JP2014014939A - インクジェット記録媒体、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの吸収性、発色性の変化の少ないインクジェット記録媒体を画像形成時の印字速度の調節なしに得ること。
【解決手段】インクジェット記録媒体10のインク受容層11にインク滴30が着滴すると、インクに含まれるインク溶媒32がインク受容層の表面11aで熱が伝わり、揮発する。こうして、インクに含まれる顔料の粒子31がインク受容層表面に定着する。インク受容層の持つ熱容量によって、インク受容層上のインク溶媒は揮発するので、インク受容層のもつ熱容量が大きいほど、次のインク液滴が着弾されるまでのインク溶媒の揮発速度がさらに早まる。インク溶媒の揮発速度が早まれば、インクが流れ出したり、画像が滲んだりすることを抑制でき、インクジェット記録媒体に形成される画像を向上させることができる。したがって、吸収性、発色性の良好なインクジェット記録媒体を画像形成時の印字速度の調節なしに得ることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録媒体、およびインクジェット記録方法に関する。
従来から公知のように、インクジェット記録装置では、インクをノズルから噴射してインクジェット記録媒体(記録媒体)の上面に画像を形成する。インクは顔料または染料が用いられる。また、インクには、ノズルのインク詰まり防止やインク粘度調整等のために、溶媒として水、もしくはアルコール類などの有機溶剤が含まれる。
一方、記録媒体には、アルミナやシリカなどの微粒子を主体としたインク受容層を形成し、このインク受容層にインクの溶媒を素早く吸収させる技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。通常、インク受容層がインクの溶媒を素早く吸収することで高濃度な画像形成、および高速印刷が可能となる。
また、特許文献3には、記録媒体の搬送方向に関してインクジェットヘッドの下流側に、熱源を有しその内部が記録媒体を乾燥させるのに適した温度となっている乾燥本体が配置されたインクジェットプリンター(記録装置)が開示されている。このようなインクジェットプリンターにおいては、記録媒体が乾燥本体内を通過することで、記録媒体を乾燥させることができる。
特許文献4には、プレヒートによるインク乾燥の促進により、印刷品質の低下を防止する機構が開示されている。このようなプリンター(インクジェット記録装置)においては、記録媒体を加熱してインク受容層に熱を保持させてから印刷を行うことで、記録媒体に着滴したインク滴にインク受容層から熱を与えて溶媒を蒸発させる。
特開平9−66663号公報 特開平9−30111号公報 特開2002−361850号公報 特開2010−125827号公報
しかしながら、加熱部を備え、記録媒体を加熱しながら印刷を行う機構を持つインクジェット記録装置においては、インク受容層が印刷前の加熱によって十分な熱量を保持していないと、インク滴の着滴後にインク溶媒が蒸発することによって保持していた熱を消費され、記録媒体の表面の温度が低下してしまう。
このように記録媒体の温度が低下した状態でさらにインク滴が着滴すると、インク受容層に着滴したインク滴の溶媒が十分に揮発せず、インク受容層上に残ってしまう。インク受容層上に残った溶媒がインク受容層の溶媒吸収能を上回ると、吸収しきれない溶媒によって画像が滲むなどの問題が起きる。さらに、記録媒体が溶媒によってふやけて波打ち、インクジェット記録装置のインク吐出部が波打った記録媒体に接触して壊れるなどの重大な問題が起きる場合もある。
したがって、記録媒体の表面の温度が低下した状態で次のインク滴を着滴させないよう、印刷中に加熱部によって記録媒体の表面が十分に温められるための時間を確保する必要がある。その結果、インク受容層が印刷前の加熱によって十分な熱量を保持している場合と比較して、印刷の速度を下げる必要がある。
しかしながらこの方法では、良好な印刷結果を得るために印刷速度を下げるので、印刷時間が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るインクジェット記録媒体は、インク受容層と、他の層と、を含むインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層の熱容量が、前記他の層以上であることを特徴とする。
本適用例によれば、インクジェット記録媒体は二層からなり、他の層に適度な剛性を持たせることで、インク受容層がインク溶媒の吸収によってふやけて変形するのを抑制し、印刷時のインクジェット記録媒体の姿勢をある程度平滑に保つことができる。結果的に印刷品質が安定するとともに、印刷物の変形を抑えることが出来る。
また、インク受容層の熱容量を他の層よりも大きくすることによって、例えば、インクジェット記録装置の加熱部からの予備加熱による熱をインク受容層に多く保持させることができるため、インク溶媒の揮発によってインク受容層の温度が下がりにくくなる。これにより、続けてインク滴が着滴した場合にも、インク受容層に保持された熱を受けてインク溶媒の蒸発、揮発が促進され、インク受容層表面にインク溶媒が残ることを抑制する。すると、インク受容層表面に残ったインク溶媒によって起こる画像の滲みや、インクの流れ出しを抑制できる。従って、インクジェット記録媒体に形成される画像を良好に保つことができる。これにより、印刷中にインクジェット記録媒体の表面が十分に温められるための時間を確保する必要がなくなり、印刷速度を下げる必要がない。
[適用例2]本適用例に係るインクジェット記録媒体は、インク受容層と、複数の他の層と、を含むインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層の熱容量が、前記複数の他の層の熱容量の和以上であることを特徴とする。
本適用例によれば、インクジェット記録媒体は三層以上からなり、インク受容層の熱容量が、複数の他の層の熱容量の和よりも大きいことで、加熱された際に熱量をインクジェット記録媒体の中でインク受容層に最も多く保持することができ、上記適用例1と同様にインク受容層上に形成される画像を良好に保つことができる。
[適用例3]上記適用例に記載のインクジェット記録媒体において、前記インク受容層がポリエチレンから成ることが好ましい。
本適用例によれば、適度な剛性を持つプラスチック材料の中で比熱の高い材料であるポリエチレンを用いることで、薄くても熱容量の大きいインク受容層を作成でき、インク受容層に多くの熱量を保持させることと、インクジェット記録媒体の厚みを薄くすることの両立が可能となる。結果としてインクジェット記録媒体の厚みの選択の幅を広げることが可能となる。
[適用例4]上記適用例に記載のインクジェット記録媒体において、前記他の層の内、少なくとも1層が紙からなることが好ましい。
本適用例によれば、空隙率が50%以上となるような、大きな熱容量を持たない紙を他の層にもつことで、印刷面の相対的な熱容量を大きくすることが出来る。
[適用例5]本適用例に係るインクジェット記録方法は、上記適用例に記載のインクジェット記録媒体に対して、インクジェット記録装置によってインクを吐出する際に、前記インクジェット記録媒体を40℃〜70℃に加熱する工程を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、印刷時に、インクジェット記録媒体が加熱されることにより、インクジェット記録媒体の表面に着弾したインク滴がインク受容層の熱を受けて蒸発、揮発が促進され、インクジェット記録媒体表面に溶媒成分が残ることを抑制する。これにより、次のインク滴が着弾した際にインク同士が混じりあい、インクが流れ出したり、画像が滲んだりすることを抑制できる。従って、インクジェット記録媒体に形成される画像を良好に保つことができ、印刷時間を短縮できる。
[適用例6]上記適用例に記載のインクジェット記録方法において、前記インクに、沸点が250℃以下の有機溶剤を10質量%以上含むことが好ましい。
[適用例7]上記適用例に記載のインクジェット記録方法において、前記有機溶剤として、少なくとも1,2−ヘキサンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドンから選択される1種以上を含むことが好ましい。
本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略部分断面図 実施形態1にかかるインクジェット記録媒体の部分断面図。 インク溶媒がインク受容層の表面で蒸発する様子を説明する概略断面図。 実施形態2にかかるインクジェット記録媒体の部分断面図。 単位インチ面積あたりの熱容量と構成材料、および画質の状態を評価した結果表。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(インクジェット記録装置)
まず、本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録媒体が用いられる、インクジェット記録装置について説明する。
図1は本実施形態のインクジェット記録媒体(以下、記録媒体とも称する)10が用いられるインクジェット記録装置9の一部を示した概略部分断面図である。
インクジェット記録装置9は、搬送機構2、3、4、5と、キャリッジ6と、インクジェットヘッド7と、ヒーター8とを備えている。
搬送機構2、3、4、5は、記録媒体10をインクジェットヘッド7のノズル面7bと対向させる位置へとローラーなどにより搬送する。
キャリッジ6は、インクジェットヘッド7を、記録媒体1の平面上において搬送方向と略直交する方向に走査させる。
インクジェットヘッド7は、複数のインク吐出口であるノズル7a(図3参照)が形成されたノズル面7bを有し、ノズル7aから記録媒体10に向けてインク滴を吐出して記録媒体10上に画像を形成させる。
ヒーター8は、記録媒体10を印刷面に対して反対側から温める。なお、ヒーター8は記録媒体10の印刷面側から温めるものであってもよい。
次に、インクジェット記録装置9で記録媒体10への画像の形成を行う際の、動作について説明する。
まず、インクジェット記録装置9に給紙された記録媒体10を、搬送機構2、3によって取り込み、搬送機構4、5によってインクジェットヘッド7のノズル面7bと対向する位置へと搬送する。このとき、ヒーター8によって記録媒体10の搬送方向Aにおけるインクジェットヘッド7より上流側にある記録媒体10、すなわち画像形成直前の記録媒体10を、予備加熱する。
そして、インクジェットヘッド7は、加熱された記録媒体10にインク滴を吐出して画像を形成する。その後、インクジェットヘッド7によって画像が形成された記録媒体10は、インクジェットヘッド7より下流側でもヒーター8によって温められ乾燥され、排出される。なお、ヒーター8はインクジェットヘッド7より上流と下流とで個別に設けてもよく、また、上流側のみに設けても良い。
次に、本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録媒体について説明する。
(実施形態1)
図2は、実施形態1にかかるインクジェット記録媒体の部分断面図である。
図2に示すように、記録媒体10は、インク受容層11と他の層である基材層12とから構成され、インク受容層11は基材層12の片面上に設けられている。
インク受容層11は基材層12よりも熱容量が大きくなるように設計されている。
なお、記録媒体10の熱容量は以下のように計算できる。
記録媒体の熱容量 =「層厚み」×「比熱」×「密度」
インク受容層11は、透明、半透明、又は不透明のいずれであってもよい。
不透明な材料としては、例えば、各種プラスチック材料、無機多孔質粒子としてアルミナゾルやシリカゲル等からなる微細孔を有する無機物をバインダーで結着したものを挙げることができる。
透明、又は半透明な材料としては、例えば、ポリエチレン(比熱:0.50〜0.55cal/K・g、密度:0.91〜0.97g/cm3)、ポリプロピレン(比熱:0.46cal/K・g、密度:0.90〜0.91g/cm3)、ポリカーボネート(比熱:0.30cal/K・g、密度:1.2g/cm3)、ポリメチルメタクリレート(比熱:0.35cal/K・g、密度:1.17〜1.20g/cm3)、酢酸セルロース(比熱:0.30〜0.42cal/K・g、密度:1.23〜1.34g/cm3)、スチレンブタジエンアクリロニトリル共重合体(比熱:0.33〜0.4cal/K・g、密度:1.08〜1.1g/cm3)(引用文献:日本化学便覧)などを挙げることができるが、比熱と密度の高い材料が特に好ましい。比熱と密度の高い材料を用いるとインク受容層11の厚みが薄くてもその熱容量を大きくできるため、記録媒体10全体の厚みを調整しやすくなる。
基材層12は、インク受容層11を担持することができ、記録媒体10としての強度があれば材料は特に限定されず、透明、半透明又は不透明のいずれであってもよい。
不透明な材料としては、各種プラスチック材料、布、木材、金属板、又は紙などを挙げることができる。透明(又は半透明)な材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、若しくはセルロイドなどのフィルム、又は板、更にはガラス板などを挙げることができる。
インクジェット記録媒体10の厚みは10μm〜300μmが好ましい。10μmよりも薄いと、記録媒体10全体の熱容量の不足により、インク着滴後にインク受容層11の温度が低下し、次のインク滴が着滴する際にインク溶媒を揮発させるのに必要な熱量を維持できない。また、300μmより厚いと、記録媒体10をインク受容層11と反対側から加熱した場合にインク受容層11へ熱が伝わりにくく、インク受容層11に十分な熱量が保持されるまでに時間がかかる。
次に、本実施形態のインクジェット記録媒体10のインク受容層11に、インク滴30が着滴したとき、インク滴30中のインク溶媒32がインク受容層11に着滴、乾燥する様子を説明する。図3は、インク溶媒32がインク受容層11の表面で蒸発する様子を説明する概略図である。
インクジェットヘッド7のノズル7aから記録媒体10に向けて噴射されたインク滴30には、顔料の粒子31と、顔料の粒子31を分散させるインク溶媒32とが含まれている。
記録媒体10のインク受容層11にインク滴(インク)30が着滴すると、インク滴30に含まれる顔料の粒子31は、インク受容層11の表面11aに残る。一方、インク滴30に含まれるインク溶媒32はインク受容層11に浸透しながらインク受容層11から熱を受け取り、熱により蒸発、揮発することでインク受容層11から出て行く。インク溶媒32が略蒸発、揮発した後には顔料の粒子31がインク受容層11の表面11aに残り、画像を形成する。
この際、インク溶媒32が蒸発するのに必要な熱量はインク受容層11にインク滴30が着滴する前から保持されていることが、インク滴30中のインク溶媒32をすばやく蒸発させ、良好な画質を形成するためには最も効率が良い。
従って、記録媒体10の単位面積当たりに着滴するインク滴30のインク溶媒32を蒸発させるのに必要なだけの熱量を、記録媒体10の単位面積当たりに保持することができる熱容量をインク受容層11は備えている必要がある。
インク受容層11の単位面積当たりに保持された熱容量が、記録媒体10の単位面積当たりに着滴するインク滴30のインク溶媒32が蒸発するのに必要な熱量よりも小さいと、インク滴30に含まれるインク溶媒32が十分に蒸発せず、インク溶媒32がインク受容層11の表面11aに残留したままとなる。結果、続けてノズル7aから吐出される新たなインク滴30がインク受容層11に着滴した際、インク受容層11の表面11a上の乾燥していないインクと混じりあってしまうので、良好な印刷結果を得られない。
本発明に用いられるインクジェットインクには沸点が250℃以下の有機溶剤を含むことが好ましい。このような有機溶剤としては、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドンが好ましく用いられ、インク全体に対して、10質量%以上含むことがより好ましい。
(実施形態2)
図4は実施形態2にかかるインクジェット記録媒体の部分断面図である。本実施形態にかかるインクジェット記録媒体について、これらの図を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図4に示すように、インクジェット記録媒体10aは、インク受容層11と、他の層である基材層12、及び裏面層13から構成され、インク受容層11は基材層12の片面上に、基材層12は裏面層13の片面上に設けられている。
実施形態2のインクジェット記録媒体10aは、インク受容層11の熱容量が基材層12および裏面層13の熱容量の和よりも大きくなっている。
インクジェット記録媒体10aはインク受容層11にインク滴30が噴射されると、インクジェット記録装置9からの予備加熱によってインク受容層11で保たれていた熱がインク溶媒32と接し、インク溶媒32へ熱が伝わり、インク溶媒32の揮発が促進されると同時に顔料の粒子31がインク受容層11の表面11aに残り、固着し定着することで画像を形成する。
次に、本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録媒体の製法について説明する。
まず、基材層12の原料として、木材パルプを主原料とした合成パルプを用意した。
インク受容層11、及び裏面層13には高密度ポリエチレン(HDPE)もしくはポリプロピレンを、基材層12表面上に溶融押し出しによるコーティングにより、形成した。
上述の製法により、以下、実施例1〜4、比較例1〜4について、インクジェット記録媒体を作成した。実施例1,2は実施形態1の二層構造とし、実施例3,4、及び比較例1〜4は実施形態2の三層構造とした。また、比較例2にHDPEとは異なる材料としてポリプロピレン(PP)の例を示した。ポリプロピレンはHDPEに比べ、比熱と密度が低いので、熱容量は小さくなる。
(実施例1)インク受容層(HDPE)の厚みを35μm、基材層(合成パルプ)の厚みを178μm、全体の厚さは203μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(実施例2)インク受容層(HDPE)の厚みを30μm、基材層(合成パルプ)の厚みを160μm、全体の厚さは190μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(実施例3)インク受容層(HDPE)の厚みを40μm、基材層(合成パルプ)の厚みを150μm、裏面層(HDPE)の厚みを32μm、全体の厚さは222μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(実施例4)インク受容層(HDPE)の厚みを35μm、基材層(合成パルプ)の厚みを108μm、裏面層(HDPE)の厚みを27μm、全体の厚さは170μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(比較例1)インク受容層(HDPE)の厚みを12μm、基材層(合成パルプ)の厚みを85μm、裏面層(HDPE)の厚みを19μm、全体の厚さは116μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(比較例2)インク受容層(ポリプロピレン)の厚みを15μm、基材層(合成パルプ)の厚みを180μm、裏面層(ポリプロピレン)の厚みを26μm、全体の厚さは221μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(比較例3)インク受容層(HDPE)の厚みを20μm、基材層(合成パルプ)の厚みを280μm、裏面層(HDPE)の厚みを26μm、全体の厚さは326μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(比較例4)インク受容層(HDPE)の厚みを30μm、基材層(合成パルプ)の厚みを150μm、裏面層(HDPE)の厚みを40μm、全体の厚さは220μmとなるようにインクジェット記録媒体全体の構造を調整した。
(実施形態の効果の確認)
(試験方法)
本実施形態の効果を評価するために次のようなC,M、Y,Kの顔料のインク組成物を用いた。
C(シアンインク組成物、使用顔料C.I.ピグメントブルー15:3)
M(マゼンタインク組成物、使用顔料C.I.ピグメントレッド122)
Y(イエローインク組成物、使用顔料C.I.ピグメントイエロー180)
K(ブラックインク組成物、使用顔料C.I.ピグメントブラック7)
本評価で使用する水性インク組成物は、あらかじめこれらの顔料を樹脂分散剤で分散させた顔料分散液を用いた。
顔料分散液は、以下のようにして調製した。まず、樹脂分散剤として5.0質量%のアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、20質量%の顔料に、イオン交換水を加えて全体を100質量%とし、混合撹拌して混合物とした。この混合物を、サンドミル(安川製作所株式会社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータで分離することにより、顔料分散液を得た。
上記顔料分散液7質量%に、第1溶媒として1,2−ヘキサンジオール3質量%、第2溶媒として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン合わせて7質量%、シリコン系界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン0.5質量%、残分としてイオン交換水を添加して100質量%となるようにインクを調製した。その後、常温で1時間混合撹拌し、さらに孔径5μmのメンブランフィルターでろ過して、水系インク組成物を得た。
一方、インクジェット記録装置として、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の一部を改造して、紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けて、画像の記録時にインクジェット記録媒体を加熱調製できるようにした。
上記の改造したインクジェットプリンターのノズル列に、C、M、Y、Kの4色の上記水性インク組成物を充填した。そして、常温、常圧下で、作製した印刷媒体上に、C、M、Y、Kの各色が接触するようなベタパターン画像を形成すると共に、紙案内部に取り付けられたヒーターによってインクジェット記録媒体を50℃に加熱してベタパターン画像を形成した。その後、インクジェット記録媒体を60℃に保つドライヤー内に入れ、ベタパターン画像をさらに1分間乾燥させた。以上のようにして、インクジェット記録媒体上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。
なお、ベタパターン画像は、縦1440dpi、横720dpi(dot per inch)の解像度で、dutyが40%のものを得られるように形成した。ここで、dutyとは、縦1440dpi、横720dpiの解像度の場合、1平方インチを縦1440分割、横720分割させた1036800分割の内、何%にインクを配置したかをいうことである。なお、比較例と実施例との印刷速度は同じである。
(評価結果)
画質の状態は、顔料インクの凝集について、放置後の印刷表面の状態を確認することで行なった。
図5は本実施形態の画質を評価した結果を示した表である。また、各層の単位インチ面積あたりの熱容量と構成材料も同時に示してある。
印刷結果の判定基準
0…全く問題なし
1…微小な凝集が発生
2…凝集が顕著に悪化
本結果によれば、インク受容層の熱容量が他の層よりも大きい場合には画質の状態は全く問題ないものの、インク受容層以外の層(他の層)の熱容量が、インク受容層の熱容量の値を超えた場合、凝集が発生し、画質が悪化していることが分かる。
以上述べたように、本実施形態に係るインクジェット記録媒体10,10aによれば、以下の効果を得ることができる。
インクジェット記録媒体10,10aは、印刷時に、表面11aに着弾したインク滴30がインク受容層の熱を受けて蒸発、揮発するのを促進し、表面11aに溶媒成分が残ることを抑制する。すると、次のインク滴30が着弾した際にインク同士が混じりあい、インクが流れ出したり、画像が滲んだりすることを抑制できる。従って、インクジェット記録媒体10,10aに形成される画像を良好に保つことができる。これによって、印刷時間を短縮できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。
7a…ノズル、10…インクジェット記録媒体、11…インク受容層、12…基材層、13…裏面層、30…インク滴、32…顔料の粒子、31…インク溶媒。

Claims (7)

  1. インク受容層と、他の層と、を含むインクジェット記録媒体であって、
    前記インク受容層の熱容量が、前記他の層以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. インク受容層と、複数の他の層と、を含むインクジェット記録媒体であって、
    前記インク受容層の熱容量が、前記複数の他の層の熱容量の和以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  3. 前記インク受容層がポリエチレンから成ることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 前記他の層の内、少なくとも1層が紙からなる請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 請求項1乃至4に記載のインクジェット記録媒体に対して、インクジェット記録装置によってインクを吐出する際に、前記インクジェット記録媒体を40℃〜70℃に加熱する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 前記インクに、沸点が250℃以下の有機溶剤を10質量%以上含むことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記有機溶剤として、少なくとも1,2−ヘキサンジオール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドンから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
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