JP2014015353A - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精製の負荷が過剰にならず、過大な製造設備を必要とせずに、工業的、経済的に満足できるレベルで過酸化水素を製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】反応媒体中、貴金属触媒及びラジカル捕捉剤の存在下で水素と酸素を反応させる、過酸化水素の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル捕捉剤の存在下に水素と酸素を直接反応させて過酸化水素を製造する方法に関する。
過酸化水素は、酸化力を有し強力な漂白・殺菌作用を持つことから、紙、パルプ、繊維等の漂白剤、殺菌剤として利用されており、また、エポキシ化及びヒドロキシル化をはじめとする酸化反応に広範囲に用いられる重要な工業製品である。
更に過酸化水素は、半導体産業において半導体基板等の表面の清浄に、銅、錫及び他の銅合金表面の化学的研磨に、電子回路の蝕刻等に用いられる。そして、過酸化水素は分解生成物が水と酸素であるため、グリーンケミストリーの観点から重要な位置付けがなされており、塩素系漂白剤の代替材料としても注目されている。
従来、過酸化水素の製造法としてはアントラキノン法、電解法、イソプロピルアルコールの酸化による方法などが知られており、工業的には主にアントラキノン法が採用されている。しかし、アントラキノン法は、アントラキノンの水素添加、空気による酸化、水による生成した過酸化水素の抽出、更には精製、濃縮等といったように多段階からなり、設備投資が高くなること、エネルギーを多量に使用すること、およびアントラキノンを溶解するための有機溶剤の大気への放出があることから、必ずしも理想的な過酸化水素の製造法とはいえない。
上記の問題点を解決する方法として、反応媒体中で触媒を用いて、酸素と水素から直接的に過酸化水素を製造する方法がある。例えば、水と酸と非酸性の酸素含有有機化合物との存在下に液相で金属成分として金、白金又はパラジウムを含有する固体触媒に対して水素と酸素を接触させて過酸化水素を製造する方法が提案されており、ある程度の過酸化水素が生成する事が知られている(特許文献1)。
このような貴金属触媒を用いて酸素と水素から直接的に過酸化水素を製造する方法においては、前記触媒は過酸化水素の分解触媒としても機能するために生成した過酸化水素の分解も同時に起こるので、分解を抑制するために何らかの化合物を用いることが多く、特許文献1では前記非酸性の酸素含有有機化合物のほか、硫酸イオン、塩素イオン、臭素イオンなどのイオンを反応媒体の液相中に存在させることが提案されている。
特許文献2は、反応媒体中で、水素と酸素から接触的に過酸化水素を製造する方法において、酸化物担体に担持された白金族金属触媒を用いる過酸化水素の製造方法を開示しており、反応媒体については通常水が好適であり、生成する過酸化水素の分解抑制のために、塩酸水溶液、臭化水素酸水溶液、りん酸水溶液、硫酸水溶液など、特に塩酸水溶液、臭化水素酸水溶液を好適に用いることができることを報告している。また塩酸水溶液のかわりに塩化物イオン成分として塩化ナトリウム、塩化カリウム等と水素イオン成分である硫酸、りん酸等の混合水溶液の組み合わせも好適に採用することができる旨記載されている。さらには、臭化水素酸水溶液のかわりに臭化物イオン成分として臭化ナトリウム、臭化カリウム等と水素イオン成分である硫酸、りん酸等との混合水溶液の組み合わせも好適に採用することができる旨記載されている。
特許文献3は、撹拌型反応器において水素及び酸素から直接過酸化水素水溶液を製造する方法であって、水素及び酸素を別々に小さな気泡形態で、無機酸を添加して予め酸性とし且つ水素及び酸素の導入量を一定のモル比とする方法を提案している。当該文献はまた、前記水性反応媒体は、過酸化水素に対する安定剤(例えば、ホスホネートまたはスズ)及び分解抑制剤(例えば、ハロゲン化物)を含み得ると記載している。さらに前記文献は、ハロゲン化物の内、臭化物が特に好ましい分解抑制剤であり、有利には遊離状態の臭素(Br)との組み合わせで使用される旨記載している。
特許文献4では直接合成法による有機過酸化水素溶液または有機過酸化水素水溶液の製造法であって、その際、水素および酸素を含有する非爆発性のガス状の混合物と液体反応媒体とを、貴金属触媒を含む混合物からなる固定床に導通させる製造法が開示されており、前記液体反応媒体が、強酸及びハロゲン化物を含有することが開示されている。
特許文献5は、水素と酸素からの、三相系における不均質触媒作用による過酸化水素の水溶液の直接合成方法であって、液体水相に粒体状態で懸濁されている固形不均質触媒の表面で直接反応し、該触媒は純粋パラジウム又はパラジウムと少なくとも1種の他の貴金属との組合せから選ばれる金属化合物からなる直接合成法を開示している。さらに当該文献は、この方法において前記金属化合物が二酸化ジルコニウム及び超酸性二酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む担体上に担持されていること、前記液体水相が水相に対して0.05〜3mmol/リットルの濃度で臭化物イオンを含有し、且つそのpHが0〜4の範囲にあることを開示している。
特公昭40−19006号公報 特許第3394043号公報 特表2002−503617号公報 特表2007−537119号公報 特開平05−213607号公報
かかる従来の過酸化水素の直接製造法では主に、その作用メカニズムは明らかにされていないものの、ハロゲンイオンを反応媒体に存在させることで、生成した過酸化水素の分解を抑制して、過酸化水素の収率を向上させる方法を採用している。
しかしながらハロゲンイオンを使用して過酸化水素の製造を行うと、過酸化水素の製品として出荷するためには当該ハロゲンイオンを除去することが必要であり、特に半導体用の超純過酸化水素用途に使用される場合には精製除去の負荷が大きくなり、製造設備が過大なものになる。また、ハロゲンイオンの濃度によっては、反応装置の構造材料であるステンレス鋼等に腐食が生じる場合がある。
このようにハロゲンイオンを分解抑制剤として用いる過酸化水素の工業的製造法は、種々の制限を受け、経済的に満足できるレベルにまで達していないのが現状である。
そこで本発明は、精製の負荷が過剰にならず、過大な製造設備を必要とせずに、工業的、経済的に満足できるレベルで過酸化水素を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、ハロゲン以外のその他の過酸化水素の分解抑制効果を有する化合物を鋭意検討した結果、ラジカル捕捉剤が過酸化水素の分解抑制に有用であり、ハロゲンの代替手段となりうることを見出し、本発明を完成するにいたった。
即ち上記課題は、以下の本発明によって解決することができる。
<1>反応媒体中、貴金属触媒及びラジカル捕捉剤の存在下で水素と酸素を反応させる、過酸化水素の製造方法。
<2>前記ラジカル捕捉剤が、ニトロン化合物、ニトロソ化合物、ジチオカルバメート誘導体又はアスコルビン酸誘導体である、<1>に記載の過酸化水素の製造方法。
<3>前記ラジカル捕捉剤が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるニトロン化合物、下記一般式(4)で表されるニトロソ化合物、下記一般式(5)で表されるジチオカルバメート誘導体又は下記式(6)で表される化合物である、<1>又は<2>に記載の過酸化水素の製造方法:
Figure 2014015353
Figure 2014015353
Figure 2014015353
Figure 2014015353
(一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、リン酸基又はリン酸エステル基であり、R及びRはそれぞれ独立に、水素、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、分岐を有していてもよく水酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、一般式(2)において、Rは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、R〜R10はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、一般式(3)において、R11は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、R12〜R15はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、一般式(4)において、R16は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基;又はハロゲン、スルホン酸基若しくは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基であり、一般式(5)において、R17及びR18はそれぞれ独立に、分岐を有していてもよく水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のカルボキシアルキル基であり、Xは陽イオンである。)。
<4>前記一般式(1)において、R及びRがメチル基であり、R及びRがそれぞれ独立に、メチル基、水素、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、前記一般式(2)において、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はシクロブチル基であり、R〜R10が水素であり、前記一般式(3)において、R11がtert−ブチル基であり、R12〜R15が水素であり、前記一般式(4)において、R16がtert−ブチル基、3,5ジブロモ−4−ニトロソベンゼンスルホン酸ナトリウム基又は2,3,5,6−テトラメチルベンゼン基であり、前記一般式(5)において、R17及びR18がそれぞれ独立に、メチル基、エチル基又はカルボキシメチル基であり、Xがナトリウムイオンである、<3>に記載の過酸化水素の製造方法。
<5>前記ラジカル捕捉剤が、5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキシド又はN−tert−ブチル−α−フェニルニトロンである、<1>〜<4>のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
<6>前記ラジカル捕捉剤の使用量が、前記反応媒体100重量部に対して0.01〜0.05重量部である、<1>〜<5>のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
<7>前記貴金属触媒が、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、酸化チタン又は酸化ジルコニアに、白金、パラジウム、銀及び金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持させた触媒である、<1>〜<6>のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
本発明の製造方法によれば、従来、使用することが全く検討されていなかったラジカル捕捉剤を用いることによって、過酸化水素の精製の負荷が過剰にならず、また過大な製造設備を必要とせず、工業的、経済的に満足できるレベルを達成することができる。
以下、本発明の過酸化水素の製造方法について詳細に説明する。
本発明は、反応媒体中、貴金属触媒及びラジカル捕捉剤の存在下で水素と酸素を反応させることを特徴としている。
<ラジカル捕捉剤>
従来のアントラキノン法に代表される過酸化水素の直接合成法においては、貴金属触媒が過酸化水素の生成に活性を持つと同時に分解反応にも活性を持つため、この分解を抑制することが重要である。過酸化水素の分解機構は過酸化水素の酸素‐酸素結合の開裂に伴うOHラジカル発生によるものである。OHラジカルの発生により、周辺に存在する過酸化水素の水素ラジカルが引き抜かれ、連鎖的に分解反応が進行する。
上記の反応により発生したOHラジカルを捕捉することができれば、周りの過酸化水素の分解が進行することを抑制することができるのではないかと本発明者らは考え、ラジカル捕捉剤を使用すれば過酸化水素の分解を抑制することができるという考えに至った。
ラジカル捕捉剤は、過酸化水素が貴金属触媒表面で分解されて発生したOHラジカルを捕捉し、ラジカル捕捉剤−OHアダクトを形成することにより周辺の過酸化水素に分解反応が広がっていくのを抑制すると考えられる。ラジカル捕捉剤の寿命は数分から数時間あり、寿命の短いラジカル捕捉剤でも分解の連鎖反応を遅らせる効果がある。
このようなラジカル捕捉剤として代表的なものとしては、ニトロン化合物、ニトロソ化合物、ジチオカルバメート誘導体及びアスコルビン酸誘導体が挙げられる。これらのラジカル捕捉剤は、塩の形態であってもよく、また水和物が可能である場合には、その形態であってもよい。前記塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などが挙げられる。
前記ニトロン化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015353
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、リン酸基又はリン酸エステル基である。
前記リン酸エステル基としては種々の構造のものが挙げられ、例えば下記構造のものが挙げられる。
Figure 2014015353
当該式において、「*」はピロリン環への結合手を表し、R19及びR20はそれぞれ独立に、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、あるいはR19及びR20は一緒になって、それらが結合するO及びOが結合するPとともに5〜6員環を形成してもよく、そのようにして形成される環は、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい。ニトロン化合物の入手の容易性等の点から、R19及びR20としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、エチル基が特に好ましく、また、R19及びR20が一緒になって、それらが結合するO及びOが結合するPとともに6員環を形成し、当該環は任意にメチル基で置換されていることも好ましい。
以上説明した中でも、過酸化水素の分解抑制効果及びニトロン化合物の入手の容易性の観点から、一般式(1)において、R及びRとしては、メチル基が好ましい。
また、上記一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、分岐を有していてもよく水酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、ニトロン化合物の入手の容易性の点から、R及びRとしてはメチル基、水素、2−オキソ−1−ピリジルメチル基及びアミノ基が好ましい。
上記一般式(2)において、Rは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、ニトロン化合物の入手の容易性の点から、Rとしてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びシクロブチル基が好ましい。
また、一般式(2)において、R〜R10はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、ニトロン化合物の入手の容易性の点から、R〜R10は水素であることが好ましい。
上記一般式(3)において、R11は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、ニトロン化合物の入手の容易性の点から、R11としてはtert−ブチル基が好ましい。
また、一般式(3)において、R12〜R15はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、ニトロン化合物の入手の容易性の点から、R12〜R15は水素であることが好ましい。
次に、ラジカル捕捉剤として挙げたニトロソ化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015353
当該式において、R16は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基;又はハロゲン、スルホン酸基若しくは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基である。前記アリール基がアルキル基で置換されている場合、アリール基の炭素数には、アルキル基の炭素数はカウントしない。
ニトロソ化合物の入手の容易性、過酸化水素の分解抑制効果の観点から、R16としてはtert−ブチル基、3,5ジブロモ−4−ニトロソベンゼンスルホン酸ナトリウム基及び2,3,5,6−テトラメチルベンゼン基が好ましい。
ラジカル捕捉剤として挙げたジチオカルバメート誘導体としては、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015353
当該式において、R17及びR18はそれぞれ独立に、分岐を有していてもよく水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のカルボキシアルキル基であり、Xは陽イオンである。なお、カルボキシアルキル基の炭素数にはカルボキシル基の炭素数をカウントするものとする。
ジチオカルバメート誘導体の入手の容易性及び過酸化水素の分解抑制効果の点から、R17及びR18としてはメチル基、エチル基及びカルボキシメチル基が好ましく、Xとしてはナトリウムイオンが好ましい。
次に、ラジカル捕捉剤として挙げたアスコルビン酸誘導体としては、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015353
以上説明したラジカル捕捉剤はいずれも公知の化合物であり、公知の方法によって合成することができる。
また、以上挙げたニトロン化合物、ニトロソ化合物及びジチオカルバメート誘導体のより具体的な例としては、5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキシド(DMPO)、N−tert−ブチル−α−フェニルニトロン(PBN)、3,3,5,5−テトラメチル−1−ピロリン−N−オキシド(M4PO)、2−メチル−2−ニトロソプロパン、3,5−ジブロモ−4−ニトロソベンゼンスルホネート、α−(4−ピリジル−1−オキシド)−N−tert−ブチルニトロン、5−(ジエトキシホスホリル)−5−メチル−1−ピロリン−N−オキシド、1−ニトロソ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−(5,5−ジメチル−2−オキソ−2λ5−[1,3,2]ジオキサホスフィナン−2−イル)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール 1−オキシド、5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン−N−オキシド、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物、N−(ジチオカルボキシ)サルコシン二ナトリウム塩二水和物及びN−メチル−D−グルカミンジチオカルバミド酸ナトリウム、5,5−ジメチル−3−ヒドロキシメチル−1−ピロリン−N−オキシド(#HMDMPO)、3−(2−オキソ−1−ピリジルメチル)−5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド(3PMDMPO)及び3,5,5−トリメチル−1−ピロリン−N−オキシド(3MDMPO)が挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、過酸化水素の分解抑制効果の観点から、ニトロン化合物が好ましく、特に5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキシド及びN−tert−ブチル−α−フェニルニトロンが好ましい。
また本発明において、ラジカル捕捉剤の使用量は、反応媒体100重量部に対して好ましくは0.01〜0.05重量部である。より好ましくはラジカル捕捉剤は、反応媒体100重量部に対して0.02〜0.04重量部使用する。
<ハロゲン・ハロゲンイオン>
本発明においては、過酸化水素の分解抑制のために従来使用されているハロゲン又はハロゲンイオンを使用してもよいが、精製コスト等の観点からは、その使用量を本発明の効果を損なわない範囲とするか、使用しないことが好ましい。
<貴金属触媒>
本発明においては、過酸化水素を合成するための貴金属触媒として、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。
前記貴金属触媒としては、触媒活性の点から、好ましくは白金、パラジウム、銀及び金からなる群より選択される少なくとも1種が用いられ、より好ましくはパラジウムおよび/または金が用いられる。
ここで、パラジウム/金触媒を使用する場合には、パラジウムと金のモル比(パラジウム/金)は、0.1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
また、触媒効率及び反応効率を高めるために、貴金属を、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、酸化チタン又は酸化ジルコニアなどの担体に担持させることが好ましい。担体としては、好ましくは酸化チタンが用いられる。
上記貴金属を担体に担持する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく採用することができるが、含浸法またはイオン交換法が好ましい。前記含浸法としては、蒸発乾固法、平衡吸着法、ポアフィリング法などを採用することができる。
前記貴金属の担体への担持量は、担体100重量部に対して、貴金属0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。そして、本発明の過酸化水素の製造方法において、貴金属触媒(担体に担持されている場合は担持触媒)の使用量は、反応媒体1Lに対して1〜100gが好ましく、1Lに対して1〜40gがより好ましい。
<反応媒体>
本発明の過酸化水素の製造方法は、通常液相である反応媒体中で実施される。反応媒体は、水素と酸素の反応を阻害しないものであれば特に制限なく使用することができる。このような反応媒体は当業者に周知である。
前記反応媒体の例としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。これらの中でも、水及びアルコールが好ましい。
さらに、これらの反応媒体は、pH調整、安定剤効果又はガス溶解性向上などのために添加物を含有していてもよく、例えばリン酸、硫酸等の酸や、フッ素系不活性液体などを含有していてもよい。反応媒体がこれらの添加物を含有する場合には、反応媒体の重量は、添加物を含めた重量とする。
<反応条件>
本発明においては、以上説明した反応媒体中、上記ラジカル捕捉剤の存在下、水素と酸素を直接反応させることによって、過酸化水素を合成する。
この反応は圧力を高く設定することによって過酸化水素の収率を高めることができるため、通常耐圧性のあるオートクレーブなどの反応装置を使用して実施される。
前記反応装置は撹拌槽型、気泡塔型、固定床型、マイクロリアクターなど、いずれの型式も使用可能であり、また反応は回分式でも連続式でも行うことができる。前記反応装置はガス導入部及びガス放出部を備え、さらに通常、温度計及び圧力計などを備えている。
また、本発明の反応においては腐食性のハロゲンが使用されることもあるので、反応装置としてはテフロン(登録商標)ライニングのステンレス鋼、インコネル又はハステロイで形成されたものが好適に使用される。一方本発明においては、ハロゲンを使用しなくとも過酸化水素を製造することができるので、ステンレス鋼や、グラスライニングで形成された安価な反応装置が使用可能であり、経済的に有利である。
本発明において過酸化水素合成時の水素と酸素の反応温度は、0〜100℃が好ましく、特に5〜50℃の範囲が好ましい。反応の圧力は特に制限はないが、好ましくは大気圧〜10Mパスカルであり、特に大気圧〜2Mパスカルが好ましい。また、反応時間は通常0.01〜100時間であり、好ましくは0.5〜10時間である。
また、水素ガスと酸素ガスの流量は、爆発範囲を避け、かつ、水素に対して酸素が過剰となるような割合(例えば水素ガスと酸素ガスの流量の体積割合が1:2〜1:10となるような割合)が好ましい。さらに安全性の観点から爆発の危険性をより低下させるため、水素及び酸素は希釈することが好ましい。この場合使用できる希釈ガスは、水素と酸素の反応に影響しない不活性ガスであり、例えば窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスが使用できる。コストの点からは窒素ガスが好ましい。なお、酸素は圧縮空気で希釈して酸素混合ガスとして使用してもよい。
また、これらガスは反応効率の点から通常液相、すなわち反応溶液中に導入される。
ラジカル捕捉剤は、予め反応媒体に溶解させておき、これを反応装置に導入してもよいし、反応媒体、ラジカル捕捉剤を分けて順に反応装置に導入してもよい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、過酸化水素の収率等各種評価は以下のようにして行った。
(1)水素の反応率は、次式により求めた。
水素の反応率=(消費された水素量)÷(吹き込んだ水素の全量)
なお、消費された水素量は、ガスクロマトグラフィー(使用機器:商品名「GC-8A」、島津製作所製)により反応せずに残存した水素量を測定し、それを吹き込んだ水素の全量から差し引くことで求めた。
(2)過酸化水素の選択率は次式により求めた。
過酸化水素の選択率=[(反応により生成した過酸化水素のモル量)÷(消費された水素量から算出した過酸化水素の理論生成モル量)]
なお、生成した過酸化水素のモル量は、過酸化水素の合成反応の終了後に反応溶液の一部を取り出し、硫酸チタニルを過酸化水素の発色剤として使用し、紫外可視分光光度計(商品名:V-550、日本分光製)を用いて測定した。
(3)過酸化水素の収率は、次式により求めた。
過酸化水素の収率=(水素の反応率)×(過酸化水素の選択率)
実施例及び比較例についての以上の各種評価結果を、後述の表1にまとめる。
(実施例1)
エタノールと水の混合溶媒200ml(水:エタノール=1:1)にシュウ酸2gを加え攪拌した。そこに堺化学製チタニア10g、HAuCl 0.05gおよびPdCl0.12gを加え、リービッヒ冷却器を用いながら80℃で1時間還流した。
1時間後、懸濁溶液を300mlビーカーに移し、加熱して溶媒を除去した。その後得られた固体を85℃乾燥機で2日間乾燥させ、0.5〜1.8mmに整粒し、実験に用いた。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5mMりん酸及び2mM DMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキシド)含有、反応媒体は水である)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、Au/Pd担持チタニア触媒を製造した。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5mMりん酸及び2mM PBN(N−tert−ブチル−α−フェニルニトロン)含有、反応媒体は水である)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(実施例3)
実施例1と同様にして、Au/Pd担持チタニア触媒を製造した。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5Mmりん酸及び4mM DMPO含有、反応媒体は水である)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(実施例4)
実施例1と同様にして、Au/Pd担持チタニア触媒を製造した。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5Mmりん酸及び2mM DMPO含有、反応媒体はエタノールである)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(比較例1)
実施例1と同様にして、Au/Pd担持チタニア触媒を製造した。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5Mmりん酸含有、反応媒体は水である)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
(比較例2)
実施例1と同様にして、Au/Pd担持チタニア触媒を製造した。
実験においては、攪拌装置およびガス吹き込み管を備えたテフロン(登録商標)で内張りした270mlのオートクレーブに、上記で製造したAu/Pd担持チタニア触媒1.125g、反応溶液270ml(0.5Mmりん酸及び2mM NaBr含有、反応媒体は水である)を加えた。
オートクレーブ内温度を10℃に調整しながら、ガスを150ml/min(水素4%、酸素19.5%、窒素76.5%)の速度でオートクレーブに吹き込みながら、圧力を1Mパスカルに調整し、回転数800rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
以上の各実施例及び比較例についての過酸化水素の収率等各種評価結果を下記表1にまとめる。
Figure 2014015353
表1に示した結果から明らかな通り、ラジカル捕捉剤を使用した本発明の過酸化水素の製造方法(実施例1〜4)は、分解抑制剤としてハロゲンを使用しなくとも過酸化水素を効率よく製造することができ、それゆえハロゲン精製の必要性によるコスト増加を抑制することができ、工業的な価値が認められた。
<4>前記一般式(1)において、R及びRがメチル基であり、R及びRがそれぞれ独立に、メチル基、水素、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、前記一般式(2)において、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はシクロブチル基であり、R〜R10が水素であり、前記一般式(3)において、R11がtert−ブチル基であり、R12〜R15が水素であり、前記一般式(4)において、R16がtert−ブチル基、3,5−ジブロモ−1−スルホフェニル基又は2,3,5,6−テトラメチルフェニル基であり、前記一般式(5)において、R17及びR18がそれぞれ独立に、メチル基、エチル基又はカルボキシメチル基であり、Xがナトリウムイオンである、<3>に記載の過酸化水素の製造方法。
ニトロソ化合物の入手の容易性、過酸化水素の分解抑制効果の観点から、R16としてはtert−ブチル基、3,5−ジブロモ−1−スルホフェニル基及び2,3,5,6−テトラメチルフェニル基が好ましい。

Claims (7)

  1. 反応媒体中、貴金属触媒及びラジカル捕捉剤の存在下で水素と酸素を反応させる、過酸化水素の製造方法。
  2. 前記ラジカル捕捉剤が、ニトロン化合物、ニトロソ化合物、ジチオカルバメート誘導体又はアスコルビン酸誘導体である、請求項1に記載の過酸化水素の製造方法。
  3. 前記ラジカル捕捉剤が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるニトロン化合物、下記一般式(4)で表されるニトロソ化合物、下記一般式(5)で表されるジチオカルバメート誘導体又は下記式(6)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の過酸化水素の製造方法:
    Figure 2014015353

    Figure 2014015353

    Figure 2014015353

    Figure 2014015353

    (一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、リン酸基又はリン酸エステル基であり、
    及びRはそれぞれ独立に、水素、分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、分岐を有していてもよく水酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、
    一般式(2)において、Rは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
    〜R10はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
    一般式(3)において、R11は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
    12〜R15はそれぞれ独立に、水素又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
    一般式(4)において、R16は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基;又はハロゲン、スルホン酸基若しくは分岐を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基であり、
    一般式(5)において、R17及びR18はそれぞれ独立に、分岐を有していてもよく水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又は分岐を有していてもよい炭素数1〜10のカルボキシアルキル基であり、
    は陽イオンである。)。
  4. 前記一般式(1)において、R及びRがメチル基であり、R及びRがそれぞれ独立に、メチル基、水素、2−オキソ−1−ピリジルメチル基又はアミノ基であり、
    前記一般式(2)において、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基又はシクロブチル基であり、R〜R10が水素であり、
    前記一般式(3)において、R11がtert−ブチル基であり、R12〜R15が水素であり、
    前記一般式(4)において、R16がtert−ブチル基、3,5ジブロモ−4−ニトロソベンゼンスルホン酸ナトリウム基又は2,3,5,6−テトラメチルベンゼン基であり、
    前記一般式(5)において、R17及びR18がそれぞれ独立に、メチル基、エチル基又はカルボキシメチル基であり、Xがナトリウムイオンである、請求項3に記載の過酸化水素の製造方法。
  5. 前記ラジカル捕捉剤が、5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキシド又はN−tert−ブチル−α−フェニルニトロンである、請求項1〜4のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
  6. 前記ラジカル捕捉剤の使用量が、前記反応媒体100重量部に対して0.01〜0.05重量部である、請求項1〜5のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
  7. 前記貴金属触媒が、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、酸化チタン又は酸化ジルコニアに、白金、パラジウム、銀及び金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を担持させた触媒である、請求項1〜6のいずれかに記載の過酸化水素の製造方法。
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