、本発明の一実施形態による鉄塔の補強構造の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態による鉄塔の補強構造を示す正面図であり、鉄塔の上部構造は図示を省略している。図2は、前記実施形態による鉄塔の補強構造を示す平面図であり、図1のA−A矢視断面図である。
図1又は図2を参照すると、本発明の一実施形態による鉄塔10は、鉄塔の主体を構成する四つの主柱材1a・1b・1c・1dを備えている。又、鉄塔10は、主柱材1a・1b・1c・1dを支持する逆T字型のコンクリート基礎2a・2b・2c・2dを備えている。コンクリート基礎2a・2b・2c・2dは、四辺形の四隅に位置するように配置されている。そして、実施形態による鉄塔10の補強構造は、コンクリート基礎2a・2b・2c・2dが不同変位しないように、鉄塔10の下部構造を補強している。
図3又は図5を参照すると、水平材3は、一対のフランジ3f・3fとこれらのフランジ3f・3fの中央部をウェブ3wで結合したH形鋼で構成している。水平材3の端部には、上部コーナー金具31と下部コーナー金具32がボルト(図示せず)で固定されている。これらの上部コーナー金具31及び下部コーナー金具32は、ボルト(図示せず)で主柱材1a・1b・1c・1dの基礎部11bに固定されている(図3参照)。なお、図3を参照すると、水平材3の中央部には、一対のフランジ3f・3fの間に、補強材3gを接合している。
図1又は図3を参照すると、第1ハット状部材3hは、第1円筒部材31hと第1水平板32hで構成している。第1円筒部材31hは、第1鉄製杭3pと同軸上に突合せ溶接している。第1水平板32hは、第1円筒部材31hの上面に結合している。第1水平板32hの下面と第1円筒部材31hに外周には、複数のリブ板3rを溶接しており、第1水平板32hを補強している。又、第1水平板32hは、下方に配置された一方のフランジ3fの下面に当接可能な矩形の載置面30を設けている。
図1又は図3を参照すると、第1水平板32hは、水平材3の長手方向に沿って、フランジ3fの両側縁が載置面30に隅肉溶接されている。又、第1水平板32hの板厚面と水平材3の下面は、隅肉溶接されている。第1水平板32hは、一方のフランジ3fに隅肉溶接できるように、第1円筒部材31hの外径よりも大きく、かつ、フランジ3fの幅wよりも幅広の幅W1に形成されている(図1参照)。又、第1水平板32hは、一方のフランジ3fに所定の隅肉溶接長さが確保できるように、フランジ3fの長手方向に第1円筒部材31hの外径よりも大きい長さを有している。
図2又は図4を参照すると、第1対角補助材41は、一対のフランジ4f・4fとこれらのフランジ4f・4fの中央部をウェブ4wで結合したH形鋼で構成している。第1対角補助材41の一方の端部は、フランジ4fが対辺補助材31aにボルト(図示せず)で固定されている。第1対角補助材41の他方の端部は、フランジ4fが対辺補助材31cにボルト(図示せず)で固定されている。
図2又は図4を参照すると、第2対角補助材42は、一対のフランジ4f・4fとこれらのフランジ4f・4fの中央部をウェブ4wで結合したH形鋼で構成している。一方の第2対角補助材42は、一方の端部を対辺補助材31bにボルト(図示せず)で固定し、第1対角補助材41に対して直交するように、他端部を第1対角補助材41の中央部に当接している。他方の第2対角補助材42は、一方の端部を対辺補助材31dにボルト(図示せず)で固定し、第1対角補助材41に対して直交するように、他端部を第1対角補助材41の中央部に当接している。
図2又は図4を参照すると、第2ハット状部材4hは、第2円筒部材41hと第2水平板42hで構成している。第2円筒部材41hは、第2鉄製杭4pと同軸上に突合せ溶接している。第1対角補助材41は、第2円筒部材41hの上面に結合している。第2水平板42hの下面と第2円筒部材41hに外周には、複数のリブ板4rを溶接しており、第2水平板42hを補強している。又、第2水平板42hは、下方に配置された一方のフランジ4fの下面に当接可能な矩形の載置面40を設けている。
図2又は図4を参照すると、第2水平板42hは、第1対角補助材41の長手方向に沿って、フランジ4fの両側縁が載置面40に隅肉溶接されている。又、第2水平板42hの板厚面と第1対角補助材41の下面は、隅肉溶接されている。第2水平板42hは、一方のフランジ4fに隅肉溶接できるように、第2円筒部材41hの外径よりも大きく、かつ、フランジ4fの幅wよりも幅広の幅W2に形成されている(図2参照)。又、第2水平板42hは、第1対角補助材41の一方のフランジ4fに所定の隅肉溶接長さが確保できるように、第1対角補助材41の長手方向に第2円筒部材41hの外径よりも大きい長さを有している。
次に、実施形態による鉄塔10の補強構造の作用及び効果を説明する。図1又は図2及び図3を参照すると、実施形態による鉄塔10の補強構造は、水平材3の中央部を第1ハット状部材3hで支持している。第1ハット状部材3hは、頭部に第1水平板32hを設けている。そして、第1水平板32hは、水平材3のフランジ3fの幅wより幅広の幅W1に形成している(図2参照)。したがって、従来技術によるボルト結合と異なり、水平材3の中央部と第1水平板32hを隅肉溶接で容易に接合できる。
(1)補強材と鉄製杭を現場で容易に結合できる。
(2)工期を短縮できる。
(3)補強工事を停滞なく進行できる。
(4)現場加工することなく、容易に組立できる。
(5)工事の安全性を向上できる。
2a・2b・2c・2d コンクリート基礎
3 水平材
3f フランジ
3h 第1ハット状部材
3p 第1鉄製杭
3w ウェブ
10 鉄塔
11b 基礎部(主柱材の基礎部)
21p 柱体部(コンクリート基礎の柱体部)
30 載置面
31h 第1円筒部材
32h 第1水平板
Claims (7)
- 少なくとも四角鉄塔の主体を構成する主柱材を支持するコンクリート基礎が不同変位しないように、前記四角鉄塔の下部構造を補強する鉄塔の補強構造であって、
前記コンクリート基礎の柱体部を剥離した状態で、四辺形の四隅に位置する前記主柱材の基礎部同士を結合した水平材と、
前記水平材の中央部に位置するように、地面に打ち込んだ第1鉄製杭と、
前記第1鉄製杭の頭部に取り付けた第1ハット状部材と、を備え、
前記水平材は、一対のフランジとこれらのフランジの中央部をウェブで結合したH形鋼からなり、
第1ハット状部材は、
前記第1鉄製杭と同軸上に溶接される第1円筒部材と、
この第1円筒部材の上面に結合されると共に、前記フランジの下面に当接可能な矩形の載置面を設けた第1水平板と、を有し、
前記第1水平板は、当該フランジの幅よりも幅広に形成されている鉄塔の補強構造。 - 前記第1水平板は、当該フランジの長手方向に所定の長さを有している請求項1記載の鉄塔の補強構造。
- 前記水平材が前記主柱材に結合した状態で、当該主柱材の基礎部の周囲にコンクリートを打設し、
前記第1ハット状部材が前記水平材に結合した状態で、当該第1ハット状部材及び当該水平材の周囲にコンクリートを打設する請求項1又は2記載の鉄塔の補強構造。 - 直交するように隣接する一組の前記水平材を結合した一対一組の対辺補助材と、
一方の対向する前記対辺補助材に両端部を結合した第1対角補助材と、
他方の対向する前記対辺補助材に一端部を結合し、前記第1対角補助材に対して直交するように、他端部を前記第1対角補助材の中央部に当接する一組の第2対角補助材と、
前記第1対角補助材の中央部に位置するように、地面に打ち込んだ第2鉄製杭と、
前記第2鉄製杭の頭部に取り付けた第2ハット状部材と、を更に備え、
前記第1対角補助材及び前記第2対角補助材は、一対のフランジとこれらのフランジの中央部をウェブで結合したH形鋼からなり、
第2ハット状部材は、
前記第2鉄製杭と同軸上に溶接される第2円筒部材と、
この第2円筒部材の上面に結合されると共に、前記フランジの下面に当接可能な矩形の載置面を設けた第2水平板と、を有し、
前記第2水平板は、当該フランジの幅よりも幅広に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の鉄塔の補強構造。 - 前記第2水平板は、当該フランジの長手方向に所定の長さを有している請求項4記載の鉄塔の補強構造。
- 一組の前記第2対角補助材の他方の端部は、前記第2水平板に隅肉溶接している請求項4又は5記載の鉄塔の補強構造。
- 前記第2ハット状部材が前記第1対角補助材及び前記第2対角補助材に結合した状態で、当該第2ハット状部材及び当該第1対角補助材の周囲にコンクリートを打設すると共に、当該第2対角補助材の周囲にコンクリートを打設する請求項4から6のいずれかに記載の鉄塔の補強構造。
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