JP2014013950A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】互いに異なる複数のX線の線量の一様照射から複数のゲイン補正用画像を取得し、その取得された複数のゲイン補正用の画像から、X線が入射される線量を示す入射線量と、ゲイン補正用画像の画素値(出力値)との関係を表したゲイン補正係数の近似式(一次式f(x)、多項式g(x))を求める。その近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正することで、特定線量以外の広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる。より好ましくは、低線量領域では一次式f(x)で近似し、高線量領域では多項式g(x)で近似する。
【選択図】図5

Description

この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野などに用いられる撮像装置に関する。
電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置についてX線を入射して電荷情報に変換する場合を例に採って説明する。撮像装置は、X線感応型のX線変換層を備えており、X線の入射によりX線変換層はキャリア(電荷情報)に変換する。X線変換層としては非晶質の半導体としてアモルファスセレン(a−Se)膜、近年では多結晶化合物半導体としてCdTe膜が用いられる。
また、撮像装置は、X線変換層で変換されたキャリアを蓄積して読み出す回路を備えている。この回路は、図6に示すように、2次元状に配列した複数のゲートラインGおよびデータラインDで構成されているとともに、キャリアを蓄積するコンデンサCaおよびそのコンデンサCaに蓄積されたキャリアをON/OFFの切り換えで読み出す薄膜トランジスタ(TFT)Trを2次元状に配列して構成されている。ゲートラインGは、各々の薄膜トランジスタTrのON/OFF切り換えを制御し、かつ各々の薄膜トランジスタTrのゲートに電気的に接続されている。データラインDは、薄膜トランジスタTrの読み出し側に電気的に接続されている。
各々のコンデンサCaや各々の薄膜トランジスタTrなどで各検出素子を構成しており、ゲートラインGを選択することで、その選択されたゲートラインGに電気的に接続された検出素子を駆動させてキャリアの読み出しを行う。
ところで、アンプの出力は個々にバラツキがあり、ゲイン(利得)を調整するゲイン補正(感度補正)を行う必要がある。従来のゲイン補正(感度補正)方法では、ある線量での一様照射に基づいてゲイン補正用画像(一様照射画像)を取得する。取得された一様照射画像から画素毎に利得補正係数(ゲイン補正係数)を算出し、全ての画素の出力値(画素値)が一定になるように、画素毎に算出された係数で処理することで画素毎のバラツキを低減させて出力値を均一にする。例えば、図7(b)に示すように、全画素の平均値をA、図7(a)に示すように、一様照射画像の画素1の出力をf、画素2の出力をg、画素3の出力をh、画素4の出力をiとすると、画素1の出力に係数A/f、画素2の出力に係数A/g、画素3の出力に係数A/h、画素4の出力に係数A/iを乗算することで、画素の出力値をAに均一にする。そして、実際の画像を取得したら、これらの係数を各画素毎の画素値に乗算して処理するゲイン補正を行うことで、画素毎のバラツキが低減した画像が得られる。
なお、マップやテーブルに補正係数を予め記憶して画素毎に補正する技術としては、ゲイン補正以外にも、ダーク信号量の減算を行う手法がある。具体的に説明すると、X線の照射時とは関係なく、X線の非照射時においても暗電流は存在し、非照射時の暗電流がダーク信号(「暗電流信号」とも呼ばれる)として読み出される。そして、ダーク信号を読み出して測定して、そのダーク信号量の減算を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−312805号公報
しかしながら、従来の感度補正方法では、ある特定線量のみでゲイン補正を行うので、補正の対象となる画像における入射線量が当該特定線量から外れれば外れるほど、補正感度が悪化する問題がある。この問題は、X線変換層の材料としてアモルファスセレンでなく、CdTe膜などに代表される多結晶化合物半導体を使用した場合に顕著になる。CdTe膜の感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きいからである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明の撮像装置は、光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、その変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路とを備え、その蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、互いに異なる複数の光または放射線の線量の一様照射からゲイン補正に用いられるための複数の画像を取得する画像取得手段と、その画像取得手段で取得された複数の画像から、光または放射線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と、前記画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を求める近似式算出手段と、その近似式算出手段で求められた前記近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正するゲイン補正手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の特許文献1のダーク信号量を含んだ信号と蓄積時間とを一次関数で線形補間する技術のように、ゲイン補正においても線形補間することで、特定線量以外のゲイン補正を行うことが可能である。具体的には、図8に示すように、出力値(すなわち画素値)を横軸にとり、入射線量を縦軸にとったグラフで、一様照射で得られて測定された特定線量での出力値(図8中の●を参照)とグラフの原点とを直線で結んで線形補間することで、特定線量以外の広い入射線量範囲でゲイン補正を行うことが可能である。しかし、上述したように、感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きい変換層を用いた場合には、図8に示す線形補間では補正感度が向上されない。そこで、この発明の撮像装置によれば、互いに異なる複数の光または放射線の線量の一様照射から画像取得手段はゲイン補正に用いられるための複数の画像を取得する。その画像取得手段で取得された複数の画像から、光または放射線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と、画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を近似式算出手段は求める。その近似式算出手段で求められた近似式は、線形補間で得られたものでなく、複数の入射線量と画像取得手段で取得された複数の画像から得られて近似されたものであるので、たとえ感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きい変換層を用いたとしても、その近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正手段がゲイン補正することで、特定線量以外の広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる。
なお、入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表した近似式の領域にわたって、全領域で同じ近似式を用いると補正感度が全領域で向上される訳ではないことが判明した。例えば、近似式が多項式の場合には、全領域で同じ多項式を用いると、入射線量が多い領域(高線量領域)での補正感度は改善されるが、入射線量が少ない領域(低線量領域)での補正精度が悪化することが判った。
図9では、アモルファスセレンを用いて近似式によりゲイン補正を行ったときの入射線量(図9では「線量」で表記)に対するSN比(図9では「S/N」で表記)の変化を示している。図9中の「2×2」とは縦横2×2画素(合計4画素)を1つの画素にまとめたビニングモードを示す。なお、ビニングモードでは、1つの画素にまとめる際には対象となる複数の画素の画素値を加算したのをビニング後の画素の画素値としてもよいし、対象となる複数の画素の画素値を加算平均(相加平均)したのをビニング後の画素の画素値としてもよい。図9中の「2×2 Se1次」とは、ビニングモードにおいてアモルファスセレンを用いて一次式によりゲイン補正を行ったときの入射線量に対するSN比であり、図9中の「2×2 Se3次」とは、ビニングモードにおいてアモルファスセレンを用いて三次式によりゲイン補正を行ったときの入射線量に対するSN比であり、図9中の「2×2 Se1次+2次」とは、ビニングモードにおいてアモルファスセレンを用いて低線量領域では一次式により、高線量領域では二次式によりゲイン補正を行ったときの入射線量に対するSN比である。低線量領域では一次式により、高線量領域では二次式によりゲイン補正を行う際には、図9では、点線よりも線量が少ない領域で一次式によるゲイン補正を行い、点線よりも線量が多い領域で二次式によるゲイン補正を行う。
図9の■に示すように、一次式によりゲイン補正を行ったときには低線量領域ではSN比が向上するが、高線量領域ではSN比が頭打ちになっている。したがって、CdTe膜などに代表される多結晶化合物半導体を用いた場合には、高線量領域では補正精度が悪化するのが見込まれる。また、図9の▲に示すように、三次式によりゲイン補正を行ったときには高線量領域ではSN比が向上するが、低線量領域では一次式のときよりもSN比が低い。したがって、CdTe膜などに代表される多結晶化合物半導体を用いた場合には、低線量領域では補正精度が悪化するのが見込まれる。一方、図9の●に示すように、低線量領域では一次式により、高線量領域では二次式によりゲイン補正を行ったときには、全領域にわたってSN比が向上している。
以上のことを鑑みると、上述した発明において、入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表した近似式の領域を、入射線量の大きさに応じて複数の領域に分割して、分割された各々の領域内で入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表した近似式をそれぞれ求め、互いに隣り合う領域の近似式を滑らかに接続することで、上述の近似式算出手段は、全領域での近似式を求めるのが好ましい。ここで、「滑らかに接続する」とは、互いに隣り合う領域間の境界をxとし、各近似式をそれぞれf(x),g(x)としたときに、f(x)=g(x)、f´(x)=g´(x)の境界条件をともに満たすことを示す。ここで、f´(x)はf(x)をxで微分したものであり、g´(x)はg(x)をxで微分したものである。なお、一次微分のみならず、二次微分においても、f´´(x)=g´´(x)の境界条件を満たすようにしてもよい。このように全領域での近似式を求めることで、各領域で感度特性が異なる場合であっても、全領域にわたって高い感度補正精度の画像を取得することができる。
さらに、近似式を一次式あるいは多項式で近似し、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似式算出手段は近似する。ここでの多項式は、一次式を除いた式であって、二次式以上を含む。後述する図5に示すように、出力値を横軸にとり、入射線量を縦軸にとると、入射線量が多くなるにしたがって近似式の傾きが大きくなって、入射線量がどんなに多くなっても、出力値が所定の値に飽和することが予想される。したがって、入射線量が少ない領域(低線量領域)では低次の多項式(一次式を含む)で近似し、入射線量が多い領域(高線量領域)では高次の多項式で近似することで、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似する。このように近似することで、近似式を一次式あるいは多項式で表現して、全領域にわたって高い感度補正精度の画像を取得することができる。
さらに、上述の分割された領域のうち、最も入射線量が少ない領域では一次式で近似するとともに、それ以外の領域では多項式で近似式算出手段は近似する。最も入射線量が少ない領域では一次式による線形補間が可能で、一次式によりゲイン補正を行うことで、図9の●に示すように、SN比が向上し、それ以外の領域では、多項式によりゲイン補正を行うことでSN比が向上する。
上述したこれらの発明において、変換層の一例は、多結晶化合物半導体である。多結晶化合物半導体の場合には、上述したようにその感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きいので、この発明を適用することでゲイン補正による効果が大きい。もちろん、非晶質の化合物半導体あるいは半導体単体、あるいは多結晶半導体に適用してもよい。多結晶化合物半導体の一例は、CdTeまたはCdZnTeである。
この発明に係る撮像装置によれば、互いに異なる複数の光または放射線の線量の一様照射から画像取得手段はゲイン補正に用いられるための複数の画像を取得し、その画像取得手段で取得された複数の画像から、光または放射線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と、画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を近似式算出手段は求め、その近似式算出手段で求められた近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正手段がゲイン補正することで、特定線量以外の広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる。
実施例に係るX線撮影装置の概略ブロック図である。 X線撮影装置のX線変換層周辺の概略断面図である。 X線撮影装置の電荷電圧変換アンプやA/D変換器の周辺回路図である。 一連の制御シーケンスの流れを示すフローチャートである。 感度特性の実測データである。 従来のX線撮影装置の概略ブロック図である。 ゲイン補正の説明に供する模式図であって、(a)はゲイン補正前の画素値、(b)はゲイン補正後の画素値である。 線形補間の模式図である。 それぞれでゲイン補正を行ったときの入射線量に対するSN比の変化のグラフである。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線撮影装置の概略ブロック図であり、図2は、X線撮影装置のX線変換層周辺の概略断面図であり、図3は、X線撮影装置の電荷電圧変換アンプやA/D変換器の周辺回路図である。本実施例では、入射する放射線としてX線を例に採って説明するとともに、撮像装置としてX線撮影装置を例に採って説明する。
本実施例に係るX線撮影装置は、被検体にX線を照射して撮像を行う。具体的には、被検体を透過したX線像がX線変換層(本実施例ではCdTe膜)上に投影されて、像の濃淡に比例したキャリア(電荷情報)が層内に発生することでキャリアに変換される。
X線撮影装置は、図1に示すように、後述するゲートラインGを選択するゲート駆動回路1と、X線変換層23(図2を参照)で変換されたキャリアを蓄積して読み出すことでX線を検出する検出素子用回路2と、その検出素子用回路2で読み出されたキャリアを電圧に変換した状態で増幅する電荷電圧変換アンプ3と、その電荷電圧変換アンプ3で増幅された電圧のアナログ値からディジタル値に変換するA/D変換器4と、そのA/D変換器4でディジタル値に変換された電圧値に対して信号処理を行って画像を得る画像処理部5と、これらの回路1,2や電荷電圧変換アンプ3やA/D変換器4や画像処理部5や後述するメモリ部7やモニタ9などを統括制御するコントローラ6と、処理された画像などを記憶するメモリ部7と、入力設定を行う入力部8と、処理された画像などを表示するモニタ9とを備えている。本明細書では、キャリアや画像などの情報を、画像に関する画像情報とする。X線変換層23は、この発明における変換層に相当し、検出素子用回路2は、この発明における蓄積・読み出し回路に相当する。
ゲート駆動回路1は複数のゲートラインGに電気的に接続されている。ゲート駆動回路1から各ゲートラインGに電圧を印加することで、後述する薄膜トランジスタ(TFT)TrをONにして後述するコンデンサCaに蓄積されたキャリアの読み出しを開放し、各ゲートラインGへの電圧を停止する(電圧を−10Vにする)ことで、薄膜トランジスタTrをOFFにしてキャリアの読み出しを遮断する。なお、各ゲートラインGに電圧を印加することでOFFにしてキャリアの読み出しを遮断し、各ゲートラインGへの電圧を停止することでONにしてキャリアの読み出しを開放するように、薄膜トランジスタTrを構成してもよい。
検出素子用回路2は、2次元状に配列した複数のゲートラインGおよびデータラインDで構成されているとともに、キャリアを蓄積するコンデンサCaおよびそのコンデンサCaに蓄積されたキャリアをON/OFFの切り換えで読み出す薄膜トランジスタTrを2次元状に配列して構成されている。ゲートラインGは、各々の薄膜トランジスタTrのON/OFF切り換えを制御し、かつ各々の薄膜トランジスタTrのゲートに電気的に接続されている。データラインDは、薄膜トランジスタTrの読み出し側に電気的に接続されている。
説明の便宜上、本実施例では、縦・横式2次元マトリックス状配列で10×10個の薄膜トランジスタTrおよびコンデンサCaが形成されているとする。すなわち、ゲートラインGは、10本のゲートラインG1〜G10からなり、データラインDは、10本のデータラインD1〜D10からなる。各ゲートラインG1〜G10は、図1中のX方向に並設された10個の薄膜トランジスタTrのゲートにそれぞれ接続され、各データラインD1〜D10は、図1中のY方向に並設された10個の薄膜トランジスタTrの読み出し側にそれぞれ接続されている。薄膜トランジスタTrの読み出し側とは逆側にはコンデンサCaが電気的に接続されており、薄膜トランジスタTrとコンデンサCaとの個数が一対一に対応する。
また、検出素子用回路2は、図2に示すように、検出素子DUが2次元マトリックス状配列で絶縁基板21にパターン形成されている。すなわち、絶縁基板21の表面に、各種真空蒸着法による薄膜形成技術やフォトリソグラフィ法によるパターン技術を利用して、上述したゲートラインG1〜G10およびデータラインD1〜D10を配線し、薄膜トランジスタTr,コンデンサCa,キャリア収集電極22,X線変換層23および電圧印加電極24を順に積層形成することで構成されている。
X線変換層23は、X線感応型の半導体厚膜で形成されており、本実施例では、CdTe膜で形成されている。X線変換層23は、X線の入射によりX線の情報を電荷情報であるキャリアに変換する。なお、X線変換層23は、X線の入射によりキャリアが生成されるX線感応型の物質であれば、CdTeに限定されない。また、X線以外の放射線(γ線など)を入射して撮像を行う場合には、X線変換層23の替わりに、放射線の入射によりキャリアが生成される放射線感応型の物質を用いてもよい。また、光を入射して撮像を行う場合には、X線変換層23の替わりに、光の入射によりキャリアが生成される光感応型の物質を用いてもよい。
キャリア収集電極22は、コンデンサCaに電気的に接続されており、X線変換層23で変換されたキャリアを収集してコンデンサCaに蓄積する。このキャリア収集電極22も、薄膜トランジスタTrおよびコンデンサCaと同様に、縦・横式2次元マトリックス状配列で多数個(本実施例では10×10個)形成されている。それらキャリア収集電極22,コンデンサCaおよび薄膜トランジスタTrが各検出素子DUとしてそれぞれ分離形成されている。また、電圧印加電極24は、全検出素子DUの共通電極として全面にわたって形成されている。
電荷電圧変換アンプ3は、図3に示すように、各々のデータラインD(図3ではD1〜D10)に電気的に接続されたアンプ31と、各々のデータラインDに電気的に接続されたアンプ用コンデンサ32と、データラインD毎のアンプ31およびアンプ用コンデンサ32に電気的に並列に接続されたサンプルホールド33と、データラインD毎のサンプルホールド33に電気的に接続されたスイッチング素子34とを備えている。また、アンプ31と検出素子用回路2のデータラインDの端部とは、スイッチング素子SWを介して、データラインD毎に電気的に接続されている。データラインDに読み出されたキャリアを、スイッチング素子SWがONにして電荷電圧変換アンプ3のアンプ31およびアンプ用コンデンサ32に送り込む。送り込まれたキャリアを、アンプ31およびアンプ用コンデンサ32が電圧に変換した状態で増幅し、増幅された電圧値をサンプルホールド33は所定時間だけ一旦蓄積する。一旦蓄積された電圧値を、スイッチング素子34をONにしてA/D変換器4に送り込み、送り込まれた電圧のアナログ値からディジタル値にA/D変換器4は変換する。
図1の説明に戻って、画像処理部5は、A/D変換器4でディジタル値に変換された電圧値に対して各種の信号処理を行って画像を求める。コントローラ6は、回路1,2や電荷電圧変換アンプ3やA/D変換器4や画像処理部5や後述するメモリ部7やモニタ9などを統括制御し、本実施例では(1)互いに異なる複数のX線の線量の一様照射からゲイン補正に用いられるための複数の画像(「ゲイン補正用画像」と呼ぶ)を取得する機能(画像取得の機能)、(2)その画像取得の機能で取得された複数の画像(ゲイン補正用画像)から、X線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と、画像取得の機能で取得されたゲイン補正用画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を求める機能(近似式算出の機能)および(3)その近似式算出の機能で求められた近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正する機能(ゲイン補正の機能)をも備えている。画像処理部5およびコントローラ6は、中央演算処理装置(CPU)や、プログラマブルロジックデバイス(FPGA)などの組み合わせで構成されている。コントローラ6は、この発明における画像取得手段,近似式算出手段およびゲイン補正手段に相当する。
メモリ部7は、画像情報などを書き込んで記憶し、コントローラ6からの読み出し指令に応じて画像情報などがメモリ部7から読み出される。メモリ部7は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。なお、画像情報の書き込みにはRAMが用いられ、例えば制御シーケンスに関するプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ6に実行させる場合には、制御シーケンスに関するプログラムの読み出し専用にはROMが用いられる。本実施例では、複数のゲイン補正用画像を取得し、入射線量と(ゲイン補正用画像の画素値である)出力値との関係の近似式を求め、近似式を用いてゲイン補正する制御シーケンスに関するプログラムをメモリ部7に記憶させ、そのプログラムの読み出しによって制御シーケンスをコントローラ6に実行させる。
その他に、メモリ部7は、取得された複数のゲイン補正用画像を記憶(登録)するゲイン補正用画像登録部7aを備えている。
入力部8は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイス、あるいはボタンやスイッチやレバーなどの入力手段で構成されている。入力部8に入力設定すると、入力設定データがコントローラ6に送り込まれ、入力設定データに基づいて回路1,2や電荷電圧変換アンプ3やA/D変換器4や画像処理部5やメモリ部7やモニタ9などが制御される。
続いて、本実施例のX線撮影装置の制御シーケンスについて説明する。電圧印加電極24に高電圧(例えば数10V〜数100V程度)のバイアス電圧Vを印加した状態で、検出対象であるX線を入射させる。
X線の入射によってX線変換層23でキャリアが生成されて、そのキャリアが電荷情報としてキャリア収集電極22を介してコンデンサCaに蓄積される。ゲート駆動回路1の信号(ここではキャリア)読み出し用の走査信号(すなわちゲート駆動信号)によって、対象となるゲートラインGが選択される。本実施例では、ゲートラインG1,G2,G3,…,G9,G10の順に1つずつ選択されるものとして説明する。また、ゲート駆動回路1からの信号読み出し用の走査信号は、ゲートラインGに電圧(例えば15V程度)を印加する信号である。
ゲート駆動回路1から対象となるゲートラインGを選択して、選択されたゲートラインGに接続されている各薄膜トランジスタTrが選択指定される。この選択指定で選択指定された薄膜トランジスタTrのゲートに電圧が印加されてON状態となる。その選択指定された各薄膜トランジスタTrに接続されているコンデンサCaから蓄積されたキャリアが、選択指定されてON状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、データラインDに読み出される。すなわち、選択されたゲートラインGに関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、データラインDに読み出される。
具体的には、データラインDに接続されている電荷電圧変換アンプ3のアンプ31がリセットされて、さらに薄膜トランジスタTrがON状態(すなわちゲートがON)に移行することで、キャリアがデータラインDに読み出され、電荷電圧変換アンプ3のアンプ31およびアンプ用コンデンサ32にて電圧に変換された状態で増幅される。
つまり、各検出素子DUのアドレス(番地)指定は、ゲート駆動回路1からの信号読み出し用の走査信号と、データラインDに接続されているアンプ31の選択とに基づいて行われる。
先ず、ゲート駆動回路1からゲートラインG1を選択して、選択されたゲートラインG1に関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、全データラインD同時に読み出されて、サンプルホールド後にデータラインD1〜D10の順にA/D変換器4にてディジタル値に変換される。次に、ゲート駆動回路1からゲートラインG2を選択して、同様の手順で、選択されたゲートラインG2に関する検出素子DUが選択指定されて、その選択指定された検出素子DUのコンデンサCaに蓄積されたキャリアが、全データラインD同時に読み出されて、サンプルホールド後にデータラインD1〜D10の順にA/D変換器4にてディジタル値に変換される。残りのゲートラインGについても同様に順に選択することで、2次元状のキャリアを読み出す。
読み出された各キャリアはアンプ31およびアンプ用コンデンサ32で電圧に変換された状態でそれぞれ増幅されて、サンプルホールド33で一旦蓄積されて、A/D変換器4でアナログ値からディジタル値に変換される。このディジタル値に変換された電圧値に基づいて、画像処理部5は各種の信号処理を行って、2次元状の画像を得る。得られた2次元状の画像やキャリアなどに代表される画像情報は、コントローラ6を介してメモリ部7に書き込まれて記憶され、必要に応じてコントローラ6を介してメモリ部7から読み出される。また、画像情報は、コントローラ6を介してモニタ9に表示される。
次に、一連の制御シーケンスについて、図4および図5を参照して説明する。図4は、一連の制御シーケンスの流れを示すフローチャートであって、図5は、感度特性の実測データである。
(ステップS1)ゲイン補正用の画像の登録
ゲイン補正(感度補正)に使用する複数のゲイン補正用画像を登録する。具体的には、互いに異なる複数のX線の線量の一様照射からゲイン補正用画像を取得し、取得された複数のゲイン補正用画像をメモリ部7のゲイン補正用画像登録部7aにそれぞれ記憶することで、複数のゲイン補正用画像を登録する。本実施例では、図5に示すy,y,yの入射線量で一様照射して、3枚のゲイン補正用画像を登録する。ここでは、ある1つの画素に着目して、入射線量yでのゲイン補正用画像の画素値を示す出力値をxとし、入射線量yでのゲイン補正用画像の画素値を示す出力値をxとし、入射線量yでのゲイン補正用画像の画素値を示す出力値をxとする。
(ステップS2)近似式の算出
図5に示すように、y<y<yであり、入射線量と(ゲイン補正用画像の画素値を示す)出力値との関係を表した近似式(感度特性の実測データ)の領域を、入射線量yの境界で2つの領域に分割する。したがって、図5に示す領域は、入射線量y以下の領域と、入射線量y,yも含めた入射線量yを超えた領域とに分割され、最も入射線量が少ない領域は、入射線量y以下の領域となり、それ以外の領域は、入射線量y,yも含めた入射線量yを超えた領域となる。
本実施例では、最も入射線量が少ない領域では一次式のf(x)で近似するとともに、それ以外の領域では多項式のg(x)で近似する。したがって、入射線量y以下の領域では一次式f(x)で近似し、入射線量y,yも含めた入射線量yを超えた領域では多項式g(x)で近似する。このことから、原点(0,0)と(x,y)とを結ぶと一次式f(x)が決まる。一方、(x,y),(x,y),(x,y),…から最小二乗法により多項式g(x)を求める。このとき、下記(1)式、(2)式のように2つの境界条件を満たす必要がある。
f(x)=g(x) …(1)
f´(x)=g´(x) …(2)
ただし、「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、f´(x)はf(x)をxで微分したものであり、g´(x)はg(x)をxで微分したものである。f(x),g(x)の具体的な導出については後述する。
(ステップS3)ゲイン補正
実際の被検体にX線を照射して撮像を行う。撮像によって取得された画像は、ゲイン補正前の画像情報であり、A/D変換器4でディジタル化された出力値である。ゲイン補正の対象となる画像情報(出力値)をゲイン補正するために、先ず、ゲイン補正前の出力値をf(x)、g(x)に代入して、各々の画素に対応した入射線量yを求める。ゲイン補正前の出力値がx以下の場合には一次式f(x)を用いて、ゲイン補正前の出力値がxを超える場合には多項式g(x)を用いて、各々の画素に対応した入射線量yを求める。
そして、全画素に共通の線量と出力値とに関する感度特性式h(y)を適当に決める。h(y)の決め方の一例として、ステップS1で登録された入射線量yでのゲイン補正用画像の全画素平均出力値をx[avg]とすると、下記(3)式のように表される。
Figure 2014013950
ゲイン補正前の出力値をf(x)、g(x)に代入して得られた入射線量yを上記(3)式のh(y)に代入することで、感度特性式h(y)をゲイン補正後の出力値(画素値)として出力することができる。各々の画素毎での入射線量yを上記(3)式のh(y)に代入することで、ゲイン補正後の全画素の出力値(画素値)が得られ、ゲイン補正後の画像を取得することができる。したがって、図5中の点線よりも線量が少ない領域で一次式f(x)によるゲイン補正を行い、図5中の点線よりも線量が多い領域で多項式g(x)によるゲイン補正を行うことになる。
次に、f(x),g(x)の導出について説明する。ゲイン補正用画像を入射線量ごとに対応させた感度補正データを(x,y)(i=0,1,…,n)とする。ここで、xをゲイン補正用画像の出力値(画素値)とし、yを入射線量とする。上述したように、(x,y)は、一次式f(x)と多項式g(x)との境界点であるとする。一次式f(x)は、上述したように原点(0,0)と(x,y)とから決まり、下記(4)式のように表される。多項式g(x)は、上述したように最小二乗法により決まり、(k−1)次式のg(x)は、下記(5)式のように表される。
Figure 2014013950
一次式f(x)と多項式g(x)とを滑らかに接続するために、上記(1)式、(2)式のような2つの境界条件を課す。上記(1)式、(2)式から下記(6)式、(7)式が求まる。
Figure 2014013950
(k−1)次多項式の実測値と理論値との残差の平方和は、下記(8)式のように表される。
Figure 2014013950
上記(6)式、(7)式を代入した上記(5)式を上記(8)式に代入し、b(m=2,3,…,k−1)で微分したものを“0”として整理すると、下記(9)式の正規方程式が得られる。
Figure 2014013950
ただし、上記(6)式中のAmj,Bは、下記(10)式、(11)式で表されるとする。
Figure 2014013950
この方程式を解くと、b(m=2,3,…,k−1)が求まり、上記(6)式、(7)式からb(m=0,1)が求まり、多項式g(x)が決定される。
「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、上述の特許文献1のダーク信号量を含んだ信号と蓄積時間とを一次関数で線形補間する技術のように、ゲイン補正においても線形補間することで、特定線量以外のゲイン補正を行うことが可能である。図8に示すように、一様照射で得られて測定された特定線量での出力値(図8中の●を参照)とグラフの原点とを直線で結んで線形補間することで、特定線量以外の広い入射線量範囲でゲイン補正を行うことが可能である。しかし、感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きい変換層を用いた場合には、図8に示す線形補間では補正感度が向上されない。
そこで、上述した本実施例に係るX線撮影装置によれば、互いに異なる複数のX線の線量の一様照射から画像取得の機能はゲイン補正に用いられるための複数の画像(ゲイン補正用画像)を取得する。その画像取得の機能で取得された複数のゲイン補正用画像から、X線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値(本実施例では入射線量)と、ゲイン補正用画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を近似式算出の機能は求める。その近似式算出の機能で求められた近似式は、線形補間で得られたものでなく、複数の入射線量と画像取得の機能で取得された複数のゲイン補正用画像から得られて近似されたものであるので、たとえ感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きい変換層(本実施例ではCdTe膜)を用いたとしても、その近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正の機能がゲイン補正することで、特定線量以外の広い入射線量範囲で高い感度補正精度の画像を取得することができる。
上述したように、全領域で同じ近似式を用いると補正感度が全領域で向上される訳でなく、例えば、全領域で同じ多項式を用いると、入射線量が多い領域(高線量領域)での補正感度は改善されるが、入射線量が少ない領域(低線量領域)での補正精度が悪化する。図9の■に示すように、一次式によりゲイン補正を行ったときには低線量領域ではSN比が向上するが、高線量領域ではSN比が頭打ちになっている。また、図9の▲に示すように、三次式によりゲイン補正を行ったときには高線量領域ではSN比が向上するが、低線量領域では一次式のときよりもSN比が低い。一方、図9の●に示すように、低線量領域では一次式により、高線量領域では二次式によりゲイン補正を行ったときには、全領域にわたってSN比が向上している。
以上のことを鑑みると、本実施例では、入射線量とゲイン補正用画像の画素値(出力値)との関係を表した近似式の領域を、入射線量の大きさに応じて複数(図5では2つ)の領域に分割して、分割された各々の領域内で入射線量とゲイン補正用画像の画素値との関係を表した近似式(図5では一次式f(x)、多項式g(x))をそれぞれ求め、互いに隣り合う領域の近似式(図5ではf(x)、g(x))を滑らかに接続することで、全領域での近似式を求めている。上述したように、「滑らかに接続する」とは、上記(1)式、(2)式の境界条件をともに満たすことを示す。なお、一次微分のみならず、二次微分においても、f´´(x)=g´´(x)の境界条件を満たすようにしてもよい。このように全領域での近似式を求めることで、全領域にわたって高い感度補正精度の画像を取得することができる。
さらに、本実施例では、近似式を一次式f(x)、多項式g(x)で近似し、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似する。ここでの多項式は、一次式を除いた式であって、二次式以上を含む。図5に示すように、入射線量が多くなるにしたがって近似式の傾きが大きくなって、入射線量がどんなに多くなっても、出力値が所定の値に飽和することが予想される。したがって、入射線量が少ない領域(低線量領域)では低次の多項式(一次式を含む)で近似し、入射線量が多い領域(高線量領域)では高次の多項式で近似することで、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似する。このように近似することで、近似式を一次式あるいは多項式で表現して、全領域にわたって高い感度補正精度の画像を取得することができる。
さらに、本実施例では、上述の分割された領域のうち、最も入射線量が少ない領域(図5では入射線量y以下の領域)では一次式f(x)で近似するとともに、それ以外の領域(図5では入射線量y,yも含めた入射線量yを超えた領域)では多項式で近似する。最も入射線量が少ない領域では一次式f(x)による線形補間が可能で、一次式f(x)によりゲイン補正を行うことで、図9の●に示すように、SN比が向上し、それ以外の領域では、多項式g(x)によりゲイン補正を行うことでSN比が向上する。
本実施例では、X線変換層23は、CdTe膜に代表される多結晶化合物半導体である。多結晶化合物半導体の場合には、上述したようにその感度が非線形であり、画素間に感度バラツキが大きいので、この発明を適用することでゲイン補正による効果が大きい。本実施例では、多結晶化合物半導体としてCdTe膜を採用している。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、図1に示すようなX線撮影装置を例に採って説明したが、この発明は、例えばC型アームに配設されたX線透視撮影装置にも適用してもよい。また、この発明は、X線CT装置にも適用してもよい。
(2)上述した実施例では、入射したX線に代表される放射線をX線変換層(変換層)によって電荷情報に直接に変換した、「直接変換型」の検出素子用回路をこの発明は適用したが、入射した放射線をシンチレータなどの変換層によって光に変換し、光感応型の物質で形成された変換層によってその光を電荷情報に変換する「間接変換型」の検出素子用回路をこの発明は適用してもよい。
(3)上述した実施例では、X線を検出するための検出素子用回路を例に採って説明したが、この発明は、ECT(Emission Computed Tomography)装置のように放射性同位元素(RI)を投与された被検体から放射されるγ線を検出するための検出素子用回路に例示されるように、放射線を検出する検出素子用回路であれば特に限定されない。同様に、この発明は、上述したECT装置に例示されるように、放射線の入射により撮像を行う装置であれば特に限定されない。
(4)上述した実施例では、X線などに代表される放射線撮像を例に採って説明したが、この発明は、光の入射により撮像を行う装置にも適用することができる。
(5)上述した実施例では、X線変換層は、CdTe膜であったが、CdZnTe膜のような多結晶化合物半導体であってもよい。もちろん、非晶質の化合物半導体あるいは半導体単体、あるいは多結晶半導体に適用してもよい。X線変換層以外の変換層についても同様で、特に多結晶、非晶質、化学物半導体あるいは半導体単体に限定されない。
(6)上述した実施例では、出力値(画素値)を横軸にとり、入射線量を縦軸にとったが、逆に、入射線量を横軸にとり、出力値(画素値)を縦軸にとって近似式を求めてもよい。ただし、実施例のように、近似式を用いてゲイン補正を行う際に、ゲイン補正前の出力値(ゲイン補正用画像の画素値)を近似式に代入して入射線量を求めて、その入射線量から感度特性式h(y)を求めて、ゲイン補正後の出力値とする場合には、実施例のように入射線量を横軸にとり、出力値(画素値)を縦軸にとった近似式の方が求めやすい。
(7)上述した実施例では、近似式を用いてゲイン補正を行う際に、ゲイン補正前の出力値(ゲイン補正用画像の画素値)を近似式に代入して入射線量を求めて、その入射線量から感度特性式h(y)を求めて、ゲイン補正後の出力値としたが、近似式から利得補正係数を求めることでゲイン補正を行ってもよい。
(8)上述した実施例では、最も入射線量が少ない領域を図5の入射線量y以下の領域とし、それ以外の領域を入射線量y,yも含めた入射線量yを超えた領域として、2つの領域に分割したが、当該それ以外の領域を2つ以上の領域に分割して、最も入射線量が少ない領域も含めて合計3つ以上の領域に分割してもよい。合計3つ以上の領域に分割する場合、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似するのが好ましく、例えば最も入射線量が少ない領域では一次式で近似し、二番目に入射線量が少ない領域では二次式で近似し、三番目に入射線量が少ない領域では三次式で近似する。
(9)上述した実施例では、最も入射線量が少ない領域では一次式で近似したが、最も入射線量が少ない領域で二次式以上の多項式で近似してもよい。ただし、その場合でも、入射線量が多くなるにしたがって高次の近似式で近似するのが好ましい。
(10)上述した実施例では、近似式を一次式あるいは多項式で近似し、入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で近似したが、必ずしも一次式あるいは多項式に限定されない。指数関数や対数関数や三角関数等で近似してもよいし、これらの関数と一次式あるいは多項式を組み合わせてもよい。
(11)上述した実施例では、近似式の領域を、入射線量の大きさに応じて複数の領域に分割して、分割された各々の領域内で入射線量とゲイン補正用画像の画素値との関係の近似式をそれぞれ求め、互いに隣り合う領域の近似式を滑らかに接続することで、全領域での近似式を求めたが、必ずしも複数の領域に分割する必要はない。全領域で同じ近似式で近似してもよい。
(12)上述した実施例では、ゲイン補正係数の近似式は、入射線量とゲイン補正用画像の画素値との関係を表した近似式であったが、入射線量に換算した画素値とゲイン補正用画像の画素値との関係を表した近似式とし、その近似式にゲイン補正の対象となる画素値を代入することで、ゲイン補正を行ってもよい。
2 … 検出素子用回路
23 … X線変換層
6 … コントローラ
f(x) … 一次式
g(x) … 多項式
… ゲイン補正用画像の出力値(画素値)
… 入射線量

Claims (6)

  1. 光または放射線の入射により前記光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、
    その変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路と
    を備え、
    その蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、
    互いに異なる複数の光または放射線の線量の一様照射からゲイン補正に用いられるための複数の画像を取得する画像取得手段と、
    その画像取得手段で取得された複数の画像から、光または放射線が入射される線量を示す入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と、前記画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表したゲイン補正係数の近似式を求める近似式算出手段と、
    その近似式算出手段で求められた前記近似式を用いて対象となる画像情報をゲイン補正するゲイン補正手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と前記画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表した近似式の領域を、前記入射線量の大きさに応じて複数の領域に分割して、
    分割された各々の領域内で入射線量あるいは入射線量から換算された画素値と画像取得手段で取得された画像の画素値との関係を表した近似式をそれぞれ求め、
    互いに隣り合う領域の近似式を滑らかに接続することで、
    前記近似式算出手段は、全領域での前記近似式を求めることを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置において、
    前記近似式を一次式あるいは多項式で近似し、
    入射線量が多くなるにしたがって高次の多項式で前記近似式算出手段は近似することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項3に記載の撮像装置において、
    前記分割された領域のうち、最も入射線量が少ない領域では一次式で近似するとともに、それ以外の領域では多項式で前記近似式算出手段は近似することを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の撮像装置において、
    前記変換層は、多結晶化合物半導体であることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項5に記載の撮像装置において、
    前記変換層は、CdTeまたはCdZnTeであることを特徴とする撮像装置。
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