JP2014013222A - シールド機による切羽調査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地下水の水位以下の場所であっても、確実にシールド機の切羽面の地質を把握することが可能な調査方法を提供する。
【解決手段】 発振部9で発振された弾性波は、切羽面13の表面を伝播して受振部11まで到達する。発振部9と受振部11とは同一方向に向けて配置される。したがって、切羽面13を伝播する弾性波として、P波は、受振部11でほとんど受振されない。これに対し、S波(例えばSv波)は、発振部9から同一の切羽面13に押し付けられた受振部11において、効率よく受振することができる。すなわち、受振部11では、S波を効率よく受振することができる。したがって、地下水の影響を受けずに発振部9から発振された弾性波を受振部11で受振することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、シールド機によるトンネル掘削時における切羽の地質等を調査する方法に関するものである。
従来、トンネルの掘削方法の一つとして、シールド機が用いられる。シールド機は、前方に設けられるカッターヘッドによって前方の地山を掘削しながら掘進する。
一方、シールド機により掘削される地山の地質は場所によって一定ではない。例えば、軟弱な土質の部位や、岩盤など、掘削する部位によって、その地質が異なる。これに対し、シールド機による掘削条件は、地質に応じて設定することが望ましい。例えば加泥材の配合量や、掘進速度などは、地質に応じて適切に設定することが望ましい。したがって、シールド機により掘削される地盤の地質を把握する方法が望まれている。
これに対し、シールド機においては、前方の異物や地質の変化部などの有無を探査しながら掘削する方法がある。例えば、シールド機の前方の地山に対して、弾性波や電磁波等を発振し、この反射波を受振することで、前方の地質を探査することができる(たとえば特許文献1、特許文献2、特許文献3など)。
特開2002−296358号公報 特開平09−230042号公報 特開平04−134292号公報
特許文献1〜特許文献3のように、従来の方法は、シールド機の前方に向けて弾性波や電磁波等を発振する。したがって、シールド機の前方において、異物や、地質の変化部が存在すると、この部位において電磁波等が反射して、シールド機において受振することができる。したがって、シールド機の前方の地質変化等を知ることができる。
しかし、従来の方法は、反射波を用いる方法であるため、地質の変化点を知ることができても、徐々に変化する切羽面内の土質の状態を正確に把握することは困難である。また、従来の弾性波を用いた方法は、切羽前方に弾性波を発振し、探査対象で反射して戻ってきた反射波を受振するものである。この際、地中を伝達する弾性波の伝播速度は、S波に対してP波の方が速い。すなわち、P波よりも伝達送度が遅いS波は、P波の反射波を受振後に到達する。しかし、従来の方法では、P波とS波との区別はしていなかった。したがって、地山に対して電磁波等を発振してから、最初に戻ってくる反射波はP波であり、P波による反射波を用いた方法であった。
しかし、例えば、探査対象が地下水位以下の場合には、地下水を伝播するP波の速度よりも、探査地盤を伝播するP波の速度が遅い場合がある。このような場合には、地山に対して発振したP波は、地下水を伝播する速度で検出される。したがって、P波による反射波では、P波が地盤を伝達したものか地下水を伝播したものであるかを判別することが困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、地下水の水位以下の場所であっても、確実にシールド機の切羽面の地質を把握することが可能な調査方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、シールド機による切羽調査方法であって、前部にカッターヘッドを具備するシールド機を用い、前記カッターヘッドには、所定の間隔をあけて同一方向に向けて発振部と受振部が設けられ、前記シールド機による掘削の停止時において、前記発振部および前記受振部を掘削方向の切羽面に押し付け、前記発振部から前記切羽面に振動を発振するとともに、前記切羽面を伝播したS波を前記受振部で受振し、前記発振部と前記受振部との距離と伝播時間から、前記S波の伝播速度を算出し、前記S波の伝播速度から、前記切羽面の地質を推定して、地質に応じて掘削条件を設定することを特徴とするシールド機による切羽調査方法である。
前記発振部は、振動エネルギーができるだけ大きく、且つ、発振部から受振部に向けてカッターヘッド自体を伝播する弾性波の影響を少なくする構造を有していることが望ましい。そのため、カッターヘッドを反力にして発振する方式ではなく、空気圧によりピストンを押し出して発振するエアインパクタ方式であることが望ましい。
前記受振部および前記発振部は、前記カッターヘッドに対して、緩衝部材を介して接続されることが望ましい。
前記受振部は、前記カッターヘッドの複数個所に配置され、前記発振部から発振された振動に対して、それぞれの前記受振部で受振された前記S波の伝播速度をそれぞれ算出し、得られたそれぞれの前記S波の伝播速度を、前記発振部とそれぞれの前記受振部との中点におけるデータとし、前記カッターヘッドを所定角度回転させた位置毎に、前記S波の伝播速度を調査することで、前記S波の伝播速度から、前記切羽面の地質分布を得てもよい。
前記切羽面の地質分布を、表示手段に表示してもよい。
前記切羽面の地質調査を、セグメントの組立作業時に行い、前記セグメントの組立スパン毎の前記切羽面の地質分布をそれぞれ記憶手段に記憶し、掘削方向における所定スパン毎の前記切羽面の地質分布の変化を、表示手段に表示することで、未掘削部の地質を予測して掘削条件を設定してもよい。
前記受振部で受振した波形において、所定以上の振幅強度を有し、前記発振部から発振されてから前記受振部で受振されるまでの時間が、所定時間範囲内の波形のみを抽出することで、前記S波を特定してもよい。
本発明は、切羽面に向けて同一方向に発振部と受振部とを配置し、切羽面を伝播する直接波であるS波を用いる。S波は水中を伝播しないため、本発明では、地下水等の影響を受けることがない。また、反射波ではなく、直接波を用いるため、発振部と受振部との距離から、切羽面のS波の伝播速度を正確に知ることができる。したがって、精度の高い地質評価を行うことができる。このため、前方の切羽面の地質に応じて、適切な掘削条件を設定することができる。
また、発振部がエアインパクタであれば、切羽面に対して確実に弾性波を発振することができる。
また、発振部および受振部は、緩衝材を介してカッターヘッドに固定されるため、発振部から受振部に向けてカッターヘッド自体を伝播する弾性波の影響を小さくすることができる。したがって、より精度良く、切羽面を伝播する直接波を受振することができる。
また、カッターヘッドを所定角度で回転させて、それぞれの回転角度ごとに、それぞれの部位における切羽面を伝播する直接波であるS波の伝播速度を把握することで、切羽面の地質分布を知ることができる。また、この地質の分布を表示手段に表示することで、地質分布を視覚的に把握することができる。
また、所定スパン毎に切羽面の地質分布を把握して、それぞれの地質分布を記憶手段に記憶させておくことで、掘進に伴う地質の変化を知ることができる。このため、未探査の地質を予測することができる。
また、考えられる地質のそれぞれの種類に対するS波の伝播速度から、あらかじめ、発振部から発振されたS波が到達する時間範囲を算出し、当該時間範囲内で所定以上の振幅強度を有する弾性波をS波と認定することで、P波やカッターヘッドを伝わる弾性波、および反射波等の影響を排除することができる。したがって、より精度良く地質を把握することができる。
本発明によれば、地下水の水位以下の場所であっても、確実にシールド機の切羽面の地質を把握することが可能な調査方法を提供することができる。
シールド機1を示す図であり、(a)はシールド機1の側面断面図、(b)は、正面図。 発振部9の動作を示す図。 受振部11の動作を示す図。 発振部9から受振部11への弾性波の伝播を示す図。 各弾性波の振幅方向を示す概念図。 受振部11で受振した波形を示す概念図。 発振部9と受振部11の配置と、測定部位を示す図。 測定された切羽面のS波の速度分布と、地質分布を示す概念図。 掘削部位ごとの地質分布の変化を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、シールド機1を示す側方概略断面図、図1(b)は正面図である。シールド機1は、主に、スキンプレート3、カッターヘッド5、推進用ジャッキ7、およびスクリューコンベア17等により構成される。
スキンプレート3は例えば円筒状部材であり、前方にカッターヘッド5が設けられる。カッターヘッド5は、図示を省略したモータ等により回転可能であり、シールド機1の前方の切羽面13を掘削するものである。スキンプレート3の内面には、推進用ジャッキ7がスキンプレート3の周方向に所定間隔で複数設けられる。推進用ジャッキ7は、後方のセグメント15を押圧し、その反力でシールド機1を推進(図中矢印A方向)させるものである。
カッターヘッド5の前面には、発振部9および複数の受振部11が設けられる。発振部9は、切羽面13に対向するように配置され、切羽面13に対して弾性波を発振する部位である。また、受振部11は、切羽面13に対向するように配置される。すなわち、発振部9と受振部11は、同一方向に向けて配置される。受振部11は、切羽面13を伝播する弾性波を受振する部位である。なお、カッターヘッド5の形状や、発振部9および受振部11の配置は、図示した例には限られない。また、シールド機1は、場所打ちコンクリート工法によるものであっても良い。
次に、発振部9の構造について説明する。図2(a)は、掘削時における発振部9の状態を示す図である。発振部9は、カッターヘッド5に固定される。カッターヘッド5には、緩衝部材21が取り付けられる。緩衝部材21は、例えばゴム部材等で構成される。
緩衝部材21の内面には、発振部9のシリンダ27が固定される。すなわち、発振部9は、緩衝部材21を介してカッターヘッド5に固定される。シリンダ27の内部には、圧着ピストン23が設けられる。圧着ピストン23は、前方の切羽面13に対して、前後に移動可能である。
圧着ピストン23の内部には、起振ピストン25が設けられる。起振ピストン25は、圧着ピストン23に対して、前後に移動可能である。なお、発振部9の後方には、圧着ピストン23および起振ピストン25の動作用として、圧着用エア継手29、起振用エア継手31、トリガ用エア継手33を介してエア回路が接続される。
また、発振部9は、カッターヘッド5に固定された保護パイプ19内に収容される。切羽面13を掘削中には、圧着ピストン23は、ばね等によって後方に押し戻される。すなわち、圧着ピストン23の先端は、保護パイプ19内に収容される。
セグメントの組立などの際には、シールド機1は、掘進を停止する。この際、図2(b)に示すように、圧着用エア継手29からエアを導入して、圧着ピストン23を切羽面13に押し付ける(図中矢印B方向)。
この状態から、図2(c)に示すように、さらにトリガ用エア継手33および起振用エア継手31からエアを導入することで、起振ピストン25が動作し、切羽面13を打撃する。したがって、切羽面13に弾性波を発振することができる。発振が終了した後は、起振ピストン25および圧着ピストン23が引き戻される。なお、発振部9の構造は上述したエアインパクタでなくてもよい。
次に、受振部11について説明する。図3(a)は、掘削時における受振部11の状態を示す図である。受振部11は、カッターヘッド5に固定される。カッターヘッド5には、緩衝部材37が取り付けられる。緩衝部材37は、例えばゴム部材等で構成される。
緩衝部材37内面には、受振部11のシリンダ41が固定される。すなわち、受振部11は、緩衝部材37を介してカッターヘッド5に固定される。シリンダ41の内部には、圧着ピストン39が設けられる。圧着ピストン39は、前方の切羽面13に対して、前後に移動可能である。
圧着ピストン39内部には、加速度受振器45が設けられる。加速度受振器45は、前方の振動を受振する部位である。加速度受振器45には、受振信号ケーブル47が接続される。受振信号ケーブル47は、図示を省略した解析部に接続される。なお、受振部11の後方には、圧着ピストン39の動作用として、圧着用エア継手43を介してエア回路が接続される。
また、受振部11は、カッターヘッド5に固定された保護パイプ35内に収容される。切羽面13を掘削中には、圧着ピストン39は、ばね等によって後方に押し戻される。すなわち、圧着ピストン39の先端は、保護パイプ35内に収容される。
前述したように、セグメントの組立などの際には、図3(b)に示すように、圧着用エア継手43からエアを導入して、圧着ピストン39を切羽面13に押し付ける(図中矢印C方向)。すなわち、加速度受振器45によって、切羽面13の振動を受振することができる。
図4は、発振部9から受振部11までの弾性波の伝播の状態を示す図である。発振部9で発振された弾性波は、切羽面13の表面を伝播して受振部11まで到達する(図中矢印E方向)。ここで、発振部9から受振部11までの弾性波の伝播経路としては、切羽面13の表面以外にも、例えば、カッターヘッド5を伝播する場合がある。しかし、前述したように、発振部9および受振部11が、カッターヘッドに対して、緩衝部材21、37を介して接続される。このため、発振部9からカッターヘッド5への振動の伝播が抑制されるとともに、カッターヘッドから受振部11への振動の伝播が抑制される。したがって、切羽面13を伝播する弾性波を精度良く受振することができる。
ここで、地盤を伝播する弾性波には、進行方向に対する振幅方向によって種類が異なる。例えば、図5(a)に示すように、P波49aは、進行方向(図中E)と振幅方向(図中F)が一致する波である。前述のように、P波49aは、水中であっても伝播するため、地下水の影響を受ける。
一方、図5(b)、図5(c)は、それぞれ、Sv波49b、Sh波49cを示す図である。S波は、進行方向Eに対して、垂直な方向に振幅する。例えば、Sv波49bは、進行方向Eが水平方向である場合に、鉛直方向(図中F方向)の弾性波である。また、Sh波49cは、進行方向Eが水平方向である場合に、水平面内(図中G方向)の弾性波である。
本発明では、発振部9と受振部11とが同一方向に向けて配置される。したがって、切羽面13を伝播する弾性波として、P波は、受振部11でほとんど受振されない。これに対し、S波(例えばSv波)は、発振部9から同一の切羽面13に押し付けられた受振部11において、効率よく受振することができる。すなわち、受振部11では、S波を効率よく受振することができる。したがって、地下水の影響を受けずに発振部9から発振された弾性波を受振部11で受振することができる。
図6は、受振部11で受振された弾性波を示す概念図である。発振部9で起振した時点Hに対して、所定時間後に、受振部11では、弾性波を受振することができる。まず、最初に受振部11に到達する弾性波(図中K)は、カッターヘッド5を伝播した弾性波である。前述の通り、発振部9、受振部11は緩衝部材21、37を介してカッターヘッド5に接続されるため、カッターヘッド5を伝播する弾性波の影響を小さくすることができる。
次に受振部11に到達する弾性波(図中L)は、切羽面13を伝播したP波である。前述の通り、発振部9と受振部11とは同一の方向に向けて配置され、同一の切羽面13に押し付けられるため、受振部11では、切羽面13を伝播したP波の影響は小さい。
次に、受振部11に到達する弾性波(図中M)は、切羽面13を伝播したS波である。受振部11は、S波を感度良く受振するため、大きな振幅(強度)として受振することができる。すなわち、最初に所定以上(図中I)の振幅(強度)を有する弾性波を受振した時点が、切羽面13を伝播したS波が受振部11に到達したものと把握することができる。
なお、直接波Nに対して、ある程度の時間を経過した後には、反射波Oが受振される。しかし、本発明では、発振部9で発振した直後の直接波Nのみを対象とする。
ここで、発振部9と受振部11との距離は一定である。したがって、発振から受振までの時間を把握することで、弾性波(S波)の切羽面13における伝播速度を算出することができる。通常、地質に応じて、S波の伝播速度は異なる。したがって、S波の伝播速度を算出することで、地質を把握することができる。例えば、地質ごとにS波の伝播速度を予め調べておくことで、得られたS波の伝播速度から、対応する地質を推定することができる。
なお、想定される切羽面13の地質はある程度限定される。したがって、切羽面13のS波の伝播速度も、ある程度の範囲内に収まる。このため、発振部9から弾性波が発振されてから、所定の時間内のみの受振データを用いることで、反射波の影響や、カッターヘッド5を伝達する弾性波の影響を排除することができる。
例えば、図6においては、切羽面13が、想定される最も伝播速度の遅い地質の場合に、受振部11で直接波Nを受振するまでの時間がJであれば、想定される地質においてすべての直接波は時間J以内受振される。この場合には、時間J後に到達する弾性波は反射波Oと考えられるため、時間J以前のデータのみを採用することで、反射波Oの影響を排除することができる。同様に、所定時間よりも早く受振される波は、カッターヘッドを伝播する波、またはP波であると認定し、所定時間後に受振される波だけを採用することで、カッターヘッドを伝播する波およびP波の影響を排除することができる。
次に、切羽面13の地質分布の調査方法について説明する。図7に示すように、一つの発振部9に対して、複数の受振部11(受振部11a、11b、11c、11d)が配置される。セグメントの組立作業などにおいて、シールド機1の掘削が停止している状態で、発振部9および受振部11を切羽面13に押し付けて、切羽面13のS波の伝播速度を調査する。
例えば、受振部11aで受振した受振データによって、発振部9から受振部11aまでの切羽面13のS波の伝播速度を算出することができる。したがって、S波の伝播速度に対応した地質を推定することができる。この際、発振部9と受振部11aとの中点における地質が、推定された地質であると認定する。同様に、受振部11b、11c、11dにおける受振データに基づいて、それぞれ部位におけるS波の伝播速度を算出し、発振部9と受振部11b、11c、11dそれぞれの中点における地質を推定する。
次に、発振部9、受振部11a、11b、11c、11dを切羽面13から後方に引き戻し(図2(a)、図3(a))、カッターヘッド5を所定角度回転させる(図中矢印P)。例えば、カッターヘッド5を10〜20°回転させる。この状態で、前述と同様に、切羽面13のS波の伝播速度をそれぞれの部位で算出し、発振部9と受振部11a、11b、11c、11dそれぞれの中点における地質を推定する。以上を繰り返すことで、切羽面13の略全域に渡って、地質を調査することができる。
図8は、このようにして得られた切羽面13の地質分布を表示させた概念図である。前述したように、それぞれの位置での受振部11におけるS波の伝達時間から、解析部によって、S波の伝播速度が算出される。したがって、例えば、図8(a)に示すように、切羽面13の各部における、S波の伝播速度分布を算出することができる。したがって、解析部によって算出され、合成されたS波伝播速度分布画面50を表示手段に表示させることができる。
また、前述したように、予め、S波の伝播速度に対応する地質をデータベース化して記憶部に保存しておき、解析部が、算出されたS波伝播速度から対応する地質情報を読み出すことで、切羽面13の地質を推定することができる。したがって、図8(b)に示すように、解析部は、切羽面13の各部における、地質分布画面51を表示手段に表示させることができる。
また、得られた地質分布画面51は、記憶部に保存してもよい。このようにすることで、図9に示すように、計測位置ごとの地質分布画面51a、51b、51c、51dを重ねてみることができる。例えば、セグメントの組立作業時ごとに切羽面13の地質調査を行うことで、所定スパンごとの切羽面13の地質分布を把握することができる。したがって、これらの情報から、未調査の掘削方向前方の地質の変化を予測することができる。
以上、本発明によれば、切羽面13に対して同一方向に発振部9および受振部11を配置することで、P波の影響を排除して、S波の伝達時間を把握することができる。また、発振部9と受振部11の距離から、S波の伝播速度を算出することができる。この際、緩衝部材21、37によって、カッターヘッド5を直接伝播する弾性波の影響を抑制することができる。また、所定時間範囲の受振データを採用するため、反射波等の影響を排除することができる。
また、カッターヘッド5を回転させて、所定角度ごとに切羽面13の各部のS波伝播速度を算出することで、切羽面13のS波伝播速度分布を知ることができる。したがって、切羽面13の地質分布を把握することができる。
また、切羽面13の地質分布を表示することで、視覚的に地質分布を知ることができる。また、掘削距離ごと地質分布を知ることで、さらに前方の地質変化を予測することができる。
このように、切羽面13の地質を知ることで、切羽面13の地質に応じて適切な掘削条件を設定することができる。例えば、加泥材の配合量や、掘削速度等を調整することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………シールド機
3………スキンプレート
5………カッターヘッド
7………推進用ジャッキ
9………発振部
11………受振部
13………切羽面
15………セグメント
17………スクリューコンベア
19………保護パイプ
21………緩衝部材
23………圧着ピストン
25………起振ピストン
27………シリンダ
29………圧着用エア継手
31………起振用エア継手
33………トリガ用エア継手
35………保護パイプ
37………緩衝部材
39………圧着ピストン
41………シリンダ
43………圧着用エア継手
45………加速度受振器
47………受振信号ケーブル
49a………P波
49b………Sv波
49c………Sh波
50………S波速度分布画面
51、51a、51b、51c、51d………地質分布画面

Claims (7)

  1. シールド機による切羽調査方法であって、
    前部にカッターヘッドを具備するシールド機を用い、
    前記カッターヘッドには、所定の間隔をあけて同一方向に向けて発振部と受振部が設けられ、
    前記シールド機による掘削の停止時において、前記発振部および前記受振部を掘削方向の切羽面に押し付け、
    前記発振部から前記切羽面に振動を発振するとともに、前記切羽面を伝播したS波を前記受振部で受振し、
    前記発振部と前記受振部との距離と伝播時間から、前記S波の伝播速度を算出し、
    前記S波の伝播速度から、前記切羽面の地質を推定して、地質に応じて掘削条件を設定することを特徴とするシールド機による切羽調査方法。
  2. 前記発振部は、エアインパクタであることを特徴とする請求項1記載のシールド機による切羽調査方法。
  3. 前記受振部および前記発振部は、前記カッターヘッドに対して、緩衝部材を介して接続されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド機による切羽調査方法。
  4. 前記受振部は、前記カッターヘッドの複数個所に配置され、
    前記発振部から発振された振動に対して、それぞれの前記受振部で受振された前記S波の伝播速度をそれぞれ算出し、得られたそれぞれの前記S波の伝播速度を、前記発振部とそれぞれの前記受振部との中点におけるデータとし、
    前記カッターヘッドを所定角度回転させた位置毎に、前記S波の伝播速度を調査することで、前記S波の伝播速度から、前記切羽面の地質分布を得ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシールド機による切羽調査方法。
  5. 前記切羽面の地質分布を、表示手段に表示することを特徴とする請求項4記載のシールド機による切羽調査方法。
  6. 前記切羽面の地質調査を、セグメントの組立作業時に行い、
    前記セグメントの組立スパン毎の前記切羽面の地質分布をそれぞれ記憶手段に記憶し、
    掘削方向における所定スパン毎の前記切羽面の地質分布の変化を、表示手段に表示することで、未掘削部の地質を予測して掘削条件を設定することを特徴とする請求項4または請求項5記載のシールド機による切羽調査方法。
  7. 前記受振部で受振した波形において、所定以上の振幅強度を有し、前記発振部から発振されてから前記受振部で受振されるまでの時間が、所定時間範囲内の波形のみを抽出することで、前記S波を特定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のシールド機による切羽調査方法。
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