JP2004114684A - インク顔料を捕獲する表面層を含んでなる多孔質インクジェット記録システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 速いインク吸収速度と共に高濃度で長持ちする画像を生ずる、顔料系インクのために特に設計された多孔質インクジェット受容体を有するインクジェット印刷システムに対する要求が存在する。
【解決手段】 下にある多孔質基材中へのインクの流れを過度に制限すること無く、表面または表面の近くにおいて、適用される顔料系インクから、顔料粒子を捕獲する相対的に薄い上にある表面層と相対的に大きい細孔とを有する多孔質基材を有する記録要素と組み合わせられた顔料系インクを含んでなるインクジェット記録システム。
【選択図】 なし
【解決手段】 下にある多孔質基材中へのインクの流れを過度に制限すること無く、表面または表面の近くにおいて、適用される顔料系インクから、顔料粒子を捕獲する相対的に薄い上にある表面層と相対的に大きい細孔とを有する多孔質基材を有する記録要素と組み合わせられた顔料系インクを含んでなるインクジェット記録システム。
【選択図】 なし
Description
顔料系インクと共に使用するためのインクジェット記録要素を含むインクジェット記録システムを開示する。特に、上記記録要素は、下にある多孔質基材中へのインクの流れを過度に制限すること無く、表面または表面の近くにおいて、適用される顔料系インクから、顔料を捕獲する相対的に薄い多孔質の上にある表面層と相対的に大きい細孔とを有する多孔質基材を有する。
典型的なインクジェット記録システムまたはインクジェット印刷システムにおいては、インク液滴が、記録要素または記録媒体に向かってノズルから高速で噴射され、媒体上に画像を生ずる。インク液滴(または記録液体)は、一般に、記録薬剤(例えば、染料または顔料)および大量の溶媒を含んでなる。溶媒(またはキャリア液体)は、概して、水、有機材料(例えば、一価アルコール、多価アルコール、またはそれらの混合物)から作られている。
種々のインクジェットプリンターにおいて使用されるインクは、染料系または顔料系のいずれかに分類することができる。染料系インクにおいては、着色剤が分散媒によって分子的に分散または溶媒和されている。顔料系インクにおいては、着色剤は別個の粒子として存在する。光退色またはオゾン退色などの安定特性に関して、染料系インクよりも顔料系インクの方がより良好に機能することが知られている。
インクジェット記録要素は、概して、少なくとも一方の表面上にインク受容層または画像形成層を担持している支持体を含んでなる。インク受容層は、多孔質または膨潤性のいずれであってもよい。
一般に、多孔質インクジェット受容体は、膨潤性インクジェット受容体よりも、はるかに速くインクを吸収する。これにより、より速やかに印刷物を取り扱うことが可能となる。また、凝集などの画像アーティファクトの傾向が低減される。今日では、多くの多孔質インクジェット受容体が利用可能である。それらの例としては、小さい(< 200nm)無機粒子およびバインダーを含んでなる多孔質光沢受容体が挙げられる。これらの粒子の間に生ずる空所により、この構造中にインクが浸透することが可能となる。さらに、これらの無機粒子の充填によって生ずる小さい細孔サイズにより、インク中の顔料が上記多孔質構造中に浸透することが妨げられる。この結果として、高い画像濃度が生ずる。しかしながら、上記構造中の小さい細孔は、顔料系インクの吸収がより遅くなることと相まって、インクを吸収することができる速度を低下させる。インク流束におけるこの減速は、高速印刷に許容可能なレベルを下回ることが多く、結果として、凝集並びに乾燥時間不良となる場合がある。シリンダー中での液体の流れを説明するための周知のLucas-Washburn方程式によって予測されるように、上記細孔が大きいほどインクをより速く吸収することが可能となることは知られているけれども、これとのトレードオフとして、画像濃度がより低くなる。
他の多孔質受容体としては、艶消しタイプのインクジェット受容体が挙げられる。これらは、より大きい(>1μm )無機粒子およびバインダーを含んでなるものであることが多い。この場合、粒子間の空所は、概して、上述のものよりも大きい。より小さい無機粒子を用いる場合よりもインクの浸透速度を速めることができるけれども、このより大きい細孔サイズにより、インクが多孔質構造中により深く浸透することも可能となる。従って、この場合もまた、画像濃度がより低くなる。
国際公開第99/03685号パンフレットには、顔料系インクジェットインクと共に使用するための、所謂液体管理システムおよび所謂顔料管理システムを含んでなる、インクジェット印刷が可能な微孔質フィルムが開示されている。この特許は、シリカまたは金属塩などの顔料媒染材料で微孔質構造を含浸させることを教示している。上記媒染材料は上記微孔質構造の隅々に含有されているので、未だ顔料が上記微孔質構造中に浸透することができる。従って、この場合もまた、顔料粒子が表面に留まる場合よりも、画像濃度がより低くなる。
国際公開第99/33669号パンフレットには、噴射されるインク中の顔料を媒体の繊維に結合させるために正に帯電している化学種で処理されている繊維状インクジェット印刷媒体が開示されている。これにより媒体中のインクの耐水堅牢度が改良されるけれども、未だ顔料粒子が繊維状構造中に浸透することができ、顔料粒子が表面に留まる場合よりも、画像濃度がより低くなる。
国際公開第 01/38102 A1号パンフレットには、顔料系インクを用いて印刷される場合の画像の耐水堅牢度を改良するために、シリカ充填微孔質基材のシリカの表面上に有機金属多価金属塩を有するシリカ充填微孔質基材が開示されている。この場合、細孔サイズは相対的に小さく(< 100nm)、表面においても、全微孔質基材構造の隅々と同じである。この相対的に小さい細孔サイズのために、噴射されるインクに由来する顔料が表面に留まり、結果として良好な画像濃度が得られる。しかしながら、微孔質基材の隅々にわたって細孔サイズが小さいために、より大きい細孔サイズを有する基材と比較して、基材中にインクが流れる速度が制限される。
米国特許第 6,409,334号明細書には、速い乾燥時間および良好な画像濃度を提供するインクジェット記録要素が開示されており、この要素は、ベースポリエステル層およびインク透過性上部ポリエステル層を含むインク透過性ポリエステル基材を含んでなる。上記上部ポリエステル層は、約10秒未満の乾燥時間となるインク吸収速度および少なくとも約14cm3/m2(14 cc/m2)の全吸収力を有する連続ポリエステル相を含んでなり、上記基材は、連続ボイドを特徴とする多孔質画像受容層を担持している。しかしながら、表面上の多孔質画像受容層は、インク顔料粒子を表面において捕獲して最適な画像濃度を得たり、素速いインク吸収速度を可能としたりするようには設計されていない。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
米国特許第 6,409,334号明細書
国際公開第01/38102号パンフレット
国際公開第99/33669号パンフレット
国際公開第99/03685号パンフレット
上記のゆえに、速いインク吸収速度と共に高濃度で長持ちする画像を生ずる、顔料系インクのために特に設計された多孔質インクジェット受容体を有するインクジェット印刷システムに対する要求が存在する。
本発明の目的は、顔料系インクおよびインクジェット記録要素を含んでなるインクジェット記録システムを提供することである。詳しくは、上記記録要素は、下にある多孔質基材中へのインクの流れを過度に制限すること無く、表面または表面の近くにおいて、適用される顔料系インクから、顔料粒子を捕獲する相対的に薄い上にある多孔質表面層と相対的に大きい細孔とを有する多孔質基材を含んでなる。
本発明のもう1つの態様は、a)ディジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程、b)上記プリンターに、本発明に係るインクジェット記録要素を装填する工程、c)上記プリンターに、顔料系インクを装填する工程、およびd)上記ディジタルデータ信号に応答して上記インクジェットインクを使用して上記インクジェット記録要素上に印刷する工程、を含むインクジェット印刷方法に関する。
上記に示したように、本発明は、記録要素が少なくとも2種の層(インク顔料を捕獲する多孔質表面層および下にある多孔質ベースユニット層)を含んでなる、インクジェット記録システムに関する。上記インク顔料を捕獲する表面層は、上記多孔質ベースユニット層よりも小さい厚みを有する。上記インク顔料を捕獲する表面層は、上記多孔質ベース層の細孔サイズの中央値(r2 )未満の細孔サイズの中央値(r1 )を有する。上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔サイズの中央値は、およそ、インクにおいて使用される顔料粒子のサイズである。細孔のこのサイズは、表面の近くで顔料粒子を捕獲することにより着色剤の高い印刷濃度を得るのに必要である。
上記インク顔料を捕獲する表面層は、3μm 未満、好ましくは0.25〜 2.5μm 、もっとも好ましくは1〜2μm の厚みを有し、このインク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値は、 500nm未満、好ましくは10〜 200nm、もっとも好ましくは25〜 125nmである。上記記録要素の表面上で(適用されるインク中の)顔料粒子を捕獲するためには、上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値の上記顔料の粒径の中央値に対する比が、 1.5未満、好ましくは 1.1未満である必要がある。
上記多孔質ベースユニット層は、少なくとも20cm3/m2、好ましくは40〜 150cm3/m2、もっとも好ましくは50〜 100cm3/m2の全ボイド容量を有する連続細孔を含んでなる、相対的により厚い層であり、上記多孔質ベースユニット層の隅々にわたる細孔直径の中央値の上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比は、 2.0〜20、好ましくは少なくとも 3.0、もっとも好ましくは 3.5〜15である。この比が20を超える場合には、インク吸収時間が遅過ぎる。一方、上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値の上記顔料インクにおける粒径の中央値に対する比が 1.5よりも大きい場合には、顔料粒子を表面において有効に捕獲することができず、低い印刷濃度につながる。
表面上のインク液体を十分に素速く除去するためには、上記多孔質ベースユニット層が相対的に大きい細孔を有することが重要である。好適には、上記多孔質ベースユニット層の隅々にわたる細孔サイズの中央値は、 200〜3000nm、好ましくは 300〜2000nm、もっとも好ましくは 400〜2000nmである。
また、種々の画像を生じさせるために適用されるインクの量を容易に吸収するのに十分な多孔度またはボイド容量を上記多孔質ベースユニット層が有することも重要である。概して、このことは、下層が、水銀注入ポロシメトリーによって測定される場合に、20cm3/m2以上のボイド容量を有することを意味する。
多孔質ベース基材:
上記多孔質ベース基材(多孔質ベースユニット層とも称される)を製造するのに有用な材料としては、開放気泡ボイド化高分子フィルム、セルロース系繊維紙、合成不織繊維状シート、発泡フィルム、微孔質高分子膜の非表皮層部分、無機粒子および/または有機粒子から製造されるシート、並びにこれらの組み合わせが挙げられるけれども、これらに限定されるものではない。上記多孔質ベースユニット層は、1種以上の別個の層を含有していてもよく、これらの層は、単一の層または複数の層として、製造することができ、または上記記録要素中に導入することもできる。しかしながら、上記ユニット層は、ユニット層全体の隅々にわたって連続細孔を含んでなる。従って、例えば、多孔質層を非多孔質層もしくは非多孔質フィルムまたは非ボイド化層もしくは非ボイド化フィルムと共に共押出する場合、この非多孔質フィルムは、多孔質ベースユニット層の一部とはみなされない。
上記多孔質ベース基材(多孔質ベースユニット層とも称される)を製造するのに有用な材料としては、開放気泡ボイド化高分子フィルム、セルロース系繊維紙、合成不織繊維状シート、発泡フィルム、微孔質高分子膜の非表皮層部分、無機粒子および/または有機粒子から製造されるシート、並びにこれらの組み合わせが挙げられるけれども、これらに限定されるものではない。上記多孔質ベースユニット層は、1種以上の別個の層を含有していてもよく、これらの層は、単一の層または複数の層として、製造することができ、または上記記録要素中に導入することもできる。しかしながら、上記ユニット層は、ユニット層全体の隅々にわたって連続細孔を含んでなる。従って、例えば、多孔質層を非多孔質層もしくは非多孔質フィルムまたは非ボイド化層もしくは非ボイド化フィルムと共に共押出する場合、この非多孔質フィルムは、多孔質ベースユニット層の一部とはみなされない。
好ましくは、開放気泡ボイド化高分子フィルムの場合、このフィルムは、ポリエステルもしくはポリオレフィンまたはこれらのコポリマーを含んでなる。開放気泡ボイド化コポリマーフィルムの例としては、米国特許第 6,409,334号明細書に記載されているものなどのボイド化ポリエステルフィルムが挙げられる。この多孔質ポリエステルベースユニット層は、非ボイド化ポリエステル支持層と共に共押出されている。
本発明の他の態様において上記多孔質ベースユニット層は、耐水性を得るために可塑性ポリエチレン層で(インクを捕獲する表面層の反対側が)任意選択的に樹脂コートされていてもよいセルロース系繊維紙を含んでなっていてもよい。
もう1つの態様において、上記多孔質ベースユニット層は、合成不織繊維状シートを含んでなっていてもよい。例えば、上記繊維状シートは、紡績ポリオレフィンであってもよい。この例としては、 Tyvek(商標)シート材料(E. I. Du Pont de Nemours and Companyから市販されている)が挙げられる。
さらにもう1つの態様において、上記多孔質ベースユニット層は、任意選択的に、例えば紙またはポリエステル上に、さらに支持されていてもよい発泡フィルム(例えば、ポリエチレン)を含んでなっていてもよい。開放気泡発泡のための種々の技法の例に関しては、例えば、米国特許第 5,869,544号、同 5,677,355号、および同 6,353,037号の各明細書を参照されたい(これらの特許は、引用により、それらの全体として、本明細書に取り入れられる)。
本発明のさらにもう1つの態様は、微孔質高分子膜フィルター材料のベース部分(非表皮層部分)を含んでなる多孔質ベースユニット層の使用を必要とする。微孔質高分子膜フィルター材料、一般に、合成プラスチックまたはセルロース誘導材料から形成される。それは、通常は、多孔質ベースユニット層の上にある薄い多孔質表皮層という2つの層からなる。いずれの層も、無数の毛管細孔を含有している実質的に均一で連続的なマトリックス構造を有する。このような材料は、概して、上記ポリマーのための溶媒中の上記ポリマーの溶液を、走行している支持ベルトの表面上に、上記ポリマー溶液の薄い連続層の形でキャストすることによって製造される。この方法は、概して、上記ポリマーに対しては溶媒ではないけれども上記溶媒とは混和性である液体を含んでなる形成浴の中に上記ベルトを通すことによって上記層を上記形成浴の中に通して、上記層を多孔質膜とすることをさらに含んでもよく、その結果として、上記溶媒液体が上記層から上記形成浴中に移動し、上記溶媒中に上記形成浴の組成物が濃縮される。その後、このような方法は、上記多孔質膜から溶媒を除去し、それを乾燥することを必要とする場合もある。
このような微孔質高分子膜フィルター材料は、概して、ボイド化相逆転セルロース系誘導体、ナイロン、ポリエステル、ビニルポリマー、またはこれらのコポリマーなどを含んでなる。好ましくは、上記微孔質高分子膜フィルター材料は、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、およびセルロースのエステルからなる群より選ばれる。このタイプの材料の例としては、MF Millipore(商標)膜フィルター(Millipore Corporation) が挙げられる。
本発明のさらにもう1つの態様において、上記多孔質ベースユニット層は、バインダー中に無機粒子および/または有機粒子を含んでなっていてもよい。好ましくは、このような層は支持体上に提供されており、この支持体は、例えば、セルロース紙、RC紙、合成紙、またはポリエステルフィルムであってもよい。好適には、粒子とバインダーの組み合わせは、50〜95質量%の粒子および50〜5質量%の高分子バインダーを含んでなる。上記多孔質ベースユニット層における無機粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、および/または酸化亜鉛を含んでなっていてもよい。上記有機粒子は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、および/またはアクリル系ポリマーから製造することができる。
上記高分子バインダーは、性状が親水性のもの(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリジノン、ポリ酢酸ビニル、もしくはこれらのコポリマー、および/またはゼラチン)であってもよい。また、上記高分子バインダーは、性状が疎水性のものであってもよい。疎水性バインダーの例としては、ポリ (スチレン-co-ブタジエン) 、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリアクリル酸n-ブチル、ポリメタクリル酸n-ブチル、ポリアクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸エチルとのコポリマー、および/または酢酸ビニルとアクリル酸n-ブチルとのコポリマーが挙げられる。
インクジェット記録要素に機械的耐久性を付与するために、上記において考察されているバインダーに対して作用する架橋剤を少量添加してもよい。このような添加剤は、上記層の結合力を改良する。例えば、カルボジイミド、多官能価アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、多価金属カチオン、ビニルスルホン、ピリジニウム、ピリジニウムジカチオンエーテル、メトキシアルキルメラミン、トリアジン、ジオキサン誘導体、クロム明礬、硫酸ジルコニウムなどの架橋剤を使用することができる。好ましくは、上記架橋剤は、アルデヒド、アセタール、またはケタール(例えば、2,3-ジヒドロキシ -1,4-ジオキサン)である。
本発明のインクジェット記録要素は、任意選択的に、上記多孔質ベースユニット層の下に別個の支持体をさらに含んでなっていてもよく、このような記録要素としては、反射式観察を目的とするもの(上記支持体が不透明なものであってもよい)、および透過光による観察を目的とするもの(上記支持体が透明な支持体である)が挙げられる。従って、上記多孔質ベースユニット層は、任意選択的に、隣接して下にある非多孔質層と共に共押出されていても、隣接して下にある非多孔質層と積層されていても、または隣接して下にある非多孔質層で塗布されていてもよい。殆どの場合、上記多孔質ベースユニット層と上記次に隣接する非多孔質層との間の境界線は、断面顕微鏡法によって容易に観察することができる。従って、単一の観察可能な別個の多孔質層であろうと、複数の観察可能な別個の多孔質層であろうと、上記ベースユニット層の隅々にわたって上記ベース層が多孔質であるという要求条件によって、上記境界線を明確に定めることができる。
上記に示したように、上記多孔質ベースユニット層または多孔質ベース基材は、支持体(相対的に剛直な種々の材料で製造されていてもよい)の上に(または上に接して)配置されるのが望ましい場合がある。(このような任意選択的な「支持体」は上記多孔質ベースユニット層の下にあるけれども、上記多孔質ベースユニット層は、態様によっては、上記支持体の機能としてはたらくこともできることが理解されるべきである。)さらなる層としては、帯電防止層または抗カール層(例えば、収縮に抗するためのポリエチレンまたはヒドロゲル)が挙げられる。本発明のインクジェット記録要素のための任意選択的な支持体は、樹脂コート紙、紙、ポリエステル、または微孔質材料(例えば、Pittsburgh, PennsylvaniaのPPG Industries, Inc.によってTeslin(商標)という商品名で販売されているポリエチレンポリマー含有材料)、 Tyvek(商標)合成紙(DuPont Corp.)、およびOPPalyte(商標)フィルム(Mobil Chemical Co.)、並びに米国特許第 5,244,861号明細書に列挙されている他の複合フィルムなどの、インクジェット受容体において通常使用される支持体のいずれにすることもできる。不透明な支持体としては、普通紙、コート紙、合成紙、写真印画紙支持体、溶融押出コート紙、および積層紙(例えば、二軸配向支持体積層物)が挙げられる。二軸配向支持体積層物は、米国特許第 5,853,965号、同 5,866,282号、同 5,874,205号、同 5,888,643号、同 5,888,681号、同 5,888,683号、および同 5,888,714号の各明細書に記載されている(これらの開示は、引用により、本明細書に取り入れられる)。これらの二軸配向支持体としては、紙ベースおよび紙ベースの片面または両面に積層された二軸配向ポリオレフィンシート(概してポリプロピレン)が挙げられる。透明支持体としては、ガラス、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ -1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびこれらのコポリマー)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、およびこれらの混合物が挙げられる。上記に列挙されている紙には、高品位紙(例えば、写真印画紙)から低品位紙(例えば、新聞用紙)までの広範囲の紙が含まれる。
本発明において使用される支持体は、約50〜約 500μm 、好ましくは約75〜 300μm の厚みを有していてもよい。望まれる場合には、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、および他の既知の添加剤を支持体に導入してもよい。
インク顔料を捕獲する表面層:
上記インク顔料を捕獲する表面層を製造するのに有用な材料としては、微孔質高分子膜の表皮層部分、開放気泡ボイド化高分子フィルム、ナノ繊維、マイクロ繊維、もしくはこれらの組み合わせ、発泡フィルム、無機粒子および/もしくは有機粒子から製造されるシート、並びに/またはこれらの組み合わせが挙げられるけれども、これらに限定されるものではない。さらに、上記インク顔料を捕獲する表面層は、上記表面に対する顔料の親和性、顔料の安定性、一般的な審美性(例えば、光沢または色)、インクの濡れ、基材に対する層の接着性、基材に対する層の適合性、および製造性を改良する性質を有していてもよい。上記表面に対する顔料の親和性は、(インク顔料の電荷に応じて)カチオン性またはアニオン性の官能基を上記層に付加して、顔料を引き寄せたり媒染したりすることによって高めることができることが多い。
上記インク顔料を捕獲する表面層を製造するのに有用な材料としては、微孔質高分子膜の表皮層部分、開放気泡ボイド化高分子フィルム、ナノ繊維、マイクロ繊維、もしくはこれらの組み合わせ、発泡フィルム、無機粒子および/もしくは有機粒子から製造されるシート、並びに/またはこれらの組み合わせが挙げられるけれども、これらに限定されるものではない。さらに、上記インク顔料を捕獲する表面層は、上記表面に対する顔料の親和性、顔料の安定性、一般的な審美性(例えば、光沢または色)、インクの濡れ、基材に対する層の接着性、基材に対する層の適合性、および製造性を改良する性質を有していてもよい。上記表面に対する顔料の親和性は、(インク顔料の電荷に応じて)カチオン性またはアニオン性の官能基を上記層に付加して、顔料を引き寄せたり媒染したりすることによって高めることができることが多い。
1つの好ましい態様は、微孔質高分子膜フィルター材料の表皮層部分を含んでなる、インク顔料を捕獲する表面層の使用を必要とする。このような微孔質高分子膜フィルター材料は、概して、相逆転セルロース系誘導体、ナイロン、ポリエステル、ビニルポリマー、またはこれらのコポリマーなどを含んでなる。好ましくは、上記微孔質高分子膜フィルター材料は、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート(ある種のポリエステル)、およびセルロースのエステルからなる群より選ばれる。この例としては、MF Millipore(商標)膜フィルター(Millipore Corporation) が挙げられる。
微孔質高分子膜材料(上記多孔質ベースユニット層と上記インク顔料を捕獲する表面層とが同時に製造される)は、一般に、合成紙またはセルロース誘導材料から形成される。上記表面層または表皮層における細孔直径は、狭い範囲内で、非常に均一である傾向を有する。このようなタイプの材料は、分析化学において、材料を濾取物と濾過液とに分離するのに有用であることが知られている。このようなフィルターは、絶対スクリーンまたは篩として機能する。それらは、それらの細孔直径よりも大きいすべての粒子を、それらの表面上に保持する。このような微孔質高分子膜フィルターは、約25nm( 0.025μm または 250Å単位)から、約10μm の程度の最大サイズまでの範囲の平均細孔サイズを有するものが入手可能である。微孔質高分子膜フィルターは、一般に、絶対細孔サイズ等級が付されており、その細孔直径よりも大きいすべての粒子を保持する。表皮層を有する分子フィルターは、公称限度または近似限度を超える殆どの粒子、並びに若干の比率の、より小さい粒子を保持する。
本発明において使用することができる微孔質高分子膜材料は、 Millipore、Osmonics、および他の企業から、フィルターとして使用するために、市販されている。微孔質高分子膜フィルターを製造するための技法については、以下の米国特許第 3,100,721号、同 3,208,875号、同 3,642,648号、同 3,876,738号、および同 4,203,847号の各明細書(引用により、これらの全体が、本明細書に取り入れられる)の各々において見出すことができる。従って、例えば、米国特許第 3,100,721号明細書には、なかんずく、ナイロン、ポリエステル、ビニルポリマー、およびこれらのコポリマーなどの、広範なポリマーのいずれかから、裏無しの微孔質フィルムを製造するための技法が記載されている。
1つの態様において、上記インクジェット記録媒体は、標準的なシートに製造されることを除き、上記フィルターと同じ材料から製造することができる。あるいは、上記フィルターを、支持体(例えば、紙もしくは合成紙、ポリエステル、または樹脂コート紙)上に積層することもできる。
表皮層を有する多孔質膜は、高度に多孔質の基材上に支持されているか、または高度に多孔質の基材と一体となっている、薄い高分子フィルムまたは表皮層からなる。上記基材は、上記膜顔料フィルター材料に強度および耐久性を付与するけれども、上記薄い多孔質表皮層は、事実上の分子濾過膜(この場合は、顔料を捕獲する膜)である。上記多孔質表皮層は、分子を保持することができるように稠密に構築されているけれども、非常に薄く、概して、2μm 未満である。上記多孔質表皮層は非常に薄いので、流れに対するその抵抗は最小化されている。上記表皮層は、非常に開放性の多孔質基材層によって裏打ちされているので、上記膜を通る流れの速度は高い。保持される顔料の分子または粒子は、上記表皮層上で、上記膜の表面において保持され、上記多孔質構造中には入らない。
本発明の1つの態様において、上記インク顔料を捕獲する多孔質層は、20〜 100%の無機粒子または有機粒子および0〜80%の高分子バインダー、好ましくは80〜95%の粒子および約20〜5%の高分子バインダーを含んでなる。上記インク顔料を捕獲する表面層における無機粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、および/または酸化亜鉛を含んでなるのが好適である場合がある。有機粒子は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、および/またはアクリル系ポリマーを含むのが好適である場合がある。上記高分子バインダーは、性状が親水性のもの(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリジノン、ポリ酢酸ビニル、もしくはこれらのコポリマー、またはゼラチン)であってもよい。また、上記高分子バインダーは、性状が疎水性のものであってもよい。疎水性バインダーの例としては、ポリ (スチレン-co-ブタジエン) 、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリアクリル酸n-ブチル、ポリメタクリル酸n-ブチル、ポリアクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸エチルとのコポリマー、または酢酸ビニルとアクリル酸n-ブチルとのコポリマーが挙げられる。
インクジェット記録要素に機械的耐久性を付与するために、上記において考察されているバインダーに対して作用する架橋剤を少量添加してもよい。このような添加剤は、上記層の結合力を改良する。例えば、カルボジイミド、多官能価アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、多価金属カチオン、ビニルスルホン、ピリジニウム、ピリジニウムジカチオンエーテル、メトキシアルキルメラミン、トリアジン、ジオキサン誘導体、クロム明礬、硫酸ジルコニウムなどの架橋剤を使用することができる。好ましくは、上記架橋剤は、アルデヒド、アセタール、またはケタール(例えば、2,3-ジヒドロキシ -1,4-ジオキサン)である。
もう1つの態様において、上記インク顔料を捕獲する表面層は、マイクロ繊維および/またはナノ繊維(不織微細繊維層を製造することができる微細繊維である)を含んでなっていてもよい。この層は、例えば、下にある層または多孔質基材上へのコーティングとして適用することができる。また、積層することも可能である。無機材料(例えば、ガラス繊維、アルミナナノ繊維、シリカナノチューブ、およびセラミックナノ繊維)および広範な高分子組成物などの種々の材料を使用することができる。
「ナノ繊維」という用語は、1μm 未満の断面(エッジを有する角のある繊維)または直径(丸い繊維)を有する長い構造を指す。「マイクロ繊維」という用語は、1μm 未満であるけれども、10μm 以下の直径を有する繊維を指す。この微細繊維を、改良された単層または多層のマイクロ繊維構造の形に製造することもできる。このような微細繊維層は、微細繊維のランダムな分布を含んでなっていてもよく、これらの微細繊維が結合して、絡み合っている網を形成していてもよい。顔料の捕獲は、主として、顔料粒子の通過に対する微細繊維の障壁の結果として得られる。上記微細繊維の絡み合っている網状組織は、上記繊維の間に、相対的に小さい空間を有する。このような空間は、概して、繊維の間に、約0.01〜約25μm 、多くの場合、約 0.1〜約10μm の範囲にわたる。好ましくは、上記微細繊維は、上記インクジェット媒体全体に対して、3μm 未満の厚みを付加する。
上記ナノ繊維またはマイクロ繊維の高分子組成物において使用することができるポリマー材料としては、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、セルエーテルおよびセルロースエステル、ポリアルキレンスルフィド、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、改質ポリスルホンポリマー、およびこれらの混合物などの、付加ポリマー材料並びに縮合ポリマー材料のいずれもが挙げられる。これらの一般的な種類に含まれる好ましい材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル(および他のアクリル系樹脂)、ポリスチレン、およびこれらのコポリマー(例えば、ABAタイプのブロックコポリマー)、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、架橋形態または非架橋形態にある種々の加水分解度のポリビニルアルコールが挙げられる。
もう1つの態様において、上記インク顔料を捕獲する表面層は、無機粒子または有機粒子によってボイド化されている、ボイド化高分子フィルムを含んでなっていてもよい。このボイド化過程は、一軸配向または二軸配向によって達成される。
さらにもう1つの態様において、上記インク顔料を捕獲する表面層は、発泡フィルム(例えば、より微細な細孔を有することを除き、上記多孔質ベースユニット層に関して上記に言及したものと同様のもの)を含んでなっていてもよい。
上記インク顔料を捕獲する表面層において使用される主たる材料に加えて、上記インク顔料を捕獲する表面層は、当業者に知られているように、この層の表面に顔料親和性を提供するための媒染剤をさらに含んでなっていてもよい。例えば、媒染剤は、インク顔料の電荷に応じてカチオン性またはアニオン性の官能基を含んでなっていてもよい。カチオン性媒染剤の例としては、金属原子含有基および第四級アンモニウム基が挙げられる。
顔料系インク:
本発明において使用される顔料は、米国特許第 5,630,868号明細書に記載されているものなどの自己分散性顔料もしくは係属中の米国特許出願第09/822,723号明細書に記載されているものなどのカプセル化顔料のいずれであってもよく、または分散剤によって分散されていてもよい。顔料からインクを調製するための方法には、一般的に、以下の2つの工程が含まれる。(a)顔料を一次粒子までバラバラにするための分散工程または粉砕工程、および(b)上記分散された顔料濃厚物をキャリヤーおよび他の添加剤で希釈して使用濃度のインクとする希釈工程。上記粉砕工程において、顔料は、通常は、硬く、不活性な粉砕媒体といっしょに、キャリヤー(概して、完成インク中のキャリヤーと同じキャリヤー)中に懸濁される。この顔料分散体に機械的エネルギーを供給して、粉砕媒体と顔料との間の衝突により、顔料をその一次粒子まで解凝集させる。分散剤もしくは安定剤、またはこれらの両方を、上記顔料分散体に添加して、粗顔料の解凝集を促進し、コロイド状粒子の安定性を維持し、そして粒子の再凝集および沈降を遅らせるのが一般的である。
本発明において使用される顔料は、米国特許第 5,630,868号明細書に記載されているものなどの自己分散性顔料もしくは係属中の米国特許出願第09/822,723号明細書に記載されているものなどのカプセル化顔料のいずれであってもよく、または分散剤によって分散されていてもよい。顔料からインクを調製するための方法には、一般的に、以下の2つの工程が含まれる。(a)顔料を一次粒子までバラバラにするための分散工程または粉砕工程、および(b)上記分散された顔料濃厚物をキャリヤーおよび他の添加剤で希釈して使用濃度のインクとする希釈工程。上記粉砕工程において、顔料は、通常は、硬く、不活性な粉砕媒体といっしょに、キャリヤー(概して、完成インク中のキャリヤーと同じキャリヤー)中に懸濁される。この顔料分散体に機械的エネルギーを供給して、粉砕媒体と顔料との間の衝突により、顔料をその一次粒子まで解凝集させる。分散剤もしくは安定剤、またはこれらの両方を、上記顔料分散体に添加して、粗顔料の解凝集を促進し、コロイド状粒子の安定性を維持し、そして粒子の再凝集および沈降を遅らせるのが一般的である。
本発明において使用してもよい顔料としては、例えば、米国特許第 5,026,427号、同 5,086,698号、同 5,141,556号、同 5,160,370号、および同 5,169,436号の各明細書において開示されているものなどの、単独または組み合わせとしての、有機顔料および無機顔料が挙げられる。顔料の厳密な選択は、特定の用途および性能要求条件(例えば、色再現および画像安定性)に依存するであろう。本発明において使用するのに好適な顔料としては、例えば、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジスアゾ濃縮顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン(isoindolinone) 顔料およびイソインドリン(isoindoline) 顔料、多環式顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料およびペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アントアントロン(anthanthrone)顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、二酸化チタン、酸化鉄、並びにカーボンブラックが挙げられる。
使用してもよい顔料の典型例としては、カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1、2、3、5、6、10、12、13、14、16、17、62、65、73、74、75、81、83、87、90、93、94、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、111、113、114、116、117、120、121、123、124、126、127、128、129、130、133、136、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、191、192、193、194;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、6、13、15、16、17、17:1、19、22、24、31、34、36、38、40、43、44、46、48、49、51、59、60、61、62、64、65、66、67、68、69;C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、49:3、50:1、51、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、68、81、95、112、114、119、122、136、144、146、147、148、149、150、151、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、192、194、200、202、204、206、207、210、211、212、213、214、216、220、222、237、238、239、240、242、243、245、247、248、251、252、253、254、255、256、258、261、264;C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、5:1、13、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、50;C.I.ピグメントブルー1、2、9、10、14、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15、16、18、19、24:1、25、56、60、61、62、63、64、66;C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、36、45;C.I.ピグメントブラック1、7、20、31、32、およびC.I.ピグメントブラウン1、5、22、23、25、38、41、42が挙げられる。
本発明の好ましい態様において、用いられる顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー74、ビス (フタロシアニルアルミノ) テトラフェニルジシロキサン、またはC.I.ピグメントブラック7である。
本発明において好適に用いられるインク組成物のための水性キャリヤーは、水または水と少なくとも1種の水混和性補助溶媒との混合物である。好適な混合物の選択は、特定の用途の要求条件(例えば、所望の表面張力および粘度、選ばれる顔料、顔料系インクジェットインクの乾燥時間、並びにインクが印刷される紙のタイプ)に依存する。選んでもよい水混和性補助溶媒の代表例としては、(1)アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルアルコール)、(2)ケトンまたはケトアルコール(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、およびジアセトンアルコール)、(3)エーテル(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン)、(4)エステル(例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレン)、(5)多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル -2,4-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびチオグリコール)、(6)アルキレングリコールから誘導される低級アルキルモノエーテルおよび低級アルキルジエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノブチル(またはエチル)エーテル、プロピレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ポリエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、およびジエチレングリコールジメチル(またはエチル)エーテル)、(7)窒素含有環式化合物(例えば、ピロリドン、N-メチル -2-ピロリドン、および1,3-ジメチル -2-イミダゾリジノン)、並びに(8)硫黄含有化合物(例えば、ジメチルスルホキシド、 2,2'-チオジエタノール、およびテトラメチレンスルホン)が挙げられる。
一般に、顔料系インクジェットインクを濃厚ミル粉砕物の形で製造するのが望ましく、これは、後に、インクジェット印刷システムにおいて使用するのに適当な濃度に希釈される。この技法により、より大量の顔料系インクを装置から調製することが可能となる。上記ミル粉砕物が溶媒中で製造された場合には、それを水および任意選択的に他の溶媒で希釈して、適当な濃度とする。上記ミル粉砕物が水中で製造された場合には、それをさらなる水または水混和性溶媒のいずれかで希釈して、所望の濃度とする。希釈によって、インクが、個々の用途に望ましい粘度、色、色相、飽和濃度、および印刷領域付着量に調整される。ミル粉砕物の調製方法については、米国特許第 5,679,138号、同 5,670,139号、および同 6,152,999号の各明細書において開示されている。本発明の好ましい態様においては、分散剤もまた、インクジェットインク組成物に添加され、粉砕過程において顔料をサブミクロンの大きさに破壊するのに使用され、コロイド状分散体を、長期間にわたって、安定に保ち、凝集が無いようにする。
有機顔料の場合には、インクは、およそ30質量%に及ぶ顔料を含有することができるけれども、一般には、殆どのインクジェット印刷用途において、全インク組成物のおよそ 0.1〜10質量%、好ましくはおよそ 0.1〜5質量%の範囲にあるであろう。無機顔料が選ばれる場合、無機顔料は、一般に、有機顔料よりも高い比重を有するので、インクは、有機顔料を用いる同等のインクよりも、より高い質量%の顔料を含有する傾向があり、場合によっては、およそ75%もの高い含有量となる場合がある。
用いられる水性分散媒の量は、インクの全質量に対して、およそ70〜99質量%、好ましくはおよそ90〜98質量%の範囲にある。水と多価アルコール(例えば、ジエチレングリコール)との混合物は、水性分散媒として有用である。好ましい態様において、インクは、5〜60質量%の水混和性溶媒を含有している。百分率は水性分散媒の全質量に対するものである。
上記インク組成物に湿潤剤を添加して、インクが乾固したり、インクジェットプリントヘッドのオリフィス中で固まったりするのを防ぐのを助けることができる。この目的のために本発明において用いられる組成物において有用な多価アルコール湿潤剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル -2,4-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびチオグリコールが挙げられる。湿潤剤は、10〜50質量%の濃度で用いることができる。好ましい態様において、ジエチレングリコールまたはグリセロールとジエチレングリコールとの混合物が、10〜20質量%の濃度で用いられる。
上記インクは、広範な噴射条件(すなわち、サーマルインクジェット印刷装置における駆動電圧およびパルス幅、ドロップ−オン−デマンド式装置または連続式装置のいずれかにおける圧電素子の駆動周波数、並びにノズルの形状および大きさ)に適合する物理的性質を有する。
また、受容基材が高度にサイジング処理を施された紙である場合にはとりわけ、本発明の方法において用いられるインク組成物に浸透剤(0〜10質量%)を添加して、インクが受容基材に浸透するのを助けてもよい。本発明において用いられるインクに好ましい浸透剤は、最終的な濃度が1〜6質量%のn-プロパノールである。
また、本発明の方法において用いられるインク組成物に殺生剤(0.01〜 1.0質量%)を添加して、経時によってインク中に発生する場合がある好ましくない微生物の生育を防止してもよい。本発明において用いられるインクに好ましい殺生剤は、最終濃度が0.05〜 0.5質量%のProxel(商標)GXL (Zeneca Colours Co.)である。インクジェットインク中に任意選択的に存在していてもよいさらなる添加剤としては、増粘剤、導電性増強剤、コゲーション防止剤、乾燥剤、および脱泡剤が挙げられる。
また、高分子バインダーを上記顔料系インクに添加してもよい。上記高分子バインダーは、水溶性または水分散性のいずれであってもよい。これらのポリマーは、一般に、縮合ポリマーまたは付加ポリマーのいずれかに分類される。縮合ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、ポリカーボネート、多酸無水物、および上述のタイプの組み合わせを含んでなるポリマーが挙げられる。付加ポリマーは、例えば、アリル化合物、ビニルエーテル、ビニル複素環式化合物、スチレン、オレフィンおよびハロゲン化オレフィン、不飽和酸およびそれらから誘導されるエステル、不飽和ニトリル、ビニルアルコール、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ビニルケトン、多官能価モノマーなどのビニルタイプのモノマーの重合から形成されるポリマー、またはこれらのモノマーの種々の組み合わせから形成されるコポリマーである。
本発明のもう1つの態様は、(1)ディジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程、(2)上記プリンターに、上述のインクジェット記録要素を装填する工程、(3)上記プリンターに、例えば、水、湿潤剤、および顔料を含んでなる顔料系インクジェットインクを装填する工程、並びに(4)上記ディジタルデータ信号に応答して上記インクジェットインクを使用して上記インクジェット記録要素上に印刷する工程、を含むインクジェット印刷方法に関する。
上記に示したように、市販のインクジェットプリンターは、多くの異なる方法を使用して、インク液滴の付着を制御している。このような方法としては、一般に、連続流式およびドロップ−オン−デマンド式の2種類のタイプがある。
ドロップ−オン−デマンド式システムにおいて、例えば、ディジタルデータ信号に従って制御される圧電装置、音響装置、またはサーマル法によって生成される圧力によって、インクの液滴がオリフィスから直接に上記インク受容層上のある位置に噴射される。インク液滴は必要になるまでは生成されず、かつプリントヘッドのオリフィスから噴射されない。インクジェット印刷方法(および関連するプリンター)は市販されており、詳細に説明する必要は無い。
以下の例により、本発明をさらに説明する。
例1
この例により、本発明において使用するのに好適な多孔質ベースユニット層のいくつかの具体例の性質について説明する:
材料A:約 178μm (7 mil)の Tyvek(商標)不織繊維状ポリオレフィンシート材料(E. I. Du Pont de Nemours and Companyから市販されている);
材料B:米国特許第 6,409,334号明細書に記載されている、Eastman Kodak Company によって開発されたインク透過性開放気泡ポリエステルフィルム;
材料C:より大きい細孔の基材層の上にある薄い(<1μm )表面層( 0.1μm の細孔を有する)からなる、 0.1μm のMF Millipore(商標)膜フィルター (Millipore Corporation)(この0.1μm のMF Milliporeフィルターの基材測定については、フィルターの裏側で試験を実施した)。
この例により、本発明において使用するのに好適な多孔質ベースユニット層のいくつかの具体例の性質について説明する:
材料A:約 178μm (7 mil)の Tyvek(商標)不織繊維状ポリオレフィンシート材料(E. I. Du Pont de Nemours and Companyから市販されている);
材料B:米国特許第 6,409,334号明細書に記載されている、Eastman Kodak Company によって開発されたインク透過性開放気泡ポリエステルフィルム;
材料C:より大きい細孔の基材層の上にある薄い(<1μm )表面層( 0.1μm の細孔を有する)からなる、 0.1μm のMF Millipore(商標)膜フィルター (Millipore Corporation)(この0.1μm のMF Milliporeフィルターの基材測定については、フィルターの裏側で試験を実施した)。
ボイド容量の測定および細孔サイズの中央値の測定は、Micromeritics AutoPore(商標)IV機器を用いる水銀注入ポロシメトリー法によって行い、断面の走査型電子顕微鏡画像によって検証した。インク液滴の吸収速度の測定は、基材上に16pLのインク液滴を発射する Brother(商標)214 圧電式インクジェットプリントヘッドを使用して行った。ビデオカメラを使用して、インク液滴が基材の表面から吸収されるのに必要とされる時間の量を観察した。Konica(商標)QP Photo Quality Inkjet Paper (Konica Corporation)および約 178μm (7 mil)のTeslin(商標)SP Synthetic Printing Sheet (PPG Industries Inc.) は多孔質構造であり、それらの細孔サイズは 100nm未満であるので、対照標準要素を表す。これらの材料についてのボイド容量、細孔サイズの中央値、およびインク液滴吸収の測定値を、表Iに示す。
上記結果は、大きい細孔サイズ(> 300nm)を有する基材の方がはるかに速くインクを吸収することを明らかに示している。
例2
この例により、インクジェット受容要素としての Millipore(商標)膜フィルター (Millipore Corporation)の(本発明に係る)使用について説明する。表面および断面のSEM分析によれば、これらの膜フィルターは、より大きい多孔質ベースユニット層の上に、薄い(<1μm )多孔質の表面層または表皮層を有する。これらのフィルターは、表面層の多孔度によって等級付けされている。例えば、 0.1μm の細孔サイズで等級付けされている Millipore膜フィルターは、表面の走査型電子顕微鏡写真から認められるように、表面層に(平均で) 0.1μm の細孔を有する。この場合は、 0.025μm 〜 5.0μm の範囲にわたる表面細孔サイズを有するMF Millipore(商標)膜フィルター(混合セルロースエステル)を使用した。すべての膜フィルターについて、表面層または表皮層を有する側に印刷した。インク顔料を捕獲する層の細孔サイズの中央値はr1 として識別され、多孔質ベースユニット層の細孔サイズの中央値はr2 として識別される。これらの細孔サイズの中央値は、Micromeritics AutoPore(商標)IV機器を用いる水銀注入ポロシメトリー法によって測定し、断面の走査型電子顕微鏡画像によって検証した。
この例により、インクジェット受容要素としての Millipore(商標)膜フィルター (Millipore Corporation)の(本発明に係る)使用について説明する。表面および断面のSEM分析によれば、これらの膜フィルターは、より大きい多孔質ベースユニット層の上に、薄い(<1μm )多孔質の表面層または表皮層を有する。これらのフィルターは、表面層の多孔度によって等級付けされている。例えば、 0.1μm の細孔サイズで等級付けされている Millipore膜フィルターは、表面の走査型電子顕微鏡写真から認められるように、表面層に(平均で) 0.1μm の細孔を有する。この場合は、 0.025μm 〜 5.0μm の範囲にわたる表面細孔サイズを有するMF Millipore(商標)膜フィルター(混合セルロースエステル)を使用した。すべての膜フィルターについて、表面層または表皮層を有する側に印刷した。インク顔料を捕獲する層の細孔サイズの中央値はr1 として識別され、多孔質ベースユニット層の細孔サイズの中央値はr2 として識別される。これらの細孔サイズの中央値は、Micromeritics AutoPore(商標)IV機器を用いる水銀注入ポロシメトリー法によって測定し、断面の走査型電子顕微鏡画像によって検証した。
印刷:
インクカートリッジ T0322(シアン)および T0323(マゼンタ)中の顔料系インクを用いて、 Epson(商標)Stylus C80デスクトッププリンターを使用して、画像を印刷した。上記シアンおよびマゼンタのインクの顔料の粒径の中央値は、Leeds & Northrupによって製造されたMICROTRAC II 超微細粒子分析装置 (Ultrafine particle analyzer)(UPA)によって測定する場合に、約91nm(シアン)および 120nm(マゼンタ)である。この粒径の中央値は、試料における容量の50%が表示されているサイズよりも小さいことを表す。上記画像は、シアンおよびマゼンタのインクの25%、50%、75%、および 100%のインク付着量のブロックを含有していた。これらのブロックは、サイズがおよそ1cm×1cmであった。さらに、上記画像は、印刷されたインクの乾燥時間を測定するために、シアンおよびマゼンタのインクの 100%のインク付着量のブロック(大きさは1cm× 1.3cm)をも含有していた。
インクカートリッジ T0322(シアン)および T0323(マゼンタ)中の顔料系インクを用いて、 Epson(商標)Stylus C80デスクトッププリンターを使用して、画像を印刷した。上記シアンおよびマゼンタのインクの顔料の粒径の中央値は、Leeds & Northrupによって製造されたMICROTRAC II 超微細粒子分析装置 (Ultrafine particle analyzer)(UPA)によって測定する場合に、約91nm(シアン)および 120nm(マゼンタ)である。この粒径の中央値は、試料における容量の50%が表示されているサイズよりも小さいことを表す。上記画像は、シアンおよびマゼンタのインクの25%、50%、75%、および 100%のインク付着量のブロックを含有していた。これらのブロックは、サイズがおよそ1cm×1cmであった。さらに、上記画像は、印刷されたインクの乾燥時間を測定するために、シアンおよびマゼンタのインクの 100%のインク付着量のブロック(大きさは1cm× 1.3cm)をも含有していた。
画像濃度:
上記 100%のインク付着量のブロックのシアンおよびマゼンタの濃度を、X-Rite(商標)濃度計 Model 820を使用して測定した。これらの結果を、以下の表IIに示す。
上記 100%のインク付着量のブロックのシアンおよびマゼンタの濃度を、X-Rite(商標)濃度計 Model 820を使用して測定した。これらの結果を、以下の表IIに示す。
乾燥時間:
上記プリンターからの噴射の直後に、印刷された画像を平坦な表面上に置いた。次に、ゴム手袋で覆われた人差し指を、平均的な圧力下で、上記1cm× 1.3cmの 100%付着量のカラーブロックを横切って擦り付けた。インクの汚れ(smearing)が観察されず、試料が瞬時に乾燥したとみなされる場合は、乾燥時間を1として等級付けした。上記カラーブロックのすべてが容易に汚れた場合は、乾燥時間を5として等級付けた。中間的なインクの汚れは、1と5との間に等級付けた。これらの結果を、表IIに示す。
上記プリンターからの噴射の直後に、印刷された画像を平坦な表面上に置いた。次に、ゴム手袋で覆われた人差し指を、平均的な圧力下で、上記1cm× 1.3cmの 100%付着量のカラーブロックを横切って擦り付けた。インクの汚れ(smearing)が観察されず、試料が瞬時に乾燥したとみなされる場合は、乾燥時間を1として等級付けした。上記カラーブロックのすべてが容易に汚れた場合は、乾燥時間を5として等級付けた。中間的なインクの汚れは、1と5との間に等級付けた。これらの結果を、表IIに示す。
上記表に示されている結果は、インク顔料を捕獲する層の細孔直径の中央値の顔料インクの粒径の中央値に対する比が 1.5未満であり、かつ、多孔質ベースユニット層の隅々にわたる細孔直径の中央値のインク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比が 2.0〜20である受容体要素を用いる場合に、大幅により高い濃度を得ることができることを明らかに示している。さらに、多孔質の薄い表面層(表皮層)と相対的に大きい細孔を有する下にある基材とを組み合わせると、良好な乾燥時間が可能となる。
本発明を、その好ましい態様に特に関連して説明してきたけれども、本発明の意図および範囲の範疇において変更を行うことができることが理解されるであろう。
本発明の他の好ましい態様を、請求項との関連において、次に記載する。
[1] (a)下記インクジェット記録要素上に画像を生じさせるための顔料系インク、並びに
(b)少なくとも以下の2種の別個の層:
(i)インク顔料を捕獲する表面層であって、前記インク顔料を捕獲する表面層が、下にあるベースユニット層よりも相対的により薄い、3μm 未満の厚みを有し、ここで、上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値の上記顔料系インクの粒径の中央値に対する比が 1.5未満である、インク顔料を捕獲する表面層、および
(ii)層の隅々に連続細孔を含む、相対的により厚い多孔質ベースユニット層であって、前記多孔質ベースユニット層が、上記多孔質ベースユニット層に入る、適用されるインク液体の殆どすべてを吸収することが可能なボイド容量を有し、ここで、(層全体に基づく)上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値の上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比が 2.0〜20である、多孔質ベースユニット層、
を含むインクジェット記録要素、
を含んでなるインクジェット記録システム。
(b)少なくとも以下の2種の別個の層:
(i)インク顔料を捕獲する表面層であって、前記インク顔料を捕獲する表面層が、下にあるベースユニット層よりも相対的により薄い、3μm 未満の厚みを有し、ここで、上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値の上記顔料系インクの粒径の中央値に対する比が 1.5未満である、インク顔料を捕獲する表面層、および
(ii)層の隅々に連続細孔を含む、相対的により厚い多孔質ベースユニット層であって、前記多孔質ベースユニット層が、上記多孔質ベースユニット層に入る、適用されるインク液体の殆どすべてを吸収することが可能なボイド容量を有し、ここで、(層全体に基づく)上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値の上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比が 2.0〜20である、多孔質ベースユニット層、
を含むインクジェット記録要素、
を含んでなるインクジェット記録システム。
[2] 前記インク顔料を捕獲する表面層が0.25〜 2.0μm の厚みを有する、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[3] 上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値が 500nm未満である、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[4] 上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値の上記顔料系インクの粒径の中央値に対する比が 1.1未満である、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[5] 上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値が10〜 200nmである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[6] 上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値が25〜 125nmである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[7] 前記多孔質ベースユニット層が少なくとも20cm3/m2の全ボイド容量を有する、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[8] 前記多孔質ベースユニット層が40〜 150cm3/m2の全ボイド容量を有する、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[9] 上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値の上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比が 3.5〜15である、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[10] 上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値が 200〜3000nmである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[11] 上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値が 300〜2000nmである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[12] 前記多孔質ベースユニット層が、開放気泡ボイド化高分子フィルムを含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[13] 前記開放気泡ボイド化高分子フィルムが、非ボイド化高分子バッキングフィルムと共に共押出されたものである、[12]に記載のインクジェット記録システム。
[14] 上記高分子フィルムが、ポリエステルまたはポリオレフィンのポリマーまたはコポリマーを含んでなる、[12]に記載のインクジェット記録システム。
[15] 上記高分子フィルムが、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらのコポリマーを含んでなる、[14]に記載のインクジェット記録システム。
[16] 前記多孔質ベースユニット層がセルロース系繊維紙を含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[17] 前記紙が、裏面にポリエチレン層による樹脂コートが施されている、[16]に記載のインクジェット記録システム。
[18] 前記多孔質ベースユニット層が、任意選択的に支持層の上に重なっている、合成不織繊維状シートを含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[19] 上記繊維状シートが紡績ポリオレフィンである、[18]に記載のインクジェット記録システム。
[20] 前記多孔質ベースユニット層が、任意選択的に支持体の上に重なっている、発泡フィルムを含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[21] 前記多孔質ベースユニット層が、下記表皮層部分の下に微孔質高分子膜材料の部分を含んでなり、ここで、上記表皮層部分が上記インク顔料を捕獲する表面層であり、前記多孔質ベースユニット層が任意選択的に支持体の上に重なっている、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[22] 上記微孔質高分子膜材料が、セルロース系誘導体、ナイロン、ポリエステル、ビニルポリマー、およびこれらのコポリマーからなる群より選ばれる相逆転材料を含んでなる、[21]に記載のインクジェット記録システム。
[23] 上記微孔質高分子膜材料が、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、およびセルロースのエステルからなる群より選ばれる、[22]に記載のインクジェット記録システム。
[24] 前記多孔質ベースユニット層が、任意選択的に支持体の上に重なっている、無機粒子および/または有機粒子を含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[25] 前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化亜鉛、および/または他の酸化物を含んでなる、[24]に記載のインクジェット記録システム。
[26] 前記有機粒子が、ポリウレタン、ポリエステル、またはアクリル系ポリマーを含んでなる、[24]に記載のインクジェット記録システム。
[27] 上記多孔質ベースユニット層が支持体上にあり、この支持体が、セルロース系紙、樹脂コート紙、ポリエステル、ポリオレフィン、合成紙、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[28] 上記支持体の下に、帯電防止層または抗カール層をさらに含んでなる、[27]に記載のインクジェット記録システム。
[29] 上記インク顔料を捕獲する表面層が繊維状シートである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[30] 上記インク顔料を捕獲する表面層が、ナノ繊維またはマイクロ繊維を含んでなる繊維状シートである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[31] 上記インク顔料を捕獲する表面層が、マイクロ繊維とナノ繊維との組み合わせを含んでなる繊維状シートである、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[32] 上記繊維状シートが、付加重合または縮合重合によって製造される高分子繊維を含んでなる、[29]に記載のインクジェット記録システム。
[33] 上記繊維状シートが、ガラス繊維、シリカ、アルミナ、またはセラミックから製造される無機繊維を含んでなる、[29]に記載のインクジェット記録システム。
[34] 上記インク顔料を捕獲する表面層が、無機粒子または有機粒子を含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[35] 前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化亜鉛、および/または他の酸化物を含んでなる、[34]に記載のインクジェット記録システム。
[36] 前記有機粒子が、ポリウレタン、ポリエステル、またはアクリル系ポリマーを含んでなる、[34]に記載のインクジェット記録システム。
[37] 高分子バインダーをさらに含んでなる、[34]に記載のインクジェット記録システム。
[38] 前記高分子バインダーが、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリジノン、ポリ酢酸ビニル、もしくはこれらのコポリマー、および/またはゼラチンである、[37]に記載のインクジェット記録システム。
[39] 上記インク顔料を捕獲する表面層が、前記粒子および高分子バインダーの全質量に対して、50〜95質量%の粒子および50〜5質量%の高分子バインダーを含んでなる、[37]に記載のインクジェット記録システム。
[40] 前記高分子バインダーが疎水性バインダーを含んでなる、[37]に記載のインクジェット記録システム。
[41] 前記疎水性バインダーが、ポリ (スチレン-co-ブタジエン) 、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、ポリアクリル酸n-ブチル、ポリメタクリル酸n-ブチル、ポリアクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸エチルとのコポリマー、および/または酢酸ビニルとアクリル酸n-ブチルとのコポリマーを含んでなる、[40]に記載のインクジェット記録システム。
[42] 上記インク顔料を捕獲する表面層が微孔質高分子膜材料の表皮層部分である、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[43] 上記インク顔料を捕獲する表面層が高分子フォームを含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[44] 上記インク顔料を捕獲する表面層がボイド化高分子コーティングを含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[45] 上記ボイド化高分子コーティングが、無機粒子または有機粒子でボイド化されているポリオレフィンフィルムまたはポリエステルフィルムを含んでなる、[44]に記載のインクジェット記録システム。
[46] 上記インク顔料を捕獲する表面層が、この層に顔料親和性を提供するための媒染剤をさらに含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[47] 上記媒染剤が、上記インク顔料の電荷に応じてカチオン性またはアニオン性の官能基を含んでなる、[46]に記載のインクジェット記録システム。
[48] 前記顔料が、自己分散性顔料、カプセル化顔料、または分散剤によって分散されている顔料を含んでなる、[1]に記載のインクジェット記録システム。
[49] a)ディジタルデータ信号に応答するインクジェットプリンターを用意する工程、
b)前記プリンターに、[1]に記載のインクジェット記録要素を装填する工程、
c)前記プリンターに、水、湿潤剤、および顔料を含んでなる顔料系インクを装填する工程、並びに
d)前記ディジタルデータ信号に応答して前記顔料系インクを使用して前記インクジェット記録要素上に印刷する工程、
を含むインクジェット印刷方法。
b)前記プリンターに、[1]に記載のインクジェット記録要素を装填する工程、
c)前記プリンターに、水、湿潤剤、および顔料を含んでなる顔料系インクを装填する工程、並びに
d)前記ディジタルデータ信号に応答して前記顔料系インクを使用して前記インクジェット記録要素上に印刷する工程、
を含むインクジェット印刷方法。
Claims (3)
- (a)下記インクジェット記録要素上に画像を生じさせるための顔料系インク、並びに
(b)少なくとも以下の2種の別個の層:
(i)インク顔料を捕獲する表面層であって、前記インク顔料を捕獲する表面層が、下にあるベースユニット層よりも相対的により薄い、3μm 未満の厚みを有し、ここで、上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値の上記顔料系インクの粒径の中央値に対する比が 1.5未満である、インク顔料を捕獲する表面層、および
(ii)層の隅々に連続細孔を含む、相対的により厚い多孔質ベースユニット層であって、前記多孔質ベースユニット層が、上記多孔質ベースユニット層に入る、適用されるインク液体の殆どすべてを吸収することが可能なボイド容量を有し、ここで、層全体に基づく、上記多孔質ベースユニット層の細孔直径の中央値の上記インク顔料を捕獲する表面層の細孔直径の中央値に対する比が 2.0〜20である、多孔質ベースユニット層、
を含むインクジェット記録要素、
を含んでなるインクジェット記録システム。 - 前記インク顔料を捕獲する表面層が0.25〜 2.0μm の厚みを有する、請求項1に記載のインクジェット記録システム。
- 上記インク顔料を捕獲する表面層における細孔直径の中央値が 500nm未満である、請求項1に記載のインクジェット記録システム。
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