JP2009502582A - 多孔質膜及びこれを含有する記録媒体 - Google Patents

多孔質膜及びこれを含有する記録媒体 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の硬化性モノマー及び溶媒の混合物を用意する工程、前記混合物を支持体に適用する工程、前記混合物を硬化させ、それによって、架橋したモノマーと溶媒との間の相分離を起こさせる工程、得られる多孔質膜を、洗浄及び/又は乾燥工程に付して、前記溶媒を除去する工程並びにこの膜を乾燥又は部分乾燥した後に、この多孔質膜を再硬化させる工程によって得ることができる多孔質に関する。本発明は、更に、その中にこれらの多孔質膜が使用される、画像記録材料に関する。

Description

本発明は、放射線により化合物を硬化させることによって得られる多孔質膜に関する。本発明は、更に、これらの多孔質膜が、特にインク受容層として使用される、画像記録媒体に関する。本発明は、また、前記膜及び前記記録媒体の製造方法並びに前記膜及び前記記録媒体の使用に関する。
インクジェット記録媒体を製造するために、硬化性混合物が使用されている幾つかの例を見出すことができる。欧州特許第A−1,289,767号明細書、欧州特許第A−1,418,058号明細書及び欧州特許第A−1,477,318号明細書には、十分な溶媒吸収を得るために、多孔質特性が有機又は無機粒子によってもたらされる、UV又は他の放射線によって硬化される層が開示されている。しかしながら、無機粒子の適用は、層の物理的脆弱性を起こし、層の亀裂又は破壊になり得る。
欧州特許第A−0,738,608号明細書には、水溶性高分子量化合物を含有する硬化組成物が開示されているが、これらの組成物は、固体層を生成し、従って迅速に乾燥しない。
国際特許出願公開第A−99/21723号明細書には、水性溶媒混合物中に溶解されたバインダーで被覆された支持体(この層は、次いで硬化される)が開示されており、溶媒の如何なる量も適しており、バインダーが硬化前に希釈される程度に対する制限は存在しないことが教示されている。
国際特許出願公開第A−01/91999号明細書及び英国特許第A−2,182,046号明細書には、皮膜を乾燥させた後で硬化される、硬化性インクジェット皮膜が開示されている。
米国特許第6,210,808号明細書には、水不溶性粒子及び水不溶性モノマー/プリポリマーのコロイド状懸濁液が硬化される、インクジェット記録シートが記載されている。
米国特許第6,734,514号明細書には、水不溶性ラテックスを含有する、インクジェット印刷用の放射線硬化性被覆材料が開示されている。
他の方法は、例えば、欧州特許第A−0,888,903号明細書に於けるような、発泡層の適用である。
上記の先行技術に於いて、受容層は単離されず、被覆された支持体の乾燥及び/又は更なる操作の後で、支持体の上に直接形成される。このような層を、そのまま使用して又は別の工程で支持体に適用して、例えば、インクジェット受容媒体として有利な特性を付与することができる膜として単離できることが有利であろう。膜は、種々の方法、例えば、ポリマー溶液の乾式及び湿式転相、均一な、部分的結晶性ポリマーフィルムの延伸、微粒子材料の焼結、均一ポリマー溶液の熱ゲル化並びに照射又は熱開始による同時相分離を伴うラジカル重合によって製造される。これらの方法の中で、湿式転相方法(この方法に於いて、ポリマー溶液は、沈殿剤又は非溶媒と接触して、固体ポリマー富化相及び液体溶媒富化相への分離を起こす)が、明らかに、多孔質構造を得るための最も広く使用されている方法である。この技術が適用される例は、国際特許出願公開第A−98/32541号明細書、国際特許出願公開第A−2005/016655号明細書、米国特許第4,707,265号明細書、米国特許第5,079,272号明細書、欧州特許第A−0,803,533号明細書、欧州特許第A−0,812,697号明細書、欧州特許第A−0,824,959号明細書、欧州特許第A−0,889,080号明細書及び欧州特許第A−1,149,624号明細書に記載されている。
湿式転相の主な欠点は、制限された得ることができる製造速度及び必要な有機溶媒の多い量である。
乾式転相方法は、例えば、欧州特許第A−1,176,030号明細書に記載されている。代替方法は、非揮発性有機溶媒(これらは、低沸点の洗浄液体で洗浄することによって除去される)中で硬化性モノマーを照射することによって製造される膜を記載している、米国特許第4,466,931号明細書、欧州特許第A−0,216,622号明細書及び欧州特許第A−0,481,517号明細書に開示されている。
多数の硬化性化合物は、事実上疎水性であるので、乾式及び湿式転相技術では、共に、透明な溶液を得るために、有機無極性溶媒が必要である。
膜は、また、他の方法、例えば、欧州特許第A−0,251,511号明細書、日本特許(JP)第A−5,177,120号明細書及び米国特許第4,942,204号明細書に記載されているような熱重合又は英国特許第A−1,549,352号明細書に記載されているようにアクリル酸をPVCフィルムにグラフトさせることによって製造することができるが、これらの膜又はフィルムは、多孔質ではなく、溶媒からの相分離によって形成されない。
独立フィルムとして両親媒性コポリマーから製造された膜は、国際特許出願公開第A−01/88025号明細書に記載されており、これらは、また、多孔質ではなく、比較的小さいサイズ(1mm2以下)のものである。
一定の条件下で、許容される結果を、上記の先行技術の材料で得ることができるけれども、なお、改良の必要性が存在している。本発明は、少なくとも部分的に、この必要性を満たすことを探求する。
記録媒体のために、特に、多孔質フィルムの吸収特性、特に吸収速度に関連し得る塗着特性に関して、改良が必要である。同時に、良好な光沢を有する多孔質フィルムが提供されなくてはならない。
安全性を保証し、環境の汚染を防止するための、費用の掛かる対策を必要としないで、高速度で製造することができる膜についての必要性が存在する。本発明は、これらの問題点を、少なくとも部分的に解決することを目的とする。
本発明の目的は、低コストで、高い被覆速度で製造することができる、高い物理的強度の多孔質膜を提供することである。本発明の更なる目的は、優れた乾燥特徴及びまた高い画像プリント濃度並びに良好な耐引掻性を有する記録媒体を提供することである。なお更なる目的は、改良された吸収特性、特に改良された吸収速度及び水又は水性媒体、例えば、水性インクのための塗着特性を有し、高い被覆速度で製造することができる記録媒体を提供することである。
本発明者らは、予想外に、これらの目的が、硬化する前に、少なくとも1種の硬化性モノマー及び溶媒を含む硬化性組成物を提供することによって達成できることを見出した。前記組成物を支持体の上に被覆し、被覆した組成物を硬化させ、それによって架橋した化合物と溶媒との間の相分離を起こさせ、そして次の硬化工程(「再硬化」)を適用することによって、高い内部強度の多孔質層が設けられた支持体が形成される。この膜は、洗浄及び/又は乾燥工程に付すことができる。驚くべきことに、乾燥が完結した後の膜の第二の硬化処理が、湿潤被覆層の硬化を強化することよりも、強靱性(robustness)を増強するために一層有効であることが見出された。理論によって結び付けられることを望まないで、本発明者らは、乾燥することによって、未反応硬化性二重結合がお互いに対して、より近くに移動し、それによって、硬化の際の架橋の確率を増加させることを示唆する。この第二の硬化工程は、UV硬化によって行うことができるが、EB硬化又は他の放射線源のような他の方法も適している。第二硬化のためにUV硬化を適用する場合に、光開始剤の少なくとも一部が、第一硬化工程の後で、反応形で残留することが必要である。他方、残留する光開始剤は、老化のために膜の黄色化(これは、或る種の応用のために望ましくない)に至り得るので、最終的に本質的に全ての光開始剤が反応することが重要である。これは、配合に於いて光開始剤の初期濃度を調整することによって、容易に実現することができる。その代わりに、第二硬化のための光開始剤を、別個に、例えば、含浸によって添加する。
好ましくは、硬化性被覆組成物は、少なくとも1種のモノマー(但し、25℃での前記少なくとも1種のモノマー中の水の混和性は2重量%と50重量%との間である)及び溶媒をベースにする(本明細書で使用されるとき、全ての比及びパーセンテージは、他の方法で示されない限り、全組成物の重量基準である)。これに関連して、「混和性」は、相分離現象無しに、安定な溶液が得られることを意味する。
乾燥状態での膜の第二硬化の代わりに、膜を、湿潤している間に硬化させることができる。実施の一つの方法は、第二硬化を、第一硬化の後で、中間の乾燥工程無しに直ぐに実施することである。他の方法は、乾燥した膜を、界面活性剤のような1種以上の成分を含有する液体によって、予備湿潤させることである。この手順の利点は、湿潤状態で、膜が、適用される液体中で膨潤性であるとき、膜構造が硬化の際に変化することである。そうして多孔度のような特性を、膜が膨潤状態にあるとき第二硬化工程を実施することによって修正できる。この方法によって、初期硬化工程の後で、構造の調整が可能なままであるので、広範囲の材料及び工程条件が適するようになる。両方の硬化工程の間で、含浸を実施することができる。含浸によって、化合物は、第一硬化工程の硬化性組成物と非常によく相溶性ではない膜の中に入ることができる。化合物を含浸によってマトリックスに固定したいと思うとき、第二硬化工程は架橋の好ましい方法である。好ましくは、含浸工程を実施する前に、膜を部分的に乾燥させる。部分的乾燥によって、含浸により、例えば、塗布、スプレー又は浸漬により導入された化合物は、膜の中により深く浸透する。部分的乾燥によって、溶媒の一部、例えば、25%又は50%が除去され、或る場合には、溶媒の80%以下が含浸の前に除去される。良好な工程設計によって、3個以上の硬化工程は、一般的に、改良された特性にならない。しかしながら、制限されたUV強度のような或る種の状況では、複数の硬化が有利になるであろう。好ましくは、第二硬化工程に於ける露光線量は、高エネルギーUVラジオメーター(EIT−インスツルメント・マーケッツ社(EIT−Instrument Markets)からのUVパワーパック(UV Power Puck)(登録商標))によって測定したとき、装置によって示されるUV−B範囲内で、80〜300mJ/m2、更に好ましくは100〜200mJ/m2である。
この方法によって、種々の応用で使用することができ、その高い溶媒流束及び/又は吸収能力によって特徴付けられる多孔質膜を得ることができる。この発明によって、多孔質膜は、種々の応用、例えば、気体、液体及びこれらの混合物の、分離、濃縮及び精製のために製造することができる。分離した場合、本発明の多孔質膜は、後で、全ての種類の支持体に固定することができる。支持体からの分離は、支持体の適切な処理によって、例えば、硬化性化合物混合物を支持体の上に被覆する前に、例えば、シロキサン系ポリマーを含む「剥離」層を適用することによって、容易に達成することができる。本発明の単離した多孔質膜は、接着層を介して支持体に、別個に付着させることができる。この接着層は、また、得られる媒体に或る種の特性を与えることができる。本願明細書を通して、用語「硬化性化合物」及び「(硬化性)モノマー」は、互換的に使用される。
他の実施形態に於いて、支持体と多孔質層とは、単離された多孔質膜を与えるために分離されず、例えば、多孔質膜が、記録媒体中で使用されるとき着色剤受容層として機能し得る、不織支持体又は光沢のある支持体上に被覆された膜として、形成されたままで使用される。これは、例えば、着色剤がインク溶液である場合に於ける、インクジェット記録媒体であってよい。
他の実施形態に於いて、支持体は、硬化性化合物混合物の2個以上の層で被覆される。この方法によって、多孔質膜を通して、変化する特性を有する多孔質膜を設計し、製造することができる。それで、例えば、外側層内に媒染剤を含有させることによって、着色剤固定特性を有する外側層を設計し、製造することができ、そして最適化された水吸収能力を有する内側多孔質層を構成することができる。その代わりに、バックライト材料内に所謂バックビューオプションを導入するために、外側層を耐引掻性のために最適化し、そして着色剤固定特性を、透明な支持体に最も近い層内に配置する。又は分離膜応用のために、外側層の多孔度を、分離特性を決定するために制御し、他方、内側層(群)を、膜に強度を与え、高い溶媒流束を可能にするように最適化する。
一般的に、単離された形での本発明の多孔質膜の乾燥厚さは、典型的に10μmと500μmとの間、更に好ましくは30μmと300μmとの間であってよい。支持体に接着するとき、膜に内部強度を与える必要はなく、最適厚さは、溶媒吸収能力のような特性に基づく。後者の場合に、乾燥厚さは、典型的に、5μmと50μmとの間である。支持体が水性溶媒に対して不浸透性であるとき、乾燥厚さは好ましくは20μmと50μmとの間であり、他方、支持体が、例えば、(被覆された)基紙についての場合のように、溶媒の一部を吸収できるとき、好ましい乾燥厚さは5μmと30μmとの間である。多孔質層が多層であるとき、種々の層の厚さは、達成したい特性に依存して自由に選択することができる。
多くの硬化性化合物は、事実上疎水性であり、透明な溶液を得るために有機無極性溶媒の高い濃度を必要とする。大量の揮発性有機溶媒は、これらが、膜の乾燥期の間に製造領域に於ける危険な状態になり得るので好ましくなく、他方、非揮発性溶媒は、除去することが困難であり、従って、これもまた好ましくない。安全性、健康及び環境の理由のために並びに経済的観点から、水が最も好ましい溶媒である。水溶液を形成するために、適切な硬化性化合物は水希釈性(water reducible)であることが見出された。25℃で、少なくとも2重量%の水が硬化性化合物と相溶性であるとき、化合物は水希釈性であると見なされる。好ましくは、少なくとも4重量%、更に好ましくは少なくとも10重量%の水が、本発明の硬化性化合物と混和性である。好ましくは、環境的に優しい溶媒、例えば、水が使用される。水を含有する溶媒は、一般的に、水性溶媒として参照される。水性溶媒には、好ましくは、少なくとも30重量%、更に好ましくは少なくとも50重量%の水が含有されており、更に、他の極性又は無極性共溶媒が含有されていてよい。水との混和性が、硬化性化合物を完全に溶解するために十分でない場合に、共溶媒を混合することが望ましい。好ましくは、溶媒には、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、更に好ましくは少なくとも80又は90重量%の水が含有されている。特別の実施形態に於いて、溶媒は水であり、有機共溶媒を含有しない。例えば、10%のCN132、27.5%のCN435及び62.5%の水又は21.5%のCN132、21.5%のCN435及び57%の水又は60%のCN132及び40%の水又は49.75%のCN132、49.75%の水及び0.5%のドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが、好ましい多孔質マトリックスを与え得る。CN132及びCN435は、クレイ・バレイ社(Cray Valley)、フランス国から入手可能な硬化性モノマーである。CN132は、低粘度脂肪族エポキシアクリラートである。CN435(米国ではSR9035として入手可能)は、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリラートである。
共溶媒として、乾燥によって十分に除去することができる極性揮発性溶媒が好ましい。好ましい共溶媒は、低級アルキルアルコール、アルカノン、アルカナール、エステル又はアルコキシ−アルカンである。用語「低級アルキル」は、アルキル鎖が、7個未満の炭素原子、好ましくは6個未満の炭素原子、更に好ましくは5個未満の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有することを意味する。一つの実施形態に於いて、溶媒は、イソプロパノールと水との混合物である。他の好ましい共溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、アセトン、酢酸エチル、ジオキサン、メトキシエタノール及びジメチルホルムアミドである。水の沸点よりも低い沸点を有する共溶媒が最も好ましい。
溶媒中の硬化性化合物の溶解度は、重要な他のパラメーターである。好ましくは、硬化性組成物は透明な溶液である。この溶媒は、選択された硬化性化合物又は化合物混合物が完全に溶解するように選択することができる。透明な溶液は一層安定であり、一般的に好ましい。しかしながら、僅かな濁り度は、通常、不安定性を起こさず、殆どの場合に許容できる。他方、相分離を起こさせるために、成長しつつあるポリマーは、溶媒中に不溶性でなくてはならない。このことは、或る種の溶媒と組み合わせて選択することができる硬化性化合物に一定の制限を与える。適切な組合せの選択を容易に実施できる可能な方法は、例えば、欧州特許第A−216622号明細書(曇点)及び米国特許第3,823,027号明細書(ハンセン(Hansen)システム)に記載されている。
初期化合物と得られるポリマーとの間の溶解度に於ける大きい差及び従って速い相分離を得るために、好ましくは、初期化合物の分子量(MW)は過度に大きくはないけれども、高いMWポリマーによっても、溶媒の注意深い選択によって、多孔質膜を実現することができる。好ましくは、硬化性モノマー又はオリゴマーのMWは、10000ダルトン未満、更に好ましくは5000ダルトン未満である。良好な結果は、1000ダルトン未満のMWを有する化合物で得られる。
2重量%と50重量%との間の水希釈性を有する硬化性化合物に加えて、他の種類の硬化性モノマーが硬化性組成物中に存在してもよい。本発明に従った硬化性化合物は、例えば、「紫外線及び電子ビーム硬化性材料の現像(Development of ultraviolet and electron beam curable materials)」(Y.Tabata編、CMC出版、2003年、ISBN4882317915)に記載されており、これらに限定されないが、エポキシ化合物、オキセタン誘導体、ラクトン誘導体、オキサゾリン誘導体、環式シロキサン又はエチレン性不飽和化合物、例えば、アクリラート、メタクリラート、ポリエン−ポリチオール、ビニルエーテル、ビニルアミド、ビニルアミン、アリルエーテル、アリルエステル、アリルアミン、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、ポリブタジエン及びスチレンから選択することができる。好ましくは、主成分として、(メタ)アクリラート、例えば、アルキル−(メタ)アクリラート、ポリエステル−(メタ)アクリラート、ウレタン−(メタ)アクリラート、ポリエーテル−(メタ)アクリラート、エポキシ−(メタ)アクリラート、ポリブタジエン−(メタ)アクリラート、シリコーン−(メタ)アクリラート、メラミン−(メタ)アクリラート、ホスファゼン−(メタ)アクリラート、(メタ)アクリルアミド及びこれらの組合せが、それらの高い反応性のために使用される。硬化性化合物の他の種類を、この主成分と組み合わせて、得られる膜の或る種の特性を変性することができる。これらの化合物は、モノマー溶液、モノマー懸濁液、モノマー分散液、オリゴマー溶液、オリゴマー懸濁液、オリゴマー分散液、ポリマー溶液、ポリマー懸濁液及びポリマー分散液の形で使用することができる。
本発明の多孔質膜を製造するために、硬化性組成物及び処理条件を、注意深く選択しなくてはならない。照射すると、このモノマー(又はオリゴマー若しくはプリポリマー)は架橋して、ポリマーを徐々に形成する。この工程の間に、溶媒中の成長しつつあるポリマーの溶解度は減少して、相分離になり、その結果、溶液からポリマーが分離する。最後に、ポリマーは、溶媒が細孔を満たしている多孔質構造を有する網状構造物を形成する。乾燥すると、溶媒が除去され、多孔質膜が残る。或る種の実施形態に於いて、細孔のつぶれを防止するために、膜を乾燥させないで、任意に洗浄し、湿潤状態で保存する。多孔質膜の最適構造を得るために、硬化性化合物又は硬化性化合物の混合物の濃度を注意深く選択することが重要である。濃度が低すぎるとき、硬化の際に網状構造物が形成されないと推定され、濃度が高すぎるとき、実験によって、より多くの又はより少ない均一なゲル化した層が形成され、これは乾燥後に、非多孔質で透明な層を生じることが示される。また、モノマーが溶媒中に可溶性でありすぎるとき、相分離が起こらず、次いで通常、重合後にゲル構造物が形成される。多孔質構造は、高い溶媒流束のために必須である。この観点で、溶媒中の硬化性化合物又は化合物群の濃度は、好ましくは10重量%と80重量%との間、更に好ましくは20重量%と70重量%との間、最も好ましくは30重量%と60重量%との間である。
この多孔質膜が、着色剤受容媒体、例えば、インクジェット記録媒体として使用されるとき、画像を形成するために水性インクが使用される場合、含有されている水性溶媒を迅速に吸収するために、膜は親水性特性を有していなくてはならない。硬化性組成物が主溶媒として水を含有する場合に、相分離が起こるために、溶媒との非相溶性が重要であるので、形成されるポリマーは、一般的に、疎水性特性を有していなくてはならない。これは、この応用のために、本発明の膜が、親水性特性と疎水性特性との両方を有していなくてはならないことを暗示している。これらの見かけ上は矛盾する要求は、例えば、両親媒性構造を有する硬化性化合物(分子の一部は親水性であり、他の部分は疎水性特性を有する)を選択することによって実現できる。両親媒性モノマーは、親水性基と疎水性基との両方を有していてよく又は両親媒性基(例えば、(1,2−若しくは1,3−)プロピレンオキシド鎖又は(1,2−、1,3−若しくは1,4−)ブチレンオキシド鎖)を有していてよい。疎水性基の例は、脂肪族又は芳香族基、C3よりも長いアルキル鎖などである。代替のアプローチは、硬化性組成物中に、親水性である硬化性化合物及び疎水性である硬化性化合物を含有させることである。後者の方法によって、硬化性化合物の両種類の比を変化させることにより、膜の性質を制御することが可能になる。親水性モノマーは、例えば、水溶性モノマー及び親水性基、例えば、ヒドロキシ、カルボキシラート、スルファート、アミン、アミド、アンモニウム、エチレンオキシド鎖などを有するモノマーである。両親媒性は、幾つかの方法によって得ることができる。両親媒性モノマーは、例えば、極性基(例えば、ヒドロキシ、エーテル、カルボキシラート、スルファート、アミン、アミド、アンモニウムなど)を、疎水性モノマーの構造の中に導入することによって製造することができる。他方、親水性構造から出発して、例えば、アルキル又は芳香族基を導入することにより疎水性特性を増加させることによって、両親媒性モノマーを製造することができる。
良好な結果は、硬化性化合物の少なくとも1種が、制限された水希釈性を有するとき得られる。好ましくは、水は、硬化性化合物と、25℃で、2/98〜50/50、更に好ましくは4/96〜50/50、なお更に好ましくは10/90〜50/50の重量比で混和性である。多くの適切な硬化性化合物は、事実上両親媒性である。モノマーの適切な濃度は、共溶媒、界面活性剤の添加により、組成物のpHを調節することにより又はより高い水含有量で良好な溶解度を維持するモノマーを混入することにより達成できる。水と後者のモノマーとの混和性比は、典型的に、25℃で50重量%よりも大きい。
本発明の多孔質膜を達成する他の可能性のある方法は、水との劣った混和性、典型的に2重量%よりも低い25℃での水とモノマーとの混和性比を有するモノマーと、良好な混和性、即ち、50重量%よりも大きい25℃でのモノマー中の水の混和性を有するモノマーとの混合物を適用することである。2種、3種又はより多い種類のモノマーの組合せを注意深く選択し、それらのそれぞれの濃度及び溶媒組成を最適化することによって、多くの異なった種類のモノマーを、本発明に於いて成功裡に適用することができる。
2/98〜50/50の水/モノマー重量比で、25℃で水との混和性を示す適切なモノマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート(好ましくはMW<500、例えば、トリエチレングリコールジアクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラートなど)、エチレングリコールエポキシラートジメタクリラート、グリセロールジグリセロラートジアクリラート、プロピレングリコールグリセロラートジアクリラート、トリプロピレングリコールグリセロラートジアクリラート、オリゴ(プロピレングリコール)ジアクリラート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリラート、オリゴ(プロピレングリコール)グリセロラートジアクリラート、ポリ(プロピレングリコール)グリセロラートジアクリラート、オリゴ(ブチレンオキシド)ジアクリラート、ポリ(ブチレンオキシド)ジアクリラート、オリゴ(ブチレンオキシド)グリセロラートジアクリラート、ポリ(ブチレンオキシド)グリセロラートジアクリラート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリラート(エトキシル化3〜10モル)、エトキシル化ビスフェノール−Aジアクリラート(エトキシル化3〜10モル)、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリラート、2−(エトキシエトキシ)エチルアクリラート、N,N′−(メチレン又はエチレン)−ビス(アクリルアミド)である。市販の化合物、例えば、全てクレイ・バレイ社、フランス国からの、CN129(エポキシアクリラート)、CN131B(一官能性脂肪族エポキシアクリラート)、CN133(三官能性脂肪族エポキシアクリラート)、CN9245(三官能性ウレタンアクリラート)、CN3755(アミノジアクリラート)、CN371(アミノジアクリラート)も適している。
水との良好な混和性(25℃で50/50よりも大きい水/モノマー重量比)を有する適切な(親水性)モノマーは、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート(好ましくはMW>500)、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリラート(好ましくはMW>500)、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリラート(10モルよりも大きいエトキシル化)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリラート、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリラート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリラート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリラート第四級アンモニウム塩(クロリド又はスルファート)、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリラート第四級アンモニウム塩(クロリド又はスルファート)、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド第四級アンモニウム塩(クロリド又はスルファート)、3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド第四級アンモニウム塩(クロリド又はスルファート)である。
水との劣った混和性(25℃で2/98よりも小さい水/モノマー重量比)を有する適切な(疎水性)モノマーは、アルキル(メタ)アクリラート(例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル)、芳香族アクリラート(アクリル酸フェノール、アクリル酸アルキルフェノールなど)、脂肪族ジオール(ジ)(メタ)アクリラート(例えば、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジアクリラート、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジアクリラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート)、トリメチロールプロパントリアクリラート、グリセリルトリアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールペンタアクリラート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリラート、スチレン誘導体、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、ビニルアルキルエーテル、アルケン、ブタジエン、ノルボルネン、イソプレン、C4よりも長いアルキル鎖を有するポリエステルアクリラート、C4よりも長いアルキル鎖を有するポリウレタンアクリラート、C4よりも長いアルキル鎖を有するポリアミドアクリラートである。
好ましくは、硬化性組成物は、硬化性モノマーの全量基準で、1〜100重量%、更に好ましくは10〜80重量%、最も好ましくは40〜70重量%の、25℃で2/98〜50/50の水/モノマー比で水と混和性であるモノマーを含有する。この硬化性組成物は、更に、硬化性モノマーの全量基準で、99重量%以下、好ましくは30〜60重量%の、25℃で50/50よりも大きい水/モノマー比で水と混和性であるモノマーを含有する。また、劣った混和性を有するモノマーが、99重量%以下で混合物中に存在してもよい。本発明に従った膜を得る他の方法は、1〜99重量%、好ましくは30〜80重量%の水との良好な混和性を有するモノマー及び1〜99重量%、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは20〜70重量%の、25℃で2/98よりも小さい水/モノマー比で水との劣った混和性を有するモノマーを組み合わせることである。
光開始剤を、本発明に従って使用することができ、好ましくは混合物を支持体に適用する前に、硬化性化合物(群)の混合物の中に混合することができる。光開始剤は、通常、被覆された混合物をUV又は可視光放射線によって硬化させるとき必要である。適切な光開始剤は、当該技術分野で公知であるもの、例えば、ラジカル型、カチオン型又はアニオン型光開始剤である。
ラジカルI型光開始剤の例は、α−ヒドロキシアルキルケトン、例えば、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)2959:チバ社(Ciba))、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア(登録商標)184:チバ社)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(サルキュア(Sarcure)(登録商標)SR1173:サルトマー社(Sartomer))、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン](サルキュア(登録商標)SR1130:サルトマー社)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−tert−ブチル)フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−[4’−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパノン(ダルキュア(Darcure)(登録商標)1116:チバ社);α−アミノアルキルフェノン、例えば、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン(イルガキュア(登録商標)369:チバ社)、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(イルガキュア(登録商標)907:チバ社);α,α−ジアルコキシアセトフェノン、例えば、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン(イルガキュア(登録商標)651:チバ社)、2,2−ジエチオキシ−1,2−ジフェニルエタノン(ユバトーン(Uvatone)(登録商標)8302:アップジョーン社(Upjohn))、α,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP:ラーン社(Rahn))、α,α−ジ−(n−ブトキシ)アセトフェノン(ユバトーン(登録商標)8301:アップジョーン社);フェニルグリオキサラート、例えば、メチルベンゾイルホルマート(ダロキュア(Darocure)(登録商標)MBF:チバ社);ベンゾイン誘導体、例えば、ベンゾイン(エサキュア(Esacure)(登録商標)BO:ランベルチ社(Lamberti))、ベンゾインアルキルエーテル(エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルなど)、ベンジルベンゾインベンジルエーテル、アニソイン(Anisoin);モノ−及びビス−アシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド(ルシリン(Lucirin)(登録商標)TPO:BASF社)、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィナート(ルシリン(登録商標)TPO−L:BASF社)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)819:チバ社)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド(イルガキュア(登録商標)1800又は1870)である。他の市販の光開始剤は、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]−1,2−オクタンジオン(イルガキュアOXE01)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)エタノン(イルガキュアOXE02)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア127)、オキシ−フェニル−酢酸 2−[2オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル(イルガキュア754)、オキシ−フェニル−アセチック−2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル(イルガキュア754)、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(イルガキュア379)、1−[4−[4−ベンゾイルフェニル)チオ]フェニル]−2−メチル−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル)]−1−プロパノン(ランベルチ社からのエサキュア1001M)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’、5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール(IGM社からのオムニラド(Omnirad)BCIM)である。
II型光開始剤の例は、ベンゾフェノン誘導体、例えば、ベンゾフェノン(アジトール(Additol)(登録商標)BP:UCB社)、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾアート、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン(ユベクリル(Uvecryl)(登録商標)P36:UCB社)、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オイ]エチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、アントラキノン、エチルアントラキノン、アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩、ジベンゾスベレノン;アセトフェノン誘導体、例えば、アセトフェノン、4’−フェノキシアセトフェノン、4’−ヒドロキシアセトフェノン、3’−ヒドロキシアセトフェノン、3’−エトキシアセトフェノン;チオキサンテノン誘導体、例えば、チオキサンテノン、2−クロロチオキサンテノン、4−クロロチオキサンテノン、2−イソプロピルチオキサンテノン、4−イソプロピルチオキサンテノン、2,4−ジメチルチオキサンテノン、2,4−ジエチルチオキサンテノン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテノン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド(カヤキュア(Kayacure)(登録商標)QTX:日本化薬株式会社);ジオン、例えば、ベンジル、ショウノウキノン、4,4’−ジメチルベンジル、フェナントレンキノン、フェニルプロパンジオン;ジメチルアニリン、例えば、4,4’,4”−メチリジン−トリス(N,N−ジメチルアニリン)(IGM社からのオムニラド(登録商標)LCV);イミダゾール誘導体、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール;チタノセン、例えば、ビス(η−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−1H−ピロール−1−イル]フェニル]チタン(イルガキュア(登録商標)784:チバ社);ヨードニウム塩、例えば、ヨードニウム、(4−メチルフェニル)−[4−(2−メチルプロピル−フェニル)−ヘキサフルオロホスファート(1−)である。所望により、光開始剤の組合せを使用することもできる。
アクリラート、ジアクリラート、トリアクリラート又は多官能性アクリラートのために、I型光開始剤が好ましい。特に、α−ヒドロキシアルキルフェノン、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−tert−ブチル)フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−[4’−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]、α−アミノアルキルフェノン、α−スルホニルアルキルフェノン並びにアシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィナート及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドが好ましい。好ましくは、光開始剤と硬化性化合物(群)との比は、重量基準で、0.001と0.1との間、更に好ましくは0.005と0.05との間である。使用する光開始剤の量を最小にすることが好ましく、換言すると、好ましくは、硬化工程(又は硬化工程群)の後で、全ての光開始剤を反応させる。残留する光開始剤は、膜を記録媒体として使用する場合に、染料の黄色化又は劣化のような悪影響を有し得る。分離膜として適用するとき、残留する光開始剤を洗浄除去するために、過剰の洗浄が必要であろう。
2個以上の層を適用するとき、それぞれの層内で、光開始剤の種類及び濃度を、独立に選択することができる。例えば、多層構造物に於いて、トップ層中の光開始剤は、より下の層(群)中の光開始剤とは異なっていてよく、これによって、単一の開始剤を全ての層に亘って適用するときよりも低い開始剤濃度で一層効率的な硬化を与えることができる。放射線で照射するとき、光開始剤の幾つかの種類は表面を硬化させる際に最も有効であり、一方、他の種類は、層の中により深く硬化させる。より低い層のために、良好な貫通硬化が重要であり、硬化の高い効率のために、トップ層中に適用された光開始剤のスペクトルとは完全に重ならない吸収スペクトルを有する光開始剤を選択することが好ましい。好ましくは、トップ層中の光開始剤とボトム層中の光開始剤との間の吸収極大に於ける差は、少なくとも20nmである。UV放射線を使用する場合に、数個の波長での発光を有する光源を選択することができる。UV光源と光開始剤との組合せは、十分な放射線が、より低い層にまで貫通して、光開始剤を活性化するように最適化することができる。典型的な例は、ヒュージョン・ユーブイ・システムズ社(Fusion UV Systems)によって供給されるような、600ワット/インチの出力を有するH−バルブであり、これは、220nm、255nm、300nm、310nm、365nm、405nm、435nm、550nm及び580nm付近の発光極大を有する。代替物は、V−バルブ及びD−バルブであり、これらは異なった発光スペクトルを有する。UV光源のスペクトルと光開始剤のそれとの間に十分な重なりがあることが必要なことは明らかである。光源及び光開始剤の選択から、最適な組合せを行うことができる。光開始剤の複数種類の方法によって、より厚い層を、照射の同じ強度で効率的に硬化させることが可能である。更に、異なった種類の光開始剤を適用することによって、光沢及び多孔度のような特性を、単一種類の光開始剤によっては可能ではないレベルに最適化することができる。
硬化速度は、硬化性化合物にアミン相乗剤を添加することによって増加させることができる。アミン相乗剤は、反応性を増強し、酸素阻害を遅延することが知られている。適切なアミン相乗剤は、例えば、遊離アルキルアミン、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン;芳香族アミン、例えば、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾアート、エチル−4−ジメチルアミノベンゾアート並びにまたポリアリルアミンのようなポリマーアミン及びその誘導体である。硬化性アミン相乗剤、例えば、エチレン性不飽和アミン(例えば、(メタ)アクリル化アミン)は、硬化によってポリマーマトリックスの中に含有されるその能力のために、それらの使用によって、より少ない臭気、より少ない揮発性及びより少ない黄色化が与えられるので好ましい。
アミン相乗剤の量は、好ましくは硬化性組成物中の硬化性化合物の量基準で0.1〜10重量%、更に好ましくは硬化性化合物の量基準で0.3〜3重量%である。
硬化性化合物混合物は、多孔質膜を得るために、好ましくは放射線に付される。原則として、それが、存在するとき光開始剤の吸収スペクトルに適合する限り又は光開始剤の必要なしに硬化性化合物を直接硬化させるために十分なエネルギーが与えられる限り、例えば、紫外、可視又は赤外放射線のような如何なる適切な波長の(電磁)放射線も使用することができる。
赤外放射線による硬化は、また、熱硬化として知られている。従って、硬化重合は、エチレン性不飽和モノマーをフリーラジカル開始剤と組合せ、そしてこの混合物を加熱することによって、実施することができる。代表的なフリーラジカル開始剤は、有機過酸化物、例えば、過酸化エチル及び過酸化ベンジル;ヒドロペルオキシド、例えば、メチルヒドロペルオキシド;アシロイン、例えば、ベンゾイン;或る種のアゾ化合物、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル及びγ,γ’−アゾビス(γ−シアノ吉草酸);過硫酸塩;過酢酸エステル、例えば、過酢酸メチル及び過酢酸tert−ブチル;過シュウ酸エステル、例えば、過シュウ酸ジメチル及び過シュウ酸ジ(tert−ブチル);ジスルフィド、例えば、ジメチルチウラムジスルフィド並びにケトンペルオキシド、例えば、メチルエチルケトンペルオキシドである。約23℃〜約150℃の範囲内の温度が、一般的に使用される。更にしばしば、約37℃〜約110℃の範囲内の温度が使用される。
紫外光による照射が好ましい。適切な波長は、波長が、存在する場合、光開始剤の吸収波長と一致しているという条件で、例えば、UV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
紫外光の適切な源泉は、水銀アークランプ、炭素アークランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、渦流プラズマアークランプ(swirlflow plasma arc lamp)、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、レーザ及び紫外光発光ダイオードである。中圧又は高圧水銀蒸気型の紫外光発光ランプが、特に好ましい。更に、ランプの発光スペクトルを修正するためにハロゲン化金属のような添加物が存在してもよい。殆どの場合に、200nmと450nmとの間で発光極大を有するランプが最も適している。
露光装置のエネルギー出力は、20〜240W/cm、好ましくは40〜150W/cmであってよいが、望ましい露光線量が実現できる限り、より高くてもよい。露光強度は、膜の最終構造に影響を与える硬化の程度を制御するために使用することができるパラメーターの一つである。好ましくは、露光線量は、高エネルギーUVラジオメーター(EIT−インスツルメント・マーケッツ社からのUVパワーパック(登録商標))によって測定したとき、装置によって示されるUV−B範囲内で、少なくとも40mJ/cm2、更に好ましくは40〜600mJ/cm2、最も好ましくは70〜220mJ/cm2である。露光時間は、自由に選択できるが、長くする必要はなく、典型的に1秒未満である。
光開始剤を添加しない場合、硬化性化合物を、当該技術分野で公知であるように、電子ビーム露光によって有利に硬化させることができる。好ましくは、この出力は、50〜300keVである。硬化は、また、プラズマ又はコロナ露光によって達成できる。
硬化性組成物のpHは、好ましくは、2と11の値の間、更に好ましくは3と8との間で選択される。最適pHは、使用するモノマーに依存し、実験的に決定することができる。硬化速度は、pH依存性であるように思われ、高いpHで、硬化速度は明らかに低下して、より低い多孔質膜になる。低いpH値(2以下)で、老化の際に膜の黄色化が起こり、これは良好な白色度が好ましいとき、望ましくない。
所望する場合、界面活性剤又は界面活性剤の組合せを、表面張力を調節するために又は良好な光沢のような他の目的のために、湿潤剤として、水性組成物に添加することができる。所望の用途及び被覆すべき支持体に依存して、適切な界面活性剤を使用することは、当業者の能力内である。放射線硬化性界面活性剤を含む、市販の界面活性剤を使用することができる。この硬化性組成物に於いて使用するために適している界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの組合せが含まれる。好ましい非イオン性界面活性剤には、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪アルコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、フルオロアルキルエーテルなどが含まれる。好ましいイオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、下記のもの、即ち、アルキルトリメチルアンモニウム塩(但し、アルキル基には8〜22個(好ましくは12〜18個)の炭素原子が含まれる);アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(但し、アルキル基には8〜22個(好ましくは12〜18個)の炭素原子が含まれる)及びエチルスルファート及びアルキルピリジニウム塩(但し、アルキル基には8〜22個(好ましくは12〜18個)の炭素原子が含まれる)が含まれる。界面活性剤は、フッ素系又はシリコン系であってよい。適切なフルオロ界面活性剤の例は、フルオロC2−C20アルキルカルボン酸及びそれらの塩、二ナトリウム N−ペルフルオロオクタンスルホニルグルタマート、ナトリウム 3−(フルオロ−C6−C11アルキルオキシ)−1−C3−C4アルキルスルホナート、ナトリウム 3−(ω−フルオロ−C6−C8アルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホナート、N−[3−(ペルフルオロオクタンスルホンアミド)−プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、ペルフルオロアルキルカルボン酸(例えば、C7−C13−アルキルカルボン酸)及びこれらの塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、Li、K及びNa ペルフルオロC4−C12アルキルスルホナート、Li、K及びNa N−ペルフルオロC4−C13アルカンスルホニル−N−アルキルグリシン、商品名ゾニル(Zonyl)(登録商標)で市販されているフルオロ界面活性剤(イー・アイ・デュポン社(E.I.Du Pont)によって製造される)[これは、RfCH2CH2SCH2CH2CO2Li又はRfCH2CH2O(CH2CH2O)xH(式中、Rf=F(CF2CF23-8であり、x=0〜25である)の化学構造を有する]、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)ペルフルオロオクタンスルホンアミド、2−スルホ−1,4−ビス(フルオロアルキル)ブタンジオアート、1,4−ビス(フルオロアルキル)−2−[2−N,N,N−トリアルキルアンモニウム)アルキルアミノ]ブタンジオアート、ペルフルオロC6−C10アルキルスルホンアミドプロピルスルホニルグリシナート、ビス−(N−ペルフルオロオクチルスルホニル−N−エタノールアミノエチル)ホスホナート、モノ−ペルフルオロC6−C16アルキル−エチルホスホナート並びにペルフルオロアルキルベタインである。また、例えば、米国特許第4,781,985号明細書及び米国特許第5,084,340号明細書に記載されているフルオロカーボン界面活性剤も有用である。
シリコン系界面活性剤は、好ましくは、ポリシロキサン、例えば、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーである。このようなコポリマーは、例えば、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン)コポリマー、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン)シロキサンコポリマー、トリシロキサンとポリエーテルとのコポリマーのようなトリシロキサンアルコキシラート及びシロキサンとポリプロピレンオキシドとのコポリマーのようなシロキサンプロポキシラートであってよい。シロキサンコポリマー界面活性剤は、当業者に公知である如何なる方法によっても製造することができ、ランダム、交互、ブロック又はグラフトコポリマーとして製造することができる。ポリエーテルシロキサンコポリマーは、好ましくは、100〜10,000の範囲内の重量平均分子量を有する。市場で市販されているポリエーテルシロキサンコポリマーの例には、シーケー・ウィットコ社(CK WITCO)によって製造された、シルウエット(SILWET)DAシリーズ、例えば、シルウエット408、560若しくは806、シルウエットLシリーズ、例えば、シルウエット−7602又はコートシル(COATSIL)シリーズ、例えば、コートシル1211;シンエツ社(SHIN−ETSU)によって製造された、KF351A、KF353A、KF354A、KF618、KF945A、KF352A、KF615A、KF6008、KF6001、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017;BYK−ヘミー社(BYK−CHEMIE)によって製造された、BYK−019、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK306、BYK307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK333、BYK−331、BYK−335、BYK341、BYK−344、BYK−345、BYK346、BYK−348及びテゴ社(TEGO)によって製造された、グライド(GLIDE)シリーズ、例えば、グライド450、フロー(FLOW)シリーズ、例えば、フロー425、ウェット(WET)シリーズ、例えば、ウェット265が含まれる。
プリンタ移送性、耐粘着性及び防水性を改良する目的のために、界面活性剤は、硬化性組成物中に添加することができ及び/又は膜の含浸によって導入することができる。使用するとき、界面活性剤は、好ましくは、膜の乾燥重量基準で、0.01〜2%、更に好ましくは0.02〜0.5%の量で存在する。好ましくは、界面活性剤は、使用する濃度で組成物中に可溶性である。水性溶媒を使用するとき、好ましくは、25℃での水中の界面活性剤の溶解度は、少なくとも0.5%である。
特に水性インクの迅速な吸収のために、表面は親水性であることを必要とする。表面の親水性は、水滴の接触角を測定することによって、適切に表される。80°よりも小さい値が、親水性表面を示し、インク受容層としての応用のために好ましい。
本発明に従って、それが、好ましくは0.0001〜2.0μmの直径を有する細孔の実質的な量を含有する場合、膜を、「多孔質、ナノ多孔質又はマイクロ多孔質」として参照する。更に好ましくは、本発明の多孔質膜の細孔の大部分は、0.001〜1.0μm、なお更に好ましくは0.003〜0.7μmのサイズを有する。選択された実施形態について、平均細孔直径は、好ましくは0.01〜1.0μm、更に好ましくは0.03〜0.4μmである。細孔形状についての制限は存在しない。細孔は、例えば、球状若しくは不規則又は両方の組合せであってよい。好ましくは、細孔は相互連結されている。それは、このことが、高い流束又は迅速な溶媒吸収に寄与するであろうからである。
膜の多孔度は、SEM断面画像を解析することによって決定されたとき、好ましくは5〜90パーセントである。多孔度は、下記の式:
Figure 2009502582
(式中、被覆された固体(マトリックス)の密度は、1kg/dm3であると仮定する)
によって決定される。更に好ましくは、多孔度は、10〜70パーセント、なお更に好ましくは20〜50%である。
インク受容層として適用される膜について、高い光沢を示すことが重要であり、そのために、表面層は平滑であることを必要とし、膜の表面上の細孔のサイズ及び全面積は、一定の限界内に制御されなくてはならない。インク吸収速度に於ける低下無しで良好な光沢は、細孔によって占められる面積を、好ましくは0.1〜30%に制御することによって得ることができる。更に好ましくは、細孔面積は、高いインク吸収速度を有する最大光沢のために、0.2〜25%、なお更に好ましくは0.3〜18%である。細孔面積は、細孔の直径及び量によって決定される。これは、一定の細孔面積について、細孔の量が、細孔直径に依存して変化することを意味している。一般的に、大きい細孔の低い頻度は、小さい細孔の高い頻度よりも好ましくない。表面細孔の絶対平均細孔直径は、好ましくは1.2μmよりも小さく、更に好ましくは0.02〜1μm、なお更に好ましくは0.05〜0.7μmである。選択された実施形態について、0.06〜0.3μmの範囲が好ましい。良好な光沢は、追加的に、表面粗さ(Ra)値で表すことができる。Ra値は細孔直径/細孔面積によって影響を受ける。良好な光沢を有する膜についての好ましいRa値は、0.8μmよりも小さく、更に好ましくは0.5μmよりも小さく、なお更に好ましくは0.3μmよりも小さく、最も好ましくは0.2μmよりも小さい。光沢のある外観は、主として、細孔の間の表面領域の平滑度によって決定されると考えられる。ISO13565−1(1998)及びJIS B0671−1(2002)に、計算への細孔の寄与を除いて、表面のRa値を決定することが可能である方法が記載されている。特別の実施形態に於いて、膜は、別個の構造物、即ち、開放ポリマー網状構造物の形での等方性バルクマトリックス及び完全に異なった構造の薄い表面層から構成されている。この表面層又はスキン層は、連結されていない細孔を有する連続層であり、穿孔された連続層として記載することができる。工程及び配合条件を変えることによって、表面細孔の数及びサイズを、所望の仕様に従って制御することができる。この表面層は、膜の光沢に寄与すると考えられる。逆浸透のような応用のために、表面に細孔が全く存在しないか又は非常に小さい直径の細孔のみが存在すること(これは、スキン層を密閉連続層として見なすことができることを意味する)が好ましいであろう。インク受容層としての応用のために、表面層は、インク中に存在する染料が、膜の中に深く吸収される(これは、印刷された画像の低い光学濃度に至るであろう)のを防止する役割を担っている。それで、表面層は高い光学濃度に寄与している。他方、スキン層は、膜を通過する流量を減少し、これはより悪い乾燥特性になるであろう。従って、好ましくは、このスキン層は、薄く、3μmよりも小さい厚さを有し、更に好ましくは、スキン層の厚さは、1.5μmよりも小さく、例えば、0.1〜1.2μmである。薄いスキン層以外は、膜は好ましくは対称的であるけれども、或る程度までの非対称構造が許容できる。
この膜の重要な特性は、多孔質層の膨潤性である。多孔度に加えて、膨潤性は、溶媒吸収の速度及び容量に寄与する。所望の特性に依存して、多孔度と膨潤性との間の一定のバランスを選択することができる。溶媒吸収の一定のレベルを達成するために、高い多孔度を低い膨潤挙動と組み合わせることができ、逆の場合も同様である。これは、全て良好な溶媒吸収速度で、膜構造物中の大きい変化を可能にする。インク受容層として応用される膜について、膨潤は、1〜50μm、更に好ましくは2μm〜30μm、最も好ましくは3〜20μmである。多孔質層の乾燥厚さは、所望の応用に依存して変化し得るので、膨潤は、更に適切に、乾燥厚さのパーセンテージとして相対方式で表される。好ましくは、膨潤は、多孔質膜の乾燥厚さの、少なくとも5%、更に好ましくは6〜150%、なお更に好ましくは10〜80%である。本発明に於ける膨潤は、膨潤前の層の乾燥厚さを、膨潤後の層の膨潤した厚さから差し引くことによって決定され、ここで、膨潤した厚さは、20℃の蒸留水中に3分間浸漬させた後の層の厚さを表し、乾燥厚さは、23℃及び60%RHで24時間以上放置した層の厚さを表す。層の厚さは、種々の方法によって決定することができる。例えば、サンプルを、層を膨潤させるための所定の温度で所定の時間、蒸留水中に浸漬させた後、膨潤工程を、針位置決めセンサーで膨潤した層を連続的に触れることによって観察して、膨潤前後の層の厚さを測定する方法がある。また、表面に触れることなく、光学センサーによって膨潤した層の高さを測定し、そして乾燥層の高さを差し引いて、層の膨潤量を知る方法もある。膨潤度は、モノマーの種類及び比、硬化/架橋の程度(露光線量、光開始剤種類及び量)並びに他の成分(例えば、連鎖移動剤、相乗剤)によって制御することができる。
驚くべきことに、この膜は、その膨潤特性のために、インク受容層として使用するとき、より高い画像濃度及び改良されたオゾン堅牢度を示した。理論によって結び付けられることを望まないで、研究者は、膨潤のために、着色剤がポリマー網状構造の中に含有され、乾燥後に、オゾン及びその他のガスの影響に対して保護されると推定する。膨潤する能力を有しない多孔質網状構造に於いて、着色剤は層の中に深く浸透し、他方、膨潤により、着色剤は、主として、観察された増加した濃度を説明する、層の表面領域内に捕捉されると考えられる。
この多孔質膜には、また、放射線への露光によって架橋しない、1種以上の非硬化性水溶性ポリマー及び/又は1種以上の親水性ポリマーが含有されていてよい。非硬化性水溶性ポリマーは、硬化前に硬化性化合物混合物に添加するか又は硬化後に硬化した膜に適用することができる。
非硬化性水溶性ポリマーに加えて、層中の非硬化性水溶性ポリマーの量基準で、20重量%以下、好ましくは0.5〜5重量%の架橋剤を添加することができる。適切な架橋剤は、欧州特許第A−1,437,229号明細書に記載されている。架橋剤は、単独で又は組合せで使用することができる。
一つの実施形態に於いて、少なくとも2種の混合物が支持体上に被覆され、それらの少なくとも1種は、硬化性化合物混合物であり、硬化及び乾燥後に、少なくとも1個のトップ層及びトップ層よりも支持体に近い少なくとも1個のボトム層を含む膜になる。少なくともトップ層及び好ましくはまたボトム層には、本発明の多孔質膜が含まれる。2層膜構造のために、ボトム層は、好ましくは、3〜50μm、好ましくは7〜40μm、最も好ましくは10〜30μmの乾燥厚さを有し、トップ層は、好ましくは、1〜30μm、好ましくは2〜20μm、最も好ましくは4〜15μmの乾燥厚さを有する。
他の実施形態に於いて、支持体は、少なくとも3個の層で被覆され、それらの少なくとも1個の層、好ましくはトップ(外側)層には、硬化性化合物混合物が含まれる。硬化性組成物を支持体に適用し、硬化し、乾燥した後、少なくとも3個の層を含む膜が形成され、この3個の層には、3〜50μm、好ましくは5〜40μm、最も好ましくは7〜30μmの乾燥厚さを有する少なくとも1個のボトム層、1〜30μm、好ましくは2〜20μm、最も好ましくは3〜15μmの乾燥厚さを有する少なくとも1個の中間層及び中間層の上の少なくとも1個のトップ層が含まれる。トップ層は、好ましくは、10μm未満、好ましくは0.1〜8μm、最も好ましくは0.4〜4μmの乾燥厚さを有する。
好ましい実施形態に於いて、支持体は、2種、3種又は4種以上の硬化性化合物混合物で被覆され、これは、硬化及び乾燥後に、全ての層が本発明の多孔質膜を含む層である、記録媒体になる。前記混合物は、達成したい結果に依存して、同じ又は異なった組成を有してよい。更に、硬化性化合物混合物は、同時に被覆し、次いで硬化させることができ又は連続して被覆し、硬化させることができる。「連続して」は、第一混合物を被覆し、次いで硬化させ、次いで第二混合物を被覆し、硬化させるなどなどを意味する。後者の状況に於いて、第二混合物の少なくとも一部は、第一層に含浸すると思われ、それで、得られる膜の細孔が塞がれるようにならないような注意を払わなくてはならない。
好ましくは、本発明の多孔質膜を含むトップ層及び中間層は、水性溶媒を吸収することができる(多孔質)有機又は無機粒子を本質的に含有しない。更に好ましくは、多孔質膜は、粒子を本質的に含有しない。「本質的に含有しない」は、ここでは、粒子の量又は位置が、光沢又は色濃度に於ける顕著な減少が存在しないようなものであることを意味する。0.1g/m2よりも少ない量が、本質的に含有しないと見なされる。好ましくは、全ての多孔質層は、粒子を本質的に含有しない。例外は、平滑すぎる表面によって起こされる取扱い問題、例えば、粘着を防止するために添加され、好ましくは媒体のトップ層内に低量で添加される、艶消し剤である。通常、多孔質層(群)の全固体含有量の0.5%未満が、艶消し剤によって形成される。
トップ層内に、艶消し剤(また、粘着防止剤としても知られている)を添加して、数個の印刷したインクジェット媒体を積み重ねたとき、摩擦を減少し、画像転写を防止することが望ましいであろう。非常に適切な艶消し剤は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmの粒子サイズを有する。艶消し剤の量は、0.005〜1g/m2、好ましくは0.01〜0.4g/m2である。殆どの場合に、0.1g/m2よりも少ない量で十分である。艶消し剤は、水性組成物中に分散させることができる、無機又は有機材料の粒子として定義することができる。無機艶消し剤には、酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム、アルカリ土類金属塩、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び硫酸マグネシウム並びにガラス粒子が含まれる。有機艶消し剤には、デンプン、セルロースエステル、例えば、酢酸プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、例えば、エチルセルロース及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性ポリマーであり、これには、アルキル(メタ)アクリラート、アルコキシアルキル(メタ)アクリラート、グリシジル(メタ)アクリラート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、例えば、エチレン又はスチレンのコポリマー並びに上記のモノマーと他のモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、スルホアルキル(メタ)アクリラート及びスチレンスルホン酸とのコポリマーが含まれる。更に、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール又はポリ塩化ビニリデンを使用することができる。これらの艶消し剤は、単独で又は組合せで使用することができる。
通常、多孔質膜は、マトリックスの多孔質構造のために不透明な外観を有する。研究によって、より高い画像濃度は、外側層又は層群が幾らか透明であるとき得ることができることが明らかにされた。これは、多孔度がより低いような方法で、外側層の構造を修正することによって達成できる。より低い多孔質のトップ層の追加の利点は、より良い光沢である。溶媒吸収速度は、とりわけ多孔度に依存性であるので、この更に透明なトップ層はかなり薄いことが好ましい。更に透明な層の厚さは、通常、被覆したときのトップ層の厚さに対応していないので、これは、トップ領域としてこの層を参照するように更に修正することができる。画像濃度へのトップ領域の透明性の最大の影響は、着色剤が膜の上部層に固定され、より低い層への着色剤の拡散を防止するとき得られる。固定は、膜の中に媒染剤機能性を含有させることによって達成できる。例えば、硬化性媒染剤を硬化性組成物に添加することができ又は非硬化性である媒染剤を添加することができる。媒染剤は、好ましくは、外側層又は層群の中に、例えば、トップ層及び/又はトップ層の直ぐ下の層の中に添加される。好ましくは、媒染剤は、それを、アニオン性の着色剤との錯体を形成するために適しているようにするカチオン性であり、そして有機又は無機であってよい。有機及び無機媒染剤は、単独で独立に又はお互いと組み合わせて使用することができる。外側層の中に媒染剤を固定するための非常に適切な方法は、例えば、硬化性組成物中にアニオン性硬化性化合物を適用することによって、外側層の中に負電荷を導入することである。
上記のカチオン性媒染剤は、好ましくは、カチオン性基として第一級乃至第三級アミノ基又は第四級アンモニウム塩を有するポリマー性媒染剤であり、カチオン性非ポリマー性媒染剤を使用することもできる。このようなポリマー性媒染剤は、好ましくは、第一級乃至第三級アミノ基若しくはそれらの塩又は第四級アンモニウム塩基を有するモノマー(媒染剤モノマー)のホモポリマー並びにこのような媒染剤モノマーと他のモノマー(以下、非媒染剤モノマーとして参照する)とのコポリマー又は縮合ポリマーである。このようなポリマー性媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子、例えば、ポリウレタンの分散液の形であってよい。適切な媒染剤モノマーは、例えば、1個以上の硬化性基、例えば、ビニル、(ジ)アリル、(メタ)アクリラート、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイル基を含む、アルキル−又はベンジルアンモニウム塩である。
上記のような非媒染剤モノマーは、塩基性又はカチオン性単位、例えば、第一級乃至第三級アミノ基若しくはそれらの塩又は第四級アンモニウム塩を含有せず、インクジェット印刷インク中に含有されている染料との相互作用を、全く示さない又は実質的に僅かに示すモノマーである。このような非媒染剤モノマーは、例えば、アルキル(メタ)アクリラート、シクロアルキル(メタ)アクリラート、アリール(メタ)アクリラート、アラルキルエステル、芳香族ビニル、ビニルエステル、アリルエステルであってよい。上記の非媒染剤モノマーの何れも、単独で又はお互いと組み合わせて使用することができる。
有機媒染剤は、好ましくは、ポリアミン又はポリアリルアミン及びその誘導体であり、その分子量は100,000以下である。ポリアミン及びその誘導体は、如何なる公知のアミンポリマー及びその誘導体であってもよい。このような誘導体は、例えば、ポリアミンと酸(酸は、例えば、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸、有機酸、例えば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、ケイ皮酸、(メタ)アクリル酸など、これらの組合せ又はアミンの一部が塩に転化されたものであってよい)との塩、ポリマー反応によって得られるポリアミンの誘導体、ポリアミンと他の共重合性モノマー(このようなモノマーは、例えば、(メタ)アクリラート、スチレン、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルエステルなどであってよい)とのコポリマーであってよい。
媒染剤として、多価水溶性金属塩又は疎水性金属塩化合物を含む無機媒染剤を使用することも可能である。本発明の無機媒染剤は、好ましくは、アルミニウム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、周期表の第IIIB族のシリーズ中の金属の化合物(塩又は錯体)である。或る種の多価金属イオンは凝集剤であることが知られており、公知の例は、アルミニウム及び鉄(III)塩、例えばポリ(塩化アルミニウム)並びに両イオンの硫酸塩である。これらの化合物は、また、媒染剤として適用することができる。高濃度でこれらの化合物は、水溶液中で他の化合物の存在下で凝集するかもしれないが、より低い濃度で、透明溶液としての適用が可能である。
媒染剤の量は、好ましくは、0.01〜5g/m2、更に好ましくは0.1〜3g/m2である。
媒染剤が比較的小さい分子である場合、媒染剤又は媒染剤−着色剤錯体は、層内で又は他の層に拡散して、低下した鮮鋭度を起こし得る。この問題は、また、長期ブリードとして参照される。媒染剤分子の拡散を防止するための非常に良い方法は、多孔質膜のポリマーマトリックスの中に負電荷を含有させることである。好ましくは、負電荷を有する硬化性化合物を、硬化性組成物に添加する。これらの負に帯電した硬化性化合物の例は、スルホン酸基若しくはカルボン酸基若しくはリン酸基を有するエチレン性不飽和化合物又はこれらの金属(若しくはアンモニウム)塩である。スルホン酸誘導体が、媒染剤とのより強い結合のために、一層好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸−(スルホアルキル)エステル、例えば、スルホプロピルアクリル酸及びスルホプロピルメタクリル酸、(メタ)アクリル(スルホアルキル)アミド、例えば、2−アクリロイルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸、スチレンスルホン酸、イタコン酸−(アルキルスルホン酸)エステル、イタコン酸−ビス(アルキルスルホン酸)エステル、マレイン酸−(アルキルスルホン酸)エステル、マレイン酸−ビス(アルキルスルホン酸)エステル、アルキルスルホン酸アリルエーテル、メルカプト化合物、例えば、メルカプトアルキルスルホン酸並びにこれらの金属/アンモニウム塩。適用するとき、これらの負に帯電した硬化性化合物は、好ましくは、硬化性組成物中の硬化性化合物の重量基準で、30重量%以下の量で、更に好ましくは0.5〜10重量%の量で、最も好ましくは1〜5重量%の量で添加される。モノマー分子は2個以上の負に帯電した基を含有することができ、モノマーのMWは、非常に大きいかもしれないので、導入された負電荷は、重量%によるよりも良く、当量によって表される。好ましくは、本発明の多孔質膜は、0.1ミリ当量(meq)/m2の最小で10meq/m2以下、更に好ましくは0.3〜5meq/m2、最も好ましくは0.5〜3meq/m2を含む。負に帯電した化合物は、1種の組成物又は2個以上の層のための組成物群に添加することができる。
1個以上の官能性チオール基を含有するアニオン性硬化性化合物が特に好ましい。次いで、これらの化合物は、酸素阻害に対してあまり感受性ではないことが知られ、膜の構造への顕著な効果を有する連鎖移動剤として作用する。多孔度はより小さく、表面はより平滑になる。驚くべきことに、連鎖移動剤を適用するとき、比較的低い量でも、画像濃度は増加する。連鎖移動剤の使用の追加の利点は、硬化後の膜の表面の粘着性が少なくなり、構造がより硬くなることである。例には、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸アルキル、メルカプト−プロピルスルホナート、エチルジチオカルボナト−S−スルホプロピルエステル、ジメルカプトプロパンスルホナート及びメルカプトベンゾイミダゾールスルホナートが含まれる。
代わりに、非イオン性である連鎖移動剤を、負に帯電した硬化性化合物に加えて又はその代わりに添加して、構造及び表面特性への同様の効果を得る。適切な物質を含む化合物のクラスは、メルカプタン、ポリメタクリラート、ポリハロアルカン、ベンゾキノン、オキシム、アントラセン、ジスルフィド、塩化スルホニル、スルホキシド、ホスフィン、アルキルアニリン、アルキルアミン及び金属化合物(例えば、アルミニウム、鉄、コバルト、銅塩又は錯体)である。好ましい化合物は、メルカプトエタノール、メルカプトエチルエーテル、メルカプトベンゾイミダゾール、エチルジチオアセタート、ブタンチオール、ジメチルジスルフィド、テトラブロモメタン、ジメチルアニリン、エチレンジオキシジエタンチオール及びトリエチルアミンである。
連鎖移動剤の特別のクラスは、所謂RAFT剤(RAFT=可逆付加−フラグメント化連鎖移動剤(Reversible Addition−Fragmentation chain Transfer))である。このRAFT反応は、制御されたラジカル重合であり、一般的に、非常に狭い分子量分布に至る。適切なRAFT剤には、式R1−C(=S)−S−R2のジチオエステル基、式R1−O−C(=S)−S−R2のキサンタート基又は式R1−S−C(=S)−S−R2のチオキサンタート(トリチオカルボナート)基、式R1−NR−C(=S)−S−R2のジチオカルバマート基(式中、R、R1及びR2は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環式基又はアレーニル基から選択される)が含まれる。例は、エチルジチオアセタート、ベンジル ジチオベンゾアート、クミル ジチオベンゾアート、ベンジル 1−ピロールカルボジチオアート、クミル 1−ピロールカルボジチオアート、o−エチルジチオカルボナト−S−(3−スルホプロピル)エステル、N,N−ジメチル−S−チオベンゾイルチオプロピオンアミド、N,N−ジメチル−S−チオベンゾイルチオアセトアミド、トリチオカルボナート及びジチオカルバマートである。
連鎖移動剤は、好ましくは0.1よりも大きい、更に好ましくは1.0よりも大きい、所謂連鎖移動定数によって特徴付けることができる。0.1よりも小さい移動定数について、効果は達成されないか又は非常に限定された効果のみが達成される。最適量は、硬化性組成物の組成、連鎖移動剤の種類(反応性)及び照射線量に非常に依存し、それで最適濃度は、個別に決定しなくてはならない。連鎖移動剤の高いレベルで、化合物が、支持体に隣接している層内に存在する場合、接着問題が生じ得ることが見出された。多層膜が製造されるとき、連鎖移動剤は好ましくはトップ層中に存在し、この場合、画像濃度への効果は最高であると期待される。非常に高いレベルは、架橋反応を非常に遅延させ、高密度の非多孔質層又は未だ硬化していない層にさえなり得る。好ましくは、連鎖移動剤は、0.001〜1.0ミリモル/硬化性化合物gであろう。殆どの化合物について、好ましい範囲は、0.005〜0.1ミリモル/硬化性化合物gである。膜が2個以上の層からなる場合、上記の範囲は、連鎖移動剤を含有する層又は層群に適用される。
適切な着色剤固定特性のために、負に帯電した着色剤分子に結合することができる、正電荷の残りを有することが重要である。好ましくは、アニオン性硬化性化合物中に存在する負電荷とカチオン性化合物(例えば、媒染剤)中に存在する正電荷との比は、少なくとも1:1、更に好ましくは1:2〜1:10である。
カチオン性媒染剤は、硬化性組成物に添加した場合には、負に帯電した硬化性化合物と共に凝析し得る。従って、一般的に、媒染剤を組成物に添加しないで、媒染剤を、硬化後の多孔質膜に適用することが望ましい。これは、部分的に乾燥した後に又は完全に乾燥した後に、含浸によって行うことができる。含浸は、例えば、溶液を膜の上に被覆若しくはスプレーすることにより又は膜を溶液の中に浸漬することにより実施することができる。計量コーティング、例えば、スライド又はスロットコーティングが好ましい。乾燥した後、多孔質膜を、負電荷がマトリックスの中に組み込まれた部位で媒染剤分子が捕捉されたままにしておく。
好ましい実施形態に於いて、カチオン性媒染剤(の一部)は、硬化後に導入されないで、硬化性組成物中のアニオン性硬化性化合物と組み合わせられる。これらのアニオン性化合物とカチオン性化合物とは、溶液中で錯体を形成し、これは、驚くべきことに、沈殿しないで、溶液中に留まる。これらの錯体は、水との限定された相溶性を有するモノマー混合物中で、より良い溶解度を有すると思われる。この水との限定された相溶性は、これらのモノマー混合物を、相分離を開始するために非常に適しているようにする。単一のイオン性化合物は、それらの電荷のために、電荷がシールドされている錯体よりも親水性であると考えられる。また、両方の方法(硬化性組成物中の導入及び含浸による)の組合せを使用することができる。膜を製造した後、正電荷の残りが存在しないか又はこの残りが高い印刷濃度で染料を固定するために不十分であるとき、膜を形成した後、次の工程に於いて、例えば、含浸によって、追加のカチオン性化合物を添加することができる。それで、最初に硬化性組成物に於いて、アニオン性硬化性化合物中に存在する負電荷と、カチオン性化合物中に存在する正電荷との比は、1よりも大きく、例えば、2:1であってよい。好ましくは、この比を、上記のような次の工程に於いて、更なるカチオン性電荷を導入することによって減少させる。
一般的に、媒染剤は、インクから着色剤(染料)を固定するために適用される。カラープリンタに於いては少なくとも3色が使用され、インクの多数の品種が存在するので、全ての着色剤を固定するために、通常、媒染剤の組合せが必要である。理想的には、このような媒染剤の混合物は、全ての存在する染料を固定することができる。その代わりに、或る種類のインクに対して専用である媒体が開発され、それによって、全ての種類のインクのために適している媒体よりも高い品質が実現できる。
含浸によって、全ての種類の添加物を、多孔質膜の中に入れることができる。好ましくは、これらの添加物は水溶性であるか又はエマルジョンとして分散若しくは添加することができる。多孔質特徴を維持するために、添加する添加物の全量は、膜の全細孔体積よりも低くしなくてはならない。換言すると、細孔は、添加物によって完全に充填されてはならない。含浸溶液のpHは、好ましくは、多孔質膜のpHに匹敵するか又は必要な場合、透明な溶液を得るように調節することができる。含浸溶液は、添加物の種類に依存して、広範囲の濃度で適用することができる。適切な濃度は、1〜20重量%であり、5〜15重量%が更に好ましい。含浸皮膜は単一層であってよいが、多層であってもよい。膜の所望の領域に1種以上の化合物を向けるために、多層が非常に適している。媒染剤及び光学増白剤のような化合物は、好ましくは、膜のトップ領域に存在し、これらの化合物がトップ層に存在する多層により膜を構成することにより、これらの化合物は膜の表面付近に配置されるであろう。含浸溶液のトップ層は、好ましくは、水溶液であり、媒染剤、光学増白剤、界面活性剤、硬化性モノマー、アミン相乗剤、水溶性ポリマー、輸送適性改良/摩擦減少剤、UV吸収剤、染料退色防止剤(ラジカルスカベンジャー、光安定剤、酸化防止剤)、架橋剤及び一般的な添加物、例えば、pH調節剤、粘度調節剤、殺生物剤、有機溶媒を含有していてよい。続く第二硬化は、膜構造を固定し、それによって最終状態が得られる。
また、前記の非硬化性水溶性ポリマーを、含浸によって多孔質膜の中に入れることができる。
1種以上の硬化性組成物に添加することができる又は含浸によって含有させることができる他の添加物は、UV吸収剤、増白剤、酸化防止剤、光安定剤、ラジカルスカベンジャー、防曇剤(anti−blurring agent)、耐電防止剤並びに/又はアニオン性、カチオン性、非イオン性及び/若しくは両性界面活性剤である。
適切な光学増白剤は、例えば、RD11125、RD9310、RD8727、RD8407、RD36544及びウルマンの工業化学百科事典(Ullmann’s Encyclopedia of industrial chemistry)(第A18巻、第153−167頁)に開示されており、チオフェン、スチルベン、トリアジン、イミダゾロン、ピラゾリン、トリアゾール、ビス(ベンゾオキサゾール)、クマリン及びアセチレンを含む。本発明に於いて使用するための好ましい光学増白剤は、水溶性であり、ジスチリルベンゼン、ジスチリルビフェニル、ジビニルスチルベン、ジアミノスチルベン、スチルベニル−2H−トリアゾール、ジフェニルピラゾリン、ベンゾイミダゾール及びベンゾフランのクラスから選択された化合物を含む。好ましい実施形態に於いて、光学増白剤は、カチオン性であり、マトリックス中に存在する負の部位によって捕捉される。これらの試薬を適用する有効な方法は、前記のような含浸によるものである。正に帯電した光学増白剤は、多孔質膜のトップ領域内で優先的に捕捉され、そこでこれらは最大の効果を有する。従って、膜の完全な層(又は多層膜の場合に全ての層)に亘って拡散する傾向があるアニオン性試薬に比較して、より低い量が十分である。適切なカチオン性光学増白剤の市販されている例は、ブランコホル(Blankophor)(登録商標)ACR(バイエル社(Bayer))及びロイコホル(Leucophor)(登録商標)FTS(クラリアント社(Clariant))である。
白色度は、CIELABカラーモデルのb値によって適切に表される。CIE L★a★b(CIELAB)は、人の目に見える全ての色を記載するために一般的に使用されるカラーモデルである。これは、この特別の目的のために、国際照明委員会(International Commission on Illumination)(Commission Internationale d’Eclairage、従って、その名称で、CIE頭字語)によって開発された。このモデルでの3個のパラメーターは、色の輝度(L、最小のLは黒を表す)、赤と緑との間のその位置(a、最小のaは緑を表す)及び黄と青との間のその位置(b、最小のbは青を表す)を表す。非常に白い膜のために、低いb値が好ましく、−5〜−8の値は、非常に明るい白外観を示す。比較的高い値(−4以上)は、更に黄色みを帯びた色を示し、あまり好ましくない。より低い値(−8以下)を有する膜は、青みを帯びる傾向があり、一般的にあまり好ましくない。光学増白剤の量は、好ましくは1g/m2よりも少なく、更に好ましくは0.004〜0.2g/m2、最も好ましくは0.01〜0.1g/m2である。
更に、多孔質膜には、1種以上の光安定剤、例えば、立体障害フェノール、立体障害アミン並びに英国特許第2,088,777号明細書、RD30805、RD30362及びRD31980中に開示されているような化合物が含まれてよい。国際特許出願公開第A−02/55618号明細書に開示されているような水溶性置換ピペリジニウム化合物並びにCGP−520(チバ・スペシャルティ・ケミカルス社(Ciba Specialty Chemicals)、スイス国)及びチソルブ(Chisorb)582−L(ダブル・ボンド・ケミカル社(Double Bond Chemical)、台湾)のような化合物が特に適している。他の添加物は、達成されるべき目的に従って、1種以上の可塑剤、例えば、(ポリ)アルキレングリコール、グリセロールエーテル及び低いTg値を有するポリマーラテックス、例えば、ポリエチルアクリラート、ポリメチルアクリラートなど並びに1種以上の、例えば、欧州特許A−1,437,229号明細書及び欧州特許第A−1,419,984号明細書並びに国際特許出願公開第A−2005/032832号明細書、国際特許出願公開第A−2005/032834号明細書及び国際特許出願公開第A−2006/011800号明細書に記載されているような一般的な添加物、例えば、酸、殺生物剤、pH調節剤、保存剤、粘度調節剤c.q.、安定剤、分散剤、阻害剤、防曇剤、消泡剤、カール防止剤、耐水性付与剤などである。
上記の添加物(UV吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、可塑剤、一般的添加物)は、当業者に公知のものから選択することができ、好ましくは0.01〜10g/m2の範囲内で添加することができる。上記の成分の何れも、単独で又はお互いと組み合わせて使用することができる。これらは、水中に可溶化、分散、ポリマー分散、乳化、油小滴に転換した後に、添加することができ又はマイクロカプセル中にカプセル化することができる。
本発明の多孔質膜は、下記の工程、即ち、
少なくとも1種の硬化性モノマー及び溶媒の混合物を用意する工程、
前記混合物を支持体に適用する工程、
前記混合物を硬化させ、それによって、架橋したモノマーと溶媒との間の相分離を起こさせる工程、
得られる多孔質膜を、洗浄及び/又は乾燥工程に付して、前記溶媒を除去する工程、
この膜を乾燥又は部分乾燥した後に、多孔質膜を再硬化させる工程並びに
任意に、支持体と多孔質膜とを分離する工程
によって製造することができる。
硬化性組成物を架橋させるために、高強度UV光を適用するとき、UVランプ(群)によって熱が発生する。多くのシステムに於いて、ランプが過熱されるようになることを防止するために、空気による冷却が適用される。更に、IR光の顕著な線量が、UVビームと一緒に照射される。一つの実施形態に於いて、被覆された支持体の加熱は、UVランプ(群)と、ランプ(群)の下に案内されている被覆された層との間に、IR反射石英板を置くことによって減少される。
この技術によって、200m/分以下又は300m/分以上のように高い被覆速度が到達できる。所望の線量に達するために、並べた2個以上のUVランプが必要であるかもしれず、そうして被覆された層が2個以上のランプに連続的に露光される。2個以上のランプが適用されるとき、全てのランプは、等しい線量を与えることができ又はそれぞれのランプは個々の設定を有することができる。例えば、第一ランプは、第二及び次のランプよりも高い線量を与えることができ又は第一ランプの露光強度は、より低くてもよい。驚くべきことに、一定線量で、相対強度は、多孔度及び構造に影響を与える光重合反応に微妙な影響を有すると思われる。露光条件を変えることによって、当業者は、達成したいと思っている特性に依存して、工程のための最適な設定を決定することができる。
本発明の全部の利点を得るために、静止支持体表面でバッチ基準で本発明を実施することが可能であるけれども、移動支持体表面、例えば、ロール駆動連続ウエブ又はベルトを使用して、これを連続基準で実施することが非常に好ましい。このような装置を使用して、硬化性組成物を連続基準で作ることができ又はこれを大きいバッチ基準で作ることができ、そしてこの組成物を、駆動連続ベルト支持体表面の上流端の上に、連続的に注ぐか又は他の方法で適用し、照射線源を、組成物適用ステーションの下流のベルトの上に配置し、膜除去ステーションをベルトの更に下流に配置し、膜を、その連続シートの形で取り出す。膜からの溶媒の除去は、ベルトから膜を取る前又は後に実施することができる。この実施形態及び支持体表面から多孔質膜を除去することが望まれる全ての他のもののために、勿論、支持体表面が、それから膜の除去をできるだけ多く容易にするようなものであることが好ましい。このような実施形態の実施のために有用である支持体表面の典型は、平滑なステンレススチールシート又はなお更に良くはテフロン(登録商標)若しくはテフロン(登録商標)被覆金属シートである。連続ベルトを使用するよりもむしろ、支持体表面は、それを、溶液適用ステーションの上流で、連続駆動長さとして、ロールから連続的に解き、次いで放射線ステーションの下流で、その上の多孔質膜と共に再び巻き付けることができるように、それらのロールの形での、消耗品材料、例えば、剥離紙など(しかし溶媒中に可溶性ではない)のものであってよい。
得られる膜が結合したままであり、例えば、多孔質膜の補強強化材又はバッキングとして機能し得る、多孔質シート又は繊維質ウエブの上の皮膜としての又はこれらによって混ぜられ、支持されている溶液の薄い層を形成することも、本発明の範囲内である。多孔質膜が形成されるこのような多孔質支持体表面は、勿論、使用する溶媒中に不溶性である材料のものでなくてはならない。このような実施形態を実施するために使用することができる多孔質支持体表面の典型は、紙、織布及び不織布などである。
多孔質材料が固体支持体から分離されないで、一緒に結合した2個が望ましい最終製品である実施形態が、また認められる。このような実施形態の例は、電気泳動分離に於いて使用されるポリエステルフィルム支持多孔質膜、画像のための記録媒体として使用される透明又は不透明シートに取り付けられた膜などである。
支持体として、透明材料、例えばプラスチックから構成された透明支持体及び不透明材料、例えば紙から構成された不透明支持体の何れも使用することができる。殆どの膜応用のために、存在する場合、支持体は、液体又は気体の通過を可能にするために、多孔質でなくてはならない。これらの多孔質支持体は、紙、織布及び不織布であってよい。不織布の例は、セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどをベースにする材料である。
記録媒体用の透明支持体に使用することができる材料として、透明であり、そしてオーバーヘッド投映(OHP)及びバックライトディスプレイで使用する際に輻射熱に耐える性質を有する材料が好ましい。これらの材料の例には、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、三酢酸セルロース(TAC)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドなどが含まれる。支持体として使用することができる他の材料は、ガラス、ポリアクリラートなどである。とりわけ、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
透明支持体の厚さは特に限定されないけれども、取扱い特性の観点から、50〜200μmが好ましい。
不透明支持体が高い光沢を有するとき、少なくとも5%、好ましくは15%以上の光沢を有する、その上に着色剤受容層が設けられる表面を有する支持体が好ましい。この光沢は、75°で支持体の鏡面表面光沢度を試験する方法(TAPPI T480)に従って得られた値である。
実施形態には、高い光沢を有する紙支持体、例えば、樹脂コート(RC)紙、アート紙で使用されるバライタ紙、コート紙、キャスト・コート紙、銀塩写真用紙のために使用されるような支持体など;白色顔料などを含有することによって、不透明のプラスチックフィルム、例えば、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、セルロースエステル、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドなどを製造することによって高い光沢を有するフィルム(カレンダー処理に付された表面を有していてよい)又は白色顔料を含有する若しくは含有しないポリオレフィンのカバー層が、上記の種々の紙支持体、白色顔料を含有する上記の透明支持体若しくはフィルムなどの表面に設けられている支持体が含まれる。適切な実施形態の例には、白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微細粒子を含有し、延伸によってボイドが形成されている発泡PET)が含まれる。
不透明支持体の厚さは特に限定されないけれども、取扱い特性の観点から、50〜300μmが好ましい。
既に述べたように、記録媒体の重要な特性は光沢である。この光沢は、Dr.Lange Refo 3−D反射率計によって測定したとき、好ましくは20°で20%よりも大きく、更に好ましくは30%よりも大きい。媒体の光沢は、使用する支持体の適切な表面粗さを選択することによって改良できることが見出された。1.0μmよりも小さい、好ましくは0.8μmよりも小さい値Raによって特徴付けられる表面粗さを有する支持体を用意することによって、非常に光沢のある媒体を得ることができることが見出された。Raの低い値は、平滑な表面を示す。Raは、DIN4776に従って、UBM装置、ソフトウエア・パッケージ・バージョン1.62を使用し、下記の設定、即ち、(1)点密度500P/mm、(2)面積5.6×4.0mm2、(3)カットオフ波長0.80mm、(4)速度0.5mm/秒で測定される。
紙を、本発明のための支持体として使用する場合に、紙は、高品質印刷紙で一般的に使用される材料から選択される。一般的に、これは天然木材パルプをベースにし、所望により、充填材、例えば、タルク、炭酸カルシウム、TiO2、BaSO4などを添加することができる。一般的に、紙には、また、内部サイズ剤、例えば、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸、例えばキメン(kymene)、エピクロルヒドリン脂肪酸アミドなどが含まれている。更に、紙には、湿潤及び乾燥補強剤、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエピクロロヒドリン又はデンプンなどが含まれていてよい。紙中の更なる添加物は、固着剤、例えば、硫酸アルミニウム、デンプン、カチオン性ポリマーなどであってよい。普通グレード基紙についてのRa値は、通常、2.0μm以下であり、典型的に、1.0〜1.5μmの値を有してよい。本発明の多孔質層又は少なくとも1個が本発明の多孔質層からなる層群を、この基紙に直接適用することができる。
1.0μm以下のRa値を有する基紙を得るために、このような普通グレード基紙を、顔料で被覆することができる。如何なる顔料も使用することができる。顔料の例は、炭酸カルシウム、TiO2、BaSO4、クレー、例えばカオリン、スチレン−アクリルコポリマー、Mg−Al−シリケートなど又はこれらの組合せである。その量は、0.5〜35.0g/m2、更に好ましくは2.0〜25.0g/m2である。紙は、片側で又は両側で被覆することができる。上記の量は、片側で被覆する量である。両側を被覆する場合は、全量は、好ましくは、4.0〜50g/m2である。この顔料入り被覆物は、適切なバインダー、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリラートラテックス、メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール、変性デンプン、ポリアクリラートラテックス又はこれらの組合せと一緒の、水中の顔料スラリーとして、ディップコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、バーコーティング、サイズプレス又はフィルムプレスのような、当該技術分野で公知のどのような技術によっても適用することができる。顔料被覆した基紙を、任意に、カレンダー加工することができる。表面粗さは、使用する顔料の種類により並びに顔料の組合せ及びカレンダー加工により影響を受け得る。顔料被覆した基紙支持体は、好ましくは、0.4〜0.8μmの表面粗さを有する。表面粗さを、0.4μm以下の値にまで、超カレンダー加工によって更に減少させる場合、厚さ及び剛性値は、一般的に、かなり低くなるであろう。
少なくとも1個が本発明の多孔質層を含む多孔質層又は層群は、顔料被覆した基紙に直接適用することができる。
他の実施形態に於いて、顔料入りトップ側及びバック側を有する顔料被覆した基紙は、少なくともトップ側上に、高温度共押出によってポリマー樹脂が設けられ、ラミネート顔料被覆基紙を与える。典型的に、この(共)押出方法に於ける温度は、280℃以上であるが、350℃以下である。使用される好ましいポリマーは、ポリオレフィン、特にポリエチレンである。好ましい実施形態に於いて、トップ側のポリマー樹脂には、ラミネート顔料被覆基紙の白色度を改良するために、不透明白色顔料、例えば、TiO2(アナターゼ又はルチル)、ZnO又はZnS、染料、青味剤、例えば、ウルトラマリン若しくはコバルトブルーを含む着色顔料、接着促進剤、光学増白剤、酸化防止剤などのような化合物が含まれている。白色顔料以外のものを使用することによって、ラミネート顔料被覆基紙の種々の色を得ることができる。ラミネート顔料被覆基紙の全重量は、好ましくは、80〜350g/m2である。ラミネート顔料被覆基紙は、非常に良好な平滑度を示し、適用した後、本発明の多孔質層又は層群を含む多孔質層又は層群は、優れた光沢を有する記録媒体になる。
他方、製造したいと思う製品に依存して、当該技術分野で公知のような、マット表面又は絹目表面を有するポリエチレン被覆紙を使用することができる。このような表面は、ポリエチレンを紙支持体の上に押し出す際に、エンボス処理を行うことによって得られる。
上記の説明から明らかなように、本発明の多孔質層を含む記録媒体は、支持体の上に適用された単一層又は複数層であってよい。これは、また、非多孔質であり、多孔質層の下に配置された層を含んでいてよい。
本発明の多孔質層又は層群を含む媒体は、好ましい細孔サイズ及び多孔度が得られる限り、1個の単一工程又は連続工程群で被覆することができる。
被覆方法として、どのような方法も使用することができる。例えば、カーテンコーティング、押出コーティング、エアーナイフコーティング、スライドコーティング、ロールコーティング方法、リバースロールコーティング、ディップコーティング、ロッドバーコーティング。このコーティングは、使用する実施形態に依存して、同時に又は連続的に行うことができる。高速コーティング機械で使用するための十分に流動性の組成物を製造するために、粘度は、25℃で4000mPa・sを超えないことが好ましく、更に好ましくは、それは25℃で1,000mPa・sを超えてはならない。
皮膜を、前記の支持体材料の表面に適用する前に、濡れ性及び接着性を改良する目的のために、この支持体を、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外光照射処理などに付すことができる。
記録媒体として使用するとき、本発明の膜を、多数の記録応用のために使用することができ、それで、例えば、ジェット印刷(Giclee)、カラーコピー、スクリーン印刷、グラビア、染料昇華、フレキソグラフィ、インクジェットなどのような技術を使用することによって、高品質画像を作るために適している記録媒体を提供することは、本発明の範囲内である。
(インクジェット)記録媒体に於ける応用を除いて、多孔質膜は、種々の他の応用に於いて、例えば、水処理用の膜に於いて、化学及び石油化学工業に於いて、塗料の電着塗装に於ける限外濾過工程のために、食品工業に於いて、例えば、チーズの製造工程、果物ジュースの清澄化及びビール製造に於いて、有機溶媒に対する高抵抗性膜が必要である医薬工業に於いて並びに特にタンパク質による汚染に起因する流束減少を回避する必要があるバイオテクノロジー工業に於いて用途を見出している。この膜は、適切な成分及び工程条件を選択することによって、ナノ濾過又は逆浸透のために適切にすることができる。本発明に従った多孔質膜の親水性特性は、膜の汚染速度の顕著な低下になり、それを、従来のマイクロ−及び限外濾過が適用される他の応用の全ての種類のために適するようにする。
本発明を、下記の限定されない実施例によって、更に詳細に例示する。他の方法で記載しない限り、全ての記載した比及び量は、重量基準である。
サンプル1
下記の被覆溶液を、一定で撹拌しながら、室温で製造した。
3種の層概念を適用した。ボトム層、中間層及びトップ層を、支持体の上に適用する。
ボトム層(BL)のために、下記の溶液を使用した。
Figure 2009502582
中間層(ML)のために、下記の溶液を使用した。
Figure 2009502582
トップ層(TL)のために、下記の溶液を使用した。
Figure 2009502582
CN−132は、クレイ・バレイ社によって供給されたアクリラートモノマーである。
CN−435は、クレイ・バレイ社によって供給されたアクリラートモノマーである。
GMA−ゼラチンは、1:10の重量比でのGMA変性ゼラチンの22%水溶液である。GMAは、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich)によって供給されたグリシジルメタクリラートである。使用したゼラチンは、加水分解した酸処理豚皮ゼラチン(7−8kDa)であった。
AAMPSAは、シグマ・アルドリッチ社によって供給された2−アクリロイルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸モノマーである。
イルガキュア(登録商標)2959は、チバ・スペシャルティ・ケミカルス社によって供給された光開始剤である。
ゾニル(登録商標)FSNは、デュポン社によって供給されたフルオロ界面活性剤である。
PA10は、GMA変性ゼラチン(重量比GMA:ゼラチンは1:10である)の13%溶液中の、アルケマ社(Arkema)によって供給された、10μmの平均サイズを有するオルガゾル(Orgasol)(登録商標)2001ポリアミドビーズの10%分散液である。
支持体として、両面にラミネートしたポリエチレンを有する写真グレード紙を使用した。
溶液BL処方A、ML処方A及びTL処方Aを、単一工程で、スライドコーティング機により、24m/分の被覆速度で被覆した。ボトム層、中間層及びトップ層のために、それぞれ40、15及び5cc/m2の量を適用した。
被覆して1.2秒後に、焦点を合わせて置いた、ヒュージョン・ユーブイ・システムズ社のライト・ハンマー(Light Hammer)(登録商標)6ランプを使用して、60%の強度(約130mJ/cm2UV−Bに対応する)で、UV硬化を適用した。この工程の後で、硬化したサンプルを、40℃、8%RHで3分間乾燥させた。
サンプル2
TL処方Bを、バーコーターを使用して、支持体(ポリエチレンラミネート紙)の上に、約40μmの湿潤厚さを有する層になるように、単一層として被覆した。この被覆したシートを、ランプからの冷却空気流から被覆したシートを保護するために、透明なUV半透明ポリプロピレン箔で覆った箱の中に置く。被覆したシートを、UV光発光ランプ(共にヒュージョンUV社によって供給された、ベンチトップコンベヤーLC6E内に備えられた、ライト・ハンマー(登録商標)6)の下に、24m/分の速度で、80%のパワーレベル(約180mJ/cm2UV−Bに対応する)で供給する。塗布と硬化との間の時間を、30秒以内に維持する。硬化後に、被覆したシートを、40℃で30分間乾燥させる。
乾燥及び貯蔵後に、両方のサンプルを、上記のUVヒュージョン・ベンチトップモデルにより、100%ランプ強度を使用し、30m/分の被覆速度で、追加的に(再)硬化させた。
評価
引掻感度試験を、ハイドン(Heidon)16引掻強度試験器で、1mm直径の針を使用し、10mm/秒の速度で実施する。表1に示す数字は、透明な引掻を見ることができる重量である。適用した重量は、下記の重量シリーズ、即ち、5−10−20−50−100グラムで増加する。
結果
表1
Figure 2009502582
再硬化によって、耐引掻性が明らかに改良される。サンプル1とサンプル2との比較は、光開始剤の量のような処方組成が、非常に重要な役割を演じることを示している。この濃度を増加させると、耐引掻性が劇的に改良される。

Claims (14)

  1. 少なくとも1種の硬化性モノマー及び溶媒の混合物を用意する工程、
    前記混合物を支持体に適用する工程、
    前記混合物を硬化させ、それによって、架橋したモノマーと溶媒との間の相分離を起こさせる工程、
    得られる多孔質膜を、洗浄及び/又は乾燥工程に付して、前記溶媒を除去する工程並びに
    任意に、支持体と多孔質膜とを分離する工程
    によって得ることができる多孔質膜であって、硬化工程の後で、乾燥又は部分乾燥工程及びこれに続く再硬化工程を実施することを特徴とする多孔質膜。
  2. 前記膜に、水性溶媒を吸収することができる無機粒子又は有機粒子が本質的に含有されていない、請求項1に記載の膜。
  3. 前記膜が、添加物を含有する水溶液によって含浸される、前記請求項の何れか1項に記載の膜。
  4. 前記膜が、第一硬化工程の後で、再硬化工程の前に含浸される、前記請求項の何れか1項に記載の膜。
  5. 前記膜が、少なくとも2個の層を含む、前記請求項の何れか1項に記載の膜。
  6. 前記混合物が、光開始剤の存在下でUV光による照射によって硬化される、前記請求項の何れか1項に記載の膜。
  7. 前記光開始剤が、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、α−スルホニルアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド又はこれらの組合せである、請求項7に記載の膜。
  8. 硬化工程に於けるUV光の線量が、装置によって示されるUV−B範囲内で、高エネルギーUVラジオメーター(EIT−インスツルメント・マーケッツ社からのUVパワーパック(登録商標))によって測定したとき、40〜600mJ/m2である、請求項7及び8に記載の膜。
  9. 再硬化工程に於けるUV光の線量が、装置によって示されるUV−B範囲内で、高エネルギーUVラジオメーター(EIT−インスツルメント・マーケッツ社からのUVパワーパック(登録商標))によって測定したとき、80〜300mJ/m2である、請求項7から9の何れか1項に記載の膜。
  10. 前記膜が、前記膜の乾燥厚さ基準で5〜100%の膨潤度を有する、前記請求項の何れか1項に記載の膜。
  11. 支持体及び前記請求項の何れか1項に記載の多孔質膜を含む記録媒体。
  12. 前記支持体が、バックライト応用のために適している透明支持体であり、そしてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリカーボネート及びポリアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の媒体。
  13. 前記支持体が反射性支持体であり、そして紙支持体、プラスチックフィルム及び任意に白色顔料を含有するポリオレフィンのカバー層が設けられている支持体からなる群から選択される、請求項11に記載の媒体。
  14. ジェット印刷、カラーコピー、スクリーン印刷、グラビア、染料昇華、フレキソグラフィ及び/又はインクジェット印刷を使用して、その上に画像又は文字を印刷するための、請求項11から13の何れか1項に記載の媒体の使用。
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