JP2014015037A - 薄膜黒色塗装金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】総塗装膜が十分に薄く、しかも良好な黒色度を発現し、外観不良がない薄膜黒色塗装金属板を提供する。
【解決手段】本発明の薄膜黒色塗装金属板は、金属板の少なくとも片面に、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する水系黒色樹脂組成物から形成される膜厚0.4〜1.0μmの第一黒色層が積層され、該第一黒色層の上に、溶剤系黒色塗料から形成される膜厚1.4〜9μmの第二黒色層が積層されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な黒色度を有する薄膜黒色塗装金属板に関するものである。
従来、液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型テレビのバックカバーとして、黒色プラスチックが用いられていたが、近年、内面側への導電性(電磁波対策)付与等の観点から、黒色塗膜で塗装された鋼板(PCM:プレコートメタル)への代替が進められている。
これまでの塗装鋼板(PCM)では、原板(電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板など)の外観や光沢を隠蔽して黒色を発現させるために、カーボンブラック等の黒色顔料を含む塗料が10μm程度(付着量:約12g/m2)の膜厚となるように塗布されており、さらに該黒色塗膜層(トップコート層)の下に、必要に応じ、加工性や耐食性などを付与するためのプライマーコート層が3μm程度(付着量:約5g/m2)の膜厚で設けられていた。このように従来のPCMにおいては、トップコート層とプライマーコート層の合計厚みは約10〜20μmと厚めに設定されるのが通常であった。しかし、塗膜の膜厚が厚いと、塗料の使用量は増大し、塗装や焼付けのための時間も長くなるので、製造コストは上昇する。そのため、特に近年、薄型テレビ市場における競争の激化に伴い、製造コストの圧縮・低減の要求が高まるなか、PCMにおける塗膜の薄膜化が求められている。
薄膜化を目指した塗装鋼板(PCM)としては、例えば、鋼板の一方の面に下塗り塗膜を形成し、この下塗り塗膜の上に、燐片状物質を含む有機樹脂皮膜である上塗り塗膜を形成した総膜厚が10μm以下の塗装鋼板が提案されている(特許文献1)。また、着色顔料を含む最外層塗膜と、着色顔料および防錆顔料としての多孔質シリカを含む下層塗膜とを備え、最外層塗膜の膜厚が2μm以上、下層塗膜の膜厚が2μm以上であり、総塗膜層の膜厚が10μm以下である塗装鋼板も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、一般にPCMの塗膜厚を薄くすればするほど、黒色度が低下し、黒褐色が強い(b値が大きい)外観となったり、灰黒色が強い(L値が大きい)外観となったりする傾向がある。上記特許文献1および2に記載の塗装鋼板においても、燐片状物質を含有させるなどして黒色度を向上させる工夫がなされてはいるものの、未だ十分満足しうるだけの黒色度(例えばL値が20以下)には至らないのが現状であった。
そこで本発明者らは、黒色塗膜の膜厚が小さくても良好な黒色度を発現しうる塗装鋼板として、水溶性樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する黒色組成物で形成した膜厚約0.3〜1.5μmの黒色皮膜を有する塗装鋼板を提案した(特許文献3)。この塗装鋼板は、L値20以下という優れたレベルの黒色度を実現させ得るものでありながら、塗装膜が約0.3〜1.5μmと非常に薄いので、製造コスト削減の観点では非常に有利である。ところが、その一方で、実際の製造に際しては、黒色皮膜があまりにも薄すぎるため、塗布ムラや製造ラインのゴミブツなどによる塗膜欠陥を生じて外観不良を起こしやすくなり、塗装鋼板の意匠性を損なうことがあった。特に特許文献3では、黒色皮膜上にクリヤー皮膜を設けることにより耐食性や耐疵付き性等の特性を発現させているが、かかるクリヤー皮膜が存在すると、塗布ムラやゴミブツなどの塗膜欠陥は助長され、より目立ちやすくなる傾向があった。
特開2008−55774号公報 特開2010−115902号公報 特開2011−224972号公報
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、総塗装膜が十分に薄く、しかも良好な黒色度を発現し、外観不良がない薄膜黒色塗装金属板を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の薄膜黒色塗装金属板は、金属板の少なくとも片面に、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する水系黒色樹脂組成物から形成される膜厚0.4〜1.0μmの第一黒色層が積層され、該第一黒色層の上に、溶剤系黒色塗料から形成される膜厚1.4〜9μmの第二黒色層が積層されていることを特徴とする。
本発明では、前記水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、前記表面処理カーボンブラック(固形分)の含有率が10〜40質量%であることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第一黒色層表面の黒色度(L値)が25以下であり、かつb値が3以下である。
本発明では、前記溶剤系黒色塗料が樹脂粒子を含有し、該樹脂粒子の粒子径は14μm以下であり、かつ前記第二黒色層の膜厚をt(μm)としたときにt(μm)以上2t(μm)以下であることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、前記溶剤系黒色塗料が粒子径14μm以下の樹脂粒子を含有し、前記第一黒色層の上に積層された第二黒色層表面の黒色度(L値)が20以下であり、かつb値が1.5以下である。
本発明では、前記水系黒色樹脂組成物がバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体と、α,β−不飽和カルボン酸重合体と、オキサゾリン基含有重合体および炭酸ジルコニウムアンモニウムから選ばれる架橋剤とから構成され、前記架橋剤の含有量がオレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体とα,β−不飽和カルボン酸重合体との合計100質量部に対して2〜19質量部であり、前記バインダー樹脂の含有率は水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、30〜85質量%であることが好ましい。
本発明では、前記水系黒色樹脂組成物がさらにコロイダルシリカを含有し、該コロイダルシリカの含有率が前記水系黒色樹脂組成物中の全固形分100質量%中、5〜30質量%であることが好ましい。
本発明では、前記水系黒色樹脂組成物が、前記表面処理カーボンブラック、前記バインダー樹脂および前記コロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して5〜25質量部のシランカップリング剤をも含有することが好ましい。
なお本明細書においては「水系黒色樹脂組成物中の全固形分」とは、前記表面処理カーボンブラック、前記バインダー樹脂および前記コロイダルシリカの合計固形分を意味するものとする。
本発明によれば、金属板の少なくとも片面に、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する水系黒色樹脂組成物から形成される第一黒色層と、溶剤系黒色塗料から形成される第二黒色層とがそれぞれ所定の膜厚で積層されているので、総塗装膜が十分に薄くても良好な黒色度を発現し、しかも塗布ムラやゴミブツなどの塗膜欠陥も目立ちにくく良好な外観を有する薄膜黒色塗装金属板を提供できる。
実施例1および比較例1の薄膜黒色塗装金属板(下地処理金属板EGを使用)における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板の黒色度(L値)の関係を表す図である。 実施例1および比較例1の薄膜黒色塗装金属板(下地処理金属板GIを使用)における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板の黒色度(L値)の関係を表す図である。 実施例1および比較例1の薄膜黒色塗装金属板(下地処理金属板EGを使用)における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板のb値の関係を表す図である。 実施例1および比較例1の薄膜黒色塗装金属板(下地処理金属板GIを使用)における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板のb値の関係を表す図である。
本発明の薄膜黒色塗装金属板(以下、単に「黒色金属板」と称することもある)は、金属板の少なくとも片面に、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する水系黒色樹脂組成物から形成される第一黒色層が積層され、該第一黒色層の上に、溶剤系黒色塗料から形成される第二黒色層が積層されたものである。以下、本発明の黒色金属板について詳細に説明する。
(金属板)
本発明で用いる金属板としては、プレコートメタルの原板として用いられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、非めっき冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)等の鋼板の他、アルミニウム板およびチタン板等を挙げることができる。これらの中でも、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、アルミニウム板およびチタン板が好ましい。
前記金属板は、少なくとも片面に予め下地処理により下地層が形成されたものであることが好ましい。例えば後述する第一黒色層を形成する側の金属板表面に下地処理で形成された化成皮膜層(下地層)を有していると、金属板と第一黒色層との密着性が向上する。
化成皮膜層(下地層)としては、有機皮膜層、無機皮膜層、りん酸塩皮膜層、クロメート皮膜層等が挙げられ、これらの中でも有機皮膜層、無機皮膜層、りん酸塩皮膜層が好ましい。有機皮膜層としては、例えばポリエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物、共重合体、変性樹脂等を適宜選択して使用すればよい。該有機皮膜中にはさらに、耐食性向上を目的としてシリカゲル、コロイダルシリカ等を添加したり、塗膜付与後の加工性向上を目的として各種ワックス成分を微量添加したり、あるいは塗膜密着性向上を目的としてシランカップリング剤を添加してもよい。無機皮膜層としては、例えば珪酸塩皮膜層等が挙げられ、該珪酸塩皮膜にはリン酸やフッ化物を添加してもよい。
化成皮膜層(下地層)の付着量は特に規定されるものではないが、例えば有機皮膜層や無機皮膜層であれば、耐食性の観点から、乾燥質量で50mg/m2以上とすることが好ましい。しかしながら150mg/m2を超えると耐食性の改善効果が飽和すると共に、製造コストが上昇する。
下地層を形成した金属板として特に好ましい態様は、例えば、重リン酸アルミニウム、コロイダルシリカおよびポリアクリル酸を含む下地処理組成物(以下「特定下地処理組成物」と称することもある)を、亜鉛めっきした金属板に塗布、乾燥したものである。かかる特定下地処理組成物を亜鉛めっきした金属板に塗布すると、重リン酸アルミニウム由来の水素イオンにより金属板表面がエッチングされるとともに、重リン酸アルミニウム由来のアルミニウムイオンとコロイダルシリカとの相互作用により後述する第一黒色層との密着性に優れた難溶性皮膜を形成することができ、その結果、曲げ加工やプレス加工後(伸び・縮み変形後)の皮膜密着性が向上し、耐食性や耐テープ剥離性の大幅な向上を図ることができる。
前記特定下地処理組成物中、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカの含有割合は、固形分比で、重リン酸アルミニウム:コロイダルシリカ(質量比)=30:70〜70:30(より好ましくは35:65〜65:35、さらに好ましくは45:55〜65:35)であることが好ましい。コロイダルシリカが前記割合よりも多くなると、造膜性が低下して下地層が形成されにくくなり、耐食性や上塗りとの密着性の向上効果が得られにくくなり、さらには金属板に対する密着性も低くなり、加工後に塗膜剥離を生じる虞がある。一方、コロイダルシリカが前記割合よりも少ないと、重リン酸アルミニウムの割合が増加するため、金属板と反応(エッチング)しない残存重リン酸アルミニウムが水に溶解する割合が増え、塗膜下で腐食を生じ耐食性が低下することがある。
前記特定下地処理組成物中、ポリアクリル酸は、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して0.1〜5質量部(より好ましくは0.2質量部以上、3質量部以下)含まれることが好ましい。ポリアクリル酸は、亜鉛めっきなどを施した金属板表面(亜鉛めっき)と重リン酸アルミニウムとの反応(エッチング)を適度に制御する働きをなすと考えられ、前記範囲よりも少ないと、エッチングが過剰に起こるため、結果として耐食性が低下する虞があり、前記範囲よりも多いと、逆にエッチングが不充分となり、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカによって生じる難溶性皮膜が充分に形成されず密着性および耐食性の向上効果が得られにくくなる。
前記特定下地処理組成物には、さらにシランカップリング剤を、重リン酸アルミニウムとコロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して3〜15質量部(より好ましくは5質量部以上、12.5質量部以下)含有することも好ましい。シランカップリング剤が前記範囲よりも少ないと、上塗りおよび金属板に対する密着性や耐食性の向上効果が不充分となる傾向があり、より過酷な加工条件において皮膜剥離を招く場合があり、逆に前記範囲よりも多くても、やはり耐食性や密着性が低下する虞がある。
(第一黒色層)
前記金属板の少なくとも片面に積層される第一黒色層は、水系黒色樹脂組成物から形成される。
<表面処理カーボンブラック>
水系黒色樹脂組成物は、黒色顔料として水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有するものである。表面が水系樹脂で被覆されていない通常のカーボンブラックでは、後述するバインダー樹脂と混合したときにpHの変化やバインダー樹脂との相溶性などによって二次凝集を起こし易く、その結果、着色力が低くなるが、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックであれば、バインダー樹脂と混合された際に優れた分散性を発揮して、二次凝集し難いため、水系黒色樹脂組成物で形成される第一黒色層は後述するように薄い膜厚であっても十分に高い黒色度を発揮する。
なお、本明細書において、「水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラック」とは、水系樹脂でカーボンブラックの表面全体が被覆された態様のみならず、その一部が被覆された態様をも含むものである。
表面処理カーボンブラックを構成するカーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば油煙、松煙、市販の着色用カーボンブラック、ゴム用カーボンブラック等が挙げられる。前記カーボンブラックの表面を被覆する水系樹脂としては、カーボンブラックを二次凝集し難くできるものであれば特に限定されず、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、ポリアクリル酸等が挙げられる。水系樹脂の量(被覆量)は、カーボンブラック100質量部に対して5質量部以上、380質量部以下が好ましい。また表面処理カーボンブラックには、さらに界面活性剤が付着されていてもよい。これにより、バインダー樹脂中での表面処理カーボンブラックの二次凝集をさらに抑制できる。かかる界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられる。
前記表面処理カーボンブラックとしては、例えば、書道に使用される高濃度の墨滴(墨汁)を利用することが好ましい。墨滴は、表面処理カーボンブラックを含む水系分散液であり、例えば、石油系や石炭系の油を高温ガス中で不完全燃焼させるファーネス法等で製造された不定形のファーネスブラックの表面を水系樹脂で被覆し、必要に応じてグリコール系の凍結防止剤および防腐剤を添加し、混合・スラリー化することにより製造される。墨滴としては、例えば市販の墨汁(例えば、株式会社呉竹製「超濃墨墨滴BA−8」等)を用いることができる。なお、表面処理カーボンブラックもしくはその水系分散液は、既知の方法(例えば、特開平7−188597号公報や特開平6−234946号公報)に基づき調製することもできる。表面処理カーボンブラック(またはその水系分散液)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面処理カーボンブラック(表面処理カーボンブラックの水系分散液を用いる場合にはその固形分)は、水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、好ましくは10質量%以上(より好ましくは20質量%以上)、好ましくは40質量%以下(より好ましくは30質量%以下)含まれる。表面処理カーボンブラックの含有率が10質量%未満の場合には、第一黒色層のL値およびb値が高くなり、その結果、第二黒色層を積層して得られた黒色金属板のL値およびb値も高くなり、暗茶色を呈し十分な黒色度を発現できない傾向がある(図1〜4参照)。一方、表面処理カーボンブラックの含有率が40質量%を超える場合には、組成物中に含まれるバインダーとなる樹脂成分が相対的に減少するため、第一黒色層と第二黒色層との密着性が低くなったり、組成物がゲル化し易くなり、水系黒色樹脂組成物の液状安定性が低下したりする虞がある。表面処理カーボンブラックの含有率が前記範囲であると、表面処理カーボンブラックがバインダー樹脂と混合しても二次凝集し難く、高い分散安定性を保持させることができる。
<バインダー樹脂>
水系黒色樹脂組成物は、通常、該組成物で形成される第一黒色層中に表面処理カーボンブラックを固定するためのバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、表面処理カーボンブラックを固定できるものであれば、その種類は特に限定されるものではないが、ポリエチレン樹脂等のオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等が、組成物中の表面処理カーボンブラックの二次凝集を効果的に抑制することができ、優れた液状安定性を得ることができる点で好ましい。特に好ましくはポリエチレン樹脂である。バインダー樹脂は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記オレフィン樹脂等のバインダー樹脂は、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体(以下「オレフィン−酸共重合体」と称することがある)と、α,β−不飽和カルボン酸重合体(以下「カルボン酸重合体」と称することがある)と、オキサゾリン基含有重合体および炭酸ジルコニウムアンモニウムから選ばれる架橋剤とから構成されることが好ましい。オレフィン−酸共重合体及びカルボン酸重合体は、水系黒色樹脂組成物中の表面処理カーボンブラックの分散安定性を損なわず、当該カーボンブラックとの相溶性を向上させ、かつ第一黒色層と金属板との密着性を向上させる。また、オキサゾリン基含有重合体および炭酸ジルコニウムアンモニウムから選ばれる架橋剤は、オレフィン−酸共重合体及びカルボン酸重合体と架橋して、緻密で非常に硬い黒色層を形成するため、第二黒色層の疵付き性を向上させる。特に、炭酸ジルコニウムアンモニウムは、反応性が高く、造膜時の流動性にも優れることから、架橋剤としての効果がより大きく、耐砂消しゴム磨耗性にも優れた効果を発揮する。
なお、本発明における「オレフィン−酸共重合体」とは、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体であって、オレフィン由来の構成単位が、共重合体中に50質量%以上(すなわち、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位が50質量%以下)であるものが好ましい。また「カルボン酸重合体」とは、α,β−不飽和カルボン酸を単量体として用い重合して得られる重合体(共重合体も含む)であって、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位が重合体中に90質量%以上であるものが好ましい。
前記オレフィン−酸共重合体は、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とを既知の方法で共重合させることにより製造でき、また市販されている。オレフィン−酸共重合体は、1種または2種以上を使用することができる。
オレフィン−酸共重合体の製造に使用できるオレフィンとしては、特に限定はないが、エチレン、プロピレン等が好ましく、エチレンがより好ましい。オレフィン−酸共重合体は、オレフィン構成単位が1種のオレフィンのみに由来するものであってもよいし、2種以上のオレフィンに由来するものであってもよい。
オレフィン−酸共重合体の製造に使用できるα,β−不飽和カルボン酸も、特に限定はなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸が好ましい。オレフィン−酸共重合体は、α,β−不飽和カルボン酸の構成単位が、1種のα,β−不飽和カルボン酸のみに由来するものであってもよいし、2種以上のα,β−不飽和カルボン酸に由来するものであってもよい。
オレフィン−酸共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸単位は、第一黒色層と金属板との密着性を向上させる作用をなすものであり、かかる作用を効果的に発揮するには、共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸単位量は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上である。一方、共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸単位量の上限は、上述したように50質量%であるが、耐食性の観点からは特に30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
前記オレフィン−酸共重合体は、表面処理カーボンブラックの二次凝集抑制等に悪影響を及ぼさない範囲で、その他の単量体に由来する構成単位を有していても良い。オレフィン−酸共重合体中において、その他の単量体に由来する構成単位量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であり、最も好ましいオレフィン−酸共重合体は、オレフィン−およびα,β−不飽和カルボン酸のみから構成されるものである。好ましいオレフィン−酸共重合体として、エチレン−アクリル酸共重合体が挙げられる。
前記オレフィン−酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは1,000〜10万、より好ましくは3,000〜7万、さらに好ましくは5,000〜3万である。このMwは、ポリスチレンを標準として用いるGPCにより測定することができる。
前記カルボン酸重合体としては、1種または2種以上のα,β−不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは共重合体、またはさらに他の単量体(オレフィンを除く)を共重合させた共重合体が挙げられる。このようなカルボン酸重合体は、既知の方法で製造でき、また市販されている。カルボン酸重合体は、1種または2種以上を使用することができる。
カルボン酸重合体の製造に使用できるα,β−不飽和カルボン酸には、上記オレフィン−酸共重合体の合成に使用できるものとして例示したα,β−不飽和カルボン酸がいずれも使用可能である。これらの中でもアクリル酸およびマレイン酸が好ましく、マレイン酸がより好ましい。
カルボン酸重合体は、α,β−不飽和カルボン酸以外の単量体に由来する構成単位を含有していても良いが、その他の単量体に由来する構成単位量は、重合体中に10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、α,β−不飽和カルボン酸のみから構成されるカルボン酸重合体がより好ましい。
好ましいカルボン酸重合体として、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリマレイン酸等を挙げることができ、これらの中でも第一黒色層密着性等の観点から、ポリマレイン酸がより好ましい。ポリマレイン酸はカルボキシル基量が多いため、第一黒色層と金属板との密着性がより向上する。
前記カルボン酸重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜3万、より好ましくは800〜1万、さらに好ましくは900〜3,000、最も好ましくは1,000〜2,000である。このMwは、ポリスチレンを標準として用いるGPCにより測定することができる。
バインダー樹脂中のオレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体との含有比率(質量比)は、好ましくは1,000:1〜10:1、より好ましくは200:1〜20:1、さらに好ましくは100:1〜25:1である。カルボン酸重合体の含有比率が低すぎると、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体とを組み合わせた効果が充分に発揮されない場合があり、逆にカルボン酸重合体の含有比率が過剰であると、組成物中でオレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体とが相分離し、第一黒色層が均一に形成されなくなる虞がある。
前記オキサゾリン基含有重合体は、オキサゾリン基を有するものであり、該オキサゾリン基がオレフィン−酸共重合体やカルボン酸重合体の有するカルボキシル基と架橋反応することにより樹脂同士が架橋して、緻密な網目構造を形成する。これにより第一黒色層の強靱さが向上する。
前記オキサゾリン基含有重合体としては、黒色層の硬さを向上させるとともに、黒色層の脆さも改善できる点で、主鎖がスチレン/アクリルからなるものが好ましく、例えば、市販品では日本触媒社製の「エポクロス(登録商標)」が好適に用いられる。「エポクロス(登録商標)」としては、特にエマルジョンタイプの「エポクロス(登録商標)K」シリーズが好ましく、グレードとしては、K−2010E(Tg:−50℃)、K−2020E(Tg:0℃)およびK−2030E(Tg:50℃)がある。その中でも、より硬い皮膜が得られる点では「エポクロス(登録商標)K−2030E」が最も好ましい。
前記炭酸ジルコニウムアンモニウム((NH42[Zr(CO32(OH)2])は、造膜(成膜)時に二酸化炭素とアンモニウムが脱離してZrOとなり、これに水性のバインダー樹脂のカルボキシル基や水酸基が架橋して皮膜の形成を可能にする。この造膜(成膜)時の反応は、流動性を維持しつつZrの金属架橋によって高い架橋密度(網目構造)を得ることができるので、強く強靭な皮膜が形成される。従って、炭酸ジルコニウムアンモニウムを用いると、第一黒色層となる皮膜に硬度と強靭さを発現させ、第二黒色層となる皮膜の疵付き性や耐磨耗性を格段に向上させることができる。
前記炭酸ジルコニウムアンモニウムの市販品としては、日本軽金属(株)製の「ベイコート20」が好適に用いられる。
前記架橋剤(オキサゾリン基含有重合体および/または炭酸ジルコニウムアンモニウム)は、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体との合計100質量部(固形分)に対して、2質量部以上(より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上)含まれるのが好ましく、19質量部以下(より好ましくは17質量部以下、さらに好ましくは16質量部以下)含まれるのが好ましい。前記架橋剤の含有量が前記範囲よりも少ないと、架橋反応が不十分になり、形成される皮膜の緻密性が得られず、結果として得られる黒色金属板の耐疵付き性に劣る場合がある。一方、前記架橋剤の含有量が前記範囲よりも多いと、過度の架橋反応によって第一黒色層の持つ官能基(カルボキシル基)が減少して、第二黒色層および金属板との密着性が低下する場合がある。
バインダー樹脂は、水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、好ましくは30質量%以上(より好ましくは55質量%以上)、好ましくは85質量%以下(より好ましくは65質量%以下)含まれる。バインダー樹脂の含有率が30質量%未満では、皮膜の造膜性が低下し、表面処理カーボンブラックの固定が不十分になったり、塗布ムラが生じて外観上の問題を招いたりする虞がある。一方、バインダー樹脂の含有率が85質量%を超えると、相対的に表面処理カーボンブラックの含有量が減少するため、十分な黒色度が得られない虞がある。
<コロイダルシリカ>
水系黒色樹脂組成物は、さらにコロイダルシリカを含有することが好ましい。これにより、表面処理カーボンブラックを第一黒色層に良好に固定でき、また得られる黒色金属板の耐食性や硬度を向上させることができる。このメカニズムの詳細は不明であるが、腐食環境下においてシリカが溶解、溶出して、pHの緩衝作用や不動態皮膜形成作用が生じることに起因すると推測される。さらに、コロイダルシリカを含有させると、水系黒色樹脂組成物の塗布・乾燥時のはじき防止などにも効果が認められる。
コロイダルシリカとしては、特に限定されるものではないが、水系黒色樹脂組成物中での分散性や耐食性向上効果等の観点から、粒子径が4〜20nmのコロイダルシリカが好ましく、具体的には、粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学社製の「スノーテックス(登録商標)XS」)、粒子径8〜11nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学社製の「スノーテックス(登録商標)S」)、粒子径10〜20nmのコロイダルシリカ(市販品では、日産化学社製の「スノーテックス(登録商標)40」)等が挙げられ、これらの中でも特に「スノーテックス(登録商標)XS」が好ましい。
コロイダルシリカ(固形分)は、水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、好ましくは5質量%以上(より好ましくは10質量%以上)、好ましくは30質量%以下(より好ましくは20質量%以下)含まれる。コロイダルシリカの含有率が5質量%未満では、耐食性や皮膜硬度の向上効果が認められない場合がある。一方、コロイダルシリカの含有率が30質量%を超えると、組成物の安定性が悪くなり経過時間とともに増粘する場合があり、耐食性等のさらなる向上効果も得られず経済的に不利となる。
<シランカップリング剤>
水系黒色樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を含有していてもよい。シランカップリング剤を含有させると、第一黒色層と金属板との密着性を高めることができる。
シランカップリング剤としては、末端にグリシドキシ基を有するシランカップリング剤が好ましく、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、前記表面処理カーボンブラック、前記バインダー樹脂および前記コロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して、5質量部以上(より好ましくは10質量部以上)とすることが好ましく、25質量部以下(より好ましくは15質量部以下)とすることが好ましい。シランカップリング剤の含有量が5質量部未満の場合には、シランカップリング剤を添加したことによる効果を十分に得ることができない場合がある。一方、シランカップリング剤の含有量が25質量部を超えると、黒色金属板中に未反応のシランカップリング剤が多く残存することになり、耐食性が低下する傾向がある。
<その他の成分>
水系黒色樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに各種添加剤を含有させることもできる。例えば、薄型テレビなどの家電分野では、黒色金属板に複雑なプレス加工などが実施される場合が多く、黒色金属板への要求性能として加工性が求められる。そのような場合には、水系黒色樹脂組成物に水系のワックスを添加することにより、第一黒色層へ潤滑性を付与して加工性の向上を図ることができる。水系のワックスとしては、三井化学社製の「ケミパール(登録商標)W700」、「ケミパール(登録商標)W950」、「ケミパール(登録商標)W900」などのポリエチレン系ワックスが挙げられる。
水系黒色樹脂組成物は、上述した各成分を所定の割合で混合して調製することができる。混合順序は特に制限されないが、例えばバインダー樹脂が架橋剤(オキサゾリン基含有重合体または炭酸ジルコニウムアンモニウム)を含有する場合には、それら架橋剤以外の組成物成分を調製しておき、その中に、架橋剤を添加することが好ましい。
本発明における第一黒色層は、上述した金属板の片面または両面に、前記水系黒色樹脂組成物を所定の乾燥膜厚になるよう塗布し、乾燥させることにより形成することができる。
第一黒色層の膜厚(乾燥膜厚)は、0.4μm以上(好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.6μm以上)であり、1.0μm以下(好ましくは0.98μm以下、より好ましくは0.9μm以下)である。第一黒色層の膜厚が0.4μm未満であると、第一黒色層、ひいては得られる黒色金属板の黒色度が不十分になり、暗茶色を呈することになる。一方、第一黒色層の膜厚が1.0μmを超えると、黒色度には優れるものの、黒色度のさらなる向上効果は得られにくくなる一方、塗装や乾燥にかかる時間が長くなり、製造コストが上がることになる。また第一黒色層の膜厚が厚すぎると、例えば薄型テレビなど家電分野で使用する際に要求される導電性を達成できない場合もある。
第一黒色層を形成する際の水系黒色樹脂組成物の塗布、乾燥方法は、特に制限されず、既知の方法を適宜採用することができる。組成物の塗布方法としては、例えばバーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、スプレーリンガー法等を挙げることができ、これらの中でも、コスト等の観点からバーコーター法、ロールコーター法、スプレーリンガー法が好ましい。また乾燥温度としては、黒色層が熱により劣化しない程度であればよく、例えば、50〜160℃程度が好ましく、より好ましくは70〜140℃程度である。
第一黒色層は優れた黒色度を有するものであり、本発明の好ましい態様では、第一黒色層表面の黒色度(L値)は25以下であり(より好ましくは24以下、さらに好ましくは23以下)、かつb値が3以下(より好ましくは2.6以下、さらに好ましくは2.1以下)である。なお、本発明においてL値およびb値は、JIS Z8722に規定する方法で測定される実測値の明度指標であり、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。因みに、下記式に基づき換算されるL*値およびb*値についても、その好ましい上限は、上述したL値およびb値の上限値から算出される範囲である。
L*=1.3632L−3.5904
b*=1.5744b−0.0380
(第二黒色層)
前記第一黒色層の上に積層される第二黒色層は、溶剤系黒色塗料を所定の乾燥膜厚になるよう塗布し、乾燥、焼付けすることにより形成することができる。かかる第二黒色層を有することにより、前記水系黒色樹脂組成物により形成される第一黒色層の膜厚が前記範囲のように薄く、その形成時に塗布ムラや製造ラインのゴミブツなどによる塗膜欠陥を生じてしまっても、黒色金属板は良好な外観を保つことができる。
溶剤系黒色塗料としては、特に制限はなく、従来から黒色金属板に用いられているものを用いることができる。溶剤系黒色塗料は、例えば、溶剤中に、ベース樹脂(例えば、分子量10,000〜20,000程度の高分子ポリエステル樹脂など)と、硬化剤(例えばメラミン系硬化剤など)と、必要に応じて防錆顔料(例えば、リン酸アルミニウム系防錆顔料、リン酸マグネシウム系防錆顔料、カルシウムシリケート系防錆顔料など)、体質顔料等とを添加し、さらに着色顔料としてカーボンブラックを添加するなど、公知の方法で調製することができる。また、市販品では、日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」、「FLC6000ブラック」、「FLC6070ブラック」、「FLC6080ブラック」、「FLC6090ブラック」、「FLC6100ブラック」、BASFコーティングジャパン社製「HF1600ブラック」等が挙げられる。溶剤系黒色塗料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、加工性、耐疵付き性、耐磨耗性の観点から、溶剤系黒色塗料のベース樹脂(例えばポリエステル樹脂など)のTgは15〜30℃が好ましい。
前記溶剤系黒色塗料は、樹脂粒子を含有することが好ましい。これにより、高い黒色度を有するとともに、良好な凹凸外観や手触りを有する黒色金属板となる。例えばクリヤー皮膜中に樹脂粒子を含有させると、良好な凹凸意匠が発現できない。
前記樹脂粒子は、有機粒子(例えばアクリルビーズ、スチレンアクリルビーズ、ウレタンビーズ等)であってもよいし、無機粒子(例えばガラスビーズ、シリカビース等)であってもよい。特に、溶剤系黒色塗料中で凝集しにくく、入手も容易である点で、アクリルビーズが好ましい。なお樹脂粒子は1種のみであってもよいし2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子の粒子径は、ロールコーターなどで塗料を塗装する際の塗工性の観点から、14μm以下であることが好ましく、より好ましくは12μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。樹脂粒子の粒子径が14μmを超えると、塗装時にすじ引きなどが発生する虞がある。
特に、樹脂粒子の粒子径は、第二黒色層の膜厚をt(μm)としたときにt(μm)以上2t(μm)以下であることが好ましい。例えば第二層目の塗膜が15μm程度の厚さであると、塗料中の溶剤が揮発する際にウエット状態で層内に揮発に伴う渦対流が発生し、樹脂粒子が塗膜の表面に移動することにより凹凸の塗膜が形成されるが、本発明では後述のように第二黒色層の膜厚が薄いので、渦対流の発生は期待できない。第二黒色層の膜厚と樹脂粒子の粒子径が上記関係を満たせば、第二黒色層の膜厚が薄くても良好な凹凸を発現できることになる。
第二黒色層の膜厚(乾燥膜厚)は、1.4μm以上(好ましくは1.5μm以上、より好ましくは1.6μm以上、さらに好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上、最も好ましくは4μm以上)であり、9μm以下(好ましくは8μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは6.5μm以下、特に好ましくは6μm以下)である。第二黒色層の膜厚が1.4μm未満であると、外観を損なうことになったり、得られる黒色金属板の黒色度が不十分になったりする虞があり、また磨耗や疵付きに対して弱くなる傾向がある。一方、第二黒色層の膜厚が9μmを超えると、塗装や乾燥にかかる時間が長くなり、製造コストが上がることになったり、曲げ加工性が損なわれる傾向がある。なお、溶剤系黒色塗料が樹脂粒子を含有する場合、第二黒色層の膜厚(乾燥膜厚)は、樹脂粒子を除く溶剤系黒色塗料で形成された膜の厚みであり、樹脂粒子が存在しない部分の厚みを測定するものとする。
第二黒色層を形成する際の溶剤系黒色塗料の塗布、乾燥、焼付けの方法は、特に制限されず、既知の方法を適宜採用することができる。塗料の塗布方法としては、第一黒色層の形成で述べたような方法を挙げることができ、これらの中でも、コスト等の観点からバーコーター法、ロールコーター法、スプレーリンガー法が好ましい。乾燥、焼付け温度は、例えば、200〜240℃程度が好ましい。
本発明の黒色金属板は優れた黒色度を有するものであり、本発明の好ましい態様では、本発明の黒色金属板表面(第一黒色層の上に積層された第二黒色層表面)の黒色度(L値)は、20以下(より好ましくは19以下、さらに好ましくは18以下)であり、かつb値は1.5以下(より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下)である。なお、本発明においてL値およびb値は、JIS Z8722に規定する方法で測定される実測値の明度指標であり、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。因みに、下記式に基づき換算されるL*値およびb*値についても、その好ましい上限は、上述したL値およびb値の上限値から算出される範囲である。
L*=1.3632L−3.5904
b*=1.5744b−0.0380
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
まず、実施例で用いた評価方法について、以下説明する。
(黒色度)
分光光度計(日本電色工業株式会社製「Spectro Color Meter SQ2000」)を用いて、供試材(第一黒色層のみを設けた金属板、もしくは、第一黒色層および第二黒色層を有する黒色金属板)のL値、b値を測定し、得られたL値、b値または該L値、b値を下記式に基づいて変換したL*値、b*値により黒色度を評価した。
L*=1.3632L−3.5904
b*=1.5744b−0.0380
本発明では、第一黒色層についてはL値が25以下を合格とし、第一黒色層および第二黒色層(黒色金属板)についてはL値が20以下(L*値が24以下)を合格とした。
(耐食性(SST時間))
供試材(第一黒色層のみを設けた金属板、もしくは、第一黒色層および第二黒色層を有する黒色金属板)について、JIS Z2371に基づいて塩水噴試験を実施して、白錆が5%発生するまでの時間(SST時間)を測定することにより耐食性を評価した。
本発明では、第一黒色層についてはSST時間が72時間以上を合格とし、第一黒色層および第二黒色層(黒色金属板)についてはSST時間が240時間以上を合格とした。
(加工性(T曲げ加工))
50mm×50mmの大きさにカットした供試材(黒色金属板)を、室温(20℃)で、表面(第二黒色層形成面)を外側にして万力で軽く折り曲げ、その曲げ部に同じ黒色金属板(供試材)を挟み限界まで曲げ、加工後の折り曲げ部におけるクラックの有無を、目視もしくは10倍のルーペで観察した。評価方法は、挟みこむ黒色金属板の枚数が0枚を0Tとし、1枚を1Tとして表面にクラックが発生したときの枚数よりも1枚多い枚数をクラック限界(例えば、1Tでクラックが発生した場合には、2Tがクラック限界)とした。
(耐砂消しゴム磨耗性)
砂消しゴム6mm径を摺動試験装置にセットし、供試材(黒色金属板)の表面(第二黒色層形成側)に荷重16.5Nをかけながら、摺動距離約26mmを200往復させ、素地金属(下地処理金属板)の露出を目視により観察し、下記基準で評価した。
◎:素地金属の露出が全く認められない
○:素地金属の露出が極わずかに認められる
△:素地金属の露出部の長さが2mm以内である
×:素地金属の露出部の長さが2mm超である
(耐疵付き性(鉛筆硬度))
供試材(黒色金属板)について、JIS K5400(1990)に基づいて、第二黒色層表面に鉛筆引っかき試験機で疵の発生しない鉛筆硬度を求めた。
(耐水性(カーボンブラック流出試験))
供試材(第一黒色層のみを設けた金属板、もしくは、第一黒色層および第二黒色層を有する黒色金属板)を沸騰水に1時間浸漬した後、塗膜からのカーボンブラックの流出による外観変化を目視で観察し、下記基準で評価した。
◎:外観に変化無し
○:極わずかに変化あり
△:黒色度の低下あり(光沢低下)
×:色抜けによる外観むら発生
(凹凸外観)
供試材(黒色金属板)の表面(第二黒色層形成側)について、目視による観察と手触りから下記基準で評価した。
◎:鮮明な黒色を呈するとともに、適度な凹凸感を有し手触りも良好である
△1:鮮明な黒色は呈しているものの、凹凸感が認められない
△2:鮮明な黒色は呈しているものの、凹凸が大きすぎて手触りが悪い
[実施例1、比較例1’]
(下地処理金属板の作製)
まず、純水約952質量部に、酸性コロイダルシリカ(日産化学社製「スノーテックス(登録商標)O」;固形分20質量%)26.3質量部と重リン酸アルミニウム(米山化学社製;固形分50質量%)19.5質量部とを加え、これにポリアクリル酸(日本純薬社製「ジュリマー(登録商標)AC−10−LP」;固形分100質量%)0.075質量部を添加し、さらにシランカップリング剤(信越化学社製「KBM403」;固形分100質量%)1.13質量部を添加して、下地処理組成物溶液(固形分濃度1.7質量%)を調製した。
次に、得られた下地処理組成物溶液を、電気亜鉛めっき鋼板(EG;Zn付着量20g/m2)または溶融亜鉛めっき鋼板(GI;Zn付着量45g/m2)の表裏面に、手動ロールコート装置にて、乾燥質量で103mg/m2になるように塗布し、その後、120℃で60秒間乾燥して、下地処理金属板を作製した。以下、電気亜鉛めっき鋼板を用いたものを下地処理金属板EGとし、溶融亜鉛めっき鋼板を用いたものを下地処理金属板GIとする。
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有するオートクレイブ(内容量1.0L)に、エチレン−アクリル酸共重合体(ダウケミカル社製「プリマコール(登録商標)5990I」、アクリル酸由来の構成単位:20質量%、メルトインデックス:1300)200.0質量部、ポリマレイン酸水溶液(日本油脂社製「ノンポール(登録商標)PMA−50W」、重量平均分子量:約1100(ポリスチレン換算)、50質量%品)8.0質量部、トリエチルアミン35.5質量部、48%NaOH水溶液6.9質量部(1.5当量分)、トール油脂肪酸(ハリマ化成社製「ハートールFA3」)3.5質量部、イオン交換水792.6質量部を加えて密封し、150℃、5気圧で3時間高速攪拌した後、30℃まで冷却した。次いで、シランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(旧社名:GE東芝シリコーン)社製「TSL8350」;固形分100質量%)10.4質量部、ポリカルボジイミド(日清紡社製「SV−02」)31.2質量部、イオン交換水72.8質量部を添加し、10分間攪拌して、固形分20質量%の樹脂エマルションを得、これをバインダー樹脂前駆体とした。
次に、表面処理カーボンブラックとして墨汁(株式会社呉竹製「超濃墨墨滴BA−8」;固形分13.5質量%)222質量部に、純水423質量部を攪拌しながら加え、次いでバインダー樹脂前駆体として上記で得た樹脂エマルション285.0質量部を加えた後、コロイダルシリカ(スノーテックス(登録商標)XS、固形分20質量%)50質量部を添加し、さらにシランカップリング剤(信越化学社製「KBM403」;固形分100質量%)12.5質量部と、オキサゾリン基含有重合体(株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)K−2030E」;固形分40質量%)7.5質量部とを加えて、水系黒色樹脂組成物を調製した。
この水系黒色樹脂組成物は、固形分濃度が11.2質量%であり、表面処理カーボンブラック(固形分)の含有率は、該組成物の全固形分(すなわち表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂およびコロイダルシリカの固形分合計(以下の実施例でも同様))100質量%中30質量%であり、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)(固形分)の含有率は、前記組成物の全固形分100質量%中60質量%(このうちオキサゾリン基含有重合体は組成物の全固形分100質量%中3.0質量%)であり、コロイダルシリカ(固形分)の含有率は、前記組成物の全固形分100質量%中10重量%であり、外枠で、シランカップリング剤を表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂およびコロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して12.5質量部含有するものであった。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、表1〜4に示す下地処理金属板の表面に、バーコート塗装装置にて、表1〜4に示す乾燥膜厚になるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、粒子径が約2〜12μmのアクリルビーズ(大日精化社製「ラブコロール」)を塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、表1〜4に示す乾燥膜厚になるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。第二黒色層の膜厚が1.42〜4.55μmのものは各実施例の薄膜黒色塗装金属板であり、第二黒色層が塗布されていない(膜厚0μm)のものは比較例1’の薄膜黒色塗装金属板である。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.2〜1.5倍であった。
以上のようにして第一黒色層および第二黒色層の膜厚を変えて得た薄膜黒色塗装金属板についてのL値、L*値、b値、b*値を、表1〜4にそれぞれ示す。表1、3は、金属板として下地処理金属板EGを用いた場合であり、表2、4は、金属板として下地処理金属板GIを用いた場合である。また薄膜黒色塗装金属板における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板のL値またはb値との関係を図1〜4に示す。
なお得られた薄膜黒色塗装金属板のうち、第二黒色層の膜厚が0μmの比較例1’の黒色塗装金属板について目視で塗膜表面を観察したところ、塗布ムラやゴミブツなどの外観不良が認められた。しかし、第二黒色層を形成した実施例の黒色塗装金属板については、同様の観察で外観不良は認められなかった。
[比較例1]
実施例1の第一黒色層の形成において、水系黒色樹脂組成物に代えて、溶剤系黒色プライマー(KCCコーポレーション社(韓国)製「ブラックプライマーFP1817」)を用い、表1〜4に示す乾燥膜厚になるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、第一黒色金属層および第二黒色層を形成し、比較用の薄膜黒色塗装金属板を得た。
以上のようにして第一黒色層および第二黒色層の膜厚を変えて得た比較用の薄膜黒色塗装金属板についてのL値、L*値、b値、b*値を、表1〜4にそれぞれ示す。表1、3は、金属板として下地処理金属板EGを用いた場合であり、表2、4は、金属板として下地処理金属板GIを用いた場合である。また薄膜黒色塗装金属板における第二黒色層の膜厚と該黒色金属板のL値またはb値との関係を図1〜4に示す。
Figure 2014015037
Figure 2014015037
Figure 2014015037
Figure 2014015037
[実施例2]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。
すなわち、コロイダルシリカおよびシランカップリング剤の使用量は実施例1と同じに固定し(コロイダルシリカ(固形分):全固形分100質量%中10質量%、シランカップリング剤:全固形分100質量部に対して12.5質量部)、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が全固形分100質量%中表5に示す値となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)の使用量はその固形分(樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体の合計固形分)の含有率が全固形分100質量%中表5に示す値となるように、変更した。なお、樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体は、各固形分の質量比率が、樹脂エマルション:オキサゾリン基含有重合体=95:5となるよう固定した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約4.0μmになるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.5倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、第一黒色層のみを形成した段階のL値及びb値と、第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板のL値及びb値と、加工性とを表5に示す。
Figure 2014015037
[実施例3]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。ただしオキサゾリン基含有重合体については一部表に示すものに変更した。
すなわち、シランカップリング剤の使用量は実施例1と同じに固定し(シランカップリング剤:全固形分100質量部に対して12.5質量部)、コロイダルシリカの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)の使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中60質量%となるように、オキサゾリン基含有重合体の固形分の含有率が表6に示す値となるように(そうすると、樹脂エマルションの含有率は「60質量%−オキサゾリン基含有重合体の含有率」となる)、変更した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約4.0μmになるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.5倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、第一黒色層のみを形成した段階の耐食性及び耐水性と、第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板の黒色度(L値)、耐食性及び加工性を表6に示す。
Figure 2014015037
[実施例4]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
オキサゾリン基含有重合体を炭酸ジルコニウムアンモニウム(日本軽金属(株)製「ベイコート20」;固形分20質量%)に変更した以外は、実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルション)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。
すなわち、シランカップリング剤の使用量は実施例1と同じに固定し(シランカップリング剤:全固形分100質量部に対して12.5質量部)、コロイダルシリカの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよび炭酸ジルコニウムアンモニウム)の使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中60質量%となるように、炭酸ジルコニウムアンモニウムの固形分の含有率が表7に示す値となるように(そうすると、樹脂エマルションの含有率は「60質量%−炭酸ジルコニウムアンモニウムの含有率」となる)、変更した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC6080ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約4.0μmになるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.5倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、第一黒色層のみを形成した段階の耐食性及び耐水性と、第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板の黒色度(L値)、耐食性、加工性、耐砂消しゴム磨耗性および耐疵付き性を表7に示す。
Figure 2014015037
[実施例5、比較例5]
(第一黒色層の形成)
実施例4−4で得た水系黒色樹脂組成物(炭酸ジルコニウムアンモニウムの固形分の含有率が5質量%)を用い、これを実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC6080ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、表8に示す乾燥膜厚となるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の0.6〜3倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板(第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板)について、黒色度(L値)、耐食性、加工性、耐砂消しゴム磨耗性および耐疵付き性を表8に示す。
Figure 2014015037
[実施例6]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。
すなわち、シランカップリング剤の使用量は実施例1と同じに固定し(シランカップリング剤:全固形分100質量部に対して12.5質量部)、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、コロイダルシリカの使用量はその固形分の含有率が表9に示す値となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)の使用量はその固形分(樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体の合計固形分)の含有率が表9に示す値となるように、変更した。なお、樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体は、各固形分の質量比率が、樹脂エマルション:オキサゾリン基含有重合体=95:5となるよう固定した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約4.0μmになるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.5倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、第一黒色層のみを形成した段階の耐食性及び耐水性と、第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板の黒色度(L値)、耐食性、加工性及び耐疵付き性を表9に示す。
Figure 2014015037
[実施例7]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。
すなわち、シランカップリング剤の使用量はその含有量が全固形分100質量部に対して表10に示す量となるように、コロイダルシリカの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)の使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中60質量%となるように、変更した。なお、樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体は、各固形分の質量比率が、樹脂エマルション:オキサゾリン基含有重合体=95:5となるよう固定した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、粒子径が約6μmのアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約4.0μmになるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。なお、添加するアクリルビーズの粒子径は、第二黒色層の膜厚の1.5倍であった。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、第一黒色層のみを形成した段階の耐食性及び耐水性と、第一黒色層の上に第二黒色層を形成した黒色金属板の耐食性、加工性及び耐疵付き性を表10に示す。
Figure 2014015037
[実施例8]
(第一黒色層の形成)
<水系黒色樹脂組成物の調製>
実施例1と同じ原料(表面処理カーボンブラック、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)、コロイダルシリカ、シランカップリング剤)を用い、各使用量を次の様に変更したこと以外は実施例1と同様にして、水系黒色樹脂組成物を調製した。
すなわち、シランカップリング剤の使用量は実施例1と同じに固定し(シランカップリング剤:全固形分100質量部に対して12.5質量部)、表面処理カーボンブラックの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、コロイダルシリカの使用量はその固形分の含有率が組成物の全固形分100質量%中20質量%となるように、バインダー樹脂(樹脂エマルションおよびオキサゾリン基含有重合体)の使用量はその固形分(樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体の合計固形分)の含有率が組成物の全固形分100質量%中60質量%となるように、変更した。なお、樹脂エマルションとオキサゾリン基含有重合体は、各固形分の質量比率が、樹脂エマルション:オキサゾリン基含有重合体=95:5となるよう固定した。
<水系黒色樹脂組成物の塗装>
上記で得た水系黒色樹脂組成物を、実施例1で得た下地処理金属板EGの表面に、バーコート塗装装置にて、乾燥膜厚が約0.7μmになるように塗布し、その後、160℃で60秒間乾燥して、第一黒色金属層を形成した。
(第二黒色層の形成)
溶剤系黒色塗料(日本ファインコーティングス社製「FLC495ブラック」)に、表11に示す粒子径(約2〜14μmの範囲)のアクリルビーズを塗料の乾燥固形分100質量部に対して2質量部添加し、シンナーを加えて粘度をフォードカップNo.4で50秒程度に調整した後、上記第一黒色層の表面にバーコート塗装装置にて、表11の乾燥膜厚(約2.0〜7.0μmの範囲)になるように塗布し、その後、230℃で60秒間乾燥、焼き付けして、第二黒色層を形成し、薄膜黒色塗装金属板を得た。
得られた各薄膜黒色塗装金属板について、凹凸外観の評価を表11に示す。
Figure 2014015037

Claims (8)

  1. 金属板の少なくとも片面に、水系樹脂で表面が被覆された表面処理カーボンブラックを含有する水系黒色樹脂組成物から形成される膜厚0.4〜1.0μmの第一黒色層が積層され、該第一黒色層の上に、溶剤系黒色塗料から形成される膜厚1.4〜9μmの第二黒色層が積層されていることを特徴とする薄膜黒色塗装金属板。
  2. 前記水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、前記表面処理カーボンブラック(固形分)の含有率が10〜40質量%である請求項1に記載の薄膜黒色塗装金属板。
  3. 前記第一黒色層表面の黒色度(L値)が25以下であり、かつb値が3以下である請求項1または2に記載の薄膜黒色塗装金属板。
  4. 前記溶剤系黒色塗料が樹脂粒子を含有し、該樹脂粒子の粒子径は14μm以下であり、かつ前記第二黒色層の膜厚をt(μm)としたときにt(μm)以上2t(μm)以下である請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜黒色塗装金属板。
  5. 前記溶剤系黒色塗料が粒子径14μm以下の樹脂粒子を含有し、前記第一黒色層の上に積層された第二黒色層表面の黒色度(L値)が20以下であり、かつb値が1.5以下である請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜黒色塗装金属板。
  6. 前記水系黒色樹脂組成物がバインダー樹脂を含有し、該バインダー樹脂が、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体と、α,β−不飽和カルボン酸重合体と、オキサゾリン基含有重合体および炭酸ジルコニウムアンモニウムから選ばれる架橋剤とから構成され、前記架橋剤の含有量がオレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体とα,β−不飽和カルボン酸重合体との合計100質量部に対して2〜19質量部であり、前記バインダー樹脂の含有率は水系黒色樹脂組成物の全固形分100質量%中、30〜85質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜黒色塗装金属板。
  7. 前記水系黒色樹脂組成物がさらにコロイダルシリカを含有し、該コロイダルシリカの含有率が前記水系黒色樹脂組成物中の全固形分100質量%中、5〜30質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜黒色塗装金属板。
  8. 前記水系黒色樹脂組成物が、前記表面処理カーボンブラック、前記バインダー樹脂および前記コロイダルシリカの合計固形分100質量部に対して5〜25質量部のシランカップリング剤をも含有する請求項7に記載の薄膜黒色塗装金属板。
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