JP2014014997A - 複合体の製造方法、及び複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属部材と樹脂部材とを射出成形により一体化した複合体を、簡単な工程で形成する製造方法、及び複合体を提供することを課題とする。
【解決手段】金属部材の表面に熱可塑性樹脂層を形成する工程と、前記熱可塑性樹脂層を形成した部分を覆う金型内に前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高い樹脂を射出し、前記樹脂の熱で前記熱可塑性樹脂層に前記樹脂を溶着させることにより樹脂部材を形成する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本願は、複合体の製造方法、及び複合体に関する。
電子機器の分野では、電子機器の薄肉小型化の要請により、肉厚が薄く軽量で且つ高い剛性を持つ筐体部品が求められている。このような電子機器としては、例えば、携帯電話やPDA、ノート型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置等を挙げることができる。薄肉高強度の筐体部品を製造する方法として、従来は、次のような技術が考案されている。
第1の方法は、ガラス繊維や炭素繊維を充填した繊維強化熱可塑性樹脂を射出成形する方法である。第1の方法の場合、複雑な形状であっても容易に加工できる。また、第2の方法は、アルミニウム合金やマグネシウム合金の圧延板をプレス加工する方法である。第2の方法の場合、1mm未満の薄肉を実現可能である。また、第3の方法は、アルミニウム合金やマグネシウム合金を射出成形(ダイカスト法、チクソモールド法など)する方法である。第3の方法の場合、高強度の筐体を実現可能である。また、第4の方法は、金属板や繊維強化樹脂板と熱可塑性樹脂とを一体成形(インサート成形)する方法である。第4の方法の場合、重量および強度の点でバランスに優れる筐体を実現可能である。
但し、第1の方法の場合、強度や難燃性を確保する観点から厚肉(例えば、1mm以上)となり、また、内面にめっきや蒸着、或いはネジ固定部への金属インサート等の処置が必要となる。また、第2の方法の場合、複雑な形状(例えば、ボスやリブ)の形成が困難であり、意匠性の観点から内部部品の固定構造が限定される。また、第3の方法の場合、バリ処理や表面研磨、パテ処理といった二次的な加工が必要となる。また、第4の方法の場合、付加部品が樹脂で形成されるために十分な強度が確保できない場合や、ネジ部のインサートが必要となる場合もあり、また、部材や工程が増加する。更に、接着層の形成が必要であるため、製品意匠や機械的強度が制限され、或いは使用できる材料が限定される(接着層と板材または熱可塑性樹脂との相性がある)などの問題がある。
そこで、薄肉化可能で且つ筐体部材としての剛性にも優れる上記第2の方法において、任意の場所に任意の形状の部品を付加できれば、簡易に薄型軽量の複合体を製造可能となる。部品を付加する手法としては、例えば、以下のような手法が考えられる。
第1の手法は、ネジ止めである。ネジ止めの場合、接合強度が高く、また、部品のリサイクルも行いやすい。しかし、外面にネジ頭が露出するため、部品の配置や構造が限定される。また、第2の手法は、溶接(例えば、スタッド溶接や摩擦接合等)である。溶接の場合、接合強度が高い。しかし、外面に溶接痕が発生しやすく、また、溶接に際して特殊な装置が必要となる。また、第1の手法および第2の手法では、複合体を電子機器の筐体として採用する場合に、外観面にネジ頭が露出し、或いは、溶接痕が形成されてしまうため、商品意匠性の観点から好ましくない。
商品意匠性を損なわない手法としては、例えば、次のような手法がある。すなわち、第3の手法は、接着剤による接着である。接着の場合、価格が安い。しかし、接合強度が弱い。金属と樹脂との接合強度が弱く、不安定であることは、製品の信頼性を落とすことになる虞がある。
商品意匠性を損なわず、また、接合強度の強い手法としては、例えば、次のような手法
がある。すなわち、第4の手法は、インモールド成形である。インモールド成形の場合、外観性が良い。しかし、三次元形状面に接着剤などの接着層を形成しにくく、また、有機酸等による接着性皮膜処理では使用可能な樹脂材料が限定される。また、粗面加工を施した金属部材の表面に樹脂を直接インモールド成形する場合、微細な孔に浸入可能な流動性の高い樹脂を用いる必要があるため、使用可能な樹脂が限定される。また、第4の手法に類似の手法として、例えば、特開2012−810号公報に開示されているように、熱硬化性樹脂を使用したものも考案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−810号公報
しかしながら、第4の手法に類似の手法では、接着工程の前に、予めエポキシ樹脂を軟化させる工程が必要であり、製造工程が手間かかるという課題がある。
本願は、次のような複合体の製造方法を開示する。
金属部材の表面に熱可塑性樹脂層を形成する工程と、
前記熱可塑性樹脂層を形成した部分を覆う金型内に前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高い樹脂を射出し、前記樹脂の熱で前記熱可塑性樹脂層に前記樹脂を溶着させることにより樹脂部材を形成する工程と、を備える、
複合体の製造方法。
本願は、次のような複合体を開示する。
金属部材と、
前記金属部材の表面に形成される熱可塑性樹脂層と、
前記熱可塑性樹脂層が形成されている部分に射出成形され、溶融温度が前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高い樹脂部材と、を備える、
複合体。
上記複合体の製造方法、及び複合体であれば、金属部材と樹脂部材とを一工程の射出成形により融着することが可能となる。
実施形態に係る複合体の製造方法の製造フローを示した図である。 圧延板をプレス加工する工程を示した図である。 金属部材に粗面部分を形成する工程を示した図である。 粉体塗装の工程を示した図である。 加熱溶融の工程を示した図である。 射出成形の工程を示した図である。 金属部材と樹脂部材とを一体化した複合体を示した図である。 引っ張り試験の状態を示した図である。
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様を例示したものであり、本願発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係る複合体の製造方法の製造フローを示した図である。本実施形態に係る複合体の製造方法は、金属部材と樹脂部材とを一体化した複合体の製造方法である。なお、以下に示す実施形態では、電子機器の外装部品である筐体を製造する場合を例に挙げながら、実施形態に係る複合体の製造方法を説明する。しかし、本実施形態に係る複合体の製造方法は、金属部材と樹脂部材とを一体化したものであれば、如何なる複合体の製造にも適用可能である。
本実施形態に係る複合体の製造方法は、熱可塑性樹脂層を形成する工程(S101)と、樹脂部材を溶着する工程(S102)と、を備える。熱可塑性樹脂層を形成する工程(S101)においては、金属部材の表面に熱可塑性樹脂層を形成する。また、樹脂部材を溶着する工程(S102)においては、熱可塑性樹脂層を形成した部分を覆う金型内に樹脂を射出し、熱可塑性樹脂層に樹脂部材を溶着する。
上述の工程(S101)において熱可塑性樹脂層が形成される金属部材は、例えば、次のような製造方法により製造可能である。
図2は、圧延板をプレス加工する工程を示した図である。金属部材1は、例えば、図2に示すように、圧延板を金型でプレスすることにより、平面状の圧延板を所望の三次元形状に加工することが可能である。例えば、電子機器の外装部品は、外観性の向上、薄肉化、軽量化、衝撃等に対する信頼性の向上等が要求される。そこで、軽量且つ剛性に優れる材質を主成分とする圧延板にプレス加工を施し、筐体状にしたものであれば、電子機器の外装部品に求められている上記要求を充足可能である。軽量且つ剛性に優れる材質としては、例えば、マグネシウム(Mg)を主成分とし、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)或いはリチウム(Li)などを含む合金を挙げることができる。マグネシウムは、金属材料の中でも線膨張率が比較的高いため、金属材料よりも線膨張率の高い樹脂部材と一体化させる金属部材の材料としては好適である。一般には、Mg−Al−Zn系、Mg−Al系、Mg−Li系の合金が圧延板として製造販売されているので、必要特性に応じて選択する。これらの合金板はすべて、後述の粗面処理において、例えば、処理液を用いた化学的な粗面処理法を採用する場合に、同一の処理液を用いることができ、処理工程中の諸条件を微調整するだけで所望の粗面を形成可能である。
なお、本実施形態に係る複合体の製造方法が適用可能な金属部材は、プレス加工したものに限定されるものではない。すなわち、金属部材は、例えば、曲げ加工により製作したものや、鋳造により加工したものであってもよい。
また、本実施形態は、電子機器の外装部品を製造する場合を例にしているため、図2では、筐体状の金属部材1が図示されている。しかし、本実施形態に係る複合体の製造方法が適用可能な金属部材は、筐体状に限定されるものではない。本実施形態に係る複合体の製造方法は、筐体以外のあらゆる形状の金属部材に対しても適用可能である。
図3は、金属部材1に粗面部分を形成する工程を示した図である。粗面部分は、例えば、図3に示すように、金属部材1の表面に微細な凹凸加工を施す処理液2に金属部材1を浸すことにより形成可能である。粗面部分を形成する工程では、エッチングや化成処理、陽極酸化に代表される化学的処理の他、ブラストや切削、レーザー溶解などの機械的処理などを組み合わせてもよい。例えば、リチウム(Li)を含有する合金等のように、耐食性に劣るマグネシウム圧延板を用いる場合、何らかの防蝕皮膜が必須である。このような防蝕処理が必要な材料を用いる場合、凹凸加工を施す目的で行う化学的処理を、防蝕を目的とする化学的処理で代用することにより、工数の削減を図ることが可能である。
粗面部分に形成される凹凸は、凹凸が奏するアンカー効果により、金属部材1と後述の工程において形成される熱可塑性樹脂層との間で密着力を発揮する。よって、粗面を形成する凹凸の条件(凹凸密度や高低差)は、粗面部分に層を形成する熱可塑性樹脂の材質に対する相性を勘案して決定することが好ましい。場合によって粗面を形成しなくてもよい。
なお、粗面を形成する凹凸の大きさは、例えば、数μm〜数十μm程度であれば、電子機器の筐体に要求される諸条件を満たすことが可能であると考えられる。例えば、いわゆる結晶性樹脂は、溶融粘度が低く微細な隙間にも容易に流入するため、非晶性樹脂に比べて高い接合強度が得られる。つまり、凹凸の密度や高低差が小さくても十分な密着性が得られる。一方、流動性が劣る非晶性樹脂は、結晶性樹脂に比べると、微細な隙間に容易に流入しにくいため、凹凸密度がより高密度で且つ高低差がより大きいことが求められる。
なお、粗面部分を形成する工程においては、金属部材の表面を全て粗面にしてもよい。しかし、金属部材を筐体とする場合の外観面など、粗面であることが許容されない部分に関してはマスクを施し、樹脂部材を溶着する部分に粗面処理を行うようにしてもよい。
また、粗面部分に形成される凹凸は、図3に示したような上述の工程を経て形成されるものに限定されるものではなく、例えば、金属部材1をプレス加工により形成する際に、プレス加工の金型に設けられた凹凸により形成されるものであってもよい。この場合、図3に示したような上述の工程を省略することが可能となる。
以下、本実施形態に係る複合体の製造方法の各工程(S101〜S102)について詳細に説明する。
(ステップS101)本実施形態に係る複合体の製造方法においては、上記金属部材1の粗面部分に熱可塑性樹脂層を形成する工程が実行される。熱可塑性樹脂層は、例えば、次のような方法により形成可能である。
図4は、粉体塗装の工程を示した図である。また、図5は、加熱溶融の工程を示した図である。熱可塑性樹脂層は、例えば、図4に示すように、金属部材1の粗面部分4に熱可塑性樹脂の粉体5を塗装した後、図5に示すように、塗装した粉体5を加熱して熱可塑性樹脂を溶融させることにより形成可能である。
塗装する粉体については、後述する工程において射出成形する樹脂部材と同一の樹脂材料か、或いは相溶性や接着性が高い樹脂材料を用いる。これにより十分な接着強度を得ることができる。このような樹脂材料としては、例えば、後述する工程において射出成形する樹脂部材より溶融温度(軟化点または流動開始点のうち何れか低い方の温度)の低い材料が適している。例えば、後述する工程において射出成形する樹脂部材にポリカーボネートを用いる場合、塗装する粉体としては、例えば、アクリル、ポリカーボネートABSアロイ、ポリエステル樹脂等が好適である。ポリカーボネートの場合、成形温度が他の樹脂よりも比較的高いため、粉体樹脂で形成した熱可塑性樹脂層が成形時に十分溶融し、射出成形した樹脂部材と溶着する。
粉体塗装を行う場合は、適宜選択した粉体5を金属部材1の粗面部分4に塗装する。なお、粉体塗装の方法は、如何なるものであってもよく、例えば、通常の粉体塗装設備を用い、流動浸漬法や静電スプレー法などにより塗装可能である。
塗装後は、塗装した熱可塑性樹脂の粉体5を溶融温度にまで加温し、加温状態を一定時間保持することにより、熱可塑性樹脂層3を形成する。熱可塑性樹脂層3の膜厚は、粉体樹脂の密着性や機械特性に応じて適宜選択する。塗装した熱可塑性樹脂の粉体5を溶融温度にまで加温し、樹脂層を形成する場合、通常であれば、0〜200μm程度の範囲内で膜厚を調整可能である。なお、金属部材1の粗面部分4の凹凸の高低差が、例えば、数μm〜数十μm程度の場合、粉体樹脂の流動性が低い、或いは粒径が大きいなどの理由で、樹脂が凹凸に入り込まない場合も考えられる。そのような場合には、粉体樹脂が溶融した状態で加圧(プレスや加熱プレートで圧縮)することにより、樹脂を凹凸に入れることが可能である。実験では、結晶性樹脂の場合、1cmあたり25組程度の凹凸で且つ数μm程度の高低差であれば実用的な強度が得られることが確認された。また、非晶性樹脂の場合、1cmあたり50組程度の凹凸で且つ数μm程度の高低差であれば実用的な強度が得られることが確認された。
(ステップS102)本実施形態に係る複合体の製造方法においては、熱可塑性樹脂層3を形成する工程が実行された後、金型内に樹脂を射出し、熱可塑性樹脂層3に樹脂部材を溶着する工程が実行される。
図6は、射出成形の工程を示した図である。また、図7は、金属部材1と樹脂部材8とを一体化した複合体6を示した図である。複合体6は、例えば、図6に示すように、金属部材1の表面に熱可塑性樹脂層3を形成した部分を覆う金型7内に樹脂を射出し、熱可塑性樹脂層3に樹脂部材8を溶着した後、図7に示すように、金型7を取り外すことにより形成可能である。
金型7内に射出する樹脂部材8の材料は、如何なるものであっても良いが、例えば、ABS樹脂やポリカーボネート、ポリアミドであれば取り扱いが容易であり、また、熱可塑性樹脂層3に溶着しやすい。金型7内に射出される樹脂は、加熱されて溶融温度に達しており、比較的高温なため、金型7内で熱可塑性樹脂層3に接触すると熱可塑性樹脂を軟化または溶融させる。よって、金型7内に射出された樹脂は、熱可塑性樹脂層3に溶着する。このため、射出成形された樹脂部材8は、図7に示すように、熱可塑性樹脂層3に溶着された状態になる。なお、例えば、金型7内に射出される樹脂の温度が、熱可塑性樹脂層3を形成する熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高ければ、金型7内に射出された樹脂に接触した熱可塑性樹脂層3が軟化または溶融する確率が高くなり、接合強度がより強化される。
<比較実験>
上記実施形態に係る複合体の製造方法により製造した複合体(以下、「実施例」という)と、従来技術に係る製造方法により製造した複合体(以下、「比較例」という)とを比較する実験を行ったので、その結果を以下に示す。
(実施例1,2の製作)
実施例1は、次のようにして製作した。すなわち、板厚が0.6mmのマグネシウム圧延材(3%Al−1%Zn−Mg合金)をプレスし、お盆型にプレス成型した(サイズ230x170mm,深さ5mm)金属部材に、粗面加工を施した。粗面加工は、5%の希硫酸でエッチングした後、燐酸マンガン処理液グランダー(MC−1000,ミリオン化学社)にて所定条件(約40℃,2分間)の化成処理を行った。
次に、金属部材の粗面部分に、ポリアミド樹脂(リルサン(登録商標)パウダーD(φ40μm),アルケマ社)を塗布した。塗布は、市販の静電スプレー装置であるOptiFlex(登録商標,ITWGema社)により、電圧−70kVで金属部材の凹面に粉体塗装を施した。その後、温風乾燥炉にて所定条件(約200℃,5分間)の下で加熱し
、約40μmの膜厚の熱可塑性樹脂層を得た。
次に、金属部材を金型に設置し、ポリアミド樹脂(リルサンBZM30,アルケマ社)を金型内に射出した。射出成形の条件は、シリンダ温度が約250℃、金型温度が約80℃である。
実施例1は、以上のような条件の下、上記実施形態に係る複合体の製造方法に従って製作した。なお、実施例2についても、実施例1と同様に製作した。但し、実施例2は、金属部材の形成に用いるマグネシウム圧延材の組成が実施例1と相違しており、10%Li−1%Al−Mg合金の圧延材を用いている。その他については、実施例1と同様である。
(実施例3,4の製作)
実施例3は、次のようにして製作した。すなわち、実施例1と同様、板厚が0.6mmのマグネシウム圧延材(3%Al−1%Zn−Mg合金)をプレスし、お盆型にプレス成型した(サイズ230x170mm,深さ5mm)金属部材に、粗面加工を施した。但し、粗面については、実施例1と異なり、レーザーで幅20μm、深さ50μmの溝を多数掘ることにより形成した。
次に、金属部材の粗面部分に、ポリエステル樹脂(ハイトレル(登録商標)4047,東レデュポン社)を塗布し、加熱した。塗布及び加熱は、実施例1と同様に行い、熱可塑性樹脂層を得た。
次に、金属部材を金型に設置し、ポリカーボネート樹脂(ユーピロン(登録商標)EFR3000,三菱エンジアリングプラスチックス社)を金型内に射出した。射出成形の条件は、実施例1と同様、シリンダ温度が約250℃、金型温度が約80℃である。
実施例3は、以上のような条件の下、上記実施形態に係る複合体の製造方法に従って製作した。なお、実施例4についても、実施例3と同様に製作した。但し、実施例4は、金属部材の形成に用いるマグネシウム圧延材の組成が実施例3と相違しており、実施例2と同様、10%Li−1%Al−Mg合金の圧延材を用いている。その他については、実施例3と同様である。
(比較例1,2の製作)
比較例1は、次のようにして製作した。すなわち、実施例1〜4と同様、お盆型にプレス成型した金属部材にエポキシ樹脂接着剤(アラルダイト(登録商標)スタンダード,昭和高分子株式会社)を塗布した後、予め成形しておいたボス部材を接着した。なお、比較例2についても、比較例1と同様に製作した。但し、比較例2は、接着剤の効果条件が相違しており、130℃の条件下に5分間置き、硬化させている。
(引っ張り試験の結果)
図8は、引っ張り試験の状態を示した図である。万能試験機(インストロン(登録商標)5581,インストロンジャパン社)を使用し、各実施例(実施例1〜4)に形成されたボス部分9(φ5mm,高さ5mm)に対し、軸方向に引張り荷重を加えた。その結果、実施例1,2については、何れも40kgf/cmの接合強度があることが確認された。また、実施例3,4については、何れも30kgf/cmの接合強度があることが確認された。一方、比較例1については、接合強度が5kgf/cmしかないことが確認された。また、比較例2については、接合強度が8kgf/cmしかないことが確認された。すなわち、上記実施形態に係る複合体の製造方法により製造した複合体は、従来技術に比べて、樹脂部材が金属部材に強固に密着していることが確認された。
本比較実験の結果より、上記実施形態に係る複合体の製造方法により製造した複合体であれば、熱硬化性樹脂で接着する従来の方法で製造した複合体に比べ、簡単な工程で剛性に優れ、簡易に薄型軽量の複合体を製造できる。よって、例えば、小型化が求められる電子機器の筐体等の製造に好適である。
すなわち、上記実施形態に係る複合体の製造方法は、金属部材に形成した熱可塑性樹脂層に対して樹脂を射出成形することにより、射出する樹脂自身の熱で樹脂部材を溶着させている。よって、熱可塑性樹脂層が硬化した状態であっても軟化させる必要がなく、樹脂部材を金属部材に溶着させることが可能である。このため、エポキシ樹脂等のように加熱して半硬化状態とした後速やかに射出成形を行う必要があるなどの接着時間問題が無くなり、また、完全硬化のための高温でのキュアも必要が無い。
また、上記実施形態に係る複合体の製造方法により製造した複合体であれば、金属部材と樹脂部材とが熱可塑性樹脂により一体化されているため、複合体を加熱すれば金属部材と樹脂部材とを容易に分離可能である。よって、例えば、複合体のリサイクルが容易となる。
1・・金属部材:2・・処理液:3・・熱可塑性樹脂層:4・・粗面部分:5・・粉体:6・・複合体:7・・金型:8・・樹脂部材:9・・ボス部分:

Claims (5)

  1. 金属部材の表面に熱可塑性樹脂層を形成する工程と、
    前記熱可塑性樹脂層を形成した部分を覆う金型内に前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高い樹脂を射出し、前記樹脂の熱で前記熱可塑性樹脂層に前記樹脂を溶着させることにより樹脂部材を形成する工程と、を備える、
    複合体の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂層の材料と前記前記樹脂部材の材料は同じである、
    請求項1に記載の複合体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂層を形成する樹脂は、結晶性の樹脂である、
    請求項1または2に記載の複合体の製造方法。
  4. 金属部材と、
    前記金属部材の表面に形成される熱可塑性樹脂層と、
    前記熱可塑性樹脂層が形成されている部分に射出成形され、溶融温度が前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高いた樹脂部材と、を備える、
    複合体。
  5. 金属部材と、
    前記金属部材の表面に形成される熱可塑性樹脂層と、
    前記熱可塑性樹脂層が形成されている部分に射出成形され、溶融温度が前記熱可塑性樹脂の溶融温度よりも温度の高いた樹脂部材と、を備える、
    電子機器筐体。
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